JPH0912671A - ポリウレタン溶液、ポリウレタン成形物及びそれらの製造方法 - Google Patents

ポリウレタン溶液、ポリウレタン成形物及びそれらの製造方法

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JPH0912671A
JPH0912671A JP7168766A JP16876695A JPH0912671A JP H0912671 A JPH0912671 A JP H0912671A JP 7168766 A JP7168766 A JP 7168766A JP 16876695 A JP16876695 A JP 16876695A JP H0912671 A JPH0912671 A JP H0912671A
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polyurethane
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polar solvent
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JP7168766A
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Yasuhiro Matsuzaka
康弘 松坂
Naohiro Murata
尚洋 村田
Keiko Ishikawa
恵子 石川
Hiroshi Takayanagi
弘 高柳
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 極性溶媒中において水酸基性活性水素を2個
有する分子量250〜4000の直鎖状分子と水酸基性
鎖延長剤の混合物と有機ジイソシアナートを反応させて
ポリウレタン溶液を製造し、極性溶媒を湿式、乾式にお
いて除去して成形物を製造する方法において、特定の片
ヒンダードフェノールと、ウレタン化触媒の両方を添加
した後反応させることを特徴とするポリウレタン溶液、
ポリウレタン成形物及びそれらの製造方法。 【効果】 水酸基性鎖延長剤を用いても、着色や粘度変
化を抑制した安定性の良いポリウレタン溶液を製造で
き、物性の優れたポリウレタン成形物を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバッチ方式によるポリウ
レタン溶液、ポリウレタン成形物の製造方法に関する。
詳しくは、水酸基性活性水素を2個有する分子量250
〜4000の直鎖状分子ジオール(以下、高分子ジオー
ルと称する)、水酸基性鎖延長剤と有機ジイソシアナー
トの反応を行うことによって透明で着色の無い安定なポ
リウレタン溶液を製造し、物性の優れたポリウレタン成
形物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実質的に橋かけ構造を有しないポ
リウレタン溶液から弾性繊維、弾性フィルム、エラスト
マー状の各種成形品、人工皮革の表面膜や各種塗料など
の表面被覆物、含浸剤などに優れたゴム状弾性を有する
種々の物品が製造されている。また、天然ゴムと比べて
機械強度が大きく、更に耐久性にも優れているという特
徴をもっている。このポリウレタン溶液は、極性溶媒中
において有機ジイソシアナートと比較的高分子のジオー
ル、鎖延長剤と反応させることにより製造され、その
後、溶媒を除去することにより成形物が製造されてい
る。この溶液を用いる方法は固体状のポリウレタンをそ
のまま加熱溶融することにより成形する方法に比べて室
温で流動性に富む系を扱えるため一般に取り扱いが容易
であり、装置的、工程的にも、より簡単に製造できると
いう特徴がある。
【0003】しかしながら、鎖延長剤として水酸基性活
性水素を有する化合物を用いる場合、水酸基とイソシア
ナート基の反応性がアミン性活性水素と比較して穏やか
なであること、ポリウレタン溶液を製造する最後の段階
では反応する末端の水酸基やイソシアナート基の数が少
なくなること、また、粘度が上昇することにより、反応
時間が非常に長くなるため、生産性が非常に悪いという
ことが問題となっている。溶媒中で水酸基性鎖延長剤を
用いた例として、特開昭48−58095には1,4−
ブタンジオールをジオキサン中で有機ジイソシアナート
と反応させる例が開示されており、60℃で3時間反応
した後にジオキサンを追加し、また更に5時間反応を行
わせるという記載がある。
【0004】また、一般に水酸基性活性水素とイソシア
ナート化合物を反応させる際には3級アミンのようなウ
レタン化触媒を併用することが知られている。反応時間
は触媒の添加量とほぼ直線関係があるため、触媒の量を
調節することにより反応時間を任意に設定できる。とこ
ろが、ポリウレタン溶液を製造する際には極性溶媒中で
