JPH09115138A - 光記録方法及びその方法を用いた光記録再生装置 - Google Patents

光記録方法及びその方法を用いた光記録再生装置

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JPH09115138A
JPH09115138A JP7273107A JP27310795A JPH09115138A JP H09115138 A JPH09115138 A JP H09115138A JP 7273107 A JP7273107 A JP 7273107A JP 27310795 A JP27310795 A JP 27310795A JP H09115138 A JPH09115138 A JP H09115138A
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light
pulse
optical recording
optical
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Application number
JP7273107A
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English (en)
Inventor
Hideo Kobayashi
英夫 小林
Hironori Goto
広則 後藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光記録により反射率が増加する反射率増加型
の相変化タイプで、CDとの互換性をもち書き換え可能
な光記録媒体であっても、特にその書き換えを実用上満
足のできるレベルで確実にかつ長期にわたって安定して
行うことができる光記録方法や光記録再生装置を提供す
る。 【解決手段】 CDとの互換性をもち書き換え可能な光
記録媒体の記録層に対して情報記録のための光を照射す
るに先だって、記録層の非晶質部分を結晶相状態に相変
化させるが溶融させないとともに結晶部分を非晶質状態
に相変化させないパワーレベルに制御した前処理光を照
射して光記録を行う。光記録再生装置は、このような前
処理光を照射するための光照射制御手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク(CD)との互換性を有する書き換え可能な光記録媒
体への光記録方法及びその方法を用いた光記録再生装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、コンピュータの外部記憶手段とし
てCD−ROM(Read OnlyMemory)が
注目されている。CD−ROMは、約600MBという
大容量の記憶が可能であり、しかもその記録媒体及び装
置の単価が非常に安いため、マルチメディアやOS等の
大容量かつ大量配布手段として広く普及し、フレキシブ
ルディスク(FD)やハードディスク(HD)とともに
パーソナルコンピュータなどの外部記憶手段として広く
実用されるに至っている。
【0003】ところが、CD−ROMは、その製造に大
規模な設備が必要となるため通常はCD−ROM専用メ
ーカーに製作を依頼しなければならず、その結果、例え
ば少量配布のCD−ROMを製作する場合には媒体の単
価が割高となるうえ、その製作時間もかかってしまうと
いう大きな問題がある。このため、大容量のデータを少
量配布する場合は、光磁気ディスク(MO)やフレキシ
ブルディスクが主に用いられている。しかし、光磁気デ
ィスクは装置単価が高く現状では普及しているとはいえ
ないため配布先が限定されてしまい、一方、フレキシブ
ルディスクは広く普及しているものの1枚当たりに格納
できるデータ容量がMOの約100分の1、CD−RO
Mの約600分の1であるため大容量のデータ配布には
適さないという難点がある。
【0004】そこで、これらの課題を解消する光記録媒
体として、1回の書き込みが可能なCD−R(CD−R
ecordable:追記型CD)が以下のような利点
を有することから注目されている。
【0005】すなわち、CD−Rは、CD−ROMやC
Dと互換性をもつ光記録媒体である。また、すでにCD
と互換性があり広く普及しているCD−ROM装置によ
り読み取り可能であるので、その配布先が限定されるこ
とは少ない。さらに、配布する場合における媒体単価も
