JPH0913176A - 化成処理アルミニウム等板材及びその製造方法 - Google Patents

化成処理アルミニウム等板材及びその製造方法

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JPH0913176A
JPH0913176A JP18468895A JP18468895A JPH0913176A JP H0913176 A JPH0913176 A JP H0913176A JP 18468895 A JP18468895 A JP 18468895A JP 18468895 A JP18468895 A JP 18468895A JP H0913176 A JPH0913176 A JP H0913176A
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aluminum
chromium
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atomic
titanium
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JP18468895A
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Masahiro Kurata
正裕 倉田
Sadao Shiraishi
貞雄 白石
Hiroyuki Matsuura
宏幸 松浦
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Sky Aluminium Co Ltd
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性、耐食性、耐溶剤性などに優れ、かつ
深絞り、しごき等加工度の高い成形を行った後であっ
て、レトルト処理等の過酷な処理を行っても、化成皮膜
と樹脂被覆層の剥離のない密着性に優れたアルミニウム
等材及び樹脂被覆アルミニウム等材の提供。 【構成】 表面にクロムを5〜100mg/m2 含み、
かつクロム3〜30原子%、チタン1〜10原子%、リ
ン4〜15原子%、酸素40〜70原子%、フッ素が6
原子%以下を含み、クロム原子は常にチタン原子より多
く、残部を20原子%以下のアルミニウム、水素及びア
ルミニウムの不純分からなる化成皮膜が設けられた化成
処理アルミニウム等材及びその表面にエポキシ樹脂系塗
料、アクリル変性エポキシ樹脂系塗料、フェノキシ樹脂
系塗料またはポリエステル樹脂系塗料を塗装した樹脂被
覆アルミニウム等材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深絞り加工、しごき加
工などに用いる耐食性に優れたアルミニウム及びアルミ
ニウム合金材(以下アルミニウム及びアルミニウム合金
をアルミニウム等という。)及びその製造法に係り、更
に詳しくは、樹脂塗装後に深絞り加工を行っても樹脂と
の間に優れた密着性を維持し、加熱処理を受けた場合で
もアルミニウム等材表面と樹脂層の剥離が生ぜず、高
温、多湿の如き過酷な状態に長時間置かれても、樹脂と
の密着性が良好な加工性、耐食性に優れたアルミニウム
等材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム等は軽量であって適度の機
械的特性を有し、かつ美感、成形加工性、耐食性等に優
れた特徴を有しているため、各種容器類、電子部品、家
電製品、自動車用材等の分野に広く用いられている。例
えば食品のアルミニウム等容器は通常はアルミニウム等
の優れた成形加工性を利用して、樹脂塗装を行った後絞
り加工する方法によって成形されている。その場合、絞
り加工においてもアルミニウム等の表面と樹脂塗装との
間の密着性を優れたものにするためにアルミニウム表面
に密着性向上効果の大きい下地皮膜を予め施しておく必
要があるが、絞り加工による素材の変形は軸方向へは伸
び、円周方向へは縮みを受ける過酷なものであるから、
下地皮膜には加工性、特に絞り加工性に優れ、加工後に
おいても密着性に優れた特性が必要となるだけでなく、
かかる加工によっても樹脂塗装皮膜と剥離のない密着性
を必要としている。
【0003】特に食品、果汁等の缶詰内容物は、飲料
水、アルコール性飲料等の中性飲食品と比較して塩分の
高いものあるいは酸性の強いものが多く、特に食塩、醤
油、みそなどで味付けした食品は塩素イオンを数千〜数
万ppm含むものがあり、アルミニウム等に対して腐食
