JPH09133761A - パルス圧縮装置及び超音波診断装置 - Google Patents

パルス圧縮装置及び超音波診断装置

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JPH09133761A
JPH09133761A JP7290093A JP29009395A JPH09133761A JP H09133761 A JPH09133761 A JP H09133761A JP 7290093 A JP7290093 A JP 7290093A JP 29009395 A JP29009395 A JP 29009395A JP H09133761 A JPH09133761 A JP H09133761A
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JP
Japan
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reception signal
basic
received signal
pulse
delayed
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Application number
JP7290093A
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English (en)
Inventor
Takemitsu Harada
烈光 原田
Chihiro Kasai
千広 河西
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な回路構成で受信信号をパルス圧
縮する。 【解決手段】 進み受信信号生成部10は、受信信号f
(t)を時間(−τ0 )だけ遅延させて(すなわちτ0
だけ位相を進めて)進み受信信号f(t+τ0 )を生成
する。また遅れ受信信号生成部12は、受信信号f
(t)を時間τ0 だけ遅延させて遅れ受信信号f(t−
τ0 )を生成する。進み受信信号及び遅れ受信信号は、
それぞれ重み係数αで重みづけされ、加算部14にて受
信信号f(t)に加算される。この加算処理により受信
信号のパルス幅が圧縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信したパルス波
に対する反射波を受信して得られる受信信号をパルス圧
縮するパルス圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波画像の画質を評価する指標の一つ
として、距離分解能がある。距離分解能とは、超音波の
伝搬方向についての空間分解能である。一般に、この距
離分解能は、探触子及び超音波診断装置内の送受信部を
含めた装置全体の総合的な周波数帯域の逆数程度の値と
なる。
【0003】従って、例えばBモードによる組織断層画
像表示においては、できるだけ広帯域な送受信系を採用
することにより、距離分解能の向上を図っている。しか
しながら、探触子や送受信部の回路系の広帯域化に要す
るコストを考えると、距離分解能の向上には限界があっ
た。
【0004】このため信号処理的に距離分解能を向上さ
せる手法として、逆フィルタ法やデコンボリューション
法などの手法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
逆フィルタ法やデコンボリューション法は、媒質の一様
性を仮定したものであり、この仮定が成り立たない組織
に対しては十分な効果が得られなかった。また、これら
の手法を実現するための回路構成は比較的複雑なもので
あるため、装置の複雑化、コストアップという問題もあ
った。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、比較的簡単な回路構成で受信信
号のパルス圧縮を行い、これにより距離分解能を向上さ
せることができるパルス圧縮装置及び超音波診断装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明に係るパルス圧縮装置は、基本受信信号に
対して所定の位相シフト量だけ位相が進んだ進み受信信
号を生成する進み受信信号生成手段と、基本受信信号に
対して所定の位相シフト量だけ位相が遅れた遅れ受信信
号を生成する遅れ受信信号生成手段と、前記進み受信信
号及び遅れ受信信号を重み係数によってそれぞれ重みづ
けして前記基本受信信号に対して加算し、前記基本受信
