JPH09113309A - 計測装置 - Google Patents

計測装置

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JPH09113309A
JPH09113309A JP7270397A JP27039795A JPH09113309A JP H09113309 A JPH09113309 A JP H09113309A JP 7270397 A JP7270397 A JP 7270397A JP 27039795 A JP27039795 A JP 27039795A JP H09113309 A JPH09113309 A JP H09113309A
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Chiaki Nakamura
千秋 中村
Motomu Hayakawa
求 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脈拍数やピッチなどがウインドから外れるほ
ど大きく変化した場合でも、正常値か異常値かを応答よ
く見極めできる計測装置を提供すること。 【解決手段】 腕装着型脈波計測装置では、脈波検出用
センサユニットの検出信号から求めた脈拍数のうち前回
正常値とされた計測値に基づいて今回の計測値が正常値
か異常値かを判定するためのウインドWを設定する。こ
のウインドWに今回計測した脈拍数が入っている否かに
よって、今回の脈拍数が正常値か異常値かをウインド判
定するが、この判定結果において、ウインドWの外にあ
るから異常値と判定された場合でも、計測値M8のよう
に、3回目の異常値については正常値であるとウインド
判定結果を補正して、表示などといった処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサが検出した
脈波信号や体動信号に基づいて脈拍数やピッチなどを求
める計測装置に関するものである。更に詳しくは、計測
した脈拍数やピッチが正常値か異常値かの判定技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】脈波や体動などをセンサで計測し、この
計測データに基づいて脈拍数やピッチなどを求めると、
計測中に生じた異常によって、センサの検出結果に異常
値が現れることがある。かかる異常値も含めて体調など
を判断したときには、判断を誤ってしまう。そこで、従
来の計測装置では、計測した複数点の脈拍数などを昇順
または降順に並べ、そのうち、大きい値および小さい値
を1つあるいは2つすて、残った値の平均値を液晶表示
装置などを表示している。ここで、新たに脈拍数が所定
の数だけ計測されると、これらの値についても同じ処理
を行うようになっている。かかる平均値は、いわゆる移
動平均値であり、表示された結果には、ノイズなどに起
因する異常値が入りにくいという利点がある。
【0003】しかしながら、移動平均を用いる方法で
は、脈拍数の計測のように比較的長い時間をかけて1つ
の値を計測する場合には、複数のデータ、しかも実際に
平均値の演算に用いないデータまでも計測する必要があ
るので、表示の応答性が低いとともに、異常値を確実に
除去できないという問題点がある。
【0004】そこで、前回の計測値、あるいは直前に計
測された数回分の計測値の平均値を基準値とする一方、
この基準値に対して一定の係数を乗じて上限値および下
限値を設定し、この下限値から上限値までの範囲内(ウ
インド内)に今回の計測結果が入っているか否かによっ
て、計測値が正常が異常かを判定する方法が用いられる
ことがある。この方法では、今回の計測値がウインド内
に入っているときだけ計測値を表示するので、表示の応
答性が向上するとともに、異常値が表示されることを防
止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようなウインド判定に基づく表示方法は、安静時などと
いった体動の変化がほとんどない場合には、正常値と異
常値とを正確に判別できるが、運動開始時には、脈拍数
の変化が大きいため、この変化にウインドの補正が追従
できないという問題点がある。たとえば、図10におい
て、横軸を経過時間とし、縦軸を脈拍数として、運動開
始前後における脈拍数の時間的推移を折れ線Pで示す
と、運動開始以前(時刻t1以前)には、脈拍数の変化
にウインドの補正が追従するが、運動開始直後(時刻t
1の直後)には、脈拍数の増加が著しいため、この変化
にウインドの補正が追従できない。従って、このときの
計測値は、正常値であってもウインド外にある以上、異
常値として除去されてしまうので、かかる値は、いつま
で経っても表示されないだけでなく、ウインドのレベル
もいつまで経っても補正されないことになる。このよう
な問題点は、脈拍数と同様な変化をみせる走行ピッチを
計測する装置でも同様である。
【0006】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
脈拍数やピッチなどがウインドから外れるほど大きく変
化した場合でも、正常値か異常値かを応答よく見極めで
きる計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る計測装置では、センサ手段の検出信号
から求めた計測値のうち前回正常値とされた計測値また
は該計測値を含む複数の計測値に基づいて今回の計測値
が正常値か異常値かを判定するためのウインドを設定す
るウインド設定手段と、該ウインド設定手段が設定した
ウインド内に今回の計測値が入っているか否かを確認
し、今回の計測値が前記ウインド内にあるときには該計
測値は正常値であると判定し、前記ウインドから外れて
いるときには該計測値は異常値であると判定するウイン
ド判定手段と、該ウインド判定手段の判定結果において
今回の計測値が前記ウインド外にあっても、今回の計測
まで異常値がウインドの上限を越えたままあるいはウイ
ンドの下限を下回ったまま所定の回数続いた場合には、
今回の計測値は正常値であると前記ウインド判定手段の
判定結果を補正する判定結果補正手段と、前記ウインド
判定手段の判定または前記判定結果補正手段による補正
によって正常値とされた今回の計測値を表示部に表示す
