JPH09133293A - 鉄道車両用空気溜め容器 - Google Patents

鉄道車両用空気溜め容器

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JPH09133293A
JPH09133293A JP7288876A JP28887695A JPH09133293A JP H09133293 A JPH09133293 A JP H09133293A JP 7288876 A JP7288876 A JP 7288876A JP 28887695 A JP28887695 A JP 28887695A JP H09133293 A JPH09133293 A JP H09133293A
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JP
Japan
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plate
body plate
end plates
pair
outer peripheral
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Withdrawn
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JP7288876A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Miyaguchi
義則 宮口
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Kawatetsu Container Co Ltd
Original Assignee
Kawatetsu Container Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐圧性、強度、気密性を保持しながら、板厚
を減少して、軽量化を図る。 【解決手段】 胴板11と、該胴板の両端開口部に溶接
する一対の鏡板12、13とからなり、これら胴板およ
び一対の鏡板とを高圧ガス容器用鋼材(SG材)で形成
すると共に、その板厚を、一般構造用圧延鋼材(SS
材)で形成していた場合と比較して10%〜40%減少
させている。また、胴板と一対の鏡板との溶接部は、胴
板あるいは鏡板のいずれか一方の周縁に小径部12b、
13bを段をつけて形成して、いずれか他方の周縁を小
径部の外周面に重ね合わせて外周面を同一平面に連続さ
せ、外周面の接合部から溶接している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用空気溜
め容器に関し、詳しくは、鉄道車両の車体下面にブラケ
ットを介して吊設される圧縮空気溜め容器を、JIS規
格の耐圧性、気密性を保持しながら、軽量化および強度
アップを図るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の鉄道車両用空気溜め容器は、図
5に示す構成で、各部の形状、材料および物性等につい
ては、JIS−E−4307で詳細な規格が定められい
る。図5中、1は円筒形状の胴板、2、3は胴板1の両
端開口に溶接で接続する鏡板、4は圧縮空気供給管(図
示せず)と接続するプラグである。
【0003】上記空気溜め容器については、耐圧性、気
密性、防錆性および、軌道内から砂利等が飛散して当た
った場合に凹みや傷を受けない強度が要求されており、
これらの点について、上記した規格を満たすことが要求
されている。例えば、1種の最高使用圧力が5.0kgf/
cm2では7.5kgf/cm2、2種の最高使用圧力が9.8kg
f/cm2では14.7kgf/cm2の試験圧力下において水漏
れ、永久ひずみ、その他の異常があってはならないこと
が規定されている。この耐圧性および強度等の点より、
空気溜め容器として用いることができる材料は、JIS
−G−3101のSS400あるいは品質がこれと同等
以上のものと規格されている。よって、従来の空気ため
容器の材料としては上記SS400が使用されている。
【0004】また、気密性についても、所定の試験を行
った時に気泡の発生があってはならないことが規定され
ていおり、胴板1と鏡板2、3との溶接は円周方向で行
い、継ぎ足さないことが規定されている。従来、胴板1
と鏡板2および胴板1と鏡板3との溶接部分では、図6
(A)に拡大して示すように、開口端面1aと2a(3
a)とを突き合わせ、外周面よりアーク溶接を行う突き
