JPH09126952A - 複合試験装置とその電気慣性制御方法 - Google Patents

複合試験装置とその電気慣性制御方法

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JPH09126952A
JPH09126952A JP7306957A JP30695795A JPH09126952A JP H09126952 A JPH09126952 A JP H09126952A JP 7306957 A JP7306957 A JP 7306957A JP 30695795 A JP30695795 A JP 30695795A JP H09126952 A JPH09126952 A JP H09126952A
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Yoshiaki Kobayashi
美明 小林
Tetsuo Miki
哲男 三木
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Anzen Motor Car Co Ltd
Fuji Electric Engineering Co Ltd
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Anzen Motor Car Co Ltd
Fuji Electric Techno Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実路面走行時と同様の車輪の挙動を試験用台
車上に再現して、各車輪毎にABS及びASRの機能を
検証分析できる複合試験装置とその電気慣性制御方法を
提供する。 【解決手段】 本発明の複合試験装置は、図1に示す模
擬車台20と模擬車台に設けた可変速モータ14と速度
検出器15とよりなる機械系と図3に示す電気慣性制御
装置21とよりなる。電気慣性制御装置は、速度設定部
24aを含む操作コンソール24と、速度指令演算部2
3aを含む運転ロジック23と、加減速度演算部29と
慣性トルク演算部30とよりなるトルク制限回路25と
速度調節部28とベクトル制御部27と交流電力交換器
26とよりなるインバータユニット22とより構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪速度に対応さ
せてブレーキ力を制御するアンチロックブレーキシステ
ム(以下ABSという)及びアンチスリップレギュレー
ション(以下ASRという)の作動状態を検査するAB
S及びASR試験装置及びその試験方法に関し、詳しく
は、実路面走行時と同じく、車輪とそれらを載置回転さ
せる平行回転ローラとの間に小スリップを起こさせ、A
BS及びASR機能を見る車体慣性制御に係わるもの
と、前記平行回転ローラと車輪との間のスリップがない
ようにし、ブレーキ液圧やエンジントルクの変化に基づ
く車輪の加減速の変化に応じて定常走行トルクを得るよ
うモータトルクを制御し、試験車輪を実走行時と同様加
減速させそれに追従するABS及びASR機能を検証す
る車輪速度追従制御に係わる複合試験装置及びその試験
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、左右の前後輪の車輪速度を個
々に検出する車輪速度センサと、ブレーキ信号をコンピ
ュータに送るスイッチ手段と、選択されたコンピュータ
よりの制御信号に基づいてブレーキシリンダ等に供給す
るブレーキ液圧の制御を行なうアクチュエータとを個々
に設け、コンピュータ側で前記各車輪毎のセンサよりの
車輪速度信号に基づいて、車速度及び路面の状況に応じ
た適切なブレーキ力を得るための制御信号をアクチュエ
ータに送信し、該制御信号に基づいてアクチュエータの
モード調整を行いながら、個々の車輪速度が車両速度に
対し大きく落ち込んだ(車輪がロック状態に近づいた)
場合にはブレーキシリンダ等に供給するブレーキ液圧を
減圧して制動力を緩和し、また車輪速度が車両速度に近
づいた場合はブレーキシリンダ等に供給するブレーキ液
圧を増圧して制動力を高める等の動作を繰り返しながら
急ブレーキ時の不本意な車両の偏向を未然に防止すべ
く、最適な制動動作を得るようにしたABSは公知であ
る。また、駆動輪の駆動力をコントロールし車輪の空転
を防ぎ適切な駆動力を確保するシステムがある。例え
ば、駆動輪の片輪だけが空転した場合、左右の車輪速度
を比較して空転し始める車輪に制動を掛け反対輪の駆動
力を確保する。また、駆動輪の両輪がスリップした場
合、コンピュータは駆動側と非駆動側との極端な回転差
を判断しエンジンコントロールバルブを制御しエンジン
出力を制御するようにしたものが上記システムに相当し
ASRとして公知である。そしてこのようなABSやA
SRを組み込んだ車両は、特に連結車、大型バスの分野
で急速に普及の時代に入って居り、前記ABSやASR
が円滑に作動してるか否かを判別するための複合試験装
置及びその試験方法の開発が強く望まれてきている。
【0003】上記複合試験装置としては、倒えば、特開
平5ー256734号公報に開示されている提案があ
る。上記提案に係わる複合試験装置は、車両の前後輪の
各車輪を載置する4対の平行ローラよりなる試験用台車
を備え、その主要構成は、前記ローラには各車輪速度を
検出する速度センサと、各テスト項目に応じて設定値を
