JP2014142996A - 密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置 - Google Patents

密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置 Download PDF

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    • H01H33/66Vacuum switches
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Abstract

【課題】真空容器内で放電が発生しない高圧力下においても、真空容器内の真空度が劣化したことを検知できる密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置を提供する。
【解決手段】内部に開閉部が収容された真空容器2の周りを包囲するように設けられ、上記真空容器との間に絶縁性ガスが封入された密閉容器1を有する密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置8であって、上記密閉容器に設置され該密閉容器内の温度を検知する温度センサ及び圧力を検知する圧力センサの少なくとも一つのセンサ装置9と、このセンサ装置の検知信号を演算処理することによって上記真空容器の真空の劣化を判定する判定手段を有する信号処理部10とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、真空遮断器あるいは真空遮断器を用いた開閉装置などとして用いることができる密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置に関するものである。
従来、タンク型あるいは碍子形真空遮断器の真空度測定は、主回路から真空容器を切り離した後、真空度チェッカなどの計測器を用いて行っていた。しかし、主回路から切り離すことができない真空遮断器の場合は上記のような方法で真空度を測定することができない。この問題を解決するため、例えば特許文献1は真空容器内に配置された接点の近傍にセンサを配置し、真空容器内の真空度が正常であるときにセンサが検出する交流波形と、真空容器内の真空不良時に検出する放電波形から異常を検出し、放電波形の波高値から真空不良の開始時を検出する。
また、特許文献2では、真空遮断器の真空バルブに感温塗料を塗布し、真空容器の内部圧力が低下して真空容器の周辺温度が所定の温度まで上昇した場合に感温塗料が変色するように構成している。そして、監視員が感温塗料の変色を目視で確認することにより、真空度劣化を検出する。さらに、特許文献3では、接地された真空容器の側面に同軸電極を設置し、この同軸電極の周囲に外部電源により磁界を発生させ、真空容器内の残留ガスから陽イオン電流を電離させる。そして、陽イオン電流によって生じる電位差を検出して真空容器内の内部圧力を測定する。
特開平6−12949号公報(第3頁、図1) 特開平9−129097号公報(第3頁、図1) 特開2000−306473号公報(第3頁、図1)
上記特許文献1のような技術では、真空容器に大きな亀裂等が生じて急激に真空度が劣化した場合に、ガス圧の上昇速度が真空度劣化監視装置の放電検知能力を上回ると、真空容器内で放電が発生しないため、真空度が測定できないという問題があった。特許文献2のような技術では、監視員が変色に気付かなければ真空度劣化を検出できないという課題があった。また、特許文献3のような真空容器を加工して測定素子を取り付ける技術では、遮断器の遮断特性や絶縁性能に影響を及ぼす可能性があるという問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、真空容器内で放電が発生しない高圧力下においても、真空容器内の真空度が劣化したことを検知できる密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置を提供することを目的としている。
この発明に係る密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置は、内部に開閉部が収容された真空容器の周りを包囲するように設けられ、上記真空容器との間に絶縁性ガスが封入された密閉容器を有する密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置であって、上記密閉容器に設置され該密閉容器内の温度を検知する温度センサ及び圧力を検知する圧力センサの少なくとも一つのセンサ装置と、このセンサ装置の出力信号を演算処理することによって上記真空容器の真空の劣化を判定する判定手段を有する信号処理部を備えるようにしたものである。
