JPH09132536A - 有機化合物の水素添加方法 - Google Patents

有機化合物の水素添加方法

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Publication number
JPH09132536A
JPH09132536A JP7313722A JP31372295A JPH09132536A JP H09132536 A JPH09132536 A JP H09132536A JP 7313722 A JP7313722 A JP 7313722A JP 31372295 A JP31372295 A JP 31372295A JP H09132536 A JPH09132536 A JP H09132536A
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JP
Japan
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catalyst
organic compound
double bond
alloy
unsaturated double
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Application number
JP7313722A
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English (en)
Inventor
Koshiro Shimazu
幸四郎 嶋津
Yoshiaki Tateno
芳明 立野
Mitsuo Magara
光男 真柄
Naoki Okamoto
直記 岡本
Takao Oshima
孝郎 大島
Minoru Nagasawa
実 長澤
Hideki Sakamura
秀樹 坂村
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Towa Chemical Industry Co Ltd
Nikko Rica Corp
Original Assignee
Towa Chemical Industry Co Ltd
Nikko Rica Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商業的に安価にアルデヒド、ケトン、脂肪族
不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合の何れか一種ま
たは二種以上の不飽和結合を有し、且つ、窒素を含有し
ない有機化合物を水素添加する。 【解決手段】 イ)ニッケルとアルミニウムを溶融する第
一工程、ロ)該溶融物の小滴を急冷することで急冷ランプ
合金を得る第二工程、ハ)該急冷ランプ合金をそのまま又
は一度破砕した後に分級し、活性化する第三工程により
製造されるランプ状ラネー触媒の存在下、アルデヒド、
ケトン、脂肪族不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合
の何れか一種または二種以上の不飽和結合を有し、且
つ、窒素を含有しない有機化合物を水素添加反応させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、アルデヒド、ケトン、脂肪族不
飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合の何れか一種また
は二種以上の不飽和結合を有する有機化合物を水素添加
する方法に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0004】ラネー触媒は、ニッケル、銅、鉄等の触媒
金属とアルミニウム、亜鉛、珪素等の金属との合金から
アルカリにより一部のアルミニウム、亜鉛、珪素等の金
属を浸出させて活性化した触媒である。
【0005】該触媒は一般に触媒活性が低く触媒の劣化
が大きい触媒であり、製品に占める触媒コストが高くつ
くという欠点がある。
【0006】また、該触媒は主として粉末状であり、バ
ッチ方法で使用され、水素添加反応後に反応液から触媒
を分離する工程が必要であることも、製造コストを高く
する原因である。
【0007】これらの欠点を解決する為、固定床用ラネ
