JPH09121414A - ガス絶縁開閉装置の封入ガス監視方法及び装置 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置の封入ガス監視方法及び装置

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JPH09121414A
JPH09121414A JP7277675A JP27767595A JPH09121414A JP H09121414 A JPH09121414 A JP H09121414A JP 7277675 A JP7277675 A JP 7277675A JP 27767595 A JP27767595 A JP 27767595A JP H09121414 A JPH09121414 A JP H09121414A
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gas
switch
box
deviation
gas pressure
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JP7277675A
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Koichi Kawabe
好一 河辺
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開閉器に流れる電流値、ガスの温度、箱体の
周囲温度による影響を取り入れて箱体内のガス圧力を監
視し、信頼性を向上する。 【解決手段】 絶縁性能及び消弧性能の優れたガスを封
入した箱体1内に開閉器4を収容して成るガス絶縁開閉
装置の封入ガス監視方法であって、箱体1内部のガス圧
力、開閉器4に流れる電流値、箱体1内部のガス温度、
箱体1外部の周囲温度を夫々検出し、開閉器4に流れる
電流値の変動によるジュール熱の影響と、箱体1外部の
周囲温度の変動による影響とを考慮して、箱体1内部の
ガス温度及びガス圧力の実測値の変動を夫々補正し、そ
の補正されたガス温度の変動が著しい場合や、該ガス温
度の変動から想定される箱体1内部のガス圧力の適正な
変動と前記補正されたガス圧力の実測値の変動との差が
著しい場合に警報又は開閉器4の遮断を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、箱体の中に開閉器
を収容すると共にガスを封入したガス絶縁開閉装置の封
入ガス監視方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場等において電源を受電する箇所に
は、絶縁性能及び消弧性能の優れたガスを封入した箱体
内に開閉器を収容することにより、該開閉器の開閉時に
発生するアークを極力短い接点間距離で速やかに消失し
得るようにし、開閉器の小型化と耐久性の向上を図り得
るようにしたガス絶縁開閉装置が使用されている。
【0003】従来から使用されているガス絶縁開閉装置
の一例を図3によって説明すると、ガスを封入した箱体
1には2つの受電系統2,3が取り入れられていて、そ
れぞれの受電系統2,3は個別に開閉器4、トランス5
を介して負荷6に接続されている。そして受電系統2,
3の一方に支障が生じた時、他方から受電できるように
するため、受電系統2,3間には系統接続のための系統
接続遮断器7が接続されている。
【0004】開閉器4が正常な機能を保って動作するた
めには、箱体1内に封入されているガスが所定範囲の圧
力の封入状態を保っている必要がある。
【0005】このため従来の箱体1には、上限圧力検出
器8及び下限圧力検出器9を取り付け、箱体1内のガス
圧力が上限圧力検出器8に設定されている上限圧力まで
上昇したり、或いは下限圧力検出器9に設定されている
下限圧力まで下降した場合に警報信号やトリップ信号を
出力し得るようにしてある。
【0006】そして、トリップ信号が出た場合には、こ
の信号を利用して開閉器4を開放するようにしていた。
【0007】尚、図中10は各開閉器4ごとに流れる電
流値を検出し得るよう受電系統2,3に個別に取り付け
られた開閉器負荷電流検出器である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た如き従来装置では、箱体1内のガス圧力が上限圧力検
