JPH09120821A - 固体高分子型燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極の製造方法

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JPH09120821A
JPH09120821A JP7280441A JP28044195A JPH09120821A JP H09120821 A JPH09120821 A JP H09120821A JP 7280441 A JP7280441 A JP 7280441A JP 28044195 A JP28044195 A JP 28044195A JP H09120821 A JPH09120821 A JP H09120821A
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JP
Japan
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electrode
polymer electrolyte
sheet
pore
forming agent
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JP7280441A
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Akira Hamada
陽 濱田
Yasuo Miyake
泰夫 三宅
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溌水性バインダとしてPTFEを用い、高分
子電解質を含ませた固体高分子型燃料電池用の電極を製
造する方法において、高分子電解質を電極内部にまで含
浸することができ、電極の収縮や割れ等を生ずることな
く電極の溌水性を向上させることができ、それによって
電池の性能を向上させることの可能な電極の製法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 白金担持カーボンと、PTFEと、造孔
剤としてのCaCO3とを、混合・分散し、圧延を行い
シート状に成形する。シート状成形物を、予め溌水性カ
ーボンペーパ上に重ねて配置し、ローラで圧着する。積
層シートをHNO 3水溶液中に浸漬することによってC
aCO3を溶解除去する。PTFEの溶融温度よりも高
い360℃で約10分間熱処理する。5%Nafion
(商標名)を添加して含浸させ、乾燥すると電極シート
が完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子型燃料電池
用電極の製造方法に関し、特に電極中に高分子電解質溶
液を含ませた電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池においては、高分
子電解質膜に導電性を付与するため、通常、運転時にア
ノードガスやカソードガスを加湿して供給している。そ
のため、運転中に電極中に水が溜って電極中のガスの拡
散性が低下しやすいので、それを防止するため従来より
電極中に溌水性のバインダを混合している。
【0003】即ち、固体高分子型燃料電池用のセルとし
ては、溌水性バインダと活性触媒とを混合してシート状
に展開して作製した電極を、固体高分子電解質膜に圧着
したものが多く用いられており、溌水性バインダとして
は、優れた溌水性を有するポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)が多く用いられている。ところで、固体高
分子型燃料電池の電極では、電極性能を高めることを目
的として、電極中に高分子電解質(イオン交換体)を添
加する方法が採用されている。
【0004】イオン交換体が添加された電極は、電極構
造中にいわゆる三相界面が形成されることによって電極
反応面積が増加するので、発電能力の高い電極とするこ
とができる。イオン交換体を添加した電極を作製する方
法としては、触媒機能と電子導電性を有する金属粒子、
またはこのような金属粒子を担体に担持させたものを電
極触媒とし、この電極触媒と、PTFEとイオン交換体
とを混合し、この混合物を高分子電解質膜の表面に塗布
した後、ホットプレスして高分子電解質膜の表面に電極
を形成するという方法が、従来から知られている。
【0005】例えば、特開平4−162335号公報に
