JPH09127387A - 光ケーブル接続部収納装置及び収納構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ心線の余長処理を容易に行うこと
ができる心線接続部収納装置及び収納構造を提供する。 【解決手段】 ケーブル固定部、余長収容部、両者間の
仕切板、及び、これらを収め且つ前面に開口を有する光
ケーブル接続部収容筐体を具える。余長収容部は、個々
に前後に移動可能に横方向に並べられて仕切板に支持さ
れた心線接続部収納箱及び光ファイバ心線余長収容空間
を具え、光ファイバ心線は心線余長収容空間で相互に接
続されて心線接続部収納箱に収容される。心線接続部収
納箱は、光ファイバ心線を収容する複数の溝、溝の中心
部に設けられた光ファイバ心線接続部を収容する空所、
心線押さえ部材及び心線接続部押さえ部材を具備する。
この光ケーブル接続部収納装置を電柱の内部に収めた収
納構造は極めて有効である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、通信用の光ケーブ
ルを構成している光ファイバ心線を相互に接続した心線
接続部を収容するための装置及び特に電柱内部に収容す
ることができる接続部収納構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】複数本の光ケーブルを構成する複数の光
ファイバ心線を相互に接続した接続部を、地中に設置さ
れたマンホール内又は電柱上に設ける場合がある。この
ような場合に用いられる従来の光ケーブルの接続部の一
例を図２に示す。２本の光ケーブル１が光ケーブル係止
部31で係止され、接続箱30に固定されている。光ケーブ
ル１の端部からは多数の光ファイバ心線２が引出されて
いる。この場合、光ファイバ心線２は接続するに必要な
長さより余分に長く引出される。

【０００３】光ファイバ心線２の先端には光コネクタ３
が設けられる。それぞれの光ケーブル１から引出された
光ファイバ心線２の光コネクタ３同士を結合し、余長部
は複数回巻かれて巻回部32が構成され、複数本の光ファ
イバ心線２毎に分けて余長収納シート33内に収納され
る。この状態で接続箱30内に収められ、この接続箱30が
マンホール内又は電柱上に置かれる。

【０００４】光ファイバ心線はその剛性が小さく本数が
多いため、光ファイバ心線同士が絡み合い易い。そのた
め、図２に示すように、各巻回部32を余長収納シート33
内に収納している。これにより、ケーブル結合後に何等
かの理由でコネクタ結合部にアクセスする必要が生じた
とき、目的のコネクタ及び光ファイバ心線を他の光ファ
イバ心線と互いに絡まることなく取り出すことができ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、余分に引出された光ファイバ心線
２を１本ずつ巻回し、余長収納シート33内に収納する現
場作業が必要であり、しかもこのような作業を足場の悪
いマンホール内又は電柱上で行わなければならないた
め、作業性が悪く且つ危険が伴うという問題があった。

【０００６】本発明の目的は、上述した事情を改善し、
光ファイバ心線の余長処理を容易に行うことができ、電
柱の低い部分で作業ができるようにし、光ケーブルの接
続作業における作業効率及び安全性を向上させることが
できる光ファイバ心線接続部収納装置及び収納構造を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の光ケーブル接続
部収納装置は、上記の目的を達成するため、入側及び出
側の光ケーブル端部を固定するケーブル固定部、入側及
び出側の光ケーブルから引出された複数の光ファイバ心
線とその心線接続部とを含む余長部分を収容する余長収
容部、ケーブル固定部と余長収容部との境界を形成し且
つ上下に光ファイバ心線を通す穴部を有する仕切板、及
び、これらを収容し且つ前面に開口を有する光ケーブル
接続部収容筐体を具え、該余長収容部分は、個々に前後
に移動可能に横方向に並べられて仕切板に支持された一
又は複数の心線接続部収納箱、及び、光ファイバ心線余
長収容空間を具え、入側及び出側の光ファイバ心線は、
ケーブル固定部からそれぞれ仕切板に設けられた上側又
は下側の穴部を経て心線余長収容空間に導入されて相互
に接続され、それぞれ仕切板の穴部とは逆側の心線接続
部収納箱の下側面又は上側面から接続部を中心にして心
線接続部収納箱に収容される構造を有することを特徴と
する。