性の激しいものが多く、更にこれら飲食品内容物は容器
に充填された後、加熱殺菌処理(レトルト殺菌処理)が
施される。従って、このような場合には、樹脂塗装後深
絞り加工あるいはしごき加工が行われる食品容器用アル
ミニウム等材の下地皮膜には、単なる加工後の密着性に
加えて、加熱殺菌処理後の密着性とアルミニウム等材容
器を腐食性の激しい内容物から防食する特性が必要とな
る。
【0004】このためアルミニウム等材と樹脂塗装層の
密着性を向上させるためアルミニウム等材をクロメート
処理するなど各種の提案がなされてきたが、化成処理ア
ルミニウムから6価クロムの溶出のないリン酸クロメー
ト処理が主として採用されている。例えば、(1)下地
皮膜としてクロム付着量を7〜25mg/m2 としたリ
ン酸クロメート皮膜層をアルミニウムを設けた樹脂塗装
アルミニウム等材(特開平3−177580号)、
(2)無水クロム酸を5,000〜100,000pp
m、リン酸イオンを500〜20,000ppm、ジル
コニウムフッ化物イオンを200〜4,000ppm、
亜鉛イオンを200〜7,000ppm含有する化成処
理液でアルミニウム板を処理し、金属クロム換算で10
〜200mg/m2 のリン酸クロメート層を設け、その
上に有機樹脂皮膜を設けたアルミニウム板(特開平4−
202781号)、あるいは(3)アルミニウムイオン
を2,000〜10,000ppm含むリン酸クロメー
ト皮膜を設けたアルミニウム等材(特開平3−1008
1号)、更には(4)無水クロム酸、リン酸およびフッ
酸を主体とし、浴中のアルミニウムイオン濃度を1,0
00ppm以下とした化成処理液により化成処理した
後、165℃以下の温度で乾燥処理することにより、化
成皮膜中のリン酸イオンの赤外線吸収波数が1138c
-1以下であるアルミニウム等材(特開平3−2600
75号)などがある。
【0005】しかし、これらの処理を行ったアルミニウ
ム等材では、化成皮膜と樹脂塗膜層の間にまだ十分な密
着性が得られず、深絞り加工、しごき加工等、加工度の
高い成形後にレトルト処理と呼ばれる高温加熱殺菌処理
等の過酷な処理が行われると、化成皮膜と樹脂塗膜層の
密着性の低下により樹脂塗膜層の剥離が生じ、耐食性を
低下させる。そしてこの問題は絞り率、しごき加工度な
ど加工率が大きくなる程顕著になるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加工性、耐
食性、耐溶剤性などに優れ、かつ深絞り、しごき等加工
度の高い成形を行った後であって、レトルト処理等の過
酷な処理を行っても、化成皮膜と樹脂被覆層の剥離のな
い密着性に優れ、しかも6価クロム等有害な重金属類を
含まない安全な化成処理アルミニウム等材及び樹脂被覆
アルミニウム等材の開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)アルミニウム等材の表面に、クロムを5mg/m
2 〜100mg/m2 含み、かつクロム3〜30原子
%、チタン1〜10原子%、リン4〜15原子%、酸素
40〜70原子%、フッ素が6原子%以下を含むもので
あり、クロム原子は常にチタン原子より多く、残部を2
0原子%以下のアルミニウム、水素及びアルミニウムの
不純分からなる化成皮膜が設けられた化成処理アルミニ
ウム等材。 (2)アルミニウム等材の表面に設けられた化成皮膜
が、クロムを5mg/m2〜100mg/m2 含み、か
つクロム3〜30原子%、チタン1〜10原子%、リン
4〜15原子%、酸素40〜70原子%、フッ素が6原
子%以下、アルミニウムが20原子%以下を含むもので
あり、クロム原子は常にチタン原子より多く、残部を水
素、アルミニウム及びアルミニウムの不純分からなり、
該皮膜の被覆面積の少なくとも10%が、高さ0.01
〜0.5μm、平均径0.01〜10μmの突起構造を
有する化成処理アルミニウム等材。 (3)クロムを10〜80mg/m2 含み、かつクロム
5〜20原子%、チタン2〜6原子%、リン5〜10原
子%、フッ素が5原子%以下、アルミニウム15原子%
以下含む化成皮膜であり、該化成皮膜中のクロム−チタ
ン−リン−酸素複合皮膜に由来する赤外吸収が1110
cm-1〜1050cm-1にある(1)〜(2)記載の化
成処理アルミニウム等材。 (4)上記の化成処理アルミニウム等材の表面をエポキ
シ樹脂系塗料、アクリル変性エポキシ樹脂系塗料、フェ
ノキシ樹脂系塗料またはポリエステル樹脂系塗料により
被覆した樹脂被覆アルミニウム等材 (5)アルミニウム等材を、クロム濃度500〜100