入力する設定器と、前記速度センサからの検出信号を演
算処理をしその演算処理値と前記設定器から選択された
テスト項目の設定値とを比較し合否を判断する演算制御
装置とからなる。そして、ASRのテストの場合は、駆
動車輪と停止駆動車輪との間において駆動車輪の速度が
設定器に入力した許容速度差の範囲にあるかどうかで当
該車両のASR機能の作用の有無を判断するようにして
ある。また、ABSのテストの場合は、車両の車輪をそ
れぞれ各ローラ上に載置し各車輪が所定の同一速度にな
るまで回転させ、各ローラの連結クラッチを断にしそれ
ぞれが自由回転状態とし、車両にブレーキを作動させ
る。ついで、前記演算制御装置は、前記4輪の各制動距
離を算出し、これら4輪の制動距離の差が前記設定器に
入力してある許容制動距離差の範囲内にあるか否かによ
り当該車両のABS機能の作用の有無を判断するように
してある。
【0004】また、模擬的シュミレーションにおけるA
BS検査装置としては、本発明者が先に特願平4ー13
9764号として図6に示す装置構成を提案している。
即ち上記提案の構成において、ABS機能の検査装置
は、平行に配置した一対の回転ローラ101、102を
車輪3の取り付け位置に対応する位置にそれぞれ配置
し、該回転ローラ対101、102上に車輪3を直交さ
せて載設可能に構成するとともに、前記回転ローラ対1
01、102の内一の回転ローラ101にプーリ150
/ベルト160を介してモータ104に連結して駆動ロ
ーラ101を形成するとともに、他側を非拘束状態の従
動ローラ102を形成する。この場合前記従動ローラ1
02は駆動輪101とプーリ/ベルトを介して連結し、
両回転ローラ101、102が同一周速度で回転可能に
構成し、前記回転ローラ101、102対はいずれも軸
受け107により回転可能に2点支持されている。
【0005】そして、上記回転ローラ101、102対
は2輪駆動の場合は左右に、また4輪駆動の場合は左右
前後の車輪取り付け位置と対応する箇所に、また必要に
より移動可能に配設するとともに、前記回転ローラ10
1、102のうち左右に位置する駆動ローラ101間は
電磁クラッチ119により一体的に連結され互いに同期
して回転可能に構成されている。また前記両回転ローラ
101、102に挟まれる空域には、前記101、10
2と平行に配設された検知ローラを含む検知機構110
が配設されている。上記検知機構110は、図6に示す
ように前記回転ローラ101、102より小径に形成さ
れた検知ローラ111が軸受け112を介して回転自在
に配置され、該検知ローラ111の一の軸端側に回転数
を検出するパルス計113を設け、他の軸端側にフライ
ホイール114を取り付けるとともに、該フライホイー
ル114と検知ローラ111との間にはトルクメータ1
15が取り付けてある。そしてこれらはホルダ116を
介して車輪離接方向に揺動自在に一体的に組み付けら
れ、その構成は図7に示すように、前記ホルダ116は
従動ローラ102を挟んでその反対側に位置する固定支
持部123、支点122を介して車輪離接方向に揺動す
るアーム121に軸支されるとともに、該アーム121
の先端に液圧シリンダ124のピストン軸端125を取
り付け、車輪径の大きさに係わりなく前記検知ローラ1
11を所定圧で接触できるようにしてある。
【0006】即ち、上記提案におけるABS検査装置に
あつては、各1対ずつの平行受支ローラ間にあって車両
の車輪を受支させ、かつ一方の受支ローラを外部から駆
動させて当該車輪を回転させるとともに、受支された車
輪に対し回転検出ローラを接圧して従動回転させ、従動
回転に伴う慣性回転を生じさせ、前記車輪の回転速度が
定常状態に移行したのち、当該回転速度を維持したまま
で車輪に制動動作を与え、当該制動状態に対応して、回
転検出ローラと前記フライホイールからなる慣性回転手
段間に生ずる駆動トルクの変動と、車輪回転数の変化に
よってABS制御の作動状態を判定するようにしたもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然し、上記特開平5ー
256734号公報に開示されている複合試験装置に係
わる提案は、単にASR及びABS機能の作用が存在し
てるかどうかの大まかの判定をするだけで、実路面走行
時の車輪挙動を、特に急ブレーキやアクセル操作後の車
輪挙動につきASR及びABS機能を検証分析すること
については全く言及されていない。また、上記特願平4
ー139764号公報に開示されているABS試験装置
や従来より使用されてきた機械フライホイール式試験装
置は、被試験車両の車体慣性(車重)に応じてフライホ
イールの切り替えや増減する必要があり、時間と手間及
び管理の煩雑を伴うものである。また、きめ細かな車重
設定をするには多種類のフライホイールの用意が必要
で、従来の試験装置を使用してのABS機能の検証は不
正確なものとならざるを得ない状況である。まして、車
輪速度の減速のみならず加速を繰り返し行なう車輪速度
追従方式の場合は高速度でトルクの制御を行なう必要が
あり従来の機械式では実現不可能であった。
【0008】そこで、本発明のうち請求項1記載の発明
は、実路面走行時と同様の車輪の挙動を試験用台車上に
再現して、各車輪毎にABS及びASRの機能を検証分
析できる複合試験装置の提供を目的としたものである。
【0009】本発明のうち請求項2記載の発明は、請求
