JPH0911309A - 飛散防止性能を有するアクリル樹脂シート - Google Patents

飛散防止性能を有するアクリル樹脂シート

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JPH0911309A
JPH0911309A JP7182235A JP18223595A JPH0911309A JP H0911309 A JPH0911309 A JP H0911309A JP 7182235 A JP7182235 A JP 7182235A JP 18223595 A JP18223595 A JP 18223595A JP H0911309 A JPH0911309 A JP H0911309A
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JP
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resin
sheet
strip
resin layer
scattering
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Application number
JP7182235A
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English (en)
Inventor
Michisuke Edamatsu
通介 枝松
Yasuo Hiromoto
泰夫 広本
Osamu Kawai
治 川合
Hideo Yamada
英夫 山田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂層中に、これに特性値が適合す
る樹脂条を埋設することにより、発生破片の捕捉性、飛
散防止性能等に優れたアクリル樹脂シートを提供する。 【構成】 アクリル系樹脂からなるシート状の樹脂層A
の内部に複数の樹脂条Bが埋設されてなり、該樹脂条B
の破断伸度ε(%)が次式の範囲内にある。 ε>720−190k(ε>0、k>0) 但し、k:樹脂層A用樹脂の溶解指数と樹脂条B用樹脂
の溶解指数の差の絶対値[(cal/cm31/2

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃破砕時の発生破片
の飛散や落下が防止されたアクリル樹脂シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】飛散防止性を有したシートの用途例に、
高速道路や高速鉄道における遮音シートや防護シートが
ある。これらのシートとしては、例えば複数枚のガラス
板等からなる透明体に熱可塑性樹脂を挟み込んだ透明積
層体が使用されている。又、アクリル樹脂シート中に合
成繊維を埋設した重合体シートが特開平3−51406
号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の複数
枚のガラス板等からなる透明体に熱可塑性樹脂を挟み込
んだ透明積層体に対して、遮音や防護ばかりでなく飛散
防止効果を付与しようとするためには、透明で機械的強
度の優れたフィルムを介在させることが必要になる。し
かしながら、こうした構造を有する透明積層体をもっ
て、歪みのない外観を得て、かつ飛散防止性能に優れた
遮音シートや防護シートを製造することは困難であっ
た。
【0004】前記重合体シートは、2枚の無機ガラスか
らなる型室内に合成繊維を張設し、型室内にアクリル系
モノマーをベースとしたシラップを注入し、浴中にて重
合硬化させて得ようとするもので、その方法はバッチ法
であり、型室内への合成繊維の張設、シラップの注入及
び浴中での重合硬化等、その製造に手間がかかり生産効
率を低下させるという難点があった。
【0005】本発明はかかる状況に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、熱可塑性樹脂層中に
これに特性値が適合する樹脂条を埋設することにより、
発生破片の捕捉性、飛散防止性能等に優れたアクリル樹
脂シートを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下を主要な構成としている。すなわち、