この発明によれば、信号処理部によって、密閉容器内の温度を検知する温度センサ及び圧力を検知する圧力センサの少なくとも一つのセンサ装置の出力信号を演算処理することによって真空容器の真空の劣化を判定するようにしたので、真空容器内が放電の発生しない高圧力下になっていた場合においても、真空容器内の真空度が劣化したことを容易に検出できる。また、温度センサは真空容器に対して非接触で密閉容器に配置することができるので、遮断性能を低下させることがない。
本発明の実施の形態1による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図。 図1に示された信号処理部の主要構成を示すブロック図。 図1に示された密閉容器内部に設置した温度センサの出力例を示す図。 図1に示された信号処理部の主な処理手順を示すフロー図。 図1に示された真空度劣化検出装置によって検出される真空容器の圧力領域を説明するためのパッシェンカーブを示す参考図。 図1に示された真空度劣化検出装置を三相交流線路の各相に適用したときの主要構成を概念的に示す図。 本発明の実施の形態2による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図。 本発明の実施の形態3による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図。 図8に示された真空度劣化検出装置におけるガスリーク要因の違いによる絶縁性ガスの圧力変化の例を示す図。 本発明の実施の形態4による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図。 図10に示された真空度劣化検出装置の主要な処理手順を示すフロー図。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図である。図において、密閉型開閉装置は、密閉容器1と、この密閉容器1の中に配置された真空容器2と、真空容器2の中に配置された開閉部を構成する固定接点3及び可動接点4と、密閉容器1の外部に設置された図示省略している電磁操作装置と、電磁操作装置の駆動軸と可動接点4を連結する絶縁ロッド5と、密閉容器1の外部から図示しない碍子を経由して真空容器2の固定接点3または可動接点4にそれぞれ接続された主回路導体6などを備えている。主回路導体6の周囲にはブッシング7が設けられている。密閉容器1内には例えば乾燥空気(ドライエア)や六フッ化硫黄(SF)ガスなどの絶縁性ガスが充填されている。
密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置8は、密閉容器1の内側の壁面に取り付けられ密閉容器1内の温度を検知するセンサ装置9としての温度センサ91と、温度センサ91の検知信号を伝送する信号ケーブル9aを介して接続され密閉容器1の外部に設置された信号処理部10からなっている。なお、温度センサ91の設置位置は、真空容器2の周囲温度を検知できる範囲であれば、密閉容器1の内側のどの位置に設置してもよい。この実施の形態1では、設置が比較的容易な密閉容器1の下部に放射温度計を配置した例を示す。
図2は、図1に示された真空度劣化検出装置8を構成する信号処理部10の主要構成を示すブロック図である。図2に示すように、信号処理部10は温度センサ91を使って真空容器2周辺の温度を常時観測し、ディジタル値に変換する測定手段11と、測定手段11から取得した温度データをメモリ等の記憶媒体に記録する記録手段12と、記録手段12の記録情報から温度データを取得して真空容器2周辺の温度変化量や、その最大値などを算出する演算処理機能を有する真空度劣化推定手段13と、推定した真空度劣化に対応する値が所定値を超えた場合に真空容器2内が密閉容器1内の絶縁性ガスなどにより置換されたと判定する判定手段14を備えている。
次に、上記のように構成された実施の形態1の動作について説明する。なお、上記絶縁性ガスは乾燥空気、主回路導体6を流れる電流値は一定、開閉部の接点は投入状態である場合について説明するが、絶縁性ガスがSFガスである場合などにおいても同様に検出できる。可動接点4が投入状態であるとき、主回路導体6は電流が流れることによって発熱し、その熱が密閉容器1内に充填された絶縁性ガス中を伝搬する。主回路導体6に流れる電流が変化しなければ、密閉容器1内の温度はほぼ一定である。一方、真空容器2内部においては導体の熱が空間中にほとんど伝わらないため、真空容器2内部で発生する熱は、密閉容器1内にほとんど伝搬しない。
図3は、密閉容器1内部に設置した温度センサ91の出力例を示す図である。真空容器2内の真空度が劣化していない場合、真空容器2内部は熱が放射されないため真空容器2周辺の熱の出力は小さい。図3中の時刻Tで真空容器2に大きな亀裂が発生すると、密閉容器1内と真空容器2内の圧力差により真空容器2内部に向かって絶縁性ガスが流入する。真空容器2内に密閉容器1内の絶縁性ガスが流入することによって、真空容器2内の導体が発する熱は真空容器2の外側へ伝搬されるため、密閉容器1内の温度が図示のような曲線を描いて上昇する。
