JPH0912302A - 酸素発生装置 - Google Patents

酸素発生装置

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JPH0912302A
JPH0912302A JP8111237A JP11123796A JPH0912302A JP H0912302 A JPH0912302 A JP H0912302A JP 8111237 A JP8111237 A JP 8111237A JP 11123796 A JP11123796 A JP 11123796A JP H0912302 A JPH0912302 A JP H0912302A
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JP
Japan
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oxygen
heat insulating
insulating material
housing
generating agent
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JP8111237A
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English (en)
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Shigeki Nishii
茂樹 西井
Satoshi Sakamoto
聡 阪本
Shigeru Kinoi
繁 木之井
Satoshi Kubotsuka
聡 窪塚
Tadahiro Masuma
忠弘 樽磨
Shigeto Miyazaki
重人 宮崎
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体を被覆するハウジングの温度を低下さ
せ、途中で熱分解の中止がされることがない酸素発生装
置を提供すること。 【解決手段】 キャンドル32の周囲に断熱材36が巻
装されており、これに更に、銅で成る筒体37が被覆さ
れ、これとハウジング40との間に環状の空間39を形
成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素発生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図32は従来例の酸素発生装置を示すも
のであるが、該装置は全体として1で示され、略円柱形
状を呈するが、その軸方向長さは約30cm、又、径は
約8cmである。同図において、酸素発生剤は「キャン
ドル」(Candle)と呼ばれているが、このキャン
ドル2は全体として略円柱形状に形成されており、これ
は図において右方から点火薬部3、開始剤部4及び第
1、第2主酸素発生剤部5a、5bから成っている。こ
れら点火薬部3、開始剤部4及び第1、第2主酸素発生
剤部5a、5bは、それぞれ主として塩素酸ナトリウム
NaClO3 及び鉄Feから成っている(粉末を圧縮成
型して成る)が、着火後の酸素流量を所定の時間的パタ
ーンにするために、その成分比を変えている。すなわち
図36で示すように、横軸に時間、縦軸に酸素流量をと
っており、初期には大量に酸素を発生し、その後、熱分
解が進行するにつれて流量を順次、小さくしているが、
これは、例えばロケットや飛行機で酸素が稀薄な高空で
事故が起きた場合、最初は酸素量を多く必要とし、低空
圏に突入するに従って酸素の必要量が減るので、これに
対応するようなパターンとしている。図32に示される
これら点火薬部3、開始剤部4及び第1、第2主酸素発
生剤部5a、5bから成るキャンドル2の全体は、点火
装置F側に金属で成るコップ形状のキャンドルホルダ6
が外嵌されており、酸素供給装置S側には同じく金属で
成るキャンドルサポート7を当てがっている。又、キャ
ンドルホルダ6の端面に、例えばシリカで成る断熱材8
を当接させており、同様にキャンドルサポート7と酸素
供給装置Sとの間には、例えば「ポプカライト」(一般
に化学プラントで酸化触媒として用いられるもので、主
成分は酸化銅CuO、三二酸化マンガンMn23 )で
成るフィルタ9を充填させている。更に、キャンドル2
の外周にはシリカで成る断熱材10が円筒状で嵌装され
ており、これに上述のキャンドルホルダ6を埋設させて
いる。場合によっては、断熱材10を2重構造とし、こ
れらの間にキャンドルホルダ6を介設させている。その
ため、キャンドルホルダ6部分の断面は、図33に示さ
れるようになっている。
【0003】キャンドル2、これに外嵌した断熱材1
0、この両側に配設されたキャンドルホルダ6及びキャ
ンドルサポート7、更に、この両側に配設された断熱材
8及びフィルタ9の全体は図示するように全体として円
柱形状であるが、これは金属、例えばステンレスで成る
ハウジング11で被覆されている。
【0004】キャンドルホルダ6の底面中央には開口が
形成されており、この開口周辺に雷管18を保持してい
る保持体14が溶接固定されており、この外周にはねじ
が切られているが、これと断熱材8を保持する筒体15
の内周がねじ係合している。これはハウジング11の右
端開口に嵌着され、金属で成るカバー12の中心孔に溶
接固定されており、又、この中心孔の外側はハンマーピ
ストン17を保持する筒体16に当接し、この内側が保
持体14に螺着している。ハンマーピストン17はばね
19により図において左方に付勢され、その端部は筒体
16から突出して、これに形成した孔にファイヤリング
ピン20が挿通されている。
【0005】本従来例による点火装置Fは、上述したよ
うにハンマーピストン17、ばね19、ファイヤリング
ピン20、保持体14、筒体15、16及び雷管18な
どから成っている。
【0006】ハウジング11の左端開口には同様に金属
で成るカバー21がフィルタ9に圧接して取り付けられ
ており、これにリリーフバルブ22及び酸素供給装置S
が取り付けられている。リリーフバルブ22はケーシン
グ内に配設された弁体26及びこれを図において右方へ
と付勢するばね25とからなっている。又、酸素供給装
置Sは断面が略L字形状の金具23をカバー21の開口
に取り付けられており、外方には人間に発生酸素を供給
するための導出パイプ24a、24bが取り付けられて
いる。金具23内には、ばね28により右方へ付勢され
ている弁体27が設けられているが、これにより逆止弁
が構成されている。
【0007】従来例の酸素発生装置1は以上のように構
成されるが、次にこの作用について説明する。
【0008】ファイヤリングピン20の摘み部20aを
もって、ハンマーピストン17の端部に形成した貫通孔
から抜き去ると、このハンマーピストン17はばね19
のばね力により勢い良く左方へと移動し、その先端部に
形成した突部17aが雷管18に衝突する。これにより
火花を発し、先ず点火薬部3に点火し、この中の鉄Fe
がFe23 と酸化する時に熱を発生し、これによりN
aClO3 が分解してNaCl(塩)と酸素とに成る。
この発生した酸素は図35で矢印Gで示すようにキャン
ドルホルダ6の底面から径外方向に向かい、断熱材10
を軸方向に通って、更にキャンドルサポート7の外周部
に形成した開口7aを通り、更にフィルタ9で塵埃や臭
気などを除去し、無味、清浄にして酸素供給装置Sから
導出パイプ24a、24bを通り外部に供給される。こ
の時、図35に示すように弁体27は発生した酸素の圧
力でばね28のばね力に抗して開弁している。更に、図
32で示されるキャンドル2の熱分解が進み、隣接する
開始剤部4の上述の熱分解を行なうのであるが、点火薬
部3で点火した後、開始剤部4の熱分解は高速度で行な
われ、この段階においては図36における開始時期で酸
素流量が最高となっている。次いで、図32に示される
第1、第2主酸素発生剤部5a、5bに熱分解が進行す
ると、同様にNaClO3 が分解して図36に示すパタ
ーンの流量で酸素が発生し、断熱材10、キャンドルサ
ポート7の開口7a(図34に明示される。)、フィル
タ9及び酸素供給装置Sを通って外部に供給される。
【0009】以上のようにして、キャンドル2が熱分解
していくのであるが、この全体が完全に熱分解すればN
aCl、すなわち塩が残るのみと成るが、場合によって
は完全に全体が熱分解することなく、図35に示すよう
にキャンドル2の途中mで熱分解が停止して、それ以
後、酸素が発生しない場合がある。これは使用状況によ
っては、非常に危険である。例えば、航空機に搭乗して
いる乗客にとって、事故で酸素が必要であるのに酸素発
生装置1からの酸素供給が止まっては非常に危険であ
る。なお、リリーフバルブ22は酸素発生装置1内の圧
力が異常に高くなった時に弁体26が開弁し、この高い
圧力を孔hを通って外方に解放し、事故を防ぐものであ
る。
【0010】又、キャンドル2から発生した酸素は高温
であるが、断熱材10を通過する時に温度を低下させ、
更にフィルタ9で低下して導出パイプ24a、24bか
ら排出される酸素の温度は充分に低下して人体に悪影響
を及ぼさない。然しながら、ハウジング11は断熱材1
0に当接しているので、ここを通る高温の酸素の熱が伝
達されて温度が上昇するが、外部に悪影響を与えない程
度に断熱材10の厚さを定めている。勿論、ハウジング
11の温度は低い方が望ましい。すなわち断熱材10の
機能はキャンドル2の熱分解面で発生した熱をハウジン
グ11に極力、伝えず、極力、キャンドル2の温度を上
昇させる目的をもっている。
【0011】なお、PCTWO93/17961号公報
では、酸素発生剤を充填させた筒状の断熱材の両端部を
各々金属で成る支持部材で支持し、該支持部材の一方側
に点火手段、他方側に酸素供給手段を設け、上記断熱材
及び支持部材を金属で成る筒状のハウジング内に収容さ
せた酸素発生装置を開示している。なお、この酸素発生
装置では、点火手段側の支持部材はスパッタシールド
(spatter shield)と称し、又、酸素供
給手段側の支持部材は、インテリア コア ロケータ
パーティション(interior core loc
ator partition)と称しているが、上記
従来例と同様な作用を行なうものである。酸素発生剤、
すなわちキャンドルの外周は断熱材で被覆されており、
この点火手段側がスパッタシールドで保持されている。
然しながら、その外方のハウジングと断熱材との間には
空間が図示されており、同公報ではこの空間は断熱材が
密に充填されているのか、あるいはその図示されている
程度にしか充填されていないのか、明細書では一切説明
されていないが、明らかに、この装置ではキャンドルか
ら発生した熱い酸素は、点火手段側の支持部材であるス
パッタシールドと断熱材との間を通り、更に断熱材とハ
ウジングとの間の空間及び他方の支持部材であるインテ
リア コア ロケータ パーテッションに形成した孔を
通って外部に供給される。よって、熱い酸素がハウジン
グと断熱材との間の空間を通ることにより、ハウジング
は上記従来例で述べたように、高温になることは明らか
である。
【0012】更に又、点火手段側の支持部材と断熱材と
の間を酸素が通ることにより、かなり酸素が冷却される
のであるが、酸素供給手段側の酸素発生剤の近傍を通る
時には、かなり冷却されている(ハウジングを加熱する
ことにより自身も冷却される)。よって、酸素供給側の
酸素発生剤は、点火手段側の酸素発生剤の加熱温度より
小さい。従って、上述したように、場合によっては点火
手段側の酸素発生剤の端部まで熱分解されない恐れがあ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みてなされ、キャンドル全体の熱分解を確実に行なう
ことができ、又、ハウジングの温度を極力、低下させる
ことができる酸素発生装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、請求項1
の発明によれば、酸素発生剤を充填させた筒状の断熱材
の両端部を各々、支持部材で支持し、該支持部材の一方
側に点火手段、他方側に酸素供給手段を設け、前記断熱
材及び前記支持部材を筒状のハウジング内に収容させた
酸素発生装置において、前記筒状の断熱材の外周を前記
酸素発生剤に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性
のある材質で成る筒体で被覆し、かつ該筒体と前記筒状
のハウジングとの間に筒状の空間を形成し、前記点火手
段の作動により前記酸素発生剤の熱分解により発生する
酸素を前記筒体と前記断熱材との隙間及び前記断熱材を
通り、前記酸素供給手段を介して外部に供給するように
したことを特徴とする酸素発生装置、によって解決され
る。
【0015】そのため請求項1の発明では、点火手段に
より酸素発生剤の熱分解を開始させるが、この時発生す
る高温の酸素は、酸素発生剤の外周面と前記酸素発生剤
に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材質
で成る筒体との間、すなわち、この筒体と断熱材との間
及び断熱材(通気性である)を通り、酸素供給手段から
外部に排出される。人間に使用しても充分に低い温度と
なっている。いわば、筒体はハウジングとの間に環状空
間を形成して、酸素発生剤に対する遮蔽体として働く。
又、点火手段側から酸素発生剤が熱分解していくのであ
るが、筒体は熱の遮蔽体として働くので、この熱は直ち
に筒体の内側全体にわたり、直ちに酸素供給手段側まで
伝達し、よって、この内側の酸素発生剤は一様に加熱さ
れ、点火手段側から熱分解していくのであるが、これは
確実に続行し、酸素発生剤が途中で熱分解を停止し予定
の酸素供給を行なうことができなくなるという危険を確
実に除くことができ、又、ハウジングと前記酸素発生剤
に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材質
で成る筒体との間に空気を含む空間が存在するので、空
気は謂わば断熱材の一種であり、かつ又、前記酸素発生
剤に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材
質で成る筒体は従来のように断熱材を介して直接、酸素
発生剤の熱分解による熱をハウジングに伝達させること
を防止し、謂わば空気層を介してハウジングに伝達する
ため、ハウジングの温度は従来より大巾に低下させるこ
とができる。更に、断熱材は従来より使用量を少なくす
ることができ、コストの低減及び全体としての重量を小
さくすることができる。
【0016】又、以上の課題は、請求項2の発明によれ
ば、酸素発生剤を充填させた筒状の断熱材の両端部を各
々、支持部材で支持し、該支持部材の一方側に点火手
段、他方側に酸素供給手段を設け、前記断熱材及び前記
支持部材を筒状のハウジング内に収容させた酸素発生装
置において、前記両支持部材のうち前記点火手段側の支
持部材は前記酸素発生剤に対して耐腐食性、反応不活性
であり耐熱性のある材質で成り、前記点火手段側に底部
を有する円筒形状であって、前記断熱材を介して前記酸
素発生剤全体を被覆するように前記酸素供給手段側に延
び、かつ前記ハウジングとの間に前記酸素発生剤に対し
ては気密な空間を形成させており、前記点火手段の作動
により前記酸素発生剤の熱分解により発生する酸素を前
記点火手段側の支持部材と前記断熱材との隙間及び前記
断熱材を通り、前記酸素供給手段を介して外部に供給す
るようにしたことを特徴とする酸素発生装置、によって
解決される。
【0017】請求項2の発明では、点火手段により酸素
発生剤の熱分解を開始させるが、この時発生する高温の
酸素は、この点火手段側の支持部材と断熱材との間及び
断熱材(通気性である)を通り、酸素供給手段から外部