信号をパルス圧縮する加算手段と、を有することを特徴
とする。
【0008】この構成では、基本受信信号、進み受信信
号及び遅れ受信信号は互いに位相が異なるだけで波形自
体は同一である。これら3つの信号は、例えば1つの受
信信号を複数段階に遅延させるなどの方法により生成す
ることができる。進み受信信号生成手段からは、基本受
信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が進んだ進
み受信信号が出力され、遅れ受信信号生成手段からは、
基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が遅
れた遅れ受信信号が出力される。
【0009】そして、加算手段は、進み受信信号及び遅
れ受信信号をそれぞれ重みづけしたのち、基本受信信号
に対して加算する。この加算処理によれば、受信信号パ
ルスは全体的に振幅が小さくなるが、振幅の減少度合は
受信信号パルスの中央部よりも両端部のほうが大きい。
従って、加算手段からの出力信号は、基本受信信号より
もパルス幅が圧縮されたものとなる。
【0010】この構成において、基本受信信号に対する
進み受信信号及び遅れ受信信号の位相シフト量を、送信
パルスの(n+1/2)周期(nは0以上の整数)とす
れば、最大のパルス圧縮効果を得ることができる。
【0011】また、本発明は、前記構成において、加算
手段における進み受信信号及び遅れ受信信号に対する重
み係数を、反射源の距離に応じて制御する係数制御手段
を有することを特徴とする。
【0012】この構成では、係数制御手段で重み係数を
制御することにより、様々な距離にある反射源からの受
信信号をその距離に応じた適切な重み係数を用いて重み
づけすることができる。従って、この構成によれば、例
えば近距離の反射源からの受信信号については、振幅が
十分に大きいので重み係数を大きくしてパルス圧縮の効
果を高め、遠距離の反射源による受信信号については、
重み係数を小さくして加算処理による振幅の低下の度合
を小さくし、感度低下を防止するなどの処理が可能とな
る。
【0013】また、本発明は、生体に超音波パルスを送
信し、生体からの反射波を受信して得られる受信信号を
用いて生体組織の診断を行う超音波診断装置において、
基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が進
んだ進み受信信号を生成する進み受信信号生成手段と、
基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が遅
れた遅れ受信信号を生成する遅れ受信信号生成手段と、
前記進み受信信号及び遅れ受信信号を重み係数によって
それぞれ重みづけして前記基本受信信号に対して加算
し、前記基本受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮手段
と、を有することを特徴とする。
【0014】この構成によれば、パルス圧縮手段によっ
て受信信号をパルス圧縮することにより、距離分解能を
向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[本発明の原理]まず、本発明におけるパルス圧縮の原
理を図面を参照しながら説明する。
【0016】送信パルス波が反射源に当たると、パルス
状の反射波が反射される。本発明は、この反射波を受信
したときの受信信号中のパルスのパルス幅を圧縮するも
のである。
【0017】ここでは、受信信号は、中心周波数がν0
で、ガウス型の包絡線を有するパルスであると仮定す
る。ここで2πν0 =ω0 とおくと、受信信号f(t)
は次式で表される。
【0018】
【数1】 式(1)において、τは受信信号パルスの包絡線の広が
りを示す時間幅であり、t0 は送受信器から反射源まで
のパルス波の往復に要する時間である。また、jは、虚
数単位である。式(1)に示す信号は、角振動数ω0
正弦波と、t0 を中心とするガウス曲線との積となって
いる。
【0019】図1は、本発明に係るパルス圧縮装置の原
理構成を示す図である。図1において、進み受信信号生
成部10は、受信信号f(t)を時間(−τ0 )だけ遅
延させて(すなわちτ0 だけ位相を進めて)進み受信信
号f(t+τ0 )を生成する。また遅れ受信信号生成部
12は、受信信号f(t)を時間τ0 だけ遅延させて遅
れ受信信号f(t−τ0 )を生成する。以下、進み受信
信号及び遅れ受信信号と区別するために、受信信号f
(t)のことを基本受信信号と呼ぶ。進み受信信号及び
