JPH09119408A - ダイアフラムアクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カップ１の内部にダイアフラム２を架設して
圧力室３を形成し、圧力室３に圧力を供給してダイアフ
ラム２およびダイアフラム２に接続したロッドを作動さ
せるとともに復帰ばね５のばね力によってダイアフラム
２およびロッドを復帰動させるダイアフラムアクチュエ
ータについて、ダイアフラム２の可撓部２ｂがダイアフ
ラムリテーナ６またはスプリングリテーナ７に繰り返し
接離するのを防止し、もって摩耗するのを防止する。 【解決手段】 ダイアフラム２が、ダイアフラムリテー
ナ６およびスプリングリテーナ７に挾まれた平板部２ａ
と、平板部２ａの外周側に一体成形された可撓部２ｂと
を備えており、この平板部２ａおよび可撓部２ｂの間
に、平板部２ａおよび可撓部２ｂより厚肉の補強部２ｄ
がダイアフラムリテーナ６またはスプリングリテーナ７
に常時接触するように設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧アクチュエ
ータの一種であるダイアフラムアクチュエータに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図３および図４に示すよう
に、カップ１の内部にダイアフラム２を架設して圧力室
３を形成し、この圧力室３に圧力を供給してダイアフラ
ム２およびこのダイアフラム２に接続したロッド４を作
動させるとともに復帰ばね５のばね力によってダイアフ
ラム２およびロッド４を復帰動させるダイアフラムアク
チュエータが知られている。ダイアフラム２は、所定の
ゴム状弾性材によって薄膜状に成形されており、ダイア
フラムリテーナ６およびスプリングリテーナ７に挾まれ
た円盤状の平板部２ａと、この平板部２ａの外周側に一
体成形されたベロー状の可撓部２ｂと、この可撓部２ｂ
の外周側に一体成形された被挟持用の周縁部２ｃとを一
体に備えている。またダイアフラムリテーナ６およびス
プリングリテーナ７はそれぞれ、所定の金属によってカ
ップ状に成形されており、ダイアフラム２の平板部２ａ
を挟持した円盤状のプレート部６ａ，７ａと、このプレ
ート部６ａ，７ａの外周側に一体成形された断面円弧状
の屈曲部６ｂ，７ｂと、この屈曲部６ｂ，７ｂに一体成
形された筒状部６ｃ，７ｃとを一体に備えている。

【０００３】しかしながら上記構成のダイアフラムアク
チュエータにおいては、ダイアフラムリテーナ６、スプ
リングリテーナ７およびこの両者６，７に挾まれたダイ
アフラム２の平板部２ａが圧力または復帰ばね５のばね
力によって作動する度に、ダイアフラム２の可撓部２ｂ
がダイアフラムリテーナ６の屈曲部６ｂまたはスプリン
グリテーナ７の屈曲部７ｂに繰り返し接離する。また当
該アクチュエータがウエストゲートアクチュエータ等と
して大きな振動を伴う箇所に使用されると、上記したア
クチュエータの作動とは別に、アクチュエータ自体が振
動によって大きく震えることから、その度に、ダイアフ
ラム２の可撓部２ｂがダイアフラムリテーナ６の屈曲部
６ｂまたはスプリングリテーナ７の屈曲部７ｂに繰り返
し接離する。

【０００４】したがってこのアクチュエータによると、
薄膜状のダイアフラム２の可撓部２ｂがダイアフラムリ
テーナ６の屈曲部６ｂまたはスプリングリテーナ７の屈
曲部７ｂに繰り返し接離するために、ダイアフラム２の
ダイアフラムリテーナ６またはスプリングリテーナ７に
対する接触部、特に後者のスプリングリテーナ７に対す
る接触部（図上ｘ部）に摩耗が発生し、よってこれを原
因として、ダイアフラム２が早期に破損する問題があ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、ダイアフラムの可撓部がダイアフラムリテーナまた
はスプリングリテーナに繰り返し接離するのを防止する
ことが可能であり、もってダイアフラムが摩耗するのを
防止して、ダイアフラムの耐久性を向上させることが可
能なダイアフラムアクチュエータを提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のダイアフラムアクチュエータは、カップの
内部にダイアフラムを架設して圧力室を形成し、前記圧
力室に圧力を供給して前記ダイアフラムおよび前記ダイ
アフラムに接続したロッドを作動させるとともに復帰ば
ねのばね力によって前記ダイアフラムおよびロッドを復
帰動させるダイアフラムアクチュエータにおいて、前記
ダイアフラムが、ダイアフラムリテーナおよびスプリン
グリテーナに挾まれた平板部と、前記平板部の外周側に
一体成形された可撓部とを備えており、前記平板部およ
び可撓部の間に、前記平板部および可撓部より厚肉の補
強部が前記ダイアフラムリテーナまたはスプリングリテ
ーナに常時接触するように設けられていることにした。