は、触媒微粒子(白金担持したカーボンブラック)と無
触媒微粒子(カーボンブラック)にそれぞれ高分子電解
質を被覆したものと、PTFEとを混合して、カーボン
ペーパ上に塗布,圧延してシート成形することにより電
極を作製する製法が開示されている。この方法によれ
ば、高分子電解質が2種類の微粒子に被覆され、電極内
部で3次元的な電解質ネットワークが形成されるので、
効率よく触媒が利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体高分子
型燃料電池の電極では、電極の溌水性能が電池性能に与
える影響が大きいので、如何に溌水性を向上させるかが
課題となっている。このような課題を考慮するとき、従
来の溌水性バインダとしてPTFEを用いた固体高分子
型燃料電池用電極においては、PTFEは細かい繊維状
の粒子として電極中に分散された状態となっているもの
と考えられるので、これをPTFEの融点以上の温度で
熱処理を施してPTFEの繊維を互いに付着させること
により溌水性能を向上させることができるであろうとい
うことは予想される。
【0007】しかしながら、上記のようにイオン交換体
をPTFEや活性触媒と混合して電極を作製する場合、
シート化した混合物の中に含まれている高分子電解質
(イオン交換体)は耐熱性150℃程度しかないので、
混合物シートをPTFEの融点(約327℃)以上の温
度で熱処理を施すと高分子電解質が分解してしまうとい
う問題がある。
【0008】一方、別の製法として、USP−4,87
6,115公報に開示されているように、基板上にPT
FEを含むシート状の触媒層を形成した後、イオン交換
体をスプレー塗布する製法もある。このような製造方法
において、イオン交換体を塗布する工程より前にシート
状の触媒層をPTFEの融点より高い温度で熱処理すれ
ばよいとも考えられる。
【0009】しかしながら、この製法の場合、イオン交
換体をスプレー塗布した電極表面付近には含浸される
が、触媒層の内部までは含浸されにくいため、充分な触
媒利用の向上を果たしにくいという問題がある。また、
特願平5−320268公報には、PTFEと造孔剤を
含むシート状の触媒層を作製した後、造孔剤を除去し
て、これにイオン交換体溶液を含浸する電極の製法が開
示されている。この場合は、イオン交換体を触媒層の内
部まで含浸させることができる。
【0010】しかしながら、この製法において、含浸工
程の前にPTFEの融点より高い温度で熱処理を行うと
すれば、熱処理時にシート状の電極が収縮し、電極の割
れ等の問題が生じやすいという問題が生じる。本発明
は、上記課題に鑑み、溌水性バインダとしてPTFEを
用い、高分子電解質を含ませた固体高分子型燃料電池用
の電極を製造する方法において、高分子電解質を電極内
部にまで含浸することができ、電極の収縮や割れ等を生
ずることなく電極の溌水性を向上させることができ、そ
れによって電池の性能を向上させることの可能な電極の
製法を提供すること目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、電極触媒とPTFEと造孔
剤とを混合し該混合物を成形してシート体にする混合物
成形工程と、シート体から造孔剤を除去して多孔性シー
ト体とする造孔剤除去工程と、多孔性シートに高分子電
解質溶液を含浸する含浸工程とを備える固体高分子型燃
料電池用電極の製造方法において、混合物成形工程で成
形されるシート体を多孔性の基板上に積層する積層ステ
ップと、積層ステップ後にPTFEの融点以上の温度で
熱処理を行う熱処理ステップとを、含浸工程より前に備
えることを特徴としている。
【0012】これにより、電極に高い溌水性を付与する
ことができ、電極性能を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明によ
れば、積層ステップでは、混合物成形工程で成形される
シート状の成形物が多孔性の基板上に積層される。この
積層ステップは、混合物成形工程の後に行うこともでき
るし、混合物成形工程と共に行うこともできる。即ち、
混合物を多孔性の基板上に展開すると共にシート状に成
形することもできるし、一旦混合物をシート状に成形
し、それを多孔性の基板上に積層することもできる。
【0014】造孔剤除去工程では、混合物成形工程で混
合された造孔剤が除去されることによって、造孔剤が占
有していた場所に孔が生じ、高分子電解質溶液を含浸さ
せるのに都合のよい多孔性シート体が形成される。造孔