るための表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】本発明では、今回の計測値が前記ウインド
判定手段によって異常値であると判定され、かつ、該判
定結果が前記判定結果補正手段によって補正されなかっ
たときには、前記表示制御手段は、今回の計測値が異常
値であった旨を前記表示部に表示するように構成されて
いることが好ましい。
【0009】本発明に係る計測装置では、さらに、前記
計測値のうち正常値を記憶しておく記憶手段を有し、前
記表示制御手段は、外部操作に基づいて、前記記憶手段
に記憶されている正常な計測値を前記表示部に表示する
ように構成されていることが好ましい。
【0010】本発明において、前記記憶手段は、前記計
測値のうち異常値もその旨の判定結果とともに記憶する
ように構成され、前記表示制御手段は、外部操作に基づ
いて、前記記憶手段に記憶されている正常値および異常
値を前記表示部に表示するように構成されていることが
好ましい。
【0011】本発明において、前記センサ手段は、たと
えば、脈波を検出するための脈波検出用センサであり、
この場合には、該センサの検出信号に基づいて求められ
る計測値を脈拍数とすることができる。
【0012】本発明において、前記センサ手段は、たと
えば、体動を検出するための体動検出用センサであり、
この場合には、該センサの検出信号に基づいて求められ
る計測値をピッチとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図面に基づいて、本発明の一実施
例を説明する。
【0014】(全体構成)図1は、本例の携帯用脈波計
測装置の構成を示す説明図である。
【0015】図1において、本例の携帯用脈波計測装置
1(脈拍計/周期・周波数計測装置)は、腕時計構造を
有する装置本体10と、この装置本体10に接続される
ケーブル20と、このケーブル20の先端側に設けられ
た脈波検出用センサユニット30とから大略構成されて
いる。ケーブル20の先端側にはコネクタピース80が
構成されており、このコネクタピース80は、装置本体
10の6時の側に構成されているコネクタ部70に対し
て着脱自在である。装置本体10には、腕時計における
12時方向から腕に巻きついてその6時方向で固定され
るリストバンド12が設けられ、このリストバンド12
によって、装置本体10は、腕に着脱自在である。脈波
検出用センサユニット30は、センサ固定用バンド40
によって遮光されながら人差し指の根元から指関節まで
の間に装着されている。このように、脈波検出用センサ
ユニット30を指の根元に装着すると、ケーブル20が
短くて済むので、ケーブル20は、ランニング中に邪魔
にならない。また、掌から指先までの体温の分布を計測
すると、寒いときには、指先の温度が著しく低下するの
に対し、指の根元の温度は比較的低下しない。従って、
指の根元に脈波検出用センサユニット30を装着すれ
ば、寒い日に屋外でランニングしたときでも、脈拍数
(状態値)などを正確に計測できる。
【0016】(装置本体の構成)図2は、本例の携帯用
脈波計測装置の装置本体を、リストバンドやケーブルな
どを外した状態で示す平面図、図3は、携帯用脈波計測
装置を3時の方向からみた側面図である。
【0017】図2において、装置本体10は、樹脂製の
時計ケース11(本体ケース)を備えており、この時計
ケース11の表面側には、現在時刻や日付に加えて、走
行時や歩行時のピッチ、及び脈拍数などの脈波情報など
を表示するELバックライト付きの液晶表示装置13
(表示装置)が構成されている。液晶表示装置13に
は、表示面の左上側に位置する第1のセグメント表示領
域131、右上側に位置する第2のセグメント表示領域
132、右下側に位置する第3のセグメント表示領域1
33、及び左下側に位置するドット表示領域134が構
成されており、ドット表示領域134では、各種の情報
をグラフィック表示可能である。
【0018】時計ケース11の内部には、脈波検出用セ
ンサユニット30が計測した脈波信号(状態信号)に基
づいて脈拍数の変化などを求めるとともに、それを液晶
表示装置13で表示するために、各種の制御やデータ処
理を行う制御部5が構成されている。制御部5には、計
時回路も構成されているため、通常時刻、ラップタイ
ム、スプリットタイムなども液晶表示装置13に表示可
能である。
【0019】また、装置本体10には、加速度センサ9
1を利用して体の動きを体動信号として検出する体動セ
ンサ装置90も内蔵されており、制御部5は、体動セン
サ装置90の検出した体動信号に基づいてピッチを求
め、それを液晶表示装置13に表示することも可能であ
る。
【0020】さらに、本例の腕装着型脈波計測装置1で
は、後述するとおり、今回の計測結果を含む計測値(脈
拍数およびピッチ)から平均値を求め、その値を液晶表
示装置13に表示するとともに、今回の計測結果を含む
計測値について最大値を求め、その値も液晶表示装置1
3に表示するようになっている。但し、これらの最大値
および平均値は、計測値のうち正常値のみを用いて求め
られるようになっている。また、計測された結果のう
ち、正常値は記憶されるようになっており、外部操作に
基づいて、計測値を液晶表示装置に表示し、再現できる
ようになっている。
【0021】時計ケース11の外周部には、時刻合わ
せ、表示モードの切り換えなどの外部操作を行うための
ボタンスイッチ111〜115が構成されている。ま
た、時計ケースの表面には、大きめのボタンスイッチ1
16、117が構成されている。
【0022】携帯用脈波計測装置1には、時計ケース1
1に内蔵されているボタン形の小型の電池59を搭載し
てあり、ケーブル20は、電池59から脈波検出用セン
サユニット30に電力を供給するとともに、脈波検出用
センサユニット30の検出結果を時計ケース11の制御
部5に入力している。
【0023】携帯用脈波計測装置1では、その機能を増
やすにともなって、装置本体10を大型化する必要があ
るが、装置本体10には、腕に装着されるという制約が
あるため、装置本体10を腕時計における6時及び12
時の方向に向けては拡大できない。そこで、装置本体1
0には、3時及び9時の方向における長さ寸法が6時及
び12時の方向における長さ寸法よりも長い横長の時計
ケース11を用いてある。但し、リストバンド12は、