アクリル系樹脂からなるシート状の樹脂層Aの内部に複
数の樹脂条Bが埋設されてなり、前記樹脂条Bの破断伸
度ε(%)が次式の範囲にあることを特徴とする飛散防
止性能を有するアクリル樹脂シートにある。 ε>720−190k(ε>0、k>0) 但し、k:樹脂層A用の樹脂の溶解指数と樹脂条B用の
樹脂の溶解指数の差の絶対値[(cal/cm3
1/2
【0007】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。図1は、本発明のアクリル樹脂シートの製造
可能な条件範囲を示すグラフ、図2〜5は、本発明のア
クリル樹脂シートの一例を示す断面図である。
【0008】高速道路、高速鉄道等において、前述した
シート状の樹脂層Aを破砕する主な要因は、鳥類等の衝
突によるものであり、樹脂層Aを突き抜ける様な衝撃力
が作用すると考えられる。通常、この種の衝撃作用に対
して有効な樹脂としては、衝撃強度が高い、例えばポリ
カーボネートの様な樹脂を、樹脂条B用の樹脂として樹
脂層A中に埋設することが容易に考えられる。しかしな
がら、ポリカーボネートのような樹脂をもってしても、
上述の如きの衝撃作用に対しては有効ではなく、樹脂層
Aの破砕と共に容易に屈曲破断し、飛散防止効果を付与
出来ないことが検討の結果明らかとなった。
【0009】本発明者等は、シート状の樹脂層Aが破砕
された時の発生破片の飛散や落下を効果的に防止するた
めに必要な樹脂条B用の樹脂の性状、特に力学的特性や
樹脂層Aとの密着性等に着目して鋭意検討した結果、本
発明を完成するに至った。
【0010】シート状の樹脂層Aが衝撃破砕された時、
埋設された樹脂条Bが発生した破片を捕捉して破片の飛
散や落下を防止するためには、埋設された樹脂条Bが樹
脂層Aと共に破断しないことが必要である。前述の様な
衝撃力に対して樹脂条B用の破断を防止するためには、
樹脂層Aの破砕時に破砕部とその近傍において樹脂条B
が樹脂層Aと剥離すること、又樹脂条Bが伸長すること
が必要であることが検討の結果から明らかとなった。
【0011】樹脂層Aに曲げや引っ張りが作用すると内
部に応力が発生し、これが樹脂層Aの許容応力より小さ
い場合は樹脂層Aは勿論破砕しないが、許容応力より大
きな応力が発生した場合は樹脂層Aは破砕する。樹脂条
Bが破断するかしないかは、破砕部及びその近傍での界
面の条件で決定される。すなわち、樹脂層Aと樹脂条B
の界面に発生する剪断応力に関する条件である。大きな
剪断応力を発生させる密着力が高い樹脂の組合せにあっ
ては樹脂層Aの破砕時において、剥離性は零か、あるい
は非常に小さくなり、伸度が無限大近くとなって樹脂層
Aと共に破断する。
【0012】樹脂条Bとして剥離性を示す樹脂、又は破
断伸度の高い樹脂を用いた場合は、界面における剪断応
力は低く、樹脂条B中に発生する応力を緩和し、抑制
し、樹脂条Bは破断せず発生破片を捕捉出来ると考えら
れる。この場合に樹脂条Bが破断しない条件は、樹脂層
Aが破砕された時の樹脂条Bの伸び量の大小によって規
定され、剥離性のより大きい樹脂では樹脂層Aによって
把持される剥離部分の距離が長くなることにより、又、
破断伸度のより大きい樹脂ではその伸び率により、それ
ぞれ伸び量が増大し樹脂条Bの破断を防止出来ると考え
られる。
【0013】本発明はこの点に着目してなされたもので
あり、シート状の樹脂層Aの衝撃破砕時に、破砕部とそ
の近傍において、樹脂層Aに対する樹脂条Bの剥離作
用、すなわち、密着性と樹脂条B用樹脂の伸長作用、す
なわち、破断伸度を一定範囲に規制することにより、樹
脂条Bの破断を防止して破片の捕捉性、飛散防止性を効
果的に付与することを特徴としている。樹脂条B用樹脂
が強度の高い樹脂であっても、樹脂層Aに対して密着性
が大で、破断伸度が低い場合は上記の性能は付与出来な
い。逆に強度は低いが破断伸度が大きい場合や、密着性
が小さく剥離性が大きい場合、又破断伸度は小さいが剥
離し易いもの、剥離作用は小さいが破断伸度の高いもの
は効果的に飛散防止効果を発揮し得る。つまり図1に示
すA線、すなわちε=720−190kより上の領域で
押出成形することによりその性能を確保することが可能
である。
【0014】本発明では、樹脂層Aに対する密着性、す
なわち、剥離性を評価する尺度として樹脂の溶解指数を
指標している。これはポリマーブレンドにおける溶解