に排出される。人間に使用しても充分に低い温度となっ
ている。ハウジングと点火手段側の支持部材との間に空
気を含む空間が存在するので、空気は謂わば断熱材の一
種であり、かつ又、前記酸素発生剤に対して耐腐食性、
反応不活性であり耐熱性のある材質で成る支持部材は従
来のように断熱材を介して直接、酸素発生剤の熱分解に
よる熱をハウジングに伝達させることを防止し、謂わば
空気層を介してハウジングに伝達するため、ハウジング
の温度は従来より大巾に低下させることができる。更
に、断熱材は従来より使用量を少なくすることができ、
コストの低減及び全体としての重量を小さくすることが
できる。
【0018】又、上記請求項2の発明によれば、ハウジ
ングに奪われていた熱が内側の酸素発生剤に加えられる
ので、全体として温度が従来より上昇し、よって途中で
熱分解が中断されることはない。
【0019】又、以上の課題は、請求項4の発明によれ
ば、酸素発生剤を充填させた筒状の断熱材の両端部を各
々、支持部材で支持し、該支持部材の一方側に点火手
段、他方側に酸素供給手段を設け、前記断熱材及び前記
支持部材を筒状のハウジング内に収容させた酸素発生装
置において、前記筒状の断熱材の外周を前記酸素発生剤
に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材質
で成る筒体で被覆し、前記筒体に複数の切り込みを入れ
て切片を形成し、かつ該切片を前記筒体と前記ハウジン
グとの間に形成された筒状の空間へと屈曲させて放熱用
のフィンとし、前記点火手段の作動により前記酸素発生
剤の熱分解により発生する酸素を前記筒体と前記断熱材
との隙間及び前記断熱材を通り、前記酸素供給手段を介
して外部に供給するようにしたことを特徴とする酸素発
生装置、によって解決される。
【0020】請求項4の発明では、断熱材を被覆する筒
体に複数の切り込みを入れて切片を形成し、かつこの切
片を筒状のハウジングとの間に形成された筒状の空間へ
と屈曲させて放熱用のフィンとしているので、筒体と断
熱材及び断熱材を通過する酸素の熱は、このフィンによ
って更に冷却され、そのため、供給される酸素の温度
は、充分に低下させることができるので、人間に無害な
温度で酸素を供給することができる。また、フィンを形
成するための切片は筒体の一部であるので、その構成は
簡素である。また、切片を環状の空間へと屈曲させたた
め、筒体の切片となった部分が開口となり、発生した酸
素がこの開口を介して環状の空間へと流れることがある
が、少量の酸素だけが空間へと流れ、空間が酸素によっ
て所定の圧力となると、発生した酸素はこの空間に流出
しない。そのため、所定量の酸素が流出した後は、空間
が断熱材として働くので、上記請求項1の発明及び請求
項3の発明と同様な効果が得られる。すなわちハウジン
グが熱くならず、また、発生した酸素の熱は酸素発生装
置内方にある酸素発生剤へと伝わるので、酸素発生剤が
加熱され完全に熱分解することができる。
【0021】更に、以上の課題は、請求項5の発明によ
れば、酸素発生剤を充填させた筒状の断熱材の両端部を
各々、支持部材で支持し、該支持部材の一方側に点火手
段、他方側に酸素供給手段を設け、前記断熱材及び前記
支持部材を筒状のハウジング内に収容させた酸素発生装
置において、前記ハウジングの前記点火手段側の開口を
覆う第1の蓋部材を設け、前記両支持部材のうち前記点
火手段側の支持部材は、前記酸素発生剤に対して耐腐食
性、反応不活性であり耐熱性のある材質で成り、前記点
火手段側に底部を有する円筒形状であって、前記断熱材
を介して前記酸素発生剤を被覆するように前記酸素供給
手段側に延び、かつ前記点火手段側の支持部材と前記ハ
ウジングとの間で軸方向に流れを導くような通路を形成
する通路形成部材が設けられており、前記点火手段の作
動により前記酸素発生剤の熱分解により発生する酸素を
前記点火手段側の支持部材と前記断熱材との隙間及び前
記断熱材を通ったのち、前記通路において、前記ハウジ
ングに最も近い最外側通路部分を最後に通過してから、
前記酸素供給手段を介して外部に供給するようにしたこ
とを特徴とする酸素発生装置、によって解決される。
【0022】請求項5の発明では、点火手段により酸素
発生剤の熱分解を開始させるが、この時発生する高温の
酸素は、この点火手段側の支持部材と断熱材との間及び
断熱材(通気性である)を通った後、通路形成部材によ
って形成される通路を軸方向に流れ、この通路のうちハ
ウジングに最も近い最外側通路部分を最後に通過するの
で、すなわち最外側通路部分を酸素が通過する際には、
高温であった酸素がすでに充分に冷却されているので、
酸素の熱がハウジングに伝えられたとしても、ハウジン
グの温度は従来より大巾に低下する。従って、酸素発生
装置の外周が熱くなることがない。更に、断熱材は従来
より使用量を少なくすることができ、コストの低減及び
全体としての重量を小さくすることができる。また、酸
素発生装置の内側にある酸素発生剤の近傍には、充分に
冷却されていない高温の酸素が流れるので、酸素の熱が
酸素発生剤に伝えられ、これにより酸素発生剤は一様に
加熱され、酸素発生剤が点火手段側から開始される熱分
解を確実に続行することができる。従って、途中で熱分
解を停止し予定の酸素供給を行なうことができなくなる
という危険を確実に除くことができる。
【0023】又、以上の課題は、請求項17の発明によ
れば、酸素発生剤を充填させた筒状の断熱材の両端部を
各々、前記酸素発生剤に対して耐腐食性、反応不活性で
あり耐熱性のある材質で成る支持部材で支持し、該支持
部材の一方側に点火手段、他方側に酸素供給手段を設
け、前記断熱材及び前記支持部材を筒状のハウジング内
に収容させ、前記酸素発生剤はアルカリ金属塩素酸塩又
はアルカリ金属過塩素酸塩を主成分とする酸素発生装置
において、前記酸素発生剤に熱伝導率が30W/(m・
K)以上の材質で成る小片を添加させたことを特徴とす
る酸素発生装置、によって解決される。
【0024】そのため請求項17の発明では、酸素発生
剤には熱伝導率が30W/(m・K)以上の材質、例え
ばステンレス鋼のような酸素発生剤よりも高い熱伝導率
の材質で成る小片が添加されているので、全体が完全に
熱分解する。すなわち、この酸素発生剤が点火側から順
次、熱分解していくのであるが、比較的熱分解速度を遅
くしている層に至ると、従来はこのために、これに隣接
する酸素発生剤を熱分解するのに熱量が少なくここで途
絶えることがあったが、この例えばステンレス鋼で成る
小片が、熱を未分解の層に効率良く伝達させることがで
き、従って、従来より高い温度から熱分解を行ない、よ
って以後、熱分解が途絶えることがなく、酸素発生剤全
体が完全に熱分解する。更に、例えばステンレス鋼で成
る小片によれば、各組成物間の結合を行なうことができ
る。すなわち、バインダの働きもする。例えばPCTW
O92−18423号公報では、やはり酸素発生装置を
開示しているが、この装置ではバインダとしてはガラス
粉(glass powder)、ガラスファイバー
(glass fiber)、セラミックファイバー
(ceramic fiber)、スチールウール(s
teel wool)又はこれらの混合物を挙げてい
る。然し、これらはスチールウールを除いて、その本来
のバインダ作用、すなわち結合作用を行なうだけで、酸
素発生剤において特に熱分解の遅い領域では発生する熱
量が小さくなり分解せず、未分解のまま残る恐れがあ
る。本発明ではこのような場合でも、確実に隣接する未
分解の酸素発生剤に熱を伝達し、従来より高い温度にし
て熱分解させることができる。よって、酸素発生剤全体
を完全に熱分解させることができる。このような作用、
効果はPCTWO92−18423号公報に載されてい
るバインダでは得られないし、そのような効果も開示し
ていない。スチールウールは熱伝達性を有するものと思
われるが、それ自身が繊維状でしかも絡まっており、分
散性がわるく、酸素発生剤の各組成物(粉末)に一様に
混合させることは困難であるう。然しながら、小片の集
合体は分散性、流動性があり、各組成物に均一に混合さ
せやすく、そのため熱伝導も均一となり、またその定量
的な取扱いもウールに比べ、はるかに容易である。
【0025】又、本発明によれば、従来のように鉄粉末
の燃焼だけで温度を上昇させるのではなくて、熱伝導率
が30W/(m・K)以上と酸素発生剤より高い熱伝導
率を有する小片による未分解領域への熱伝達により加熱
して行くので、酸素発生剤が外部に向って発生する熱量
は小とすることができ、よってハウジングの温度も従来
より低く抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の酸素発生装置では、点火
手段側の支持部材又は筒体と、ハウジングとの間で、断
熱材となる空気を含んだ空間が存在するので、断熱材及
び断熱材と点火手段側の支持部材及び筒体との間を高温
の酸素が通ったとしても、点火手段側の支持部材及び筒
体が遮蔽体として働き、かつ空気を含んだ空間が断熱材
として働くので、酸素の熱によってハウジング、すなわ
ち酸素発生装置の外周が熱くなることがなく、また酸素
は空気を含んだ空間の内側を通過するので、酸素発生装
置の内側にある酸素発生剤に酸素の熱が伝えられ、酸素
発生剤が一様に加熱されるため、酸素発生剤の熱分解が
確実に続行するので、途中で熱分解が停止し予定の酸素
供給を行なうことができなくなるという危険を確実に除
くことができる。すなわち、発生した酸素の熱を酸素発
生装置の外方へと伝えずに(逃がさずに)、酸素発生装
置の内方に熱を籠らせることによって、酸素発生装置の
外周が熱くならないという効果と酸素発生剤の熱分解を
完全に行なえるという効果が同時に得られる。
【0027】更に、空気を含んだ空間に突出するように
複数の放熱用フィンを設ければ、断熱材及び断熱材と点
火手段側の支持部材との隙間を通過する酸素が、一層、
冷却され、また断熱材を覆う筒体又は点火手段側の支持
部材に伝達された熱が放熱用フィンによって放熱される
ので、筒体又は点火手段側の支持部材の外部を覆うハウ
ジングは一層、熱くなることがない。なお、この放熱用
フィンは、断熱材を覆う筒体又は点火手段側の支持部材
上の比較的高い温度となる部分に密に設けられ、断熱材
を覆う筒体又は点火手段側の支持部材上の比較的低い温
度がなる部分には疎に設けるようにすれば、酸素発生装
置自体の重量を重くすることなく、効率よく放熱するこ
とができ、従って、筒体又は点火手段側の支持部材の外
周に設けられたハウジングの表面温度を平準化すること
もできる。また、空気を含んだ空間の中に、断熱材を覆
う筒体又は点火手段側の支持部材上の比較的高い温度と
なる部分には高密度で、断熱材を覆う筒体又は点火手段
側の支持部材上の比較的低い温度がなる部分には低密度
で、金属で成るウールを充填させても、断熱材及び断熱
材と点火手段側の支持部材との隙間を通過する酸素が、
一層、冷却されるし、筒体又は点火手段側の支持部材の
外周に設けられたハウジングの表面温度を平準化するこ
ともできる。
【0028】また本発明の酸素発生装置では、断熱材を
被覆する筒体に複数の切り込みを入れて切片を形成し、
かつこの切片を筒状のハウジングとの間に形成された筒
状の空間へと屈曲させて放熱用のフィンとしたので、上
記第1実施例と同じ重さの酸素発生剤であっても、酸素
は、放熱用のフィンによって一層、冷却される。また、
初期に発生する酸素が環状の空間に充填された後には、
この空間が断熱材となるので、その後に発生した酸素の
熱がハウジングに伝わることなく、酸素発生装置の内方
にのみ伝わり、すなわち酸素発生剤を加熱されるので、
酸素発生剤は完全に熱分解し、従って所定の時間的流量
パターンで酸素を発生させることができる。
【0029】また本発明の酸素発生装置では、点火手段
側の支持部材とハウジングとの間で軸方向に流れを導く
ような通路を形成する通路形成部材を設け、発生した酸
素がその通路を通過する時に、ハウジングに最も近い最
外側通路部分を最後に通過するので、すなわち、最外側
通路部分を通過する際には、高温であった酸素がすでに
冷却されているため、酸素の熱がハウジングに伝えられ
たとしても、酸素の熱によってハウジングが、すなわち
酸素発生装置の外周が熱くなることがない。また酸素
は、通路形成部材によって形成された通路のうち内側、
すなわち酸素発生剤側を通過する時にはまだ充分に冷却
されず高温であるので、高温の酸素の熱が手素発生剤に
伝えられ、酸素発生剤が一様に加熱されるので、酸素発
生剤の点火手段側からの熱分解が確実に続行する。従っ
て、途中で熱分解が停止し予定の酸素供給を行なうこと
ができなくなるという危険を確実に除くことができる。
すなわち、酸素発生装置の内方により熱い酸素が流れ、
外方には冷却された酸素が流れるので、発生した酸素の
熱を有効に利用して、酸素発生装置の外周が熱くならな
いという効果と酸素発生剤の熱分解を完全に行なえると
いう効果が同時に得られる。
【0030】また本発明の酸素発生装置では、酸素発生
剤に熱伝導率が30W/(m・K)以上と酸素発生剤よ
りも高い熱伝導率の材質で成る小片を添加することによ
り、熱分解速度が小さく、熱分解が不安定で断続しにく
い層や点火側から見て最後の層など、発熱量が小さく未
分解となる恐れのある層にも、熱を効率良く伝達させる
ことができ、従って、熱分解が途絶えることがなく、酸
素発生剤全体が完全に熱分解することができる。
【0031】更に、酸素発生剤は過酸化カルシウムを含
んでいるので、人体に無害であり、製造時の取り扱いや
廃棄に大きな制限を与えるようなことがない。
【0032】また、本発明の酸素発生装置の点火手段と
して、雷管を保持した雷管支持部材に、ハンマーピスト
ンを付勢しているばねを内設した筒体を、かしめによっ
て一体的に形成した点火手段を用いることで、従来より
部品点数を減らすことができ、そのため点火手段の構造
自体が簡素になるとの効果を得ることができる。
【0033】更に、酸素供給手段の弁体の端部に、環状
の密封部材を設けるような実施形態とすることで、酸素
供給手段のメンテナンスを容易とするために分解し易い
構成としても、弁体が弁座に着座するときには確実にシ
ールをすることができる。
【0034】また、第2の蓋部材と酸素供給手段側の支
持部材とを結合させるようにしたので、粗雑な取扱いや
振動を受けたとしても、これら2つの部材同士が酸素発
生装置の軸方向の動きを互いに規制し合い、これら部材
の間に充填されたフィルタを構成している粒が振動によ
る摩擦によって小さくなることを防止することができ、
そのためフィルタに空洞を生じることないので、発生し
た酸素が充分に、無臭、清浄にされて外部に供給するこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の各実施例による酸素発生装置
について図面を参照して説明する。
【0036】図1及び図2において第1実施例の酸素発
生装置は全体として31で示されているが、酸素発生剤
としてのキャンドル32は従来と同様に点火薬部33、
開始剤部34及び主部35a、35bとから成ってお
り、これらは従来と同様に略円柱形状である。この外周
部にシリカで成る、又は商品名が「ジュラブランケッ
ト」(化学成分:Al23 48%、SiO2 52%ー
一般的にはセラミックファイバ)で成る円筒状の断熱材
36が密着して嵌装しており、この外周面に本発明に係
わる銅で成る筒体37が取り付けられている。本実施例
によれば、この厚みは0.1mmと薄く断熱材36の外
周面に多少の凹凸があっても密に容易に巻着することが
できる。又、この点火装置F’側には上述と同様に、略
コップ形状の例えばステンレスなどの金属で成るキャン
ドルホルダ38が嵌着されており、この底部に中心孔3
8aが形成されているが、これに円筒状の雷管保持部材
44の一端が溶接されており、この外周は外筒体45に