出器8に設定されている上限圧力まで上昇するか、或い
は下限圧力検出器9に設定されている下限圧力まで下降
するまでガス圧力の異常が検知できないため、異常が発
生した場合にはトラブルが大きく広がって異常原因の把
握に手間取ったり、トラブルの復旧に時間がかかるとい
う欠点があった。
【0009】また、箱体1内のガスの封入状態に異常が
なく正常な状態であっても、受電系統2,3に流れる電
流によるジュール熱、ガスの温度変化、箱体1外部の周
囲温度の変化等によって、箱体1内のガス圧力は変動す
るので、単にガス圧力を検出するだけでは、異常を検知
する上での信頼性に欠けるという不具合もあった。
【0010】本発明は、上述の実情に鑑みて成したもの
で、ガス絶縁開閉装置に生じた異常の早期検知を可能と
し且つ異常を検知する上での信頼性を向上することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のガス絶縁開閉装
置の封入ガス監視方法は、絶縁性能及び消弧性能の優れ
たガスを封入した箱体1内に開閉器4を収容して成るガ
ス絶縁開閉装置の封入ガス監視方法であって、箱体1内
部のガス圧力、開閉器4に流れる電流値、箱体1内部の
ガス温度、箱体1外部の周囲温度を夫々検出し、開閉器
4に流れる電流値の変動によるジュール熱の影響と、箱
体1外部の周囲温度の変動による影響とを考慮して箱体
1内部のガス温度の実測値の変動を補正し、その補正さ
れた箱体1内部のガス温度の変動が著しい場合に警報又
は開閉器4の遮断を行い、一方、開閉器4に流れる電流
値の変動によるジュール熱の影響と、箱体1外部の周囲
温度の変動による影響とを考慮して箱体1内部のガス圧
力の実測値の変動を補正し、その補正された箱体1内部
のガス圧力の変動と、前記補正された箱体1内部のガス
温度の変動から想定される箱体1内部のガス圧力の適正
な変動とを比較して両者の差を求め、その差が著しい場
合に警報又は開閉器4の遮断を行うことを特徴とするも
のである。
【0012】また、本発明のガス絶縁開閉装置の封入ガ
ス監視装置は、絶縁性能及び消弧性能の優れたガスを封
入した箱体1内に開閉器4を収容して成るガス絶縁開閉
装置の封入ガス監視装置であって、開閉器4に流れる電
流値を検出する開閉器負荷電流検出器10と、箱体1内
部のガス圧力を検出する内部ガス圧力検出器11と、箱
体1内部のガス温度を検出する内部ガス温度検出器12
と、箱体外部の周囲温度を検出する開閉器周囲温度検出
器13と、これらの各検出器10,11,12,13か
らの検出信号を夫々入力して異常発生時に警報又は開閉
器4の遮断を行う制御装置14とを備えたことを特徴と
するものであり、前記制御装置14は、開閉器負荷電流
検出器10の検出信号に基づいて開閉器4に流れる電流
値の単位時間当たりの偏差ΔIを求める手段16と、該
手段16により求められた偏差ΔIから第1のガス温度
補正係数x1及びガス圧力補正係数x3を求める手段17
と、開閉器周囲温度検出器13の検出信号に基づいて箱
体1外部の周囲温度の単位時間当たりの偏差ΔTAを求
める手段19と、該手段19により求められた偏差ΔT
Aから第2のガス温度補正係数x2及びガス圧力補正係数
4を求める手段20と、内部ガス温度検出器12の検
出信号に基づいて箱体1内部のガス温度の単位時間当た
りの偏差を求め、且つ該偏差に前記第1のガス温度補正
係数x1と第2のガス温度補正係数x2とを乗じて補正ガ
ス温度偏差ΔTGを求める手段18と、該手段18によ
り求められた補正ガス温度偏差ΔTGが所定許容値を超
え且つトリップ値を超えない場合に警報を発し、トリッ
プ値以上の場合には前記開閉器4を遮断する手段22,
28,29,27と、前記補正ガス温度偏差ΔTGから
適正ガス圧力偏差ΔPTを求める手段21と、内部ガス
圧力検出器11の検出信号に基づいて箱体1内部のガス
圧力の単位時間当たりの偏差を求め、且つ該偏差に前記
第1のガス圧力補正係数x3と第2のガス圧力補正係数
4とを乗じて補正ガス圧力偏差ΔPPを求める手段15
と、前記適正ガス圧力偏差ΔPTと補正ガス圧力偏差Δ
Pとを比較して両者の差を求める手段23と、該手段
23により求められた差が所定許容値を超え且つトリッ
プ値を超えない場合に警報を発し、トリップ値以上の場
合には前記開閉器4を遮断する手段24,25,26,
27と、を含むことが好ましい。
