JPH09120785A - 低抵抗膜形成用塗布液、低抵抗膜、多層低抵抗膜及びガラス物品 - Google Patents

低抵抗膜形成用塗布液、低抵抗膜、多層低抵抗膜及びガラス物品

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JPH09120785A
JPH09120785A JP7279309A JP27930995A JPH09120785A JP H09120785 A JPH09120785 A JP H09120785A JP 7279309 A JP7279309 A JP 7279309A JP 27930995 A JP27930995 A JP 27930995A JP H09120785 A JPH09120785 A JP H09120785A
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ethylene glycol
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健二 石関
Yasuhiro Sanada
恭宏 真田
Keisuke Abe
啓介 阿部
Takeshi Morimoto
剛 森本
Toshiharu Hirai
俊晴 平井
Yuuji Tawarasako
祐二 俵迫
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JGC Catalysts and Chemicals Ltd
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】充分な電磁波遮蔽性を発現し、比較的低温で成
膜でき、着色性も容易に付与できる。 【解決手段】ITOと水にアンモニア水を混合して平均
粒径100nmのITOゾルを得た。水:エチレングリ
コールモノメチルエーテル:エチレングリコールモノブ
チルエーテル:N−メチルピロリドン=82:5:1
0:3重量比の液を用いて前記の液を希釈し、ブラウン
管パネル表面(画像領域)にスピンコートした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管用パネル
等に適用される低抵抗膜形成用塗布液、それを塗布し硬
化することにより形成され着色性、低反射性を付与でき
る低抵抗膜、前記低抵抗膜を形成したガラス物品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】低抵抗膜、着色膜、着色帯電防止膜、低
反射帯電防止膜、着色低反射帯電防止膜等のコーティン
グ方法は、従来より光学機器においてはいうまでもな
く、民生用機器、特にTV、コンピュータ装置端末用の
陰極線管(CRT)に関し多く検討がなされてきた。特
に近年はオフィスのOA化が進むにつれ、コンピュータ
装置の陰極線管(CRT)からの漏洩電磁波の人体への
影響が問題視されるようになった。
【0003】帯電防止に関しては、特開昭63−762
47にはブラウン管パネル表面を350℃程度に加熱し
てCVD法により酸化錫及び酸化インジウム等の導電性
酸化物層を設ける方法が提案されている。
【0004】しかし、CVD法により帯電防止膜を付与
させる手法は装置コストがかかることに加えて、ブラウ
ン管表面を高温に加熱するためブラウン管内の蛍光体の
脱落を生じたり、寸法精度が低下する等の問題があっ
た。またこの場合、通常400℃程度の高温を必要と
し、低温で焼成した場合充分低抵抗な膜が得られない欠
点がある。そのため、電磁波シールド効果を発現し得る
低抵抗膜を得にくいという問題があった。
【0005】膜の着色に関しては、特開平1−2756
64に水溶性フタロシアニン化合物を用いる方法が提案
されている。また、帯電防止能を持つ着色膜については
特開平1−251545にメチルバイオレットを用いた
帯電防止膜の記述がある。しかしこれらの着色剤は本質
的に絶縁体であり、膜を低抵抗化する際には補助成分と
して導電物質を添加する必要があった。
【0006】低反射性に関しては、例えば特開昭61−
118931記載の如くブラウン管表面に防眩効果をも
たせるために、表面に微細な凹凸を有するSiO2 層を
付着させたり、弗酸により表面をエッチングして凹凸を
設ける等の方法が採られてきた。しかし、これらの方法
は外部光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的
に低反射層を設ける方法ではないため、反射率の低減に
は限界があり、またブラウン管等においては解像度を低
下させる原因ともなっていた。
【0007】低反射低抵抗膜については、特開平3−9
3136にイオンプレーティング法により光学多層膜を
設ける方法が記載されている。しかし、イオンプレーテ