螺着している。これは又、例えば金属で成るカバー42
の中心孔周辺に溶接されており、これにハンマーピスト
ン48を保持している筒体46が螺着固定されている。
雷管保持部材44内に雷管43が取り付けられて対向し
ており、ハンマーピストン48は、ばね47により図に
おいて左方に付勢されている。なお、41は断熱材であ
る。
【0037】本実施例では取扱いの注意を記載したラベ
ル49がピンPを介して取り付けられいるが、これと垂
直方向に従来例と同様に、ファイヤリングピンが挿通さ
れている(図示せず)。使用時にはこのラベル49をピ
ンPと共に取り外し、この後、ファイヤリングピンを従
来と同様にハンマーピストン48の端部から抜けば良
い。
【0038】酸素供給装置S’側では、キャンドル32
の端部に当接して断熱材36よりは少し堅い断面が台形
状の断熱材50が、例えばステンレスなどの金属で成る
ハウジング40の内面に密接して取り付けられている。
又、筒体37の左端部は径外方に屈曲してフランジ部3
7aとされ、断熱材50の外周部に当接している。よっ
て、ハウジング40と筒体37との間には気密な環状の
空間39が形成される。酸素供給装置S’側に例えばス
テンレスなどの金属で成るキャンドルサポート52がそ
の外周部をハウジング40に嵌着させて取り付けられて
おり、これに更に、断熱材50と同様な堅さの断熱材5
1が装着されている。キャンドルサポート52の形状は
図2及び図4で明示されるが、外周部に多数の円形開口
52aを形成させている。これに当接する断熱材51と
ハウジング40の左側開口端に取り付けられた同様な硬
質の断熱材54との間に、従来と同様に、例えばホプカ
ライトで成るフィルタ53が充填されている。断熱材5
4の外側に例えば金属で成るカバー60がハウジング4
0に対して取り付けられており、これに従来と同様な構
造のリリーフバルブ55及び酸素供給装置S’が取り付
けられている。すなわち、リリーフバルブ55は、弁座
形成部材66にばね64によって右方へと付勢された弁
体63を着座させており、酸素発生装置31の内圧が異
常に高くなった場合に孔h’から酸素を流出している。
また、酸素供給装置S’の金具56の内孔は、酸素発生
装置31の内側と連通し、この金具56には導出パイプ
57a、57bが接続されており、ここを通って外部に
酸素が供給される。なお、銅で成る筒体37の右端部は
キャンドルホルダ38の右端部内面で挟圧されて、この
部分と筒体37とキャンドルホルダ38との間は酸素に
対しシールされている。銅は軟性であるので、このシー
ルを容易に行なうことができる。
【0039】本発明の実施例による酸素発生装置31は
以上のように構成されるが、次にこの作用について説明
する。
【0040】使用に当っては、ラベル49をピンPと共
にハンマーピストン48から取り外し、これに対して垂
直方向に径方向孔に挿通しているファイヤリングピンを
抜く。これにより、従来と同様にハンマーピストン48
はばね47のばね力により、図1において左方に移動
し、雷管43と衝突する。これにより火花を発生し、点
火薬部33に点火し、この熱分解により酸素を発生す
る。これは大きな流量で発生するが、開始剤部34に着
火すると若干流量が低下し、酸素を発生し続ける。これ
は高熱であり、キャンドルホルダ38の底面に沿って径
外方向に流れ、更に筒体37と断熱材36との間及び断
熱材36を通り、図において左方へと流れ、キャンドル
サポート52に形成された多数の円形開口52aを通
り、更に断熱材51及びフィルタ53を通り、酸素供給
装置S’においては充分に冷却されており、人体には全
く影響を与えない程度となり、導出パイプ57a、57
bを通って外方に供給される。
【0041】本実施例においては、断熱材36の周囲に
円筒状の銅板で成る筒体37が嵌着されていることによ
り、これがいわば遮蔽体として働き、まず点火薬部33
及び開始剤部34から温度の高い酸素を発生するが、こ
れは断熱材36を介して、及び断熱材36と金属の筒体
37との隙間を通って左端部へと流れ、直ちに筒体37
内全体に熱伝達する。キャンドルホルダ38の底部とキ
ャンドル32の右端面との隙間及び筒体37と断熱材3
6との間の隙間を流れる高温の酸素により筒体37が直
接加熱され、次いで断熱材36を介して内部のキャンド
ル32が加熱される。これにより筒体37から径外方向
には熱が殆ど伝達されることなく、これが伝達されたと
しても空間39を介してハウジング40に伝達され、空
気はいわば断熱材であるので、ハウジング40は従来よ
り低温に保持される。
【0042】一方、筒体37全体が一様に加熱され、又
ハウジング40への熱伝達が遮断されるので、これから
の熱が断熱材36を介して内方のキャンドル32に伝達
されるために、全体として従来よりキャンドル32の温
度は高温に保持される。他方、右方から熱分解して、こ
の熱が左方へと伝達され、予め高温に加熱されて順次、
熱分解を行ない酸素を発生し、これは断熱材36又は断
熱材36と筒体37の間の隙間及び断熱材50、そして
更に、キャンドルサポート52の外周部に形成した多数
の円形開口52aを通り、そして断熱材51、フィルタ
53を通って酸素供給装置S’に導かれる。導出パイプ
57a、57bから人体に影響がない程度にまで冷やさ
れた酸素が外方に供給される。
【0043】以上述べたように、本発明の第1の実施例
の酸素発生装置31によれば、筒体37とハウジング4
0との間に環状の気密な空間39を形成しているので、
又、銅で成る筒体37が遮蔽体として働きキャンドル3
2が被覆されているが、ハウジング40に伝達される熱
量は非常に少なく、従って従来より大巾にハウジング4
0の温度を低下させ、又、筒体37によりキャンドル3
2からの熱分解による熱は空間39に伝達されるのを極
力減少し、かつ、これからの熱は内方のキャンドル32
全体に効率良く供給されることにより、キャンドル32
全体が一様に加熱される。従って、右方からキャンドル
32が順次、熱分解を行なって酸素を発生するのである
が、これが途中で途切れることなくキャンドル32全体
が熱分解して、最終的に図5に示すようにNaClO3
全体がNaClとなる。よって、所定の酸素流量を所定
のパターンで外部に供給することができる。
【0044】次に図6〜図10を参照して本発明の第2
実施例につき説明する。なお、第1実施例に対応する部
分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略
する。
【0045】すなわち、本実施例の酸素発生装置は全体
として31’で示されるが、点火装置F’側のキャンド
ル32の支持手段として、キャンドル32に対して耐腐
食性、反応不活性であり、耐熱性を有する材質、例えば
ステンレス(炭素鋼)で成るキャンドルホルダ38’
は、図6及び図7に明示されるように、一端に底部を有
する長い円筒形状を呈し、底部側は図6に明示されるよ
うにキャンドル32の点火装置F’側、すなわち点火薬
部33及び開始剤部34に対し、密着して嵌着してお
り、これによりキャンドル32の一端側の保持を確実に
行なうのであるが、酸素供給装置S’側の端部38b’
は拡径しており、ハウジング40と他方の支持手段とし
てのキャンドルサポート52’の外周端部52b’との
間に挟圧されている。よって、キャンドルホルダ38’
はハウジング40との間にキャンドル32に対し、気密
な空間39’を画成している。又、キャンドルサポート
52’の外周部には、多数の円形開口52a’が形成さ
れているが、これはキャンドルホルダ38’の拡径して
いる端部38b’の内側の空間と連通している。な
お、41’は断熱材である。
【0046】本発明の第2実施例による酸素発生装置3
1’は以上のように構成されるが、次にこの作用につい
て説明する。
【0047】使用に当っては、ラベル49をピンPと共
にハンマーピストン48から取り外し、これに対して垂
直方向に径方向孔に挿通しているファイヤリングピンを
抜く。これにより、従来と同様にハンマーピストン48
はばね47のばね力により、図6において左方に移動
し、雷管43と衝突する。これにより火花を発生し、点
火薬部33に点火し、この熱分解により酸素を発生す
る。これは大きな流量で発生するが、開始剤部34に着
火すると若干流量が低下し、酸素を発生し続ける。これ
は高熱であり、キャンドルホルダ38’の底面に沿って
径外方向に流れ、更にキャンドルホルダ38’の内周面
と断熱材36との間及び断熱材36を通り、図において
左方へと流れ、キャンドルサポート52’に形成された
多数の円形開口52a’を通り、更に断熱材51及びフ
ィルタ53を通り、酸素供給装置S’においては充分に
冷却されており、人体には全く影響を与えない程度とな
り、導出パイプ57a、57bを通って外方に供給され
る。
【0048】本実施例においては上述したように、キャ
ンドル32から発生した高温の酸素はキャンドルホルダ
38’の内周面と断熱材36との間の隙間及び断熱材3
6(通気性である)、更にキャンドルサポート52’の
多数の円形開口52a’を通ってフィルタ53により臭
気を消し、清浄にして、又塩素を補足して(これは第1
実施例も同様)、酸素供給装置S’から外部に供給され
るのであるが、ハウジング40とキャンドルホルダ3
8’との間には、キャンドル32とは気密な空間39’
が形成されており、空気は謂わば断熱材の一種であるの
で、キャンドルホルダ38’からの熱は輻射によりハウ
ジング40に伝熱されるのみであり、従来は断熱材10
を介してこれから直接ハウジング11に熱が伝熱された
のであるが、この断熱材36を介してこれから直接ハウ
ジング40に熱が伝熱されるよりも、はるかに熱量が少
なく、従って、ハウジング40の温度は従来より大巾に
低くすることができる。又、このような構成により従来
例を示す図32と比較しても分かるように、断熱材の厚
さを小とするのみならず、空間39’の断熱効果により
装置全体のサイズを従来より大巾に小とし、装置コスト
を大巾に低下させることができる。
【0049】更に、キャンドルホルダ38’は本実施例
ではステンレスでなるが、その内側を高温酸素が流れる
ので、A層、B層などの点火装置F’側で発生した熱を
速やかに左側端部まで熱伝達し、又、発生した高熱の酸
素はキャンドルホルダ38’と断熱材36との間の限ら
れた空間を流れるので、内方のキャンドル32全体を効
率良く加熱する。よって、従来よりキャンドル32全体
の温度を上げ、熱分解を途中で停止させることはない。
従って、図10に示すようにキャンドル32はすべて熱
分解されてNaCl(塩)となる。
【0050】酸素供給装置S’においては、弁体61は
キャンドル32の熱分解が始まると共に酸素の圧力によ
り開弁し、以後、図36で示すような時間的酸素流量パ
ターンでこれを使用する人間に酸素を供給することがで
きる。
【0051】図11は本発明の第3実施例による酸素発
生装置31”を示すが、上記実施例に対応する部分につ
いては同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0052】以上の第2実施例では、キャンドルホルダ
38’の酸素供給装置S’側は拡径し、その端部はハウ
ジング40の内周面とキャンドルサポート52’の外周
端部との間に挟圧させたが、本実施例では、これに代え
て、全体として円筒形状のステンレスで成るキャンドル
ホルダ38”の径を端部まで略一定とし、その端部にお
いては段付として拡径し、この拡径した端部38b”を
ハウジング40にそのばね力により挟圧保持させるよう
にしてもよいが、上記実施例と同様に、更に段付として
このキャンドルサポート52’の外周面とハウジング4
0の内周面との間に挟圧させるようにしている。本実施
例でも第2実施例と同様な効果を奏するが、更にハウジ
ング40とこのキャンドルホルダ38”との間に形成さ
れる気密な空間39”は第2実施例よりは容量が大とな
る。よって、断熱効果はより大となり、その他の構成は
全く同一であっても、ハウジング40の温度を更に低下
させることができる。又、内側のキャンドル32の温度
を更に上昇させることができ、より確実にキャンドル3
2が途中で熱分解停止させることを防止する。
【0053】また、発生した酸素が充分に冷却されずに
外部へと供給されるような場合には、上述した実施例の
空間3939’39”をハウジング40との間で形
成した筒体37(第1実施例)及びキャンドルホルダ3
8’、38”(第2、第3実施例)の外周に、空間
39’39”へと突出する複数の放熱用フィンを
設ければ、筒体37及びキャンドルホルダ38’、3
8”の熱は、空間3939’39”中に、この放熱
用フィンによって放熱されるので、キャンドルホルダ3
8’、38”及び筒体37と断熱材36との隙間及び断
熱材36を通過する酸素は、充分に低温となって外部へ
と供給される。なお、この放熱用フィンは、筒体37及
びキャンドルホルダ38’、38”上の高温となる部分
に密に設け、低温となる部分に疎に設ければ、例えば高
温となる部分には放熱用フィンのピッチを狭くし、低温
となる部分には放熱用のフィンのピッチを広くして設け
れば、酸素発生装置の全体の重量をあまり重くすること
なく効率よく、酸素を冷却することができる。
【0054】また、以上の実施例の空間3939’
39”に金属で成るウール、例えばスチールウールを充
填させれば、筒体37及びキャンドルホルダ38’、3
8”が遮蔽体として働くので、ハウジング40の表面温
度を低下させることができるが、更に筒体37及びキャ
ンドルホルダ38’、38”上の高温となる部分には高
密度で、また筒体37及びキャンドルホルダ38’、3
8”上の低温となる部分には低密度で、このスチールウ
ールを充填させてやれば、放熱用フィンを設けずとも、
酸素発生装置の全体の重量を重くすることなく、効率よ
く、酸素を冷却することができる。
【0055】また、高密度で設けたスチールウールと、
低密度で設けたスチールウールとの間に仕切りを設けれ
ば、振動を受けた場合でもスチールウールが可動せず、
これらスチールウールが所定の位置に所定の密度で配設
された状態を保持することができる。また、仕切りの代
わりに、例えば金網などに、スチールウールを、金属で
なる糸などによって、筒体37及びキャンドルホルダ3
8’、38”上の高温となる部分には高密度で、また筒
体37及びキャンドルホルダ38’、38”上の低温と
なる部分には低密度でくくり付けて、その金網を円筒状
にして空間3939’39”内に挿入しても、スチ
ールウールが可動せずに、所定の位置に所定の密度で配
設された状態を保持することができる。
【0056】次に、本発明の上記実施例による酸素発生
装置における酸素発生剤について説明する。なお、装置
としては酸素発生剤であるキャンドル2を除いて、図3
2の従来例の酸素発生装置1がそのまま適用されても、
本発明による酸素発生剤の効果が得られる。
【0057】すなわち、上記各本実施例では、酸素発生
剤、すなわちキャンドル32は表1で示すような組成物
としている。すなわち、点火装置F’側からA、B、C
及びD層(それぞれ点火薬部33、開始剤部34、主部
35a、35bに対応する)がそれぞれ表示するような
重量%で各成分を含んでいるが、主成分である塩素酸ナ
トリウム(NaClO3 )及び還元鉄粉末は、それぞれ
点火装置F、F’側からA、B、C及びD層で50、7
0、85及び87.5重量%及び27、18、6及び
2.5重量%とし、その熱分解速度を順次、遅くなるよ
うに構成されており、又、触媒としての酸化鉄Fe2
3 は9、10、7及び0重量%とし、酸化コバルト(酸
化鉄と同様に分解速度を高くする触媒的な働きがあると
思われる)はA層及びD層においてのみ9重量%及び1
重量%、過酸化カルシウム(CaO2 )は順次、3、
2、2及び2重量%、過塩素酸カリウム(熱分解速度を
低くする)はD層においてのみ3重量%、酸化ケイ素S