00ppm、チタン濃度250〜5000ppm、フッ
素イオン濃度300〜4000ppm、アルミニウムイ
オン濃度2000ppm以下、pH約1〜2.5のクロ
ム化合物−チタン化合物−フッ素化合物混合りん酸系水
溶液(以下化成液という。)に、浴温20〜80℃、1
〜1000秒浸漬するかまたは1〜100秒スプレー処
理した後水洗、乾燥する化成処理アルミニウム等材の製
造方法。 (6)化成液中のクロム化合物及びチタン化合物のそれ
ぞれの濃度は、チタンイオン/クロムイオンに換算して
0.25〜1.0である(5)記載の化成処理アルミニ
ウム等材の製造方法。 (7)クロム化合物がクロム酸または重クロム酸の塩を
用い、クロム濃度として1000〜5000ppm、チ
タン化合物をチタン濃度で1000〜3500ppm、
フッ素化合物としてフッ化水素酸を用い、フッ素イオン
として500〜2000ppm、アルミニウムイオン濃
度1000ppm以下、pH約1〜2.5の化成液を用
いる(5)〜(6)記載の化成処理アルミニウム等材の
製造方法。 (8)アルミニウム等材を、クロム濃度500〜100
00ppm、チタン濃度250〜5000ppm、フッ
素イオン濃度300〜4000ppm、アルミニウムイ
オン濃度2000ppm以下、pH約1〜2.5の化成
液に、浴温20〜80℃、1〜1000秒浸漬するかま
たは1〜100秒スプレー処理した後水洗、乾燥し、エ
ポキシ樹脂系あるいはアクリル変性エポキシ樹脂系、フ
ェノキシ樹脂系塗料もしくはポリエステル樹脂系塗料を
塗布し、350℃以下の温度で1〜1800秒の時間加
熱乾燥し、厚さ0.1〜50μmの撥水性樹脂層を設け
る樹脂被覆アルミニウム等材の製造方法。を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0008】本発明の対象とするアルミニウム等材の材
質は、用途により適切な材質の選択が必要となるが、本
発明の化成処理はアルミニウム等の材質によらずにアル
ミニウム等基材との密着性ならびに被覆樹脂層との密着
性を向上させるものであり、樹脂被覆後高度の加工度を
加えた後、食塩あるいは酸性分環境下で高温の殺菌処理
などが行われても十分な耐食性を有するものである。な
お形状的には特に制限はないが、箔状体、シート状体の
材料が主となるものである。化成処理に使用する化成液
の組成は、特にこれに制限されるわけではないが、以下
の如きものが適当である。
【0009】クロム源としては、クロム酸またはクロム
酸塩を用い、無水クロム酸、クロム酸ナトリウム等のク
ロム酸塩、重クロム酸ナトリウム等の重クロム酸塩が良
い。化成液中の濃度はクロムイオン換算で500〜1
0,000ppm、好ましくは1,000〜5,000
ppmである。500ppm未満では、皮膜の生成効率
が低く、10,000ppmを越えると化成処理後のリ
ンス水を大量に必要とし製造しずらいばかりか、廃液量
が増加するため好ましくない。チタン源としてはフッ化
チタン酸、チタン酸バリウム等のチタン酸塩が挙げられ
る。チタン化合物の濃度はチタンイオン換算で250〜
5,000ppm、好ましくは1,000〜3,500
ppmが良い。250ppm未満では皮膜中でのチタン
化合物の析出が不十分で、5,000ppmを越えると
チタン化合物の析出量が多すぎるため、塗膜密着性がか
えって低下する。浴中のクロム化合物とチタン化合物の
配合割合は、チタンイオン/クロムイオン比換算で0.
25〜1、好ましくは0.5〜0.9である。0.25
未満では皮膜中のチタン量が少なすぎるため、また1を
越えると皮膜中のチタン量が多すぎるため塗膜密着性の
低下を引き起こす。
【0010】リン源としてはリン酸化合物を用い、オル
トリン酸、ピロリン酸等が挙げられる。リン酸濃度は
5,000〜50,000ppm、好ましくは10,0
00〜30,000ppmである。5,000ppm未
満では浴のpHが高く、アルミニウムの溶解が起こりに
くくなるため、皮膜形成が遅くなり効率が低い。50,
000ppmを越えるとpHが低下しすぎ、溶解反応が
強すぎるため、粗雑な皮膜が形成されたり、全く皮膜が
生成しなくなるため不適当である。フッ化物としてはフ
ッ化水素酸が挙げられる。濃度はフッ素イオン量で30
0〜4,000ppm、好ましくは500〜2,000
ppmが良い。300ppm未満では、皮膜の生成効率
が悪く、また4,000ppmを越えるとアルミニウム
のエッチングが激しすぎ皮膜が形成されなくなる。な
お、リン酸、フッ化水素酸は化成液のpHが約1〜2.