遅れ受信信号は、それぞれ重み係数αで重みづけされた
のち、加算部14にて基本受信信号f(t)に加算され
る。
【0020】式(1)で示される基本受信信号f(t)
が図1のパルス圧縮装置に入力された場合、加算部14
からは次式で表される出力信号E(t)が出力される。
【0021】
【数2】 ここで、w(t)は、次式で表される重み関数である。
【0022】
【数3】 このように、加算部14の出力信号E(t)は、基本受
信信号f(t)と重み関数w(t)との積として表わす
ことができる。
【0023】ここで、進み受信信号及び遅れ受信信号の
位相シフト量τ0 を送信波の周期の1/2(すなわち、
送信波の半波長分の位相量)とすると、式(3)におい
て、exp(−jω0 τ0 )及びexp(jω0 τ0
の値がともに−1となるので、w(t)は次式のように
変形される。
【0024】
【数4】 なお、式(4)において、β=τ/τ0 (すなわちβ
は、包絡線の時間幅τを送信波周期の1/2の時間τ0
で正規化したもの)であり、γはβの逆数である。ま
た、t´=(t−t0 )/τ0 である。
【0025】次に、加算部14の出力信号E(t)が基
本受信信号f(t)をパルス圧縮したものとなることを
説明する。
【0026】図2は、重み関数w(t)(一点鎖線で示
す)、基本受信信号f(t)の包絡線(破線で示す)、
及び加算部14の出力信号E(t)の包絡線(実線で示
す)のシミュレーション結果の一例を対数表示で示して
いる。図2は、重み係数αを0.4、受信信号パルスの
包絡線の正規化時間幅βを4.0とした場合の例を示し
ている。図2では、包絡線の振幅値は、基本受信信号f
(t)のピーク値を1としたときの値を示している。な
お、ここでは、信号の包絡線を用いてパルス圧縮の効果
を評価するため、図2においては、重み関数w(t)の
絶対値をプロットしたグラフを示す。
【0027】図2から分かるように、重み関数w(t)
の値は、パルスの中心時刻t0 の付近では0.5程度で
あり、その時刻t0 の前後に向かって次第に小さくなっ
ている。そして、時刻t1 及びt2 の近傍で急激に小さ
くなっている。時刻t1 及びt2 の近傍では、出力信号
E(t)の包絡線の振幅は、基本受信信号f(t)の包
絡線の振幅に比べて1/100以下の小さな値となって
いる。
【0028】図3は、基本受信信号f(t)及び加算部
14の出力信号E(t)の時間波形を示したものであ
る。図3では、基本受信信号f(t)の波形を破線で、
加算部14の出力信号E(t)の波形を実線で示してい
る。図3によれば、加算部14の出力信号E(t)は、
ピーク振幅が基本受信信号f(t)に比べて1/2程度
になっているものの、時刻t1 及びt2 の近傍における
振幅は、基本受信信号の1/100以下まで小さくなっ
ているのが分かる。すなわち、加算部14の出力信号E
(t)では、基本受信信号f(t)のパルスの立上が
り、立ち下がりの部分の振幅が、ピーク振幅に比して急
激に小さくなっている。従って、加算部14の出力信号
E(t)のパルス幅は、基本受信信号f(t)のパルス
幅よりも小さくなり、図1の構成により基本受信信号f
(t)がパルス圧縮されていることが分かる。
【0029】図1の構成において、パルス圧縮効果(パ
ルス幅の圧縮度合)は、重み係数αを変えることにより
変えることができる。重み係数αを大きくするほど、パ
ルス圧縮効果が大きく、すなわち受信信号パルスの実効
的なパルス幅が小さくなる。
【0030】なお、図2では、時刻t1 以前及び時刻t
2 以降で重み関数w(t)の絶対値が大きくなるが、こ
の領域では基本受信信号f(t)自体の振幅が0に極め
て近い値となるため、基本受信信号f(t)と重み関数
w(t)との積である加算器14の出力信号E(t)も
0に近い値となる。
【0031】以上説明したように、受信信号を図1に示
す構成に入力すれば、パルス幅が圧縮された出力信号を
得ることができる。したがって、超音波診断装置等にお
いては、受信信号(時間波形)を図1に示す構成によっ
てパルス圧縮し、これにより得られた信号を用いてBモ
ード断層像等の生成処理を行うことにより、距離分解能
を向上させることができる。
【0032】[実施例]本発明に係る超音波診断装置の
実施例を図面に基づいて説明する。
【0033】図4は、本発明に係る超音波診断装置の概
略構成を示すブロック図である。
【0034】送受信部40は、制御部42から与えられ
る送信タイミング信号に基づき駆動パルスを生成し、探
触子44に与える。これにより、探触子44からは、超