剤除去工程では、造孔剤が抜けることによってシート状
成形物の収縮が生じやすいが、多孔性の基板上に積層さ
れた状態で行われるので、これを回避することができ
る。
【0015】造孔剤除去工程でシート体が多孔性となっ
ているため、含浸工程では、シート体の内部にまで確実
に含浸がなされ、電解質のネットワークが形成される。
熱処理ステップでは、シート状の成形物をPTFEの融
点以上の温度で熱処理を行う。この熱処理によって、生
成される電極中のPTFEの溌水性をより大きくするこ
とができる。その理由として、融点以上で熱処理するこ
とによって、PTFEの結晶が再配列されること、ある
いは繊維状PTFEの粒子が溶融して繊維が互いに付き
合うことによって、より高い溌水性をもつ3次元的構造
が形成されると考えられる。また、通常、PTFEには
界面活性剤が添加されているが、熱処理によってこれが
分解することも溌水性向上に寄与すると考えられる。
【0016】この熱処理ステップは、造孔剤除去工程の
前に行うこともできるし、造孔剤除去工程の後に行うこ
ともできるが、含浸工程より前に行われるので、熱に弱
い高分子電解質が含浸されていない状態で行われる。従
って、熱処理の温度が高くても高分子電解質が分解する
問題は生じない。また、熱処理ステップは、シート状の
成形物が多孔性の基板上に積層された状態で行われるの
で、熱処理に伴うシート状成形物の損傷を防止し再現性
よく行うことができる。例えば、シート状成形物単独で
熱処理を行うと、PTFEの収縮によって、シート状成
形物の収縮,やぶれ,ひび割れ等が生じやすいが、多孔
性の基板上に積層された状態で行われるのでこれを回避
することができる。
【0017】請求項2記載の発明によれば、熱処理ステ
ップは、造孔剤除去工程より後に行われる。熱処理ステ
ップでPTFEが溶融し溌水性が上昇する以前に造孔剤
除去を行うため、造孔剤除去に使用される水溶液(硝酸
等)が電極内に容易に浸透し、造孔剤除去を容易に行う
ことができる。請求項3記載の発明によれば、積層ステ
ップでは、シート状の成形物を多孔性の基板上に圧着す
るので、シート状成形物と多孔性基板との接着が強化さ
れる。
【0018】従って、熱処理ステップ及び含浸工程を行
うときの、シート状成形物の収縮を防止する効果が向上
する。圧着する時点では造孔剤が含まれているので、圧
着によって孔がつぶれたりすることがない。請求項4記
載の発明によれば、多孔性の基板がカーボン製多孔性基
板であるので、生成される電極の溌水性や導電性が優
れ、熱処理ステップ及び含浸工程を行うときのシート状
成形物の収縮を防止する作用も優れている。
【0019】請求項5記載の発明によれば、熱処理ステ
ップにおいて、造孔剤が熱分解することにより除去され
る。即ち、熱処理ステップが造孔剤除去工程を兼ねるの
で、別途に造孔剤除去工程を行う必要がない。
【0020】
【実施例】本発明の実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。 (実施例1)図1は、本実施例に係る固体高分子型燃料
電池用の電極及びセルユニットの製造工程を示す図であ
る。図に従って製造工程を説明する。
【0021】(1)カーボンブラックに20重量%の白
金を担持してなる電極触媒としての白金担持カーボン4
gと、結着剤としてのPTFE−30J(三井デュポン
フロロケミカル製)2.85gと、造孔剤としてのCa
CO3 11.4gとを、水を分散剤として混合・分散
し、濾過する。 (2)濾過物(混合物)を取り出し、余分な水分を除去
した後に圧延を行い、0.5mg/cm2−Ptとなる
ようにシート状に成形する。
【0022】(3)成形されたシート状成形物を、予め
溌水処理を行った多孔性のカーボンペーパ(厚み0.2
mm,気孔率約70%)上に重ねて配置し、プレスで圧
着する(圧力30kg/cm2)。これによって、多孔
性カーボンペーパ上に混合物層が積層された積層シート
体が生成する。混合物層は多孔性カーボンペーパに圧着
されることによって、混合物層と多孔性カーボンペーパ
との接着が強化される。なお、この時点では造孔剤が含
まれている(即ち造孔剤が除去されていない)ので、圧
着によって孔がつぶれたりする問題も生じない。
【0023】(4)上記の積層シートを、1N−HNO
3水溶液中に浸漬することによって造孔剤であるCaC
3を溶解除去し、その後水洗する。熱処理前に造孔剤
除去を行うため、電極内にHNO3水溶液が浸透し容易
