JPH09129883A - 薄膜装置の製造方法 - Google Patents
薄膜装置の製造方法Info
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- JPH09129883A JPH09129883A JP28472195A JP28472195A JPH09129883A JP H09129883 A JPH09129883 A JP H09129883A JP 28472195 A JP28472195 A JP 28472195A JP 28472195 A JP28472195 A JP 28472195A JP H09129883 A JPH09129883 A JP H09129883A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 薄膜装置の製造方法に関し、化成液の取扱を
容易にして絶縁性の高い陽極酸化膜を制御性良く、且
つ、高製造歩留りで形成し、また、TAB端子圧着部の
接触抵抗、コンタクト抵抗を低減する。 【解決手段】 絶縁基板3上に配置された複数の配線層
4の表面を陽極酸化する際に、陽極酸化用の化成液1に
正の水和をする希ガス7を溶解させて陽極酸化を行う。
容易にして絶縁性の高い陽極酸化膜を制御性良く、且
つ、高製造歩留りで形成し、また、TAB端子圧着部の
接触抵抗、コンタクト抵抗を低減する。 【解決手段】 絶縁基板3上に配置された複数の配線層
4の表面を陽極酸化する際に、陽極酸化用の化成液1に
正の水和をする希ガス7を溶解させて陽極酸化を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜装置の製造方法
に関するものであり、特に、アクティブマトリクス型液
晶表示装置に用いる逆スタガ型薄膜トランジスタ(TF
T)のゲート電極や補助容量電極等のAl配線層の陽極
酸化方法に関するものである。
に関するものであり、特に、アクティブマトリクス型液
晶表示装置に用いる逆スタガ型薄膜トランジスタ(TF
T)のゲート電極や補助容量電極等のAl配線層の陽極
酸化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アクティブマトリクス型液晶
表示装置における駆動素子としては薄膜トランジスタが
使用されているが、近年の大型化、及び、高精細化に伴
って薄膜トランジスタの高速駆動化、面内輝度分布の均
一化、及び、製造歩留りの向上が要請されており、高速
駆動化、及び、面内輝度分布の均一化のためにゲート配
線層等の低抵抗化が行われている。
表示装置における駆動素子としては薄膜トランジスタが
使用されているが、近年の大型化、及び、高精細化に伴
って薄膜トランジスタの高速駆動化、面内輝度分布の均
一化、及び、製造歩留りの向上が要請されており、高速
駆動化、及び、面内輝度分布の均一化のためにゲート配
線層等の低抵抗化が行われている。
【0003】この様なゲート配線層等の低抵抗化のため
に、ゲート配線層等としてAl或いはAl合金が用いら
れており、このゲート配線層等の表面を陽極酸化した陽
極酸化膜をゲート絶縁膜及びゲート容量等として使用し
ている。
に、ゲート配線層等としてAl或いはAl合金が用いら
れており、このゲート配線層等の表面を陽極酸化した陽
極酸化膜をゲート絶縁膜及びゲート容量等として使用し
ている。
【0004】しかし、Al或いはAl合金の陽極酸化膜
の絶縁性が乏しいと、層間短絡の原因となって製造歩留
りを悪くするため、陽極酸化工程を酸化開始から終了ま
で安定して行う必要がある。
の絶縁性が乏しいと、層間短絡の原因となって製造歩留
りを悪くするため、陽極酸化工程を酸化開始から終了ま
で安定して行う必要がある。
【0005】従来の陽極酸化を用いたTFTにおいて
は、陽極酸化膜の絶縁性を向上するために、また、汚染
物の持ち込みによる汚染、即ち、ケミカルキャリーオー
バーの影響を少なくして薬液の寿命を長くするために、
陽極酸化用薬液(化成液)として、エチレングリコール
溶媒等の薬液の導電率を容易に低くできる溶媒を用いた
有機酸数パーセントの溶液にアンモニア水を加えて、p
Hを6.80〜7.20に調整した溶液を使用してい
た。
は、陽極酸化膜の絶縁性を向上するために、また、汚染
物の持ち込みによる汚染、即ち、ケミカルキャリーオー
バーの影響を少なくして薬液の寿命を長くするために、
陽極酸化用薬液(化成液)として、エチレングリコール
溶媒等の薬液の導電率を容易に低くできる溶媒を用いた
有機酸数パーセントの溶液にアンモニア水を加えて、p
Hを6.80〜7.20に調整した溶液を使用してい
た。
【0006】このエチレングリコールは、基板上のレジ
スト等の汚染物が液中に容易に溶け込まないため、汚染
物の持ち込みに対する耐性が高く、薬液の導電率の変化
も少ないため安定な陽極酸化を行うことができ、したが
って、薬液の交換回数も少なくてすむので寿命が長くな
る。
スト等の汚染物が液中に容易に溶け込まないため、汚染
物の持ち込みに対する耐性が高く、薬液の導電率の変化
も少ないため安定な陽極酸化を行うことができ、したが
って、薬液の交換回数も少なくてすむので寿命が長くな
る。
【0007】しかし、エチレングリコールは引火性が高
いので、電気接点を必要とする陽極酸化工程で使用する
場合、防爆対策のために陽極酸化装置のコストが割高に
なるという欠点があり、仮に、防爆設備とした場合でも
作業環境も好ましいとはいえず、特別な排水処理設備、
薬液保管用設備等のためのコストアップも避けられない
という問題がある。
いので、電気接点を必要とする陽極酸化工程で使用する
場合、防爆対策のために陽極酸化装置のコストが割高に
なるという欠点があり、仮に、防爆設備とした場合でも
作業環境も好ましいとはいえず、特別な排水処理設備、
薬液保管用設備等のためのコストアップも避けられない
という問題がある。
【0008】ここで、図7を参照して従来の陽極酸化工