性、混和性を表す指標であり、両成分の溶解指数の差の
絶対値が小さいほど、相分離現象が起こりにくいとされ
ている。図1のグラフに示す横軸のkは樹脂層A用樹脂
の溶解指数と樹脂条B用樹脂の溶解指数の差の絶対値を
表し、数値が大きいほど密着性が小さく、すなわち、剥
離性が向上すること示す。この溶解指数によれば、例え
ばポリメチルメタクリレートに対して、ポリカーボネー
トは密着性が良い樹脂、ポリアミド等は剥離性に優れた
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等はその中間の性
状を示す樹脂と考えられる。
【0015】図1に示すA線より下の領域では飛散防止
性能が得られない。ポリカーボネートやポリプロピレン
等は破断伸度が低く性能を発現出来ない。一方、ポリア
ミドはポリメチルメタクリレートに対して剥離性が良好
であり、比較的低伸度のものまで性能が確保出来る。
【0016】樹脂条Bに用いて好適な樹脂成分として
は、上述の条件を満足するような樹脂であればよく、単
一樹脂、共重合樹脂、ブレンド樹脂等の中から選択して
用いることが出来る。
【0017】多くの種類の樹脂との剥離性を有し、かつ
高い破断伸度を有するポリエチレン樹脂やエチレン系共
重合樹脂、又は、破断伸度は低いものの高い剥離性を有
するポリアミド樹脂は、上述の如き過酷な衝撃力に対し
て樹脂層Aの発生破片を効果的に捕捉して飛散や落下を
防止する上で最も好適な樹脂条B用の樹脂材料といえ
る。反面、破断伸度が低く、かつ剥離性の良くないポリ
カーボネートやポリプロピレン等は樹脂条B用の樹脂と
しては適さない。
【0018】樹脂層Aの美観、意匠性向上のため、樹脂
条B中に有機、無機の染料や顔料を添加して用いること
も可能である。又、大型看板用途等では、樹脂層A中に
有機、無機の染料、顔料を添加することも出来る。
【0019】樹脂条Bの形状及び配列の状態は、図2〜
5に示す如く多様な形状、形態をとり得る。図3はシー
ト状の樹脂層Aに埋設された樹脂条Bの配列形態の別の
例を示したものであり、その配列状態は図2に示す単列
の他、図3(イ)の千鳥配列、図3(ロ)の複数列の配
列等も可能である。又、樹脂条Bの単一の断面形状は図
2に示す円形に限らず、図4(イ)及び(ロ)の如く四
角形や長円形の他に、さらに図5(イ)及び(ロ)の様
に平行に配設した薄板の断面形状としてもよく、又、そ
れらを組合せて配列することも出来る。さらに、樹脂条
Bの単一の断面の寸法、配列のピッチ等は、賦形するシ
ート状樹脂層Aの厚み、巾に応じて、又、シートに必要
とされる性能、用途に応じて共に自由に設定可能であ
る。
【0020】次に、本発明のアクリル樹脂シートを製造
する方法の一例を説明する。図6〜図10は、本発明の
アクリル樹脂シートを製造する方法及び装置の一態様を
示しており、図6は同方法の装置を示す全体概略図、図
7は同側面図、図8は同装置の要部を示す同時押出部の
断面図、図9は同側面図である。なお、図6〜図9は本
発明のアクリル樹脂シートを製造する方法及び装置の一
例を示すものであるが、本例は樹脂層Aを賦形するため
の流路と、複数の樹脂条Bを賦形するための流路とを有
し、シート成形部において前記樹脂層A用の樹脂と樹脂
条B用のそれぞれの流路が合流する構造を備えていれ
ば、図示の構造に限定されるものではなく、例えば図1
0に示す如く、多様な構造が採用出来る。
【0021】以下、図6〜図9に従って説明する。基体
となるシート状の樹脂層Aとして賦形される樹脂は、押
出機1により賦形ヘッド5内に溶融押出され、流路11
を通って定量ポンプ3に至る。複数の樹脂条Bとして賦
形される樹脂は、押出機2により同じく賦形ヘッド5内
に溶融押出され、流路12を通って定量ポンプ4に至
る。
【0022】シート状の樹脂層A及び複数の樹脂条Bと
して賦形されるそれぞれの樹脂は、定量ポンプ3,4で
流量を調節され、流路13,14をそれぞれ通過して、
ダイパック6内に設けられた分配ノズル7に至り、ここ
でそれぞれ分配される。
【0023】まず、樹脂条Bとして賦形される樹脂は樹
脂条B賦形ノズル8内に配設された吐出孔8aを通過し
て、所定の形状、寸法、配列等を有する複数の樹脂条B
の流れを形成する。次に、樹脂層Aとして賦形される樹
脂は、吐出孔8aを囲む樹脂層A賦形ノズル9の樹脂層
流出口9aより流出して複数の樹脂条Bをその内部に埋
