JPH09121485A - 回転電機用磁石回転子 - Google Patents

回転電機用磁石回転子

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JPH09121485A
JPH09121485A JP7298908A JP29890895A JPH09121485A JP H09121485 A JPH09121485 A JP H09121485A JP 7298908 A JP7298908 A JP 7298908A JP 29890895 A JP29890895 A JP 29890895A JP H09121485 A JPH09121485 A JP H09121485A
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JP
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permanent magnet
magnet
rotor
magnet rotor
cover
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JP7298908A
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Inventor
Shogo Tanaka
省吾 田中
Takashi Sasaki
崇 佐々木
Masahiro Mita
正裕 三田
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 うず電流損失の低減および洩れ磁束の低減に
より信頼性の向上した回転電機用磁石回転子を提供す
る。 【解決手段】 回転電機用磁石回転子1は、円周方向に
沿って永久磁石2が配設され、その永久磁石2の磁極2
0が回転電機用磁石回転子1の円周方向および回転軸方
向に分割された永久磁石片2aa、2abの集合体から
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、うず電流損失の低
減および洩れ磁束の低減により信頼性を向上できるよう
にした回転電機用磁石回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】図11に従来の回転電機用磁石回転子の
例(特開平6ー70520号公報参照)を示す。図11
において、回転電機用磁石回転子50はヨーク51の周
囲に交互に配列された複数の回転子磁極52およびスペ
ーサ53を備えている。各スペーサ53を挟んで隣接す
る回転子磁極52は表側が交互にS極またはN極とさ
れ、スペーサ53は布入りベークライト製の部材とされ
ている。回転子磁極52は、それぞれ回転子50の軸方
向に延びる短冊状の永久磁石片54を、各々表面側が同
じ極性になるように周方向に複数配列して構成されてい
る。そして、この磁石回転子50は図示されない固定子
を備えた同期電動機に組み込まれて使用される。
【0003】図12に従来の回転電機用磁石回転子の別
の例(特開平6ー245418号公報参照)を示す。図
12において、ロータコア61の外周面には、永久磁石
62と非磁性領域である62aとが回転子の回転方向に
交互に形成されている。そして、この永久磁石62と非
磁性領域である62aとの表面には、強磁性のマルテン
サイト組織部分71と非磁性のオーステナイト組織部分
72部分とが共存する一体構造物のカバー7が配置され
る。このような強磁性部分と非磁性部分の結晶構造が異
なる同一素材からなるカバー7によってこの回転子と固
定子(図示省略)とのギャップ損失を低減可能としてい
る。
【0004】しかしながら、上記従来の回転電機用磁石
回転子において、汎用モータにもあてはまるが、特に高
出力型(例えば、1KW以上)のモータを構成した場
合、極論すれば、大寸法の永久磁石を用いて出力が例え
ば80(kW)というような高出力型のモータを構成し
た場合、「松岡孝一他:鉄道車両用車輪一体形永久磁石
励磁同期主電動機の開発」(平成7年電気学会全国大会
講演論文集,1995,5ー31〜32参照)に記載さ
れるように、ギャップ磁束密度の脈動(スロットリプル
と呼ばれる。)によって大寸法の界磁用永久磁石の渦電
流損が非常に大となり、この界磁用永久磁石の温度が大
幅に急上昇して、モータ特性が低下してしまう、という
問題を発生させる。特に、界磁用永久磁石の急激な温度
上昇は、例えば、電気自動車等の高出力型のモータの始
動時において顕著であり、界磁用永久磁石の温度が20
0℃を越える場合も発生し、界磁用永久磁石の熱減磁が