3時の方向側に偏った位置で接続しているため、リスト
バンド12からみると、腕時計における9時の方向に大
きな張出部分101を有するが、かかる大きな張出部分
は3時の方向にはない。従って、横長の時計ケース11
を用いたわりには、手首を自由に曲げることができ、ま
た、転んでも手の甲を時計ケース11にぶつけることが
ない。
【0024】時計ケース11の内部において、電池59
に対して9時の方向には、ブザー用の偏平な圧電素子5
8が配置されている。電池59は、圧電素子58に比較
して重いため、装置本体10の重心位置は、3時の方向
に偏った位置にある。この重心が偏っている側にリスト
バンド12が接続しているので、装置本体10を腕に安
定した状態で装着できる。また、電池59と圧電素子5
8とを面方向に配置してあるため、装置本体10を薄型
化できるとともに、図3に示すように、裏面部119に
電池蓋118を設けることによって、ユーザーは、電池
59を簡単に交換できる。
【0025】(装置本体の腕への装着構造)図3におい
て、時計ケース11の12時の方向には、リストバンド
12の端部に取り付けられた止め軸121を保持するた
めの連結部105が形成されている。時計ケース11の
6時の方向には、腕に巻かれたリストバンド12が長さ
方向の途中位置で折り返されるとともに、この途中位置
を保持するための留め具122が取り付けられる受け部
106が形成されている。
【0026】装置本体10の6時の方向において、裏面
部119から受け部106に至る部分は、時計ケース1
1と一体に成形されて裏面部119に対して約115°
の角度をなす回転止め部108になっている。すなわ
ち、リストバンド12によって装置本体10を右の手首
L(腕)の上面部L1(手の甲の側)に位置するように
装着したとき、時計ケース11の裏面部119は、手首
Lの上面部L1に密着する一方、回転止め部108は、
橈骨Rのある側面部L2に当接する。この状態で、装置
本体10の裏面部119は、橈骨Rと尺骨Uを跨ぐ感じ
にある一方、回転止め部108と裏面部119との屈曲
部分109から回転止め部108にかけては、橈骨Rに
当接する感じになる。このように、回転止め部108と
裏面部119とは、約115°という解剖学的に理想的
な角度をなしているため、装置本体10を矢印Aまたは
矢印Bの方向に回そうとしても、装置本体10は、腕L
の周りを不必要にずれない。また、裏面部119及び回
転止め部108によって腕の回りの片側2ヵ所で装置本
体10の回転を規制するだけであるため、腕が細くて
も、裏面部119及び回転止め部108は確実に腕に接
するので、回転止め効果が確実に得られる一方、腕が太
くても窮屈な感じがない。
【0027】(脈波検出用センサユニットの構成)図4
は、本例の脈波検出用センサユニットの断面図である。
【0028】図4において、脈波検出用センサユニット
30は、そのケース体としてのセンサ枠36の裏側に裏
蓋302が被されることによって、内側に部品収納空間
300が構成されている。部品収納空間300の内部に
は、回路基板35が配置されている。回路基板35に
は、LED31、フォトトランジスタ32、その他の電
子部品が実装されている。脈波検出用センサユニット3
0には、ブッシュ393によってケーブル20の端部が
固定され、ケーブル20の各配線は、各回路基板35の
パターン上にはんだ付けされている。ここで、脈波検出
用センサユニット30は、ケーブル20が指の根元側か
ら装置本体10の側に引き出されるようにして指に取り
付けられる。従って、LED31及びフォトトランジス
タ32は、指の長さ方向に沿って配列されることにな
り、そのうち、LED31は指の先端側に位置し、フォ
トトランジスタ32は指の根元の方に位置する。このよ
うに配置すると、外光がフォトトランジスタ32に届き
にくいという効果がある。
【0029】脈波検出用センサユニット30では、セン
サ枠36の上面部分にガラス板からなる透光板34によ
って光透過窓が形成され、この透光板34に対して、L
ED31及びフォトトランジスタ32は、それぞれ発光
面及び受光面を透光板34の方に向けている。このた
め、透光板34の外側表面341に指表面を密着させる
と、LED31は、指表面の側に向けて光を発するとと
もに、フォトトランジスタ32は、LED31が発した
光のうち指の側から反射してくる光を受光可能である。
ここで、透光板34の外側表面341は、指表面との密
着性を高める目的に、周囲部分361から突出している
構造になっている。
【0030】本例では、LED31として、InGaN
系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDを用
いてあり、その発光スペクトルは、450nmに発光ピ
ークを有し、その発光波長領域は、350nmから60
0nmまでの範囲にある。かかる発光特性を有するLE
D31に対応させて、本例では、フォトトランジスタ3
2として、GaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)の
フォトトランジスタを用いてあり、その素子自身の受光
波長領域は、主要感度領域が300nmから600nm
までの範囲にあって、300nm以下にも感度領域があ
る。
【0031】このように構成した脈波検出用センサユニ
ット30を、センサ固定用バンド40によって指の根元
に装着し、この状態で、LED31から指に向けて光を
照射すると、この光が血管に届いて血液中のヘモグロビ
ンによって光の一部が吸収され、一部が反射する。指
(血管)から反射してきた光は、フォトトランジスタ3
2によって受光され、その受光量変化が血量変化(血液
の脈波)に対応する。すなわち、血量が多いときには、
反射光が弱くなる一方、血量が少なくなると、反射光が
強くなるので、反射光強度の変化を脈波信号として光学
的に検出すれば、の検出結果から脈拍数などを計測でき
る。
【0032】本例では、発光波長領域が350nmから
600nmまでの範囲にあるLED31と、受光波長領
域が300nmから600nmまでの範囲のフォトトラ
ンジスタ32とを用いてあり、その重なり領域である約
300nmから約600nmまでの波長領域、すなわ
ち、約700nm以下の波長領域における検出結果に基