【0013】而して、内部ガス温度検出器12により検
出される箱体1内のガス温度の実測値の変動は、その変
動時における開閉器4を流れる電流値の変動によるジュ
ール熱の影響と、箱体1外部の周囲温度の変動による影
響とを考慮した変動(補正ガス温度偏差ΔTG)に補正
され、その補正された変動(補正ガス温度偏差ΔTG
が著しい場合に警報又は開閉器4の遮断が行われること
になる。
【0014】即ち、機能ブロック18にて演算される補
正ガス温度偏差ΔTGは、開閉器4に流れる電流値の単
位時間当たりの偏差ΔIによるジュール熱の影響と、箱
体1の外部の周囲温度の単位時間当たりの偏差ΔTA
よる影響とを考慮して箱体1内のガス温度の実測値の偏
差を補正した補正値であるので、この補正ガス温度偏差
ΔTGが大きい(変動が著しい)ということは、開閉器
4の異常過熱等といった機械的故障要因による異常が発
生している可能性が高いと判断できる。
【0015】一方、内部ガス圧力検出器11により検出
される箱体1内のガス圧力の実測値の変動は、その変動
時における開閉器4を流れる電流値の変動によるジュー
ル熱の影響と、箱体1外部の周囲温度の変動による影響
とを考慮した変動(補正ガス圧力偏差ΔPP)に補正さ
れ、更に、その補正された箱体1内部のガス圧力の変動
(補正ガス圧力偏差ΔPP)と、前記補正された箱体1
内部のガス温度の変動(補正ガス温度偏差ΔTG)から
想定される箱体1内部のガス圧力の適正な変動(適正ガ
ス圧力偏差ΔPT)との差が著しい場合に警報又は開閉
器4の遮断が行われることになる。
【0016】即ち、機能ブロック23にて演算される補
正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧力偏差ΔPTとの差
は、開閉器4に流れる電流値の単位時間当たりの偏差Δ
Iによるジュール熱の影響と、箱体1の外部の周囲温度
の単位時間当たりの偏差ΔT Aによる影響とを考慮した
ものなので、この補正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧
力偏差ΔPTとの差が大きい(差が著しい)ということ
は、箱体1の破損によるガスリーク等といった機械的故
障要因による異常が発生している可能性が高いと判断で
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。
【0018】図1及び図2は本発明の実施の形態の一例
を示すもので、図3と同一の符号を付した部品は同一物
を表わしている。
【0019】図1に示すように、受電系統2,3には、
開閉器負荷電流検出器10が個別に取り付けられてお
り、該開閉器負荷電流検出器10によって各開閉器4ご
とに流れる電流値が検出されるようになっている。
【0020】また、開閉器4を収容すると共にガスを封
入した箱体1に、内部ガス圧力検出器11が取り付けら
れており、該内部ガス圧力検出器11によって前記箱体
1内のガス圧力が検出されるようになっている。
【0021】更に、前記箱体1には、該箱体1内部のガ
ス温度を検出し得るよう内部ガス温度検出器12が配設
されており、また、前記箱体1の近傍位置には、該箱体
1の外部の周囲温度を検出し得るよう開閉器周囲温度検
出器13が取り付けられている。
【0022】これらの開閉器負荷電流検出器10、内部
ガス圧力検出器11、内部ガス温度検出器12、開閉器
周囲温度検出器13の夫々の検出信号は、所要場所に設
けた制御装置14に入力されるようになっており、該制
御装置14では、前記各検出信号に基づいて異常発生時
に警報又は開閉器4の遮断を行い得るようにしてある。
【0023】図2は前記制御装置14の制御フロー図で
あり、開閉器負荷電流検出器10からの検出信号が機能
ブロック16に入力されるようになっており、該機能ブ
ロック16においては、単位時間Δtの始めの電流値I
1と終りの電流値I2との差から、開閉器4に流れる電流
値の単位時間当たりの偏差ΔIが演算されるようになっ
ている。
【0024】更に、前記機能ブロック16で演算された
電流値の単位時間当たりの偏差ΔIは、機能ブロック1
7に入力され、該機能ブロック17においては、偏差Δ
Iに対して箱体1内のガス温度及びガス圧力がどのくら
い変化するか、が予め実験等によるデータに基づいて記
録されていて、開閉器4に流れる電流値の単位時間当た
りの偏差ΔIに対する第1のガス温度補正係数x1とガ