極めて深刻な問題となっている。
【0005】さらに、通常、界磁用永久磁石には4〜1
00極程度の磁極パターンが付与されて回転電機用磁石
回転子が構成されるが、この磁石回転子の磁極境界部近
傍において隣接磁極間での磁束の短絡が生じ、漏れ磁束
(漏れ磁束は短絡磁束であって、エアギャップを貫通し
て固定子側の電機子コイルと鎖交する領域まで到達し得
ない磁束であるため、モータ出力に寄与しない無効磁束
成分である。)を発生させ、モータ効率を低下させると
いった問題を併有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、うず電流損失の低減および洩れ磁束の低減により信
頼性の向上した回転電機用磁石回転子を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題を解決す
るために、本発明における第1の発明においては、円周
方向に沿って永久磁石が配設された回転電機用磁石回転
子であって、前記永久磁石の磁極が前記磁石回転子の円
周方向および回転軸方向に分割された永久磁石片の集合
体からなるように回転電機用磁石回転子を構成した。こ
の構成によって、前記磁極が前記磁石回転子の円周方向
だけでなくその回転軸方向にも分割された永久磁石片の
集合体からなるため、うず電流損失が大幅に低減され
る。前記永久磁石片の表面に、前記磁石回転子の回転軸
方向および/または円周方向に分割されたカバーを配設
することが好ましい。この構成によって、前記永久磁石
のうず電流損失の低減化に加えて、カバーの分割による
うず電流損失の低減化が達成される。さらに、カバーの
配置によって回転電機用磁石回転子の洩れ磁束が大幅に
少なくなり、すなわち回転電機用磁石回転子の有効磁束
が増大する。またカバーは、強磁性部分と非磁性部分と
が共存するとともに強磁性部分と非磁性部分の結晶構造
が異なる同一素材から形成することが、洩れ磁束を低減
するために好ましい。
【0008】次に、本発明における第2の発明において
は、円周方向に沿って永久磁石が配設された回転電機用
磁石回転子であって、前記磁石回転子の回転軸方向およ
び/または円周方向に分割されたカバーを前記永久磁石
の表面に配設する構成にした。この構成によって前記カ
バーによるうず電流損失の低減化が達成される。カバー
は、強磁性部分と非磁性部分とが共存するとともに強磁
性部分と非磁性部分の結晶構造が異なる同一素材から形
成することが、上記のうず電流損失の低減化に加えて洩
れ磁束を低減するために好ましい。また本発明では、前
記磁石回転子の回転軸方向に分割されたカバーの直径
(D)および回転軸方向寸法(l)が、(l/D)=
0.001〜0.50の範囲にあることが好ましい。l
/Dの値を前記の範囲にしたのは、その範囲でうず電流
損失の低減化をより確実なものとできるからである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の回転電機用磁石回
転子1を搭載した電気自動車の一実施例を示す要部断面
図である。図1において、本発明の略円筒形の回転電機
用磁石回転子1は、その内周側に、各磁極がこの磁石回
転子1の円周方向および回転軸方向に分割された永久磁
石片の集合体からなる大寸法(この磁石回転子1の回転
軸33の方向の長さが250mm×外径500mm×内
径470mm)の永久磁石2を配置するとともに、永久
磁石2の外周側には強磁性のフレーム3(例えば、SS
400等の炭素鋼。)が配置されて、回転電機用磁石回
転子1が構成されている。永久磁石2はフレーム3にエ
ポキシ系接着剤(例えば、アラルダイトAV138
等。)で強固に固着されている。さらに、フレーム3に
リム7が接続されるとともにこのリム7にタイヤ8が配
設され、リム7の半径方向内周側に設けたフランジ7a
が支軸9aにベアリング9を介して回転可能に保持され
て電気自動車の駆動系が構成されている。また、円筒形
の永久磁石2の内周側に、エアギャップを介して電機子
コイル5と電機子鉄心6等を具備する電機子4が配置さ
れ、その電機子4は固定状態の支軸にフレームを介して
固定されている。そして、電機子4のコイル5により形
成される回転磁界が磁石回転子1の回転子磁極に作用す
ることで、磁石回転子1が支軸9aの回りにベアリング
9を介して回転するようになっている。
【0010】ここで、図1における永久磁石2としては
公知のものを用い得るが、高磁気特性が得られる点か
ら、例えば、Nd−Fe−B系の異方性永久磁石が好ま
しく、本実施例においては、日立金属(株)製の異方性
焼結磁石(HSー30EH;残留磁束密度Br≧10.
