JPH09127509A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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JPH09127509A
JPH09127509A JP7285724A JP28572495A JPH09127509A JP H09127509 A JPH09127509 A JP H09127509A JP 7285724 A JP7285724 A JP 7285724A JP 28572495 A JP28572495 A JP 28572495A JP H09127509 A JPH09127509 A JP H09127509A
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alignment film
liquid crystal
crystal display
transparent substrate
thickness
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Application number
JP7285724A
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English (en)
Inventor
Makoto Hasegawa
誠 長谷川
Hitoshi Tomii
井 等 富
Takeshi Yamamoto
本 武 志 山
Muneharu Akiyoshi
吉 宗 治 秋
Akiko Ueno
埜 亜希子 上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示性能の低下を可及的に防止する。 【解決手段】 本発明による液晶表示素の製造方法は、
電極が形成された透明基板上の、厚い膜厚が必要な領域
には、濃度の濃い配向膜溶液をインクジェットノズルを
用いて所定量噴射塗布し、薄い膜厚が必要な領域には、
濃度の薄い配向膜溶液を前記インクジェットノズルを用
いて所定量噴射塗布する工程と、焼成することによって
配向膜を形成する工程と、を備えていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型軽量、低消費電力という大き
な利点をもつ液晶表示素子は、日本語ワードプロセッサ
やデクストップパーソナルコンピュータ等のパーソナル
OA機器の表示装置として積極的に用いられている。液
晶表示素子(以下LCDともいう)のほとんどは、捩れ
ネマティック液晶を用いており、表示方式としては、こ
の中でも旋光モードと複屈折モードとの2つの方式に大
別できる。
【0003】旋光モードのLCDは、例えば90度捩れ
た分子配列をもつツイステッドネマティック(TN)形
液晶であり、原理的に白黒表示で、高いコントラスト比
と良好な階調表示性を示す。また応答速度が速い(数十
ミリ秒)ことから、時計や電卓、単純マトリクス駆動
や、スイッチング素子を各画素毎に具備したアクティブ
マトリクス駆動で、また、カラーフィルタと組み合わせ
たフルカラーの表示の液晶テレビなど(TFT(Thin F
ilm Transistor)−LCDやMIM(Metal Insulator
Metal)−LCD)に応用されている。
【0004】一方、複屈折モードの表示方式のLCD
は、一般に90度以上捩れた分子配列をもつスーパーツ
イスト(ST)形液晶で、急唆な電気光学特性をもつた
め、各画素ごとにスイッチング素子(薄膜トランジスタ
やダイオード)がなくても単純なマトリクス状の電極構
造でも時分割駆動により容易に大容量表示が得られる。
これらの液晶表示素子の表示を均一に行うためには基板
表面全面に液晶分子を均一に配向させることが必要であ
る。
【0005】液晶表示素子は、2枚の基板の電極の間に
液晶組成物を挟持し、2枚の基板の電極から液晶組成物
に電圧を印加し表示を行うものであり、電圧を印加した
時に均一な表示を行うためには、液晶分子にプレチルト
角(液晶分子の分子軸と配向膜表面とのなす角)を予め
与えることが必要である。このように、配向膜はプレチ
ルト角を与えることも重要な役割として担っている。
【0006】従来、これらの液晶表示素子の配向膜の形
成は、電極等が形成された基板上に例えばポリイミド等
の有機高分子化合物からなる薄膜をオフセット印刷によ
り形成した後、布などで軽く摩擦すること(ラビング処
理)によって行うのが一般的である。
【0007】オフセット印刷によって配向膜を形成する
方法は、図16に示すように、まずアニロックスローラ
52上にノズル50を介して配向膜材料、例えばポリイ
ミドを滴下し、ドクターローラ51をアニロックスロー
ラ52に押付けることによって上記滴下されたポリイミ
ドの厚さが均一となるように伸ばす。そしてこの均一と
なるように伸ばされたポリイミド膜を、版胴53上に設
けられた印刷版54上に転写し、印刷版54上に転写さ
れたポリイミド膜を基板60の表面に更に転写し、配向
膜62を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】オフセット印刷によっ
て配向膜を形成する方法は、印刷版54上に平坦化され
た配向膜材料の膜を基板表面に転写することにより配向
膜を形成するため、膜厚の均一性は良い。しかし、この
方法は印刷領域の所望の場所に所望の膜厚の配向膜を形
成することができず、このため着色層の厚みの不均一や
電極・配線等の段差がある場合にはセルギャップ不良が
発生するおそれがあり、良好な表示性能を得ることがで
きない場合があった。
【0009】また、上記方法は、ドクターローラ51と
アニロックスローラ52に配向膜材料を塗布する必要が
あるため、配向膜材料の使用効率が低いという問題があ
った。
【0010】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、表示性能の低下を可及的に防止できる液晶表
示素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶表示素
子の製造方法の第1の態様は、電極が形成された透明基