反応を行う必要があり、極性溶媒中ではアミンが存在す
るとポリウレタン溶液が着色したり、製造したポリウレ
タン溶液が増粘、白濁を起こしてしまい、ポリウレタン
溶液の商品価値を著しく低下させてしまう。
【0005】また、本発明において使用する片ヒンダー
ドフェノールは、合成ゴム、ポリオレフィン、ABS樹
脂、AS樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂用途では公
知の化合物であり、合成ゴム、合成樹脂に混入して酸化
防止剤として用いられる。これら公知の方法は生成した
ポリマーに添加することによって酸化を防止する方法で
あり、アミン化合物と併用して用いること、合成反応前
に添加することは知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ポリウレタン溶液の商品価値を低下させず
に、上述のような低い生産性を向上させ、成形用の溶
液、表面被覆用の塗料溶液、若しくは含浸剤、接着剤溶
液として、透明で安定性が良く、着色や増粘等のない、
生産性の良いポリウレタン溶液を得、また、溶媒を除去
して成形物を製造する際にも物性を低下させないことで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討した結果、問題となる着色
はイソシアナート化合物と極性溶媒の反応により着色物
質が生成することに起因しており、その反応をアミン化
合物が促進することを見出した。このウレタン化反応以
外の副反応を抑制し、アミン化合物のウレタン化反応に
対する活性を維持するために片ヒンダードフェノール類
をを混合することにより、問題となる着色やゲル生成等
の増粘現象を起こさず、ポリウレタン溶液を製造でき、
また、成形物の物性が低下するどころか逆に向上すると
いう驚くべき知見を見出し、本発明に到達したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は次の(1)〜(6)の
通りである。 (1)極性溶媒中において水酸基性活性水素を2個有す
る分子量250〜4000の直鎖状分子と水酸基性鎖延
長剤の混合物と有機ジイソシアナートを反応させてポリ
ウレタン溶液を製造する際に、一般式(I)
【化2】 〔式中、R1、R2は、同一または相異なる、炭素数1〜
10の直鎖状又は枝別れのある飽和炭化水素基を、R3
は炭素数1〜10の直鎖状もしくは枝別れのある炭化水
素基、エーテル基又はチオエーテル基を示す。〕で表わ
される片ヒンダードフェノールと、ウレタン化触媒の両
方を添加した後反応させることを特徴とするポリウレタ
ン溶液。 (2)一般式(I)中、R1がメチル基、R2がtert
−ブチル基、R3がブチリデン基である、即ち一般式
(I)で表わされる片ヒンダードフェノールが4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチル
フェノール)である(1)記載のポリウレタン溶液。 (3)(1)又は(2)記載のポリウレタン溶液から極
性溶媒を湿式、又は乾式法により除去して製造されるポ
リウレタン成形物。 (4)極性溶媒中において水酸基性活性水素を2個有す
る分子量250〜4000の直鎖状分子と水酸基性鎖延
長剤の混合物と有機ジイソシアナートを反応させてポリ
ウレタン溶液を製造する際に、一般式(I)で表わされ
る片ヒンダードフェノールと、ウレタン化触媒の両方を
添加した後反応させることを特徴とするポリウレタン溶
液の製造方法。 (5)一般式(I)中、R1がメチル基、R2がtert
−ブチル基、R3がブチリデン基である、即ち一般式
(I)で表わされる片ヒンダードフェノールが4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチル
フェノール)である(4)記載のポリウレタン溶液の製
造方法。 (6)(1)又は(2)記載のポリウレタン溶液から極
性溶媒を湿式、又は乾式法により除去することを特徴と
するポリウレタン成形物の製造方法。
【0009】本発明におけるポリウレタン溶液の製造方
法は公知の方法と同様に次に挙げる2つの製法により製
造される。第1は、高分子ジオールと有機ジイソシアナ
ートの反応によりイソシアナート末端プレポリマーを製
造する第1工程、このイソシアナート末端プレポリマー
を溶媒に溶解後、水酸基性鎖延長剤を装入することによ
り鎖延長反応を行わせる第2工程の2つよりなる2段合
成法、第2は、極性溶媒中で高分子ジオールと鎖延長剤
の混合物と有機ジイソシアナートとを反応させる1段反
応法である。
【0010】本発明における2段合成法のポリウレタン
溶液の製造の第1工程は、高分子ジオールに対し当量比
で過剰量の有機ジイソシアナートを反応させて製造す
る。有機ジイソシアナートと高分子ジオールとの当量比
は1.1〜2.4が好ましく、さらに好ましくは1.4