ー触媒の製造方法や固定床用ラネー触媒を使用して連続
的に水素添加する方法が検討され報告されている。
【0008】例えば、特開昭50−099987号公報
には、ニッケル、コバルト又は銅沈澱型触媒をベースと
する固定床用ラネー触媒の製造方法が記載されている。
該特許では、従来のニッケル、コバルト又は銅沈澱型触
媒を粉末状の金属/アルミニウム合金と混合・成形し、
水蒸気を用いて高温で処理する。この際バインダーとし
て作用するγ−Al23が生じるが、アルカリにより活
性化する工程でγ−Al23が溶解し成形体が壊れるの
で、固定床用ラネー触媒の製造には適さない。
【0009】また、特開昭62−77338号公報に
は、微粒状の金属ニッケルを担体に担持した触媒を固定
床に充填し、アセトンをイソプロパノールに水素添加す
る方法が記載されている。しかし、担体にニッケルを担
持することで調製されたラネー触媒は、初期活性はある
が、長時間使用した場合、触媒が脆くなりニッケルが微
粉末となってはがれ、活性が急激に無くなるばかりか、
はがれた微粉末が装置内に詰まり、流体が流れにくくな
ることがあり、いずれも満足のいくものではなかった。
【0010】従って、本発明の目的は、前記固定床用ラ
ネー触媒の問題を解決し、商業的に安価にアルデヒド、
ケトン、脂肪族不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合
の何れか一種または二種以上の不飽和結合を有する有機
化合物を水素添加することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】本発明の課題を解決するための手段は、下
記の通りである。
【0013】第1に、ニッケルとアルミニウムの溶融物
の小滴を急冷することで得られる急冷ランプ合金をその
まま又は一度破砕した後に分級し、活性化することによ
り製造されるランプ状ラネー触媒存在下、アルデヒド、
ケトン、脂肪族不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合
の何れか一種または二種以上の不飽和結合を有し、且
つ、窒素を含有しない有機化合物を水素加圧下で水素添
加反応させることを特徴とする有機化合物の水素添加方
法を提供するものである。
【0014】第2に、本発明はニッケルとアルミニウム
の溶融物の小滴を急冷することで得られる急冷ランプ合
金をそのまま又は一度破砕した後に分級し、活性化する
ことにより製造されるランプ状ラネー触媒を水素加圧下
で水素添加反応に使用した後、該ランプ状ラネー触媒を
回収し、破砕粉末化、再活性化した粉末状ラネー触媒を
使用し、アルデヒド、ケトン、脂肪族不飽和二重結合、
芳香族不飽和二重結合の何れか一種または二種以上の不
飽和結合を有する有機化合物を水素加圧下で水素添加反
応させることを特徴とする有機化合物の水素添加方法を
提供するものである。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明において、急冷ランプ合金のニッケ
ルとアルミニウムの比率は1:2〜2:1の範囲で使用
できるが、合金のコスト及び展開後の触媒活性を考慮す
ると1:1近辺の比率が良い。
【0017】溶融合金の小滴は、水浴に滴下すること等
によりに強制的に冷却する。自然放冷で製造されたラン
プ合金を活性化することにより調製された従来のラネー
触媒は初期活性は得られるが、使用時間が増すに従い触
媒が破砕し固定床触媒として使用出来なくなる。
【0018】溶融合金の小滴は、急冷後その粒径が1〜
15mmとなる様にすることが好ましい。
【0019】該急冷ランプ合金はそのまま分級し活性化
した後に固定床触媒として使用する事が出来るが、触媒
の表面積を大きくする為には該急冷ランプ合金を破砕し
た後に分級し、更に活性化し、固定床触媒として使用す
ることが好ましい。
【0020】急冷ランプ合金をそのまま又は一度破砕し
た後に分級するいずれの場合も、粒径が小さすぎると、
固定触媒層を構成するのが困難であり、たとえ触媒層を
構成しても、反応混合物の流速が遅くなり、高い生産性
で水素化有機化合物を得ることはできない。また、粒径
が大きすぎると単位触媒重量当たりの表面積が減少する
ため、反応速度が低下し、生産性が低下する。
【0021】本発明のランプ状ラネー触媒は、その触媒