板上の、厚い膜厚が必要な領域には、濃度の濃い配向膜
溶液をインクジェットノズルを用いて所定量噴射塗布
し、薄い膜厚が必要な領域には、濃度の薄い配向膜溶液
を前記インクジェットノズルを用いて所定量噴射塗布す
る工程と、焼成することによって配向膜を形成する工程
と、を備えていることを特徴とする。
【0012】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第2の態様は、電極が形成された透明基板上の、厚い
膜厚が必要な領域には、インクジェットノズルを用いて
配向膜溶液を第1の所定量噴射塗布し、薄い膜厚が必要
な領域には、インクジェットノズルを用いて前記配向膜
溶液を前記第1の所定量より少ない第2の所定量噴射塗
布する工程と、焼成することによって配向膜を形成する
工程と、を備えていることを特徴とする。
【0013】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第3の態様は、電極が形成された透明基板上の薄い膜
厚が必要な領域にはインクジェットノズルを用いて配向
膜溶液を所定量噴射塗布し、厚い膜厚が必要な領域には
インクジェットノズルを用いて前記配向膜溶液を重ね塗
布する工程と、焼成することにより配向膜を形成する工
程と、を備えていることを特徴とする。
【0014】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第4の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様の製造
方法において、前記透明基板上の赤い着色層上の前記電
極表面、青の着色層上の前記電極表面、及び緑の着色層
上の電極表面に形成される配向膜の膜厚が異なるように
することを特徴とする。
【0015】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第5の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様の製造
方法において、前記透明基板の配線部上には薄い配向膜
を形成し、前記透明基板の非配線部上には厚い配向膜を
形成することを特徴とする。
【0016】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第6の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様の製造
方法において、前記透明基板の表示画素部上には薄い配
向膜を形成し、前記透明基板の非画素部上には厚い配向
膜を形成することを特徴とする。
【0017】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第7の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様の製造
方法において、前記透明基板の表示画素部内の少なくと
も2つの領域で膜厚が異なるように配向膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0018】また、本発明による液晶表示素の製造方法
の第8の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様の製造
方法において、前記透明基板上に配設されるスペーサ部
上に形成される配向膜の膜厚を、前記透明基板の表示画
素部上に形成される配向膜の膜厚より大となるようにす
ることを特徴する。
【0019】また、本発明による液晶表示素は、透明基
板上に形成された表示画素部内の少なくとも2つの領域
で配向膜の膜厚が異なっているように構成したことを特
徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明による液晶表示素子の製造
方法の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明
する。この実施の形態の製造方法は、着色層の厚みの不
均一や電極・配線等による段差がある場合に透明基板
(一般にはガラス基板)からの高さがほぼ同一となるよ
うにインクジェットノズルを用いて配向膜を形成するも
のであり、その製造工程を図1に示す。
【0021】まず、図1(a)に示すようにガラス基板
3上に、黒色樹脂からなる格子状の遮光層4を形成した
後、裏面露光法により赤(R)、青(B)、緑(G)の
3色の着色層51 ,52 ,53 を形成する。このとき得
られた各着色層の厚みは赤の着色層51 が1.48μ
m、青の着色層52 の厚みが1.50μm、緑の着色層
3 が1.52μmであった。続いて、遮光層4や着色
層を含む表示領域全面に0.1μmの厚さのITO(In
dium Tin Oxide)からなる透明電極6を形成する(図1
(a)参照)。
【0022】次に図2に示すインクジェットノズル40
を用いて図1(b)に示すように赤の着色層51 、青の
着色層52 、緑の着色層53 上の各々の透明電極6表面
に所定量の配向膜溶液7a,7b,7cを噴射、塗布
し、配向膜溶液の膜7a,7b,7cを形成する(図1
(c)参照)。ここで赤の着色層51 、青の着色層
2、緑の着色層53 上の透明電極6の表面に噴射塗布
される配向膜溶液7a,7b,7cの濃度は各々、2.
34重量%、1.82重量%、1.30重量%である。
そして噴射塗布の位置決めは、図2に示すようにカラー
フィルタ(着色層)及び透明電極が形成されたカラーフ
ィルタ基板2上に設けられたアライメントマーク48
を、インクジェットノズル40の横に設けられたアライ
メントマーク読取りカメラ45によって読取り、この読
取った映像信号を画像処理し、この画像処理結果及びイ
ンクジェットノズルの現在位置と、基板2パターン情報
とに基づいて行う。
【0023】次に配向膜溶液の膜が塗布されたガラス基
板3を100℃で15秒間乾燥させた後、180℃で3
0分間加熱(焼成)することにより上記膜中の溶媒を除
去し、配向膜9を完成する(図1(d)参照)。このと
き赤の着色層51 、青の着色層52 、緑の着色層53
の透明電極6の表面に形成された配向膜9の厚みは0.