づいて生体情報を表示する。かかる脈波検出用センサユ
ニット30を用いれば、外光が指の露出部分にあたって
も、外光に含まれる光のうち波長領域が700nm以下
の光は、指を導光体としてフォトトランジスタ32(受
光部)にまで到達しない。その理由は、外光に含まれる
波長領域が700nm以下の光は、指を透過しにくい傾
向にあるため、外光がセンサ固定用バンド40で覆われ
ていない指の部分に照射されても、指を通ってフォトト
ランジスタ32まで届かないからである。これに対し、
880nm付近に発光ピークを有するLEDと、シリコ
ン系のフォトトランジスタとを用いると、その受光波長
範囲は、350nmから1200nmまでの範囲に及
ぶ。この場合には、指を導光体として受光部にまで容易
に届いてしまうような1μmの波長の光による検出結果
に基づいて脈波を検出することになるので、外光の変動
に起因する誤検出が起こりやすい。
【0033】また、約700nm以下の波長領域の光を
利用して、脈波情報を得ているので、血量変化に基づく
脈波信号のS/N比が高い。その理由として、血液中の
ヘモグロビンは、波長が300nmから700nmまで
の光に対する吸光係数が、従来の検出光である波長が8
80nmの光に対する吸光係数に比して数倍〜約100
倍以上大きいため、血量変化に感度よく変化するので、
血量変化に基づく脈波の検出率(S/N比)が高いから
と考えられる。
【0034】(制御部の構成)図5には、各センサおよ
び制御部5の構成を示してあり、脈波検出用センサユニ
ット30では、LED31から発した光が生体内に照射
されて、反射光には血管の容積変化に応じた変調がかか
り、この光変化をフォトトランジスタ32により電流変
化に変換した後、コレクタ抵抗によって電圧出力(脈波
信号)を得るようになっている。脈波検出用センサユニ
ット30の後段には、交流増幅器、ローパスフィルタ、
矩形波に変換するためのシュミットトリガーコンパレー
タからなる脈波信号増幅回路511が構成され、この増
幅回路の後段には、脈波周期計測カウンタ512が構成
されている。脈波周期計測カウンタ512は、基準クロ
ック550を時間標準として脈波信号増幅回路511か
らの出力矩形波のエッジ間の時間をカウントして、その
カウンタ値KをCPU55に出力するようになってい
る。
【0035】また、本例では、体動センサ装置90も設
けられており、この体動センサ装置90には、体動セン
サとなる加速度センサ91、放電抵抗、およびFETよ
りなるプリアンプより構成されている。体動センサ装置
90の後段には、交流増幅器、ローパスフィルタ、矩形
波に変換するためのシュミットトリガーコンパレータか
らなる体動信号増幅回路521が構成され、この増幅回
路の後段には、体動周期計測カウンタ522が構成され
ている。体動周期計測カウンタ522も、基準クロック
550を時間標準として体動信号増幅回路521からの
出力矩形波のエッジ間の時間をカウントして、そのカウ
ンタ値TをCPU55に出力するようになっている。
【0036】CPU55は、やはり基準クロック550
を基本クロックとして動作しており、RAM502を演
算記憶用に用いながら、ROM501に格納されている
プログラムに基づいて演算処理を行い、演算結果(脈拍
数)を液晶表示装置13に表示させるようになってい
る。
【0037】(脈波データ処理部のウインド判定)CP
U55の脈波データ処理部の機能については、図6にブ
ロック図で示してあり、脈波検出用センサユニット30
の今回の検出結果から脈拍数を演算する脈拍数演算部5
51と、脈拍数演算部551で求めた脈拍数のうち正常
値と判定された前回の計測値を基準値とするとともに、
この基準値に対する上限幅および下限幅で規定される脈
拍数に対するウインドを設定するウインド設定部554
と、このウインド内に今回計測した脈拍数が入っている
か否かを判定するウインド判定部552(ウインド判定
手段)と、ウインド判定部552の判定結果において、
今回の計測値がウインド内にあるときには、この計測値
を正常値として液晶表示装置13にリアルタイムで表示
するための表示制御部500(表示制御手段)とが構成
されている。
【0038】また、CPU55には、ウインド判定部5
52の判定結果において、今回の計測値がウインド外に
あっても今回の計測まで異常値が3回続いた場合には、
今回の計測値は正常値であるとウインド判定部552の
判定結果を補正する判定結果補正手部553が構成され
ている。すなわち、前回の正常値に基づいて設定したウ
インドからみると、今回の計測値がウインド外にあった
としても、ノイズの影響によって異常値が3回も続くの
は不自然であり、たとえば安静状態から運動を開始した
ため、脈拍数が実際に大きく変化したのでウインドから
外れているだけで、今回の計測値は、むしろ正常値であ
る確率の方が高いからである。
【0039】従って、表示制御部500は、ウインド判
定部552の判定結果において、今回の計測値がウイン
ド内にあるときだけでなく、判定結果補正部553での
再判定結果において今回の計測値がウインド外にあって
も今回の計測まで異常値が3回続いているから、今回の
計測値は正常値であるとウインド判定部552の判定結
果が補正された場合にも、この計測値を液晶表示装置1
3にリアルタイムで表示するようになっている。
【0040】但し、表示制御部500は、ウインド判定
部552の判定結果において今回の計測値がウインド外
にあるので今回の計測値は異常値であると判定し、か
つ、判定結果補正部553での再判定結果において今回
まで異常値が1回または2回しか続いていない場合に
は、今回の計測値は異常値であるとして、その旨の表示
としてのバー表示「−−」を行うようになっている。
【0041】また、判定結果補正手部553がウインド
判定部552の判定結果を補正するのは、3回の計測値
のいずれもがウインドの上限値を越えた場合、または3
回の計測値のいずれもがウインドの下限値を下回った場
合だけである。すなわち、異常値が3回続いた場合で
も、ウインドの上限値を越えた異常値と、ウインドの下
限値を下回った異常値とが交互に出現しても、判定結果
補正手部553は、ウインド判定部552の判定結果を
補正しないように構成されている。それ故、この場合
も、表示制御部500は、今回の計測値は異常値である
として、その旨のバー表示「−−」を行うようになって