音波パルスが所定間隔ごとに生体46に向かって放射さ
れる。生体組織から反射された超音波は探触子44によ
り受波され、これによって得られる受信信号は、送受信
部40にて位相合成等が施される。
【0035】送受信部40から出力された受信信号は、
パルス圧縮回路20にてパルス圧縮されたのち、Bモー
ド断層処理部48、ドプラ断層処理部50及びドプラス
ペクトル処理部52に入力される。ここで、パルス圧縮
回路20は、入力される信号を前述の原理に従ってパル
ス圧縮する回路であり、具体的な内部構成については後
に説明する。
【0036】Bモード断層処理部48、ドプラ断層処理
部50及びドプラスペクトル処理部52は、それぞれ、
Bモード断層像生成のための信号処理、ドプラ断層像生
成のための信号処理、及びドプラスペクトル生成のため
の信号処理を行うものであり、周知の構成を用いること
ができる。
【0037】Bモード断層処理部48、ドプラ断層処理
部50及びドプラスペクトル処理部52から出力された
信号は、DSC(ディジタル・スキャン・コンバータ)
54にて走査変換及び合成され、Bモード断層像、ドプ
ラ断層像及びドプラスペクトルが重畳した画像データが
生成される。そして、DSC54にて合成された画像が
表示部56に表示される。
【0038】次に、図4の超音波診断装置におけるパル
ス圧縮回路20の内部構成について説明する。
【0039】図5は、パルス圧縮回路20の内部構成を
示すブロック図である。
【0040】図5のパルス圧縮回路20においては、2
つの遅延回路22及び24を利用して、前記原理におけ
る基本受信信号、進み受信信号及び遅れ受信信号を生成
する。遅延回路22及び24は共に遅延量がτ0 の遅延
回路である。従って、パルス圧縮回路20において、入
力された受信信号を遅延回路22にてτ0 だけ遅延させ
た信号を前記原理における基本受信信号とすれば、入力
された受信信号は当該基本受信信号に対してτ0 だけ進
んだ進み受信信号となり、入力された受信信号を遅延回
路22及び24にて2τ0 だけ遅延させた信号は当該基
本受信信号に対してτ0 だけ遅れた遅れ受信信号とな
る。
【0041】遅延回路22及び24における遅延量τ0
は、好適には、送信超音波の周期の1/2の時間に設定
される。なお、送信超音波の周期は、探触子から放射さ
れる超音波の中心周波数ν0 の逆数である。
【0042】遅延回路22から出力される信号は、基本
受信信号としてそのまま加算器30に入力される。一
方、送受信部40(図4参照)からパルス圧縮回路20
に入力された受信信号自体は、進み受信信号として乗算
器26にて所定の重み係数αを乗じられたのち、加算器
30に入力される。また、遅延回路24から出力される
信号は、遅れ受信信号として乗算器28にて重み係数α
を乗じられたのち、加算器30に入力される。
【0043】加算器30は、重みづけされた進み受信信
号及び遅れ受信信号を基本受信信号に加算する。この加
算器30の出力信号は、本発明の原理の説明にて示した
ように、基本受信信号に対してパルス圧縮を施した信号
となっている。
【0044】なお、加算器30の出力信号は、前記原理
の項にて説明したように基本受信信号に比べてピーク振
幅が若干小さくなるので、本パルス圧縮回路20では、
増幅器32によってその出力信号を線形増幅することに
よりピーク振幅の低下を補償して、外部に出力してい
る。
【0045】以上説明したように、本実施例の超音波診
断装置では、このようなパルス圧縮回路20を用いて受
信信号のパルス幅を圧縮することにより、距離分解能を
向上させることができる。
【0046】次に、本実施例のパルス圧縮回路の変形例
について説明する。
【0047】前記実施例のパルス圧縮回路では、進み受
信信号及び遅れ受信信号を重みづけする重み係数αが固
定であった。これに対して、この変形例では、送信パル
ス波の反射源の距離(超音波診断装置の場合は、反射源
の深さ)に応じて重み係数αの値を可変する。
【0048】一般に、反射源までの距離が大きくなるほ
ど受信信号の強度は小さくなる。これに対し、本実施例
のパルス圧縮処理では、前述したように受信信号パルス
のピーク振幅が減少する。このピーク振幅の減少は、重
み係数αが大きくなるほど大きくなる。従って、もとも
と強度の小さい深い反射源からの受信信号に対して大き
な重み係数αを用いると、パルス圧縮された信号の振幅
が小さくなり過ぎて感度の低下をもたらす可能性があ
る。この変形例は、反射源の距離(深さ)を考慮して、
装置の感度を維持できるようにするためのものである。
【0049】図6は、このパルス圧縮回路の変形例を示