09μm、0.07μm、0.05μmとなり、ガラス
基板3から配向膜9の表面までの高さはいずれも1.6
7μmとなる。これにより配向膜9の平坦性は非常に良
好なものとなる。
【0024】なお、所定量の配向膜溶液を噴射塗布した
後、乾燥加熱することにより得られる配向膜の膜厚は図
3に示すように配向膜溶液の濃度によって異なる。この
ため、配向膜溶液の濃度と形成される配向膜の膜厚との
関係を予め実験等により求めておき、この求めたデータ
に基づいて所望の膜厚の配向膜を得るようにする。
【0025】以上説明したように、本実施の形態の製造
方法によれば、所望の位置に所望の膜厚の配向膜を形成
することが可能となり、表示性能の低下を可及的に防止
することができる。
【0026】また、配向膜溶液の塗布にインクジェット
ノズルを用いたことにより配向膜材料の使用効率を可及
的に高くすることができる。
【0027】次に上記第1の実施の形態の製造方法によ
って製造された液晶表示素子の構成断面図を図4に示
す。この液晶表示素子はカラーフィルタ基板2と、アレ
イ基板12とを有し、次のように製造される。
【0028】まず、カラーフィルタ基板2は、ガラス基
板3上に黒色樹脂からなる格子状の遮光層4を1.5μ
mの厚さで形成した後、裏面露光法を用いて赤、青、緑
の着色層51 ,52 ,53 を形成する。このとき得られ
た各着色層51 ,52 ,53の厚みは、赤の着色層51
が1.48μm、青の着色層52 が1.50μm、緑の
着色層53 が1.52μmである。
【0029】続いて遮光層4や着色層51 ,52 ,53
を含む表示領域全面にITOからなる厚さが0.1μm
の透明電極6を形成する。
【0030】次に上記第1の実施の形態で説明した製法
により、焼成後の膜厚が、赤、青、緑の各着色層51
2 ,53 上の電極6の表面上で各々0.09μm、
0.07μm、0.05μmでかつ、遮光層4上の電極
6の表面で0.07μmとなるように配向膜溶液をイン
クジェットノズルを用いて噴射塗布し、配向膜溶液の膜
を形成する。使用した配向膜材料はAL−151(商品
名)であり、赤、青、緑の各着色層51 ,52 ,53
及び遮光層4上の透明電極6の表面に噴射塗布した配向
膜溶液の濃度は各々、2.34重量%、1.82重量
%、1.30重量%、及び1.82重量%である。
【0031】続いて上記配向膜溶液の膜を100℃で1
5秒間乾燥させた後、180℃で30分間加熱し、配向
膜溶液中の溶媒(例えばγブチルラクトン)を除去する
ことにより配向膜9を形成し、カラーフィルタ基板2を
完成する。これにより、カラーフィルタ基板2における
ガラス基板3から配向膜9の表面までの厚みはいずれも
1.67μmとなり、配向膜6の表面の平坦性は非常に
良好なものとなる。
【0032】一方、アレイ基板12は、まずガラス基板
13上に、ITOからなる表示電極15と、この表示電
極15を駆動するための素子及び配線14等とを形成し
た後、焼成後の膜厚が0.07μmとなるようにインク
ジェットノズルを用いて1.82重量%の配向膜溶液を
噴射塗布し、配向膜溶液の膜を形成する。続いて焼成を
行って、溶媒を除去し、配向膜16を形成することによ
りアレイ基板12を完成する。
【0033】続いてカラーフィルタ基板2上の配向膜9
とアレイ基板12上の配向膜16にラビング処理を行っ
た後、液晶分子が90度捩れるように上記配向膜同士を
内側にしてスペーサ21を介して基板2及び基板12を
対向配置する。そしてシール剤22により基板の周囲を
シールし、液晶組成物23を封入し、液晶表示素子を完
成する。なお、液晶組成物としてはZLI−1132
(商品名)を用いた。
【0034】このようにして形成された液晶表示素子に
ついてセルギャップを調べたところ、セルギャップは着
色層51 ,52 ,53 の厚みの不均一に起因する影響を
受けておらず、非常に均一なセルギャップであることが
確認された。また、液晶の配向を調べたところ、90度
捩れた均一な配向が実現されていることが確認された。
更に、この液晶表示素子を駆動してその表示性能を検証
したところ、液晶配向膜の膜厚の不均一に起因する表示
不良のない良好な表示が得られた。なお、プレチルト角
を測定したところ、配向膜全面に亘り約1度で均一であ
るとともに、液晶配向膜材料の使用効率は80%以上で
あった。
【0035】次に本発明による液晶表示素子の製造方法
の第2の実施の形態を図5及び図6を参照して説明す
る。この実施の形態の製造方法は図1に示す第1の実施
の形態の製造方法において、インクジェットノズルを用
いて塗布される配向膜溶液は同一の濃度のものを用い、
インクジェットノズルからの噴射量を変えて行うもので
ある。すなわち、図5(a)に示すように、ガラス基板
3上に遮光層4、着色層51 ,52 ,53 、及び透明電
極6を第1の実施の形態の製造方法の場合と同様に形成
する。続いてインクジェットノズル40を用いて、赤
(R)の着色層51上の電極6の表面には液滴径の大き
な配向膜溶液8aを噴射塗布し、青(B)の着色層52
上の電極6の表面には赤の着色層51 の場合よりも小さ
な液滴径の配向膜溶液8bを噴射塗布し、緑(G)の着
色層53 上の電極6の表面には青の着色層52 の場合よ
りも小さな液滴径の配向膜溶液8cを噴射塗布する。こ
うすることにより、各着色層51 ,52 ,53 上に塗布
された配向膜溶液の量は異なることになる(図5(c)
参照)。
【0036】このように噴射量が異なるようにするイン
クジェットノズル40の一具体例を図6を参照して説明
する。このインクジェットノズル40は図6(a)に示
す小部屋型のノズルが複数個一列に配列された構造を有
しており、その外観は図2に示すようになっている。図
6(a)に示すノズルはシリンダ40aと、ピストンと
を有し、このピストンはピストンヘッド40b、圧縮棒
40c、及びピストンヘッド40bに取付けられた図示
しないバネからなっている。今、図6(a)に示すノズ
ルに噴射指令信号が与えられると、電磁力等によって圧
縮棒40cに下向きの力が印加され、上記バネの力に抗
して圧縮棒40cが下向きに押される。するとこの圧縮