図4は、図1に示された信号処理部10の主な処理手順を示すフロー図である。なお、図4に示すように各ステップをS1〜S9とする。測定手段11は、温度センサ91の出力信号からサンプリング間隔Δtで密閉容器1内の温度を取得し、分解能ΔVで離散値に変換する(S1)。なお、離散化された温度をh(m)(m=n・Δt、n=0,1,2,…)と表す。各時刻の温度センサ出力が2次元データであるとして、温度データの2次元平面における異常発生箇所(i,j)での温度をh(m;i,j)と表す。そして記録手段12は、測定手段11で離散化された温度データh(m;i,j)を図示されていないメモリ等の記憶媒体に記録する(S2)。
真空度劣化推定手段13は、まず記録手段12から温度データh(m;i,j)を取得し(S3)、真空容器2周囲の温度変化を強調するため、h(m;i,j)に前処理を施す(S4)。真空度劣化推定手段13は、例えば関数w(i,j)、z(i,j)を用いて温度データh(m;i,j)を次式のようにf(m;i,j)に変換する。
f(m;i,j)=w(i,j)・h(m;i,j)+z(i,j)
なお、前処理は、雑音の抑制、除去、特定の信号成分の強調、関心領域の切り出しなどの目的で行なわれる一般的な処理手法から適宜選択して用いることができ、データを観測した時の状況を考慮して予め適当な処理が選択され、変換関数w(i,j)及びz(i,j)が定義されているものとする。
次に、真空度劣化推定手段13は、データf(m;i,j)の時間変化量σ(m;i,j)を計算し(S5)、σ(m;i,j)の最大値σmax、及びσmaxをとる位置(imax,jmax)を次式のように算出する(S6)。
σ(m;i,j)=|f(m;i,j)−f(k;i,j)| 、
但し、k=(n−1)・Δt 、
σmax(m)=max(σ(m;i,j))
判定手段14は、真空度劣化推定手段13から得たσmax(m)が、予め定めた閾値を超えたかを判定し(S7)、超えている場合(YES)、真空容器2の真空度が劣化して真空容器2内が絶縁性ガスなどよって置換されたと判定し、f(n)の位置情報(i,j)を取得し(S8)、図示されていない一般的な表示手段、報知手段などによって劣化検出位置(i,j)と、真空度劣化を監視員に通知する(S9)。
なお、真空容器2の真空度劣化がない場合、σmax(m)は量子化誤差などの外乱によって決まる分布に従う。これを利用して、真空度が正常であるときのσmaxが従う分布の偏差を閾値として使用しても良い。
図5は図1に示された真空度劣化検出装置によって検出される真空容器の圧力領域を説明するためのパッシェンカーブを示す参考図である。なお、横軸は真空容器内における気体圧力(Torr)と、平行に設けられた電極間の距離(cm)の積、縦軸は放電開始電圧(ボルト)である。真空容器内が高真空である領域Aの場合は放電開始電圧が高く、放電は発生しない。経年劣化等で真空容器内の真空度が低下して領域Bのレベルになると放電開始電圧が急激に低下して真空容器内で放電が発生する。一方、劣化や真空容器の破損などで内部圧力が400Torr・cm以上の領域Cになると再び放電開始電圧が上昇し、真空容器内で放電しなくなる。従来の放電の検出による手法では、急激な真空劣化によって領域Cに至った場合、真空劣化を検出不能であったが、上記のようなこの発明においては、領域Cにおいて確実に真空容器の真空劣化を検出できる。
図6は、実施の形態1に係る図1に示された真空度劣化検出装置を三相交流線路の各相に適用したときの主要構成を概念的に示す図である。この場合、センサ装置9は各相の密閉容器に設置された温度センサ91R、91S、91Tからなり、信号処理部10は、各相の温度センサの出力信号を例えば順次切り替えて処理することにより、真空容器に異常があった相を検知し、監視員に報知するように構成される。
上記のように、実施の形態1の真空度劣化検出装置9は、密閉容器1内の温度を検知する温度センサ91からなるセンサ装置9の出力信号を演算処理することによって真空容器2の真空の劣化を判定するようにしたので、真空容器内が放電の発生しない高圧力下になっていた場合においても、真空容器内の真空度が劣化したことを容易に検出できる。また、密閉容器1内のガス温度の時間変化から真空度劣化を検出するので、真空容器2を加工することなく真空容器2の真空度劣化を検出できる。
さらに、温度データを変換して真空容器2近傍の温度変化を強調するので、真空劣化を精密に推定できる。また、温度センサは密閉容器1に配置され、真空容器2に対して非接触にできるので、真空容器2の遮断性能を低下させることがない。
また、急激な真空劣化を早期に検知できるので、真空遮断器や真空容器2の交換など、速やかに対応できるようになる。このため、密閉型開閉装置の安全性や信頼性が向上し、結果的に密閉型開閉装置の寿命を延ばすことも可能となる。
実施の形態2.