項1記載の発明の目的の実路面走行時の状態をABS及
びASRに対応して実現させるべく、車輪と試験用台車
のローラ間に低摩擦係数を形成する実路面同様の摩擦係
数を持つように構成して車輪の挙動を試験台車上に再現
し、実走行時と同様の車体慣性を試験車輪に与え各車輪
毎にABS及びASRの機能を検証分析できる複合試験
装置の提供を目的としたものである。
【0010】本発明のうち請求項3記載の発明は、請求
項1記載の発明の目的の実路面走行時の状態をABS及
びASRに対応して実現させるべく、車輪と試験用台車
のローラ間に高摩擦係数を持つように構成して車輪の挙
動を試験台車上に再現し、実走行時と同様の加減速を与
え各車輪毎にABS及びASRの機能を検証分析できる
複合試験装置の提供を目的としたものである。
【0011】本発明のうち請求項4記載の発明は、請求
項2記載の発明により被試験車両の各車輪のABS機能
を検証する電気慣性制御方法の提供を目的としたもので
る。
【0012】本発明のうち請求項5記載の発明は、請求
項3記載の発明により被試験車両の各車輪のABS機能
を検証する電気慣性制御方法の提供を目的としたもので
る。
【0013】本発明のうち請求項6記載の発明は、請求
項2記載の発明により被試験車両の各車輪のASR機能
を検証する電気慣性制御方法の提供を目的としたもので
る。
【0014】本発明のうち請求項7記載の発明は、請求
項3記載の発明により被試験車両の各車輪のASR機能
を検証する電気慣性制御方法の提供を目的としたもので
る。
【0015】本発明のうち請求項8記載の発明は、請求
項1記載の発明において速度設定部の別の態様を備える
ようにした複合試験装置の提供を目的としたものであ
る。
【0016】本発明のうち請求項9記載の発明は、請求
項2記載の発明において車重設定部の別の態様を備える
ようにした複合試験装置の提供を目的としたものであ
る。
【0017】本発明のうち請求項10記載の発明は、請
求項3記載の発明において、トルク設定部の別の態様を
備えるようにした複合試験装置の提供を目的としたもの
である。
【0018】本発明のうち請求項11記載の発明は、請
求項2及び請求項3記載の発明において、機械系損失補
正部の別の態様を備えるようにした複合試験装置の提供
を目的としたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうちで請求項1記載の発明は、被試験車両
を載置して実路面走行を模擬する模擬車台と該車台を実
路摩擦係数相当に制御する電気慣性制御回路とよりな
り、前記模擬車台は、車両の左右の前後輪のそれぞれを
載置する4対の平行回転ローラと、前記各対の平行回転
ローラの少なくとも一に可変速駆動モータを連結して駆
動ローラとした速度検出器付き可変速の駆動モータと、
他の従動ローラに設けた速度検出器と、前記各対の駆動
ローラと従動ローラとが同一周辺速度で回転できるよう
にしたタイミングベルトとを設ける構成とし、前記電気
慣性制御回路は、前記可変速モータの速度制御とトルク
制御とをする速度調節部とベクトル制御部とよりなるイ
ンバータユニットと、前記速度制御用の速度設定部と該
設定部の速度設定値により速度指令を出力する運転ロジ
ックと、ブレーキまたはアクセルにより惹起される加減
速度を演算してトルク値を制限する回路とより構成した
複合試験装置を、特徴としたものである。
【0020】また、請求項2記載の発明は、模擬車台の
回転ローラは、低摩擦係数を形成し実路面と同じ摩擦係
数を持つように構成し、トルク制限回路は、モータの実
速度を検出する速度検出器よりブレーキ時及びアクセル
時の加減速度を演算する加減速度(ABSのときは減速
度、ASRのときは加速度)演算部と、慣性トルク演算
部とより構成し、慣性トルク演算部には、車重設定部よ
りの入力系とモータ及びローラを含む機械系慣性分の入
力系と機械系損失分の入力系を設け、前記加減速度によ
り車体慣性トルク分及び機械系慣性トルク分と機械系損
失トルク分を演算して前記速度調節部より出力するトル
ク指令をABSのときは+、ASRのときは−制御する
ように構成し、ローラ加減速に応じた車体慣性重量に比
例するトルクを出力できるようにした複合試験装置を特
徴とするものである。
【0021】また、請求項3記載の発明は、模擬車台の
回転ローラは、高摩擦係数を持つように構成し、トルク
制限回路は、モータの実速度を検出する速度検出器より
ブレーキ時及びアクセル時の加減速度を演算する加減速
度演算部と、走行トルク演算部とより構成し、走行トル
ク演算部には、モータ及びローラを含む機械系慣性分の
入力系と機械系損失分入力系と定常走行に必要とする走
行トルクを車両別に設定するトルク設定部とを設け、前
記加減速による機械系慣性トルク分と機械損失トルク分
とトルク設定部よりの定常走行トルク分を加算し、前記
速度調節部より出力するトルク指令を制御するように構
成し、試験車輪の急激な加減速に対しても、常に一定の
走行トルクを車輪に与える事ができるようにした複合試
験装置を特徴としたものである。
【0022】また、請求項4記載の発明は、模擬車台に
4輪車両を載置させ、前記電気慣性制御回路により前記
車台の可変速モータを駆動させ、載置した車両の前後輪
を所定速度で回転させ、その状態を維持したままで運転
者により当該車両に急ブレーキを操作させる。上記ブレ
ーキ操作後、前記前後輪と回転ローラ間の低摩擦係数に