棒に連結されたピストンヘッド40bも下向きに押さ
れ、容器40a内の配向膜溶液8はシリンダ40aの底
に開けられた穴から噴射される。なお配向膜溶液はシリ
ンダ40aの側面に開けられた穴(図示せず)から制御
弁(図示せず)を介してシリンダ40aに流入する。
【0037】そして上述の噴射指令信号がオフすると、
ピストンヘッド40bに取付けられた上記バネの力によ
りピストンヘッド及び圧縮棒40cが上向きに押され、
元の位置に戻る構造となっている。
【0038】図6(a)に示す構造のノズルにおいて、
圧縮棒40cに印加する電磁力を加減することにより図
6(b)に示すように圧縮棒40cのストロークを調節
することが可能となり、これにより噴射量を制御するこ
とができる。なお、噴射位置の位置決めは第1の実施の
形態の製造方法と同様にして行う。
【0039】図5(c)に示すように噴射塗布量が異な
るように形成された配向膜溶液の膜8を焼成することに
より配向膜9が形成される。そしてガラス基板3から配
向膜9の表面までの高さはいたるところほぼ同一とな
り、配向膜9の表面の平坦性は良好なものとなる。
【0040】以上説明したように本実施の形態の製造方
法は所望の場所に所望の膜厚の配向膜を形成することが
可能となり、表示性能の低下を可及的に防止することが
できる。
【0041】なお、上記第2の実施の形態の製造方法に
おいては、同一濃度の配向膜溶液の噴射量を調節するこ
とによって配向膜の膜厚を制御したが、同一濃度の同一
噴射量の配向膜溶液を重ね塗布することによって配向膜
の膜厚を制御しても良い。
【0042】次に本発明による液晶表示素子の製造方法
の第3の実施の形態を図7を参照して説明する。図7は
第3の実施の形態の製造方法によって製造された液晶表
示素子の断面図である。この液晶表示素子はカラーフィ
ルタを有しない単純マトリクス型の液晶表示素子であっ
て、次のように形成される。
【0043】まずフォトリソグラフィ技術を用い透明基
板3上に短冊状のITOからなる厚さが0.1μmの走
査電極6を形成する。続いて第1の実施の形態で述べた
製法を用いて表示領域全面に、焼成後の配向膜7の膜厚
が0.07μmとなるように配向膜溶液、例えば配向膜
材料がSE−150(商品名)の2.50重量%溶液を
塗布し、電極6と電極6との間の非画素部には濃度が
2.17重量%の配向膜溶液の塗布を2回行って焼成後
の配向膜7の膜厚が0.17μmとなるようにする。
【0044】また同様にガラス基板13上に短冊状のI
TOからなる厚さが0.1μmの信号電極15を形成す
る。続いて表示領域全面に、焼成後の配向膜16の膜厚
が0.07μmとなるように濃度が2.50重量%の配
向膜溶液を塗布し、電極15と電極16との間の非画素
部には濃度が2.17重量%の配向膜溶液の塗布を2回
行って焼成後の配向膜16の膜厚が0.17μmとなる
ようにする。
【0045】そして配向膜溶液の膜が形成された基板
3,13を焼成し、配向膜溶液の溶媒を除去した後、ラ
ビング処理を行う。続いて液晶分子同士が270度捩れ
かつ走査電極6と信号電極15とが直交するように配向
膜7と配向膜16とを内側にしてスペーサ21を介して
基板3,13を対向配置する。そしてシール剤22によ
り基板3及び基板13の周囲をシールし、液晶組成物2
3を封入して液晶表示素子を完成する。なお使用した液
晶組成物は捩れ成分S−811(商品名)が1重量%添
加されたZLI−2293(商品名)である。
【0046】このようにして製造された液晶表示素子に
ついて、セルギャップを調べたところ、ガラス基板3ま
たはガラス基板13から配向膜7または配向膜16の表
面までの厚みは、いたるところ0.17μmとなるた
め、電極6,15の段差に起因する影響を受けておら
ず、非常に均一なセルギャップであることが確認され
た。また、液晶の配向を調べたところ、270度捩れた
均一な配向が実現されていることが確認された。更に、
この液晶表示素子を駆動してその表示性能を検証したと
ころ良好な表示が得られた。なお、プレチルト角を測定
したところ、配向膜全面に亘り約4度で均一であった。
また、上記製造方法の配向膜材料の使用効率は80%以
上であった。
【0047】次に本発明による液晶表示素子の製造方法
の第4の実施の形態を図8を参照して説明する。図8は
この第4の実施の形態の製造方法によって製造された液
晶表示素子の断面図である。この液晶表示素子はアクテ
ィブマトリクス型の液晶表示素子であってカラーフィル
タ基板2と、アレイ基板12とを有しており、次のよう
に形成される。
【0048】まずカラーフィルタ基板2はガラス基板3
上、厚さが0.20μmのCr(クロム)の薄膜からな
る格子状の遮光層4を形成した後、裏面露光法を用いて
赤、青、緑の着色層51 ,52 ,53 を形成する。この
とき得られた各着色層51 ,52 ,53 の厚みは、赤の
着色層51 が1.48μm、青の着色層52 が1.50
μm、緑の着色層53 が1.52μmであった。
【0049】続いて遮光層4や着色層51 ,52 ,53
を含む表示領域全面にITOからなる厚さが0.1μm
の透明電極6を形成する。次いで第1の実施の形態で述
べた製法を用いて、焼成後の配向膜の膜厚が赤、青、緑
の各着色層51 ,52 ,53上の電極6の表面上で、各
々0.09μm、0.07μm、0.05μmとなるよ
うに配向膜溶液をインクジェットノズルを用いて噴射塗
布し、遮光層4上の電極6の表面上で焼成後の配向膜の
膜厚が1.37μmとなるようにインクジェットノズル
を用いて重ね塗布する。使用した配向膜材料はAL−3
046(商品名)であり、赤、青、緑の各着色層51
2 ,53 上の透明電極6の表面に噴射塗布した配向膜
溶液の濃度は各々、2.34重量%、1.30重量%、
1.82重量%である。また、遮光層4上の透明電極6
の表面に噴射塗布した配向膜溶液の濃度は2.37重量
%であり、重ね塗布回数は15回であった。
【0050】続いて基板3を焼成することにより溶媒を
除去し、配向膜9を形成し、カラーフィルタ基板2を完
成する。これによりカラーフィルタ基板2におけるガラ
ス基板3から配向膜9の表面までの厚みはいずれも1.