設しながら樹脂層Aと樹脂条Bの複合流を形成して同時
押出しされ、冷却ロール群10により賦形され、後にシ
ート切断機15により所定長さに切断されて樹脂シート
となる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例により得られた樹脂シートの物性
の評価は下記の通りに行った。 [飛散防止性試験]得られたシートを切断して所定の試
験片を作成し、シャルピー衝撃試験(JISK7111
−1984)により行い、試験片の破断に伴う破片の飛
散の有無を観察した。 [耐候性試験]サンシャインウエザーメーターを用い、
83℃雨降りの条件で500時間暴露した。
【0025】[実施例1]樹脂層A用の樹脂として、ポ
リメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、登録
商標「アクリペット」以下、PMMAと略称する。)
と、樹脂条B用の樹脂としてポリエチレン(三井石油化
学工業(株)製、商品名「ウルトゼックス」、破断伸度
800%)を用意した。kは1.3であった。図6〜図
9に示す装置のダイパック6内に、吐出孔の内径が1m
mφで、吐出孔相互の間隔を20mmとして単列に配設
した樹脂条B賦形ノズル8と、樹脂層A賦形ノズル9を
装着し、PMMAを押出機1中で溶融して樹脂層A賦形
ノズル9に供給し、一方、ポリエチレンを押出機2中で
溶融して分配ノズル7を通過させ、樹脂条B賦形ノズル
8の吐出孔8aから吐出し、樹脂層A賦形ノズル9にお
いてPMMA中にポリエチレンが埋設されるように賦型
温度を240℃で同時押出成形して、冷却ロール群10
により賦形し、4mm厚×50cm巾×1m長の樹脂シ
ートを連続的に作成した。
【0026】得られたシートのPMMA部は透明であ
り、樹脂条のポリエチレンの断面形状、配列状態等は、
ほぼノズルの寸法通りに賦形されていた。物性を評価し
た結果、PMMA部は無色透明であり、かつ、クラック
は発生したが、破砕部の近傍でポリエチレンの剥離と伸
長が見られ、破片の飛散は認められなかった。
【0027】[実施例2]樹脂条B用の樹脂としてポリ
エチレン(三井石油化学工業(株)製、商品名「ハイゼ
ックス」、破断伸度620%以上)を用いた(kは1.
3)ほかは実施例1と同様の装置、方法により樹脂シー
トを作成した。
【0028】得られたシートのPMMA部は透明であ
り、樹脂条のポリエチレンの断面形状、配列状態等はほ
ぼノズルの寸法通りに賦形されており、視界の制御性が
付与されていた。物性を評価した結果、PMMA部は無
色透明であり、かつ、クラックは発生したが、破砕部の
近傍でポリエチレンの剥離と伸長が見られ、破片の飛散
は認められなかった。
【0029】[実施例3]樹脂条B用の樹脂としてポリ
アミド(宇部興産(株)製、商品名「UBEナイロン
6」、破断伸度200%)を用いた(kは3.5)ほか
は実施例1と同様の装置、方法により樹脂シートを作成
した。
【0030】得られたシートのPMMA部は透明であ
り、樹脂条のポリアミドの断面形状、配列状態等はほぼ
ノズルの寸法通りに賦形されていた。物性を評価した結
果、PMMA部は無色透明であり、かつ、クラックは発
生したが、破砕部近傍でポリアミドの剥離と伸長が見ら
れ、破片の飛散は認められなかった。
【0031】[実施例4]樹脂条B用の樹脂としてポリ
アミド(宇部興産(株)製、商品名「UBEナイロン6
6」、破断伸度120%)を用いた(kは3.5)ほか
は実施例1と同様の装置、方法により樹脂シートを作成
した。
【0032】得られたシートのPMMA部は透明であ
り、樹脂条のポリアミドの断面形状、配列状態等はほぼ
ノズルの寸法通りに賦形されていた。物性を評価した結
果、PMMA部は無色透明であり、かつ、クラックは発
生したが、破砕部近傍でポリアミドの剥離と伸長が見ら
れ、破片の飛散は認められなかった。
【0033】[実施例5]樹脂層A用の樹脂として、P
MMA(三菱レイヨン(株)製、「アクリペット」)
と、樹脂条B用の樹脂としてポリエチレン(三井石油化
学工業(株)製、商品名「ハイゼックス」、破断伸度6
20%)を用意した。kは1.3であった。図6〜図9
に示す装置のダイパック6内に、吐出孔が図5(イ)に
示す偏平形状(1mm×5mm)で、吐出孔相互の間隔
を8mmとして単列に配設した樹脂条B賦形ノズル8