ィングによる方法は工業的に安価とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決すべくなされたものであり、充分な電磁波シールド効
果を発現し、比較的低温で成膜でき、着色性も容易に付
与できる低抵抗膜形成用塗布液、低抵抗膜、多層低抵抗
膜及びガラス物品の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の発明と
して、SnドープIn23 微粒子及び/又は黒色系着
色導電性微粒子を含む固形分と、エチレングリコール誘
導体から選ばれる1種以上の第1の溶媒と、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホキシド及び炭酸プロピレン
から選ばれる1種以上の第2の溶媒とを含むことを特徴
とする低抵抗膜形成用塗布液を提供する。
【0010】本発明は、第2の発明として、Snドープ
In23 微粒子及び/又は黒色系着色導電性微粒子を
含む固形分と、エチレングリコール誘導体から選ばれる
1種以上の第1の溶媒と、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド及び炭酸プロピレンから選ばれる1種
以上の第2の溶媒とを含む低抵抗膜形成用塗布液を、基
体上に塗布し硬化させてなることを特徴とする低抵抗膜
を提供する。
【0011】本発明は、第3の発明として、基体上に形
成される多層膜であって、前記多層膜のうち1層以上
が、SnドープIn23 微粒子及び/又は黒色系着色
導電性微粒子を含む固形分と、エチレングリコール誘導
体から選ばれる1種以上の第1の溶媒と、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルスルホキシド及び炭酸プロピレンか
ら選ばれる1種以上の第2の溶媒とを含む低抵抗膜形成
用塗布液を塗布し硬化させて形成した低抵抗膜である多
層低抵抗膜を提供する。
【0012】本発明は、第4の発明として、前記第2、
3の発明の低抵抗膜、多層低抵抗膜のいずれかの膜を表
面に形成したガラス物品を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の着色性、低反射性を付与
できる低抵抗膜、多層低抵抗膜は、TV、コンピュータ
装置端末等のディスプレイ装置の用途に供されるガラス
物品に好ましく用いられる。ガラス物品としての陰極線
管は、近年コンピュータ装置端末のディスプレイ装置に
使用される場合、高解像度の要求とともにガラス表面に
低抵抗膜を形成させる要求も高まっている。
【0014】すなわち、近年コンピュータ装置の普及に
ともない、CDT(コンピュータディスプレイ ターミ
ナル)から放射される電磁波の人体への有害性が問題視
されている。この対策として、CDTパネル表面を低抵
抗化することにより電磁波漏洩を遮断する試みが行われ
ている。真空装置を用いない湿式コートによる塗膜形成
法は安価な手法ではあるが、公知の導電物質では着色力
をほとんど有しない。前述の着色に対するニーズをも満
足させるためには、着色かつ低抵抗を有する物質を含む
塗布液を用いることが好ましい。
【0015】このような観点から鋭意研究を行った結
果、本発明の塗布液を使用により、充分な電磁波遮蔽性
が得られるような低抵抗、着色力及び低反射性を有する
低抵抗膜を製造できることが明らかとなった。
【0016】第1の発明において、第1の溶媒がエチレ
ングリコール誘導体から選ばれる1種以上の溶媒であ
り、前記エチレングリコール誘導体が、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル又はエチレングリコールモノブチルエーテル
であることが好ましい。この場合、水への溶解性が高い
という点で好ましい。
【0017】また第2の溶媒は、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド及び炭酸プロピレンから選ば
れる1種以上であり、これらの溶媒は高沸点、高誘電率
溶媒である。本発明の低抵抗膜形成用塗布液を塗布する
工程において、液中の他の低沸点溶媒が蒸発した後、第
2の溶媒は膜の乾燥直前まで残留する。そのため、塗布
液は乾燥直前まで高誘電率を保てるため、電気的に安定
している粒子が成膜時に凝集するのを防止できる。した
がって、凝集物のない外観の優れた高品位の膜が得られ
る。
【0018】前記黒色系着色導電性微粒子が、カーボン
ブラック、あるいは窒素を0.1〜30重量%含有する
TiOx (1.0≦x<2.0)のいずれかであること
が、成膜したときの膜の色調が適度であり、好ましい。
TiOx を使用する場合、窒素含有量が0.1重量%よ
り小さいと着色力が乏しくなり不適であり、30重量%
より大きいと粒子の燒結が進み、粒子の分散性が低下す
るという点で不適である。本発明で用いられるカーボン
ブラックについては、ファーネスブラック、ケッチェン