67μmとなり、カラーフィルタ基板上の配向膜9の表
面の平坦性は非常に良好となった。
【0051】一方、アレイ基板12は、まずガラス基板
13上にITOからなる表示電極15と、この表示電極
15を駆動するための素子及び配線14等とを形成した
後、焼成後の配向膜16の膜厚が0.07μmとなるよ
うに濃度が1.82重量%の配向膜溶液をインクジェッ
トノズルを用いて噴射塗布し、配向膜溶液の膜を形成す
る。続いて焼成を行って溶媒を除去し、配向膜16を形
成することによりアレイ基板12を完成する。
【0052】次いでカラーフィルタ基板2上の配向膜9
と、アレイ基板12上の配向膜16にラビング処理を行
った後、液晶分子が90度捩れるように上記配向膜同士
を内側にしてスペーサ21を介して基板2及び基板12
を対向配置する。そしてシール剤22により基板の周囲
をシールし、液晶組成物23を封入し、液晶表示素子を
完成する。なお、液晶組成物23としてはZLI−11
32(商品名)を用いた。
【0053】このように形成された液晶表示素子につい
てセルギャップを調べたところ、セルギャップは着色層
の厚みの不均一による影響を受けておらず、非常に均一
なセルギャップであることが確認された。また、液晶の
配向を調べたところ90度捩れた均一な配向が実現され
ていることが確認された。更に液晶表示素子を駆動して
その表示性能を検証したところ、表示不良のない良好な
表示が得られた。なお、プレチルト角を測定したとこ
ろ、配向膜7,16の全面に亘り約1度で均一であっ
た。
【0054】次に本発明による液晶表示素子の製造方法
の第5の実施の形態を図9乃至図12を参照して説明す
る。この実施の形態の製造方法によって製造される液晶
表示素子は、液晶セル内での液晶分子の配列状態がスプ
レイ型デュアルドメイン構造となるものであってカラー
フィルタ基板2とアレイ基板12とを備えており、次の
ように形成される。
【0055】まずカラーフィルタ基板2はガラス基板3
上に黒色樹脂からなる厚さが1.50μmの格子状の遮
光層4を形成した後、裏面露光法を用いて赤、青、緑の
着色層51 ,52 ,53 を形成する。このとき得られた
各着色層の厚みは赤の着色層51 が1.48μm、青の
着色層52 が1.50μm、緑の着色層53 が1.52
μmである。
【0056】続いて遮光層4や着色層51 ,52 ,53
を含む表示領域全面にITOからなる0.1μmの透明
電極6を形成する。次いで、赤、青、緑の着色層51
2,53 及び遮光層4上の透明電極6の表面に、焼成
後の配向膜の膜厚が0.02μmとなるように、配向膜
溶液、例えば配向膜材料がAL−3046(商品名)で
ある濃度が0.52重量%の溶液をインクジェットノズ
ルを用いて噴射塗布する。更に焼成後の膜厚が0.07
μmとなるように、濃度が1.82重量%の配向膜溶液
を、図9(b)に示す表示画素部の半分を覆うようにイ
ンクジェットノズルを用いて選択的に塗布する。
【0057】続いて基板3を焼成することにより、配向
膜9を形成する。このとき上記表示画素部の半分上の配
向膜9bの厚さは0.09μmであり、残りの半分上の
配向膜9aの厚さは0.02μmとなる(図9(c)参
照)。
【0058】一方、アレイ基板12はまずガラス基板1
3上に表示電極15と、駆動素子及び配線14等とを形
成する(図9(a)参照)。なお駆動素子はTFT33
からなっており配線は信号線31、ゲート線32及び補
助容量線36からなっている(図9(b)参照)。そし
て、カラーフィルタ基板の場合と同様にして、焼成後の
膜厚が0.02μmと0.09μmとなるように配向膜
溶液を塗布する。なお、図9(c)に示すようにアレイ
基板12上の配向膜の膜厚が0.02μmである領域1
6aにはカラーフィルタ基板2の配向膜の膜厚が0.0
9μmである領域9bが対応し、アレイ基板12上の配
向膜の膜厚が0.09μmである領域16bにはカラー
フィルタ基板2の配向膜の膜厚が0.02μmである領