程を説明する。なお、図7の右側の図は左側の図におけ
る化成液の液面54近傍の要部断面図である。 図7(a)参照 従来の陽極酸化工程においては、外部ドライバからの信
号線と接続するゲート端子部及び周辺接続部のAl配線
層52を陽極酸化から守る必要があり、そのために、化
成液中に浸漬しているゲート端子部、及び、化成液の液
面54に位置する周辺接続部の表面をフォトレジストマ
スク53で被覆して化成液から保護していた。なお、図
において、符号51はTFTマトリクスを設けるガラス
基板である。
程を説明する。なお、図7の右側の図は左側の図におけ
る化成液の液面54近傍の要部断面図である。 図7(a)参照 従来の陽極酸化工程においては、外部ドライバからの信
号線と接続するゲート端子部及び周辺接続部のAl配線
層52を陽極酸化から守る必要があり、そのために、化
成液中に浸漬しているゲート端子部、及び、化成液の液
面54に位置する周辺接続部の表面をフォトレジストマ
スク53で被覆して化成液から保護していた。なお、図
において、符号51はTFTマトリクスを設けるガラス
基板である。
【0009】図7(b)及び(c)参照 しかし、実際には、フォトレジストの現像時にその現像
液によってAl配線層52の露出部もエッチングされ、
フォトレジストマスク53の端部において段差55、及
び、サイドエッチング部56が発生しやすく、このまま
直流電源57の+端子にAl配線層52を接続して陽極
酸化を行った場合に、Al配線層52とフォトレジスト
マスク53との界面においても酸化が進行し、フォトレ
ジストマスク53が保護膜として機能しないことがあっ
た。
液によってAl配線層52の露出部もエッチングされ、
フォトレジストマスク53の端部において段差55、及
び、サイドエッチング部56が発生しやすく、このまま
直流電源57の+端子にAl配線層52を接続して陽極
酸化を行った場合に、Al配線層52とフォトレジスト
マスク53との界面においても酸化が進行し、フォトレ
ジストマスク53が保護膜として機能しないことがあっ
た。
【0010】特に、液面54近傍においては酸化速度が
速いために、極端な場合には、フォトレジストマスク5
3の端部において楔形の酸化が進行して全体が陽極酸化
膜58に変換され電気的にオープンの状態が発生するな
ど、正常なゲート端子の形成マージンに不安を残す問題
があった。
速いために、極端な場合には、フォトレジストマスク5
3の端部において楔形の酸化が進行して全体が陽極酸化
膜58に変換され電気的にオープンの状態が発生するな
ど、正常なゲート端子の形成マージンに不安を残す問題
があった。
【0011】また、別の方法としては、陽極酸化工程に
おいて、ゲート端子部も酸化したのち、クロム酸を用い
てゲート端子部表面の陽極酸化膜、即ち、Al2 O3 膜
を除去し、未酸化部分のAl配線層からなるゲート端子
部を露出させる方法もあるが、クロム酸(即ち、六価ク
ロム)は処理方法並びに作業環境が問題となる欠点があ
る。
おいて、ゲート端子部も酸化したのち、クロム酸を用い
てゲート端子部表面の陽極酸化膜、即ち、Al2 O3 膜
を除去し、未酸化部分のAl配線層からなるゲート端子
部を露出させる方法もあるが、クロム酸(即ち、六価ク
ロム)は処理方法並びに作業環境が問題となる欠点があ
る。
【0012】さらに、他の方法としては、ゲート端子部
を化成液の液面54の上に出して、この部分の陽極酸化
を防止する方法もあるが、高精度の液面制御技術など装
置上のコストが割高になるという問題があり、仮に、こ
の問題点を解決したとしても、マザーガラス1枚当たり
のTFTパネルの取り数が増えると、少なくとも一部の
TFTパネルのゲート端子部は必然的に化成液中に漬か
ることになり、好ましい方法とは言えないものである。
を化成液の液面54の上に出して、この部分の陽極酸化
を防止する方法もあるが、高精度の液面制御技術など装
置上のコストが割高になるという問題があり、仮に、こ
の問題点を解決したとしても、マザーガラス1枚当たり
のTFTパネルの取り数が増えると、少なくとも一部の
TFTパネルのゲート端子部は必然的に化成液中に漬か
ることになり、好ましい方法とは言えないものである。
【0013】また、このような問題点を解決したとして
も、Al或いはAl合金は酸化されやすいため、Al或
いはAl合金からなるゲート端子部にTAB(Tape
Automated Bonding)電極を直接圧
着すると接触抵抗が高くなるため、ITO(インジウム
・錫酸化物)膜を介することによって接触抵抗の問題を
回避しているが、Al或いはAl合金とITOとの積層
構造ではコンタクト抵抗が高く、現像液等の薬液中では
電池効果によってAlが腐食するので、Al或いはAl
合金とITOとの間にCrやTi等の金属層を介在させ
ていた。
も、Al或いはAl合金は酸化されやすいため、Al或
いはAl合金からなるゲート端子部にTAB(Tape
Automated Bonding)電極を直接圧
着すると接触抵抗が高くなるため、ITO(インジウム
・錫酸化物)膜を介することによって接触抵抗の問題を
回避しているが、Al或いはAl合金とITOとの積層
構造ではコンタクト抵抗が高く、現像液等の薬液中では
電池効果によってAlが腐食するので、Al或いはAl
合金とITOとの間にCrやTi等の金属層を介在させ
ていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Al或
いはAl合金とITOとの間にCrやTi等の金属層を
介在させた場合にも、Al或いはAl合金の表面には必
然的に自然酸化膜が形成されるので、CrやTi等の金
属層とのコンタクトが確実ではなく、また、化成液中に
浸る部分の中でも、陽極酸化部と非陽極酸化部との境界
形成におけるマージンの低さが改良されない問題があ
る。
いはAl合金とITOとの間にCrやTi等の金属層を
介在させた場合にも、Al或いはAl合金の表面には必