ブラック(ケッチェンブラック インターナショナル社
製商品名)、黒鉛粉末等が好ましく使用できる。
【0019】また前記黒色系着色導電性微粒子の平均粒
径としては、10〜100nmの範囲であることが好ま
しい。10nm未満では液中での分散安定性に乏しく、
100nmより大きいと塗膜外観が悪化するため好まし
くない。
【0020】着色しない低抵抗膜を得る場合には塗布液
中の固形分をSnドープITO微粒子のみとしても所定
の性能を発現しうるが、着色低抵抗膜を得る場合にはS
nドープITO微粒子と黒色系着色導電性微粒子を併用
する。
【0021】着色低抵抗膜とする場合、塗布液中の固形
分100重量部に対して70〜99重量部のSnドープ
ITO微粒子と1〜30重量部の黒色系着色導電性微粒
子を含むことが、所望の導電性及び透過率低下を得るう
えで好ましい。SnドープITO微粒子が70重量部よ
り少ないと、所望の透過率低下よりも低下しすぎるとい
う点と、導電性も低下するという点で不適である。99
重量部より多いと、成膜したときの膜の着色力が乏し
く、所望の透過率低下が得られないという点でも不適で
ある。
【0022】SnドープITO微粒子、黒色系着色導電
性微粒子を含む液を合成する際には、これらの微粒子が
液中に均一に分散していることが好ましい。その均一分
散方法としては、下記のような微粒子の均一分散が可能
な手法であればよい。特に好ましくは、水又はアルコー
ル等の有機溶媒中に微粒子を添加し、界面活性剤、酸、
アルカリ等の分散助剤を添加しコロイドミル、サンドミ
ル、ホモジナイザー等の市販の粉砕器で分散させてると
いう方法である。特にカーボンブラックを用いる場合の
分散助剤としては、界面活性剤が分散効率の点から有効
であり、特に陰イオン系及び非イオン系界面活性剤は好
ましく使用できる。
【0023】前記第1の溶媒は低抵抗膜形成用塗布液1
00重量部に対して0.1〜50重量部含まれること
が、膜の成膜性向上及びタクト時間短縮の点で好まし
い。0.1重量部より少ないと塗布液の塗布性(濡れ
性)が悪化し、外観が悪くなるうえ所望の低抵抗性が得
られない点で不適であり、50重量部より多いと塗布時
の乾燥時間が著しく増大する点で不適である。
【0024】前記第2の溶媒は低抵抗膜形成用塗布液1
00重量部に対して0.1〜30重量部含まれること
が、低抵抗膜形成用塗布液を塗布した場合の乾燥直前の
粒子の安定性を保つ点と、乾燥時間の点で好ましい。
0.1重量部より少ないと粒子が低抵抗膜の乾燥直前で
凝集して外観が悪化し、さらに所望の導電性が得られな
い点で不適であり、30重量部より大きいと塗布時の乾
燥時間が著しく増大する点で不適である。
【0025】本発明において用いられるSnドープIn
23 微粒子(以下ITOという)の製法は、以下のよ
うな種々の手法が使用できる。すなわち共沈法、CVD
法、気相法等いずれも好適に使用できる。ITOの平均
粒径としては、10nm〜100nmの範囲であること
が好ましい。10nmより小さい粒径では液中での分散
安定性に乏しく、100nmより大きいの粒径では塗膜
外観が悪化するため、さらに前記低抵抗膜形成用塗布液
を用いて得られる着色可能な低抵抗膜上に、前記被膜よ
りも低屈折率の膜を形成し解像度を損なうことなく蛍光
灯の写り込み等を抑制する低反射性をも付与できる。
【0026】一般に、薄膜の光学的特性はその膜を構成
する屈折率と膜厚で決定される。ここで一定の屈折率n
s を有する基体上に屈折率nを有する薄膜を付着させ、
屈折率n0 の溶質中より波長λの光が入射した場合のエ
ネルギー反射率Rは、光が膜中を通過する際の位相差を
ΔとするとΔ=4πnd/λ(d:膜厚)であり、Δ=
(2m+1)π(mは0以上の整数)、すなわち位相差
Δが半波長の奇数倍のとき極小値をとり、このとき下記
式(1)のようになる。
【0027】無反射条件を満たすには、式(1)におい
て、R=0とおき、下記式(2)のようになることが必
要とされる。式(2)を2層構成に拡張した場合、下記
式(3)のようになる。ただし、n1 は媒質側層の屈折
率、n2 は基体側層の屈折率である。
【0028】
【数1】 R={(n2 −n0S )/(n2 +n0S )}2 ・・・(1)、 n=(n0S1/2 ・・・(2)、 nS1 2=n2 20 ・・・(3)。
【0029】ここで、n0 =1(空気)、nS =1.5
2(ガラス)を式(3)に適用した場合n2 /n 1
1.23となり、この場合2層構成膜の最大の低反射性
が得られる。勿論n2 /n 1=1.23を満たさなくて
も、2層膜の屈折率がこれに近い値をとれる場合、低反
射性が得られる。したがって、基体側に設ける高屈折率
層と媒質側に設ける低屈折率層は、両者の屈折率比がで
きるだけ1.23に近い値を選択するのが好ましい。
【0030】本発明において、所望の低反射膜を得るに
は多層膜間の屈折率差と合わせて膜厚も重要な要素であ