CD−ROMほどではないが安価である。特に、1bi
tあたりの単価すなわちビットコストはFD、MO、H
DDなど他の記録媒体と比べて安く、大量のデータを記
録して配布する場合ほど有利となる。また、CD−Rレ
コーダ(書き込み装置)は、CD−ROMの製造設備に
比べてはるかに小規模でかつ安価なものであるためユー
ザが所有することが可能である。しかも、そのCD−R
の作製にかかる時間はCD−ROMの製作をメーカーに
依頼する場合に比べて短時間で済む。そして、CD−R
は、これらの利点から少量配布する光記録媒体としての
利用以外にもバックアップ用記録媒体としてや大量の書
類等のファイリング媒体としての利用が可能である点で
も注目されている。
【0006】しかしながら、現在のCD−Rは、ユーザ
ーの書き込みが1度しかできないためいくつかの不具合
やその使用上の制限があった。
【0007】例えば、書き込みに失敗すると、そのCD
−Rとしての光ディスクは救済不能であるため無駄にな
ってしまう。このため、CD−Rへの記録を確実に行う
ためには、CDレコーダやCD−R媒体を高い品質で作
製しなければならなず、特にレコーダの書き込み速度を
高速化する場合にはより一層高い品質が要求される。ま
た、その記録に際しては、ハードディスクからレコーダ
にデータを連続的にかつ安定に供給しなければならない
ため高速転送可能な高性能ハードディスク装置が必要と
なる。しかも、この際、ハードディスク上にはCD−R
に実際に書き込むイメージを同様に作製しなければなら
ず、そのための空き容量を常に確保しておく必要があ
る。
【0008】また、容量一杯に使用したCD−Rの光デ
ィスクは、その記録内容に関しての修正ができない。但
し、使用量が少量の場合には、マルチセッション対応の
CD−ROMに限り追記による修正が可能であるが、こ
の場合であっても特にビデオデータ等の大容量のデータ
を修正することは困難な場合が多い。
【0009】さらに、追記したファイルデータは、その
アクセス速度が最初に記録したファイルデータに比べて
遅くなるという問題もある。つまり、CD−ROMは、
一般には書き込みが内周側から外周側にむかって行わ
れ、線速一定の回転条件で再生するため、その内周側ほ
ど外周側に比べて回転数が高く回転待ち時間が短くなる
ことから先に書き込まれたデータほどそのアクセス速度
も早くなるが、マルチセッションの書き込みの場合に
は、追記されるデータが外周側に書き込まれることにな
るためそのアクセス速度も内周側に書き込まれた先のデ
ータに比べて遅くなるのである。また、CD−Rの光デ
ィスクは、バックアップした記憶媒体やネットワークか
らの情報を書き込んで1回使用すると再利用することが
できず、その不要となったディスクは破棄しなければな
らないため省資源化が困難である。
【0010】近年、このようなCD−Rにおける種々の
課題を解消する光記録媒体として、CDとの互換性をも
つ書き換え可能なコンパクトディスク(CD−E)が研
究されている。このCD−Eは、一度記録した情報の消
去を行いながら新たな情報の書き込みが可能であるた
め、かりにセッション或いはブロックの書き込みに失敗
してもその書き込み作業をやり直すことができる。この
ため、ネットワークからのダイレクトな情報書き込みが
可能となる。また、データの再配置ができるため、高速
アクセスが必要なデータを内周側に再配置し直すことも
可能となる。さらに、使用済み等の不要なディスクが再
利用できるようになるため省資源の面でも有利である。
【0011】このCDとの互換性をもつ書き換え可能な
CD−Eとしては、例えば、光照射により結晶−非晶質
間で相変化する記録層を有し、記録前の反射率が50%
未満であるとともに記録後の反射率が70%以上になる
相変化タイプの光ディスクが提案されている(特開平4
−224994号公報)。この光ディスクは、その一例
として、成膜後の記録層を初期化により反射率50%未
満の結晶状態とし、その初期化後の記録層を光記録によ
り反射率が70%以上の非晶質状態とするように用い、
これによりCD専用ドライブによる直接の再生が可能に
なるというものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなCDとの互換性をもつ相変化タイプの書き換え可能
な光記録媒体を用いて情報の書き換えを行う場合は、以
下に詳述するように、特に前の記録部が存在している記