然的に自然酸化膜が形成されるので、CrやTi等の金
属層とのコンタクトが確実ではなく、また、化成液中に
浸る部分の中でも、陽極酸化部と非陽極酸化部との境界
形成におけるマージンの低さが改良されない問題があ
る。
【0015】また、クロスコンタミネーションを避ける
ために、陽極酸化用の化成液の取扱にも依然として注意
を払わなければならず、また、化成液としてエチレング
リコールを用いた場合に比べて寿命が短いという問題が
ある。
ために、陽極酸化用の化成液の取扱にも依然として注意
を払わなければならず、また、化成液としてエチレング
リコールを用いた場合に比べて寿命が短いという問題が
ある。
【0016】したがって、本発明は、化成液の取扱を容
易にして絶縁性の高い陽極酸化膜を制御性良く、且つ、
高製造歩留りで形成し、また、TAB端子圧着部の接触
抵抗、コンタクト抵抗を低減することを目的とする。
易にして絶縁性の高い陽極酸化膜を制御性良く、且つ、
高製造歩留りで形成し、また、TAB端子圧着部の接触
抵抗、コンタクト抵抗を低減することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1を参照して本願にお
ける課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 図1は、本発明の実施に用いる陽極酸化装置の要部の概
略的構成図であり、化成液1を入れた化成槽2、及び、
化成槽2に化成液1をポンプ10を介して循環供給する
導電率調整槽9からなり、この導電率調整槽9にエアバ
ルブ8を介して希ガス7を供給して導電率を調整するも
のである。
ける課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 図1は、本発明の実施に用いる陽極酸化装置の要部の概
略的構成図であり、化成液1を入れた化成槽2、及び、
化成槽2に化成液1をポンプ10を介して循環供給する
導電率調整槽9からなり、この導電率調整槽9にエアバ
ルブ8を介して希ガス7を供給して導電率を調整するも
のである。
【0018】(1)本発明は、絶縁基板3上に配置され
た複数の配線層4、及び、この配線層4の陽極酸化膜を
含む薄膜容量を有する薄膜装置の製造方法において、配
線層4を陽極酸化する際に、化成液1に正の水和をする
希ガス7を溶解させて陽極酸化を行うことを特徴とす
る。
た複数の配線層4、及び、この配線層4の陽極酸化膜を
含む薄膜容量を有する薄膜装置の製造方法において、配
線層4を陽極酸化する際に、化成液1に正の水和をする
希ガス7を溶解させて陽極酸化を行うことを特徴とす
る。
【0019】この様に、陽極酸化用の化成液1に正の水
和をする希ガス7を溶解させることにより、化成液1を
構成する水分子のクラスター形成能を高めて水を構造化
し、水の構造化によってイオンを水クラスター分子内に
閉じ込め導電率を下げることができる。
和をする希ガス7を溶解させることにより、化成液1を
構成する水分子のクラスター形成能を高めて水を構造化
し、水の構造化によってイオンを水クラスター分子内に
閉じ込め導電率を下げることができる。
【0020】したがって、導電率調整のために引火性の
高いエチレングリコールを用いる必要がないので、化成
液1の管理に特別の保管設備を必要とせず、また、陽極
酸化工程において特別の防爆設備を必要としないので、
全体の製造コストを低下させることができる。
高いエチレングリコールを用いる必要がないので、化成
液1の管理に特別の保管設備を必要とせず、また、陽極
酸化工程において特別の防爆設備を必要としないので、
全体の製造コストを低下させることができる。
【0021】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、化成液1に溶解させる希ガス7としてXeを用いる
ことを特徴とする。
て、化成液1に溶解させる希ガス7としてXeを用いる
ことを特徴とする。
【0022】この様に、正の水和をする希ガス7とし
て、Xeを用いることにより、溶解を低い圧力で行うこ
とができる。即ち、正の水和は他の希ガスでも可能であ
るが、Xeの溶解が1.15atmで可能であるのに対
して、Arの場合には98.5atm、Krの場合には
14.5atmの圧力が必要となる。
て、Xeを用いることにより、溶解を低い圧力で行うこ
とができる。即ち、正の水和は他の希ガスでも可能であ
るが、Xeの溶解が1.15atmで可能であるのに対
して、Arの場合には98.5atm、Krの場合には
14.5atmの圧力が必要となる。
【0023】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、配線層4がゲート配線層、ゲート電
極、及び、補助容量電極を構成する第1の導電層と、ゲ
ート配線層と補助容量電極とに接続するゲート端子及び
周辺接続配線層を構成する第2の導電層とからなり、陽
極酸化工程において、ゲート端子及び周辺接続配線層の
上にゲート端子及び周辺接続配線層のパターニング工程
において用いたフォトレジストを残存させた状態で第1
の導電層を陽極酸化することを特徴とする。
(2)において、配線層4がゲート配線層、ゲート電
極、及び、補助容量電極を構成する第1の導電層と、ゲ
ート配線層と補助容量電極とに接続するゲート端子及び
周辺接続配線層を構成する第2の導電層とからなり、陽
極酸化工程において、ゲート端子及び周辺接続配線層の
上にゲート端子及び周辺接続配線層のパターニング工程
において用いたフォトレジストを残存させた状態で第1
の導電層を陽極酸化することを特徴とする。
【0024】この様に、陽極酸化工程において、第2の
導電膜によって第1の導電膜の端部を覆っているので、
第2の導電膜の下に存在する第1の導電膜の端部がレジ
スト並びにアルカリ現像液によって腐食されるのを防止
することができる。
導電膜によって第1の導電膜の端部を覆っているので、
第2の導電膜の下に存在する第1の導電膜の端部がレジ