いる。このような場合までウインド判定部552の判定
結果を補正すると、計測精度が大きく犠牲になるからで
ある。
【0042】ここで、ウインド判定部562または判定
結果補正部563において、正常値と判定された脈拍数
の計測値は、RAM502に記憶されるようになってお
り、外部操作によってその旨の指示があったときには、
表示制御部500は、これらの計測値を液晶表示装置1
3において再現できるようになっている。
【0043】さらに、脈波データ処理部には、RAM5
02に記憶されている今回計測された正常値、およびそ
れ以前に計測された正常値から平均値を求め、それをR
AM502に記憶させる平均値演算部555と、RAM
502に記憶されている今回計測された正常値、および
それ以前に計測された正常値についての最大値を求め、
それをRAM502に記憶させる最大・最小値演算部5
56とが構成されている。ここで、脈拍数の場合には、
通常、最大値に関心があるので、最大・最小値演算部5
56は、脈拍数の最大値だけを求めるようになってい
る。また、表示制御部500は、平均値演算部555お
よび最大・最小値演算部556が求めた平均値および最
大値をリアルタイムで液晶表示装置13に表示可能であ
るとともに、外部操作に基づいて、RAM502に記憶
されている平均値および最大値を液晶表示装置13の後
で表示することも可能である。
【0044】(体動データ処理部のウインド判定)図7
にブロック図で示すように、制御部5に構成されている
体動データ処理部には、体動検出用センサ装置90の今
回の検出結果からピッチを演算するピッチ演算部561
と、ピッチ演算部561で求めたピッチのうち正常値と
判定された前回の計測値を基準値とするとともに、この
基準値に対する上限幅および下限幅で規定されるピッチ
に対するウインドを設定するウインド設定部564と、
このウインド内に今回計測したピッチが入っているか否
かを判定するウインド判定部562(ウインド判定手
段)とが構成されている。ここで、表示制御部500
は、ウインド判定部562の判定結果において、今回の
計測値がウインド内にあるときには、この計測値を正常
値として液晶表示装置13にリアルタイムで表示するよ
うに構成されている。
【0045】また、CPU55には、ウインド判定部5
62の判定結果において、今回の計測値がウインド外に
あっても今回の計測まで異常値が3回続いた場合には、
今回の計測値は正常値であるとウインド判定部562の
判定結果を補正する判定結果補正手部563が構成され
ている。すなわち、前回の正常値に基づいて設定したウ
インドからみると、今回の計測値がウインド外にあった
としても、ノイズの影響によって異常値が3回も続くの
は不自然であり、たとえばマラソン中にピッチを実際に
大きく変化させたのでウインドから外れているだけで、
今回の計測値は、むしろ正常値である確率の方が高いか
らである。
【0046】従って、表示制御部500は、ウインド判
定部562の判定結果において、今回の計測値がウイン
ド内にあるときだけでなく、判定結果補正部563での
再判定結果において今回の計測値がウインド外にあって
も今回の計測まで異常値が3回続いているから、今回の
計測値は正常値であるとウインド判定部562の判定結
果が補正された場合にも、この計測値を液晶表示装置1
3にリアルタイムで表示するようになっている。
【0047】但し、表示制御部500は、ウインド判定
部562の判定結果において、今回の計測値がウインド
外にあるので今回の計測値は異常値であると判定され、
かつ、判定結果補正部563での再判定結果において今
回まで異常値が1回または2回しか続いていない場合に
は、今回の計測値は異常値であるとして、その旨の表示
としてのバー表示「−−」を行うように構成されてい
る。
【0048】また、判定結果補正手部563がウインド
判定部562の判定結果を補正するのは、3回の計測値
のいずれもがウインドの上限値を越えた場合、または3
回の計測値のいずれもがウインドの下限値を下回った場
合だけである。すなわち、異常値が3回続いた場合で
も、ウインドの上限値を越えた異常値と、ウインドの下
限値を下回った異常値とが交互に出現しても、判定結果
補正手部563は、ウインド判定部562の判定結果を
補正しないように構成されている。それ故、この場合
も、表示制御部500は、今回の計測値は異常値である
として、その旨のバー表示「−−」を行うようになって
いる。このような場合までウインド判定部562の判定
結果を補正すると、計測精度が大きく犠牲になるからで
ある。
【0049】さらに、体動データ処理部には、RAM5
02に記憶されている今回計測された正常値、およびそ
れ以前に計測された正常値から平均値を求め、それをR
AM502に記憶させる平均値演算部565と、RAM
502に記憶されている今回計測された正常値、および
それ以前に計測された正常値についての最大値を求め、
それをRAM502に記憶させる最大・最小値演算部5
66とが構成されている。ここで、脈拍数の場合と違っ
て、ピッチの場合には、最大値および最小値の双方に関
心があるので、最大・最小値演算部566は、ピッチの
最大値および最小値の双方を求めるようになっている。
また、表示制御部500は、平均値演算部565および
最大・最小値演算部566が求めた平均値および最大値
をリアルタイムで液晶表示装置13に表示可能であると
ともに、外部操作に基づいて、RAM502に記憶され
ている平均値および最大値を液晶表示装置委13に後で
表示することも可能である。
【0050】(ウインド判定および補正の処理)ROM
501には、脈拍数演算部551、ピッチ演算部56
1、ウインド設定部554、564、ウインド判定部5
52、562、および判定結果補正部553、563に
対応するプログラムが格納されており、その制御フロー
を以下に説明する。但し、脈波検出用センサユニット3
0の検出信号から脈拍数を求め、それにウインド判定す
る等の処理と、体動検出用センサ装置90の検出信号か
らピッチを求め、それにウインド判定する等の処理と
は、基本的には同じ処理である。従って、脈波数に対す
る処理についてのみ、その制御フローを図8に示すとと
もに、以下に説明し、ピッチに対する処理については、
図示および説明を省略する。
【0051】まず、ステップST1で、検出された脈波