iO2 (成型助剤ー成型性の向上)はA層においてのみ
2重量%、そして本発明に係わるステンレス鋼で成る小
片はD層においてのみ4重量%含ませている。
【0058】
【表1】
【0059】各本実施例によれば、ステンレス鋼で成る
小片は図12に示すような形状を呈し、厚さが20μ
m、巾100μm、長さが2〜3mmの小板状形状を呈
し、厚さ20μm、巾100μmの長い帯材から所定ピ
ッチ、すなわち2〜3mmで切断して得られるものであ
る。このような小片は肉眼では粒状体として観測される
が、このような小片を多数、表1に示すようにD層に均
一に4重量%含有させている。又、このような小片の集
合体は分散性が良く、D層に均一に混合させることがで
きる。更に、小片は粒状体であるので取扱いが容易であ
る。なお、小片の大きさは10〜30μm厚さ、80〜
120μm巾、1〜5mm長さの範囲が好ましい。これ
以下は返って、伝熱性の効果が阻害され、これ以上では
他の組成物への均一混合が困難となる。
【0060】以上のようなキャンドル32を備えた酸素
発生装置の点火装置により、A層から順次、点火してい
くと従来例と同様に酸素を発生するが、図35で示すよ
うに、従来は熱分解を遅くしている領域においては途中
mで熱分解が停止することがあったが、上記実施例では
上述したようにこのようなことがなく、更に、ステンレ
ス鋼で成る小片が各組成のバインダの役割をするのみな
らず、上記実施例の構成の効果に加えて点火装置側から
の熱を未分解領域へと効率良く伝達させ、図32に示さ
れる従来例の酸素発生装置1の構成に適用したとして
も、従来より高い温度から熱分解させることができる。
従って、途中mで熱分解が停止されることが、より確実
に防止され、酸素供給装置S’側の端部まで完全に熱分
解させることができる。
【0061】又、上記各実施例によれば、A、B、C及
びD層に過酸化カルシウム3、2、2及び2重量%を含
有させており、上記熱分解時に発生する塩素ガスは毒性
であるので、従来は過酸化バリウムBa2 Oを用いてこ
れを補足して塩化バリウム(BaCl2 )としていた
が、本実施例では過酸化カルシウムによって、この塩素
ガスを塩化カルシウムとして補足し、予め有毒な塩素ガ
スを発生させないようにしているが(フィルタ53でも
塩素ガスを補足することができる)、従来では過酸化バ
リウム(Ba2 O)が毒性であるために、もし、不完全
な熱分解で酸素発生剤であるキャンドル32が残った場
合には、この中に過酸化バリウムを含んでいるので、こ
れを廃棄する時には人体に悪影響を与えないように、こ
の廃棄には大きな制限を与えていたが、上記各実施例に
よれば、過酸化カルシウムは人体に無毒であるので、こ
のような廃棄に従来のような大きな制限を与えることが
ない。
【0062】NaClO3 の熱分解により酸素を発生す
るのであるが、これと共に塩素ガスを発生する。これは
有毒であるので、これを補足するために酸素発生剤に従
来は過酸化バリウムBaO2 を添加させている。これに
より、上記熱分解を促進させると共に以下のような化学
式、すなわちBaO2 +Cl2 →BaCl2 +O2 の反
応で塩化バリウムに変換して、その毒性を無くすように
している。然しながら、この過酸化バリウムについて
も、近年毒性が問題視され、特に製造時の取扱い、廃棄
時の処分(熱分解が完全に行なわれない場合には、当然
これが残存する。)が問題となっている。
【0063】又、PCT、WO92/18423号公報
では、塩素を補足する添加物としてBaO2 の代わりに
Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、CaCO3 やMgC
3を開示している。然しながら、これらは塩素ガスと
反応すると、Ca(OH)2やMg(OH)2 の場合に
は、H2 Oを発生し、又、CaCO3 やMgCO3 の場
合には、CO2 を発生する。これらは酸素の発生と共に
発生するので、これらが、例えば人体に供する場合には
悪影響を及ぼさないように何らかの処理が必要とされ
る。なおまた、過酸化カルシウムは発生する酸素の流量
を安定化させる。
【0064】然しながら、本発明の酸素発生剤によれば
毒性のある過酸化バリウム(BaO2 )を使用せずと
も、従来と同様に酸素発生剤の熱分解を促進し、かつア
ルカリ金属塩素酸塩又は過塩素酸塩、例えばNaClO
3 から遊離する塩素ガスを無毒な添加物で確実に補足す
ることができる。
【0065】図13は本発明の第4実施例による酸素発
生装置71を示すが、上記実施例に対応する部分につい
ては同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0066】本実施例では、略円柱形状であるキャンド
ル32は一様なハッチングで示されているが、上記実施
例と同様に、これは点火薬部、開始剤部及び主部から成
っているが、これは図示省略する。キャンドル32を被
覆する断熱材36は、点火装置F”側、すなわち図にお
いて右側を断熱材36の左側端部近傍まで延びるキャン
ドルホルダ68の底部で支持されている。このキャンド
ルホルダ68は、キャンドル32に対して耐腐食性、反
応不活性であり耐熱性のある材質、例えばステンレスで
なり、点火装置F”側に底部を有する円筒形状であり、
ハウジング40との間で環状の空間を形成している。
【0067】キャンドル32及び断熱材36の酸素供給
装置S”側は、キャンドルサポート52”によって支持
されているが、キャンドル32とキャンドルサポート5
2”との間には、上記実施例と同様に断熱材50が設け
られており、更に本実施例では、略コップ形状の通路形
成部材69が断熱材50とキャンドルサポート52”と
の間に挟持されている。通路形成部材69の側部69c
は、環状の空間をキャンドル32に対して同心的に分
割するように図において右方へと延びており、本実施例
では、ハウジング40との間で最外側通路部分である通
73を形成し、キャンドルホルダ68との間で通路
を形成している。そのため、通路形成部材69は、発
生した酸素を通路72では右方へ、通路73では左方へ
と軸方向に導くために設けられている。なお、通路形成
部材69とキャンドルホルダ68の左側端部68aとの
間には、環状の空隙が形成されており、この空隙
介して断熱材36及び断熱材36とキャンドルホルダ6
8との隙間を通った酸素が、通路72へと導かれる。
【0068】更に、本実施例では、キャンドルホルダ6
8の右側に、中央部を点火装置F”の雷管保持部材4
4’に取りつけられた板状の金属、例えばステンレスで
なる耐振部材70が設けられている。この耐振部材70
の底部70bは、キャンドル32の右側の形状に添うよ
うな形状をしているが、その周縁部70aは右方へと屈
曲して、ハウジング40と係合している。更に、ハウジ
ング40の右側開口を覆う第1の蓋部材であるカバー4
2’の周縁部42b’は、左方へと屈曲してハウジング
40と係合しているが、これは耐振部材70の周縁部7
0aと突き合わせ溶接によって固着されている。なお、
耐振部材70は、通路形成部材69との間に環状の空隙
を設けており、この空隙は発生した酸素を通路72
から通路73へと導くためのものである。
【0069】従って、発生した酸素は、断熱材36を通
過した後、空隙、通路72、空隙、通路73及びキ
ャンドルサポート52”の円形開口52a”を通過し
て、すなわち、キャンドルホルダ68とハウジング40
との間に形成された通路7273のうち、通路73
最後に通過してから、酸素供給装置S”から外部へと供
給される構成になっている。
【0070】また本実施例では、ハウジング40の左側
開口には、板状の金属(例えばステンレス)でなる第2
の蓋部材であるカバー60’が設けられているが、カバ
ー60’の端部60a’は図において右方へと屈曲し、
ハウジング40に、キャンドルサポート52”の外周端
部52b”と突合わせ溶接で固着されている。なお、カ
バー60’とキャンドルサポート52”との間には、キ
ャンドルサポート52”と断熱材51を介し、カバー6
0’と断熱材54を介して、フィルタ53が充填されて
いる。カバー60’には従来と同様な構造を有するリリ
ーフバルブ55と、酸素供給装置S”の弁座形成部材7
4が設けられている。弁座形成部材74の内部には貫通
孔74aが形成されており、この貫通孔74aの一端
部、すなわち図において左側端部に、円錐形状の弁座7
4aaが形成されている。更に、貫通孔74a内には、
ばね62により右方へと付勢された弁体61’が設けら
れており、この弁体61’は、一端部に、すなわち図に
おいて左側端部に円錐状の着座部61a’を形成してい
る。この着座部61a’には環状の溝が設けられ、ここ
に環状の密封部材であるOリング77が嵌着されてお
り、そのため弁体61’の着座部61a’が弁座74a
aに着座する際には、しっかりとシールすることがで
き、すなわち確実に逆止弁として作用させることができ
る。なお、弁座形成部材74は、その左方をほぼL字形
状の金具56’に挿入して分解可能にしており、この金
具56’には、上記実施例の金具56と同様に、導出パ
イプ57a、57bが外部に取り付けられている。
【0071】更に、本実施例においては、点火装置F”
の雷管保持部材44’の右側端部には、筒体46’がカ
シメによって係合しており、このため点火装置F”を構
成する部品の点数が少なくなっている。雷管保持部材4
4’の段付の内孔44a’には、その左側に雷管43が
設けられているが、内孔44a’の右側は、筒体46’
の内孔46a’と整合し、これら内孔44a’及び内孔
46a’に介在してハンマーピストン48が、筒体4
6’に配設されたばね47により左方に付勢されて設け
られている。ハンマーピストン48は、上記実施例と同
様に、左側端部に突出部48aが設けられ、右側端部は
筒体46’から外部に突出し、そこに設けられた孔に図
示しないファイアリングピンが挿通されており、このフ
ァイアリングピンには、ラベル49が付けられたピンP
が取り付けられている。本実施例において雷管保持部材
44’、筒体46’、雷管43、ばね47及びハンマー
ピストン48よりなる点火装置F”は、カバー42’の
底部の中央に設けられた孔42a’に挿通しているが、
カバー42’は、雷管保持部材44’にレーザービーム
溶接で固着されている。
【0072】なお、キャンドルホルダ68の底部とキャ
ンドル32の右側端部との間には、断熱材36に連接さ
れた断熱材83が設けられており、この断熱材83は、
断熱材36よりも堅く、キャンドル32が熱分解を開始
した直後に発生する酸素が断熱材36へと流出するため
の径路をなし、かつ圧縮成型された堅いキャンドル32
と金属でなるキャンドルホルダ68とが当接する際のク
ッションの働きをしている。
【0073】本実施例の酸素発生装置71では、以上の
ような構成を有するが、次にこの作用について説明す
る。
【0074】使用に当たっては、ファイアリングピンを
ピンPと共にハンマーピストン48から抜く。すると、
上記実施例と同様に、ハンマーピストン48は、ばね4
7のばね力により、図において左方へと移動し、突出部
48aが雷管43に衝突し火花を発生する。この火花が
キャンドル32に点火し、キャンドル32が点火装置
F”側の右方より徐々に熱分解され、酸素を発生する。
この酸素は(熱分解し始めたときには断熱材83を通過
した後)断熱材36及び断熱材36とキャンドルホルダ
68の隙間を左方へと流れ、断熱材36の左側端部に至
った後、空隙を通過して、通路72を今度は右方へと
流れる。そして通路72の右側端部に至ると、空隙
通過して、次に通路73を左方へと流れ、キャンドルサ
ポート52”の円形開口52a”及び断熱材51を通過
し、フィルタ53へと流入する。フィルタ53では、従
来と同様に空気の埃や塵、臭気などを除去し、無味、清
浄にして、酸素供給装置S”の導出パイプ57a、57
bより外部に供給される。このとき、酸素供給装置S”
の弁体61’は、発生した酸素の圧力でばね62の付勢
力に抗して左方へと移動させられ、着座部61a’が弁
座74aaから離座して開弁する。
【0075】本実施例では、通路形成部材69によっ
て、キャンドルホルダ68との間に通路72を、ハウジ
ング40との間に通路73を形成しているので、更に、
高温の酸素は通路72を通過している間に徐々に冷却さ
れ、ハウジング40に最も近い最外側通路部分である通
73を通過する際には、すでに高温の酸素は冷却され
ており、そのため酸素の熱によりハウジング40が熱く
なることがなく、すなわち酸素発生装置71の外周が熱
くなることがない。
【0076】本実施例において、酸素発生装置71の表
面温度を測定した結果を図14に示す。図14におい
て、黒丸は本実施例の酸素発生装置71の表面温度、す
なわちハウジング40の表面温度を示し、また比較のた
めに従来例の酸素発生装置1の表面温度を白丸で示して
いる。図14のK、J、Iは、それぞれ酸素発生装置
1、71の端部からのハウジング11、40上の位置を
示しており、これらの位置は、図13及び図35に明示
されているように、位置Iは、キャンドル2、32の被
覆する断熱材10、36の右側端部に相当する位置、位
置Jはキャンドル32のほぼ中央部で、従来例の酸素発
生装置1においては、キャンドルホルダ6の周縁端部か
ら酸素が流出する位置であり、位置Kは、キャンドルサ
ポート7の開口7a又はキャンドルサポート52”の円
形開口52a”に酸素が流入する直前の位置である。図
14から明らかなように、従来例の酸素発生装置1のハ
ウジング11上の位置Jの温度はおよそ500°Fと高
温であり、位置I及び位置Kに比べておよそ100°F
も高く、又、要求値が例えば、500°F未満の場合に
は、かろうじてその要求を満たせるだけであった。これ
は、位置Jにおいて高温の酸素がキャンドルホルダ6の
端部から流出し、ハウジング11に酸素の熱が断熱材1
0を介して直接、伝わるためである。しかしながら、本
実施例の酸素発生装置71のハウジング40の位置Jで
は、その温度はおよそ400°Fとなっており、従来例
の酸素発生装置に比べて100°F程度、低下してい
る。故に本発明の酸素発生装置71の表面温度は、40
0°F付近にてほぼ平準化され、要求値が500°F未
満としても、その要求を充分満たすことができる。
【0077】また本実施例では、高温の酸素は、径内方
の通路72を通った後、径外方の通路73へと流れるた
め、すなわちキャンドル32の近くを通る酸素は高温で
あるので、高温の酸素の熱はキャンドル32に伝えら
れ、従ってキャンドル32の点火側から見て最後の方の
反応速度が遅い層でも、熱分解が途中で停止するような
ことはなく、そのため確実に予定の酸素供給を行なうこ
とができる。
【0078】更に、本実施例では、キャンドルホルダ6
8の近傍に、点火装置F”と中央部で係合する耐振部材
70を設け、耐振部材70の周縁部70a’及びカバー
42’の周縁部42b’をハウジング40に係合させ、
かつ耐振部材70の周縁部70a’とカバー42’の周
縁部42b’とを結合させるようにしたので、酸素発生
装置71が振動を受けた場合でも、カバー42’と耐振
部材70とが相互に振動を規制し合うので、キャンドル
32が欠けたり、キャンドル32がキャンドルホルダ6
8から脱落したりする恐れがない。また、耐振部材70
の底部70bは、キャンドル32の右側の形状に添った
形状をしているので、粗雑な取扱いや振動を受けたとし
ても、キャンドル32がキャンドルホルダ68から脱落
する恐れが、より少なく、従ってキャンドル32は、確
実に所定の時間的流量パターンで酸素を発生することが
できる。
【0079】また、本実施例で用いた点火装置F”で
は、筒体46’がかしめによって雷管保持部材44’に
一体的に固定されているので、部品点数をはるかに減ら
すことができ、そのため点火装置自体の構成を簡素にす