特性の作用を付与する目的でモリブデン、スズ等を触媒
合金の15%以下まで添加することができるし、触媒を
活性化した後に添加する事も出来る。
【0022】触媒の展開に使用するアルカリとしてはN
aOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶液が使
用でき、その濃度は1〜20%、好ましくは5〜15%
である。また、展開時の温度は40〜100℃、好まし
くは60〜85℃である。
【0023】得られた触媒の展開率はアルカリへのアル
ミニウム溶出量をキレート滴定等により測定し、下記式
に従って求めた。
【0024】展開率(%)=(アルミニウム溶出量/合
金中のアルミニウム量)×100
【0025】本発明にかかるランプ状ラネー触媒は、展
開率10〜70%の範囲内、好ましくは15〜60%の
範囲内で展開される。
【0026】展開率は触媒のライフに密接に関係し、水
素添加する場合の触媒費は触媒のライフの長さで決ま
る。触媒のライフは合金の組成、水素添加する有機化合
物の種類などによって異なるが、連続運転に耐えるもの
でなければならない。
【0027】この為に10〜70%の範囲内で展開され
る。10%より低い展開率では期待する初期活性が得ら
れず、70%より高い展開率では初期活性は高くなるが
触媒ライフは短くなる。これは触媒が脆くなり、ニッケ
ルが微細粉末となってはがれる為である。
【0028】本発明で使用される水素は特に制限されな
いが、純度が高いほど好ましい。
【0029】本発明のランプ状ラネー触媒で水素添加で
きる有機化合物としては、アルデヒド、ケトン、脂肪族
不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合の何れか一種ま
たは二種以上の不飽和結合を有し、且つ、窒素を含有し
ない有機化合物である。
【0030】有機化合物が窒素を含有する場合は、水素
添加反応中にランプ状ラネー触媒に含まれるアルミニウ
ムが溶出し、触媒が脆くなり、固定床での連続運転を継
続することができない。
【0031】本発明のランプ状ラネー触媒で水素添加で
きる有機化合物は単独でも溶媒との混合物としても用い
られる。
【0032】用いられる溶媒としては、例えば、アルコ
ール類(メタノール、エタノール等)、炭化水素類(ヘ
キサン、シクロヘキサン等)、グリコール類(エチレン
グリコール、プロピレングリコール等)及び水や本方法
で水素添加可能な有機化合物の水素化有機化合物の1種
単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
【0033】通常これらの有機化合物が固定床へ供給さ
れる濃度は10〜70%の範囲である。濃度が低い場合
は生産性が悪く、また、濃度が濃い場合は、反応熱を除
去するのが困難となり水素化有機化合物の純度低下を引
き起こす。
【0034】固定床への原料の供給量は、通常、SV=
0.3〜1.5の範囲である。
【0035】ここで、SVとは下記式によって求められ
る。
【0036】SV=(反応塔へ供給される原料の容量)
/(反応塔に占める触媒が充填された部分)
【0037】固定床に供給される水素の流速は、通常、
LV=10〜60m/hrであり、好ましくはLV=15〜
30m/hrである。
【0038】ここで、LVとは下記式によって求められ
る。
【0039】LV=(単位時間当たりに反応塔へ供給さ
れる物質の容量)/(反応塔の断面積)
【0040】本発明の反応温度は、水素添加する有機化
合物によって異なるが、50〜180℃であり、好まし
くは100〜170℃である。
【0041】水素圧力は、通常、30〜200Kg/cm2
度であり、好ましくは50〜150Kg/cm2である。
【0042】本発明のランプ状ラネー触媒を用いた場合
の反応形式は、固定床における連続反応であり、原料を
塔下部から供給するアップフロー方式と塔上部から流す
ダウンフロー方式があり、どちらの方式も使用すること
が出来る。
【0043】また、用いられる反応器の形式は、槽型、
管型、塔型のいずれでもよい。
【0044】アップフロー方式の場合は、中を流れる液
のLVが毎時1m以上、好ましくは毎時4〜8m必要で
ある。また、水素のLVは10〜60m/hrであり、好ま
しくは15〜30m/hrである。
【0045】ダウンフロー方式の場合は、塔中の空間に