信号から脈波周期計測カウンタ512がカウンタ値Kを
求め、処理が開始される。
【0052】ステップST2で、まず、脈波周期計測カ
ウンタ512が求めたカウンタ値Kから今回の脈拍数M
cuを求める。かかる処理は、脈拍数演算部551として
の処理に相当する。
【0053】次に、ステップST3で、今回の脈拍数M
cuと、前回の脈拍数Mbeに20拍/分を加算した値とを
比較する。かかる処理は、ウインド判定部552として
の処理に相当する。本例では、前回正常値とされた計測
値(脈拍数)に対して±20拍/分の範囲をウインドと
するので、その上限を設定するためである。この処理
は、ウインド設定部554としての処理に相当する。
【0054】その結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍
数Mbeに20拍/分を加算した値よりも小さい場合に
は、今回の脈拍数Mcuは、正常値である可能が高いとし
て、ステップST4で、今回の脈拍数Mcuと、前回の脈
拍数Mbeから20拍/分を減算した値とを比較する。本
例では、前回正常値とされた計測値(脈拍数)に対して
±20拍/分の範囲をウインドとするので、その下限を
設定するためである。
【0055】その結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍
数Mbeから20拍/分を減算した値よりも大きい場合に
は、ウインド判定において、今回の脈拍数Mcuは、ウイ
ンド内に入っていると判定できる。すなわち、ウインド
判定の結果、今回の脈拍数Mcuは、正常値であると判定
する。
【0056】従って、今回の脈拍数Mcuについては、正
常値として、ステップST5からステップST9までの
処理を行う。すなわち、ステップST5では、前回の脈
拍数Mbeに今回の脈拍数Mcuを代入し、次に、ステップ
ST6では、上限異常カウンタYmax を0とおくととも
に、下限異常カウンタYmin を0とおく。次に、ステッ
プST7では、今回の脈拍数Mcuを表示するとともに、
RAM502に記憶する。この処理のうち、表示処理
は、表示制御部500としての処理に相当する。しかる
後に、ステップST8では、今回の脈拍数Mcuを含め
て、これまで正常値と判定された全脈拍数の計測値から
全平均Mave を求めるとともに、RAM502に記憶す
る。これらの処理は、平均値演算部555としての処理
に相当する。また、ステップST9では、今回の脈拍数
Mcuを含めて、これまで正常値と判定された全脈拍数の
計測値から最大値Mmax を求めるとともに、RAM50
2に記憶する。これらの処理は、最大・最小値演算部5
56としての処理に相当する。そして、ステップST1
0で、1回の計測値に対する処理を終了する。
【0057】これに対して、ステップST3で、今回の
脈拍数Mcuと、前回の脈拍数Mbeに20拍/分を加算し
た値とを比較した結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍
数Mbeに20拍/分を加算した値よりも大きい場合に
は、ステップST11で、上限異常カウンタYmax が2
であるか否かを判定する。その結果、上限異常カウンタ
Ymax が2でない場合には、ステップST12で、上限
異常カウンタYmax の値を1だけ繰り上げるとともに、
下限異常カウンタYmin を0とおく。しかる後に、ステ
ップST13で、バー表示「−−」によるエラー表示を
行い、今回の計測値に対する処理を終了する。従って、
ステップST6で行われる上限異常カウンタYmax およ
び下限異常カウンタYmin の初期化、ステップST7で
行われる今回の脈拍数Mcuの表示・データ記憶、ステッ
プST8で行われる全平均Mave の演算・データ記憶、
およびステップST9で行われる最大値Mmax の演算・
データ記憶は、いずれも行われない。それ故、異常値を
含むデータに基づく平均値や最大値の演算が行われない
ので、それらの表示内容が正確であるとともに、無駄な
処理を伴う負荷を低減できる。
【0058】これらのステップST11からステップS
T13までの処理は、ステップST3において、今回の
脈拍数Mcuと、前回の脈拍数Mbeに20拍/分を加算し
た値とを比較した結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍
数Mbeに20拍/分を加算した値よりも大きい場合に
は、ステップST11で、上限異常カウンタYmax が2
であると判断されるまで行われる。
【0059】このステップST11で、上限異常カウン
タYmax が2であると判断された場合には、ステップS
T5からステップST10までの処理を行う。すなわ
ち、ステップST3およびステップST4で、今回の計
測値が正常値であると判断された場合と同じ処理が行わ
れる。すなわち、今回の計測値がウインド外にあって
も、今回の計測までにウインドの上限を上回るような異
常値が3回続いたので、今回の計測値は正常値である
と、ウインド判定結果を補正する。かかる処理は、判定
結果補正部563としての処理に相当する。
【0060】一方、ステップST3で、今回の脈拍数M
cuと、前回の脈拍数Mbeに20拍/分を加算した値とを
比較した結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍数Mbeに
20拍/分を加算した値よりも小さいと判断されても、
ステップST4で、今回の脈拍数Mcuと、前回の脈拍数
Mbeから20拍/分を減算した値とを比較した結果、今
回の脈拍数Mcuが前回の脈拍数Mbeから20拍/分を減
算した値よりも小さいと判断された場合には、ステップ
ST14で、下限異常カウンタYmin が2であるか否か
を判定する。その結果、下限異常カウンタYmin が2で
ない場合には、ステップST15で、下限異常カウンタ
Ymin の値を1だけ繰り上げるとともに、上限異常カウ
ンタYmax を0とおく。しかる後に、ステップST16
で、バー表示「−−」によるエラー表示を行い、今回の
計測値に対する処理を終了する。
【0061】これらのステップST14からステップS
T16までの処理は、ステップST3において、今回の
脈拍数Mcuと、前回の脈拍数Mbeに20拍/分を加算し