【０００８】このような本発明においては、光ケーブル
接続部収容筐体に含まれる心線接続部収納箱が、側面
に、上下方向に光ファイバ心線を収容する複数の溝、該
溝の中心部に設けられた光ファイバ心線接続部を収容す
る空所、この溝に収容された全ての光ファイバ心線を一
括して押さえる心線押さえ部材、及び、この空所に収容
された心線接続部を個々に押さえる複数の心線接続部押
さえ部材を具備することが好ましい。更に、本発明によ
る光ケーブル接続部収納装置を地上付近の電柱の内部に
収めると、実用上極めて有効である。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態を説明する。図１は本発明の光ケーブル接続部収納
装置の一例を示す図である。本発明の光ケーブル接続部
収納装置は、入側及び出側の光ケーブル１の端部を固定
するケーブル固定部11、入側及び出側の光ケーブル１か
ら引出された複数の光ファイバ心線２とその心線接続部
５とを含む余長部分を収容する余長収容部12、ケーブル
固定部11と余長収容部12との境界を形成し且つ上下に光
ファイバ心線束４を通すための穴部14を有する仕切板1
3、及び、これらを収容し且つ前面に開口15を有する光
ケーブル接続部収容筐体10を具える。なお、図では光ケ
ーブル１が上下１本ずつしか示されていないが、これは
勿論複数本であってもよい。

【００１０】余長収容部12は、個々に前後に移動可能に
横方向に並べられて仕切板13に支持された一又は複数
（図では２個）の心線接続部収納箱20、及び、光ファイ
バ心線余長収容空間21を具える。心線接続部収納箱20
は、側面に、上下方向に光ファイバ心線を収容する複数
の溝22、溝22の中心部に設けられた光ファイバ心線接続
部５を収容する空所23、溝22に収容された全ての光ファ
イバ心線束４を一括して押さえる心線押さえ部材24、及
び、空所23に収容された心線接続部５を個々に押さえる
複数の心線接続部押さえ部材25を具えている。なお、収
納する光ファイバ心線数が少ない場合には、心線接続部
収納箱20を１個のみ使用してもよい。

【００１１】この例においては、光ケーブル１のテンシ
ョンメンバー６を筐体10に固設したテンションメンバー
固定部材16に固定することにより、光ケーブル１を筐体
10に固定している。一方、この筐体10を電柱の内部に設
置する場合は、テンションメンバー固定部材16を電柱内
部に固設して光ケーブル１を電柱に直接固定することも
できる。

【００１２】光ケーブル１から引出された心線の余長部
分では、心線を所定の本数毎に束ねて心線束４として仕
切板13の穴部14を通している。この場合、例えば上部を
通る心線束はこれらを束ねて心線余長収容空間21の奥の
部分を通し、下部を通る心線束は同様に束ねて心線余長
収容空間21の手前の部分を通すようにすれば、心線接続
部収納箱20が前後に動く際にも心線束が絡むことがな
い。心線を束ねる方法としては、スパイラルチューブを
用いると便利である。

【００１３】この心線束４は、心線余長収容空間21で入
側及び出側の心線２相互に光コネクタ３によつて接続さ
れて心線接続部５を形成し、接続部５で上下が逆になる
ように捻った上、それぞれ仕切板13の上下の穴部14とは
逆側の心線接続部収納箱20の下側面又は上側面から溝22
に入るように、接続部５を中心にして心線束４を心線接
続部収納箱20の溝22及び接続部収容空所23に収容してい
る。

【００１４】心線束４及び接続部５を溝22及び接続部収
容空所23に収容した後、心線押さえ部材24及び心線接続
部押さえ部材25を装着して心線束４及び接続部５の飛び
出しを防止する。心線押さえ部材24は、例えばプラスチ
ック等の板状部材を切込みに挿通する構造にすればよ
い。また、心線接続部押さえ部材25は、例えばゴム等の
弾性を持つ板状部材を切込みに押し込む構造にすればよ
い。

【００１５】心線接続部収納箱20は必要に応じて手前に
引出すことができる構造になっているため、複数個並べ
られたもののうち必要な光ファイバ心線束４を収納して
いる箱のみを手前に引出し、筐体10の外で接続作業或い
は収納作業を行うことができ、従って著しく作業性が向
上する。この場合、心線接続部収納装置が地上付近の電
柱内部に収容されておれば、地上で作業を行うことがで
き、作業性は一層向上する。