録層部分に対する書き換えを確実に行うことが困難であ
り、最悪な場合には新しい情報の記録ができないという
問題が発生してしまう。
【0013】すなわち、前の記録部が存在している記録
層部分に対する書き換えを行う場合には、その記録部が
反射率70%以上という高反射率状態にある記録層部分
に対して記録のための光を照射することになるため、そ
の照射光の大半が反射されて最終的に記録層に吸収され
る光エネルギー量が小さくなってしまい、例えば、その
記録部を単に結晶状態に変化させる(いわば消去する)
に止まってしまうことがある。つまり、記録感度が悪い
傾向にある。また、このことから先の記録部に対しても
新たな記録を確実に行うためにはより多くの光エネルギ
ーを付与し得る強い光照射を行うという対策が考えられ
るが、この場合は、反射率が50%未満という低反射率
状態にある非記録部ではその高光エネルギー量の照射光
を必要以上に吸収してしまい、蓄熱現象等の影響による
記録マークの形状歪み等の問題が発生することがある。
しかも、この場合には、記録マークの形状歪みにより再
生時の信号特性が低下したり、或いは、書き換え回数の
増加により強い光照射による熱的ダメージ等を受けて記
録再生特性も次第に劣化することがある。
【0014】なお、従来においては、相変化タイプの書
き換え可能な光記録媒体の記録方法として、特開平5−
151572号公報に特定構造の光ディスクに対して記
録レーザー光の波形を限定して信号を記録する方法(即
ち、記録レーザー光を、パルス幅の広い先頭パルスで照
射するとともにパルス幅の狭い後続パルスで断続的に照
射する方法)が提案されている。この記録方法は、記録
レーザー光の波形を限定して信号を記録することにより
CDと同程度の再生信号特性(具体的には、良好な消去
速度、記録感度、繰り返し特性)を実現できるというも
のである。
【0015】しかし、この記録方法は、CDとの互換性
をもつ相変化タイプの書き換え可能な光記録媒体を用い
て情報の書き換えを行う場合において発生する前記した
問題を解決し得るものではなく、また、その公報におい
ても前記した問題を解決するような旨の記載はない。実
際に、この記録方向を用いて書き換えを行った場合に
は、記録マーク前方端のジッターが大きくなリ、エラー
発生率が増加する等の問題がある。
【0016】従って、本発明の目的は、光記録により反
射率が増加する反射率増加型の相変化タイプで、CDと
の互換性をもち書き換え可能な光記録媒体であっても、
特にその書き換えを実用上満足のできるレベルで確実に
かつ長期にわたって安定して行うことができる光記録方
法とその方法を用いた光記録再生装置を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、本発明の光記録方法は、光照射により結晶−非晶
質間で相変化する記録層を有し、非晶質状態における反
射率が60%以上であるとともに結晶状態における反射
率が30%以下である書換型光記録媒体への光記録方法
であって、かつ、上記光記録媒体の記録層に対して情報
記録のための光を照射するに先だって、記録層の非晶質
部分を結晶状態に相変化させるが溶融させないとともに
結晶部分を非晶質状態に相変化させないパワーレベルに
制御した前処理光を照射することを特徴とするものであ
る。
【0018】また、上記の光記録方法において、情報記
録及び前処理のために照射する光としてパルス変調され
て発光するレーザ光を用い、その前処理用レーザ光はそ
のパルスレベルが情報記録用レーザ光のパルスレベルと
同一に設定されたうえでそのパワーレベルが制御される
ことを特徴とするものである。
【0019】ここで、前処理光のパワーレベルに関し
て、記録層の非晶質部分を結晶状態に相変化させるが溶
融させないとは、前処理光の照射により、記録時直前の
非晶質部分を結晶化させるだけであり、その結晶状態に
なった記録層部分を再度溶融させて非晶質化させず結晶
状態のまま変化させないということである。また、結晶
部分を非晶質状態に相変化させないとは、前処理光の照
射により、記録時直前の結晶部分を溶融させて非晶質化
させず結晶状態のまま変化させないということである。
この前処理光の照射タイミングは記録光を照射する直前
が望ましいが、これに限定されない。
【0020】一方、本発明の光記録再生装置は、光照射
により結晶−非晶質間で相変化する記録層を有し、非晶
質状態における反射率が60%以上であるとともに結晶