た値とを比較した結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍
数Mbeに20拍/分を加算した値よりも小さいと判断さ
れ、かつ、ステップST4で、今回の脈拍数Mcuと、前
回の脈拍数Mbeから20拍/分を減算した値とを比較し
た結果、今回の脈拍数Mcuが前回の脈拍数Mbeから20
拍/分を減算した値よりも小さいと判断された場合に
は、ステップST14で、下限異常カウンタYmin が2
であると判断されるまで行われる。従って、ステップS
T6で行われる上限異常カウンタYmax および下限異常
カウンタYmin の初期化、ステップST7で行われる今
回の脈拍数Mcuの表示・データ記憶、ステップST8で
行われる全平均Mave の演算・データ記憶、およびステ
ップST9で行われる最大値Mmax の演算・データ記憶
は、いずれも行われない。
【0062】このステップST14で、下限異常カウン
タYmin が2であると判断された場合には、ステップS
T5からステップST10までの処理を行う。すなわ
ち、ステップST3およびステップST4で、今回の計
測値が正常値であると判断された場合と同じ処理が行わ
れる。すなわち、今回の計測値がウインド外にあって
も、今回の計測までにウインドの下限を下回るような異
常値が3回続いたので、今回の計測値は正常値である
と、ウインド判定結果を補正する。かかる処理は、判定
結果補正部563としての処理に相当する。
【0063】なお、本例では、同様な処理をピッチの計
測結果にも行っているが、かかる処理の内容は、基本的
には、図8に示すフローチャートにおいて、脈拍数に代
えてピッチについてウインド判定や判定結果への補正を
行えばよいので、その説明は省略する。
【0064】(実施例の主な効果)以上説明したよう
に、本例に係る腕装着型脈波計測装置1では、ウインド
判定部552において、今回計測した脈拍数Mcuがウイ
ンドW内に入っている否かによって正常値か異常値かを
ウインド判定するとともに、正常値に基づいてウインド
を設定しなおす。従って、図9に示す計測結果におい
て、脈拍数の計測値M1,M2のように、計測値がウイ
ンドW内で変化するたびに、ウインドがシフトしてい
く。従って、ウインドWからはずれた脈拍数の計測値M
3,M4のように、ノイズに起因する異常値が出現して
も、これらの計測値は、そのまますてられ、正常な計測
値M5が出現するまで、表示も記憶もされない。
【0065】但し、本例では、ウインド判定結果におい
て、今回の脈拍数Mcuが異常値と判定された場合でも、
判定結果補正部553は、かかる異常値がたとえば3回
続いた場合には、今回の計測値は正常値であるとウイン
ド判定結果を補正する。従って、図9に示す計測結果に
おいて、ウインドWから外れた脈拍数の計測値M6,M
7のように、ノイズに起因する異常値が2回出現したと
き、これらの計測値は、そのまますてられるが、同じウ
インドWから外れた計測値が出現しても、3回目に出現
した脈拍数の計測値M8は、正常値として判定されるの
で、ウインドWから外れた計測値M6,M7の分だけエ
ラー表示されるだけで、計測値M8は、液晶表示装置1
3に表示される。それ故、脈拍数がウインドWから外れ
るほど大きく変化した場合でも、正常値か異常値かを応
答よく見極めできる。また、計測値M8に基づいてウイ
ンドWが再設定されるので、それ以降の脈拍数の正常な
計測値M9は、計測値M5に基づいて設定されたウイン
ドWによればウインドW外にあるとして異常値と見做さ
れがちであるが、正常値として正しく判定され、表示さ
れる。
【0066】(別の実施例)本例では、計測値のうち、
正常値と判定された計測値のみをRAM502に記憶さ
せたが、異常値についてもその判定結果とともに、RA
M502に記憶させてもよい。このように構成すると、
計測が終了した後、RAM502が記憶している全ての
計測値を再現し、各計測値が本当に異常値であったのか
正常値であったのかを改めて確認することができる。
【0067】本例では、異常値が3回続いた場合にウイ
ンド判定結果を補正したが、その回数については、計測
装置などに求められる性能などに応じて最適な条件に設
定されるべき性質のものであり、本例の値に限定されな
い。
【0068】同様に、本例では、脈波検出用センサユニ
ット30の検出信号から求めた脈拍数のうち前回正常値
とされた計測値を基準にその±20拍/分の範囲をウイ
ンドと設定したが、その上限幅および下限幅について
は、計測装置などに求められる性能などに応じて最適な
条件に設定されるべき性質のものであり、本例の値に限
定されない。
【0069】本例では、脈波検出用センサユニット30
の検出信号から求めた脈拍数のうち前回正常値とされた
計測値を基準にウインドを設定したが、今回正常値と判
断された計測値、およびそれ以前に正常値と判断された
計測値からなる複数の計測値に基づいて、ウインドを設
定してもよい。
【0070】また、本例では、脈拍数に対して設定した
が、計測値とウインドとのディメンジョンが同じであれ
ば、それを演算する前のカウンタ値Tの時点でウインド
判定してもよい。
【0071】本例では、脈拍数の計測にあたっては、脈
波信号増幅回路511からの出力矩形波のエッジ間の時
間をカウントし、そのカウント値から脈拍数を求めた
が、それに代えて、脈波検出用センサユニット30から
出力されたアナログ信号をオペアンプで増幅した後、サ
ンプルホールド回路を介してA/Dコンバータに出力
し、A/Dコンバータによってデジタル信号に変換され
た脈波データに周波数分析としての高速フーリエ変換
(FFT処理)を行ない、そのスペクトラムから脈拍数
を計測してもよい。また、ピッチを計測、監視するにあ
たっても、体動信号増幅回路521からの出力矩形波の
エッジ間の時間をカウントする代わりに、体動センサ装
置90から出力されたアナログ信号をオペアンプで増幅
した後、サンプルホールド回路を介してA/Dコンバー
タに出力し、A/Dコンバータによってデジタル信号に
変換された脈波データに周波数分析としての高速フーリ
エ変換(FFT処理)を行ない、そのスペクトラムから
ピッチを計測してもよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る計測
装置では、今回の計測値が正常値か異常値かをウインド