にCaCO3を溶解除去することができる。この工程で
造孔剤が除去されることにより、積層シート体の混合物
層は多孔性となるが、シート体はカーボンペーパと積層
されこれによって補強された状態となっているので、造
孔剤の除去に伴うシート体の収縮は防止される。
【0024】(5)多孔性シート体を乾燥後、360℃
で約10分間熱処理する。この温度は、PTFEの溶融
温度(約327℃)よりも高いので、シート体の混合物
層中に分散されているPTFEの繊維状粒子が溶融する
が、PTFEは溶融しても粘性が高いので、繊維状態を
保ったまま互いに付着し、溌水性のよいPTFE繊維の
3次元構造が形成されると考えられる。また、この熱処
理によって、溌水性カーボンペーパ中に少量含まれてい
るテフロンも溶融し、それによって、混合物層との接着
が強化されると考えられる。
【0025】(6)多孔性シートの表面(混合物層の表
面)に、高分子電解質溶液として、所定量の5%Naf
ionアルコール溶液(Nafionは商標名,アルド
リッチ社製)を添加して含浸させ、真空乾燥する。これ
によって、多孔質シート体の孔に高分子電解質が含浸さ
れ、電極シートが完成する。なお高分子電解質溶液の添
加量は、シート面積当り0.3mg/cm2の高分子電
解質が含浸されるよう定める。
【0026】(7)固体高分子膜としてのNafion
115(商標,デュポン社製)の両面に、(6)で生成
した電極シートを配置し、200kg/cm2,125
℃でホットプレスすることによってセルユニットが完成
する。このように作製した25cm2のセルユニット
と、比較例のセルユニットとを用いて、以下のようにし
て空気加湿温度とセル電圧との関係を調べた。
【0027】比較例のセルユニットは、本実施例のセル
ユニットと同様に製造したが、(5)の熱処理工程は行
わなかった。試験方法は、セル温度を80℃、電流密度
を500mA/cm2とし、アノードガスとして水素、
カソードガスとして空気を用い、圧力を共に1atmと
した。
【0028】そして、空気加湿温度を60℃〜85℃の
範囲の中で変化させ、湿度は各空気加湿温度で湿度10
0%となるよう加湿調整しながら、各空気加湿温度にお
けるセル電圧を測定した。図2は、その試験結果であっ
て、空気加湿温度とセル電圧との関係を示す特性図であ
る。
【0029】図からわかるように、空気加湿温度がセル
温度(80℃)以下の範囲では、空気加湿温度が上昇す
るに従ってセル電圧が上昇しているが、これは、この範
囲では水分の不足な状態であって、空気加湿温度が高い
方が濡れがよくなって高分子電解質膜の導電性が向上す
るためと考えられる。また、この範囲では、実施例と比
較例との間にほとんどセル電圧の差は見られないが、こ
れは、電極に水がたまりにくい状態なので、電極の溌水
性能の影響がセル電圧に現れないためと考えられる。
【0030】一方、空気加湿温度がセル温度を越える
と、空気加湿温度が上昇するに従ってセル電圧は下降す
る。ここで、セル電圧の下降の度合は、実施例よりも比
較例の方が大きい。これは、この範囲では水分の過剰な
状態であって、空気加湿温度が高い方が電極に水がたま
りやすく、電極の溌水性能の影響がセル電圧に現れるた
めと考えられる。
【0031】これより、セル電圧を高くするためには、
空気加湿温度をセル温度の近傍に設定するのが望まし
く、その場合、何かの原因で空気加湿温度が高い方にず
れたとすると、比較例のセルユニットではセル電圧が大
きく低下するが、実施例のセルユニットではセル電圧の
低下が少ないということが言える。なお、本実施例の製
造方法においては、(4)の造孔剤除去工程の後に
(5)の熱処理工程を行う例を示したが、(4)と
(5)を入れ換えて熱処理工程の後で造孔剤除去工程を
行うようにしてもよい。
【0032】(実施例2)図3は、本実施例に係る固体
高分子型燃料電池用の電極及びセルユニットの製造工程
を示す図である。図に従って製造工程を説明する。 (1)実施例1と同様の白金担持カーボン4gと、PT
FE−30J 2.85gとを、水を分散剤として混合
・分散し、濾過する。
【0033】(2)濾過物(混合物)を取り出し、余分
な水分をほぼ除去する。この濾過物に対して80重量%
の造孔剤としての炭酸水素アンモニウム(NH4HC
3)を加え、ケロシンを分散剤として混合・分散し、
その後濾過する。 (3)濾過物を取り出し、圧延して0.5mg/cm2
−Ptとなるようにシート状に成形する。
【0034】(4)シート状に成形された成形物を、実