5の範囲になるように加えるが、あまりにpHが低くな
るときは、これをナトリウム塩などの形で加えても良
く、またあまりにpHが高くなるようであれば、クロム
酸塩をクロム酸にする、あるいはチタン酸塩をフッ化チ
タン酸にするなど随時調節することが好ましい。
【0011】化成処理する際の浴温は20℃以上、80
℃未満、好ましくは30〜60℃である。20℃未満で
は化成皮膜の生成速度が遅く、また化成浴の冷却装置を
必要とするためコスト増となる。80℃以上では、エッ
チング作用が強すぎるため皮膜が生成せず、加熱に要す
るエネルギーも増すため不適当である。化成皮膜中のア
ルミニウム量は、アルミニウム原子%で20原子%以
下、好ましくは15原子%以下が良い。化成皮膜中のア
ルミニウムイオン量は、化成アルミニウム浴中のアルミ
ニウムイオン量をコントロールすることで達成される。
皮膜中のアルミニウムが20原子%を越えると密着性の
低下を引き起こす。化成液中アルミニウムイオン濃度
2,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以
下が良い。浴中のアルミニウムイオン濃度が高いと、ア
ルミニウムイオンが皮膜中に取り込まれやすくなる。
【0012】またアルミニウムイオン量が多くなると、
アルミニウムイオンとフッ素イオンが結合し、浴中のフ
ッ素イオン量が低下し、皮膜形成速度が小さくなるため
好ましくない。浴中アルミニウムイオン量のコントロー
ルは、処理時間またはアルミニウム処理量に対して、一
定量または一定排出速度で化成処理液を廃棄し、廃棄量
に見合った新化成液または薬剤及び溶媒(水)を補給す
ることで行える。また、化成浴液中のアルミニウムイオ
ン量をICP(誘導結合高周波プラズマ分光分析:in
ductively coupled plasma
spectrometry)等で分析し、化成液廃棄量
または廃棄速度及び補給量または補給速度を決定しても
良い。
【0013】化成処理時間は必要とされる皮膜厚さが達
成されるように調整すれば良いが、浸漬処理で1〜1,
000秒、スプレー処理の場合で1〜100秒である。
以上の方法によりアルミニウム表面にクロム−チタン−
リン酸複合皮膜を形成させ、水洗、乾燥する。水洗は表
面に浴液の残量が無いように行えば良く、スプレー水洗
が効率上優れている。乾燥は常温〜100数十℃の大気
をあてれば良い。生産性を考慮し、数十〜100℃程度
の温風ドライヤーが適している。
【0014】このようにして得られた皮膜量は、クロム
換算で5〜100mg/m2 、好ましくは10〜80m
g/m2 である。5mg/m2 未満では皮膜が薄すぎる
ため効果が不十分である。100mg/m2 を越えて生
成させても、塗膜との密着性が向上しないばかりか、生
成した化成皮膜が脆くなる。得られた化成皮膜は、10
50〜1110cm-1の赤外線吸収スペクトルを有する
ものであり、クロム原子3〜30原子%、チタン1〜1
0原子%、リン4〜15原子%、酸素40〜70原子
%、フッ素が6原子%以下を含むものであり、クロム原
子は常にチタン原子より多く、残部を20原子%以下の
アルミニウム、水素及びアルミニウムの不純分からなる
ものであり。アルミニウム等材表面に密着しており、深
絞り成形など加工度の高い成形においても安定して剥離
などは起きない化成処理アルミニウム等材である。
【0015】上記の処理により得られたアルミニウム等
材は耐食性を更に高めるため熱硬化性樹脂で被覆する。
この合成樹脂は用途により適宜選択されるが、熱硬化性
樹脂としては、エポキシ樹脂またはそのエステル(以後
エポキシ樹脂)からなる塗料、あるいはエポキシ樹脂と
尿素系架橋剤からなる塗料またはエポキシ樹脂とフェノ
ール系架橋剤からなる塗料、またはアクリル変性エポキ
シ樹脂またはその塩(以後アクリル変性エポキシ樹脂
類)からなる塗料、またはアクリル変性エポキシ樹脂類
とフェノール架橋剤からなる塗料、またはフェノキシ樹
脂塗料を挙げることができる。
【0016】好ましい具体例としては、塗布・乾燥・焼
き付け後、水接触角50°以上となる撥水性を呈するエ
ポキシ系樹脂皮膜が得られる塗料が挙げられる。例えば
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主成分とした溶剤型
塗料、また尿素系架橋剤をエポキシ樹脂100重量部に
対して10〜30重量部添加した溶剤型塗料、あるいは
フェノール系架橋剤をエポキシ樹脂100重量部に対し
て10〜30重量部添加した溶剤型塗料、または一部を
アクリル基で修飾した水性アクリル変性エポキシ樹脂塗
料、更に水性フェノール系架橋剤をアクリル変性エポキ
シ樹脂100重量部に対して10〜30重量部添加した
水性アクリル変性エポキシ樹脂塗料、溶剤型フェノキシ
樹脂塗料等が挙げられる。
【0017】加熱乾燥後の皮膜層厚みは0.1〜50μ
m、好ましくは0.5〜30μmが良い。0.1μm未
満では、成形加工後のピンホールを防げず、50μm以
上では厚すぎるため成形時に塗膜割れを生じたりコスト
アップを招き好ましくない。塗布方法としては、塗料中