ることができる。更に、本実施例で用いた酸素供給装置
S”では、弁体61’の着座部61a’にOリング77
を配設しているので、シール性を高くすることができ、
また弁座形成部材74を金具56’に挿入しているの
で、メンテナンスなどの際には容易に分解できる。
【0080】また、本実施例では、カバー60’とキャ
ンドルサポート52”とを結合させたので、カバー6
0’とキャンドルサポート52”とが、軸方向にその動
きを規制し合い、その2つの部材の間に充填させたフィ
ルタ53の粒同士の摩擦が最小限に押えられるので、振
動などの摩擦により粒が小さくなりフィルタ53が充填
させた部分に空洞が生じるということを防止でき、その
ため、発生した酸素から塵や埃や臭気などを確実に除去
することができる。すなわち振動を受けた際のフィルタ
53の性能の低下を防止することができる。
【0081】すなわち、本実施例では、ハウジング40
が熱くならず、高温の酸素の熱がキャンドル32に伝え
られ、キャンドルの熱分解が停止することなく行なわ
れ、所定の酸素流量を得ることができるという上記実施
例と同様な効果が得られることに加えて、耐振性の向上
に伴って、通路7273を形成している通路形成部材
69が動いたり変形したりすることがなく、よって通路
7273の流通断面積が常に一定であるので、この通
7273を通過する酸素の冷却が確実に行なわれ
る。
【0082】次に、第5実施例について、図15及び図
16を参照して説明する。なお、上記実施例に相当する
部分については同一の符号を付し、その説明は省略す
る。
【0083】すなわち、本実施例の酸素発生装置は全体
として71’で示され、これは第4実施例の酸素発生装
置71とほぼ同じ構成を有しているが、本実施例では、
上記実施例のキャンドルホルダ68とほぼ同様な構成を
有するキャンドルホルダ68’の底部に設けられた開口
68c’に点火装置F”の雷管保持部材44’の左側端
部44b’が貫通されているが、キャンドルホルダ6
8’の左側端部は、通路形成部材69に当接している。
更に、キャンドルホルダ68’の左側端部には、図16
に示されるように複数の切欠き68a’が設けられ、こ
の切欠き68a’を介して、キャンドル32から発生し
た酸素が断熱材36及び断熱材36とキャンドルホルダ
68’との隙間を通った後、断熱材36の左側端部から
通路72へと流出する。
【0084】本実施例では上記第4実施例と同様な作
用、効果に加えて、キャンドル32の右側端部を支持し
ているキャンドルホルダ68’の端部を、通路形成部材
69に当接したので、キャンドル32の右側端部を支持
するキャンドルホルダ68’は、その左側端部において
支持され、従って、更に耐振性に優れた構造となる。ま
た、単にキャンドルホルダ68’の端部を当接して支持
させているだけであるので、すなわち溶接などを施して
支持させたのではないので、酸素発生装置の製作工程を
増やすことなく耐振性を向上させる。
【0085】なお、本実施例では、端部に切欠き68
a’を設けたキャンドルホルダ68’の端部を通路形成
部材69に当接させたが、この切欠き68a’はキャン
ドル32を被覆した断熱材36の中を通過した酸素が通
72へと流出するためのものであるので、複数の切欠
きではなく複数の開口を端部の近傍に有するようなキャ
ンドルホルダを設けて、その端部を通路形成部材69に
当接させるようにしてもよく、この場合にも同様な効果
が得られることは明らかである。
【0086】次に、第6実施例について、図17乃至図
23を参照して説明するが、上記実施例に相当する部分
については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0087】本実施例の酸素発生装置は全体として7
1”で示され、これは上記実施例の酸素発生装置71、
71’と、ほぼ同様な構成を有するものであるが、キャ
ンドル32の右側には、これを支持するキャンドルホル
ダ78が設けられている。キャンドルホルダ78は、上
述したキャンドルホルダ68、68’と同様に、キャン
ドル32に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性の
ある材質、例えばステンレスでなり、点火装置F”側に
底部を有する円筒形状であり、その底部に設けられた開
口78cに点火装置F”の雷管保持部材44’の左側端
部44b’が嵌通されているが、本実施例では、その左
側端部には図18で示されるような複数のスリット状切
欠き78aがほぼ等角度間隔で設けられている。このス
リット状切欠き78aは、キャンドルホルダ78の一部
を外方に切り開くことによって形成されており、そして
その切り開いた一部は、スリット状切欠き78aの両側
で第1の突出部である突出部78bとなっており、この
突出部78bは本実施例では通路形成部材69’の内周
に圧接している。そのため、スリット状切欠き78aの
幅は、通路形成部材69’に圧接している突出部78b
の2倍(両側に切り開いたので)となっている。また、
通路形成部材69’は、図17で示されるように端部が
耐振部材70に当接するように延びており、その端部に
は複数のスリット状切欠き69a’が、図19で示され
るようにほぼ等角度間隔で形成されている。このスリッ
ト状切欠き69a’は、キャンドルホルダ78のスリッ
ト状切欠き78aと同様な構成をしており、すなわち通
路形成部材69’の一部を外方に切り開くことによって
スリット状切欠き69a’を形成し、その両側に切り開
いた一部が、第2の突出部である突出部69b’として
設けられている。また、この突出部69b’は、ハウジ
ング40の内周に圧接している。なおこの場合のスリッ
ト状切欠き69a’の幅は、突出部69b’の2倍にな
っている。
【0088】本実施例の作用は第4実施例と同様な作用
を行なうので説明は省略するが、本実施例では、キャン
ドルホルダ78の端部の近傍に設けられた突出部78b
が通路形成部材69’の内周に圧接し、かつ、この通路
形成部材69’の端部の近傍に設けられ突出部69b’
がハウジング40の内周に圧接しているので、通路形成
部材69’の端部が第2の突出部である突出部69b’
によってハウジング40に支持され、また通路形成部材
69’の内周にキャンドルホルダ78の端部が、第1の
突出部である突出部78bを介して支持されることにな
るので、キャンドル32の右側端部を支持しているキャ
ンドルホルダ78の径方向の動きが抑制されるので、通
路形成部材69’が補強され、酸素が通過する通路
73の変形を防止することができる。更に、キャン
ドル32は、その右側を耐振部材70及びカバー42’
により、またその左側はキャンドルサポート52”によ
り支持されて振動による動きを規制されているだけでは
なく、キャンドル32の径外方向の動きをも抑制される
ので、より耐振性に優れた構造としている。そのため、
振動や粗雑な取り扱いを受けても、キャンドル32がキ
ャンドルホルダ78やキャンドルサポート52”から脱
落したり、欠けたりすることがなく、確実に所定の酸素
を発生させることができる。なお、本実施例では、通路
形成部材69’の端部を耐振部材70に当接するように
したので、すなわち通路形成部材69’を両持ちで支持
したので、またこの通路形成部材69’に係合している
キャンドルホルダ78も両持ちで支持しているので、キ
ャンドルホルダ78に右側を支持されているキャンドル
32が振動を受けたりしても容易に動くことがない。従
って、本実施例では、ハウジング40が熱くならず、ま
たキャンドル32が完全に熱分解されるという上述の効
果に加えて、振動を受けたとしても、酸素が通る通路
73が変形することなく、高温の酸素が確実に冷却
される。
【0089】また、本実施例では、キャンドルホルダ7
8に設けた突出部78bは、スリット状切欠き78aを
設けるときに一度に形成されるようにしたので、また通
路形成部材69’に設けた突出部69b’も、スリット
状切欠き69a’を設ける際に同時に形成されるように
したので、突出部78b及び突出部69b’をスリット
状切欠き78a及びスリット状切欠き69b’と別々の
工程で設ける必要がなく、そのため突出部78b、69
b’を設けたとしても、キャンドルホルダ78及び通路
形成部材69’自体の製作工程が多くなることがない。
【0090】なお、本実施例では、キャンドルホルダ7
8に酸素を断熱材36から通路72に流出させるための
スリット状切欠き78aを設けたが、これは開口にして
もよく、また、その端部を通路形成部材69’に当接す
るようにしてもよい。また、通路形成部材69’に酸素
を通路72から通路73に流出させるためのスリット状
切欠き69a’を設けたが、これも切欠きに限定され
ず、開口にして、通路形成部材69’の端面の全周で耐
振部材70に当接させれば、スリット状切欠き69a’
を設けて当接した場合よりも、一層、耐振性が高くなる
ことは明らかである。なお、本実施例では、これら突出
部78b及び突出部69b’は、通路形成部材69’及
びハウジング40に圧接しているだけであるので、酸素
発生装置の製作工程を増やすことなく、耐振性を高める
ことができる。
【0091】また図19に示されるように、通路形成部
材69’に形成した突出部69b’のすべてを径外方に
突出させハウジング40の内周に圧接するようにした
が、突出部69b’の一部を径内方に折り曲げてキャン
ドルホルダ78の外周に圧接させるようにしてもよい。
この場合には、通路形成部材69’が、その端部でハウ
ジング40と係合するだけでなく、キャンドルホルダ7
8とも係合することになるので、径方向の動きが一層、
抑制され、耐振性を一層、向上させることができる。
【0092】また、上記第6実施例では、突出部78b
及び突出部69b’をハウジング40の軸方向に延びる
ように形成したが、端部の近傍に環状の突出部を設ける
ようにして、この突出部を通路形成部材69’やハウジ
ング40の内周に圧接させるようにしてもよい。すなわ
ち図20乃至図22に示される酸素発生装置75のよう
に、上述のキャンドルホルダ78と同様な材質及び形状
を有するキャンドルホルダ78’の端部に複数の開口7
8a’を設け、その端部を通路形成部材69”に当接さ
せ、かつ端部の近傍に通路形成部材69”の内周に圧接
する環状の突出部(第1の突出部)78b’を形成さ
せ、更にここに複数の開口78ba’を設けたり、通路
形成部材69”の端部に開口69a”を設けて、その端
部を耐振部材70に圧接させ、かつ端部の近傍にハウジ
ング40の内周に圧接する環状の突出部(第2の突出
部)69b”を設け、更にこの突出部69b”に複数の
開口69ba”を設けるようにしてもよい。なお、この
場合には、環状の突出部78b’及び環状の突出部69
b”が、その内接している通路形成部材69”及びハウ
ジング40”の内周面の全周で係合するので、上記の第
6実施例の突出部78b、69b’よりも強固に支持す
ることができる。従って、この場合にも、上記で述べた
効果、すなわちキャンドル32が完全に熱分解すること
ができ、ハウジング40が熱くならないという効果を有
するが、耐振性に優れた構造としたため通路7273
が変形することなく、そのため確実に最外側通路部分の
通路73に酸素が至るまでに酸素が冷却されるので、従
って、ハウジング40が熱くならないという効果を、更
に一層、確実に奏することができる。
【0093】更に、図23に示される酸素発生装置7
5’のように、上述のキャンドルホルダ78と同様な形
状のキャンドルホルダ78”の端部に複数の切り込みを
入れて切片とし、その先端部が通路形成部材69の内周
に圧接するように切片を径外方に屈曲させて突出部78
b”を形成し、更にこの突出部78b”を形成したこと
によって開口78a”が形成されるようにしてもよい。
なおこの場合には、発生した酸素は断熱材36からは開
口78a”を通過した後、突出部78b”同士の間を通
過して通路72へと流出するように、図23において
は、径外方へ屈曲させた突出部78b”と、突出部78
b”とならずに通路形成部材69に係合する切片とが交
互に形成されている。更に、この図では、キャンドルホ
ルダ78”の端部に軸方向と平行に切り込みを入れて、
突出部78b”の形状が長方形となるようにしたが、端
部の切り込みを軸方向に対して斜めに、かつ隣り合う切
り込みの方向が交互に異なるようにして、突出部の形状
が三角形状や台形形状などとなるようにしてもよい。ま
た、これら突出部の中央に、貫通孔を形成して、断熱材
36から通路72へと流出する酸素の流通断面積が大き
くなるようにしてもよい。更に、キャンドルホルダの端
部に、軸方向に対して斜めに切り込みを入れて、同一円
周上で折り曲げずに軸方向と平行に折り曲げて、三角形
状の突出部を設けるようにしてもよい。
【0094】次に、本発明の第7実施例の酸素発生装置
80について図24を参照して説明するが、上記実施例
と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細
な説明は省略する。
【0095】本実施例では、通路形成部材69の外周
に、その底部79cの中央に設けられた孔を点火装置
F”の中央に、すなわち雷管保持部材44’の左側端部
44b’に係合させた閉鎖部材79が設けられている。
閉鎖部材79の側部79aは、通路形成部材69の側部
69cを覆うようにキャンドルサポート52”の近傍に
まで延び、その端部は径外方に突出した環状のフランジ
部79aaとなっていて、ハウジング40との間で気密
な空間89を形成している。更に、閉鎖部材79と通路
形成部材69との間には、最外側通路部分である通路
3’が形成されており、この通路73’には、通路形成
部材69の右側端部と閉鎖部材79との間に設けられた
環状の空隙q’を介して、通路72から、発生した酸素
が導かれる。
【0096】このような構成を有する酸素発生装置80
では、点火装置F”によりキャンドル32の熱分解が開
始され酸素が発生されると、この酸素は、上記実施例と
同様に断熱材36の左側端部まで流れ、そして空隙
通過して通路72を右方へと流れ、空隙q’を介して通
73’を左方へと流れ、キャンドルサポート52”、
フィルタ53を介して酸素供給装置S”から外部へと供
給される。
【0097】本実施例では、高温の酸素が通路形成部材
69によって形成される通路7273’を通過する際
には、ハウジング40に最も近い最外側通路部分の通路
73’を最後に通過し、更に、ハウジング40と通路
3’との間には気密な空間89が設けられているので、
酸素の熱がハウジング40に伝わることはまずなく、仮
に伝わったとしてもその熱量は少量であり、従って、第
4実施例の酸素発生装置71の表面温度、すなわち図1
4で示された表面温度よりもハウジング40の温度が低
くなり、かつ平準化されることは明らかである。従っ
て、本実施例の酸素発生装置80では、その外周が熱く
なることはない。
【0098】また、本実施例においても、酸素発生装置
80の内周側、すなわちキャンドル32に近い通路を、
冷却される前の高温の酸素が流れるので、酸素の熱はキ
ャンドルホルダ68及び断熱材36を介してキャンドル
32に伝えられ、そのためキャンドル32が一様に加熱
されるので、熱分解速度が遅く未分解になりやすい部分
でも、確実に熱分解を行なうことができ、従って所定の
時間的流量パターンで酸素を外部に確実に供給すること
ができる。
【0099】次に、第8実施例について図25及び図2
6を参照して説明するが、上記実施例と同様な部分につ
いては、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0100】本実施例の酸素発生装置80’では、キャ
ンドル32の右側を、点火装置F”側に底部を有した略
コップ形状の例えばステンレスなどの金属でなるキャン
ドルホルダ88が支持している。キャンドルホルダ88