〜2.0である。当量比が1.0、すなわち等当量の時
はこの第1工程で分子量が実質上無限大になり、その後
の製造が不可能になる恐れがあるので好ましくなく、ま
た、当量比が2.4を超えると反応しない有機ジイソシ
アナートが末端イソシアナートプレポリマー中に大量に
存在することからその後の鎖延長反応時に溶液が不透明
になる、不溶成分が大量に生成する、粘度が急上昇して
攪拌羽根に絡み付く等の事態を引き起こす原因になるた
め好ましくない。
【0011】第1工程の装入順序は有機ジイソシアナー
トと高分子ジオールを一括あるいは反応が進行する時間
よりも十分に短い時間であればどちらにどちらを装入し
て反応させてもかまわないが、有機ジイソシアナートを
高分子ジオールに少量ずつ滴下、あるいは定量ポンプ等
で連続装入する場合、あまり長い時間をかけて装入する
と分子量が実質上無限大になるため注意を要する。第1
工程の反応温度は好ましくは30〜120℃、さらに好
ましくは50〜80℃であり、30℃より反応温度が低
いと反応時間が延びてしまい、工業的に好ましくなく、
また、120℃より反応温度が高いとアロハネート結合
等が生成する等副反応が大量に起こり、粘度の上昇、ゲ
ル化などを起こす原因となるため好ましくない。
【0012】本発明における1段合成法は、高分子ジオ
ール、鎖延長剤、極性溶媒を混合した後、有機ジイソシ
アナートを滴下、あるいは一括で挿入して反応を行わ
せ、ポリウレタン溶液を製造する。高分子ジオール、水
酸基性鎖延長剤の当量の和と有機ジイソシアナートの当
量は、1.1〜0.9が好ましい。反応温度は反応が温
和に進行する温度であれば良いが、30〜100℃、好
ましくは50〜80℃である。
【0013】本発明において使用する有機ジイソシアナ
ートは、通常、ポリウレタン化学で使用される有機ジイ
ソシアナートを用いることができる。例えば、2,4−
トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシ
アナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、
2,2’−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,6
−ヘキサメチレンジイソシアナート、ナフチレンジイソ
シアナート、または、これらの混合物が挙げられる。好
ましく用いられるのは、成形物の物性等の理由から、
2,4’−及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシア
ナートを含む4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート(以下MDIと称する)である。なお、MDIは固
形で入手しても良いし、溶融状態で入手して使用しても
良いが溶融状態のMDIの方が溶解作業を省けるので好
ましい。
【0014】本発明において使用する高分子ジオールと
しては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコ
ール、又はこれらの共重合体、混合物等が挙げられる。
分子量が250未満では弾性性能が悪く、4000超で
はポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール製
造上困難となる。適当なポリエーテルグリコールの主な
ものはポリアルキレンエーテル、たとえばポリテトラメ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキ
サメチレングリコール等である。また、これらを製造す
る際に用いる単量体の混合物より製造されたランダム共
重合体、製造方法を変えたブロック共重合体も用いる事
ができる。成形物の物性より好適に用いられるのはポリ
テトラメチレングリコールである。
【0015】ポリエステルグリコールは公知のように、
2塩基酸と低分子グリコールとの重縮合より得られる。
2塩基酸としてはコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、
セバシン酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、アゼライン酸等が用いられ、また、低分子グリコー
ルとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリ
コール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等が使用で
きる。
【0016】本発明において使用する溶媒としては、ポ
リウレタン化学で公知のN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルム
アニリド、N−ホルミルピペリジン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−α−ピロリ
ドン、N−メチル−α−ピペリドン、N−メチルカプロ
ラクタム等のN置換アミド類、N−テトラメチルウレ
ア、N−アセチル−α−ピロリドン、N−アセチル−α
−ピペリドン、N−アセチルカプロラクタムなどのN置
換ウレア類、N−テトラメチルチオウレアなどのN置換
チオウレア類、ジメチルスルホキシド、テトラメチレン
スルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジイソプロピル
スルホキシド、ジ−n−プロピルスルホキシド、ジイソ
ブチルスルホキシド、ジ−n−ブチルスルホキシドなど
のスルホキソド類、及び、ヘキサメチルホスホリルアミ
ド、ヘキサエチルホスホリルアミドなどのN置換ホスホ
リルアミド類が挙げられる。また、溶媒中の水分は有機
ジイソシアナートと反応するため、蒸留あるいはモレキ
ュラ−シ−ブズ等の脱水剤を用いて脱水、精製すること
が望ましい。
【0017】本発明において使用する水酸基性鎖延長剤
は、イソシアナート基と反応できる1級または2級の水
酸基を有するものであれば良いが、低分子ジオールの他
にもアルカノールアミン等も用いる事ができる。低分子
ジオールはイソシアナートと反応出来る1級または2級
の水酸基を2個有するものであり、分子量が200以下
の比較的低分子のものが用いられる。例えば、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等のポリウレタンで
公知の化合物が挙げられる。アルカノールアミンとして
例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソ
プロパノールアミン等が挙げられる。
【0018】本発明に使用する片ヒンダードフェノール
は、合成ゴム、合成樹脂などの酸化防止剤として使用さ
れている公知化合物であり、例えば、4,4’−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’
−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)などが挙げられる。 本発明においては、有機ジ
イソシアナート化合物の種類、および組成により異なる
が、片ヒンダードフェノールの添加量はポリウレタン溶
液の不揮発分に対し、50ppm〜50000ppmが
好ましく、50ppmより少ないと効果が現われず、5
0000ppmより多く添加しても効果は変わらない。
更に好ましくは150ppm〜30000ppmであ
る。本発明に使用する片ヒンダードフェノールの添加方
法は、極性溶媒中で有機ジイソシアナートと水酸基性鎖
延長剤が反応する前までに添加すれば良く、反応直前に
直接添加するのはもちろん、あらかじめ極性溶媒中に添
加してもよいし、原料である有機ジイソシアナート、高
分子ジオール中に添加して反応を行わせてもよい。
【0019】不揮発分はポリウレタン溶液から極性溶媒
を除去して得られるポリマーの重量をポリウレタン溶液
の重量で割った値であり、ポリマー濃度とも呼ばれる。
本発明方法によれば、紡糸用原液、フィルムあるいは成
型用の溶液等に好適に使用できるポリマー濃度10%〜
60%のポリウレタン溶液を製造できる。本発明におい
て使用されるウレタン化触媒としては公知の3級アミ
ン、金属触媒が用いられ、3級アミンとして例えば、ト
リエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ジアザビシクロオクタン、N−メチルモルホリ
ン、N−エチルモルホリン、テトラメチルエチレンジア
ミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘ
キサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、
ビス(N,N−ジメチルアミノエチル)エーテル、2−
(N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチル
アミノ)エタノールなどが挙げられ、金属触媒としては
例えば、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエ
ート、オクチル酸鉛などが挙げられる。
【0020】本発明においては、公知の添加剤、たとえ
ば、染料、顔料、酸化防止剤、つや消し剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤等を得られたポリウレタン溶液に添加
することも出来る。本発明における1段合成法のポリウ
レタン溶液の製造は、高分子ジオール、水酸基性鎖延長
剤の水酸基に対し当量比で1.1〜0.9が好ましく、
ポリウレタンの分子量を考慮してさらに好ましくは1.