状態における反射率が30%以下である書換型光記録媒
体に対して情報の記録・再生・消去を行う光記録再生装
置であって、上記光記録媒体の記録層に対して情報記録
のための光を照射するに先だって、記録層の非晶質部分
を結晶状態に相変化させるが溶融させないとともに結晶
部分を非晶質状態に相変化させないパワーレベルに制御
した前処理光を照射する光照射制御手段を具備している
ことを特徴とするものである。
【0021】この光照射制御手段は、パワーレベルが上
記のごとく制御された前処理光を照射することができる
ものであれば特に限定されるものではない。また、前処
理光の照射は、通常、記録用や再生用等の光を照射する
光源を兼用する1ビーム方式により行うように構成する
が、記録用や再生用等の光を照射する光源とは別に前処
理光を照射する専用の光源を用いる2ビーム方式により
行うように構成してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0023】まず、本発明の光記録方法において、前処
理光のパワーレベルの制御は、結晶相の溶融による非晶
化には照射光の強度とその照射時間が大きく影響するこ
と、非晶相の結晶化には照射光の強度が敏感に影響し、
その相変化に要する照射光の照射時間が結晶相の溶融に
要する照射時間よりも短いこと等の特性を利用して適宜
行うことができる。
【0024】そして、前処理光のパワーレベルの制御
は、前処理光としてパルス変調されて発光するレーザ光
を用いる場合、図1に示すように、そのパルス出力レベ
ル(W)やパルス時間(T)、さらには前処理光パルス
と記録光パルスのインターバル時間(S)を適宜制御す
ることにより行えばよい。レーザ光からなる前処理光は
複数のパルスで構成してもよく、その場合にはパルス周
期を制御することにより行うことができる。また、パル
スは、上記パワーレベルの条件を満たすものであれば矩
形状のものでなくても構わない。
【0025】また、前処理レーザ光のパワーレベル制御
は、そのパルス出力レベルを情報記録光のパルス出力レ
ベルと同一に設定したうえで他の要素(パルス時間やイ
ンターバル時間等)を制御することにより行うことが好
ましく(図参照)、この場合には、そのパワーレベル制
御を時間的制御のみにより行うことができる。しかも、
レーザ光の出力レベルについては、記録パルス用レベ
ル、再生パルス用レベル及び消去パルス用レベルの3種
類にすることができ、制御系の簡素化が図れる。このと
き、パルス時間やインターバル時間は、最小の記録マー
ク形成時における記録用レーザ光のパルス時間の半分以
下に設定することが好ましい。なお、前処理光のパルス
出力レベルは記録用レーザ光のパルス出力レベルと異な
る値(小きな値又は大さな値)に設定してもよいことは
言うまでもない(図及び図参照)。
【0026】さらに、記録用レーザ光の照射間隔が狭く
レザーパワーの立ち下がり応答時間以下の間に次の記録
用レーザ光を照射する場合には、前処理光パルスを記録
光パルスと完全に分離して構成することができないこと
(即ち、インターバル時間がほぼゼロの場合)もある。
しかし、このような場合においても、記録対象となる記
録層部分(非晶質部分)が、記録パルスのピーク値到達
前に、例えば直前の蓄熱現象等の影響により結晶化して
低反射率状態になっていれば問題はない。
【0027】従って、この光記録方法によれば、記録の
ための光照射を行う前において上記したようなパワーレ
ベルの制御がなされた前処理光を照射することにより、
特に記録層の非晶質部分を結晶相状態にし(結晶部分は
そのままの相状態にし)、記録対象領域となる記録層部
分を予めほぼ結晶状態にしてから記録(特に書き換え)
を行うことになる。ゆえに、情報の記録を常に低反射率
状態(ほぼ30%以下)にある記録層に対して行うこと
になるため、光エネルギーの高い吸収率が確保され、特
に記録光の光エネルギー(パワーレベル)を高く設定し
なくても、非晶質部分と結晶部分が混在している記録層
部分にも記録マークを確実に形成することができる。
【0028】次に、本発明の光記録再生装置について説
明する。図2は、その光記録再生装置の一実施形態を示
すものである。
【0029】この光記録再生装置は、光記録媒体として
の円盤形状からなる光ディスク1を駆動モータ2により
一定の線速度で回転させ、その回転する光ディスク1に
半導体レーザ3から発振されるレーザ光LBが光学ヘッ