合わせ溶接7が施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】鉄道車両用の空気溜め
容器では、車両に搭載するために軽量化が要求されてい
る。圧力ガス容器においては、最高使用圧力が10kgf/
cm2未満で、内容積が40リットル未満の場合、板厚に
関する規制がないため、胴板1および鏡板2、3の板厚
を薄くして軽量化を図ることが考えられる。従来、SS
400からなる胴板1および鏡板2、3の板厚は3.2
mmであるが、この板厚よりも薄くすると、突き合わせ
溶接では、溶接が難しくなり、かつ、溶接欠陥が発生し
やすい。特に、空気溜め容器は車体下面よりブラケット
を介して吊設しているため、走行中に振動が加わり、突
き合わせ部に隙間が発生し、溶接部より漏れが発生しや
すい。
【0006】そのため、図6(B)に示すように、突き
合わせ部の内面より裏当て材5をあてがって、該裏当て
材5の両端面と胴板1および鏡板2(3)の内面とに溶
接6、6を施す場合もある。しかしながら、この場合
は、手数がかかりコスト高になる問題がある。
【0007】さらに、軽量化のために胴板1および鏡板
2、3の板厚を薄くすると強度、剛性が低下し、車両走
行中に、砂利等の飛散物が当たった場合に、損傷を受け
易く、該損傷部分から内部圧縮空気の漏れが発生する恐
れもある。
【0008】本発明は上記し問題に鑑みてなされたもの
で、内容積40リットル以下の容器において、板厚を薄
くして軽量化を図りながら、剛性、強度を保持し、しか
も、胴板と鏡板との溶接部を改良して、溶接部からの内
部圧縮空気の漏れがない鉄道車両用空気溜め容器を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は請求項1で、円筒形状の胴板と、該胴板の
両端開口部に溶接する一対の鏡板とからなり、これら胴
板および一対の鏡板とを高圧ガス容器用鋼材(SG材)
で形成すると共に、その板厚を、一般構造用圧延鋼材
(SS材)で形成していた場合と比較して10%〜40
%減少させていることを特徴とする鉄道車両用空気溜め
容器を提供している。
【0010】上記高圧ガス容器用鋼材のSG材は、LP
ガス、アセチレンガス、各種フロンガス等の高圧ガスを
充填する内容積500リットル以下の溶接容器に用いる
鋼材としてJISで規定されているものである。このS
G材は、鉄道車両用空気溜め容器の材料として規定され
ているSS400の品質以上のもので、よって、鉄道車
両用空気ためのJIS−E−4307の規格に合格して
いる。即ち、下記の表1のSG材の板厚と表2の機械的
性質に示すように、SG材の耐力(降伏点)は、板厚
2.3mm以上6.0mm以下のSG255で、255
N/mm2以上である。これに対して、表3に示す従来
のSS400では、板さ16mm以下で耐力(降伏点)
は245N/mm2以上である。よって、SG材の方が
耐力の点で優れ、SS400の板厚よりもSG255の
板厚を薄くしても、同等の耐力が得られる。
【0011】さらに、引張強さはSS400およびSG
255は共に400N/mm2以上で同等であり、伸び
はSG255は28%以上、SS400は21%以上
で、SG255の方が優れている。さらに、曲げ性につ
いては、曲げ強度は180゜で同等であり、内側半径が
SG255では厚さの1.0倍であるのに対して、SS
400は厚さの1.5倍であり、曲げ性についてSG2
55の方が曲げ性が優れている。これらの点より、SG
材はSS400よりも伸びが良いと共に曲げ性も優れ、
曲げ加工が容易で加工性がよい。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】上記のように、SG材を用いると、SG材
のうち最も耐力が小さく、かつ、引張強さが小さいSG
255でも、従来のSS400よりも優れているため、
SS400の板厚より薄くしても同等の耐力を得ること
ができる。板厚の減少率は、SS400の板厚よりも1
0%〜40%の範囲としている。なお、10%未満では
減少率が小さすぎて軽量化の効果が少くなく、また、4
0%を越えると耐衝撃性の点で劣るためである。この減
少率は20%〜30%が好ましく、具体的には、従来の
SS400の板厚が3.2mmであったのに対して、本
発明のSG255を用いた場合、2.3mm〜2.5m
mとしている。
【0016】また、本発明は請求項2で、上記胴板と一
対の鏡板との溶接部は、胴板あるいは鏡板のいずれか一
方の周縁に小径部を段をつけて形成して、いずれか他方