図7は本発明の実施の形態2による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図である。図において、真空度劣化検出装置8Aは、密閉容器1内に設置された実施の形態1と同様の温度センサ91と、主回路導体6に流れる電流を測定するためのセンサ装置9を構成する電流センサ92と、ブロック構成上は図2に示す実施の形態1と同様の信号処理部10Aを備えている。なお、記録手段12には正常状態において測定された通電電流と真空容器2周辺の絶縁性ガス温度との関係(便宜上、電流−温度相関情報と言う)が予め保存されている。また、電流センサ92と信号処理部10Aを接続する信号ケーブルは図示省略している。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。以下、図2、図7を用いて実施の形態2の動作及び効果について説明する。
上記のように構成された実施の形態2において、測定手段11は、実施の形態1と同様に温度センサ91からサンプリング間隔Δtで密閉容器1内の温度を取得し、分解能ΔVで離散値に変換する。離散化された温度をh(m)と表す。各時刻の温度センサ出力が2次元データであるとして、温度データの2次元平面における異常発生箇所(i,j)での温度をh(m;i,j)と表す。また、電流センサ92からも同様にサンプリング間隔Δtでデータを取得し、分解能ΔVで離散値に変換する。離散化された電流データをI(m)と表す。
記録手段12は、測定手段11で離散化された温度データh(m;i,j)及び電流データI(m)をメモリ等の記憶媒体に記録する。真空度劣化推定手段13は、記録手段12から温度データh(m;i,j)及び電流データI(m)を取得し、まず真空容器周辺の温度変化を強調するためにh(m;i,j)をf(m;i,j)に変換する。温度データの変換手法は、実施の形態1と同様なので説明は省略する。次に、真空度劣化推定手段13は予め記録手段12に保存された電流−温度相関情報を読み込み、記録手段12から取得した電流データI(m)に対応する温度を読み取る。この温度をhref(I(m))とする。
判定手段14は、変換された温度データf(m;i,j)がhref(I(m))で決まる範囲に含まれるかを判断し、f(m;i,j)が許容範囲にない場合は監視員に真空容器2の真空度劣化を通知する。このとき真空度劣化推定手段13は、f(m;i,j)とhref(I(m))との差σ(m;i,j)を算出すると共に、σ(m;i,j)の最大値σmax及びσmaxをとる位置(imax,jmax)を算出する。算出された情報は監視員に上記真空度劣化と共に通知し、また、図示していない表示手段などに表示する。
上記のようにこの実施の形態2によれば、予め記録手段12に保存された正常状態の運用における電流−温度相関情報を利用して、電流センサ92によって検知された主回路導体6に流れる通電電流に対する密閉容器1内の適正温度、即ち正常状態の運用における温度を求め、その適正温度と温度センサ91で検出した現時点の温度とを比較して、適正温度を超えたときに異常と判定するようにしたので、真空度劣化を精度よく容易に検出できる。
なお、通電電流I(m)から主回路導体6の発熱量を算出し、発熱量から密閉容器1内のガス温度hrc(I(m))を推定して、hrc(I(m))とf(m;i,j)との差σを求めても良い。また、この実施の形態2では通電電流に対応するガス温度を算出しているが、測定した密閉容器1内のガス温度に対応する通電電流を算出するようにしても良い。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図、図9は図8に示された真空度劣化検出装置におけるガスリーク要因の違いによる絶縁性ガスの圧力変化の例を示す図である。図8において、真空度劣化検出装置8Bは、密閉容器1内に実施の形態1と同様に設置された温度センサ91と、同じく密閉容器1内の絶縁性ガスの圧力を検知し得るように設置された圧力センサ93からなるセンサ装置9を備えている。なお、信号処理部10Bはブロック構成上、図2と同様である。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。以下、図2、図8を用いて実施の形態3の動作及び効果について説明する。