スト並びにアルカリ現像液によって腐食されるのを防止
することができる。
【0025】(4)また、本発明は、上記(3)におい
て、第1の導電膜が、AlまたはAlを主成分とする合
金からなり、また、第2の導電膜が、TiまたはTiを
主成分とする合金からなり、第2の導電膜をパターニン
グする際に、フッ酸を含むエッチング液を用い、第1の
導電膜に対して第2の導電膜を選択的にエッチングする
ことを特徴とする。
て、第1の導電膜が、AlまたはAlを主成分とする合
金からなり、また、第2の導電膜が、TiまたはTiを
主成分とする合金からなり、第2の導電膜をパターニン
グする際に、フッ酸を含むエッチング液を用い、第1の
導電膜に対して第2の導電膜を選択的にエッチングする
ことを特徴とする。
【0026】この様に、ゲート電極及びゲート配線層を
構成する第1の導電膜として低抵抗のAlまたはAlを
主成分とする合金を用いることによって、薄膜トランジ
スタの高速化が可能になり、且つ、絶縁性の高い良質の
陽極酸化膜を得ることができ、また、ゲート端子を構成
する第2の導電膜としてTiまたはTiを主成分とする
合金を用い、且つ、エッチング液としてフッ硝酸水溶液
等のフッ酸を含むエッチング液を用いることによって、
AlまたはAlを主成分とする合金に対する選択エッチ
ングが容易になり、さらに、ゲート端子近傍の第1の導
電膜を制御性良く陽極酸化することができると共に、ゲ
ート端子部において、Al/Ti/ITOからなる低抵
抗の端子構造を形成することができる。
構成する第1の導電膜として低抵抗のAlまたはAlを
主成分とする合金を用いることによって、薄膜トランジ
スタの高速化が可能になり、且つ、絶縁性の高い良質の
陽極酸化膜を得ることができ、また、ゲート端子を構成
する第2の導電膜としてTiまたはTiを主成分とする
合金を用い、且つ、エッチング液としてフッ硝酸水溶液
等のフッ酸を含むエッチング液を用いることによって、
AlまたはAlを主成分とする合金に対する選択エッチ
ングが容易になり、さらに、ゲート端子近傍の第1の導
電膜を制御性良く陽極酸化することができると共に、ゲ
ート端子部において、Al/Ti/ITOからなる低抵
抗の端子構造を形成することができる。
【0027】(5)また、本発明は、上記(4)におい
て、エッチング液に正の水和をする希ガスを溶解させる
ことを特徴とする。
て、エッチング液に正の水和をする希ガスを溶解させる
ことを特徴とする。
【0028】この様に、エッチング液に希ガスを溶解さ
せることによってエッチング液のイオンの解離率を下げ
て水素イオン濃度を下げることによって、水素イオンに
より下地のAlまたはAlを主成分とする合金からなる
第1の導電膜がエッチングされることを防止することが
できる。
せることによってエッチング液のイオンの解離率を下げ
て水素イオン濃度を下げることによって、水素イオンに
より下地のAlまたはAlを主成分とする合金からなる
第1の導電膜がエッチングされることを防止することが
できる。
【0029】(6)また、本発明は、上記(5)におい
て、エッチング液に溶解させる希ガスがXeであること
を特徴とする。
て、エッチング液に溶解させる希ガスがXeであること
を特徴とする。
【0030】この場合も、化成液1に対する希ガスの溶
解と同様に、希ガスとしてXeを用いることによって、
エッチング液に対する溶解に必要な圧力を低くすること
ができ、イオンの解離率の制御が容易になる。
解と同様に、希ガスとしてXeを用いることによって、
エッチング液に対する溶解に必要な圧力を低くすること
ができ、イオンの解離率の制御が容易になる。
【0031】
【発明の実施の形態】図2乃至図6を参照して本発明の
実施の形態を説明する。なお、図2は、本発明の実施に
用いる陽極酸化装置の概略的構成の説明図であり、ま
た、図3乃至図6は、本発明の実施の形態の製造工程の
説明図であり、夫々右側の図はTFT部を表し、左側の
図はTAB端子圧着部を表す。
実施の形態を説明する。なお、図2は、本発明の実施に
用いる陽極酸化装置の概略的構成の説明図であり、ま
た、図3乃至図6は、本発明の実施の形態の製造工程の
説明図であり、夫々右側の図はTFT部を表し、左側の
図はTAB端子圧着部を表す。
【0032】図2参照 まず、図2を参照して、本発明の実施に用いる陽極酸化
装置を説明する。この陽極酸化装置は化成液循環型の陽
極酸化装置であり、化成液11を満たす化成槽12、化
成槽12からオーバーフローした化成液11を受けるオ
ーバーフロー槽13によって、陽極酸化装置の主要部が
構成され、この化成槽12内の化成液11に陽極酸化の
対象となるAl配線層14を形成したガラス基板15を
浸漬して直流電源16の+端子に接続し、一方、カソー
ド17を直流電源16の−端子に接続することによって
陽極酸化を行う。なお、このオーバーフロー槽13に
は、陽極酸化に伴って発生するガス等の排ガス18を排
気する局所排気口19が設けられている。
装置を説明する。この陽極酸化装置は化成液循環型の陽
極酸化装置であり、化成液11を満たす化成槽12、化
成槽12からオーバーフローした化成液11を受けるオ
ーバーフロー槽13によって、陽極酸化装置の主要部が
構成され、この化成槽12内の化成液11に陽極酸化の
対象となるAl配線層14を形成したガラス基板15を
浸漬して直流電源16の+端子に接続し、一方、カソー
ド17を直流電源16の−端子に接続することによって
陽極酸化を行う。なお、このオーバーフロー槽13に
は、陽極酸化に伴って発生するガス等の排ガス18を排
気する局所排気口19が設けられている。
【0033】また、オーバーフロー槽13に流入した化
成液11は配管を介して導電率調整槽20に導かれ、こ
の導電率調整槽20にレギュレータ21、エアバルブ2
2,23を介してXeガス24を供給し、化成液11に
Xeガス24を溶解させる。
成液11は配管を介して導電率調整槽20に導かれ、こ