に化成処理アルミニウム材を浸漬する方法や、ロールコ
ーターで塗布する方法、カーテンコーター、オリフィス
スロットコーター等によりアルミニウム板上に塗布する
方法がある。中でもロールコーター、カーテンコータ
ー、オリフィススロットコーター等がコイル連続処理に
適している。いずれにしても使用目的、処理装置との適
正を加味し、選択すれば良い。塗布したこれらの塗膜は
常温から350℃程度の温度で、自然乾燥あるいは熱風
乾燥または焼き付けする。温度、時間は使用目的、塗料
の特性に合わせて適宜選択すれば良いが、常温乾燥タイ
プの塗料で乾燥温度は室温〜100数十℃、乾燥時間は
数十秒〜数日間で、焼き付け硬化型塗料の場合で、10
0数十〜350℃、1秒〜数分で良い。
【0018】
【作用】本発明の化成皮膜は、皮膜形成時に化成液中の
6価クロムは還元され、3価クロム化合物として析出す
るため、本発明による化成皮膜中には有害な6価クロム
が含まれない。また、チタンも毒性が無いので、有害な
重金属類は含まれない。また本発明の化成皮膜は従来の
リン酸クロメート皮膜に比べ、クロム−チタン−リン酸
複合皮膜は樹脂、塗料、有機フィルム等に対して高い密
着性を有している。この原因の詳細不明であるが、XP
S(X−線光電子分光法:X−ray photo−e
lectronic spectroscopy)測定
によれば、クロム−チタン−リン酸複合皮膜表面のクロ
ム及びリンの結合エネルギーが、従来のリン酸クロメー
ト皮膜のそれと異なっており、皮膜の化学構造が変化し
ていることが示唆されている。また、FT−IR測定
(フーリエ変換赤外分光法:Fourier−tran
sform Infra−red spectrosc
opy)によれば、クロム−チタン−リン酸複合皮膜に
由来する吸収スペクトルが、従来のリン酸クロメート皮
膜に由来する吸収スペクトルと大きく異なっている。即
ち、従来のリン酸クロメート皮膜に由来する吸収スペク
トルは1120〜1140cm-1であるのに対し、クロ
ム−チタン−リン酸複合皮膜では1050〜1110c
-1と低波数側にシフトしている。この事実も皮膜の化
学構造の変化を示している。なお、チタンは皮膜中に均
一に分布しており、独立したチタン化合物を形成してい
ない。以上のことはチタンが添加されたことにより、従
来のリン酸クロメートとは異なった化学構造を有するク
ロム−チタン−リン酸複合皮膜が形成されることを示し
ている。
【0019】クロム−チタン−リン酸複合皮膜と従来の
リン酸クロメート皮膜の水接触角を比較すると、化成処
理直後では両者とも接触角≒15°以下で差が無いが、
放置すると明確な差が現れ、クロム−チタン−リン酸複
合皮膜では放置4日後も化成処理直後とほぼ同一の接触
角の活性の高い表面を維持しているのに対し、従来のリ
ン酸クロメート皮膜では放置1日後で接触角≧40°を
示し、濡れ性が急激に低下する。従って、クロム−チタ
ン−リン酸複合皮膜の方が、長期間にわたって塗料ある
いはフィルムとの密着性の高い表面を提供するといえ
る。また、ラインで化成処理直後に塗装あるいはフィル
ムラミネートするとしても、ライン雰囲気は必ずしも清
浄とはいえず、化成処理−水洗−乾燥−塗装あるいはフ
ィルムラミネートの工程を進む間に、表面が汚染される
危険が常に存在し、結果的に塗膜密着性が得られないこ
とが十分考えられる。このことはライン処理において
も、高活性を維持するクロム−チタン−リン酸複合皮膜
の方が、密着性に対してはるかに有利であることを示し
ている。このようにクロム−チタン−リン酸複合皮膜
は、従来のリン酸クロメート皮膜と比較して独特な化学
構造を有し、その結果表面の活性が高く、しかも長期間
持続するため高い密着性を示すものと考えられる。
【0020】本発明によるクロム−チタン−リン酸複合
皮膜は従来のリン酸クロメート皮膜と同じく、アルミニ
ウム等基材表面が溶解し、それが反応の出発点となっ
て、引き続き一連の化学反応(酸化−還元反応及び酸−
塩基反応)を経て形成されるコンバージョンコーティン
グに属する。溶解したアルミニウムイオンの大部分はフ
ッ素イオン及びナトリウムイオンと反応し、難溶性のフ
ッ化アルミニウム錯塩として除去されるが、一部は皮膜
中に取り込まれる。皮膜中にアルミニウムイオンが多量
に取り込まれたクロム−チタン−リン酸複合皮膜の赤外
吸収スペクトルによれば、先に述べた1080〜110
0cm-1の吸収スペクトルの他に、1130〜1150
cm-1に別の吸収スペクトルが出現する。この吸収スペ
クトルについても詳細は不明だが、アルミニウムイオン
が皮膜中に取り込まれるために、皮膜の化学構造が変化
したか、あるいは何等かの別の化合物として混入してい
ることを示唆している。その結果表面の活性が低下し、
密着性不良を招くと推定される。従って、クロム−チタ
ン−リン酸複合皮膜中へのアルミニウムイオンの取り込
みを少なくすること、そのために化成処理液中のアルミ
ニウムイオン量を少なくすることが重要である。
【0021】また、化成浴中のフッ素イオン量によって
皮膜の幾何学的形状が変化する。フッ素イオン量が50