の周縁を小径部の外周面に重ね合わせて胴板と鏡板との
外周面を同一平面に連続させ、この胴板と鏡板との接合
部を外周側より溶接している請求項1に記載の鉄道車両
用空気溜め容器を提供している。
【0017】SG材を用いて板厚を減少すると、胴板と
鏡板との溶接を突き合わせ溶接で行うと前記したよう
に、溶接がむずかしくなり、板厚が小さいなるため溶接
強度も低下し、振動等により隙間が発生しやすくなる。
このため、本発明では、一方の端縁全周を内周側に曲げ
て段をつけ、他方を重ねあわせて、外周面が同一平面と
なるように連続させ、所謂せぎり溶接を行っている。こ
のように重ねあわせると、車両走行中の振動で外周面の
接合端面に隙間が発生しても、所要幅で重ね合わせてい
るため、内部の圧縮空気の漏れを防止できる。
【0018】上記のように、胴板あるいは鏡板のいずれ
か一方の端縁全周に段差を設けて小径部を形成できるの
も、SG材は伸びがよいと共も曲げ特性に優れ、加工性
に良いために、大きい曲率で屈折させて重ね合わせ部と
なる小径部を加工することが可能となる。この重ね合わ
せ部となる小径部は、胴板あるいは鏡板の開口部周縁
を、ローラで絞り加工して略板厚寸法分だけ小径化して
形成している。また、この重ね合わせ部の長さは、容器
の直径および板厚等に応じて変わるが、6mm〜10m
m程度が好ましい。
【0019】上記重ね合わせるための小径部は、鏡板側
が小さく、上記加工がやり易いために、鏡板側に設ける
ことが好ましい。よって、鏡板側に小径部を設けて、胴
板の開口部分周縁を小径部の外周面に重ね、端面間の外
周にアーク溶接を施すことが好ましい。なお、胴板側に
小径部を設けて、鏡板側を外周側に重ねても良いことは
いうまでもない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳述する。図1、図2は本発明の実施形態の
鉄道車両用空気溜め容器10の全体を示し、11は両端
開口の円筒形状の胴板、12、13は一端に開口部を有
すると共に他端が球状閉鎖面となっている鏡板である。
これら鏡板12、13の曲がり部の内面半径rは、板厚
の3倍以上で、しかも外径の0.06倍以上であるJI
S−E−4307の規格に適合させている。
【0021】上記胴板11、鏡板12、13は高圧ガス
容器用鋼材SG255で形成しており、その板厚は2.
3mmとしている。胴板11の一端開口部11aと鏡板
12の開口部12aとの接合部、胴板11の他端開口部
11bと鏡板13の開口部13aとの接合部は、図3
(A)に示すように、鏡板12、13の開口部12a、
13aの周縁部分を内周側へ段差をつけて屈曲し、小径
部12b、13bを形成している。これら鏡板の小径部
12b、13bの外周面に、図3(B)に示すように、
胴板11の開口部11a,11bの周縁部11c、11
dを重ねあわせて、胴板11と鏡板12、13の外周面
が平坦面を形成するようにしている。上記重ね合わせた
部分の寸法L1は6mm〜10mmである。
【0022】上記のように、重ねあわせた状態で、図3
(C)に示すように、胴板11の開口部端面と鏡板1
2、13の屈折部12c、13cの端面との間をアーク
溶接して、溶接部15を設ける。溶接部15は鏡板1
2、13の径方向への屈折部12c、13cにアールが
ついているため、溶接部15は胴板11の端面に板厚全
体にわたって入り込み、長さ方向への屈折部12d、1
3dの点まで達することとなる。
【0023】なお、容器10の寸法は全長L2は701
mm、外径Rが285mmで、内容積は39リットル
で、40リットル未満であり、また、最高使用圧力は
9.8kgf/cm2で、10kgf/cm2未満である。よって、板
厚に規制はないが、車両用空気溜め容器の種類としては
JIS−E−4307規格で2種に該当するため、JI
S−E−4307規格で、耐力は水圧試験で14.7kg
f/cm2以上、気密試験で5.0kgf/cm2以上が要求され
る。
【0024】胴板11および鏡板12、13としてSG
255を用いているが、SG255は耐力は255N/m
m2(2602kgf/cm2)であり、材料自体の耐力は十分に
合格している。かつ、本出願人が容器10を上記JIS
−E−4307規格に基づく水圧試験および気密試験を
おこなったところ、いずれも上記JIS規格の規定値以
上であった。
【0025】上記胴板11、鏡板12、13よりなる容
器10には、図1および図2に示すように、一方の鏡板
12の閉鎖部12の頂点12fに孔12eを設けてプラ
グ20を固着し、該プラグ20を圧縮空気供給管(図示
せず)と螺合して接続するようにしている。また、他方