域9aが対応するように配向膜溶液の塗布を行う。続い
て基板13を焼成し、配向膜16を形成することにより
アレイ基板12を完成する。
【0059】次にカラーフィルタ基板2上の配向膜9
と、アレイ基板12上の配向膜16にラビング処理を行
った後、液晶分子が90度捩れるように上記配向膜同士
を内側にしてスペーサ21を介して基板2,12を対向
配置する。そしてシール剤22により基板の周囲をシー
ルし、液晶組成物23を封入し、液晶表示素子を完成す
る。なお、液晶組成物としては、ZLI−1132(商
品名)を用いた。
【0060】このようにして形成された液晶表示素子に
ついてセルギャップを調べたところ、セルギャップは着
色層の厚みの不均一に起因する影響を受けておらず、非
常に均一なセルギャップであることが確認された。また
液晶の配向を調べたところ90度捩じれた均一な配向が
実現されていることが確認された。更にこの液晶表示素
子を駆動してその表示性能を調べたところ、良好な表示
が得られることが確認された。
【0061】一般にTN(Twisted Nematic )配列でス
プレイ構成とすると電圧印加時の液晶層中(基板近傍を
除く)の液晶分子の立上がり方向は、大きなプレチルト
角を有する基板表面の液晶分子の立上り方向によって決
定される。例えば、今電圧無印加時において、液晶分子
24の配列が図10(a)に示すようであるとし、かつ
下側の基板のプレチルト角θ1 が上側の基板のプレチル
ト角θ2 よりも大きいとする。このとき、電圧を印加す
ると、図10(b)に示すように液晶層中の液晶分子2
4は下側の基板表面の液晶分子の立上がり方向と同じ方
向となるように立ち上がる。
【0062】第5の本実施の形態の製造方法によって製
造された液晶表示素子の画素領域内のプレチルト角を計
測すると、配向膜の膜厚が0.02μmの領域では約2
度であり、膜厚が0.09μmの領域では約4度であっ
た。そして本実施の形態の製造方法によって製造された
液晶表示素子においては、カラーフィルタ基板2の1画
素内の配向膜9の膜厚の厚い領域にはアレイ基板12の
配向膜16の膜厚の薄い領域が対向し、カラーフィルタ
基板2の1画素内配向膜9の膜厚の薄い領域にはアレイ
基板12の配向膜16の膜厚の厚い領域が対向している
ため、電圧印加時には、図11に示すように1画素内に
液晶分子24の立上がる方向が異なる2つの領域、すな
わちデュアルドメイン領域が形成されることになる。こ
のため、本実施の形態の製造方法によって製造された液
晶表示素子の視野角は、第1の実施の形態の製造方法に
よって製造された図4に示す液晶表示素子に比べて広
い。
【0063】また、膜厚の薄い配向膜9aと厚い配向膜
9bとが同一の材料で形成されているため、焼き付き不
良は観察されなかった。なお、図12(a),(b)に
示すように、配向膜を形成するまでは第5の実施の形態
の製造方法と同様にして形成し、配向膜材料AL−10
51を用いてカラーフィルタ基板およびアレイ基板上の
画素領域上に薄い膜厚の配向膜9および16を各々形成
した後、配向膜材料AL−3046を用いて厚い膜厚の
配向膜10,17を各々形成して液晶表示素子を形成し
た場合も、スプレイン型デュアルドメイン構造となって
視野角が広いことが確認されたが、配向膜が同一種でな
いため、異種配向膜に特有の焼き付き不良が観察され
た。なお、このときプレチルト角を測定したところ薄い
膜厚の配向膜9,16上では約1度、厚い膜厚の配向膜
10,17上では約3.5度であった。
【0064】次に本発明による液晶表示素子の製造方法
の第6の実施の形態を図13および図14を参照して説
明する。この実施の形態の製造方法によって製造される
液晶表示素子は、円柱型のスペーサ21を使用した液晶
表示素子であって、カラーフィルタ基板2とアレイ基板
12とを備えており(図14参照)、次のようにして形
成される。
【0065】まずカラーフィルタ基板2は、図13に示
すようにガラス基板3上に黒色樹脂からなる厚さが1.