0ppm以上、2000ppmの範囲では、皮膜の一部
または全てが、高さ0.01〜0.2μm、直径0.0
1〜10μmの突起状構造を呈し、皮膜表面に突起状凹
凸を与える。このような突起は、樹脂フィルム層に機械
的な密着強度向上効果、所謂アンカー効果及び表面積拡
大による密着強度向上効果を与えるため、更に化成皮膜
に対し樹脂皮膜の密着性が向上すると推定している。
【0022】
【実施例】
化成処理板の表面観察 (1)走査電子顕微鏡で、5,000倍及び10,00
0倍の観察倍率にて、表面形状及び皮膜付着状況を観察
した。 (2)X線光電子分光装置(XPS)にて、皮膜中のア
ルミニウム量及びフッ素量を測定した。スパッタリング
により表面から皮膜/アルミニウム界面までの深さ方向
分析を同時に行い、全皮膜中の平均原子量(原子%)を
求めた。 (3)樹脂で試験片を固めた後、ウルトラミクロトーム
により超薄切片を作り、透過型電子顕微鏡にて表面断面
形状を観察した。観察倍率は100,000及び20
0,000倍とした。 (4)高感度FT−IRにて、表面偏光反射赤外吸収ス
ペクトルを測定した(偏光0°)。測定波数=4,00
0〜400cm-1、分解能=4cm-1、64回スキャン
とした。 (5)ケイ光X線にて、皮膜中のCr、Ti量を測定し
た。
【0023】[実施例1、比較例1]JIS A505
2−H19(板厚=0.25mm)アルミニウム板を苛
性ソーダ系脱脂剤(日本ペイント製サーフクリーナー4
20N−2)を用い、脱脂、水洗した。化成液濃度=2
wt%、浴温=60℃、スプレー圧=1.5kgf/c
2 で5秒間スプレー洗浄した。その後、スプレー圧=
1.5kgf/cm2で10秒間、水道水にて洗浄し
た。引き続き表1に示す条件で化成処理を行った。化成
処理はスプレー処理で行い(スプレー圧=1.5kgf
/cm2 )、処理時間はいずれも5秒間とした。その
後、スプレー圧=1.5kgf/cm2 で10秒間、水
道水にて洗浄し、更にドライヤーで温風乾燥(約80
℃)した。 化成処理板に、ビスフェノールA型樹脂を
主成分とし、尿素系架橋剤を添加した溶剤型塗料を塗布
し、200℃で10分間、熱風乾燥し、エポキシ樹脂塗
膜厚3.3μmの塗装板を得た。塗装板の水接触角は6
5°であった。 テスト(1):試験片をオートクレーブ中、121℃
で、60分間、水蒸気処理し、室温まで冷やし、ゴバン
目付着性試験を行った。ゴバン目試験はJIS H 4
001に準拠した。フィルムが残存した升目の個数を記
録した。 テスト(2):フィルム面が外側となるように成形を行
った。成形は、まず60mmφの円盤を絞り比(元の円
盤の直径/成形後の直径)=1.4で絞り加工し、次に
3mm高さで張り出し成形を行い、更に外周部をカーリ
ング加工(縁を丸める加工)し、試験片とした。この試
験片をオートクレーブ中、121℃で、30分間、水蒸
気処理し、スコア部分を引き上げ、開口部に残った皮膜
の幅を測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】[実施例2、比較例2]JIS A505
2−H19(板厚=0.25mm)アルミニウム板を苛
性ソーダ系脱脂剤(日本ペイント製サーフクリーナー4
20N−2)を用い、脱脂、水洗した。化成液濃度=2
wt%、浴温=60℃、スプレー圧=1.5kgf/c
2 で5秒間スプレー洗浄した。その後、スプレー圧=
1.5kgf/cm2で10秒間、水道水にて洗浄し
た。引き続き表1に示す条件で化成処理を行った。化成
処理はスプレー処理で行い(スプレー圧=1.5kgf
/cm2 )、処理時間はいずれも5秒間とした。その後
スプレー圧=1.5kgf/cm2 で10秒間、水道水
にて洗浄し、更にドライヤーで温風乾燥(約80℃)し
た。化成処理板に、エポキシ−フェノール塗料(関西ペ
イント製92−L1242)を、260℃で30秒間、
熱風乾燥し、エポキシ樹脂塗膜厚5.1μmの塗装板を
得た。塗装板の水接触角は70°であった。 テスト(1):試験片をオートクレーブ中、121℃
で、60分間、水蒸気処理し、室温まで冷やし、ゴバン
目付着性試験を行った。ゴバン目試験はJIS H 4
001に準拠した。フィルムが残存した升目の個数を記
録した。 テスト(2):フィルム面が外側となるように成形を行
った。成形は、まず60mmφの円盤を絞り比(元の円
盤の直径/成形後の直径)=1.4で絞り加工し、次に
3mm高さで張り出し成形を行い、更に外周部をカーリ
ング加工(縁を丸める加工)し、試験片とした。この試
験片をオートクレーブ中、121℃で、30分間、水蒸
気処理し、スコア部分を引き上げ、開口部に残った皮膜
の幅を測定した。
【0027】
【表3】
【0028】[実施例3、比較例3]JIS A110
0−H24(板厚=0.12mm)アルミニウム板をリ
ン酸ソーダ系脱脂剤(日本ペイント製サーフクリーナー
322N−8)を用い、脱脂、水洗した。化成液濃度=
2wt%、浴温=70℃、スプレー圧=1.5kgf/
cm2 で6秒間スプレー洗浄した。その後、スプレー圧