占める水素の比率が多くなる為、水素の流量は少なくて
もよく、水素のLVは1〜10m/hrの範囲で実施され
る。
【0046】本発明のランプ状ラネー触媒は、水素加圧
下で有機化合物の水素添加反応に使用した後、回収し、
破砕粉末化、再活性化することにより粉末状ラネー触媒
として再使用することができる。従って、本発明を実施
することにより総合的に触媒費が従来の粉末ラネーニッ
ケル触媒を使用した場合より安価となる。
【0047】回収したランプ状ラネー触媒の破砕粉末化
の方法は、特に制限はなく、最終的に使用するに適した
粒度の粉末状ラネー触媒が得られれば良く、通常40メ
ッシュ全通〜300メッシュ全通の範囲で粉末化され
る。
【0048】再活性化での粉末状ラネー触媒の展開は通
常行われている条件で展開率90〜97%の範囲で行わ
れる。
【0049】本発明の粉末状ラネー触媒で水素添加でき
る有機化合物としては、アルデヒド、ケトン、脂肪族不
飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合の何れか一種また
は二種以上の不飽和結合を有する有機化合物である。
【0050】粉末状ラネー触媒は再活性化後にはアルミ
ニウムをほとんど含有せず、有機化合物に窒素が含まれ
る場合でも、アルミニウムの溶出により粉末状ラネー触
媒が脆くなり微細化することはない。
【0051】本発明の粉末状ラネー触媒で水素添加でき
る有機化合物は単独でも溶媒との混合物としても用いら
れる。
【0052】用いられる溶媒としては、例えば、アルコ
ール類(メタノール、エタノール等)、炭化水素類(ヘ
キサン、シクロヘキサン等)、グリコール類(エチレン
グリコール、プロピレングリコール等)及び水や本方法
で水素添加可能な有機化合物の水素化有機化合物の1種
単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
【0053】粉末状ラネー触媒の存在下で水素添加によ
り水素化有機化合物を得る反応条件は、水素化有機化合
物の純度が低下しない条件であればどんな条件でもよい
が、通常は有機化合物の濃度を10〜70%とし、30
Kg/cm2以上、好ましくは50〜150Kg/cm2の水素圧下
で、50〜180℃の温度下で行われる。
【0054】
【実施例】
【0055】以下に実施例、参考例を掲げて更に具体的
に本発明の方法を説明するが、本発明の技術的範囲は以
下の例に制限されるものではない。
【0056】
【実施例1】
【0057】[急冷ランプ合金の製造]ニッケル金属6
Kgとアルミニウム金属6Kgを加熱溶融し、ノズルを
通して20cm下の冷却水面に滴下した。得られた急冷ラ
ンプ合金の粒径は1mm〜15mmの混合物であった。これ
を破砕機にて破砕し、篩にかけて粒径2〜4mmの急冷ラ
ンプ合金4.98Kgを得た。
【0058】[急冷ランプ合金の展開]50リットルの
加熱ジャケット付きステンレス容器に10%NaOH水
溶液34Kgを入れ、50℃に加熱し、ステンレス製篭
に入れた前記急冷ランプ合金4.6Kgをその中に入れ
た。温度60℃で30分間保持した後、篭を引き上げ水
洗した。このとき得られたランプ状ラネー触媒の展開率
は23.2%であった。
【0059】[水素添加装置]ここで、本発明を実施す
る際に用いられる水素添加装置について、図1を参照し
ながら説明する。
【0060】該水素添加装置は、図中A、B、C、Dで
示される0.5リットルのジャケット付きステンレス製
耐圧容器(内径2.1cm、高さ160cm)を4本直列に
接続し、塔Aの下部に原料仕込みポンプEを予熱器Fを
介して接続し、塔Dの上部に冷却器Hを介してサンプリ
ングポットIを接続すると共に、液貯めポットJを接続
したものである。
【0061】水素ガスは塔A下部より入り、塔D上部よ
り出、液貯めポットJで液部と分離され、流量計Kと調
節弁Lを通って大気に放出される。
【0062】また、予熱器F及び塔A、B、C及びDの
ジャケットには加熱したオイルを流して一定の温度に保
持する。
【0063】通常はバルブMを開放し、バルブN、O及
びPは閉鎖され、塔Dより出た反応液がポットJに貯ま
り、時々バルブPより抜かれる。
【0064】サンプリング時にはバルブMを閉鎖し、バ
ルブNを開放してポットIよりバルブOを通してサンプ
ルが抜かれる。