の導電率調整槽20にレギュレータ21、エアバルブ2
2,23を介してXeガス24を供給し、化成液11に
Xeガス24を溶解させる。
【0034】この場合、導電率計25によって化成液1
1の導電率を測定し、導電率が所定の値より上昇した場
合には、圧力計26によって供給するXeガス24の圧
力を調整してXeガスの溶解量を制御して所定の導電率
に調整する。
1の導電率を測定し、導電率が所定の値より上昇した場
合には、圧力計26によって供給するXeガス24の圧
力を調整してXeガスの溶解量を制御して所定の導電率
に調整する。
【0035】そして、導電率の調整された化成液11は
ポンプ27によってフィルタ28を介して化成槽12の
下側から化成槽12に供給されるものであり、フィルタ
28によって、化成液11中のエッチング残渣等の異物
が除去される。
ポンプ27によってフィルタ28を介して化成槽12の
下側から化成槽12に供給されるものであり、フィルタ
28によって、化成液11中のエッチング残渣等の異物
が除去される。
【0036】次に、図3乃至図6を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。 図3(a)参照 まず、絶縁性透明基板であるガラス基板31上に厚さ2
000〜4000Å、好適には4000ÅのAl膜をス
パッタリング法によって堆積させ、ステッパを用いた縮
小露光によって露光したのち現像したフォトレジストマ
スク(図示せず)をマスクとしてエッチングしてAlゲ
ート電極32、Al補助容量電極(CS)33、及び、
Alゲート配線層34を形成する。なお、この時、周辺
接続部及び陽極酸化用端子は一体に形成する。
実施の形態を説明する。 図3(a)参照 まず、絶縁性透明基板であるガラス基板31上に厚さ2
000〜4000Å、好適には4000ÅのAl膜をス
パッタリング法によって堆積させ、ステッパを用いた縮
小露光によって露光したのち現像したフォトレジストマ
スク(図示せず)をマスクとしてエッチングしてAlゲ
ート電極32、Al補助容量電極(CS)33、及び、
Alゲート配線層34を形成する。なお、この時、周辺
接続部及び陽極酸化用端子は一体に形成する。
【0037】この場合、図示していないが、Alゲート
電極32、Al補助容量電極33、及び、Alゲート配
線層34はテーパーエッチングする必要があるので、イ
オンミリング法によってパターニングする。
電極32、Al補助容量電極33、及び、Alゲート配
線層34はテーパーエッチングする必要があるので、イ
オンミリング法によってパターニングする。
【0038】図3(b)参照 次いで、フォトレジストマスクを除去したのち、紫外線
を照射して発生したオゾン利用したUV/O3 処理によ
って、Alゲート電極32、Al補助容量電極33、及
び、Alゲート配線層34の表面を清浄化し、次いで、
それらの表面にTi膜をスパッタリング法によって堆積
させる。なお、UV/O3 処理の代わりに、3〜11p
pm程度のO3 を溶解させた純水で洗浄しても良い。
を照射して発生したオゾン利用したUV/O3 処理によ
って、Alゲート電極32、Al補助容量電極33、及
び、Alゲート配線層34の表面を清浄化し、次いで、
それらの表面にTi膜をスパッタリング法によって堆積
させる。なお、UV/O3 処理の代わりに、3〜11p
pm程度のO3 を溶解させた純水で洗浄しても良い。
【0039】次いで、S1800シリーズ(シプレイ社
製)のフォトレジストを厚さ3.5μmに塗布し、プロ
キシミティー露光をしたのち現像してフォトレジストマ
スク36を形成し、次いで、140〜160℃でハード
ベークしてフォトレジストマスク36を焼成する。
製)のフォトレジストを厚さ3.5μmに塗布し、プロ
キシミティー露光をしたのち現像してフォトレジストマ
スク36を形成し、次いで、140〜160℃でハード
ベークしてフォトレジストマスク36を焼成する。
【0040】次いで、フッ硝酸水溶液にXeガスを溶解
させたエッチング液を用いてTi膜をパターニングして
TAB端子圧着部にAlゲート配線層34と接続するT
iパッド電極35及び周辺接続部(図示せず)を形成す
る。この場合、Xeガスの添加は、水分子のクラスター
形成能を高める、即ち、正の水和を行うためであり、イ
オンを水クラスター分子内に閉じ込めることによってイ
オンの解離率は低下する。
させたエッチング液を用いてTi膜をパターニングして
TAB端子圧着部にAlゲート配線層34と接続するT
iパッド電極35及び周辺接続部(図示せず)を形成す
る。この場合、Xeガスの添加は、水分子のクラスター
形成能を高める、即ち、正の水和を行うためであり、イ
オンを水クラスター分子内に閉じ込めることによってイ
オンの解離率は低下する。
【0041】このイオンの解離率の低下に伴って水素イ
オン濃度が低下するので、水素イオンによってAlゲー
ト電極32、Al補助容量電極33、及び、Alゲート
配線層34がエッチングされることがなく、精度の高い
選択エッチングを行うことができる。
オン濃度が低下するので、水素イオンによってAlゲー
ト電極32、Al補助容量電極33、及び、Alゲート
配線層34がエッチングされることがなく、精度の高い
選択エッチングを行うことができる。
【0042】図4(c)参照 次いで、酒石酸アンモニウム3%水溶液にアンモニア水
を加えてpHを6.80〜7.20に調整した化成液に
Xeガスを溶解させて、化成液の導電率を0.1〜2.
0S/m(ジーメンス/メートル)、好適には、0.6
0S/mに調整したのち、Alゲート電極32、Al補
助容量電極33、及び、Alゲート配線層34を形成し
たガラス基板31を化成液中に浸漬し、直流電源により
電圧を印加することによってAlゲート電極32、Al
補助容量電極33、及び、Alゲート配線層34の表面
に陽極酸化膜37を形成する。
を加えてpHを6.80〜7.20に調整した化成液に
Xeガスを溶解させて、化成液の導電率を0.1〜2.