よる小スリップを起こさせ、ブレーキ力による回転ロー
ラの減速度を演算して車体慣性重量に比例したトルクを
前記駆動モータに出力させ、急ブレーキ操作後の車輪挙
動を実路面走行時と同様に検証できるようにした電気制
御方法を、特徴としたものである。
【0023】また、請求項5記載の発明は、模擬車台に
4輪車両を載置させ、前記電気慣性制御回路により前記
車台の可変速モータを駆動させ、載置した車両の前後輪
を所定速度で回転させ、その状態を維持したままで運転
者により当該車両に急ブレーキを操作させる。上記ブレ
ーキ操作後、前記前後輪と回転ローラ間の高摩擦係数に
よるスリップを介在させない状態で、ブレーキ液圧の変
化による車輪の加減速度の急激な変化に対しても常に一
定の走行トルクを試験車輪に与えるようにモータのトル
クを制御し、試験車輪を実走行時と同様に加減速して、
車輪速度追従のABS機能を検証できるようにした電気
慣性制御方法を、特徴としたものである。
【0024】また、請求項6記載の発明は、回転ローラ
に低摩擦係数を持たせた模擬車台上に4輪車両を載置さ
せ、車両を急発進させたとき模擬車台の回転ローラを介
して可変速モータを回転させることにより、前記モータ
を発電させる状態とし、前後輪と回転ローラ間に小スリ
ップを介在させた状態とし、運転者のアクセル操作後の
回転ローラの加速度を検出して車体慣性重量に比例した
トルクを前記駆動モータに出力させ、アクセル操作後の
車輪挙動を実路面走行時と同様に検証できるようにした
電気慣性制御方法を、特徴としたものである。
【0025】また、請求項7記載の発明は、回転ローラ
に高摩擦係数を持たせた模擬車台上に4輪車両を載置さ
せ、車両を急発進させたとき模擬車台の回転ローラを介
して可変速モータを回転させることにより、前記モータ
を発電させる状態とし、前後輪と回転ローラ間にスリッ
プを介在させない状態で、アクセル操作を介してのエン
ジントルクの変化による車輪の加減速度の急激な変化に
応じて前記可変速の駆動モータのトルクを制御し、試験
車輪を実走行時と同様に加減速して、車輪速度追従のA
SR機能を検証できるようにした電気慣性制御方法を、
特徴としたものである。
【0026】また、請求項8記載の発明は、請求項1記
載の発明の電気慣性制御回路の速度設定部は、予め設定
される車種別のパラメータを記載したソフトを備えるよ
うにした複合試験装置を、特徴としたものである。
【0027】また、請求項9記載の発明は請求項2記載
の発明のトルク制限回路の車重設定部は、予め設定され
る車種別のパラメータを記載したソフトを備えるように
した複合試験装置を、特徴としたものである。
【0028】また、請求項10記載の発明は、請求項3
記載の発明のトルク制限回路の車トルク設定部は、予め
設定される車種別のパラメータを記載したソフトを備え
るようにした複合試験装置を、特徴としたものである。
【0029】また、請求項11記載の発明は、請求項
2、請求項3記載の発明のトルク制御回路の機械系損失
部は、該部における機械系損失のパラメータを可変と
し、ASRにおける車速に応じ変化する走行抵抗及び機
械系損失分の補償を可能にした複合試験装置を、特徴と
したものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる複合試験
装置とその電気慣性制御方法の各別の実施例につき、図
1ないし図7を参照して詳細に説明する。但し、これら
の各実施例に記載されている構成部品の形状、寸法、材
質、及びその相対配置などの各点については、特に、特
定的な記載のないかぎりは、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎないもの
であることを付言する。図1は、本発明の複合試験装置
の模擬車台の概略の構成を示す中間部位を破断下正面図
で、図2は図1の模擬車台に被試験車両を載置した状態
を示す被試験車両を含む側面図で、図3は本発明の電気
慣性制御回路のシステム構成ブロック図で、図4は図3
の下限トルク制御回路を車体慣性方式(以下A方式とい
う)で構成した電気慣性制御回路のブロック図であり、
図5は図3の下限トルク制御回路を車輪速度追従方式
(以下B方式という)で構成した電気慣性制御回路のブ
ロック図である。
【0031】図1に示すように、模擬車台は前後に配設
した二組の架台20、20にそれぞれ左右対称的位置に
被試験車両の左右前輪ないし後輪を載置する4対の平行
回転ローラ11、12を設け、回転ローラ11の一の端
には速度検出器15を持つ可変速可能の駆動モータ14
を連結して該ローラを駆動ローラ11とし、回転ローラ
12は前記駆動ローラ11にタイミングベルト等で回転
自在に結合させて従動ローラ12とし、駆動ローラ11
と従動ローラ12とは同一周速度を持つようにしてあ
る。また、従動ローラ12の一の軸端には速度検出器1
3を設ける構成にしてある。また、前記駆動ローラ11
と従動ローラ12のローラ面の摩擦係数は下記のように
構成してある。即ち、A方式の車体慣性方式では低摩擦
係数で構成し、B方式の車輪速度追従方式では高摩擦係
数で構成してある。
【0032】なお、模擬車台は2輪駆動の試験用には前
輪駆動の場合は前輪を載置かつ回転させる一組の架台2
0上に設けた付属機器を含む2対の平行回転ローラ群を
用意すれば良く、4輪駆動の場合は図1に示す二組の架
台20、20上に設けた付属機器を含む前記4対の平行
回転ローラ群で構成する。