なお、測定手段11及び記録手段12の動作は、この実施の形態3においても上述した実施の形態1と同様であるが、記録手段12には、正常時における密閉容器1内の絶縁性ガスの圧力と温度の関係(便宜上、圧力−温度相関情報という)が予め保存されているものとする。実施の形態1と同様に測定手段11で得た2次元温度データをh(m;i,j)、圧力データをp(m)とあらわす。
真空度劣化推定手段13は、記録手段12から温度データh(m;i,j)及び圧力データp(m)を取得し、真空容器2の周辺の温度変化を強調するため、温度データh(m;i,j)を実施の形態1と同様にして、h(m;i,j)に変換する。
次に、真空度劣化推定手段13は、予め記録手段12に保存した絶縁性ガスの圧力−温度相関情報を読み込み、記録手段12から取得した圧力データp(m)に対応する温度を読み取る。この温度をhref(p(m))とあらわす。
判定手段14は、f(m;i,j)がhref(p(m))で決まる範囲に含まれるかを判断し、f(m)が許容範囲にない場合は監視員に真空容器2の真空度劣化を通知する。このとき真空度劣化推定手段13は、f(m;i,j)とhref(I(m))との差σ(m;i,j)を算出すると共に、σ(m;i,j)の最大値σmax及びσmaxをとる位置(imax,jmax)を算出する。算出された情報は監視員に上記真空度劣化と共に通知し、また、図示していない表示手段などに表示する。
なお、本件密閉型開閉装置のように、密閉容器1の内部に真空容器2が収容されている開閉装置においては、真空容器2のガスリークや破損の他に、密閉容器1のガスリークなどによる故障もあり得る。図9の実線は真空容器2にガスリークの異常があった場合、破線は密閉容器1にガスリークの異常があった場合の絶縁性ガスの圧力変化の例を示している。何れも比較的大きなガスリークがあった場合の例であるが、両者の内容積の相違等から圧力変化には明確な差がある。このような差は上記圧力センサ93で検知することができるので、信号処理部10に同様のロジックで圧力変化の要因を識別するように構成することも容易である。
上記のように、実施の形態3によれば、密閉容器1内の圧力−温度相関情報を用いて、密閉容器1内の圧力に対する適正温度と温度センサ91で検出した温度とを比較するので、真空容器2の真空度劣化が容易に検出できる。さらに、密閉容器1にのみ損傷があった場合、図9のように圧力センサ出力の時間変化量が真空容器2の真空度劣化時と異なることを検出するので、圧力変化の要因が密閉容器1にあるのか、真空容器2にあるのかを識別できる。
なお、本実施の形態3では圧力−温度相関情報に基づいて密閉容器1のガス温度を算出しているが、測定した密閉容器内のガス温度に対応するガス圧を算出し、ガス圧で判定動作させるようにしても良い。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4による密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置の要部を概念的に示す図、図11は図10に示された真空度劣化検出装置の主要な処理手順を示すフロー図である。図10において、真空度劣化検出装置8Cは、密閉容器1内に複数個(ここでは3個)の温度センサ911、912、913を備えている。なお、温度センサ912、913の信号ケーブルは図示省略している。これらセンサ装置9は密閉容器1内の所定位置に分散して設置されており、何れも真空容器2の表面の温度を検知しているものとする。信号処理部10Cはブロック構成上、図2と同様である。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。以下、図2、図10、及び図11を用いて実施の形態4の動作及び効果について説明する。なお、S11〜S22は図11のフロー図におけるステップを示す。
測定手段11は、密閉容器1内に配設された温度センサ911、912、913からサンプリング間隔Δtで密閉容器内の温度を取得し、分解能ΔVでそれぞれの値を離散値に変換する(S11)。離散化された2次元温度データをそれぞれh(m;i,j)、h(m;i,j)、h(m;i,j)とあらわす。
記録手段12は、測定手段11で離散化された温度データh(m;i,j)、h(m;i,j)、h(m;i,j)をメモリ等の記憶媒体に記録する(S12)。