は、その底部の中央の孔88hを点火装置F”の中央
に、すなわち雷管保持部材44’の左側端部44b’に
係合させており、キャンドルホルダ88の側部には、径
外方向に突出するリング状に形成された複数の環状突出
部88a、88b、88c、88d、88e、88f、
88gが設けられている。この環状突出部88a、88
b、88c、88d、88e、88f、88gによっ
て、通路形成部材69とキャンドルホルダ88とによっ
て形成されている通路72’は、環状の通路82a
2b82c82d82e82fに分割されてい
る。更に、環状突出部88a、88b、88c、88
d、88e、88f、88gの一部には、切欠き88a
a、88ba、88ca、88da、88ea、88f
a、88gaが設けられており、これらの切欠き88a
a、88ba、88ca、88da、88ea、88f
a、88gaは隣り合う環状突出部88a、88b、8
8c、88d、88e、88f、88gの切欠き88a
a、88ba、88ca、88da、88ea、88f
a、88gaと、本実施例では所定角度、180°で対
向する位置に設けられている。すなわち、環状突出部8
8a、88c、88e、88gの切欠き88aa、88
ca、88ea、88gaは図においてキャンドル32
の上方に設けられており、環状突出部88b、88d、
88fの切欠き88ba、88da、88faは、図に
おいてキャンドル32の下方に設けられている。
【0101】そのため、発生した酸素は、図26の矢印
Nで示されるように空隙を通過した後、環状突出部8
8aの切欠き88aaを介して環状の通路82aに至
り、環状の通路82aを左又は右に旋回し、環状突出部
88aの隣りの環状突出部88bの切欠き88baを通
過して、環状の通路82aの左隣にある環状の通路82
に至る。このようにして、酸素は、環状の通路82
82b82c82d82e82fを旋回し
ながら、切欠き88aa、88ba、88ca、88d
a、88ea、88fa、88gaを介して、図25に
おいて通路72’を右方へと軸方向に流れていく。そし
て、環状の通路82fから切欠き88gaを通過した酸
素は、空隙を介して通路73へと流れ、更にこの通路
73を左方へと軸方向に流れ、キャンドルサポート5
2”及びフィルタ53を通過して、酸素供給手段S”か
ら外部へと供給される。
【0102】本実施例では、発生した酸素は、環状突出
部88a、88b、88c、88d、88e、88f、
88gによって環状の通路82a82b82c
2d82e82fに分割された通路72’を、これ
ら環状の通路82a82b82c82d82
82fを旋回しながら、軸方向に流れるので、すな
わち通路72’を流れる酸素は、酸素発生装置80’の
大きさを上記実施例と同様な大きさとしても、その径路
が長くとることができるので、通路72’から流出され
る酸素は、上記第4実施例乃至第7実施例よりも充分に
冷却されるので、すなわちハウジング40に最も近い最
外側通路部分の通路73に流入する際には高温であった
酸素は充分に冷却されるので、従って、ハウジング40
の大きさをそのままとしても、ハウジング40が一層、
低温となり、従って酸素発生装置80’の外周が熱くな
ることがない。なお、本実施例の場合も、図14で示さ
れたハウジング40の表面温度よりもハウジング40の
温度が、低く、かつ平準化されることは容易に予想され
る。
【0103】また、本実施例では、酸素発生装置80’
のキャンドル32に近い通路72’を通過する酸素はま
だ充分に冷却されておらず高温であり、従ってキャンド
ル32に高温の酸素の熱がキャンドルホルダ88及び断
熱材36を介してキャンドル32に伝えられるので、キ
ャンドル32の熱分解が途中で停止してしまうようなこ
とはなく、完全に熱分解することができ、確実に所定の
時間的流量のパターンで酸素を外部に供給することがで
きる。
【0104】更に、本実施例では、発生した酸素が環状
の通路82a82b82c82d82e82
を旋回しながら、切欠き88aa、88ba、88c
a、88da、88ea、88fa、88gaを介して
軸方向へと流れるので、質量の重い塵や埃などは、環状
突出部88a、88b、88c、88d、88e、88
f、88gに衝突して、環状の通路82a82b
2c82d82e82f中に残る。すなわち、通
72’を環状の通路82a82b82c82
82e82fとすることで、フィルタの効果が得
られ、フィルタ53の負荷を軽くすることができるの
で、フィルタ53を小さくすることができ、従って、酸
素発生装置80’の小型化に寄与する。
【0105】なお、本実施例では、環状突出部88a、
88b、88c、88d、88e、88f、88gに設
けた切欠き88aa、88ba、88ca、88da、
88ea、88fa、88gaは、隣り合う切欠き88
aa、88ba、88ca、88da、88ea、88
fa、88gaに対して180°異なるように設けた
が、これは通路72’を区切れのない環状に分割したた
め、酸素が環状の通路82a82b82c82
82e82fを右回り又は左回りという2つ径路
で通過するため、その径路を最も長くするために180
°としたが、切欠きを設ける所定角度はこれに限定され
る必要はない。例えば、図26に一点鎖線で示されるよ
うに、例えば環状の通路82aに環状突出部88a及び
環状突出部88bに渡って軸方向に延びる板状の隔壁8
8xを設けて環状の通路82aを分け、この隔壁88x
は、環状突出部88aの切欠き88aaの右側に配設さ
れており、更にこの隔壁88xの右方に、環状突出部8
8bの切欠き88bxを設けて(勿論、このときには下
方に実線で示された切欠き88baは設けない)、切欠
き88aを通過した酸素が隔壁の一方側から他方側へと
一方向に、すなわち環状の通路をほぼ一周するような径
路を構成し、この構成を他の環状の通路82b82
82d82e82fに形成してもよく、この場
合には、環状の通路82a82b82c82d
82e82fを通過する酸素の径路が一層、長く取れ
るので、酸素発生装置の大きさを大きくせずとも、最外
側通路部分である通路73に至るまでに、高温であった
酸素は一層、冷却され、従ってハウジング40が熱くな
ることがない。
【0106】次に、本発明の第9実施例の酸素発生装置
80”について図27及び図28を参照して説明する
が、上記実施例と同様な部分については、同一の符号を
付し、その詳細な説明は省略する。
【0107】本実施例では、キャンドル32の右側端部
を支持するキャンドルホルダ88’は上記実施例のキャ
ンドルホルダ88と同様な材質及び形状でなり、通路形
成部材69との間に軸方向に延びる環状の通路72”
設けている。本実施例のキャンドルホルダ88’には、
図28に示すように、径外方に突出し軸方向に延びる複
数の突条部88a’、88b’、88c’がほぼ等角度
間隔で複数(図においては4つづつ)並んで設けられて
おり、そのため環状の通路72”は、複数の軸方向に延
びる軸方向通路92a92b92cに分割されてい
る。すなわち本実施例の通路72”は、突条部88a’
と突条部88b’とで形成される軸方向通路92a、突
条部88b’と突条部88c’とで形成される軸方向通
92b及び突条部88c’と突条部88a’とで形成
される軸方向通路92cからなる。軸方向通路92a
92b92cは、環状の通路72”を分割したもので
あるから、キャンドル32と同心的な同一円周上にあ
る。なお、キャンドルホルダ88’の右側端部及び左側
端部には、それぞれ径外方に突出した複数の突出部88
d’、88e’が形成されている。
【0108】更に、軸方向に延びる突条部88a’はキ
ャンドルホルダ88’の両端部まで延び、すなわち突出
部88d’、88e’に連結しており、また突条部88
b’は、その左側端部を突出部88e’に連結させてし
ているが、その右側端部は突出部88d’の中央部と間
を設けて対向している。更に、突条部88c’は、
その左側端部を突出部88e’の中央部と間隙を設け
て対向させて、その右側端部を突出部88d’と連結さ
せている。このような形状の突条部88a’、88
b’、88c’及び突出部88d’、88e’により、
軸方向通路92aはその右側端部で間隙を介して軸方
向通路92bに連通し、軸方向通路92bはその左側端
部で間隙を介して軸方向通路92cに連通している。
なお、軸方向通路92aの右側端部は、断熱材36から
酸素を流入させるための開口88ea’になっており、
軸方向通路92cの左側端部は、通路73へと酸素を導
くための開口88da’になっている。
【0109】本実施例では、キャンドル32から発生し
た酸素は、断熱材36を左方へと流れ断熱材36の左側
端部に至ると、空隙を介して通路72”へと流れる。
この酸素は、通路72”では、図28の矢印Uで示され
るように、まず開口88ea’を通過して、軸方向通路
92aを右方へと流れた後、間隙を介して今度は軸方
向通路92bを左方へと流れ、更に間隙を介して軸方
向通路92cを右方へと流れ、軸方向通路92cの開口
88da’を通過する。すなわち酸素は、通路72”
は軸方向に回折しながら、右方へと導かれ、そして通路
72”を通過した酸素は、空隙介して最外側通路部分
である通路73へと流れ、通路73で左方へと流れてキ
ャンドルサポート52”の円形開口52”及びフィルタ
53を通過し、酸素供給装置S”から外方へと供給され
る。
【0110】本実施例の場合にも、酸素発生装置の大き
さをそのままとしても、通路72”を通過する酸素の径
路の長さを長くすることができるので、最外側通路部分
である通路73に至るまでに、高温であった酸素が充分
に冷却されるため、上記第8実施例と同様にハウジング
40が熱くなることがなく、すなわち酸素発生装置8
0”の外周が熱くならない。すなわち、この場合にも、
ハウジング40の表面温度は第4実施例のハウジング4
0の表面温度(図14に示されている)よりも低温とな
り、かつ平準化されることが容易に認められる。また、
高温の酸素はキャンドル32に近いところを通過するの
で、キャンドル32には酸素の熱が伝えられ、そのため
キャンドル32が未分解となる恐れがなく、従って所定
の時間的流量のパターンで酸素を外部に供給することが
できる。
【0111】また、本実施例では、3つの軸方向通路
2a92b92cによって酸素が流れる径路を形成
したが、酸素が流れる径路を形成する軸方向通路の個数
などは全く限定される必要はない。
【0112】次に、第10実施例について、図29を参
照して説明するが、上記実施例に対応する部分には、同
一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0113】本実施例の酸素発生装置は、全体として9
0で示され、これは上記第1実施例とほぼ同様な構成を
有するが、筒体37の代わりに、キャンドル32に対し
て耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材質、例え
ば銅でなる筒体37’が、断熱材36を被覆している。
筒体37’は、筒体37と同様にほぼ0.1mmの厚さ
で形成されており、その右側端部は、第1実施例のキャ
ンドルホルダ38とはその長さのみ異なる(すなわち略
カップ形状をしており、その底部に設けられた孔98a
に雷管保持部材44’の左側端部44b’が嵌通してい
る)キャンドルホルダ98に内嵌されており、その左側
端部はフランジ部37a’となってハウジング40に係
合している。そのため、ハウジング40と筒体37’と
の間には環状の空間93が形成されている。更に、筒体
37’には、複数の切り込みが刻まれており、この切り
込みによって、本実施例では、同一円周上に等ピッチ
で、かつ複数の円周上に切片が形成されており、この切
片を空間93に突出させるように屈曲させ、放熱用のフ
ィン37b’として形成する。この放熱用のフィン37
b’は、筒体37’上において温度が高温となる恐れの
ある部分、本実施例では初期に多量の酸素が発生される
ので、すなわち初期に熱分解が急速に行なわれるので、
キャンドル32の点火側、すなわち右方の筒体37’が
高温となる恐れがあり、そのため筒体37’の右方に放
熱用のフィンが密に、すなわち右方の放熱用のフィン3
7b’の間隔を狭くして設けられている。更に本実施例
の筒体37’は上記第1実施例と同様に薄い銅で成るの
で、この切片と放熱用のフィン37b’であった部分は
開口37c’となり、すなわち放熱用のフィン37b’
の長さは、開口37c’の幅に等しく、また開口37
c’を介して、断熱材36と環状の空間93が連接して
いる。なお、本実施例のキャンドル32の点火薬部3
3’は、上述した点火薬部33よりも多量の酸素が発生
できるような成分で構成されている。
【0114】次に、本実施例の酸素発生装置90の作用
について説明する。
【0115】使用に当たっては、上記実施例と同様に、
ピンPと共にハンマーピストン48から取り外し、これ
に対して垂直方向に径方向孔に挿通しているファイアリ
ングピンを抜く。これにより、ハンマーピストン48
は、ばね47のばね力により図において左方へに移動
し、雷管43と衝突し、火花を発生する。この火花がキ
ャンドル32の右側端部、すなわち点火薬部33’に点
火し、この熱分解により酸素を発生する。発生した酸素
は、キャンドルホルダ98の底面に沿って径外方向に流
れ、筒体37’と断熱材36との間及び断熱材36を通
って、図の左方へと流れるが、発生した酸素は、筒体3
7’と断熱材36との間及び断熱材36を通る間に、筒
体37’の開口37c’を介して空間93へと流れる。
しかしながら、酸素発生装置90の内部は酸素供給装置
S’を介して外部と連通しているので、また酸素発生装
置90の内部が高圧となった時にはリリーフバルブ55
が開弁するので、空間93及び断熱材41の空間に酸素
が流れても、所定の圧力になった後には、発生する酸素
は空間93及び断熱材41の空間へと流れることなく、
筒体37’と断熱材36との間及び断熱材36を通り、
更に断熱材50、キャンドルサポート52の円形開口5
2a及び断熱材51を介してフィルタ53へと流れる。
フィルタ53では、上記実施例と同様に塵埃及び臭気を
除去し、酸素を無味無臭、清浄にして、酸素供給装置
S’を介して外部へと供給する。
【0116】本実施例では、筒体37’の重さを重くす
ることなく、放熱用のフィン37b’を設けたので、筒
体37’と断熱材36との間及び断熱材36を通る酸素
が、この放熱用のフィン37b’を介して冷却され、酸
素は、供給される際には提供に適した低温になる。ま
た、発生した酸素が、その発生した初期に空間93及び
断熱材41の空間へと流出するが、空間93及び断熱材
41の空間に、ある一定の量が充填されると、その後に
は、この空間93及び断熱材41の空間には、酸素が流
れず、空間93は断熱材として働く。すなわち、酸素が
発生される初期には多少、充填される高温の酸素の熱が
ハウジング40に伝達されるが、それ以後はハウジング
40に熱が伝達されることなく、従ってハウジング40
の外周が、すなわち酸素発生装置90の外周が熱くなる
ことがない。勿論、空間93に酸素が充填された後は、
酸素の熱は、酸素発生装置90の内方に伝えられるのみ
であるので、キャンドル32が加熱され完全に熱分解す
ることができる。また、本実施例では、筒体37’の右
方に、放熱用のフィン37b’の間隔を狭くして密に形
成したので、発生する酸素の冷却は、効率よく行え、か
つハウジング40の表面温度を平準化することができ
る。
【0117】なお、本実施例では、筒体37’とキャン
ドルホルダ98とを別々に設けたが、これを一体として
もよい。この場合には、一層、酸素発生装置の重量を軽
量とすることができる。また、本実施例では、筒体3
7’の右方に放熱用のフィン37b’を密に設けたが、
細部の構造によって筒体37’の高温となる部分に放熱