【0033】本発明の複合試験装置は、図1に示す模擬
車台20と該模擬車台に設けた可変速モータ14と速度
検出器15と図3に示す電気慣性制御回路21とよりな
る。電気慣性制御回路21は図3のシステムブロック図
に示すように、主回路40とトルク制限回路25とより
構成する。主回路40は、速度設定部24aを含む操作
コンソール24と、速度指令演算部23aを含む運転ロ
ジック23と、速度調節部28とベクトル制御部27と
交流電力変換器26とよりなるインバータユニット22
とよりなる。なお、ベクトル制御部27はトルク演算部
27aとトルクベクトル演算部27bとより構成する。
上記主回路40において、速度設定部22のDIG.S
Wに予め入力され表示されている速度設定用のパラメー
タは予め速度指令演算部23aに入力させるようにし、
該演算部23aではメモリに記憶されている前記パラメ
ータに対応する所定運転速度を速度指令ωжとしてイン
バータユニット22の速度調節部28に出力するように
構成する。速度調節部28は演算部23aより入力した
速度指令ωжと速度検出器15により検出された可変速
モータ14の実速度信号ωとの偏差に比例したトルク指
令Tжを下流のベクトル制御部27のトルク演算部27
aとそれに連なるトルクベクトル演算部27bに出力す
るようにしてある。上記、トルク制御部27は、入力し
たトルク指令Tжによるトルク電流と回転子磁束位置検
出による励磁電流とのベクトル和を演算し、1次電流指
令|iж|を導出して、3相変換制御電流指令を下流のコ
ンバーターインバータよりなる交流電力変換器26に出
力するようにしてある。交流電力変換器26は前記3相
変換制御電流指令を誘導電動機に供給して高速の過渡応
答にも対処できる構成にしてある。トルク制限回路25
は、前記可変速モータ14に付設した速度検出器15に
より模擬車台20の回転ローラ11、12の周速度の加
減速度を演算する加減速度演算部29を主体とする構成
よりなり、慣性トルクを出力してA方式を形成しまたは
走行トルクを出力してB方式を形成すべく、前記速度調
節部28より出力するトルク指令Tжを制御するように
構成する。
【0034】図4は、前記A方式を形成する電気慣性制
御回路21の概略の構成を示すブロック図である。図に
示すように、電気慣性制御回路21は操作コンソール2
4と、運転ロジック23と、インバータユニット22と
よりなる主回路40と、加減速度演算部29と慣性トル
ク演算部30とよりなるトルク制限回路25aとより構
成する。上記、主回路40の構成は説明済であるため、
その構成の説明は省略する。
【0035】トルク制限回路25aは、上記のように加
減速度演算部29と慣性トルク演算部30とより構成す
る。上記加減速演算部29はABSの場合は減速度演算
を主体とし、ASRの場合は加速度演算を主体とし、模
擬車台20に設けてある駆動用の可変速モータ14に付
設してあるパルスエンコーダよりなる速度検出器15に
よる模擬車台の回転ローラの周速度の加減速を演算する
ようにしてある。慣性トルク演算部30は、車重デジタ
ル設定部31よりの入力系とモータ及びローラを含む機
械系慣性分入力系32と機械系損失分入力系33とを設
け、加減速度演算部29よりの加減速度により車体慣性
トルク分と機械慣性トルク分と機械系損失トルク分を演
算し、前記速度調節部28より出力するトルク指令Tж
をABSのときは「+」にまたASRのときは「−」に
制御するようにしてある。かくして、車輪加減速に応じ
た車体慣性重量に比例するモータトルクを得るようにし
てある。
【0036】図5は、前記B方式を形成する電気慣性制
御回路21の概略の構成を示すブロック図である。図に
示すように、電気慣性制御回路21は操作コンソール2
4と、運転ロジック23と、インバータユニット22と
よりなる主回路40と、加減速度演算部29と走行トル
ク演算部35とよりなるトルク制限回路25bとより構
成する。上記、主回路40の構成は説明済であるため、
その構成の説明は省略する。
【0037】トルク制限回路25bを構成する加減速度
演算部29は、模擬車台20に設けてある駆動用の可変
速モータ14に付設してあるパルスエンコーダよりなる
速度検出器15による模擬車台の回転ローラの周速度の
加減速度を演算するようにしてある。また、走行トルク
演算部35は、機械系慣性分入力系32と機械系損失分
入力系33と定常走行に必要な車別、摩擦係数別トルク
を設定してあるトルク設定部33よりの入力系を設け、
前記加減速による機械系慣性トルク分と機械系損失トル
ク分とトルク設定部よりの定常走行トルク分とを加算
し、前記速度調節部28より出力するトルク指令Tжを
制御する構成とする。かくして、車輪加減速の急激な変
化に対しても常に一定の走行トルクを試験車輪に与える
事ができるようにしてある。
【0038】上記図4に示すA方式及び図5に示すB方
式の複合試験装置を使用して車輪毎にABS機能及びA
SR機能を検証の状況を図6及び図7により説明する。
図6はABS機能を検証した状況を示す図で、 同図(A);急なブレーキ開始よりブレーキ液圧の変動
に対応して変化する車輪速度の変化を示す図で、実線5
1は車輪速度A(A方式による場合)を示し、実線52
は車輪速度B(B方式による場合)を示し、点線50は
疑似車体速度を示してある。 同図(B);ブレーキ液圧の作動状況をブレーキ液圧線
53で示してある。 同図(C);B方式による上記ABS機能テストにおけ