ド4を介して照射することにより、情報の記録や再生や
消去を行うようになっている。ちなみに、この装置は1
ビームオーバーライト方式のものである。
【0030】特に、半導体レーザ3は、駆動回路5によ
りレーザ光の発振がなされるようになっており、記録に
際しては、記録情報信号S1が光照射制御手段としての
パルス波形変調器6やパルス波形パターン設定器7にお
いて所定のパルス信号S2となって駆動回路5に送ら
れ、このパルス信号に基づくレーザ光を発振するように
なっている。パルス波形変調器6には同期信号CSが入
力されている。また、再生に際しては、再生用のレーザ
光を光ディスク1に照射し、そのときディスク面で反射
されて得られる反射光を光学ヘッド4により受光して情
報信号S3に変換し、その後信号処理回路8において再
生信号S4のみを分離して取り出すようになっている。
【0031】そして、パルス波形変調器6においては、
入力される記録情報信号S1に応じてパルス波形パター
ン設定器(RAM)7に予め設定された前処理光パルス
波形が記録パルス波形に付加され、例えば、図1に例示
するようなパルス波形からなるパルス信号S2が生成さ
れるようになっている。
【0032】本発明の光記録方法や光記録再生装置に用
いる光記録媒体は、次のような構成のものであればよ
い。
【0033】光記録媒体の構造は、基本的に、基板上に
保護層、記録層、干渉層、反射層、表面保護層をこの順
次に形成した積層構造が適用されるが、好ましくは基板
と保護層の間にさらに保護層としての下地層を形成した
構造である。本発明の媒体構造はもちろん上記の構成に
限られるものではなく、例えば、上記の各層をそれぞれ
多層化したり、各層の間に密着性保持用中間膜などの機
能層をさらに形成してもよい。
【0034】記録層は、結晶−非晶質間で相変化する相
変化型の記録材料を用いて形成されるものである。そし
て、この記録層は、記録前(未記録領域)が結晶状態で
あり、記録後(記録領域)が非晶質状態になるように設
定されて使用される。また、その相変化型記録材料とし
ては、非晶質状態における媒体の反射率が60%以上
(好ましくは65以上)になるとともに結晶状態におけ
る媒体の反射率が30%以下になるように設計できるも
のであれば如何なるものでも適用可能である。具体的に
は、Ge−Teを主成分とする相変化型記録材料が好ま
しく、この他にもGe−Sb−Te系やIn−Sb−A
g−Te系の相変化型記録材料等が使用可能である。さ
らに、この記録層を形成する手段としては、イオンビー
ムスパッタリング法、RFスパッタリング法、DCスパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法などの
薄膜形成手段が挙げられる。
【0035】また、下地層、保護層及び干渉層はいずれ
も、例えば、SiO2、ZnS、Bi23、AlN、A
23、SiC、Si34、Sb2S、TiO2、Ta2
5、TiO、SiO、ZrO2、ZnO、In23、S
23、ITO、TiN、MgO、CaF2、MgF2
GeO2、Y23等の単独材料や、ZnS−SiO2のよ
うなこれらの単独材料を複数組み合せた混合材料等を用
いて形成することができる。これらの各層の形成に当た
っては、通常RFスパッタリング法が用いられるが、D
Cスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、
蒸着法、CVD等の薄膜形成手段も適用可能である。
【0036】さらに、反射層は、例えば、Au、Ai、
Ti、Cr、Ag、Cu、Co、Nb、Ta、Zr、H
f、Mo、In Sn、Zn、Bi、Sb、Si、G
e、Te、Pt、Pd等の単独材料や、Al−Ti、A
l−Crのようなこれらの単独材料を複数組み合せた混
合材料等を用いて形成することができる。この反射層を
形成するに当たっては通常RFスパッタリング法が用い
られるが、他の周知の薄膜形成手段を適用してもよい。
なかでも、イオンビームスパッタリング法が望ましい。
【0037】
【実施例】以下、実施例等に基づいて本発明をさらに詳
細に説明する。
【0038】実施例1 この実施例では、光記録媒体として次のようなものを使
用した。すなわち、図3に示すように、ポリカーボネー
ト製の基板上10上に、SiO2からなる厚さ80nm
の保護層11と、GeTe−Sb2Te3からなる厚さ5
nmの記録層12と、SiO2からなる厚さ50nmの