0S/m(ジーメンス/メートル)、好適には、0.6
0S/mに調整したのち、Alゲート電極32、Al補
助容量電極33、及び、Alゲート配線層34を形成し
たガラス基板31を化成液中に浸漬し、直流電源により
電圧を印加することによってAlゲート電極32、Al
補助容量電極33、及び、Alゲート配線層34の表面
に陽極酸化膜37を形成する。
【0043】この場合、化成液にXeガスを溶解させる
ことによって、水分子のクラスター形成能を高め、イオ
ンを水クラスター分子内に閉じ込めることによって化成
液の導電率を0.6S/m程度に低下させるものであ
る。
ことによって、水分子のクラスター形成能を高め、イオ
ンを水クラスター分子内に閉じ込めることによって化成
液の導電率を0.6S/m程度に低下させるものであ
る。
【0044】また、陽極酸化工程においては、直流電源
より所定の電圧、例えば、140Vの電圧を印加し、電
流値が所定の値まで下がった時点を化成終了とするもの
であり、Alゲート配線層34の端部はTiパッド電極
35及びフォトレジストマスク36に覆われているので
酸化されることがなく、且つ、陽極酸化用端子は化成液
に漬かっていないので酸化されることはなく、さらに、
化成液の液面に位置する周辺接続部はTi膜を介してフ
ォトレジストマスクで被覆されているので、酸化される
ことはない。
より所定の電圧、例えば、140Vの電圧を印加し、電
流値が所定の値まで下がった時点を化成終了とするもの
であり、Alゲート配線層34の端部はTiパッド電極
35及びフォトレジストマスク36に覆われているので
酸化されることがなく、且つ、陽極酸化用端子は化成液
に漬かっていないので酸化されることはなく、さらに、
化成液の液面に位置する周辺接続部はTi膜を介してフ
ォトレジストマスクで被覆されているので、酸化される
ことはない。
【0045】次いで、水面の落下速度を速くすることで
薬液除去するクイックダンプリンス(QDR)によって
ガラス基板31を洗浄して化成液を除去したのち、レジ
スト剥離液、例えば、シプレイ社製1165を用いてフ
ォトレジストマスク36を剥離し、次いで、再びクイッ
クダンプリンス(QDR)によってガラス基板31を洗
浄してエッチング液を除去したのち、ガラス基板31を
1mm/秒程度の引き上げ速度でゆっくり引き上げて乾
燥させる常温水引き上げ乾燥を行う。なお、この場合、
40℃〜80℃の温水を使用する方法もあるが、陽極酸
化膜が水和劣化しやすいため、常温が好ましいものであ
る。
薬液除去するクイックダンプリンス(QDR)によって
ガラス基板31を洗浄して化成液を除去したのち、レジ
スト剥離液、例えば、シプレイ社製1165を用いてフ
ォトレジストマスク36を剥離し、次いで、再びクイッ
クダンプリンス(QDR)によってガラス基板31を洗
浄してエッチング液を除去したのち、ガラス基板31を
1mm/秒程度の引き上げ速度でゆっくり引き上げて乾
燥させる常温水引き上げ乾燥を行う。なお、この場合、
40℃〜80℃の温水を使用する方法もあるが、陽極酸
化膜が水和劣化しやすいため、常温が好ましいものであ
る。
【0046】なお、レジスト剥離液のシプレイ社製リム
ーバーR1165(商品名)は、NMP(N−メチル−
2−ピロリドン)とトリエタノールアミンを主成分とし
た薬液であり、Alを腐食しにくいので、レジスト剥離
工程において、露出しているAl配線層が腐食されるこ
とがない。
ーバーR1165(商品名)は、NMP(N−メチル−
2−ピロリドン)とトリエタノールアミンを主成分とし
た薬液であり、Alを腐食しにくいので、レジスト剥離
工程において、露出しているAl配線層が腐食されるこ
とがない。
【0047】図4(d)参照 次いで、全面にゲート窒化膜38となる厚さ500〜5
000Å、好適には4000ÅのSi3 N4 膜、厚さ1
00〜3000Å、好適には150Åのα−Si膜(ア
モルファスシリコン膜)39、チャネル保護層40とな
る厚さ1200ÅのSi3 N4 膜をPCVD法(プラズ
マCVD法)によって堆積させる。
000Å、好適には4000ÅのSi3 N4 膜、厚さ1
00〜3000Å、好適には150Åのα−Si膜(ア
モルファスシリコン膜)39、チャネル保護層40とな
る厚さ1200ÅのSi3 N4 膜をPCVD法(プラズ
マCVD法)によって堆積させる。
【0048】次いで、フォトレジスト(図示せず)を塗
布して、Alゲート電極32をマスクとしたSA(セル
フアライン)露光及びステッパ露光を用いてパターニン
グすることによって、Alゲート電極32と整合するチ
ャネル保護層40を形成する。
布して、Alゲート電極32をマスクとしたSA(セル
フアライン)露光及びステッパ露光を用いてパターニン
グすることによって、Alゲート電極32と整合するチ
ャネル保護層40を形成する。
【0049】図5参照 次いで、チャネル保護層40上のフォトレジスト(図示
せず)を剥離したのち、PCVD法によってコンタクト
層となる厚さ300Åのn+ 型α−Si膜41を堆積さ
せ、次いで、スパッタリング法によってソース・ドレイ
ン電極となる厚さ800ÅのTi膜、厚さ1000Åの
Al膜、及び、厚さ800ÅのTi膜を順次堆積させ
て、Ti/Al/Ti電極42を形成する。
せず)を剥離したのち、PCVD法によってコンタクト
層となる厚さ300Åのn+ 型α−Si膜41を堆積さ
せ、次いで、スパッタリング法によってソース・ドレイ
ン電極となる厚さ800ÅのTi膜、厚さ1000Åの
Al膜、及び、厚さ800ÅのTi膜を順次堆積させ
て、Ti/Al/Ti電極42を形成する。
【0050】次いで、Cl2 +BCl3 を反応ガスとし
たRIE(反応性イオンエッチング)によってTi/A
l/Ti電極42乃至α−Si膜39を一括してパター
ニングしてソース領域43、ドレイン領域44、及び、
チャネル領域からなるTFT領域を形成したのち、O2
ガスとH2 Oガスを用いてコロージョン(corros
ion)対策をおこなう。このO2 ガス+H2 Oガスに
よって、残留反応ガス中のCl- を除去し、残留反応ガ
スの起因するHClによる腐食を防止することができ
る。
たRIE(反応性イオンエッチング)によってTi/A
l/Ti電極42乃至α−Si膜39を一括してパター
ニングしてソース領域43、ドレイン領域44、及び、
チャネル領域からなるTFT領域を形成したのち、O2
ガスとH2 Oガスを用いてコロージョン(corros
ion)対策をおこなう。このO2 ガス+H2 Oガスに
よって、残留反応ガス中のCl- を除去し、残留反応ガ
スの起因するHClによる腐食を防止することができ
る。
【0051】図6参照 次いで、PCVD法によって、パッシベーション膜とな
る厚さ3300ÅのSi3 N4 膜を堆積させて保護窒化