【0065】[水素添加反応]前記反応容器に展開した
ランプ状ラネー触媒を充填した。次いで各塔を170℃
に加熱し、15%安息香酸Na水溶液(安息香酸を水酸
化ナトリウムでpH6に調製した15%水溶液)をポン
プEより毎時2リットルの速さ(SV=1)で流した。
また、水素は150Kg/cm2にてLV=20に調整した。
水素添加反応は10日間連続で運転し、この時の反応液
中の未還元物と液体クロマトグラフィーによる純度測定
結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】[触媒の再使用]10日間の水素添加反応
終了後、触媒を水洗して各塔から取り出し、回収した触
媒の内50gを水中で粉砕機により100メッシュ全通
に粉砕した。次いで20%NaOH水溶液400gを加
え、95℃で1時間撹拌した後、水洗し、粉末状ラネー
触媒を得た。得られた粉末状ラネー触媒5g(固形物換
算)と15%安息香酸Na水溶液275gを550mlの
電磁撹拌式オートクレーブに入れ、水素圧力150Kg/c
m2、170℃で120分撹拌した。この時の反応液の未
還元物は0.08%であり、純度は99.5%であっ
た。
【0068】また、参考として市販の粉末ラネーニッケ
ル触媒5gを使用し、同条件で水素添加したときの反応
液の未還元物は0.03%、純度は99.5%であり、
一度使用したランプ状ラネー触媒を粉末状ラネー触媒と
して再使用した上記の場合との間に触媒活性の差は見ら
れなかった。
【0069】
【実施例2】
【0070】実施例1において、原料として20%m−
クレゾールNa水溶液(m−クレゾールを水酸化ナトリ
ウムでpH6に調製した20%水溶液)を毎時1.4リ
ットル(SV=0.7)の速さで流し、反応温度が12
0℃で5日間の連続水素添加を行った以外は実施例1と
同様にして反応させた。得られた反応液の分析結果を表
2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【実施例3】
【0073】実施例1において、原料として20%イソ
ホロンのエタノール溶液を毎時1.6リットル(SV=
0.8)の速さで流し、反応温度が130℃で5日間の
連続水素添加を行った以外は実施例1と同様にして反応
させた。得られた反応液の未還元物と生成した3,3,
5−トリメチルシクロヘキサノールの純度を表3に示
す。尚、純度はシス体とトランス体を合計した数値であ
る。
【0074】
【表3】
【0075】
【実施例4】
【0076】実施例1において、原料として40%n−
ヘキサアルデヒドのn−ヘキサノール溶液を毎時1.6
リットル(SV=0.8)の速さで流し、反応温度が1
00℃で5日間の連続水素添加を行った以外は実施例1
と同様にして反応させた。
【0077】得られた反応液の未還元物とn−ヘキサノ
ールの純度を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
【実施例5】
【0080】50リットルの加熱ジャケット付きステン
レス容器に10%NaOH水溶液34Kgを入れ、60
℃に加熱した。実施例1と同様の方法で製造した粒径2
〜4mmの急冷ランプ合金4.6Kgをステンレス製篭に
入れ、前記NaOH水溶液の中に入れた。温度80℃で
2時間保持した後、篭を引き上げ水洗した。この時の触
媒の展開率は41.6%であった。この触媒を実施例1
と同様の装置に充填し、同様の水素添加条件で15%安
息香酸Na水溶液を水素添加した。その分析結果を表5
に示す。実施例1と比較し、触媒の展開率を41.6%
と高くしても、長時間に渡り連続水素添加することがで
きた。また、触媒の崩壊も見られなかった。
【0081】
【表5】
【0082】
【実施例6】
【0083】50リットルの加熱ジャケット付きステン
レス容器に15%NaOH水溶液55Kgを入れ、60
℃に加熱した。実施例1と同様の方法で製造した粒径2
〜4mmの急冷ランプ合金4.6Kgをステンレス製篭に
入れ、前記NaOH水溶液の中に入れた。温度80℃で
2.5時間保持した後、篭を引き上げ水洗した。この時
の触媒の展開率は59.2%であった。この触媒を実施
例1と同様の装置に充填し、同様の水素添加条件で15
%安息香酸Na水溶液を水素添加した。その分析結果を
表6に示す。実施例1と比較し、触媒の展開率を59.