用のフィン37b’を密に設けるようにし、ハウジング
40の軸方向の温度が一定となるように、すなわち平準
化するように放熱用のフィン37b’の密度は設けるよ
うにすればよい。
【0118】以上、本発明の各実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0119】例えば以上の各実施例では、キャンドル3
2の構成は点火装置F’、F”側から酸素供給装置
S’、S”側に向かって順次、主成分であるNaClO
3 とFeとの混合比を変えることにより、図36に示す
ような時間−流量パターンを得たが、勿論、パターンは
これに限ることなく、例えば病院や地下街の火災事故で
酸素を必要とするような場合で、点火後、酸素を一定の
流量で供給される場合には、実施例のキャンドル32の
ように4つの層、すなわち点火薬部33のA層、開始剤
部34のB層及び主部35a、35bのC層、D層から
成らず、キャンドル32の全体のNaClO3 とFeと
の混合割合は一定としても、本発明の効果が得られる。
すなわち、本願発明の酸素発生剤は4つの層からなるに
限定される必要はないし、また要求に応じては、酸素発
生剤の複数の層は、点火側から順次、熱分解速度を小と
なるように組成されなくてもよく、単に、酸素の発生す
る変化量を変えた複数の層としてもよい。
【0120】又、以上の実施例では、酸素発生剤として
NaClO3 とFeとを用いたが、勿論、これに限るこ
となく公知の酸素発生剤が適用可能である。
【0121】更に、以上の実施例では、酸素供給装置
S’、S”に接続され外部に酸素を供給する導出パイプ
57a、57bは2本であったが、これは勿論、その使
用状況によって3本以上接続するようにしてもよい。こ
の時には勿論、酸素供給時間及びこの酸素供給装置に接
続される導出パイプ57a、57bの数に応じて、キャ
ンドル32の大きさは変わる。
【0122】又、以上の実施例では、筒体37、37’
用の金属として銅、又はステンレスを用いたが、これに
限ることなく他の金属、例えばアルミニウムや白金を用
いてもよく、一般に酸素発生剤に対して耐腐食性、反応
不活性であり、耐熱性を有する材質であれば、いかなる
材質の筒体も適用可能である。
【0123】又、以上の実施例では、材質がステンレス
鋼の小片を用いたが、熱伝導率が30W/(m・K)以
上の材質であれば、いかなる材質でもよく、例えば炭素
鋼又は炭素鋼とステンレス鋼との混合物であってもよ
い。
【0124】又、以上の第1実施例及び第10実施例で
は、筒体37、37’の厚さは0.1mmとしてかなり
薄いものを用いたが、勿論、これより厚い筒体を用いて
もよい。然しながら、上記実施例のように厚さが小さい
方が熱が伝わりやすく、キャンドル32全体の一様加熱
及び保温性をより良好なものとする。
【0125】更に、以上の第1実施例から第3実施例及
び第10実施例では、点火手段として点火装置F’を、
酸素供給手段として酸素供給装置S’を用いたが、点火
装置F’の代わりに点火装置F”を用いてもよく、また
酸素供給装置S’の代わりに酸素供給装置S”を用いて
もよい。この場合には、点火装置F”及び酸素供給装置
S”を用いた際の効果が得られる。
【0126】又、以上の第1実施例から第3実施例及び
第10実施例では、ハウジング40の酸素供給装置S’
側の開口を覆うカバー60は、キャンドルホルダ52、
52’と結合せずに、設けられているが、第4実施例か
ら第9実施例のように、カバー60をキャンドルホルダ
52、52’と直接、またはハウジング40を介して結
合させるようにして、カバー60とキャンドルホルダ5
2、52’との間にフィルタ53を充填させてもよい。
【0127】更に、以上の第4実施例、第6実施例から
第9実施例では、耐振性を向上させるための耐振部材7
0が設けられているが、軽量化などのために、この耐振
部材70を設けずともよい。なおこの場合でも、第1の
蓋部材であるカバー42’がハウジング40の左側開口
を覆っているので、キャンドルホルダとハウジングとの
間に形成される通路が外部と連通せず、そのため耐振部
材を設けずとも、通路から発生した酸素が流出されるこ
とはない。
【0128】又、以上の第4実施例から第9実施例で
は、通路形成部材は、キャンドル32の左側を支持する
キャンドルサポート52a”と断熱材50との間に挟持
して1つだけ設けたが、この通路形成部材を複数、設け
てもよい。通路形成部材を複数、設ける場合には、キャ
ンドルサポートと断熱材との間に挟持した通路形成部材
と、キャンドルの右側を支持するキャンドルホルダと点
火装置との間に設けた通路形成部材とを交互に組み合わ
せて、酸素発生装置の内側を高温の酸素が、外側を冷却
した酸素が流れるようにすれば、すなわちキャンドル3
2に近い通路から、ハウジング40に近い通路へと発生
した酸素が流れるようにすれば、本願発明の効果、すな
わちハウジング40が熱くならならず、キャンドル32
に高温の酸素の熱が伝えられ、熱分解が途中で停止する
ことがないという効果を得ることができる。
【0129】更に、複数の通路形成部材を設けた場合に
は、上記第6実施例のように、キャンドルホルダの外周
に設けられた第1の突出部をキャンドルに最も近い通路
を形成している通路形成部材の内周に圧接させ、かつ最
外側通路部分を形成している通路形成部材の外周に設け
られた第2の突出部をハウジング(閉鎖部材が設けられ
ているときには閉鎖部材)の内周に圧接させるだけでは
なく、内側に設けられた通路形成部材の端部に径外方に
突出する突出部を設け、この通路形成部材のすぐ外方を
覆う通路形成部材の内周に、その突出部を圧接させれ
ば、より一層耐振性に優れた構成とすることができる。
【0130】又、以上の第7実施例では、閉鎖部材79
とハウジング40との間に形成された空間89は、カバ
ー42’によって密閉空間と成っているが、耐振性を高
めるための耐振部材70をカバー42’と閉鎖部材79
との間に設けて、空間89を耐振部材70によって密閉
空間としてもよい。また、閉鎖部材79に、ハウジング
40との間に形成される密閉空間89に突出する放熱用
フィンを設けてよい。なおこの場合には、酸素が発生し
た際に、閉鎖部材79上で比較的高温となる部分に放熱
用フィンを密に設ければ、発生した酸素を効率よく冷却
することもできる。また、この密閉空間89に、酸素が
発生した際に、閉鎖部材79上で比較的高温となる部分
には高い密度で、閉鎖部材79上で比較的高温となる部
分には低い密度で、金属でなるウール、例えばスチール
ウールを充填させてもよい。
【0131】更に、以上の第8実施例及び第9実施例で
は、ハウジング40と通路形成部材69との間に最外側
通路部分である通路73を設けたが、第7実施例のよう
に、最外側通路部分の外周に空間を設けてもよく、この
場合にも酸素が通路を通過するときに、最外側通路部分
である通路73を最後に通過させるようにすれば、上述
の効果が得られる。
【0132】又、以上の第8実施例及び第9実施例で
は、通路72’72”を分割した環状の通路82a
82b82c82d82e82f、又は軸方向
通路92a92b92cは、キャンドルホルダ88
に形成された環状突出部88a、88b、88c、88
d、88e、88f、88g、又はキャンドルホルダ8
8’に設けた複数の突条部88a’、88b’、88
c’及び突出部88d’、88e’によって形成された
が、通路形成部材69に径内方に突出する一部を切り欠
いた複数の環状の突出部、又は複数の突条部及び突出部
を設け、通路72’72”を分割してもよいし、また
キャンドルホルダ及び通路形成部材とを組み合わせたと
きに、通路72’72”が分割されるような構成にし
てもよい。
【0133】また、 以上のすべての実施例では、点火
手段側の支持部材であるキャンドルホルダ38、3
8’、38”、68、68’、78、78’、78”、
88、88’、酸素供給手段側の支持部材であるキャン
ドルサポート52、52’、52”及びハウジング40
を金属でなるようにしたが、材質はこれに限定される必
要はなく、例えば熱硬化性プラスチック(代表的なもの
としては尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂など
がある)などの耐熱性の樹脂で形成されるようにしても
よい。また、上記すべての実施例では、ハウジング40
の開口を覆うカバー42、42’、60、60’及び耐
振部材70、70’、70”は板状の金属でなるとした
が、これもまた、これに限定されることなく、例えば熱
硬化性プラスチックなど耐熱性の樹脂でなる板状の物質
で形成させてもよい。もちろん、この場合には、酸素発
生装置の重量を軽くするために板状としても、ある程度
の耐振性が得られる材質でなければならないことはいう
までもない。なお、図30には、この変形例として、耐
熱性の合成樹脂でなるキャンドルホルダ168、キャン
ドルサポート152”、カバー142’、160’、耐
振部材170及びハウジング140を有する酸素発生装
置171が示されている。この合成樹脂を材質として用
いた場合には、酸素発生装置171が金属を用いた場合
よりも、大幅に軽量化できるとの効果が得られることは
もちろんである。
【0134】なおまた、部材を形成する物質(例えば合
成樹脂と金属と)の熱伝導率の違いを利用して、一層、
キャンドル32に酸素の熱が加わり、酸素発生剤の外周
へと熱が逃げないようにしてもよい。これは、例えば図
30に示されるように、未分解となりやすいD層側を支
持しているキャンドルサポート52を金属で、充分な熱
量が得られるA層側を支持しているキャンドルホルダ1
38を耐熱性の合成樹脂で、カバー142、160、ハ
ウジング140を有する酸素発生装置131としてもよ
い。
【0135】また、上記実施例においては通路形成部材
69、69’、69”の材質については上述しなかった
が、通路形成部材69、69’、69”は上述したよう
に発生した酸素を導く通路7272’72”
73’を形成しているため、酸素の熱が通路形成部
材69、69’、69”に伝えられるので、耐熱性のあ
る材質がよい。例えば、通路形成部材をステンレスなど
の金属で形成させた場合には、その熱伝導率がよいの
で、通路7272’72”を通過する酸素を充分に
冷却し、かつキャンドル32の酸素供給装置側に酸素か
ら伝達された熱を与えるという効果を得ることができ
る。また、酸素発生装置を更に軽量とするためには、例
えば耐熱性の合成樹脂などによって形成してもよい。
【0136】
【発明の効果】本発明の酸素発生装置によれば、ハウジ
ングの温度を従来より大巾に小とし、かつ、酸素発生剤
を点火後、熱分解終了まで、確実に全体の分解を行なわ
せることができ、途中で分解中止となって酸素切れとな
ることなく、又、流量パターンを安定化することがで
き、更に断熱材料の使用量の減少及び装置コスト低減を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による酸素発生装置の断面
図である。
【図2】同要部の分解斜視図である。
【図3】図1における[3]−[3]線方向の断面図で
ある。
【図4】図1における[4]−[4]線方向の断面図で
ある。
【図5】同酸素発生装置の使用後のキャンドルの状態を
示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例による酸素発生装置の断面
図である。
【図7】同酸素発生装置の要部の分解斜視図である。
【図8】図6における[8]−[8]線方向の断面図で
ある。
【図9】図6における[9]−[9]線方向の断面図で
ある。
【図10】同酸素発生装置の使用後のキャンドルの状態
を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施例の酸素発生装置の断面図
である。
【図12】第1乃至第3実施例の酸素発生剤に添加され
るステンレス小片の拡大斜視図である。
【図13】本発明の第4実施例による酸素発生装置の断
面図である。
【図14】本発明の第4実施例による酸素発生装置の表
面温度と、従来例による酸素発生装置の表面温度とを示
す図である。
【図15】本発明の第5実施例による酸素発生装置の断
面図である。
【図16】同酸素発生剤の主要部の分解斜視図である。
【図17】本発明の第6実施例による酸素発生装置の断
面図である。
【図18】図17における[18]−[18]線方向の
断面図である。
【図19】図17における[19]−[19]線方向の
断面図である。
【図20】本発明の第6実施例における第1変形例の酸
素発生装置の断面図である。
【図21】図20における[21]−[21]線方向の
断面図である。
【図22】図20における[22]−[22]線方向の
断面図である。
【図23】本発明の第6実施例における第2変形例の酸
素発生装置の分解斜視図である。
【図24】本発明の第7実施例による酸素発生装置の断
面図である。
【図25】本発明の第8実施例による酸素発生装置の断
面図である。
【図26】図25における主要部分の部分斜視図であ
る。
【図27】本発明の第9実施例による酸素発生装置の断
面図である。
【図28】図27における主要部分の部分斜視図であ
る。
【図29】本発明の第10実施例による酸素発生装置の
断面図である。
【図30】本発明の第1変形例を示す図である。
【図31】本発明の第2変形例を示す図である。
【図32】従来例の酸素発生装置の断面図である。
【図33】図32における[33]−[33]線方向の
断面図である。
【図34】図32における[34]−[34]線方向の
断面図である。
【図35】同装置に用いられているキャンドルの熱分解
途中の状態を示す断面図である。
【図36】時間−酸素流量のパターンの一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
31 酸素発生装置 31’ 酸素発生装置 31” 酸素発生装置 32 キャンドル 37 筒体 37’ 筒体 38’ キャンドルホルダ 38” キャンドルホルダ39 空間39’ 空間39” 空間 40 ハウジング 42’ カバー 52” キャンドルサポート 60’ カバー 68 キャンドルホルダ 69 通路形成部材 71 酸素発生装置 71’ 酸素発生装置 71” 酸素発生装置72 通路72 ’ 通路72 ” 通路73 通路73 ’ 通路 75 酸素発生装置 75’ 酸素発生装置 80 酸素発生装置 80’ 酸素発生装置 80” 酸素発生装置 90 酸素発生装置93 空間 131 酸素発生装置 171 酸素発生装置 F’ 点火装置 F” 点火装置 S’ 酸素供給装置 S” 酸素供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽磨 忠弘 兵庫県姫路市網干区坂上151 (72)発明者 宮崎 重人 兵庫県相生市山手2−191

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素発生剤(32)を充填させた筒状の
    断熱材(36)の両端部を各々、支持部材(38、13
    8、52)で支持し、該支持部材の一方側に点火手段
    (F’)、他方側に酸素供給手段(S’)を設け、前記
    断熱材(36)及び前記支持部材(38、138、5
    2)を筒状のハウジング(40、140)内に収容させ
    た酸素発生装置(31、131)において、前記筒状の
    断熱材(36)の外周を前記酸素発生剤(32)に対し
    て耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材質で成る
    筒体(37)で被覆し、かつ該筒体(37)と前記筒状
    のハウジング(40、140)との間に筒状の空間(
    )を形成し、前記点火手段(F’)の作動により前記