真空度劣化推定手段13は、記録手段12から温度データh(m;i,j)、h(m;i,j)、h(m;i,j)を取得し(S13)、これらを変換関数により前処理する(S14)。温度データの変換手法は、実施の形態1と同様なので説明は省略する。変換後の温度データをg(m;i,j)、g(m;i,j)、g(m;i,j)と表す。次に、複数の温度センサで2つずつ対を組んだ場合、組み合わせ得る全ての温度センサ対の中から順にセンサ対(α,β)を選ぶ(S15)。
そして、g(m;i,j)、g(m;i,j)、g(m;i,j)のすべての組み合わせにおいて、2センサ間の偏差γα,β(m;i,j)(α<β)を算出する(S16)。例えば、センサ911と912の温度の偏差γ12(m;i,j)は、
γ12(m;i,j)=g(m;i,j)−g(m;i,j)
である。
判定手段14は、すべてのセンサ対においてγα,β(m;i,j)と所定値とを比較し(S17)、γα,βが許容範囲外にあると判断した場合(YES)、そのセンサ対(α,β)及びγα,β(m;i,j)を記録する(S18)。
次に、全てのセンサ対の偏差を計算したかを判定する(S19)。その結果がYESの場合、判定手段14が異常なセンサを含むセンサ対を検出していたときは、真空度劣化推定手段13は、許容範囲外と判断されたすべてのセンサ対を記録手段12から取得し、これらのセンサ対において共通な温度センサがあるかを判定する(S20)。
そして、共通な温度センサがあればそれを算出する。例えば、センサ対(1,2)とセンサ対(2,3)の偏差が許容範囲外であった場合、いずれのセンサ対もに共通な温度センサSを抽出する。そして、温度センサSのデータg(m;i,j)において温度変化量が最大である位置を真空容器2の異常発生箇所と推定する(S21)。
なお、許容範囲外と判断されたすべてのセンサ対において共通なセンサが見つからない場合、即ちステップS20の判定結果がNOの場合、判定手段14は監視員に真空容器2の真空度劣化の通知のみ行う(S22)。
また、このステップS22では真空度劣化推定手段13が異常発生箇所を推定した場合、判定手段14は、監視員に真空度劣化を通知し、あわせて真空度劣化推定手段13が推定した異常発生箇所を通知する。
上記のように実施の形態4によれば、密閉容器1内に温度センサを異なる位置に少なくとも3個配置するようにしたので、真空容器2の異常箇所を特定できる。なお、真空度劣化検出装置は、三相交流線路の各相の密閉容器に温度センサを配置した場合にも適用可能であることは言うまでもない。
また、温度センサを3箇所以上設置した場合について説明したが、2箇所の設置でも良い。この場合、1箇所は第1の温度センサとして密閉容器1内における真空容器2の温度を検知できる場所に設置し、他の1箇所は第2の温度センサとしてそれ以外の領域の温度を検知できる場所に設置する。そして、信号処理部は、正常時に測定された第1の温度センサと第2の温度センサの検知信号の差の偏差を真空容器2の真空度劣化の判定に用いるようにして、両者の相対的な温度差を使うことで、真空度劣化の検知精度を高めることができる。
なお、上記実施の形態1〜4では、密閉容器1の内部に1つの真空遮断器(真空容器2)を有するものについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば真空遮断器の他に、断路器など他の要素が包含された密閉型開閉装置であっても同様の作用効果が得られる。また、何れの実施の形態も温度センサを備えた例について説明したが、温度センサを備えず、圧力センサのみで構成した場合でも同様の構成によって真空容器の真空度劣化を検知できる。この場合、開閉部が開極状態の場合でも真空容器2の真空度劣化を検知することができる。また、季節によって周囲温度が変化することでセンサ装置によって検出される温度や圧力が変化するのを補正することで精度を高めるようにしても良い。さらに、実施の形態1〜4のそれぞれに記載された発明を任意の2以上組み合わせることができることは言うまでもない。