ス圧力補正係数x3とが夫々演算されるようになってい
る。
【0025】また、内部ガス温度検出器12からの検出
信号は後述する機能ブロック18に入力されて演算処理
されるようになっている。
【0026】更に、開閉器周囲温度検出器13からの検
出信号は機能ブロック19に入力され、該機能ブロック
19においては、単位時間Δtの始めの周囲温度T1
終りの周囲温度T2との差から、周囲温度の単位時間当
たりの偏差ΔTAが演算されるようになっている。
【0027】更に、前記機能ブロック19で演算された
周囲温度の単位時間当たりの偏差ΔTAは、機能ブロッ
ク20に入力され、該機能ブロック20においては、機
能ブロック19の演算した周囲温度の単位時間当たりの
偏差ΔTAに対して箱体1内のガス温度及びガス圧力が
どのくらい変化するか、が予め実験等によるデータに基
づいて記録されていて、周囲温度の単位時間当たりの偏
差ΔTAに対する第2のガス温度補正係数x2とガス圧力
補正係数x4とが夫々演算されるようになっている。
【0028】前述した機能ブロック18では、内部ガス
温度検出器12からの検出信号に基づく単位時間Δtの
始めの箱体1内部のガス温度T3と終りの箱体1内部の
ガス温度T4との差、すなわち、箱体1内部のガス温度
の単位時間Δt当たりの変化に、機能ブロック17にお
いて演算した第1のガス温度補正係数x1と、機能ブロ
ック20において演算した第2のガス温度補正係数x2
とを乗じ、補正ガス温度偏差ΔTGを演算するようにし
てある。
【0029】機能ブロック18にて演算される補正ガス
温度偏差ΔTGは、開閉器4に流れる電流値の単位時間
当たりの偏差ΔIによるジュール熱の影響と、箱体1の
外部の周囲温度の単位時間当たりの偏差ΔTAによる影
響とを考慮して箱体1内のガス温度の実測値の偏差を補
正した補正値であって、この補正ガス温度偏差ΔT
Gは、機能ブロック21と判断ブロック22とに入力さ
れる。
【0030】機能ブロック21においては、補正ガス温
度偏差ΔTGに対する箱体1内部のガス圧力の偏差がど
の位になるか、が予め実験等によるデータに基づいて記
録されていて、補正ガス温度偏差ΔTGに対応する適正
ガス圧力偏差ΔPTが演算され、該適正ガス圧力偏差Δ
Tが機能ブロック23に入力されるようになってい
る。
【0031】一方、内部ガス圧力検出器11からの検出
信号は機能ブロック15に入力されるようになってお
り、該機能ブロック15においては、内部ガス温度検出
器12からの検出信号に基づく単位時間Δtの始めの箱
体1内部のガス圧力P1と終りの箱体1内部のガス圧力
2との差、すなわち、箱体1内部のガス圧力の単位時
間Δt当たりの変化に、機能ブロック17において演算
した第1のガス圧力補正係数x3と、機能ブロック20
において演算した第2のガス圧力補正係数x4とを乗
じ、補正ガス圧力偏差ΔPPを演算するようにしてあ
る。
【0032】機能ブロック15にて演算される補正ガス
圧力偏差ΔPPは、開閉器4に流れる電流値の単位時間
当たりの偏差ΔIによるジュール熱の影響と、箱体1の
外部の周囲温度の単位時間当たりの偏差ΔTAによる影
響とを考慮して箱体1内のガス圧力の実測値の偏差を補
正した補正値であって、この補正ガス圧力偏差ΔP
Pが、前述した機能ブロック23に入力されるようにな
っている。
【0033】前記機能ブロック23においては、前記補
正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧力偏差ΔPTとを比較
して、その差を判断ブロック24に入力するようになっ
ており、該判断ブロック24においては、補正ガス圧力
偏差ΔPPと適正ガス圧力偏差ΔPTとの差が、予め設定
してある所定許容値以内の場合は、そのまま機能ブロッ
ク15の演算を継続させ、前記補正ガス圧力偏差ΔPP
と適正ガス圧力偏差ΔPTとの差が、予め設定してある
所定許容値を超えている場合には、補正ガス圧力偏差Δ
Pと適正ガス圧力偏差ΔPTとの差を判断ブロック25
に入力するようになっている。
【0034】判断ブロック25には、上述の所定許容値
よりも高いトリップ値が設定されていて、前記判断ブロ
ック24から補正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧力偏
差ΔPTとの差が判断ブロック25に入力されると、補