2%まで高くすると連続運転使用時に触媒活性の低下は
やや早まるが、触媒の崩壊もおこらず、工業的使用に満
足のいく範囲のものであった。
【0084】
【表6】
【0085】
【実施例7】
【0086】ニッケル金属25Kgとアルミニウム金属
25Kgを加熱溶融し、ノズルを通して20cm下の冷却
水面に滴下した。この時得られた急冷ランプ合金の粒径
は1〜15mmの範囲であり、これを篩で選別し、粒径2
〜4mmの急冷ランプ合金6.2Kgを得た。
【0087】50リットルの加熱ジャケット付きステン
レス容器に10%NaOH水溶液34Kgを入れ、60
℃に加熱し、ステンレス製篭に入れた前記急冷ランプ合
金4.6Kgをその水溶液の中に入れた。温度80℃で
25分保持した後、篭を引き上げ水洗した。この時の触
媒の展開率は21.5%であった。
【0088】得られたランプ状ラネー触媒を実施例1と
同様の装置に充填し、15%安息香酸Na水溶液を毎時
1.2リットル(SV=0.6)の速さで流した以外は
実施例1と同様の水素添加条件で反応させた。その分析
結果を表7に示す。
【0089】次に10日間の連続運転を終わった後、触
媒を回収し実施例1と同様の方法で粉末化及び展開を行
い、再び15%安息香酸Na水溶液を水素添加した。こ
の時の未還元物は0.03%、純度は99.5%であ
り、触媒活性は満足のいくものであった。
【0090】
【表7】
【0091】
【実施例8】
【0092】実施例7で製造した急冷ランプ合金を篩で
選別し、粒径4〜8mmの急冷ランプ合金8.6Kgを得
た。
【0093】50リットルの加熱ジャケット付きステン
レス容器に10%NaOH水溶液34Kgを入れ、60
℃に加熱し、ステンレス製篭に入れた前記急冷ランプ合
金4.6Kgを、その水溶液の中に入れた。温度80℃
で120分保持した後、篭を引き上げ水洗した。この時
の触媒の展開率は35.8%であった。
【0094】この触媒を実施例1と同様の装置に充填
し、15%安息香酸Na水溶液を毎時0.8リットル
(SV=0.4)の速さで流した以外は同様の条件で水
素添加した。その分析結果を表8に示す。触媒の粒径を
4〜8mmの範囲に調製しても満足のいく触媒活性であっ
た。
【0095】
【表8】
【0096】
【実施例9】
【0097】実施例1で得られた粉末状ラネー触媒5g
と20%2−メチルピリジンのエタノール溶液220g
を550ミリリットルの電磁撹拌装置付きオートクレー
プに入れ、水素圧150kg/cm2、温度180℃にて12
0分間反応した。この時、生成した2−メチルピペリジ
ンの純度は96.3%、未還元物は0.15%であっ
た。
【0098】参考として、市販の粉末ラネーニッケル触
媒5gを使用した以外は同じ条件で2−メチルピリジン
を水素添加したところ、生成した2−メチルピペリジン
の純度は96.1%、未還元物は0.18%であった。
【0099】
【実施例10】
【0100】実施例1で得られた粉末状ラネー触媒5g
と20%m−ジニトロベンゼンのエタノール溶液220
gを550ミリリットルの電磁撹拌装置付きオートクレ
ープに入れ、水素圧100kg/cm2、温度60℃にて18
0分間反応した。この時、生成したm−フェニレンジア
ミンの純度は98.6%、未還元物は0.08%であっ
た。
【0101】参考として、市販の粉末ラネーニッケル触
媒5gを使用した以外は同じ条件でm−ジニトロベンゼ
ンを水素添加したところ、生成したm−フェニレンジア
ミンの純度は98.8%、未還元物は0.08%であっ
た。
【0102】
【参考例1】
【0103】ニッケル金属6Kgとアルミニウム金属6
Kgを加熱溶融し、これを金属板上に流し、放置した。
得られた合金を破砕機にかけて破砕した後、篩にかけ粒
径2〜4mmの合金5.3Kgを得た。
【0104】50リットルの加熱ジャケット付きステン
レス容器に10%NaOH水溶液34Kgを入れ、60
℃に加熱した。該合金4.6Kgをステンレス製の篭に
入れ、前記NaOH水溶液の中に入れ、温度80℃で2
5分間保持した後、篭を引き上げ水洗した。この時の触
媒の展開率は24.4%であった。
【0105】この触媒を使用した以外は実施例1と同様
の条件で15%安息香酸Na水溶液を水素添加したとこ
ろ、2日目で未還元物が急に増加したので反応を中止し
た。
【0106】また、反応液中には砕けた粉状触媒が観察
された。尚、この時の分析結果を表9に示す。
【0107】
【表9】
【0108】
【参考例2】
【0109】50リットルの加熱ジャケット付きステン
レス容器に15%NaOH水溶液55Kgを入れ、60
℃に加熱した。実施例1と同様の方法で作った急冷ラン
プ合金4.6Kgをステンレス篭に入れ、前記NaOH
水溶液の中に入れた。温度80℃で4時間保持した後、
篭を引き上げ水洗した。得られた触媒の展開率は75.