る車輪速度Bに対応するモータトルクBの時間的変動を
示す図である。 同図(D);A方式による上記ABS機能テストにおけ
る車輪速度Aに対応するモータトルクBの時間的変動を
示す図である。 上記複合試験装置の使用によるA方式及びB方式による
ABS電気慣性制御方法は、模擬車台の平行ローラ1
1、12上に被試験車両の車輪3を図2の如く載置す
る。ついで、駆動ローラ11に連結した可変速モータ1
4により、前記速度設定部24aに設定された設定速度
に基づく速度指令演算部23aより出力する速度指令ω
жにより駆動させ、定速度運転に移行させ定常運転状態
を維持した状態[図6(A)のブレーキ始動点G]で、
運転者により当該車両に急ブレーキを操作させる。上記
ブレーキ操作後は、 1)A方式による場合は、車輪3に対し回転ローラはそ
れの低摩擦係数(A方式の場合)により小スリップを伴
いながら実線51に沿い減速する。即ち回転ローラの減
速は該ローラを駆動している可変速モータ14にトルク
負荷として作用する。この場合前記減速度は慣性トルク
演算部30で当該車重に相応する疑似慣性トルクに演算
され、速度調節部28より出力するトルク指令Tжを制
御するため、図6(D)に示すようにモータトルクAは
機械系損失分bと車体慣性トルク分cと機械慣性トルク
分dが合成された状態で変動する。なお、直線E−Fは
車体慣性トルクに機械系損失分を加算したものに対応す
る。 2)B方式による場合は、車輪3に対し回転ローラはそ
れの高摩擦係数(B方式の場合)によりスリップを伴う
ことなく実線52に沿いロックしない限度に加減速を繰
り返し減速する。即ち、回転ローラの加減速は該ローラ
を駆動する可変速モータ14の速度検出器15と加減速
度演算部29を介して走行トルク演算部35に入力さ
れ、図6(C)に示すようにモータトルクBは機械系損
失トルク分bとトルク設定値aとの加算値を基準線とし
て機械慣性トルク分dを振幅として変動する。
【0039】図7はASR機能を検証した状況を示す図
で、 同図(A);アクセル始動による車輪が空転を起こさな
い程度に上下するエンジントルクの変動に応じて変化す
る車輪速度の変化を示す図で、実線54は車輪速度A
(A方式による場合)を示し、実線55は車輪速度B
(B方式による場合)を示し、点線53は疑似車体速度
を示してある。 同図(B);前記エンジントルクの時間的上下の変動を
示す図である。 同図(C);B方式による上記ASR機能テストにおけ
る車輪速度Bに対応するモータトルクBの時間的変動を
示す図である。 同図(D);A方式による上記ASR機能テストにおけ
る車輪速度Aに対応するモータトルクAの時間的変動を
示す図である。 上記複合試験装置を使用によるA方式及びB方式による
ASR電気慣性制御方法は、模擬車台の平行ローラ1
1、12上にに被試験車両の車輪3を図2の如く載置す
る。ついで、アクセルの始動により車輪を駆動させ、回
転ローラ11、12を駆動させ、可変速モータ14を発
電状態で駆動させる。上記アクセル始動後は、 1)A方式による場合は、車輪3に対し回転ローラはそ
れの低摩擦係数(A方式の場合)により小スリップを伴
いながら実線54に沿い加速する。即ち回転ローラの加
速は該ローラにより駆動されている可変速モータ14
に、加減速度演算部29と慣性トルク演算部30とを介
して負のモータトルクを発生する。即ち、図7(D)に
示すように、速度上昇に伴い増加する機械系損失トルク
分bを含む走行抵抗トルク分eと車体慣性トルク分cと
機械慣性トルクdとを合成した状態で変動する。なお、
直線G−Hは車体慣性に走行抵抗トルク分を加算したも
のに対応する。 2)B方式による場合は、車輪3に対し回転ローラはそ
れの高摩擦係数(B方式の場合)により実線55に沿い
加減速を繰り返しながら加速する。即ち、車輪の加減速
は回転ローラの加減速を介して図7(C)に示す負のモ
ータトルクBが得られる。該モータトルクBはトルク設
定値aに速度上昇に伴い増加する機械系損失トルクbを
含む走行抵抗トルク分eを加算したマイナス側の横軸を
基準軸とし、機械系慣性トルク分dを振幅として変動す
る。
【0040】なお、図4に示すA方式の電気慣性制御回
路においては、特にASRにおいて機械系損失パラメー
タを可変とすることで車速応じて変化する走行抵抗、機
械系損失分を補償できる。また、機械フライホイル式に
比べ車重設定を無段階に簡便に行なうことができ、装置
も小型化することができる。
【0041】また、図5に示すB方式の電気慣性制御回
路においては、車輪速度追従用の模擬車台の回転ローラ
は高摩擦係数を持つように構成した場合、トルク設定÷
車重から等価的に見かけ上の摩擦係数の設定が可能であ
り、回転ローラを路面状況に応じて取り替えることなく
無段階で見かけ上の摩擦係数の選択ができる。また、A
SRの場合は、機械系損失パラメータの補正により走行
抵抗の補償が可能である。
【0042】上記A方式及びB方式の電気慣性制御回路
における、速度設定部、車重設定部及びトルク設定部各
パラメータを、それぞれの試験車種に応じソフトウェア
テーブル化するとより効率的に処理できる。
【0043】
【発明の効果】実路面走行時と同じく車輪とローラ間に
小スリップを起こさせる車体慣性模擬方式の試験装置に
あっては、機械フライホイール式に比し、車重設定を殆
ど無段階に簡単に行なうことができ装置全体を小型化で
きる利点を持ち、且つ模擬車台の回転ローラ速度は実車