すブロック図である。図5と同一の構成要素には同一の
符号を付してその説明を省略する。
【0050】図6のパルス圧縮回路20には、重み係数
αを可変制御するための係数制御回路34が設けられて
いる。係数制御回路34には、例えば超音波診断装置の
制御部42(図4参照)から反射源の深さを示す深さ信
号が供給される。係数制御回路34は、この深さ信号に
基づき、反射源が深い位置にある場合には重み係数αが
小さくなり、反射源が浅い位置にある場合には重み係数
αが大きくなるように重み係数を制御する。そして、こ
のようにして値が制御された重み係数αが、係数制御回
路34から乗算器26及び28に供給される。
【0051】このように、この変形例によれば、感度が
十分に確保されている近距離の反射源からの受信信号に
対しては重み係数αを大きくしてパルス圧縮効果を高
め、逆に遠距離の反射源からの受信信号に対しては重み
係数αを小さくして感度を確保するという制御を行うこ
とができる。従って、この変形例によれば、反射源の位
置に応じて適切な感度を維持しつつパルス圧縮を行うこ
とができる。
【0052】次に、超音波診断装置の変形例について説
明する。
【0053】図7は、この変形例の概略構成を示すブロ
ック図である。図7において、図4と同一の構成要素に
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】前述の図4の構成では、Bモード断層処理
部48、ドプラ断層処理部50及びドプラスペクトル処
理部52のすべてがパルス圧縮回路20によってパルス
圧縮された受信信号を用いていた。これに対して、図7
の構成では、パルス圧縮回路20の出力を用いるのはB
モード断層処理部48のみで、ドプラ断層処理部50及
びドプラスペクトル処理部52は、パルス圧縮されてい
ない受信信号を用いて処理を行う。
【0055】ドプラ断層表示やドプラスペクトル表示で
は、血流等の運動体の速度の検出感度を重視するため比
較的狭帯域な超音波パルスが用いられる。従って、その
ようなドプラ用の超音波パルスをそのまま用いてBモー
ド断層像を形成した場合には、所望の距離分解能が得ら
れない場合がある。そこで、図7の構成では、探触子4
4にドプラに適した比較的狭帯域のものを用い、ドプラ
断層処理部50及びドプラスペクトル処理部52では送
受信部40からの受信信号をそのまま用いて処理を行う
ことにより血流等の検出感度を確保し、Bモード断層処
理部48ではパルス圧縮回路20でパルス幅を圧縮した
信号を用いて処理を行うことにより距離分解能を向上さ
せる。なお、図7の装置では、Bモード断層処理部48
の出力とのタイミング合わせのため、ドプラ断層処理部
50及びドプラスペクトル処理部52の出力はパルス圧
縮回路20による信号の遅延量と同じだけ遅延して出力
される。
【0056】このように図7の構成によれば、Bモード
処理及びドプラ処理に対し、それぞれの要求に適した受
信信号を供給することができる。
【0057】以上、本発明の実施形態について説明し
た。以上の説明では、基準受信信号に対する進み受信信
号及び遅れ受信信号の位相シフト量を送信波の周期の1
/2としたが、これは、各信号をそのような位相関係と
すれば、加算器における加算処理において基準受信信号
の波形の山に進み受信信号及び遅れ受信信号の波形の谷
が重なり、基準受信信号の波の振幅が小さくなるためで
ある。ただし、ここでは基準受信信号が単純に打ち消さ
れるのではなく、前述の原理に従ってパルスの端部ほど
振幅の減少度合が大きくなるように打ち消されるため、
パルス圧縮の効果が得られる。従って、前記位相シフト
量を送信波周期の1/2とする場合だけでなく、送信波
周期の(1+1/2)倍など送信波周期の(n+1/
2)倍(nは0以上の整数)とした場合にも、本発明の
効果を得ることができる。なお、超音波診断装置の場
合、1つの送信超音波パルスに含まれる波数は2〜4程
度なので、前記位相シフト量としては送信超音波周期の
(2+1/2)倍程度までが現実的な値である。
【0058】また、以上では、前記位相シフト量を送信
波周期の(n+1/2)倍としたが、厳密に送信波周期
の(n+1/2)倍になる場合に限らず、それに近い値
となる場合にもパルス圧縮の効果を得ることができる。
【0059】また、以上の実施形態は超音波診断装置に
ついてのものであったが、本発明に係るパルス圧縮処理
は、超音波診断装置に限らず超音波探傷などの非破壊検
査や、ソナー、レーダなどにも適用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