8(kG),固有保磁力iHc≧25(kOe))を使
用し、この永久磁石2の表面に、順次、耐酸化被膜とし
てCuメッキ(平均膜厚2〜30μmが好ましく、5μ
mに形成。)、Niメッキ(平均膜厚2〜100μmが
好ましく、50μmに形成。)、電着エポキシ樹脂コー
ト(平均膜厚2〜100μmが好ましく、50μmに形
成。)からなる多層膜を有するものを用いている。
【0011】次に、図1における永久磁石2の要部斜視
図を図2に示す。図2において、永久磁石2の任意の1
磁極20は、永久磁石2の回転軸方向および円周方向に
分割された永久磁石片2aa,2ab,2ab,2aa
等で構成され、各永久磁石片はそれぞれが略角柱状にな
っている。また、これらの永久磁石片2aa、2ab,
2ab,2aaは、リング形に形成されている永久磁石
2の半径方向に磁気異方性を有するとともに、適宜の着
磁手段によって磁極20を単位として同極性に着磁さ
れ、永久磁石2の内周側に交互に磁極N,Sが形成され
て合計8磁極が付与されている。また、各磁極20,2
0間にはそれぞれ空隙10が形成されて、全体で円筒形
の永久磁石2に形成されている。尚、空隙10の代わり
に非磁性スペーサー(例えば、布入りベークライト製
等。)を配置してもよい。また円筒形の永久磁石2は、
表面の磁力分布を調整するために表面が少し凹凸状とな
るようにして略円筒形に形成してもよい。
【0012】上述した通り、本発明の第1の発明におけ
る特徴点は、1磁極を構成する永久磁石が磁石回転子の
円周方向および回転軸方向にわたって分割された永久磁
石片の集合体からなることである。この点に関し、図3
〜図6により、詳細に説明する。図3は図2における永
久磁石2の径方向端面図であり、空隙を有する円筒形状
の永久磁石2の半径方向における任意の1磁極20の分
割状態を示している。図3において、磁極20は4つの
永久磁石片2aa,2ab,2ab,2aaから構成さ
れるとともに、各永久磁石片2aa,2ab,2ab,
2aaは、図4に示すように回転軸方向に磁石分割体が
5個連続配置され、それらは例えば、エポキシ系の接着
剤(アラルダイトAV138等。)を介して強固に接着
されている。なお、上記3つの永久磁石片2aa,2a
b,2ab,2aaの各々が上述の異方性焼結磁石HS
ー30EHからなり、その半径方向にそれぞれ磁気異方
性を有する。
【0013】図4は、図2の永久磁石2における内周側
(すなわち、電機子4に対向する側)の任意の1磁極2
0に関する側面図を示している。図4において、磁極2
0を構成する各2列の永久磁石片2aaおよび2abは
分割された各々等寸法の10個ずつからなっている。2
aaはNo.1〜5およびNo.16〜20の計10
個、2abはNo.6〜15の計10個である。そし
て、個々の分割された永久磁石片は相互に、例えば、エ
ポキシ系の接着剤(アラルダイトAV138等。)で分
割体境界25を介して強固に固着されているため、各永
久磁石片の分割単位で電気的に絶縁された状態に保持さ
れる。したがって磁極20は小分割されているため、う
ず電流損失の発生が大幅に低減され、磁石回転子1の温
度上昇が抑制される。上記エポキシ系接着剤は絶縁性を
有し、分割体境界25に介在するため、界磁用の永久磁
石2の電気(体積)抵抗率を高める絶縁層の作用を奏す
る。永久磁石2は、磁極20がリング状に8個それぞれ
空隙10を介して貼合わされることにより形成されるた
め、元来、その素材固有の電気抵抗率が低い上記Nd−
Fe−B系の異方性永久磁石により形成された永久磁石
2の体積固有抵抗を1.5×10ー4Ω・cm以上、より
好ましくは1.0×10ー3Ω・cm、特に好ましくは
1.0×10ー2Ω・cm以上にでき、うず電流が非常に
発生しにくくなるのである。なお、各永久磁石片2a
a、2abの各々をノーメックス紙等の絶縁シートを挟
んで上記のように接着剤で接合することにより確実に絶
縁することができる。
【0014】ここで、本発明における分割された永久磁
石片の集合体からなる磁極の構成を有効に適用し得る寸
法範囲としては限定されるものではないが、例えば、図
4における回転軸方向の長さl=35mm以上、幅w=
50mm以上の大寸法の磁極20の場合(永久磁石2の
寸法で、外直径50mm以上、磁石回転子1の回転軸方
向の長さl=35mm以上の場合)に特に有効である。
【0015】図5は、図2における永久磁石2の径方向
断面図の別の実施例を示している。図5において、磁極
20は2つの永久磁石片2ac,2acからなるととも
に、これら2ac,2acは、例えば、エポキシ系の接
着剤(アラルダイトAV138等。)で分割体境界25
を介して左右対称となるように強固に固着されている。
図6は、図5に対応する永久磁石2の内周側の任意の1
磁極20に関する分割パターンを示す図である。図6は
磁極20が、No.1〜10の計10個の等寸法の磁石