の鏡板13の閉鎖部表面には銘板21を固着している。
さらに、胴板11の中央部には一対の孔11e、11f
を設け、孔11e、11fにプラグ22、23を取り付
け、一方のプラグ22は管(図示せず)と連結して完全
弁と接続する一方、他方のプラグ23には盲栓(図示せ
ず)をしている。なお、孔11fを設けなくても良いこ
とは言うまでもない。
【0026】さらに、鏡板12、13の外周にはブラケ
ット24、25を溶接で取り付けている。これらブラケ
ット24、25には夫々一対の取付座24a、25aを
設けている。上記ブラケット24、25は、図2に示す
ように、車体30の下面にボルト31で固定して、容器
10を車体30の下面に吊設するようにしている。
【0027】なお、本発明の容器は上記実施形態に限定
されず、胴板11が1203mmと長尺な場合は、上記
ブラケット24、25を胴板11の両側に取り付けてい
る。さらに、図4に示すように、胴板11の両端開口部
11a、11bの周縁に小径部11g、11hを設け、
鏡板12、13の開口部の周縁を小径部11g、11h
に外周に重ねあわせて溶接してもよい。さらに、本発明
の空気溜め容器は、振動に強く、耐圧性、強度を有する
ため、鉄道車両用のみでなく、トラック等の自動車に搭
載する場合にも好適に用いられるものである。
【0028】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係わる鉄道車両用空気溜め容器では、その胴板および
一対の鏡板の板厚を従来より10%〜40%減少して軽
量化を図るとともに、この板厚の減少に伴う耐圧性およ
び強度低下を補償するため、従来用いていたSS400
に代えて、強度保証のある高圧ガス容器用鋼材(SG
材)を用い、鉄道車両用空気溜め容器で要求される所定
の耐圧性および気密性を保証している。このように、S
G材を用いることにより容器の板厚減少を図り、よっ
て、容器の軽量化を図っているため、車両への搭載重量
を低減できる。さらに、耐衝撃性のある高圧ガス容器用
鋼材を用いているため、車両走行中に砂利等が当たても
損傷を受けにくい利点がある。
【0029】また、本発明では、胴板と鏡板との溶接部
において、一方の開口端縁を小径化して他方と重ねあわ
せ、せぎり溶接としているため、外方からアーク溶接を
施した場合に、接合端の板厚の全面にわたって溶接を施
すことができ、板厚が薄くても溶接強度を低下させな
い。しかも、走行中の振動等により外周の接合端に隙間
が発生しても、内周側で所要寸法だけ重ねているため、
内部空気の漏れを防止することができ、気密性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の容器の正面図である。
【図2】 図1の右側面図である。
【図3】 (A)(B)(C)は胴板と鏡板との溶接の
工程をしめす概略図であり、(D)は(C)の一部拡大
断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態を示す一部拡大断面図
である。
【図5】 従来の容器の正面図である。
【図6】 (A)(B)は従来の容器の一部拡大断面図
である。
【符号の説明】
10 空気溜め容器 11 胴板 12、13 鏡板 12b、13b 小径部 15 溶接部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状の胴板と、該胴板の両端開口部
    に溶接する一対の鏡板とからなり、これら胴板および一
    対の鏡板とを高圧ガス容器用鋼材(SG材)で形成する
    と共に、その板厚を、一般構造用圧延鋼材(SS材)で
    形成していた場合と比較して10%〜40%減少させて
    いることを特徴とする鉄道車両用空気溜め容器。
  2. 【請求項2】 上記胴板と一対の鏡板との溶接部は、胴
    板あるいは鏡板のいずれか一方の周縁に小径部を段をつ
    けて形成し、いずれか他方の周縁を小径部の外周面に重
    ね合わせて胴板と鏡板との外周面を同一平面に連続さ
    せ、この胴板と鏡板との接合部を外周側より溶接してい
    る請求項1に記載の鉄道車両用空気溜め容器。
JP7288876A 1995-11-07 1995-11-07 鉄道車両用空気溜め容器 Withdrawn JPH09133293A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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