【０００７】

【作用】上記構成を備えた本発明のダイアフラムアクチ
ュエータのように、ダイアフラムの平板部および可撓部
の間にこの平板部および可撓部より厚肉の補強部がダイ
アフラムリテーナまたはスプリングリテーナに常時接触
するように設けられていると、ダイアフラムリテーナ、
スプリングリテーナおよびこの両者に挾まれたダイアフ
ラムの平板部が圧力または復帰ばねのばね力によって作
動したときに、厚肉の補強部は弾性変形せず、この補強
部の外周側に一体成形された可撓部のみがダイアフラム
リテーナまたはスプリングリテーナから遠く離れた位置
で弾性変形する。したがってこの可撓部がダイアフラム
リテーナまたはスプリングリテーナに繰り返し接離する
のを防止することができ、可撓部がこの接離によって摩
耗するのを防止することが可能となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】ゴム状弾性材製のダイアフラムの
平板部および可撓部の間に新たに補強部を設けるには、
この補強部を平板部および可撓部に対して一体成形する
のが好適である。またこの補強部の接触状態を安定化さ
せるため、補強部のダイアフラムリテーナまたはスプリ
ングリテーナに対する接触部をダイアフラムリテーナま
たはスプリングリテーナの形状に対応した形状に成形す
るのが好適である。

【０００９】

【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。

【００１０】第一実施例・・・図１は、当該実施例に係
るダイアフラムアクチュエータの要部を示しており、こ
のダイアフラムアクチュエータは、以下の構成を備えて
いることを特徴としている。尚、図１に描かれていない
他の部分の構成は、図３に示した従来技術と同じであ
る。

【００１１】すなわち、図１に示したように、ゴム状弾
性材製のダイアフラム２の平板部２ａと可撓部２ｂとの
間に環状の補強部２ｄが一体成形されており、この補強
部２ｄが平板部２ａおよび可撓部２ｂより厚肉に成形さ
れているとともにスプリングリテーナ７に常時接触する
ように形成されている。またこの補強部２ｄは、スプリ
ングリテーナ７の屈曲部７ｂの外面に対応した形状の断
面円弧形の接触面２ｅと、スプリングリテーナ７の筒状
部７ｃの外周面に対応した形状の円筒形の接触面２ｆと
を備えていて、補強部２ｄが全体としてスプリングリテ
ーナ７の外周側に嵌着されており、平板部２ａおよび補
強部２ｄがスプリングリテーナ７の上側に冠着された構
成となっている。

【００１２】上記構成を備えたダイアフラムアクチュエ
ータにおいて、ダイアフラムリテーナ６、スプリングリ
テーナ７およびこの両者６，７に挾まれたダイアフラム
２の平板部２ａが圧力または復帰ばね５のばね力によっ
て作動すると、ダイアフラム２は、平板部２ａおよび補
強部２ｄが弾性変形せず、補強部２ｄの外周側に一体成
形された可撓部２ｂのみがダイアフラムリテーナ６およ
びスプリングリテーナ７から遠く離れた位置で弾性変形
する。したがってこの可撓部２ｂがダイアフラムリテー
ナ６またはスプリングリテーナ７に繰り返し接離するこ
とがなく、この接離によって摩耗することがないため
に、ダイアフラム２が早期に破損するのを防止すること
ができる。スプリングリテーナ６に対する補強部２ｄの
接触状態は、補強部２ｄの内周面に円筒状の接触面２ｆ
が設けられていて、補強部２ｄがスプリングリテーナ７
の外周側に面接触状態で嵌着されているために、極めて
安定したものである。

【００１３】第二実施例・・・図２は、当該実施例に係
るダイアフラムアクチュエータの要部を示しており、こ
のダイアフラムアクチュエータは、以下の構成を備えて
いることを特徴としている。尚、図２に描かれていない
他の部分の構成は、図３に示した従来技術と同じであ
る。