比較的簡単な回路構成で受信信号のパルス圧縮を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るパルス圧縮装置の原理的な構成
を示す説明図である。
【図2】 重み関数、及びパルス圧縮処理の前後での受
信信号時間波形の包絡線を示す図である。
【図3】 パルス圧縮処理の前後での受信信号の時間波
形の変化を示す図である。
【図4】 本発明に係る超音波診断装置の一実施例の概
略構成を示すブロック図である。
【図5】 パルス圧縮回路の内部構成を示すブロック図
である。
【図6】 パルス圧縮回路の変形例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】 超音波診断装置の変形例の構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
10 進み受信信号生成部、12 遅れ受信信号生成
部、14 加算部、20パルス圧縮回路、22,24
遅延回路、26,28 乗算器、30 加算器、32
増幅器、34 係数制御回路、40 送受信部、42
制御部、44探触子、48 Bモード断層処理部、50
ドプラ断層処理部、52 ドプラスペクトル処理部、
54 DSC、56 表示部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信したパルス波に対する反射波を受信
    して得られる受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮装置
    であって、 基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が進
    んだ進み受信信号を生成する進み受信信号生成手段と、 基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が遅
    れた遅れ受信信号を生成する遅れ受信信号生成手段と、 前記進み受信信号及び遅れ受信信号を重み係数によって
    それぞれ重みづけして前記基本受信信号に対して加算
    し、前記基本受信信号をパルス圧縮する加算手段と、 を有することを特徴とするパルス圧縮装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパルス圧縮装置におい
    て、 前記所定の位相シフト量は、送信パルス波の(n+1/
    2)周期(nは0以上の整数)であることを特徴とする
    パルス圧縮装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のパルス圧縮
    装置において、 前記重み係数を、反射源の距離に応じて制御する係数制
    御手段を有することを特徴とするパルス圧縮装置。
  4. 【請求項4】 生体に超音波パルスを送信し、生体から
    の反射波を受信して得られる受信信号を用いて生体組織
    の診断を行う超音波診断装置において、 基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が進
    んだ進み受信信号を生成する進み受信信号生成手段と、 基本受信信号に対して所定の位相シフト量だけ位相が遅
    れた遅れ受信信号を生成する遅れ受信信号生成手段と、 前記進み受信信号及び遅れ受信信号を重み係数によって
    それぞれ重みづけして前記基本受信信号に対して加算
    し、前記基本受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮手段
    と、 を有することを特徴とする超音波診断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010142442A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 超音波画像診断装置
JP2012118016A (ja) * 2010-12-03 2012-06-21 Furuno Electric Co Ltd 探知装置、探知方法、および探知プログラム
JP2015059887A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 日本電気株式会社 パルス圧縮レーダおよびその距離測定方法

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