干渉層13と、Auからなる厚さ60nmの反射層14
をこの順にいずれもRFスパッタリング法によりそれぞ
れ形成した後、最後に紫外線硬化型樹脂による表面保護
層15を形成し、これを光ディスク1とした。
【0039】そして、この光ディスク1を光記録再生装
置(図2)にセットして線速1.4m/sで回転させ、
マーク長記録方式によりEFM信号のランダムデータを
マルチセッションで記録した(マーク長1.6μm)。
この記録時におけるレーザ光のパルス波形としては図5
に示すパターンのものを適用した。すなわち、前処理光
パルスとして出力(パワー)レベル10mW、パルス幅
20nsec、インターバル時間20nsecに設定し
たものを使用し、記録パルスとして出力レベル10m
W、最長マーク100μsec、最短マーク40、イン
ターバル時間40μsecに設定したものを使用した。
また、消去出力レベルは4mWとした。
【0040】さて、この光ディスク1の非晶質状態及び
結晶状態における反射率を測定したところ、結晶状態で
は反射率25%であり、非晶質状態では反射率60%で
あった。また、出力レベル10mWの再生パルスからな
るレーザ光によりCN比及び消去率について測定したと
ころ、CN比は50dB以上であり、消去率は26dB
であった。ちなみに、CDとの互換性をもつ光ディスク
に必要なCN比は46dB以上であり消去率26dBで
あるため、これらの条件を十分に満たす良好な記録再生
特性が得られることがわかる。また、上記光記録後の光
ディスク1を既製のCD−ROMドライブ装置に適用し
たところ再生することができた。さらに、この光ディス
ク1に対して1000回の書き換えを繰り返した後のC
N比及び消去率を測定したところ、その特性は劣化して
いなかった。
【0041】書き換え時には、図4に示すように、記録
層の記録対象領域(トラック)Tには先に形成された記
録マーク20とその記録マークがない非記録部21とが
混在しているが(同図a)、書き換え時のレーザ光LB
の照射がなされると、まず前処理光パルスによるレーザ
光照射により記録マーク20の部分(非晶質化部分)が
結晶状態となり非記録部21(結晶化部分)が結晶状態
のままとなり、その直後に記録光パルスによるレーザ光
照射がなされることにより新たな記録マーク20aが形
成される(同図b)。このような光記録を行うことによ
り、書き換え時の記録マーク20aは先の記録マーク2
0の有無にかかわらず確実に形成される。
【0042】実施例2 光ディスクの記録層12としてGeTeからなる厚さ8
nmの記録層を形成し、また、干渉層13としてBi2
3からなる厚さ15nmの干渉層(屈折率2.45消
衰係数0)を形成し、さらに、記録時におけるレーザ光
のパルス波形として図6に示すパターンのものを適用し
た以外は、実施例1と同じ光ディスクと光記録再生装置
を用いて同じ条件で光記録及び測定を行った。すなわ
ち、前処理光パルスとして出力レベル6mW、パルス幅
30nsec、インターバル時間15nsecに設定し
たものを使用し、記録光パルスは実施例1と同じパター
ンのものを使用した。
【0043】その結果、光ディスクの結晶状態での反射
率が10%であり、非晶質状態での反射率が61%であ
った。また、出力レベル10mWの再生パルスからなる
レーザ光照射時におけるCN比は50dB以上で消去率
は26dBであり、CDとの互換性をもつために必要な
CN比及び消去率の条件を十分に満たす良好な記録再生
特性が得られた。また、上記光記録後の光ディスク1は
既製のCD−ROMドライブ装置による再生が可能であ
った。さらに、1000回の書き換えを繰り返した後に
おけるCN比及び消去率の特性劣化はなかった。
【0044】実施例3 光ディスクの記録層12としてGeTeからなる厚さ5
nmの記録層を形成し、また、記録時におけるレーザ光
のパルス波形としては図7に示すパターンのものを適用
した以外は、実施例1と同じ光ディスクと光記録再生装
置を用いて同じ条件で光記録及び測定を行った。すなわ
ち、前処理光パルスとして出力レベル12mW、パルス
幅10nsec、インターバル時間30nsecに設定
したものを使用し、記録光パルスは実施例1と同じパタ
ーンのものを使用した。
【0045】その結果、光ディスクの結晶状態での反射
率が10%であり、非晶質状態での反射率が65%であ
った。また、出力レベル5mWの再生パルスからなるレ
ーザ光照射時におけるCN比は50dB以上で消去率は