【００１４】すなわち、図２に示したように、ゴム状弾
性材製のダイアフラム２の平板部２ａと可撓部２ｂとの
間に環状の補強部２ｄが一体成形されており、この補強
部２ｄの内周面に断面略Ｌ字形を呈する補強環８が取り
付けられている。補強部２ｄは平板部２ａおよび可撓部
２ｂより厚肉に成形されているとともに一部において直
接、他の一部において補強環８を介してスプリングリテ
ーナ７に常時接触している。またこの補強部２ｄおよび
補強環８は、スプリングリテーナ７の屈曲部７ｂの外面
に対応した形状の断面円弧形の接触面２ｅと、スプリン
グリテーナ７の筒状部７ｃの外周面に対応した形状の円
筒形の接触面８ａとを備えていて、補強部２ｄおよび補
強環８が全体としてスプリングリテーナ７の外周側に嵌
着されており、平板部２ａ、補強部２ｄおよび補強環８
がスプリングリテーナ７の上側に冠着された構成となっ
ている。補強環８はダイアフラム２より耐摩耗性に優れ
た材料（例えば金属）によって成形されており、この補
強環８に対してダイアフラム２が加硫接着されている。

【００１５】上記構成を備えたダイアフラムアクチュエ
ータにおいては、ダイアフラムリテーナ６、スプリング
リテーナ７およびこの両者６，７に挾まれたダイアフラ
ム２の平板部２ａが圧力または復帰ばね５のばね力によ
って作動すると、ダイアフラム２は、平板部２ａおよび
補強部２ｄが弾性変形せず、補強部２ｄの外周側に一体
成形された可撓部２ｂのみがダイアフラムリテーナ６お
よびスプリングリテーナ７から遠く離れた位置で弾性変
形する。したがってこの可撓部２ｂがダイアフラムリテ
ーナ６またはスプリングリテーナ７に繰り返し接離する
ことがなく、この接離によって摩耗することがないため
に、ダイアフラム２が早期に破損するのを防止すること
ができる。スプリングリテーナ６に対する補強部２ｄの
接触状態は、補強部２ｄの内周面に補強環８が取り付け
られていて、円筒状の接触面８ａを備えたこの補強環８
がスプリングリテーナ７の外周側に面接触状態で嵌着さ
れているために、極めて安定したものである。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。

【００１７】すなわち、上記構成を備えた本発明のダイ
アフラムアクチュエータにおいては、ダイアフラムの平
板部および可撓部の間にこの平板部および可撓部より厚
肉の補強部がダイアフラムリテーナまたはスプリングリ
テーナに常時接触するように設けられているために、ダ
イアフラムリテーナ、スプリングリテーナおよびこの両
者に挾まれたダイアフラムの平板部が圧力または復帰ば
ねのばね力によって作動したときに、補強部の外周側に
一体成形された可撓部がダイアフラムリテーナまたはス
プリングリテーナから遠く離れた位置で弾性変形する。
したがってこの可撓部がダイアフラムリテーナまたはス
プリングリテーナに繰り返し接離することがなく、この
接離によって摩耗することがないために、ダイアフラム
が早期に破損するのを防止することができ、ダイアフラ
ムの耐久性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例に係るダイアフラムアクチ
ュエータの要部断面図

【図２】本発明の第二実施例に係るダイアフラムアクチ
ュエータの要部断面図

【図３】従来例に係るダイアフラムアクチュエータの断
面図

【図４】同ダイアフラムアクチュエータの要部拡大断面
図

【符号の説明】

１ カップ ２ ダイアフラム ２ａ 平板部 ２ｂ 可撓部 ２ｃ 周縁部 ２ｄ 補強部 ２ｅ，２ｆ，８ａ 接触面 ３ 圧力室 ４ ロッド ５ 復帰ばね ６ ダイアフラムリテーナ ６ａ，７ａ プレート部 ６ｂ，７ｂ 屈曲部 ６ｃ，７ｃ 筒状部 ７ スプリングリテーナ ８ 補強環

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カップ（１）の内部にダイアフラム
   （２）を架設して圧力室（３）を形成し、前記圧力室
   （３）に圧力を供給して前記ダイアフラム（２）および
   前記ダイアフラム（２）に接続したロッドを作動させる
   とともに復帰ばね（５）のばね力によって前記ダイアフ
   ラム（２）およびロッドを復帰動させるダイアフラムア
   クチュエータにおいて、前記ダイアフラム（２）が、ダ
   イアフラムリテーナ（６）およびスプリングリテーナ
   （７）に挾まれた平板部（２ａ）と、前記平板部（２
   ａ）の外周側に一体成形された可撓部（２ｂ）とを備え
   ており、前記平板部（２ａ）および可撓部（２ｂ）の間
   に、前記平板部（２ａ）および可撓部（２ｂ）より厚肉
   の補強部（２ｄ）が前記ダイアフラムリテーナ（６）ま
   たはスプリングリテーナ（７）に常時接触するように設
   けられていることを特徴とするダイアフラムアクチュエ
   ータ。