る。
【0031】反射防止性能を有する多層の低反射膜の構
成としては、反射防止をしたい波長をλとして、基体側
より高屈折率層及び低屈折率層を光学厚みλ/2及びλ
/4で構成した低反射膜、基体側より中屈折率層、高屈
折率層及び低屈折率層を光学厚みλ/4、λ/2及びλ
/4で順次形成した3層の低反射膜、基体側より低屈折
率層、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層を光学厚
みλ/4、λ/4、λ/2及びλ/4で順次形成した4
層の低反射膜等が、典型的な例として知られている。
【0032】また、低反射低抵抗膜を構成する場合、低
屈折率膜を構成する物質としてはケイ素化合物が屈折
率、膜強度の点から好ましく用いられる。
【0033】ケイ素化合物としてはSi(OR)p
4-p (p=1〜4、Rは炭素数1〜4個のアルキル基)
で示される化合物又は部分加水分解物を用いることが好
ましい。またケイフッ化水素酸、ホウ酸を含む水溶液に
二酸化ケイ素粉末を飽和させてなる溶液から析出させて
できるケイ素化合物も使用できる。
【0034】前記Si(OR)p4-p 示される化合物
又は部分加水分解物の低抵抗膜上への塗布方法として
は、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法、
ロールコーター法、メニスカスコーター法等種々考えら
れ、特にスピンコート法は量産性、再現性に優れ、好ま
しい。かかる方法によって10nm〜1μm程度の膜が
形成できる。
【0035】本発明の着色可能な低抵抗膜はITOを含
有するため、高屈折率を有し上記低屈折率膜との2層で
構成した場合前述の低反射性が容易に発現される。
【0036】本発明において、低抵抗膜を形成する基体
としては目的に応じてソーダライムシリケートガラス、
アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リチ
ウムアルミノシリケートガラス、石英ガラス等のガラ
ス、鋼玉等の単結晶、マグネシアサイアロン等の透光性
セラミックス、ポリカーボネート等のプラスチックも使
用できる。
【0037】本発明における低抵抗膜形成用塗布液は、
エチレングリコール誘導体と、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド及び炭酸プロピレンとの、高沸
点、高表面張力かつ高誘電率を有する溶媒を含む。その
ため、塗布液を基体上に塗布し乾燥させる工程において
ITO及び/又は黒色系着色導電性微粒子が膜中で密に
充填され、粒子間の空隙が減少する。したがって、電気
抵抗が減少しかつ屈折率が増大するため、上層に低屈折
率膜を設けた場合光の反射率が低下する。
【0038】
【実施例】本発明の実施例(例1〜10)及び比較例
(例11〜15)を示す。また例1〜15で得られた膜
の特性の評価は以下のように行った。
【0039】(1)透過率評価:日立製作所製スペクト
ロフォトメータU−3500により、視感透過率を測定
した。 (2)導電性評価:三菱油化社製ハイレスタ抵抗測定器
により、相対湿度30%以下の雰囲気中で膜表面の表面
抵抗を測定した。 (3)耐擦傷性:1kg重の荷重下、消しゴムで膜表面
を50回往復後、その表面の傷の付き方を目視で判断し
た。評価基準は、○:傷が全く付かない、△:傷が多少
付く、×:多く傷が付くか剥離、とした。 (4)視感反射率:γ分光反射スペクトル測定器によ
り、光波長380nm〜700nmの領域における膜の
視感反射率を測定した。
【0040】[例1]ITO粉末5gと水45gに、2
8重量%のアンモニア分を含むアンモニア水0.5gを
添加し混合した後、サンドミルで2時間粉砕して平均粒
径100nmのITOゾルを得た(A液)。
【0041】水:エチレングリコールモノメチルエーテ
ル:エチレングリコールモノブチルエーテル:N−メチ
ルピロリドン=82:5:10:3重量比の液を用い、
固形分が2.5重量%になるように、A液を希釈し塗布
液とした。その後ブラウン管パネル表面(画像領域)
に、スピンコーターで100rpmの回転速度で60秒
間前記塗布液を塗布し、その後160℃で30分間加熱
し、約100nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0042】[例2]水:エチレングリコールモノエチ
ルエーテル:エチレングリコールモノブチルエーテル:
ジメチルスルホキシド=80:7:10:3重量比の液
を用い、固形分が2.5重量%になるように、A液を希
釈し塗布液とした。その後例1と同様にして例2の塗布
液を塗布し、約100nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0043】[例3]水:エチレングリコールモノエチ
ルエーテル:炭酸プロピレン=82:13:5重量比の