50μmの格子状の遮光層4を形成した後、裏面露光法
を用いて赤、青、緑の着色層51 ,52 ,53 を形成す
る。このとき得られた各着色層の厚みは赤の着色層51
が1.48μm、青の着色層52 が1.50μm、緑の
着色層53 が1.52μmである。
【0066】次いで、透明な紫外線硬化型アクリル樹脂
レジストを用いて、黒色の遮光層4上に高さが4μm、
直径が10μmの円柱状のスペーサをフォトリソグラフ
ィー法によって形成する(図13参照)。続いて、遮光
層4や、着色層51 ,52 ,53 を含む表示領域全面に
ITOからなる0.1μmの透明電極6を形成する。
【0067】次に焼成後の配向膜の膜厚が赤、青、緑の
各着色層51 ,52 ,53 上の電極6の表面上で各々、
0.09μm、0.07μm、0.05μmとなるよう
に、配向膜溶液をインクジェットノズルを用いて噴射塗
布し、また、遮光層4(円柱状のスペーサ21上も含
む)の電極6の表面上で焼成後の配向膜の膜厚が0.0
7μmとなるようにインクジェットノズルを用いて噴射
塗布する。なお、使用した配向膜材料はAL−1051
であり、赤、青、緑の各着色層51 ,52 ,53上の透
明電極6の表面に噴射塗布した配向膜溶液の濃度は各
々、2.34重量%、1.30重量%、1.82重量%
である。また、遮光層4上の透明電極6の表面に噴射塗
布した配向膜溶液の濃度は1.82重量%であった。
【0068】続いて円柱状のスペーサ21上には、下地
の配向膜上に焼成後の膜厚が更に0.07μm増すよう
に、インクジェットノズルを用いて1.82重量%の上
記配向膜溶液の重ね塗布を行う。
【0069】その後、基板3を焼成することにより溶媒
を除去し、配向膜9,9aを形成し、カラーフィルタ基
板2を完成する。これによりカラーフィルタ基板2にお
けるガラス基板3から配向膜9(円柱状スペーサ21上
の配向膜9aを除く)の表面までの厚みは1.67μm
となってカラーフィルタ基板2上の配向膜9の表面にお
ける平坦性は非常に良好となった。なお、円柱状スペー
サ21の上面から配向膜9aの表面までの膜厚は0.2
4μmとなる。
【0070】一方、アレイ基板12は図4に示す液晶表
示素子のアレイ基板12と同様にして形成する。
【0071】次いでカラーフィルタ基板2上の配向膜9
と、アレイ基板12上の配向膜16にラビング処理を行
った後、液晶分子が90度捩じれるように上記配向膜同
士を内側にしてスペーサ21を介して基板2及び基板1
2を配向配置する。そしてシール剤22により基板の周
囲をシールし、液晶組成物23封入し、液晶表示素子を
完成する。なお、液晶組成物23としてはZLI−11
32(商品名)を用いた。
【0072】このように形成された液晶表示素子につい
てセルギャップを調べたところ、セルギャップは着色層
の厚みの不均一による影響を受けておらず、非常に均一
なセルギャップであることが確認された。また、液晶の
配向を調べたところ90度捩じれた均一な配向が実現さ
れていることが確認された。更にこの液晶表示素子を駆
動してその表示性能を検証したところ、膜厚の不均一に
起因する表示不良や、スペーサ柱21とアレイ基板12
上の配線との短絡、すなわちコモン電極と信号線とのシ
ョート、コモン電極とゲート線とのショート、コモン電
極と補助容量線とのショート等に起因する表示不良のな
い良好な表示が得られた。なお、上記液晶表示素子のプ
レチルト角を測定したところ、配向膜全面に亘り、約1
度で均一であった。
【0073】次に本発明による液晶表示素子の製造方法
の第7の実施の形態を図15を参照して説明する。この
実施の形態の製造方法によって製造される液晶表示素子
は、円柱型のスペーサを使用した液晶表示素子であって
カラーフィルタ基板2とアレイ基板12とを備えてお
り、次のように形成される。
【0074】カラーフィルタ基板2は図14に示す液晶
表示素子のカラーフィルタ基板2において円柱状スペー
サ21上の配向膜を重ね塗布する以外は同様にして形成
する。なお、円柱状スペーサ21上には膜厚が0.1μ
mのITO電極と膜厚が0.07μmの配向膜9bが形
成されている。一方アレイ基板12はまずガラス基板1
3上にITOからなる表示電極15と、駆動素子及び配
線等14とを形成する。続いて焼成後の膜厚が0.07
μmとなるようにインクジェットノズルを用いて1.8
2重量%の配向膜溶液を噴射塗布する。更にカラーフィ
ルタ基板2の円柱状スペーサ21が接触することになる
アレイ基板12上の位置に、焼成後に高さが0.07μ
mで直径15μmの円柱となるように1.82重量%の
上記配向膜溶液をインクジェットノズルを用いて重ね塗
布する。続いて基板13を焼成し、配向膜16を形成す
ることによりアレイ基板12を完成する。
【0075】次にカラーフィルタ基板2上の配向膜9
と、アレイ基板12上の配向膜16にラビング処理を行
った後、液晶分子が90度捩じれるように上記配向膜同
士を内側にしてスペーサ21を介して基板2及び基板1
2を対向配置する。そしてシール剤22により基板の周
囲をシールし、液晶組成物23を封入し、液晶表示素子
を完成する。なお、液晶組成物としては、ZLI−11
32(商品名)を用いた。
【0076】このように形成された液晶表示素子につい
てセルギャップを調べたところ、セルギャップは着色層
の厚みの不均一による影響を受けておらず、非常に均一
なセルギャップであることが確認された。また、液晶の
配向を調べたところ90度捩じれた均一な配向が実現さ
れていることが確認された。更にこの液晶表示素子を駆
動してその表示性能を検証したところ、膜厚の不均一に
起因する表示不良や、スペーサ柱21とアレイ基板12
上の配線との短絡、すなわちコモン電極と信号線とのシ
ョート、コモン電極とゲート線とのショート、コモン電
極と補助容量線とのショート等に起因する表示不良のな
い良好な表示が得られた。なお、上記液晶表示素子のプ
レチルト角を測定したところ、配向膜全面に亘り、約1
度で均一であった。
【0077】なお、第6および第7の実施の形態の製造
方法においては、円柱状スペーサ21の上面とアレイ基
板12の平坦な配向膜16の表面との間に0.14μm
の膜厚配向膜が重ね塗布することによって形成されてい
るが、重ね塗布を行わないで膜厚が0.07μmの配向
膜を形成した液晶表示素子を製作し、この液晶表示素子
を駆動してその表示性能を確認したところ、スペーサ柱
21とアレイ基板12上の配線線との短絡に起因する表
示不良が観察され、良好な表示品位が得られなかった。
【0078】なお、上述の実施の形態の製造方法におい