03〜0.97である。本発明においてポリウレタン溶
液より成形物を製造する際に溶媒を除去する方法として
は、ポリウレタン溶液を水、あるいは水/有機溶剤混合
系に入れ、溶解することにより溶媒を除去する方法でも
よく、また、ポリウレタン溶液を高温中、真空中に入れ
蒸発により溶媒を除去する方法でも良い。本発明におけ
る成形物の形状は成形法により、フィルム、シート、糸
状体にすることができる。
【0021】
【実施例】つぎに、本発明を実.例により更に詳細に説
明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでは
ない。実施例及び比較例の結果を表1に示す。例中特に
断らない限りすべての部および比率は重量基準による。
【0022】実施例、比較例の物性測定は、下記の方法
及び装置によって求めた。 フィルムの物性測定:フィルムの引っ張り強度、伸度
は、25℃においてテンシロンにより測定した(伸長速
度は、毎分300mm毎分)。 応力保持率:応力保持率は、以下の手順にしたがって
算出する。試験片を300%伸長後、1分間放置し、つ
いで元の位置に戻して3分間放置する。これをくり返
し、5回目の1分間放置後の応力と1回目の300%伸
長時の応力の比を以下の計算式により計算する(JIS
L−1096を応用した)。 応力保持率=100×(T−T’)/T (T:1回目300%伸長時の応力、T’:5回目1分
間放置後の応力)
【0023】
【表1】
【0024】比較例1 トルクメーター付きの反応器に数平均分子量1850の
ポリテトラメチレングリコール(以下、PTMEGと称
する)800部と、1,4−ブタンジオール(東ソー
(株)製)234部、脱水したN,N−ジメチルアセト
アミド(以下DMAcと称する)(三菱ガス化学(株)
製)3821部を装入し撹拌した。撹拌終了後、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(以下44M
DIと称する)99.3%と2,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアナート(以下24MDIと称する)0.7
%からなるMDI(三井東圧化学(株)製)642部を
滴下して加え、60℃以下で反応を行った。IRにより
イソシアナート基が残存しているかを確かめて反応を行
ったところ、MDI添加終了後から60℃で3時間を要
して透明なポリウレタン溶液を得た。反応後のポリマー
濃度は30%であった。このポリウレタン溶液の製造直
後の粘度は25℃で9200cpsであり、色相はAP
HA20であった。
【0025】また、製造されたポリウレタン溶液をガラ
ス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行
い、厚さ100μmのフィルムを作製し、物性試験に供
した。フィルムの物性は引っ張り強度が630kg毎平
方センチメートル、伸度は580%、応力保持率は69
%であり、十分に高物性であった。さらに、ポリウレタ
ン溶液の安定性は、25℃において4週間後にもゲル化
や濁り等は見られなかった。
【0026】比較例2 比較例1と同様の反応器にに数平均分子量1850のP
TMEG800部と、1,4−ブタンジオール(東ソー
(株)製)234部、DMAc(三菱ガス化学(株)
製)3821部、トリエチルアミン0.6部を装入し撹
拌した。撹拌終了後、44MDI99.3%と24MD
I0.7%からなる、MDI(三井東圧化学(株)製)
642部を滴下して加え、60℃以下で反応を行った。
IRによりイソシアナート基が残存しているかを確かめ
て反応を行ったところ、MDI添加終了後から60℃で
1時間反応を行うことによって透明なポリウレタン溶液
を得た。アミンを添加していない極性溶媒を用いないも
のと比較して反応性が3倍程度に向上したことを確認し
た。反応後のポリマー濃度は30%であった。このポリ
ウレタン溶液の製造直後の粘度は25℃で8500cp
sであり、色相はAPHA450であった。
【0027】また、製造されたポリウレタン溶液をガラ
ス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行
い、厚さ100μmのフィルムを作製し、物性試験に供
した。フィルムの物性は引っ張り強度が560kg毎平
方センチメートル、伸度は520%、応力保持率は61
%であり、物性的に満足するものではなかった。さら
に、ポリウレタン溶液の安定性は、25℃において4週
間ゲル化は起こらないが、2週間後に目視でも確認でき
る濁りが発生した。
【0028】実施例1 比較例1と同一の反応器に数平均分子量1850のPT
MEG800部と、1,4−ブタンジオール(東ソー
(株)製)234部、DMAc(三菱ガス化学(株)
製)3821部、トリエチルアミン0.9部、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチル
フェノール)(商品名:スミライザーBBM;住友化学
(株)製)を0.4部装入し撹拌した。撹拌終了後、4
4MDI99.3%と24MDI0.7%からなる、M
DI(三井東圧化学(株)製)642部を滴下して加
え、60℃以下で反応を行った。IRによりイソシアナ
ート基が残存しているかを確かめて反応を行ったとこ
ろ、MDI添加終了後から60℃で1時間反応を行う事
によって透明なポリウレタン溶液を得た。すなわち、ア
ミンのウレタン化反応に対する活性はほとんど変化して
いなかった。反応後のポリマー濃度は30%であった。
このポリウレタン溶液の製造直後の粘度は25℃で89
00cpsであり、色相はAPHA10であった。
【0029】また、製造されたポリウレタン溶液をガラ
ス板上にキャストした後、100℃で6時間乾燥を行
い、厚さ100μmのフィルムを作製し、物性試験に供
した。フィルムの物性は引っ張り強度が640kg毎平
方センチメートル、伸度は610%、応力保持率は70
%であり、十分に高物性であり、新品の極性溶媒を使用
した比較例3と比較しても物性は上回っていた。さら
に、ポリウレタン溶液の安定性は、25℃において4週