正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧力偏差ΔPTとの差が
トリップ値と比較され、補正ガス圧力偏差ΔPPと適正
ガス圧力偏差ΔPTとの差がトリップ値以下の時には、
警報器26が作動され、補正ガス圧力偏差ΔPPと適正
ガス圧力偏差ΔPTとの差がトリップ値以上の時には、
判断ブロック25から開閉器トリップ信号発生器27に
信号が送られ、開閉器4(図1参照)が開放されるよう
になっている。
【0035】次に、前述した判断ブロック22では、機
能ブロック18から入力された補正ガス温度偏差ΔTG
と所定許容値とが比較されるようになっており、補正ガ
ス温度偏差ΔTGが所定許容値以内の場合は、そのまま
機能ブロック18の演算を継続させ、補正ガス温度偏差
ΔTGが所定許容値を超えている場合には、補正ガス温
度偏差ΔTGを判断ブロック28に入力するようになっ
ている。
【0036】判断ブロック28には、上述の所定許容値
よりも高いトリップ値が設定されていて、判断ブロック
22から補正ガス温度偏差ΔTGが判断ブロック28に
入力されると、補正ガス温度偏差ΔTGがトリップ値と
比較され、補正ガス温度偏差ΔTGがトリップ値以下の
時には、警報器29が作動され、判断ブロック28に入
力された補正ガス温度偏差ΔTGがトリップ値以上の時
には、判断ブロック28から開閉器トリップ信号発生器
27に信号が送られ、開閉器4が開放されるようになっ
ている。
【0037】このように開閉器トリップ信号発生器27
は、補正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧力偏差ΔPT
の差が所定許容値を超えた時にも、補正ガス温度偏差Δ
Gが所定許容値を超えた時にも開閉器4を開放し、箱
体1内部のガスの圧力の面と温度の面との双方から異常
状態の発生を防止し得るようにしてある。
【0038】尚、上述した図2の説明は、複数個設けら
れているうちの1つの開閉器4に流れる電流値を連続し
て測定する場合について説明したが、複数個設けられて
いるうちの他の開閉器4(図1参照)に対しても開閉器
負荷電流検出器10を接続し、図2と同じ回路で他の受
電系統3の負荷電流に基づく異常を検出することができ
る。
【0039】この場合、開閉器負荷電流検出器10を除
く内部ガス圧力検出器11、内部ガス温度検出器12、
開閉器周囲温度検出器13は、1つのもので共用するこ
とが可能である。
【0040】而して、以上に述べた如き構成によれば、
内部ガス温度検出器12により検出される箱体1内のガ
ス温度の実測値の変動は、その変動時における開閉器4
を流れる電流値の変動によるジュール熱の影響と、箱体
1外部の周囲温度の変動による影響とを考慮した変動
(補正ガス温度偏差ΔTG)に補正され、その補正され
た変動(補正ガス温度偏差ΔTG)が著しい場合に警報
又は開閉器4の遮断が行われることになる。
【0041】即ち、機能ブロック18にて演算される補
正ガス温度偏差ΔTGは、開閉器4に流れる電流値の単
位時間当たりの偏差ΔIによるジュール熱の影響と、箱
体1の外部の周囲温度の単位時間当たりの偏差ΔTA
よる影響とを考慮して箱体1内のガス温度の実測値の偏
差を補正した補正値であるので、この補正ガス温度偏差
ΔTGが大きい(変動が著しい)ということは、開閉器
4の異常過熱等といった機械的故障要因による異常が発
生している可能性が高いので、その程度に応じて警報又
は開閉器4の遮断を行う必要があるのである。
【0042】一方、内部ガス圧力検出器11により検出
される箱体1内のガス圧力の実測値の変動は、その変動
時における開閉器4を流れる電流値の変動によるジュー
ル熱の影響と、箱体1外部の周囲温度の変動による影響
とを考慮した変動(補正ガス圧力偏差ΔPP)に補正さ
れ、更に、その補正された箱体1内部のガス圧力の変動
(補正ガス圧力偏差ΔPP)と、前記補正された箱体1
内部のガス温度の変動(補正ガス温度偏差ΔTG)から
想定される箱体1内部のガス圧力の適正な変動(適正ガ
ス圧力偏差ΔPT)との差が著しい場合に警報又は開閉
器4の遮断が行われることになる。
【0043】即ち、機能ブロック23にて演算される補
正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧力偏差ΔPTとの差
は、開閉器4に流れる電流値の単位時間当たりの偏差Δ