=1.5kgf/cm2 で10秒間、水道水にて洗浄し
た。引き続き表1に示す条件で化成処理を行った。化成
処理はスプレー処理で行い(スプレー圧=1.5kgf
/cm2 )、処理時間はいずれも5秒間とした。その後
スプレー圧=1.5kgf/cm2 で10秒間、水道水
にて洗浄し、更にドライヤーで温風乾燥(約80℃)し
た。化成処理板に、水性アクリル変性エポキシ樹脂(デ
クスターミドランド製SY06)を塗布し、210℃で
20秒間、熱風乾燥し、エポキシ樹脂塗膜厚2.5μm
の塗装板を得た。塗装板の水接触角は75°であった。 テスト(1):試験片を沸水(100℃)で、60分
間、煮沸処理し、室温まで冷やし、ゴバン目付着性試験
を行った。ゴバン目試験はJISH 4001に準拠し
た。フィルムが残存した升目の個数を記録した。 テスト(2):試験片を酢酸エチルに常温で48時間浸
漬し、1,1,1−トリクロルエチレンに、沸点で30
分浸漬した後、取り出し、表面のトリクレンを拭き取っ
た直後にゴバン目付着性試験を行った。ゴバン目試験は
JIS H 4001に準拠した。フィルムが残存した
升目の個数を記録した。
【0029】
【表4】
【0030】[実施例4、比較例4]JIS A300
4−H19(板厚=0.30mm)アルミニウム板を苛
性ソーダ系脱脂剤(日本ペイント製サーフクリーナー4
20N−2)を用い、脱脂、水洗した。化成液濃度=2
wt%、浴温=60℃、スプレー圧=1.5kgf/c
2 で5秒間スプレー洗浄した。その後、スプレー圧=
1.5kgf/cm2で10秒間、水道水にて洗浄し
た。引き続き表1に示す条件で化成処理を行った。化成
処理はスプレー処理で行い(スプレー圧=1.5kgf
/cm2 )、処理時間はいずれも5秒間とした。その後
スプレー圧=1.5kgf/cm2 で10秒間、水道水
にて洗浄し、更にドライヤーで温風乾燥(約80℃)し
た。化成処理板にエポキシ系塗料(関西ペイント製KP
8601)を、乾燥塗膜厚さが5μmとなるように、バ
ーコーターで塗布し、熱風乾燥炉で、雰囲気温度225
℃で、50秒間保持した後、室温まで冷却し、更にポリ
エステル系塗料(関西ペイント製KP1700)をバー
コーターにて塗布した。この面板を熱風乾燥炉で、雰囲
気温度225℃で、80秒間保持し、試験片とした。ポ
リエステル塗膜厚みは20μmである。 テスト(1):試験片を沸騰純水中に8時間浸漬し、取
り出して水分を拭き取った後、直ちにゴバン目付着性試
験を行った。ゴバン目試験はJIS H 4001に準
拠した。塗膜が残存した升目の個数を記録した。 テスト(2):試験片を3%−NaOH水溶液に、室温
で24時間浸漬した。水洗、乾燥後直ちにゴバン目付着
性試験を行った。ゴバン目試験はJIS H 4001
に準拠した。塗膜が残存した升目の個数を記録した。 テスト(3):試験片を5%−硫酸に、室温で48時間
浸漬した。水洗、乾燥後直ちにゴバン目付着性試験を行
った。ゴバン目試験はJIS H4001に準拠した。
塗膜が残存した升目の個数を記録した。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】本発明の表面にクロム−チタン−リン酸
複合皮膜を有する化成処理アルミニウム等材は、製造に
際しては有害な6価クロムの溶出のない化成液を使用し
ており、さらに化成皮膜中にも含まれていない。該皮膜
はそれ自身耐食性を有するだけでなく、塗膜密着性に優
れており、また該皮膜は長期間放置後においても化成処
理直後とほぼ同一の樹脂密着性を有する。この化成処理
アルミニウム等材に塗料を被覆した樹脂被覆アルミニウ
ム等材は、深絞り加工、しごき加工など加工度の高い成
形加工を行ったときでも、その高い密着性のため化成皮
膜と樹脂塗膜の剥離は起こらず、さらにレトルト処理の
如き高温加熱殺菌処理を行ってもこの剥離が防止できる
樹脂被覆アルミニウム等材である。このように樹脂被覆
されたアルミニウム等材は、酸、アルカリ等に対する耐
食性があるだけでなく耐塩素性もあり、高い食塩濃度を
有する加工食品、酸性の強い果汁などの容器材料として
も有用な材料である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材またはアルミニウム合金
    材の表面に、クロムを5mg/m2 〜100mg/m2
    含み、かつクロム3〜30原子%、チタン1〜10原子
    %、リン4〜15原子%、酸素40〜70原子%、フッ
    素が6原子%以下を含むものであり、クロム原子は常に
    チタン原子より多く、残部を20原子%以下のアルミニ
    ウム、水素及びアルミニウムの不純分からなる化成皮膜
    が設けられた化成処理アルミニウム材または化成処理ア
    ルミニウム合金材。
  2. 【請求項2】 アルミニウム材またはアルミニウム合金
    材の表面に設けられた化成皮膜が、クロムを5mg/m
    2 〜100mg/m2 含み、かつクロム3〜30原子
    %、チタン1〜10原子%、リン4〜15原子%、酸素
    40〜70原子%、フッ素が6原子%以下、アルミニウ