体速度を模擬したものとなり、ABS及びASR機能を
正確、敏速に検証できる。また、車輪速度追従方式の試
験装置にあっては、車輪外周が路面から受ける摩擦トル
クを模擬することが出来、ブレーキ液圧やエンジントル
クの変化に対応する車輪加減速度の急激な変化に応じて
モータトルクを制御でき、実走行時と同様に加減速して
ABS及びASR機能を確実かつ敏速に検証できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車体慣性用及び車輪速度追従用のAB
S試験装置の模擬車台の中間部位を破断した正面図であ
る。
【図2】図1の模擬車台に被試験車両を載置した状態を
示す被試験車両を含む側面図である。
【図3】本発明の電気慣性制御回路のシステム構成ブロ
ック図である。
【図4】図3のトルク制限回路を車体慣性方式(A方
式)で構成した電気慣性制御回路のブロック図である。
【図5】図3のトルク制限回路を車輪速度追従方式(B
方式)で構成した電気慣性制御回路のブロック図であ
る。
【図6】ABS機能を検証した状況を示す図で、 (A);急なブレーキ開始よりブレーキ液圧の変動に対
応して変化する車輪速度の変化を示す図である。 (B);ブレーキ液圧の作動状況を示す図である。 (C);B方式によるABS機能テストにおける車輪速
度Bに対応するモータトルクBの時間的変動を示す図で
ある。 (D);A方式による上記ABS機能テストにおける車
輪速度Aに対応するモータトルクBの時間的変動を示す
図である。
【図7】ASR機能を検証した状況を示す図で、 (A);アクセル始動による車輪がスピンを起こさない
程度に上下するエンジントルクの変動に応じて変化する
車輪速度の変化を示す図である。 (B);前記エンジントルクの時間的上下の変動を示す
図である。 (C);B方式による上記ASR機能テストにおける車
輪速度Bに対応するモータトルクBの時間的変動を示す
図である。 (D);A方式による上記ASR機能テストにおける車
輪速度Aに対応するモータトルクBの時間的変動を示す
図である。
【図8】従来の機械的フライホイール式ABS試験装置
の概略の構成を示す模式的図面である。
【図9】図6の検知機構の概略の構成を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
3 車輪 11、12 回転ローラ 13、15 速度検出器 14 可変速モータ 20 模擬車台 21 電気慣性制御装置 22 インバータユニット 23a 速度指令演算部 24a 速度設定部 25 トルク制限回路 26 交流電力変換器 27 ベクトル制御部 28 速度調節部 29 加減速度演算部 30 慣性トルク演算部 31 車重設定部 34 トルク設定部 35 走行トルク演算部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被試験車両を載置して実路面走行を模擬
    する模擬車台と該車台を実路摩擦係数相当に制御する電
    気慣性制御回路とよりなり、 前記模擬車台は、車両の左右の前後輪のそれぞれを載置
    する4対の平行回転ローラと、前記各対の平行回転ロー
    ラの少なくとも一に可変速駆動モータを連結して駆動ロ
    ーラとした速度検出器付き可変速の駆動モータと、他の
    従動ローラに設けた速度検出器と、前記各対の駆動ロー
    ラと従動ローラとが同一周辺速度で回転できるようにし
    たタイミングベルト等を設ける構成とし、 前記電気慣性制御回路は、前記可変速モータの速度制御
    とトルク制御とをする速度調節部とベクトル制御部とよ
    りなるインバータユニットと、前記速度制御用の速度設
    定部と、該設定部の速度設定値により速度指令を出力す
    る運転ロジックと、ブレーキまたはアクセルにより惹起
    される加減速度を演算してトルク値を制限する回路とよ
    り構成したことを特徴とする複合試験装置。
  2. 【請求項2】 前記模擬車台の回転ローラは、低摩擦係
    数を形成する実路面と同じ摩擦係数を持つように構成
    し、 前記トルク制限回路は、モータの実速度を検出する速度
    検出器よりブレーキ時及びアクセル時の加減速度を演算
    する加減速度演算(ABSのときは減速度、ASRのと
    きは加速度)部と、慣性トルク演算部とより構成し、 慣性トルク演算部には、車重設定部よりの入力系とモー
    タ及びローラを含む機械系慣性分の入力系と機械系損失
    分の入力系を設け、前記加減速度により車体慣性トルク
    分及び機械系慣性トルク分と機械系損失トルク分を演算
    して前記速度調節部より出力するトルク指令をABSの
    ときは+、ASRのときは−に制限するように構成し、 ローラ加減速に応じた車体慣性重量に比例するトルクを
    出力できるようにしたことを、特徴とする請求項1記載
    の複合試験装置。
  3. 【請求項3】 前記模擬車台の回転ローラは、高摩擦係
    数を形成するように構成し、 前記トルク制限回路は、モータの実速度を検出する速度
    検出器よりブレーキ時及びアクセル時の加減速度を演算
    する加減速度演算部と、走行トルク演算部とより構成
    し、 走行トルク演算部には、モータ及びローラを含む機械系
    慣性分の入力系と機械系損失分入力系と定常走行に必要