Iによるジュール熱の影響と、箱体1の外部の周囲温度
の単位時間当たりの偏差ΔT Aによる影響とを考慮した
ものなので、この補正ガス圧力偏差ΔPPと適正ガス圧
力偏差ΔPTとの差が大きい(差が著しい)ということ
は、箱体1の破損によるガスリーク等といった機械的故
障要因による異常が発生している可能性が高いので、そ
の程度に応じて警報又は開閉器4の遮断を行う必要があ
るのである。
【0044】従って、上記形態例によれば、箱体1内部
のガス圧力、開閉器4に流れる電流値、箱体1内部のガ
ス温度、箱体1外部の周囲温度を夫々検出し、開閉器4
に流れる電流値の変動によるジュール熱の影響と、箱体
1外部の周囲温度の変動による影響とを考慮して、箱体
1内部のガス温度及びガス圧力の実測値の変動を夫々補
正し、その補正されたガス温度の変動が著しい場合や、
該ガス温度の変動から想定される箱体1内部のガス圧力
の適正な変動と前記補正されたガス圧力の実測値の変動
との差が著しい場合に警報又は開閉器4の遮断を行うよ
うにしているので、ガス絶縁開閉装置に生じた異常を早
期に検知することができ且つ異常を検知する上での信頼
性を大幅に向上することができる。
【0045】尚、本発明のガス絶縁開閉装置の封入ガス
監視方法及び装置は、上述の形態例にのみ限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々変更を加え得ることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】上記した本発明のガス絶縁開閉装置の封
入ガス監視方法及び装置によれば、箱体1内部のガス圧
力、開閉器4に流れる電流値、箱体1内部のガス温度、
箱体1外部の周囲温度を夫々検出し、開閉器4に流れる
電流値の変動によるジュール熱の影響と、箱体1外部の
周囲温度の変動による影響とを考慮して、箱体1内部の
ガス温度及びガス圧力の実測値の変動を夫々補正し、そ
の補正されたガス温度の変動が著しい場合や、該ガス温
度の変動から想定される箱体1内部のガス圧力の適正な
変動と前記補正されたガス圧力の実測値の変動との差が
著しい場合に警報又は開閉器4の遮断を行うようにして
いるので、ガス絶縁開閉装置に生じた異常を早期に検知
することができ且つ異常を検知する上での信頼性を大幅
に向上することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す概略図であ
る。
【図2】図1の制御装置の制御フロー図である。
【図3】従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 箱体 4 開閉器 10 開閉器負荷電流検出器 11 内部ガス圧力検出器 12 内部ガス温度検出器 13 開閉器周囲温度検出器 14 制御装置 15 機能ブロック 16 機能ブロック 17 機能ブロック 18 機能ブロック 19 機能ブロック 20 機能ブロック 21 機能ブロック 22 判断ブロック 23 機能ブロック 24 判断ブロック 25 判断ブロック 26 警報器 27 開閉器トリップ信号発生器 28 判断ブロック 29 警報器 ΔI 偏差 ΔPP 補正ガス圧力偏差 ΔPT 適正ガス圧力偏差 ΔTA 偏差 ΔTG 補正ガス温度偏差 x1 第1のガス温度補正係数 x2 第2のガス温度補正係数 x3 第1のガス圧力補正係数 x4 第2のガス圧力補正係数

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性能及び消弧性能を有するガスを封
    入した箱体(1)内に開閉器(4)を収容して成るガス
    絶縁開閉装置の封入ガス監視方法であって、 箱体(1)内部のガス圧力、開閉器(4)に流れる電流
    値、箱体(1)内部のガス温度、箱体(1)外部の周囲
    温度を夫々検出し、 開閉器(4)に流れる電流値の変動によるジュール熱の
    影響と、箱体(1)外部の周囲温度の変動による影響と
    を考慮して箱体(1)内部のガス温度の実測値の変動を
    補正し、 その補正された箱体(1)内部のガス温度の変動が著し
    い場合に警報又は開閉器(4)の遮断を行い、 一方、開閉器(4)に流れる電流値の変動によるジュー
    ル熱の影響と、箱体(1)外部の周囲温度の変動による
    影響とを考慮して箱体(1)内部のガス圧力の実測値の