    ムが20原子%以下を含むものであり、クロム原子は常
    にチタン原子より多く、残部を水素、アルミニウム及び
    アルミニウムの不純分からなり、該皮膜の被覆面積の少
    なくとも10%が、高さ0.01〜0.5μm、平均径
    0.01〜10μmの突起構造を有する請求項1記載の
    化成処理アルミニウム材または化成処理アルミニウム合
    金材。
  3. 【請求項3】 クロムを10〜80mg/m2 含み、か
    つクロム5〜20原子%、チタン2〜6原子%、リン5
    〜10原子%、フッ素が5原子%以下、アルミニウム1
    5原子%以下含む化成皮膜であり、該化成皮膜中のクロ
    ム−チタン−リン−酸素複合皮膜に由来する赤外吸収が
    1110cm-1〜1050cm-1にある請求項1〜2記
    載の化成処理アルミニウム材または化成処理アルミニウ
    ム合金材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の化成処理アルミニウ
    ムまたは化成処理アルミニウム合金材の表面をエポキシ
    樹脂系塗料、アクリル変性エポキシ樹脂系塗料、フェノ
    キシ樹脂系塗料またはポリエステル樹脂系塗料により被
    覆した樹脂被覆アルミニウム材または樹脂被覆アルミニ
    ウム合金材。
  5. 【請求項5】 アルミニウム材またはアルミニウム合金
    材を、クロム濃度500〜10000ppm、チタン濃
    度250〜5000ppm、フッ素イオン濃度300〜
    4000ppm、アルミニウムイオン濃度2000pp
    m以下、pH約1〜2.5のクロム化合物−チタン化合
    物−フッ素化合物混合りん酸系水溶液に、浴温20〜8
    0℃、1〜1000秒浸漬するかまたは1〜100秒ス
    プレー処理した後水洗、乾燥することを特徴とする化成
    処理アルミニウム材または化成処理アルミニウム合金材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 クロム化合物−チタン化合物−フッ素化
    合物混合りん酸系水溶液中のクロム化合物及びチタン化
    合物のそれぞれの濃度は、チタンイオン/クロムイオン
    に換算して0.25〜1.0である請求項5記載の化成
    処理アルミニウム材または化成処理アルミニウム合金材
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 クロム化合物がクロム酸または重クロム
    酸の塩を用い、クロム濃度として1000〜5000p
    pm、チタン化合物をチタン濃度で1000〜3500
    ppm、フッ素化合物としてフッ化水素酸を用い、フッ
    素イオンとして500〜2000ppm、アルミニウム
    イオン濃度1000ppm以下、pH約1〜2.5のク
    ロム化合物−チタン化合物−フッ素化合物混合りん酸系
    水溶液を用いる請求項5〜6記載の化成処理アルミニウ
    ム材または化成処理アルミニウム合金材の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材
    を、クロム濃度500〜10000ppm、チタン濃度
    250〜5000ppm、フッ素イオン濃度300〜4
    000ppm、アルミニウムイオン濃度2000ppm
    以下、pH約1〜2.5のクロム化合物−チタン化合物
    −フッ素化合物混合りん酸系水溶液に、浴温20〜80
    ℃、1〜1000秒浸漬するかまたは1〜100秒スプ
    レー処理した後水洗、乾燥し、エポキシ樹脂系あるいは
    アクリル変性エポキシ樹脂系、フェノキシ樹脂系塗料も
    しくはポリエステル樹脂系塗料を塗布し、350℃以下
    の温度で1〜1800秒の時間加熱乾燥し、厚さ0.1
    〜50μmの撥水性樹脂層を設けることを特徴とする樹
    脂被覆アルミニウム材または樹脂被覆アルミニウム合金
    材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006326863A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Furukawa Sky Kk プレコートフィン用アルミニウム材
JP2010262932A (ja) * 2010-06-18 2010-11-18 Dainippon Printing Co Ltd ポリマー電池用包装材料

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JP2006326863A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Furukawa Sky Kk プレコートフィン用アルミニウム材
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