1 密閉容器、 2 真空容器、 3 固定接点、 4 可動接点、 5 絶縁ロッド、 6 主回路導体、 8、8A、8B、8C 真空度劣化検出装置、 9 センサ装置、 91、911、912、913、91R、91S、91T 温度センサ、 92 電流センサ、 93 圧力センサ、 10 信号処理部、 11 測定手段、 12 記録手段、 13 真空度劣化推定手段、 14 判定手段。

Claims (8)

  1. 内部に開閉部が収容された真空容器の周りを包囲するように設けられ、上記真空容器との間に絶縁性ガスが封入された密閉容器を有する密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置であって、上記密閉容器に設置され該密閉容器内の温度を検知する温度センサ及び圧力を検知する圧力センサの少なくとも一つのセンサ装置と、このセンサ装置の検知信号を演算処理することによって上記真空容器の真空の劣化を判定する判定手段を有する信号処理部とを備えたことを特徴とする密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置。
  2. 上記信号処理部は、上記センサ装置の検知信号から時間変化量の最大値を算出し、該時間変化量の最大値が予め設定された閾値を超えたときに、上記真空容器の異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置。
  3. 上記センサ装置は、上記温度センサ及び上記圧力センサからなり、上記信号処理部は、上記密閉容器内に収容された絶縁性ガスの圧力と温度との関係について正常時に予め測定された圧力−温度相関情報を有し、該信号処理部は、上記温度センサまたは上記圧力センサの検知信号と、上記圧力−温度相関情報によって上記真空容器の真空の劣化を判定する機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置。
  4. 上記信号処理部は、上記圧力センサの検知信号に基づいて、上記密閉容器のガス漏洩と、上記真空容器の真空の劣化を区別して検知し得るようにしたことを特徴とする請求項3に記載の密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置。
  5. 上記センサ装置は、上記温度センサ、及び上記開閉部に接続された主回路導体に流れる電流を検出する電流センサからなり、上記信号処理部は、上記主回路導体に流れる電流と上記密閉容器内の温度との関係について正常時に予め測定された電流−温度相関情報を有すると共に、上記温度センサまたは上記電流センサの検知信号と上記電流−温度相関情報から上記真空容器の真空の劣化を判定する機能を有することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の密閉型開閉装置の真空度劣化検出装置。
  6. 上記センサ装置は、上記密閉容器内における互いに異なる位置に設置された3つ以上の温度センサを備え、上記信号処理部は、上記各温度センサがそれぞれ検知した温度情報について、組み合わせ得る全ての温度センサ対について、それぞれ偏差を算出し、該偏差が予め設定された所定値を超えたときに、当該温度センサ対を含む異常データを示す温度センサ対を抽出し、該抽出された温度センサ対に共通して存在する温度センサを特定し、該特定された温度センサの設置領域を故障箇所と判定する機能を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の密閉型開閉装置の密閉型開閉装置。
  7. 上記センサ装置は、上記密閉容器内における上記真空容器の温度を検知し得るように設置された第1の温度センサと、上記真空容器を外れた位置の温度を検知し得るように設置された第2の温度センサからなり、上記信号処理部は、正常時に測定された上記第1の温度センサと上記第2の温度センサの検知信号の差の偏差を上記真空容器の真空度劣化の判定に用いるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の密閉型開閉装置の密閉型開閉装置。
  8. 上記温度センサとして、放射温度計を用いたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の密閉型開閉装置の密閉型開閉装置。
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