分割体2acからなる場合である。なお、図4と同様に
各磁石分割体2acは永久磁石2の径方向に磁気異方性
を有する。
【0016】次に図7に、図1の永久磁石2の内周側に
カバー30を配置した場合の本発明の回転電機用磁石回
転子1の別の実施例を示す。なおカバー30は、円筒状
のフレーム3(例えば、SUS403等)に沿って配置
した永久磁石2をこのフレーム3に強固に保持するため
のものである。また、図7の永久磁石2からカバー30
に至るA−A線断面図を図8に示す。図8において、複
数の磁極20をフレーム3に沿って配置固定するため
に、各磁極20を内周側から密着保護するとともに強固
にフレーム3に固定されるようにカバー30が配置され
ている。カバー30は強磁性の内周部30aと、非磁性
で半径方向の境界部30bと、非磁性で外周側の係止部
30cとからなるとともに、このカバー30の両端係止
部30cによってフレーム3にネジ止め等により固定さ
れる。この固定手段としてはこの他リベットによる固定
等の他、公知の固定手段を用い得る。このように、磁極
20毎にカバー30でもって内周側からフレーム3に固
定されるため、汎用寸法のみならず大寸法の回転電機用
磁石回転子とした場合でも回転耐久強度が実用に十分耐
え得る状態に確保されるため極めて好ましい。さらに、
カバー30の強磁性の内周部30aが磁極20の内周側
に密着配置されるとともに、磁極20の両端部にカバー
30の非磁性の境界部30bが密着配置される。この構
成によって空隙10を介して隣接する磁極20、20間
の洩れ磁束f’の発生が抑制される。なお、図8中に抑
制される洩れ磁束f’を概念的に示している。ここで、
カバー30は強磁性の内周部30aと、非磁性の境界部
30b及び係止部30cとが共存するとともに、強磁性
の内周部30aと、非磁性の境界部30b及び係止部3
0cとの結晶構造が異なる同一素材(例えば、重量で
0.6%C−13%CrーFe,bal.および不可避
不純物を含むフェライト系ステンレス鋼製のもの等。)
で作製されている。
【0017】図8の実施例では、カバー30は円周方向
分割溝32を有する円周方向に分割された回転軸方向に
長い断面略弧状に形成されていたが、この円周方向分割
溝32に加えてさらに図9に示すようにカバー30を回
転軸方向にも分割された軸方向分割溝31を有するリン
グ形に形成し、その複数個を軸方向に連続配置して磁極
20をこの回転軸方向および円周方向に分割されたカバ
ー30でもって固定してもよい。この場合、図8と同様
にカバー30の内周面あるいは外周面に空隙10のため
の境界部30bを介して磁極20を保持することがで
き、前記同様にカバー30の内周部は強磁性体に形成
し、カバー30の内周部以外は非磁性体に形成する。ま
た、カバー30は、図8に対応する空隙10において両
端係止部30cが、ネジなどにより固定される。
【0018】次に図10に、図7の永久磁石2からカバ
ー30に至るA−A線断面図の別の例を示す。なお、図
10において図8と同一参照符号のものは図8と同一の
構成部分を表わす。図10は、カバー30が円周方向に
一体的に配置された状態に形成された例を示している。
そして、この場合のカバー30は図9に示す通りの軸方
向分割溝31を形成している。このようにカバー30が
回転電機用磁石回転子1の回転軸方向にのみ分割された
場合においてもうず電流損失の低減化を達成することが
できる。
【0019】上記の各カバー30は、例えば、次のよう
にして製作できる。まず、前記組成のフェライト系ステ
ンレス鋼製素材によりカバー30の形状に加工したの
ち、500℃で応力除去焼鈍を行いフェライト相とカー
バイド相からなる強磁性組織とする。次に、カバー30
の境界部30bと係止部30cに該当する部分のみをレ
ーザ照射(例えば、CO2 レーザ等の公知のレーザを用
い得る。)して非磁性化すべき部分のみをこの素材のオ
ーステナイト変態温度以上(例えば、1200℃程度)
に加熱後、空気中放冷することで、内周部30aをフェ
ライト相とカーバイド相からなる磁性体に、また境界部
30bと係止部30cをオーステナイト相からなる非磁
性体に形成できる。なお、非磁性化すべき部分を主に加
熱溶融後、冷却凝固させてもよい。この内周部30a
は、20℃での4000(A/m)の磁界中における磁
束密度B4000=1.2(T),保磁力Hc=1200
(A/m)というすぐれた強磁性特性を示した。また、
境界部30bと係止部30cは、20℃での最大比透磁
率μ≦2、(μ=1.2)という良好な非磁性特性を示
した。
【0020】また、上記の各実施例のカバー30は実用
性の点から少なくとも回転電機用磁石回転子1の回転軸
方向に小さく分割されることがうず電流損失の低減化の
点から好ましく、カバー30の外直径(D)および回転
軸方向の長さ(l)が(l/D)=0.001〜0.5
0にあることがより好ましく、0.001〜0.20に