ては、赤、青、緑の各着色層51 ,52 ,53 上の電極
6の表面上に形成される配向膜の膜厚は、赤、青、緑の
順で薄くなるように形成したが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、所望
の位置に所望の膜厚の配向膜を形成することが可能とな
るので、表示性能の低下を可及的に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示素子の製造方法の第1の
実施の形態の製造工程断面図。
【図2】本発明の製造方法において用いられるインクジ
ェットノズルと基板との位置合せを説明する図。
【図3】インクジェットノズルから噴射される配向膜溶
液の濃度と、焼成後の配向膜の厚さの関係を示すグラ
フ。
【図4】第1の実施の形態の製造方法によって製造され
る液晶表示素子の構成断面図。
【図5】本発明による液晶表示素子の製造方法の第2の
実施の形態の製造工程断面図。
【図6】第2の実施の形態の製造方法に用いられるイン
クジェットノズルの構造を説明する説明図。
【図7】本発明の製造方法の第3の実施の形態によって
製造される液晶表示素子の構成断面図。
【図8】本発明の製造方法の第4の実施の形態によって
製造される液晶表示素子の構成断面図。
【図9】本発明の製造方法の第5の実施の形態によって
製造される液晶表示素子の構成断面図。
【図10】プレチルト角の影響による液晶分子の配列を
説明する説明図。
【図11】デュアルドメイン構造を説明する説明図。
【図12】2種類の配向膜材料によって形成された配向
膜を有するデュアルドメイン構造の液晶表示素子の構成
図。
【図13】本発明の製造方法の第6の実施の形態によっ
て製造される液晶表示素子のカラーフィルタ基板の構成
断面図。
【図14】第6の実施の形態の製造方法によって製造さ
れる液晶表示素子の構成断面図。
【図15】本発明の製造方法の第7の実施の形態によっ
て製造される液晶表示素子の構成断面図。
【図16】オフセット印刷方式による配向膜の形成を説
明する説明図。
【符号の説明】
2 カラーフィルタ基板 3 透明基板 4 遮光層 5(i=1,2,3) 着色層 6 透明電極 7a,7b,7c 配向膜溶液 8a,8b,8c 配向膜溶液 9 配向膜 9a,9b 配向膜 10 配向膜 12 アレイ基板 13 透明基板 14 配線 15 表示電極 16 配向膜 16a,16b 配向膜 17 配向膜 21 スペーサ 22 シール剤 23 液晶組成物 24 液晶分子 31 信号線 32 ゲート線 33 TFT 36 補助容量線 40 インクジェットノズル 40a シリンダ 40b ピストンヘッド 40c 圧縮棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋 吉 宗 治 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 上 埜 亜希子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極が形成された透明基板上の、厚い膜厚
    が必要な領域には、濃度の濃い配向膜溶液をインクジェ
    ットノズルを用いて所定量噴射塗布し、薄い膜厚が必要
    な領域には、濃度の薄い配向膜溶液を前記インクジェッ
    トノズルを用いて所定量噴射塗布する工程と、 焼成することによって配向膜を形成する工程と、 を備えていることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】電極が形成された透明基板上の、厚い膜厚
    が必要な領域には、インクジェットノズルを用いて配向
    膜溶液を第1の所定量噴射塗布し、薄い膜厚が必要な領
    域には、インクジェットノズルを用いて前記配向膜溶液
    を前記第1の所定量より少ない第2の所定量噴射塗布す
    る工程と、 焼成することによって配向膜を形成する工程と、 を備えていることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】電極が形成された透明基板上の薄い膜厚が
    必要な領域にはインクジェットノズルを用いて配向膜溶
    液を所定量噴射塗布し、厚い膜厚が必要な領域にはイン
    クジェットノズルを用いて前記配向膜溶液を重ね塗布す
    る工程と、 焼成することにより配向膜を形成する工程と、 を備えていることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記透明基板上の赤い着色層上の前記電極
    表面、青の着色層上の前記電極表面、及び緑の着色層上
    の電極表面に形成される配向膜の膜厚が異なるようにす
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記透明基板の配線部上には薄い配向膜を
    形成し、前記透明基板の非配線部上には厚い配向膜を形
    成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の液晶表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記透明基板の表示画素部上には薄い配向
    膜を形成し、前記透明基板の非画素部上には厚い配向膜
    を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記透明基板の表示画素部内の少なくとも
    2つの領域で膜厚が異なるように配向膜を形成すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表
    示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記透明基板上に配設されるスペーサ部上
    に形成される配向膜の膜厚を、前記透明基板の表示画素
    部上に形成される配向膜の膜厚より大となるようにする
    ことを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶
    表示素子の製造方法。
  9. 【請求項9】透明基板上に形成された表示画素部内の少
    なくとも2つの領域で配向膜の膜厚が異なっているよう
    に構成したことを特徴とする液晶表示素子。
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