4%であった。この触媒を使用した以外は実施例1と同
様の方法にて15%安息香酸Na水溶液を水素添加した
ところ、9日間通液した時点で破砕した触媒が装置内に
詰まった為、反応を中止した。この時の分析結果を表1
0に示す。
【0110】
【表10】
【0111】
【発明の効果】
【0112】本発明によれば、従来の固定床用ラネー触
媒の問題を解決し、商業的に安価にアルデヒド、ケト
ン、脂肪族不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合の何
れか一種または二種以上の不飽和結合を有し、且つ、窒
素を含有しない有機化合物を水素添加することができ
る。また、本発明によれば、水素添加反応に使用した固
定床用ラネー触媒を回収した後、破砕粉末化、再活性化
した粉末状ラネー触媒を使用することで、更に安価にア
ルデヒド、ケトン、脂肪酸不飽和二重結合、芳香族不飽
和二重結合の何れか一種または二種以上の不飽和結合を
有する有機化合物を水素添加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるラネー触媒を使用した水素添加
する際に使用する水素添加装置の概略図。
【符号の説明】
A 塔 F 予熱器 H 冷却器 J 液貯めポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 29/141 9155−4H C07C 29/141 29/145 9155−4H 29/145 35/08 9155−4H 35/08 (72)発明者 岡本 直記 千葉県松戸市南花島4−61−17 (72)発明者 大島 孝郎 埼玉県行田市向町8−33 (72)発明者 長澤 実 埼玉県浦和市辻4−9−3 (72)発明者 坂村 秀樹 群馬県館林市羽附1695−2

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イ)ニッケルとアルミニウムを溶融する第
    一工程、ロ)該溶融物の小滴を急冷することで急冷ランプ
    合金を得る第二工程、ハ)該急冷ランプ合金をそのまま又
    は一度破砕した後に分級し、活性化する第三工程により
    製造されるランプ状ラネー触媒の存在下、アルデヒド、
    ケトン、脂肪族不飽和二重結合、芳香族不飽和二重結合
    の何れか一種または二種以上の不飽和結合を有し、且
    つ、窒素を含有しない有機化合物を水素加圧下で水素添
    加反応させることを特徴とする有機化合物の水素添加方
    法。
  2. 【請求項2】 イ)ニッケルとアルミニウムを溶融する第
    一工程、ロ)該溶融物の小滴を急冷することで急冷ランプ
    合金を得る第二工程、ハ)該急冷ランプ合金をそのまま又
    は一度破砕した後に分級し、活性化する第三工程により
    製造されるランプ状ラネー触媒を水素加圧下で水素添加
    反応に使用した後、該ランプ状ラネー触媒を回収し、破
    砕粉末化、再活性化した粉末状ラネー触媒を使用し、水
    素加圧下でアルデヒド、ケトン、脂肪族不飽和二重結
    合、芳香族不飽和二重結合の何れか一種または二種以上
    の不飽和結合を有する有機化合物を水素添加反応させる
    ことを特徴とする有機化合物の水素添加方法。
JP7313722A 1995-11-08 1995-11-08 有機化合物の水素添加方法 Pending JPH09132536A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004196778A (ja) * 2002-12-04 2004-07-15 Mitsubishi Chemicals Corp アルコールの製造方法
WO2011048535A1 (en) 2009-10-19 2011-04-28 Padia Bhadresh K Sustainable chemical process for reduction of nitro compounds (r-no2) or nitroso compounds (r-no) containing sulphonic or carboxylic group into corresponding amino compounds (r-nh2) with inherent recycle of all acidic streams generated in synthesis

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004196778A (ja) * 2002-12-04 2004-07-15 Mitsubishi Chemicals Corp アルコールの製造方法
WO2011048535A1 (en) 2009-10-19 2011-04-28 Padia Bhadresh K Sustainable chemical process for reduction of nitro compounds (r-no2) or nitroso compounds (r-no) containing sulphonic or carboxylic group into corresponding amino compounds (r-nh2) with inherent recycle of all acidic streams generated in synthesis

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