あることがより好ましい。l/Dの値がこのような値を
とると、うず電流損失が例えば(l/D)が1.0の場
合より、約3%以上低減できる。なお本発明の磁石回転
子は、磁極数が2〜100極、好ましくは4〜32極の
場合に極めて有用のものである。また、本発明の磁石回
転子は出力が汎用型から高出力型まで適用可能である
が、好ましくは1KW以上、特に好ましくは30kW以
上の高出力の回転電機用として極めて有効である。ま
た、本発明のカバーは上記実施例のものに限定されず、
例えばチタン合金、ステンレス鋼、ケイ素鋼、炭化ケイ
素繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の公知のものを用い得
るが、この場合はカバーによる磁極の保護固定作用と、
カバーの分割によるうず電流損失の低減化作用とが達成
される。
【0021】
【発明の効果】
(1)永久磁石の磁極が磁石回転子の円周方向および回
転軸方向に分割された永久磁石片の集合体からなるた
め、うず電流損失を低減できる。 (2)カバーの分割によって、うず電流損失の低減化が
達成され、かつうず電流による永久磁石の加熱が抑制さ
れる結果、回転電機用磁石回転子の信頼性を大幅に向上
できる。 (3)カバーは、強磁性部分と非磁性部分とが共存する
とともに強磁性部分と非磁性部分の結晶構造が異なる同
一素材からなり、かつ磁石回転子の回転軸方向および/
または円周方向に分割されており、そのカバーを永久磁
石の表面に配設するため、カバー単独でうず電流損失と
洩れ磁束の低減化を同時に図ることができる。このた
め、カバーは、永久磁石が分割されていない場合でも永
久磁石の表面に設けることにより、うず電流損失を低減
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転電機用磁石回転子を用いた一例を
示す要部断面図である。
【図2】本発明の回転電機用磁石回転子における永久磁
石の斜視図である。
【図3】本発明における磁極の分割パターンの一実施例
を示す端面図である。
【図4】図3の磁極の分割パターンの周面を示す図であ
る。
【図5】本発明における磁極の分割パターンの別実施例
を示す端面図である。
【図6】図5の磁極の分割パターンの周面を示す図であ
る。
【図7】本発明の回転電機用磁石回転子を用いた他の例
を示す要部断面図である。
【図8】図7における永久磁石2からカバー30に至る
A−A線断面図である。
【図9】カバー30の異なる実施例の分割パターンを示
す図である。
【図10】図7における永久磁石2からカバー30に至
るA−A線断面図の別の例の断面図である。
【図11】従来の回転電機用磁石回転子の一例を示す一
部破断斜視図である。
【図12】従来の回転電機用磁石回転子の他の例を示す
要部断面図である。
【符号の説明】
1 磁石回転子 2 永久磁石 3 フレーム 4 電機子 10 空隙 20 磁極 30 カバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向に沿って永久磁石が配設された
    回転電機用磁石回転子であって、 前記永久磁石の磁極が前記磁石回転子の円周方向および
    回転軸方向に分割された永久磁石片の集合体からなるこ
    とを特徴とする回転電機用磁石回転子。
  2. 【請求項2】 前記磁石回転子の回転軸方向および/ま
    たは円周方向に分割されたカバーを、前記永久磁石片の
    表面に配設したことを特徴とする請求項1記載の回転電
    機用磁石回転子。
  3. 【請求項3】 カバーは、強磁性部分と非磁性部分とが
    共存するとともに強磁性部分と非磁性部分の結晶構造が
    異なる同一素材からなることを特徴とする請求項2記載
    の回転電機用磁石回転子。
  4. 【請求項4】 円周方向に沿って永久磁石が配設された
    回転電機用磁石回転子であって、 前記磁石回転子の回転軸方向および/または円周方向に
    分割されたカバーを、前記永久磁石の表面に配設したこ
    とを特徴とする回転電機用磁石回転子。
  5. 【請求項5】 カバーは、強磁性部分と非磁性部分とが
    共存するとともに強磁性部分と非磁性部分の結晶構造が
    異なる同一素材からなることを特徴とする請求項4記載
    の回転電機用磁石回転子。
  6. 【請求項6】 前記磁石回転子の回転軸方向に分割され
    たカバーの直径(D)および回転軸方向寸法(l)が、
    (l/D)=0.001〜0.50の範囲にあることを
    特徴とする請求項2乃至5のいずれか1つの回転電機用
    磁石回転子。
JP7298908A 1995-10-24 1995-10-24 回転電機用磁石回転子 Pending JPH09121485A (ja)

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