判定するとともに、今回の計測値が異常値と判定された
場合でも、かかる異常値がたとえば3回続いた場合に
は、今回の計測値は正常値であるとウインド判定結果を
補正することに特徴を有する。従って、本発明によれ
ば、計測値がウインド外にあっても正常値であると判断
できるので、計測値が正常値のままウインド外まで大き
く変化した場合でも、正常値か異常値かを優れた応答性
をもって判断し、表示できる。
【0073】計測値のうち、正常値だけでなく、異常値
についてもその判定結果とともに、記憶しておき、記憶
している全ての計測値を再現できるようにした場合に
は、各計測値が本当に異常値であったのか正常値であっ
たのかを改めて確認することができるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る腕装着型脈波計測装置
の全体構成、及び使用状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す腕装着型脈波計測装置の装置本体の
平面図である。
【図3】図1に示す腕装着型脈波計測装置の装置本体を
腕時計の3時の方向からみたときの説明図である。
【図4】図1に示す腕装着型脈波計測装置に用いたセン
サユニットの断面図である。
【図5】図1に示す腕装着型脈波計測装置のセンサおよ
び制御部の構成を示す説明図である。
【図6】図5に示す制御部に用いたCPUのうち、脈拍
数の計測値に対するデータ処理の機能を説明するための
ブロック図である。
【図7】図5に示す制御部に用いたCPUのうち、ピッ
チの計測値に対するデータ処理の機能を説明するための
ブロック図である。
【図8】図1に示す腕装着型脈波計測装置において行う
脈拍数に対するウインド判定、およびその判定結果に対
する補正のための処理を説明するためのフローチャート
である。
【図9】図1に示す腕装着型脈波計測装置において行う
脈拍数に対するウインド判定、およびその判定結果に対
する補正のための処理の内容を示す説明図である。
【図10】従来のウインド補正方法の問題点を説明する
ための説明図である。
【符号の説明】
1・・・腕装着型脈波計測装置 5・・・制御部 10・・・装置本体 13・・・液晶表示装置(表示部) 30・・・脈波検出用センサユニット(センサ手段) 31・・・LED 32・・・フォトトランジスタ 55・・・・CPU 90・・・体動センサ装置(センサ手段) 501・・・ROM 502・・・RAM(記憶手段) 511・・・脈波信号増幅回路 512・・・脈波周期計測カウンタ 521・・・体動信号増幅回路 522・・・体動周期計測カウンタ 500・・・表示制御部 551・・・脈拍数演算部 552、562・・・ウインド判定部 553、563・・・判定結果補正部 554、564・・・ウインド設定部 555、565・・・平均値演算部 556、566・・・最大・最小演算部 561・・・ピッチ演算部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ手段の検出信号から求めた計測値
    のうち前回正常値とされた計測値または該計測値を含む
    複数の計測値に基づいて今回の計測値が正常値か異常値
    かを判定するためのウインドを設定するウインド設定手
    段と、該ウインド設定手段が設定したウインド内に今回
    の計測値が入っているか否かを確認し、今回の計測値が
    前記ウインド内にあるときには該計測値は正常値である
    と判定し、前記ウインドから外れているときには該計測
    値は異常値であると判定するウインド判定手段と、該ウ
    インド判定手段の判定結果において今回の計測値が前記
    ウインド外にあっても、今回の計測まで異常値がウイン
    ドの上限を越えたままあるいはウインドの下限を下回っ
    たまま所定の回数続いた場合には、今回の計測値は正常
    値であると前記ウインド判定手段の判定結果を補正する
    判定結果補正手段と、前記ウインド判定手段の判定また
    は前記判定結果補正手段による補正によって正常値とさ
    れた今回の計測値を表示部に表示するための表示制御手
    段とを有することを特徴とする計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、今回の計測値が前記
    ウインド判定手段によって異常値であると判定され、か
    つ、該判定結果が前記判定結果補正手段によって補正さ
    れなかったときには、前記表示制御手段は、今回の計測
    値が異常値であった旨を前記表示部に表示するように構
    成されていることを特徴とする計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、さらに、前
    記計測値のうち正常値を記憶しておく記憶手段を有し、
    前記表示制御手段は、外部操作に基づいて、前記記憶手
    段に記憶されている正常値を前記表示部に表示するよう
    に構成されていることを特徴とする計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記記憶手段は、前
    記計測値のうち異常値もその旨の判定結果とともに記憶
    するように構成され、前記表示制御手段は、外部操作に
    基づいて、前記記憶手段に記憶されている正常値および
    異常値を前記表示部に表示するように構成されているこ
    とを特徴とする計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項におい
    て、前記センサ手段は、脈波を検出するための脈波検出
    用センサであり、該センサの検出信号に基づいて求めら
    れる計測値は、脈拍数であることを特徴とする計測装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかの項におい
    て、前記センサ手段は、体動を検出するための体動検出
    用センサであり、該センサの検出信号に基づいて求めら
    れる計測値は、ピッチであることを特徴とする計測装
    置。
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