膜45とし、Tiパッド電極35に対するコンタクトホ
ール46に対応するパターンをプロキシミティ露光によ
って露光し、また、ソース領域43に対するコンタクト
ホール47に対応するパターンをステッパ露光で露光し
たフォトレジストマスク(図示せず)をマスクとして、
SF6 或いはCF4 を反応ガスとしたRIEによって保
護窒化膜45を貫通するコンタクトホール47、及び、
保護窒化膜45とゲート窒化膜38を貫通するコンタク
トホール46を形成する。
る厚さ3300ÅのSi3 N4 膜を堆積させて保護窒化
膜45とし、Tiパッド電極35に対するコンタクトホ
ール46に対応するパターンをプロキシミティ露光によ
って露光し、また、ソース領域43に対するコンタクト
ホール47に対応するパターンをステッパ露光で露光し
たフォトレジストマスク(図示せず)をマスクとして、
SF6 或いはCF4 を反応ガスとしたRIEによって保
護窒化膜45を貫通するコンタクトホール47、及び、
保護窒化膜45とゲート窒化膜38を貫通するコンタク
トホール46を形成する。
【0052】次いで、全面にITO膜を堆積させ、ステ
ッパ露光により露光して現像したフォトレジストマスク
(図示せず)をマスクとし、シュウ酸水溶液をエッチン
グ液としてITO膜をパターニングして、TAB端子圧
着部においてTiパッド電極35と接続するITO電極
48、及び、TFT領域においてソース領域43のTi
/Al/Ti電極42に接続する画素電極49を形成し
て、薄膜トランジスタマトリクスが完成する。
ッパ露光により露光して現像したフォトレジストマスク
(図示せず)をマスクとし、シュウ酸水溶液をエッチン
グ液としてITO膜をパターニングして、TAB端子圧
着部においてTiパッド電極35と接続するITO電極
48、及び、TFT領域においてソース領域43のTi
/Al/Ti電極42に接続する画素電極49を形成し
て、薄膜トランジスタマトリクスが完成する。
【0053】この様に、本発明においては、Xeガスを
用いて化成液の導電率を調整するので、エチレングリコ
ールを用いた場合と同様に安定して絶縁性の高い良質の
陽極酸化膜を形成することができ、また、化成液の寿命
を長くすることができる。
用いて化成液の導電率を調整するので、エチレングリコ
ールを用いた場合と同様に安定して絶縁性の高い良質の
陽極酸化膜を形成することができ、また、化成液の寿命
を長くすることができる。
【0054】また、引火性のあるエチレングリコール
や、毒性の強いクロム酸を用いていないので、極めて安
全に陽極酸化膜を形成することができ、設備コストを低
減し、且つ、作業環境を良好なものとすることができ
る。
や、毒性の強いクロム酸を用いていないので、極めて安
全に陽極酸化膜を形成することができ、設備コストを低
減し、且つ、作業環境を良好なものとすることができ
る。
【0055】また、TAB端子圧着部周辺での陽極酸化
を制御性良く行なうことができるので、Al/Ti界面
を清浄に保ったままでAl/Ti/ITO構造を形成す
ることができ、したがって、TAB端子圧着部における
コンタクト抵抗を低減することができる。
を制御性良く行なうことができるので、Al/Ti界面
を清浄に保ったままでAl/Ti/ITO構造を形成す
ることができ、したがって、TAB端子圧着部における
コンタクト抵抗を低減することができる。
【0056】また、陽極酸化用電極を、マザーガラス切
断時に切り取られる周辺接続配線層の一部を利用してい
るので、製造コストを大幅にあげることなくプロセスマ
ージンの広い薄膜装置の製造方法を提供することができ
る。
断時に切り取られる周辺接続配線層の一部を利用してい
るので、製造コストを大幅にあげることなくプロセスマ
ージンの広い薄膜装置の製造方法を提供することができ
る。
【0057】なお、上記の本発明の実施の形態の説明に
おいては、Ti膜のエッチング工程において、フッ硝酸
水溶液を用いているが、フッ酸+クエン酸アンモン、或
いは、フッ酸+硝酸+酢酸等のフッ酸を含む他の溶液を
用いても良い。
おいては、Ti膜のエッチング工程において、フッ硝酸
水溶液を用いているが、フッ酸+クエン酸アンモン、或
いは、フッ酸+硝酸+酢酸等のフッ酸を含む他の溶液を
用いても良い。
【0058】また、上記の実施の形態においては、Ti
膜のエッチング工程において、フッ硝酸水溶液を用いた
ウェット・エッチングを行っているが、SF6 或いはC
F4を反応ガスとしたRIEによるドライ・エッチング
を用いても良い。
膜のエッチング工程において、フッ硝酸水溶液を用いた
ウェット・エッチングを行っているが、SF6 或いはC
F4を反応ガスとしたRIEによるドライ・エッチング
を用いても良い。
【0059】また、上記の実施の形態においては、ゲー
ト電極等を形成するためにAlを用いているが、Alに
限られるものではなく、Al−Ti、Al−Ta、Al
−Sc、或いは、Al−Ti−B等のAlを主成分とす
る合金を用いても良いものである。
ト電極等を形成するためにAlを用いているが、Alに
限られるものではなく、Al−Ti、Al−Ta、Al
−Sc、或いは、Al−Ti−B等のAlを主成分とす
る合金を用いても良いものである。
【0060】また、上記の実施の形態においては、パッ
ド電極としてTiを用いているが、Tiに限られるもの
ではなく、Ti−Ta、Ti−W等のTiを主成分とす
る合金を用いても良く、さらに、Ta、或いは、Ta−
Mo、Ta−Ti等のTaを主成分とする合金を用いて
も良いのであり、Tiと同様の効果が得られる。
ド電極としてTiを用いているが、Tiに限られるもの
ではなく、Ti−Ta、Ti−W等のTiを主成分とす
る合金を用いても良く、さらに、Ta、或いは、Ta−
Mo、Ta−Ti等のTaを主成分とする合金を用いて
も良いのであり、Tiと同様の効果が得られる。
【0061】さらに、上記の実施の形態においては、絶
縁性透明基板としてガラス基板を用いているが、このガ
ラス基板はできるだけ熱膨張係数の小さな石英ガラス基
板等が望ましい。
縁性透明基板としてガラス基板を用いているが、このガ
ラス基板はできるだけ熱膨張係数の小さな石英ガラス基
板等が望ましい。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、Xe等の希ガスを用い
て化成液の導電率を調整するので、陽極酸化工程等が安
全なものとなり、特別の防爆設備や薬液保管設備を必要
とすることがなく、また、高品質の陽極酸化膜を得るこ
とができるので、層間短絡がなく製造歩留りが向上する
ことができ、さらに、TAB端子圧着部をAl/Ti/
ITO構造或いはAl/Ta/ITO構造としたのでコ
ンタクト抵抗が低減し、TAB実装のみではなく、ドラ
イバICを基板に直接マウンとするCOG(Chip
on Glass)実装においてもコンタクト抵抗の低