    変動を補正し、 その補正された箱体(1)内部のガス圧力の変動と、前
    記補正された箱体(1)内部のガス温度の変動から想定
    される箱体(1)内部のガス圧力の適正な変動とを比較
    して両者の差を求め、 その差が著しい場合に警報又は開閉器(4)の遮断を行
    うことを特徴とするガス絶縁開閉装置の封入ガス監視方
    法。
  2. 【請求項2】 絶縁性能及び消弧性能を有するガスを封
    入した箱体(1)内に開閉器(4)を収容して成るガス
    絶縁開閉装置の封入ガス監視装置であって、 開閉器(4)に流れる電流値を検出する開閉器負荷電流
    検出器(10)と、 箱体(1)内部のガス圧力を検出する内部ガス圧力検出
    器(11)と、 箱体(1)内部のガス温度を検出する内部ガス温度検出
    器(12)と、 箱体外部の周囲温度を検出する開閉器周囲温度検出器
    (13)と、 これらの各検出器(10)(11)(12)(13)か
    らの検出信号を夫々入力して異常発生時に警報又は開閉
    器(4)の遮断を行う制御装置(14)とを備えたこと
    を特徴とするガス絶縁開閉装置の封入ガス監視装置。
  3. 【請求項3】 制御装置(14)が、 開閉器負荷電流検出器(10)の検出信号に基づいて開
    閉器(4)に流れる電流値の単位時間当たりの偏差(Δ
    I)を求める手段(16)と、 該手段(16)により求められた偏差(ΔI)から第1
    のガス温度補正係数(x1)及びガス圧力補正係数
    (x3)を求める手段(17)と、 開閉器周囲温度検出器(13)の検出信号に基づいて箱
    体(1)外部の周囲温度の単位時間当たりの偏差(ΔT
    A)を求める手段(19)と、 該手段(19)により求められた偏差(ΔTA)から第
    2のガス温度補正係数(x2)及びガス圧力補正係数
    (x4)を求める手段(20)と、 内部ガス温度検出器(12)の検出信号に基づいて箱体
    (1)内部のガス温度の単位時間当たりの偏差を求め、
    且つ該偏差に前記第1のガス温度補正係数(x 1)と第
    2のガス温度補正係数(x2)とを乗じて補正ガス温度
    偏差(ΔTG)を求める手段(18)と、 該手段(18)により求められた補正ガス温度偏差(Δ
    G)が所定許容値を超え且つトリップ値を超えない場
    合に警報を発し、トリップ値以上の場合には前記開閉器
    (4)を遮断する手段(22)(28)(29)(2
    7)と、 前記補正ガス温度偏差(ΔTG)から適正ガス圧力偏差
    (ΔPT)を求める手段(21)と、 内部ガス圧力検出器(11)の検出信号に基づいて箱体
    (1)内部のガス圧力の単位時間当たりの偏差を求め、
    且つ該偏差に前記第1のガス圧力補正係数(x 3)と第
    2のガス圧力補正係数(x4)とを乗じて補正ガス圧力
    偏差(ΔPP)を求める手段(15)と、 前記適正ガス圧力偏差(ΔPT)と補正ガス圧力偏差
    (ΔPP)とを比較して両者の差を求める手段(23)
    と、 該手段(23)により求められた差が所定許容値を超え
    且つトリップ値を超えない場合に警報を発し、トリップ
    値以上の場合には前記開閉器(4)を遮断する手段(2
    4)(25)(26)(27)と、 を含むことを特徴とする請求項2に記載のガス絶縁開閉
    装置の封入ガス監視装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100368425B1 (ko) * 2001-01-05 2003-01-24 주식회사 효성 가스절연개폐장치의 동작상태 감시진단 방법
JP2010193616A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Mitsubishi Electric Corp ガス圧監視装置ならびにガス絶縁電気機器
JP2016226146A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 株式会社日立製作所 ガス絶縁開閉装置監視装置、ガス絶縁開閉装置監視方法、およびガス絶縁開閉設備

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