と、樹脂層A賦形ノズル9を装着し、PMMAを押出機
1中で溶融して樹脂層A賦形ノズル9に供給し、一方、
ポリエチレンを押出機2中で溶融して分配ノズル7を通
過させ、樹脂条B賦形ノズル8の吐出孔8aから吐出
し、樹脂層A賦形ノズル9においてPMMA中に樹脂条
のポリエチレンが埋設されるように賦型温度を240℃
で同時押出成形して、冷却ロール群10により賦形し、
8mm厚×50cm巾×1m長の複合樹脂シートを連続
的に作成した。
【0034】得られたシートのPMMA部は透明であ
り、樹脂条のポリエチレンの断面形状、配列状態等はほ
ぼノズルの寸法通りに賦形されており、視界の制御性が
付与されていた。物性を評価した結果、PMMA部は無
色透明であり、かつ、クラックは発生したが、破砕部の
近傍でポリエチレンの剥離と伸長が見られ、破片の飛散
は認められなかった。
【0035】[実施例6]樹脂層A用の樹脂として、P
MMA(三菱レイヨン(株)製、「アクリペット」)
と、樹脂条B用の樹脂としてポリアミド(宇部興産
(株)製、商品名「UBEナイロン6」、破断伸度20
0%)を用意した。kは3.5であった。
【0036】図6〜図9に示す装置のダイパック6内
に、吐出孔が図3(ロ)のアクリル樹脂シートの断面に
示す円形状に等しい円形状(内径2mmφ)で、吐出孔
相互のピッチを50mmとして、列間の距離を4mmで
2列の吐出孔8aが配設された樹脂条B賦形ノズル8
と、樹脂層A賦形ノズル9を装着し、PMMAを押出機
1中で溶融して樹脂層A賦形ノズル9に供給し、一方、
ポリアミドを押出機2中で溶融して分配ノズル7を通過
させ、樹脂条B賦形ノズル8の上表吐出孔8aから吐出
し、樹脂層A賦形ノズル9において吐出孔を囲む樹脂層
流出口9aより流出するPMMA中に樹脂条のポリアミ
ドが埋設されるように賦型温度を240℃で同時押出成
形して、冷却ロール群10により賦形し、8mm厚×5
0cm巾×1m長の複合樹脂シートを連続的に作成し
た。
【0037】得られたシートのPMMA部は透明であ
り、樹脂条のポリアミドの断面形状、配列状態等はほぼ
ノズルの寸法通りに賦形されていた。物性を評価した結
果、PMMA部は無色透明であり、かつ、クラックは発
生したが、破砕部近傍でポリアミドの剥離と伸長が見ら
れ、破片の飛散は認められなかった。
【0038】[比較例1]樹脂層A用の樹脂として、P
MMA(三菱レイヨン(株)製、「アクリペット」)
と、樹脂条B用の樹脂としてポリカーボネート(三菱ガ
ス化学(株)製、商品名「ユーピロン」、破断伸度11
5%)を用意した。kは0.6であった。以下実施例1
と同様の装置と方法により複合樹脂シートを連続的に作
成した。
【0039】得られたシートは透明であり、樹脂条のポ
リカーボネートの断面形状、配列状態等はノズルの寸法
通りに賦形されていた。物性を評価した結果、シートは
無色透明であったが、飛散防止性試験では鋼球がシート
を破砕して突き抜け、破片の飛散を防止することは出来
なかった。ポリカーボネートの界面剥離と伸長は全く見
られなかった。
【0040】[比較例2]樹脂層A用の樹脂として、P
MMA(三菱レイヨン(株)製、「アクリペット」)
と、樹脂条B用の樹脂としてポリエチレン(三井石油化
学工業(株)製、商品名「ネオゼックス」、破断伸度1
50%)を用意した。kは1.3であった。以下実施例
1と同様の装置と方法により複合樹脂シートを連続的に
作成した。
【0041】得られたシートは透明であり、樹脂条のポ
リエチレンの断面形状、配列状態等はノズルの寸法通り
に賦形されていた。物性を評価した結果、シートは無色
透明であったが、飛散防止性試験では鋼球がシートを破
砕して突き抜け、破片の飛散を防止することは出来なか
った。ポリエチレンの界面剥離と伸長は全く見られなか
った。
【0042】[比較例3]樹脂層A用の樹脂として、P
MMA(三菱レイヨン(株)製、「アクリペット」)
と、樹脂条B用の樹脂としてポリプロピレン(三井石油
化学工業(株)製、商品名「ハイポール」、破断伸度5
00%)を用意した。kは1.1であった。以下実施例
1と同様の装置と方法により複合樹脂シートを連続的に
作成した。
【0043】得られたシートは透明であり、樹脂条のポ
リプロピレンの断面形状、配列状態等はノズルの寸法通
りに賦形されていた。物性を評価した結果、シートは無