26dBであり、CDとの互換性をもつために必要なC
N比及び消去率の条件を十分に満たす良好な記録再生特
性が得られた。また、上記光記録後の光ディスク1は既
製のCD−ROMドライブ装置による再生が可能であっ
た。さらに、1000回の書き換えを繰り返した後にお
けるCN比及び消去率の特性劣化はなかった。
【0046】比較例 前処理光のない(図5の前処理光パルスのない)レーザ
光を照射して光記録を行った以外は、実施例1と同じ光
ディスクと光記録再生装置を用いて同じ条件で光記録や
測定を行った。
【0047】その結果、出力レベル20mWの再生パル
スからなるレーザ光照射時における消去率は20dB以
下となり、書き換えが困難であることが確認された。ま
た、書き換えを行った後の記録層を観察したところ、書
き換え前に非記録部であったところには新たな記録マー
クが形成されているのに対し、書き換え前に先の記録マ
ークのあるところは高反射率状態から低反射率状態に変
化したのみで新たな記録マークが形成されていなかっ
た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光記録方
法や光記録再生装置によれば、記録光の照射に先だって
所定のパワーレベルに制御された前処理光を照射するた
め、光記録により反射率が増加する反射率増加型の相変
化タイプで、CDとの互換性をもち書き換え可能な光記
録媒体に対して、確実な書き換えを行うことができる。
しかも、その書き換えは実用上満足のできるレベルのも
のであり、書き換え回数が増加してもそのレベル低下が
なく安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光記録時において照射する光の一例
を示すパルス波形図である。
【図2】 本発明の光記録再生装置の一例を示す要部構
成図である。
【図3】 実施例で使用する光記録媒体(光ディスク)
を示す一部断面構造図である。
【図4】 書き換え時における記録層の変化の様子を示
す平面説明図である。
【図5】 実施例1で適用した光記録時における照射レ
ーザ光の構成を示すパルス波形図である。
【図6】 実施例2で適用した光記録時における照射レ
ーザ光の構成を示すパルス波形図である。
【図7】 実施例3で適用した光記録時における照射レ
ーザ光の構成を示すパルス波形図である。
【符号の説明】
1…光記録媒体、6、7…光照射制御手段(パルス波形
変調器、パルス波形パターン設定器)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射により結晶−非晶質間で相変化す
    る記録層を有し、非晶質状態における反射率が60%以
    上であるとともに結晶状態における反射率が30%以下
    である書換型光記録媒体への光記録方法であって、 かつ、上記光記録媒体の記録層に対して情報記録のため
    の光を照射するに先だって、記録層の非晶質部分を結晶
    状態に相変化させるが溶融させないとともに結晶部分を
    非晶質状態に相変化させないパワーレベルに制御した前
    処理光を照射することを特徴とする光記録方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録方法において、情報
    記録及び前処理のために照射する光としてパルス変調さ
    れて発光するレーザ光を用い、その前処理用レーザ光は
    そのパルスレベルが情報記録用レーザ光のパルスレベル
    と同一に設定されたうえでそのパワーレベルが制御され
    ることを特徴とする光記録方法。
  3. 【請求項3】 光照射により結晶−非晶質間で相変化す
    る記録層を有し、非晶質状態における反射率が60%以
    上であるとともに結晶状態における反射率が30%以下
    である書換型光記録媒体に対して情報の記録・再生・消
    去を行う光記録再生装置であって、 上記光記録媒体の記録層に対して情報記録のための光を
    照射するに先だって、記録層の非晶質部分を結晶状態に
    相変化させるが溶融させないとともに結晶部分を非晶質
    状態に相変化させないパワーレベルに制御した前処理光
    を照射する光照射制御手段を具備していることを特徴と
    する光記録再生装置。
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