減が可能になるので、薄膜装置の性能が向上する。
て化成液の導電率を調整するので、陽極酸化工程等が安
全なものとなり、特別の防爆設備や薬液保管設備を必要
とすることがなく、また、高品質の陽極酸化膜を得るこ
とができるので、層間短絡がなく製造歩留りが向上する
ことができ、さらに、TAB端子圧着部をAl/Ti/
ITO構造或いはAl/Ta/ITO構造としたのでコ
ンタクト抵抗が低減し、TAB実装のみではなく、ドラ
イバICを基板に直接マウンとするCOG(Chip
on Glass)実装においてもコンタクト抵抗の低
減が可能になるので、薄膜装置の性能が向上する。
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施に用いる陽極酸化装置の概略的構
成の説明図である。
成の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の途中までの製造工程の説
明図である。
明図である。
【図4】本発明の実施の形態の図3以降の製造工程の説
明図である。
明図である。
【図5】本発明の実施の形態の図4以降の製造工程の説
明図である。
明図である。
【図6】本発明の実施の形態の図5以降の製造工程の説
明図である。
明図である。
【図7】従来の陽極酸化方法の説明図である。
1 化成液 2 化成槽 3 絶縁基板 4 配線層 5 カソード 6 直流電源 7 希ガス 8 エアバルブ 9 導電率調整槽 10 ポンプ 11 化成液 12 化成槽 13 オーバーフロー槽 14 Al配線層 15 ガラス基板 16 直流電源 17 カソード 18 排ガス 19 局所排気口 20 導電率調整槽 21 レギュレータ 22 エアバルブ 23 エアバルブ 24 Xeガス 25 導電率計 26 圧力計 27 ポンプ 28 フィルタ 31 ガラス基板 32 Alゲート電極 33 Al補助容量電極 34 Alゲート配線層 35 Tiパッド電極 36 フォトレジストマスク 37 陽極酸化膜 38 ゲート窒化膜 39 α−Si膜 40 チャネル保護層 41 n+ 型α−Si膜 42 Ti/Al/Ti電極 43 ソース領域 44 ドレイン領域 45 保護窒化膜 46 コンタクトホール 47 コンタクトホール 48 ITO電極 49 画素電極 51 ガラス基板 52 Al配線層 53 フォトレジストマスク 54 液面 55 段差 56 サイドエッチング部 57 直流電源 58 陽極酸化膜
Claims (6)
- 【請求項1】 絶縁基板上に配置された複数の配線層、
及び、前記配線層の陽極酸化膜を含む薄膜容量を有する
薄膜装置の製造方法において、前記配線層を陽極酸化す
る際に、化成液に正の水和をする希ガスを溶解させて陽
極酸化を行うことを特徴とする薄膜装置の製造方法。 - 【請求項2】 上記化成液に溶解させる希ガスとして、
Xeを用いることを特徴とする請求項1記載の薄膜装置
の製造方法。 - 【請求項3】 上記配線層がゲート配線層、ゲート電
極、及び、補助容量電極を構成する第1の導電層と、前
記ゲート配線層及び前記補助容量電極とに接続するゲー
ト端子及び周辺接続配線層を構成する第2の導電層とか
らなり、上記陽極酸化工程において、前記ゲート端子及
び周辺接続配線層の上に前記ゲート端子及び周辺接続配
線層のパターニング工程において用いたフォトレジスト
を残存させた状態で前記第1の導電層を陽極酸化するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜装置の製
造方法。 - 【請求項4】 上記第1の導電膜が、AlまたはAlを
主成分とする合金からなり、また、上記第2の導電膜
が、TiまたはTiを主成分とする合金からなり、前記
第2の導電膜をパターニングする際に、フッ酸を含むエ
ッチング液を用い、前記第1の導電膜に対して前記第2
の導電膜を選択的にエッチングすることを特徴とする請
求項3記載の薄膜装置の製造方法。 - 【請求項5】 上記エッチング液に、正の水和をする希
ガスを溶解させることを特徴とする請求項4記載の薄膜
装置の製造方法。 - 【請求項6】 上記エッチング液に溶解させる希ガス
が、Xeであることを特徴とする請求項5記載の薄膜装
置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28472195A JPH09129883A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | 薄膜装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28472195A JPH09129883A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | 薄膜装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09129883A true JPH09129883A (ja) | 1997-05-16 |
Family
ID=17682129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28472195A Withdrawn JPH09129883A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | 薄膜装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09129883A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6732749B2 (en) * | 2000-12-22 | 2004-05-11 | Akrion, Llc | Particle barrier drain |
CN111354623A (zh) * | 2018-12-24 | 2020-06-30 | 天津环鑫科技发展有限公司 | 一种冷水慢提拉清洗硅片工艺 |
-
1995
- 1995-11-01 JP JP28472195A patent/JPH09129883A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6732749B2 (en) * | 2000-12-22 | 2004-05-11 | Akrion, Llc | Particle barrier drain |
CN111354623A (zh) * | 2018-12-24 | 2020-06-30 | 天津环鑫科技发展有限公司 | 一种冷水慢提拉清洗硅片工艺 |
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