施例1と同様の多孔性カーボンペーパ上に重ねて配置
し、プレスで圧着する(圧力30kg/cm2)。 (5)多孔性シート体を乾燥後、360℃で約10分間
熱処理する。 (6)多孔性シートの表面(混合物層の表面)に、実施
例1の(6)と同様に、5%Nafionアルコール溶
液を含浸させ、真空乾燥することにより電極シートが完
成する。
【0035】(7)実施例1の(7)と同様に、固体高
分子膜としてのNafion115の両面に電極シート
を配置しホットプレスすることによって、セルユニット
が完成する。 本実施例の製造方法では、(5)の熱処理工程におい
て、造孔剤である炭酸水素アンモニウムが熱分解するこ
とにより除去される。即ち、熱処理工程が造孔剤除去工
程を兼ねることになる。
【0036】このようにして作製したセルユニットにつ
いても、実施例1と同様に空気加湿温度とセル電圧との
関係を調べたところ、その結果は上記図2の結果と同様
であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、溌水性バイ
ンダとしてPTFEを用い、高分子電解質を含ませた固
体高分子型燃料電池用の電極の製造方法において、熱処
理工程によって電極の溌水性を向上させることができ、
且つこの熱処理によって電極の収縮,割れ等が生ずるこ
とがない。また、造孔剤を用いて多孔性のシート体が形
成されるので、高分子電解質溶液の含浸も、電極シート
体の内部まで確実になされる。
【0038】このような製造方法で製造された電極は、
熱処理されたPTFEによる優れた溌水性と、含浸され
た高分子電解質が電極内部にネットワークを形成するの
で、優れた電極性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る固体高分子型燃料電池用の電極
及びセルユニットの製造工程を示す図である。
【図2】実施例1に係る電極を用いた試験結果であっ
て、空気加湿温度とセル電圧との関係を示す特性図であ
る。
【図3】実施例2に係る固体高分子型燃料電池用の電極
及びセルユニットの製造工程を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極触媒とポリテトラフルオロエチレン
    と造孔剤とを混合し該混合物を成形してシート体にする
    混合物成形工程と、シート体から造孔剤を除去して多孔
    性シート体とする造孔剤除去工程と、多孔性シートに高
    分子電解質溶液を含浸する含浸工程とを備える固体高分
    子型燃料電池用電極の製造方法において、 混合物成形工程で成形されるシート体を多孔性の基板上
    に積層する積層ステップと、 該積層ステップ後にポリテトラフルオロエチレンの融点
    以上の温度で熱処理を行う熱処理ステップとを、 前記含浸工程より前に備えることを特徴とする固体高分
    子型燃料電池用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理ステップを、造孔剤除去工程
    の後に行うことを特徴とする請求項1記載の固体高分子
    型燃料電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記積層ステップでは、 シート体を多孔性の基板上に圧着することを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の固体高分子型燃料電池用電
    極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記積層工程において用いる多孔性の基
    板が、カーボン製多孔性基板であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の固体高分子型燃料電池用電極
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の固体高分子型燃料電池用
    の電極の製造方法において、 混合物成形工程で用いる造孔剤は、熱処理ステップの処
    理温度で分解する熱分解性の造孔剤であって、 熱処理ステップは、造孔剤除去工程を兼ねることを特徴
    とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用電極の製
    造方法。
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