【００１６】光ケーブル１の接続作業の作業手順は次の
通りである。テンションメンバー固定部材15によって光
ケーブル１を筐体10に固定して心線束４を取り出し、光
ケーブルが固定されている上下位置とは逆の下部又は上
部の仕切板13の穴部14に通し、接続すべき心線束４の光
コネクタ３を結合する。光コネクタ３を結合した後、接
続部５を１回捻って上下を逆にして接続部５及び心線束
４を心線接続部収納箱20に収納すればよい。

【００１７】また、後日心線接続部５にアクセスする場
合の作業手順は次の通りである。複数の心線接続部収納
箱20のうち、目的の接続部５が収容されている心線接続
部収納箱20を手前に引出し、更に目的の接続部５が収容
されている接続部収容空所23の心線接続部押さえ部材25
を取り外せば、他の心線と絡まることなく容易に接続部
５を取り出すことができる。

【００１８】上述の説明では、本発明の光ケーブル接続
部収納装置を電柱内に設置して用いる例を説明したが、
本発明の光ケーブル接続部収納装置は、その形状を適宜
に選ぶことによって勿論電柱上或いはマンホールでも使
用することができる。また、上述の説明では心線接続部
として光コネクタを用いた接続部について説明したが、
勿論融着等の他の方法による接続部についても本発明の
光ケーブル接続部収納装置及び収納構造を用いることが
できる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光ケーブルを地上で接続して光ケーブル及び光ファイバ
心線接続部を電柱内に収納することができるため、作業
の安全性を向上させることができ、心線接続部を収納す
る心線接続部収納箱は手前に引出すことのできる構造と
し更に複数の心線接続部を心線部分で束ねて溝に収容す
る構造としたため、光ケーブル接続作業の作業性を向上
させることができ、更に保守時の心線接続部へのアクセ
スが容易になる等の顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ケーブル接続部収納装置の一例を示
す図である。

【図２】従来の光ケーブル接続部収納装置の一例を示す
図である。

【符号の説明】

１ 光ケーブル ２ 光ファイバ心線 ３ 光コネクタ ４ 光ファイバ心線束 ５ 心線接続部 ６ 光ケーブルのテンションメンバー １０ 光ケーブル接続部収容筐体 １１ ケーブル固定部 １２ 余長収容部 １３ 仕切板 １４ 穴部 １５ 開口 １６ テンションメンバー固定部材 ２０ 心線接続部収納箱 ２１ 光ファイバ心線余長収容空間 ２２ 光ファイバ心線を収容する溝 ２３ 光ファイバ心線接続部を収容する空所 ２４ 心線押さえ部材 ２５ 心線接続部押さえ部材

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｂ 10/12

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入側及び出側の光ケーブル端部を固定す
   るケーブル固定部、入側及び出側の光ケーブルから引出
   された複数の光ファイバ心線とその心線接続部とを含む
   余長部分を収容する余長収容部、ケーブル固定部と余長
   収容部との境界を形成し且つ上下に心線束を通す穴部を
   有する仕切板、及び、これらを収容し且つ前面に開口を
   有する光ケーブル接続部収容筐体を具え、該余長収容部
   は、個々に前後に移動可能に横方向に並べられて仕切板
   に支持された一又は複数の心線接続部収納箱、及び、光
   ファイバ心線余長収容空間を具え、入側及び出側の光フ
   ァイバ心線は、ケーブル固定部からそれぞれ仕切板に設
   けられた上側又は下側の穴部を経て心線余長収容空間に
   導入されて相互に接続され、それぞれ仕切板の穴部とは
   逆側の心線接続部収納箱の下側面又は上側面から接続部
   を中心にして心線接続部収納箱に収容される構造を有す
   ることを特徴とする光ケーブル接続部収納装置。
2. 【請求項２】 心線接続部収納箱が、側面に、上下方向
   に光ファイバ心線を収容する複数の溝、該溝の中心部に
   設けられた光ファイバ心線接続部を収容する空所、該溝
   に収容された全ての光ファイバ心線を一括して押さえる
   心線押さえ部材、及び、該空所に収容された心線接続部
   を個々に押さえる複数の心線接続部押さえ部材を具備す
   ることを特徴とする請求項１に記載の光ケーブル接続部
   収納装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の光ケーブル接続
   部収納装置を電柱の内部に収めたことを特徴とする光ケ
   ーブル接続部収納構造。