間後にもゲル化や濁り等は見られなかった。
【0030】実施例2 実施例1に使用される4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)の代わりに
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタンを用いること以外
はまったく同様にしてポリウレタン溶液を製造し、キャ
ストしてフィルムを製造した。反応はMDI添加終了後
より60℃で1時間反応させることによりIRでイソシ
アナート基の吸収は見られなくなった。ポリウレタン溶
液の製造直後の粘度は25℃で8800cpsであり、
色相はAPHA20であった。フィルムの物性は引っ張
り強度が630kg毎平方センチメートル、伸度は60
0%、応力保持率は70%であり、十分に高物性であっ
た。さらに、ポリウレタン溶液の安定性は、25℃にお
いて4週間後にもゲル化や濁り等は見られなかった。
【0031】実施例3 実施例1に使用されるトリエチルアミンの代わりにジア
ザビシクロオクタンを用いること以外はまったく同様に
してポリウレタン溶液を製造し、キャストしてフィルム
を製造した。反応はMDI添加終了後より60℃で45
分間反応させることによりIRでイソシアナート基の吸
収は見られなくなった。ポリウレタン溶液の製造直後の
粘度は25℃で9400cpsであり、色相はAPHA
20であった。フィルムの物性は引っ張り強度が630
kg毎平方センチメートル、伸度は590%、応力保持
率は69%であり、十分に高物性であった。さらに、ポ
リウレタン溶液の安定性は、25℃において4週間後に
もゲル化や濁り等は見られなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明に従えば、水酸基性活性水素を持
つ鎖延長剤を用いても生産性を落とすことなく、また、
商品価値を下げることなくポリウレタン溶液を製造する
事が可能となり、また、極性溶媒を除去して得られた成
形物は優れた物性を示すので、合成繊維やフィルムを製
造するための製造方法として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/564 D06M 15/564 (72)発明者 高柳 弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性溶媒中において水酸基性活性水素を
    2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子と水酸
    基性鎖延長剤の混合物と有機ジイソシアナートを反応さ
    せてポリウレタン溶液を製造する際に、一般式(I) 【化1】 〔式中、R1、R2は、同一または相異なる、炭素数1〜
    10の直鎖状又は枝別れのある飽和炭化水素基を、R3
    は炭素数1〜10の直鎖状もしくは枝別れのある炭化水
    素基、エーテル基又はチオエーテル基を示す。〕で表わ
    される片ヒンダードフェノールと、ウレタン化触媒の両
    方を添加した後反応させることを特徴とするポリウレタ
    ン溶液。
  2. 【請求項2】一般式(I)中、R1がメチル基、R2がt
    ert−ブチル基、R3がブチリデン基である、即ち一
    般式(I)で表わされる片ヒンダードフェノールが4,
    4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブ
    チルフェノール)である請求項1記載のポリウレタン溶
    液。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のポリウレタン溶液か
    ら極性溶媒を湿式、又は乾式法により除去して製造され
    るポリウレタン成形物。
  4. 【請求項4】 極性溶媒中において水酸基性活性水素を
    2個有する分子量250〜4000の直鎖状分子と水酸
    基性鎖延長剤の混合物と有機ジイソシアナートを反応さ
    せてポリウレタン溶液を製造する際に、一般式(I)で
    表わされる片ヒンダードフェノールと、ウレタン化触媒
    の両方を添加した後反応させることを特徴とするポリウ
    レタン溶液の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(I)中、R1がメチル基、R2がt
    ert−ブチル基、R3がブチリデン基である、即ち一
    般式(I)で表わされる片ヒンダードフェノールが4,
    4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブ
    チルフェノール)である請求項4記載のポリウレタン溶
    液の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載のポリウレタン溶液か
    ら極性溶媒を湿式、又は乾式法により除去することを特
    徴とするポリウレタン成形物の製造方法。
JP7168766A 1995-07-04 1995-07-04 ポリウレタン溶液、ポリウレタン成形物及びそれらの製造方法 Pending JPH0912671A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502814A (ja) * 2000-07-05 2004-01-29 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 特に熱可塑性ポリウレタン用の安定剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004502814A (ja) * 2000-07-05 2004-01-29 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 特に熱可塑性ポリウレタン用の安定剤

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