    酸素発生剤(32)の熱分解により発生する酸素を前記
    筒体(37)と前記断熱材(36)との隙間及び前記断
    熱材(36)を通り、前記酸素供給手段(S’)を介し
    て外部に供給するようにしたことを特徴とする酸素発生
    装置。
  2. 【請求項2】 酸素発生剤(32)を充填させた筒状の
    断熱材(36)の両端部を各々、支持部材(38’、3
    8”、52’)で支持し、該支持部材の一方側に点火手
    段(F’)、他方側に酸素供給手段(S’)を設け、前
    記断熱材(36)及び前記支持部材(38’、38”、
    52’)を筒状のハウジング(40)内に収容させた酸
    素発生装置(31’、31”)において、前記両支持部
    材(38’、38”、52’)のうち前記点火手段側の
    支持部材(38’、38”)は前記酸素発生剤(32)
    に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある材質
    で成り、前記点火手段(F’)側に底部を有する円筒形
    状であって、前記断熱材(36)を介して前記酸素発生
    剤(32)全体を被覆するように前記酸素供給手段
    (S’)側に延び、かつ前記ハウジング(40)との間
    に前記酸素発生剤(32)に対しては気密な空間(
    9’39”)を形成させており、前記点火手段
    (F’)の作動により前記酸素発生剤(32)の熱分解
    により発生する酸素を前記点火手段側の支持部材(3
    8’、38”)と前記断熱材(36)との隙間及び前記
    断熱材(36)を通り、前記酸素供給手段(S’)を介
    して外部に供給するようにしたことを特徴とする酸素発
    生装置。
  3. 【請求項3】 前記点火手段側の支持部材(38’、3
    8”)の前記酸素供給手段(S’)側の端部は拡径して
    おり、該端部は前記酸素供給手段側の支持部材(5
    2’)の外周端部と前記ハウジング(40)との間に挟
    持されている請求項2に記載の酸素発生装置。
  4. 【請求項4】 酸素発生剤(32)を充填させた筒状の
    断熱材(36)の両端部を各々、支持部材(98、5
    2)で支持し、該支持部材の一方側に点火手段
    (F’)、他方側に酸素供給手段(S’)を設け、前記
    断熱材(36)及び前記支持部材(98、52)を筒状
    のハウジング(40)内に収容させた酸素発生装置(9
    0)において、前記筒状の断熱材(36)の外周を前記
    酸素発生剤(32)に対して耐腐食性、反応不活性であ
    り耐熱性のある材質で成る筒体(37’)で被覆し、前
    記筒体(37’)に複数の切り込みを入れて切片を形成
    し、かつ該切片を前記筒体(37’)と前記ハウジング
    (40)との間に形成された筒状の空間(93)へと屈
    曲させて放熱用のフィン(37b’)とし、前記点火手
    段(F’)の作動により前記酸素発生剤(32)の熱分
    解により発生する酸素を前記筒体(37’)と前記断熱
    材(36)との隙間及び前記断熱材(36)を通り、前
    記酸素供給手段(S’)を介して外部に供給するように
    したことを特徴とする酸素発生装置。
  5. 【請求項5】 酸素発生剤(32)を充填させた筒状の
    断熱材(36)の両端部を各々、支持部材(68、6
    8’、78、78’、78”、88、88’、168、
    52”、152”)で支持し、該支持部材の一方側に点
    火手段(F”)、他方側に酸素供給手段(S”)を設
    け、前記断熱材(36)及び前記支持部材(68、6
    8’、78、78’、78”、88、88’、168、
    52”、152”)を筒状のハウジング(40、14
    0)内に収容させた酸素発生装置(71、71’、7
    1”、75、75’80、80’、80”、171)に
    おいて、前記ハウジング(40、140)の前記点火手
    段(F”)側の開口を覆う第1の蓋部材(42’、14
    2’)を設け、前記両支持部材(68、68’、78、
    78’、78”、88、88’、168、52”、15
    2”)のうち前記点火手段側の支持部材(68、6
    8’、78、78’、78”、88、88’、168)
    は、前記酸素発生剤(32)に対して耐腐食性、反応不
    活性であり耐熱性のある材質で成り、前記点火手段
    (F”)側に底部を有する円筒形状であって、前記断熱
    材(36)を介して前記酸素発生剤(32)を被覆する
    ように前記酸素供給手段(S”)側に延び、かつ前記点
    火手段側の支持部材(68、68’、78、78’、7
    8”、88、88’、168)と前記ハウジング(4
    0、140)との間で軸方向に流れを導くような通路
    7272’72”7373’)を形成する通
    路形成部材(69、69’、69”)が設けられてお
    り、前記点火手段(F”)の作動により前記酸素発生剤
    (32)の熱分解により発生する酸素を前記点火手段側
    の支持部材(68、68’、78、78’、78”、8
    8、88’、168)と前記断熱材(36)との隙間及
    び前記断熱材(36)を通ったのち、前記通路(72
    72’72”7373’)において、前記ハウジ
    ング(40、140)に最も近い最外側通路部分(
    73’)を最後に通過してから、前記酸素供給手段
    (S”)を介して外部に供給するようにしたことを特徴
    とする酸素発生装置。
  6. 【請求項6】 前記最外側通路部分(73’)の外周が
    閉鎖部材(79)により形成されており、該閉鎖部材
    (79)と前記ハウジング(40)との間に前記酸素発
    生剤(32)に対して気密な空間(89)が設けられて
    いる請求項5に記載の酸素発生装置。
  7. 【請求項7】 前記点火手段側の支持部材(68’)の
    端部に複数の切欠き(68a’)を設け、該端部を前記
    通路形成部材(69)に当接させた請求項5又は請求項
    6に記載の酸素発生装置。
  8. 【請求項8】 前記点火手段側の支持部材(78、7
    8’、78”)の端部の近傍に、径外方に突出する第1
    の突条部(78b、78b’、78b”)を設け、該第
    1の突条部(78b、78b’、78b”)を前記酸素
    発生剤(32)に最も近い前記通路(72)を形成して
    いる前記通路形成部材(69’、69”)に内接させ、
    及び/又は前記最外側通路部分(73)を形成している
    前記通路形成部材(69’、69”)の端部の近傍に、
    径外方に突出する第2の突条部(69b’、69b”)
    を設け、該第2の突条部(69’、69”)を前記ハウ
    ジング(40)の内周又は前記閉鎖部材の内周に当接さ
    せた請求項5又は請求項6の何れかに記載の酸素発生装
    置。
  9. 【請求項9】 前記通路形成部材及び/又は前記点火手
    段側の支持部材(88)に、一部に切欠き(88aa、
    88ba、88ca、88da、88ea、88fa、
    88ga)を有した径方向に突出する複数の環状突出部
    (88a、88b、88c、88d、88e、88f、
    88g)を設け、隣り合う該環状突出部(88a、88
    b、88c、88d、88e、88f、88g)同士の
    前記切欠き(88aa、88ba、88ca、88d
    a、88ea、88fa、88ga)が所定角度ずれて
    設けられている請求項5乃至請求項7の何れかに記載の
    酸素発生装置。
  10. 【請求項10】 前記通路形成部材及び/又は前記点火
    手段側の支持部材(88’)に設けられた軸方向に延び
    る複数の突条部(88a’、88b’、88c’)によ
    って形成された、前記酸素発生剤(32)と同心的な同
    一円周上にあり軸方向に延びる複数の軸方向通路(92
    92b92c)から、前記通路(72”73
    が形成されている請求項5乃至請求項7の何れかに記載
    の酸素発生装置。
  11. 【請求項11】 前記点火手段側の支持部材(68、6
    8’、78、78’、88、88’、168)の近傍
    に、前記点火手段(F”)と中央部で係合し板状の耐振
    部材(70、170)を設け、該耐振部材の周縁部(7
    0a、170a)と前記第1の蓋部材(42’、14
    2’)の周縁部(42b’、142b’)とを前記ハウ
    ジング(40、140)に係合させ、かつ前記耐振部材
    の周縁部(70a、170a)と前記第1の蓋部材の周
    縁部(42b’、142b’)とを直接的に又は前記ハ
    ウジング(40、140)を介して結合するようにした
    請求項5乃至請求項10の何れかに記載の酸素発生装
    置。
  12. 【請求項12】 前記耐振部材(70、170)が、前
    記点火手段側の支持部材(68、68’、78、7
    8’、88、88’、168)の前記点火手段側の形状
    に添う形状(70b、170b)を有している請求項1
    1に記載の酸素発生装置。
  13. 【請求項13】 前記空間(3939’39”
    )を前記ハウジング(40、140)との間に形成し
    ている前記筒体(37)、又は前記点火手段側の支持部
    材(38’、38”、138)、又は閉鎖部材(79)
    の外周に、前記空間(3939’39”89)に
    突出するように、放熱用フィンを複数、設けた請求項1
    乃至請求項3、又は請求項6の何れかに記載の酸素発生
    装置。
  14. 【請求項14】 前記放熱用フィンが、前記筒体(3
    7、37’)、又は前記点火手段側の支持部材(3
    8’、38”、138)、又は閉鎖部材(79)上の比
    較的高い温度となる部分には密に形成され、前記筒体
    (37、37’)、又は前記点火手段側の支持部材(3
    8’、38”、138)、又は閉鎖部材(79)上の比
    較的低い温度となる部分には疎に形成され、前記ハウジ
    ング(40、140)の外周の温度が平準化されるよう
    にした請求項4又は請求項13に記載の酸素発生装置。
  15. 【請求項15】 前記空間(3939’39”
    )の中に、前記筒体(37)、又は前記点火手段側の
    支持部材(38’、38”、138)、又は閉鎖部材
    (79)上の比較的高い温度となる部分には高い密度
    で、前記ハウジング(40、140)上の比較的低い温
    度となる部分には低い密度で、金属で成るウールが充填
    されている請求項1乃至請求項3、又は請求項6の何れ
    かに記載の酸素発生装置。
  16. 【請求項16】 前記酸素発生剤(32)は前記点火手
    段(F’)側から順次、酸素発生量が小さくなる点火薬
    部(33)、開始剤部(34)及び主部(35a、35
    b)から成り、前記点火薬部(33)から順次、熱分解
    することにより所定の時間的流量のパターンで酸素を外
    部に供給するようにした請求項1乃至請求項15の何れ
    かに記載の酸素発生装置。
  17. 【請求項17】 酸素発生剤(32)を充填させた筒状
    の断熱材(36)の両端部を各々、前記酸素発生剤(3
    2)に対して耐腐食性、反応不活性であり耐熱性のある
    材質で成る支持部材(38、38’、38”、98、1
    38、52、52’)で支持し、該支持部材の一方側に
    点火手段(F’)、他方側に酸素供給手段(S’)を設
    け、前記断熱材(36)及び前記支持部材(38、3
    8’、38”、98、52、52’)を筒状のハウジン
    グ(40、140)内に収容させ、前記酸素発生剤(3
    2)はアルカリ金属塩素酸塩又はアルカリ金属過塩素酸
    塩を主成分とする酸素発生装置において、前記酸素発生
    剤(32)に熱伝導率が30W/(m・K)以上の材質
    で成る小片を添加させたことを特徴とする酸素発生装
    置。
  18. 【請求項18】 前記酸素発生剤(32)は更に副成分
    として鉄等の遷移金属粉末を含み、組成の異なる複数の
    層(A、B、C、D)から成り、これら層のうち少なく
    とも一層(D)に、前記小片が1〜10重量%添加され
    ている請求項17に記載の酸素発生装置。
  19. 【請求項19】 前記酸素発生剤(32)は更に副成分
    として鉄等の遷移金属粉末を含み、組成の異なる複数の
    層(A、B、C、D)から成り、前記小片は前記複数の
    層のうち、前記点火側から見て少なくとも最後の層
    (D)に1〜10重量%添加されている請求項17又は
    請求項18に記載の酸素発生装置。
  20. 【請求項20】 前記小片は断面が小なる帯材をその長
    手方向に所定のピッチで切断して形成される請求項17
    乃至請求項19の何れかに記載の酸素発生装置。
  21. 【請求項21】 前記小片はステンレス鋼及び/又は炭
    素鋼から成る請求項17乃至請求項20の何れかに記載
    の酸素発生装置。
  22. 【請求項22】 前記小片の大きさは10〜30μm厚
    さ、80〜120μm巾、1〜5mm長さである請求項
    17乃至請求項21の何れかに記載の酸素発生装置。
  23. 【請求項23】 前記酸素発生剤(32)は過酸化カル
    シウムを含んでいる請求項1乃至請求項22の何れかに
    記載の酸素発生装置。
  24. 【請求項24】 前記酸素発生剤(32)に対して耐腐
    食性、反応不活性であり耐熱性のある前記材質は、銅又
    はステンレスである請求項1乃至請求項23の何れかに
    記載の酸素発生装置。
  25. 【請求項25】 前記点火手段(F”)が、雷管(4
    3)を内設している雷管支持部材(44’)と、前記雷
    管(43)に衝突させるためにハンマーピストン(4
    8)を付勢しているばね(47)を内設している筒体
    (46’)とを有し、該筒体(46’)に前記雷管支持
    部材(44’)が、かしめによって一体的に構成されて
    いる請求項1乃至請求項24の何れかに記載の酸素発生
    装置。
  26. 【請求項26】 前記酸素供給手段(S”)が、弁座形
    成部材(74)と弁体(61’)とを有し、前記弁座形
    成部材(74)の一方の端部にほぼ円錐状の弁座(74
    aa)を形成させ、前記弁体が前記弁座に離着座するよ
    うな円錐状の端部(61a’)を有し、該端部に、前記
    弁体(61’)が前記弁座(74aa)に着座したとき
    に前記弁体(61’)と前記弁座(74aa)とをシー
    ルする環状の密封部材(77)を設けている請求項1乃
    至請求項25の何れかに記載の酸素発生装置。
  27. 【請求項27】 前記ハウジング(40、140)の前
    記酸素供給手段(S”)側の開口を覆う第2の蓋部材
    (60’、160’)が前記酸素供給手段側の支持部材
    (52”、152”)と直接、または前記ハウジング
    (40、140)を介して結合し、前記第2の蓋部材
    (60’、160’)と前記酸素供給手段側の支持部材
    (52”、152”)との間にフィルタ(53)を充填
    させるようにした請求項1乃至請求項26の何れかに記
    載の酸素発生装置。
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