色透明であったが、飛散防止性試験では鋼球がシートを
破砕して突き抜け、破片の飛散を防止することは出来な
かった。ポリプロピレンの剥離と伸長は全く見られなか
った。
【0044】[比較例4]樹脂層A用の樹脂として、P
MMA(三菱レイヨン(株)製、「アクリペット」)と
樹脂条B用の樹脂としてポリアミド(宇部興産(株)
製、商品名「UBEナイロン6」、強化グレード、破断
伸度6%)を用意した。kは3.5であった。以下実施
例1と同様の装置と方法により複合樹脂シートを連続的
に作成した。
【0045】得られたシートは透明であり、樹脂条のポ
リアミドの断面形状、配列状態等はノズルの寸法通りに
賦形されていた。物性を評価した結果、シートは無色透
明であったが、飛散防止性試験では鋼球がシートを破砕
して突き抜け、破片の飛散を防止することは出来なかっ
た。ポリアミドの伸長は全く見られなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明のアクリル樹脂シートは、シート
状の樹脂層Aの内部に複数の樹脂条Bが埋設され、該樹
脂条Bの破断伸度ε(%)を前記設定範囲に定めること
により破砕時に埋設樹脂が破断せず、破片を効果的に捕
捉出来て飛散防止性や落下防止性に優れ、防護シートや
遮音シートの他、大型看板、スポーツ施設等の安全窓や
フェンス等に広く利用出来る。又、熱可塑性樹脂の同時
押出成形による極めて簡単な装置と方法を用いて、連続
して効率よく製造出来、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクリル樹脂シートに関する製造可能
領域を示すグラフである。
【図2】本発明のアクリル樹脂シートの一例を示す断面
図である。
【図3】本発明のアクリル樹脂シートの別の例を示す断
面図である。
【図4】本発明のアクリル樹脂シートの別の例を示す断
面図である。
【図5】本発明のアクリル樹脂シートのさらに別の例を
示す断面図である。
【図6】本発明のアクリル樹脂シートを製造する装置の
全体概略図の平面図である。
【図7】本発明のアクリル樹脂シートを製造する装置の
全体概略図の正面図である。
【図8】本発明のアクリル樹脂シートを製造する同時押
出部の水平断面図である。
【図9】図8のX−X断面図である。
【図10】本発明のアクリル樹脂シートを製造する他の
同時口金装置の垂直断面図である。
【符号の説明】
1,2 押出機 3,4 定量ポンプ 5 賦型ヘッド 6 ダイパック 7 分配ノズル 8 樹脂条B賦形ノズル 8a 吐出孔 9 樹脂層A賦形ノズル 9a 樹脂層流出口 10 冷却ロール群 11,12 流路 13,14 流路 15 シート切断機 A 樹脂層 B 樹脂条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 (72)発明者 山田 英夫 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系樹脂からなるシート状の樹脂
    層Aの内部に複数の樹脂条Bが埋設されてなり、該樹脂
    条Bの破断伸度ε(%)が次式の範囲にあることを特徴
    とする飛散防止性能を有するアクリル樹脂シート。 ε>720−190k(ε>0、k>0) 但し、k:樹脂層A用の樹脂の溶解指数と樹脂条B用の
    樹脂の溶解指数の差の絶対値[(cal/cm3
    1/2
  2. 【請求項2】 樹脂条B用の樹脂がポリエチレン系樹脂
    及び/又はポリアミド系樹脂であることを特徴とする請
    求項1のアクリル樹脂シート。 【0001】
  3. 【請求項3】 樹脂層A用の樹脂と樹脂条B用の樹脂が
    同時に溶融され、賦形ノズルより押出成形されてなる請
    求項1又は2のアクリル樹脂シート。
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JP2015533107A (ja) * 2012-10-02 2015-11-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 交互になったストライプとストランドを有するフィルム、並びにそれを作製する装置及び方法

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