    とする走行トルクを車両別に設定するトルク設定部とを
    設け、前記加減速による機械系慣性トルク分と機械系損
    失トルク分とトルク設定部よりの定常走行トルク分を加
    算し、前記速度調節部より出力するトルク指令を制御す
    るように構成し、 試験車輪の急激な加減速に対しても、常に一定の走行ト
    ルクを車輪に与える事ができるようにしたことを、特徴
    とする請求項1記載の複合試験装置。
  4. 【請求項4】 前記回転ローラに低摩擦係数を持たせた
    模擬車台に4輪車両を載置させ、前記電気慣性制御回路
    により前記車台の可変速モータを駆動させ、載置した車
    両の前後輪を所定速度で回転させ、その状態を維持した
    ままで運転者により当該車両に急ブレーキを操作させ
    る。上記ブレーキ操作後、前記前後輪と回転ローラ間の
    低摩擦係数による小スリップを起こさせ、ブレーキ力に
    よる回転ローラの減速度を演算して車体慣性重量に比例
    したトルクを前記駆動モータに出力させ、急ブレーキ操
    作後の車輪挙動を実路面走行時と同様に検証できるよう
    にしたことを、特徴とする複合試験装置を使用した電気
    慣性制御方法。
  5. 【請求項5】 前記回転ローラに高摩擦係数を持たせた
    模擬車台に4輪車両を載置させ、前記電気慣性制御回路
    により前記車台の可変速モータを駆動させ、載置した車
    両の前後輪を所定速度で回転させ、その状態を維持した
    ままで運転者により当該車両に急ブレーキを操作させ
    る。上記ブレーキ操作後、前記前後輪と回転ローラ間の
    高摩擦係数によるスリップ皆無の状態で、ブレーキ液圧
    の変化による車輪の加減速度の急激な変化に対しても常
    に一定の走行トルクを試験車輪に与えるようにモータの
    トルクを制御し、試験車輪を実走行時と同様に加減速し
    て、車輪速度追従のABS機能を検証することを、特徴
    とする複合試験装置を使用した電気慣性制御方法。
  6. 【請求項6】 前記回転ローラに低摩擦係数を持たせた
    模擬車台上に4輪車両を載置させ、車両を急発進させた
    とき模擬車台の回転ローラを介して可変速モータを回転
    させることにより、前記モータを発電させる状態とし、
    前後輪と回転ローラ間の低摩擦係数による小スリップを
    介在させる状態とし、運転者のアクセル操作後の回転ロ
    ーラの加速度を検出して車体慣性重量に比例したトルク
    を前記駆動モータに出力させ、アクセル操作後の車輪挙
    動を実路面走行時と同様に検証できるようにしたこと
    を、特徴とする複合試験装置を使用した電気慣性制御方
    法。
  7. 【請求項7】 前記回転ローラに高摩擦係数を持たせた
    模擬車台上に4輪車両を載置させ、車両を急発進させた
    とき模擬車台の回転ローラを介して可変速モータを回転
    させることにより、前記モータを発電させる状態とし、
    前後輪と回転ローラ間の高摩擦係数によるスリップの介
    在しない状態で、アクセル操作を介してのエンジントル
    クの変化による車輪の加減速度の急激な変化に応じて前
    記可変速の駆動モータのトルクを制御し、試験車輪を実
    走行時と同様に加減速して、車輪速度追従のASR機能
    を検証することを、特徴とする複合試験装置を使用した
    電気慣性制御方法。
  8. 【請求項8】 前記電気慣性制御回路の速度設定部は、
    予め設定される車種別のパラメータを記載したソフトを
    備えた請求項1記載の複合試験装置。
  9. 【請求項9】 前記トルク制限回路の車重設定部は、予
    め設定される車種別のパラメータを記載したソフトを備
    えた請求項2記載の複合試験装置。
  10. 【請求項10】 前記トルク制限回路のトルク設定部
    は、予め設定される車種別のパラメータを記載したソフ
    トを備えた請求項3記載の複合試験装置。
  11. 【請求項11】 前記トルク制限回路の機械系損失部
    は、該部における機械系損失のパラメータを可変とし、
    ASRにおける車速に応じ変化する走行抵抗及び機械系
    損失分の補償を可能にした請求項2、請求項3記載の複
    合試験装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265962A (ja) * 2006-02-28 2007-10-11 Hitachi Ltd レーザ溶接方法,コントロールユニットの製造方法、及び車両用コントロールユニット
CN100390521C (zh) * 2004-06-01 2008-05-28 北京理工大学 基于制动器惯性试验的汽车abs/asr装置实验台
JP2009287951A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Toyota Motor Corp 慣性負荷制御方法及び装置、並びに車両走行検査装置
JP2011164013A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Ono Sokki Co Ltd タイヤ試験装置
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