液を用い、固形分が2.5重量%になるように、A液を
希釈し塗布液とした。その後例1と同様にして例3の塗
布液を塗布し、約100nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0044】[例4]カーボンブラック(三菱化学
(株)製商品名MA7)粉末5gと水45gに、28重
量%アンモニア分を含むアンモニア水を0.5g添加し
混合した後、サンドミルで2時間粉砕して平均粒径80
nmのカーボンブラックゾルを得た(B液)。A液とB
液を固形分比が10:1重量比となるように混合し、
水:エチレングリコールモノメチルエーテル:ジメチル
スルホキシド=85:12:3重量比の液を用いて、さ
らに固形分が2.5重量%になるように希釈し塗布液と
した。その後、例1と同様にして約100nmの厚さの
低抵抗膜を得た。
【0045】[例5]A液とB液を固形分比が10:1
重量比となるように混合し、水:エチレングリコールモ
ノブチルエーテル:N−メチルピロリドン=87:1
0:3重量比の液を用い、さらに固形分が2.5重量%
になるように希釈し塗布液とした。その後、例1と同様
にして約100nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0046】[例6]A液とB液を固形分比が10:1
重量比となるように混合し、水:エチレングリコールモ
ノエチルエーテル:エチレングリコールモノブチルエー
テル:N−メチルピロリドン:炭酸プロピレン=80:
8:5:4:3重量比の液を用い、固形分が2.5重量
%になるように希釈し塗布液とした。その後、例1と同
様にして約100nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0047】[例7]酸窒化チタン{TiOx (x≒
1.7)}粉末10gと水45gに、28重量%のアン
モニア分を含むアンモニア水1g添加し混合した。その
後サンドミルで2時間粉砕して平均粒径110nmの酸
窒化チタンゾルを得た(C液)。A液とC液を固形分比
が15:1重量比となるように混合し、水:エチレング
リコールモノメチルエーテル:ジメトルスルホキシド=
85:10:5重量比の液を用いて、さらに固形分が
2.5重量%になるように希釈し塗布液とした。その
後、例1と同様にして約100nmの厚さの低抵抗膜を
得た。
【0048】[例8]Si(OC254 のエタノー
ル溶液(SiO2 換算固形分5重量%)に、pH2.8
に調整した塩酸水溶液をSiO2 に対して8mol比に
相当する量を添加し1時間撹拌した。その後、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート:イソプロ
ピルアルコール:ジアセトンアルコール=5:4:1重
量比に調整された液を用いて、固形分が1.0重量%と
なるように希釈した(D液)。まず例1の塗布液を用
い、160℃、30分の加熱処理を60℃、10分の加
熱処理に変更した以外は例1と同様にして約110nm
の厚さの低抵抗膜を得た。次にD液を用いて、前記膜の
上に例1と同様の方法で約100nmの厚さの膜を形成
し、低反射用の多層低抵抗膜を得た。
【0049】[例9]例4の塗布液を用い、160℃、
30分の加熱処理を60℃、10分の加熱処理に変更し
た以外は例1と同様にして約110nmの厚さの膜を得
た。次にD液を用い、前記膜の上に例1と同様にして約
100nmの厚さの膜を形成した。着色した低反射用の
多層低抵抗膜を得た。
【0050】[例10]実施例7の塗布液を用い、16
0℃、30分の加熱処理を60℃、10分の加熱処理に
変更した以外は例1と同様にして約110nmの厚さの
膜を得た。次にD液を用い、前記膜の上に例1と同様の
方法で約100nmの厚さの膜を形成した。着色した低
反射用の多層低抵抗膜を得た。
【0051】[例11]水:エチレングリコールモノメ
チルエーテル:エチレングリコールモノブチルエーテル
=85:5:10重量比の液を用いて、A液を固形分が
2.5重量%になるように希釈し塗布液とした。その
後、例1と同様にして約120nmの厚さの低抵抗膜を
得た。
【0052】[例12]A液とB液を固形分比が10:
1重量比となるように混合し、水:N−メチルピロリド
ン:炭酸プロピレン=90:5:5重量比の液を用い
て、さらに固形分が2.5重量%になるように希釈し塗
布液とした。その後、例1と同様にして約115nmの
厚さの低抵抗膜を得た。
【0053】[例13]水:エチレングリコールモノメ
チルエーテル:ジメチルスルホキシド=40:50:1
0重量比の液を用いて、A液を固形分が2.5重量%に
なるように希釈し塗布液とした。その後、例1と同様に
して約120nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0054】[例14]A液とC液を固形分比が15:
1重量比となるように混合し、水:エチレングリコール
モノメチルエーテル:ジメトルスルホキシド=55:1
0:35重量比の液を用いて、さらに固形分が2.5重
量%になるように希釈し塗布液とした。その後、例1と
同様にして約100nmの厚さの低抵抗膜を得た。
【0055】[例15]例11と同様の塗布液を用い、
160℃、30分の加熱処理を60℃、10分の加熱処
理に変更した以外は例1と同様にして約110nmの厚
さの膜を得た。D液を用い、前記膜の上に例1と同様の
方法で約100nmの厚さの膜を形成した。低反射用の
多層低抵抗膜を得た。
【0056】例1〜15で得られた膜の評価結果を表1
に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の低抵抗膜形成用塗布液により、
着色性、帯電防止性を有するのみならず、充分な電磁波
遮蔽性を発現しうる低抵抗性を有し、さらには外観に優
れた高品位の膜が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 阿部 啓介 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 森本 剛 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 平井 俊晴 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 俵迫 祐二 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SnドープIn23 微粒子及び/又は黒
    色系着色導電性微粒子を含む固形分と、エチレングリコ
    ール誘導体から選ばれる1種以上の第1の溶媒と、N−
    メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及び炭酸プロ
    ピレンから選ばれる1種以上の第2の溶媒とを含むこと
    を特徴とする低抵抗膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】前記エチレングリコール誘導体が、エチレ
    ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
    モノエチルエーテル又はエチレングリコールモノブチル
    エーテルである請求項1記載の低抵抗膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】前記黒色系着色導電性微粒子が、カーボン
    ブラック、窒素を0.1〜30重量%含有するTiOx
    (1.0≦x<2.0)のいずれかである請求項1記載
    の低抵抗膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】前記第1の溶媒が低抵抗膜形成用塗布液1
    00重量部に対して0.1〜50重量部含まれ、前記第
    2の溶媒が低抵抗膜形成用塗布液100重量部に対して
    0.1〜30重量部含まれる請求項1記載の低抵抗膜形
    成用塗布液。
  5. 【請求項5】SnドープIn23 微粒子及び/又は黒
    色系着色導電性微粒子を含む固形分と、エチレングリコ
    ール誘導体から選ばれる1種以上の第1の溶媒と、N−
    メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド及び炭酸プロ
    ピレンから選ばれる1種以上の第2の溶媒とを含む低抵
    抗膜形成用塗布液を、基体上に塗布し硬化させてなるこ
    とを特徴とする低抵抗膜。
  6. 【請求項6】基体上に形成される多層膜であって、前記
    多層膜のうち1層以上が、SnドープIn23 微粒子
    及び/又は黒色系着色導電性微粒子を含む固形分と、エ
    チレングリコール誘導体から選ばれる1種以上の第1の
    溶媒と、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド
    及び炭酸プロピレンから選ばれる1種以上の第2の溶媒
    とを含む低抵抗膜形成用塗布液を塗布し硬化させて形成
    した低抵抗膜である多層低抵抗膜。
  7. 【請求項7】基体側から前記低抵抗膜、前記低抵抗膜よ
    りも低屈折率の膜が順次形成されてなる請求項6記載の
    多層低抵抗膜。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかに記載の膜を表面
    に形成したガラス物品。
  9. 【請求項9】前記ガラス物品が陰極線管用パネルである
    請求項8記載のガラス物品。
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