JPH09110786A - 芳香族カルボン酸のエステルの製造方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸のエステルの製造方法

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JPH09110786A
JPH09110786A JP8200101A JP20010196A JPH09110786A JP H09110786 A JPH09110786 A JP H09110786A JP 8200101 A JP8200101 A JP 8200101A JP 20010196 A JP20010196 A JP 20010196A JP H09110786 A JPH09110786 A JP H09110786A
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acid
compound
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carbon atoms
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JP8200101A
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English (en)
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Ralf Dr Pfirmann
ラルフ・プフイルマン
Theodor Papenfuhs
テオドール・パペンフース
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Hoechst AG
Original Assignee
Hoechst AG
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/10Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides with ester groups or with a carbon-halogen bond
    • C07C67/11Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides with ester groups or with a carbon-halogen bond being mineral ester groups

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の欠点を有しておらず、かつカルボ
キシル基のアルキル化の他に別のアルキル化可能な置換
基をアルキル化することも可能である芳香族カルボン酸
エステルの製造方法の提供 【解決手段】 この課題は、R1 2 3 4 5 Ar
COOR で表される化合物を、 R1 2 3 4
5 ArCOOH (2) 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同
一かまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜6のアルキル−またはアルコキシ基、OH、NH
2 、NHR、SHまたはCOOHでありそしてArは式
(1)におけるのと同じ意味を有している。〕で表され
る化合物と式 (RO)2 SO2 〔式中、Rは上述の意味を有する。〕で表される硫酸エ
ステルとを5〜12のpHにて水不溶性の第三アミンお
よび水の存在下に10〜120℃の温度にて水不溶性溶
剤の存在下または不存在下に、かつ塩基の添加下に反応
させることによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキル化可能な
置換基を場合によっては別に含有している芳香族カルボ
ン酸をアルキル化することによって芳香族カルボン酸の
エステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】芳香族カルボン酸のエステルは、その多面
的な性質のために非常に工業的に重要である。サリチル
酸エステルは芳香物質として使用されている。高級アル
コールのフタル酸エステルはポリ塩化ビニル(PVC)
用可塑剤としておよび多価アルコールのフタル酸エステ
ルはワニスまたはラッカーの原料の製造に使用される。
p−アミノ安息香酸の幾種類かのエステル、例えばp−
アミノ安息香酸エチル(アネステシン)またはp−アミ
ノ安息香酸β−ジエチルアミノエチル(プロカイン)は
それらの塩化水素塩の形で局所麻酔薬として有効である
ことが判っている(Beyer−Walter、Leh
rbuch der organischen Che
mie〔有機化学の教科書〕、第21版、第553頁、
第559頁および第551頁、S.Hirzel出版
社、シュトットガルト、1988〕。弗素化安息香酸の
エステル、例えば2,3,4,5−テトラフルオロ安息
香酸のエステル〔Drugs of the futu
re 1993、第18巻、第8号、第717〜720
頁〕または3−メトキシ−2,4,5−トリフルオロ安
息香酸のメチルエステル(米国特許第5,047,53
8号明細書)はフルオロキノロンカルボン酸類から抗菌
剤を製造するための前駆体として使用できるかまたはこ
れらの抗菌剤の製造に必要とされる別の前駆体に転化す
ることができる。
【0003】カルボン酸エステルは主として二つの方法
で製造することができる: 1.カルボン酸を酸性条件のもとで過剰のアルコールで
エステル化することによる。その際に水が放出される。 2.アルキル化剤、例えばアルキル−ハロゲン化物によ
ってカルボン酸塩をアルキル化することによる。この方
法ではカルボン酸塩がカルボン酸と水性塩基との反応に
よって製造されるかまたはカルボン酸と水に溶解した塩
基との反応によって製造される水溶液の状態で一般に使
用される。
【0004】Synthesis(1985)、第40
〜45頁、J.Barryには、溶剤を加えずに、しか
し相転移触媒を使用して芳香族カルボン酸のカリウム塩
をアルキル化することによって芳香族カルボン酸エステ
ルを製造する方法が開示されている。アルキルハロゲン
化物の他に硫酸塩ジメチルおよび硫酸塩ジエチルがアル
キル化剤として使用されている。
【0005】カルボン酸カリウムはカルボン酸を化学量
論量の水酸化カリウム水溶液中に溶解し、次いで水を蒸
発させそして乾燥カルボン酸カリウムを粉砕して細かい
粉末を得る(方法A)かまたは細かく粉砕されたカルボ
ン酸、細かく粉砕された水酸化カリウムおよび相転移触
媒として使用されるアンモニウム塩を混合し、次いでこ
の混合物を140℃に加熱しそして溶融残留物を粉砕す
る(方法B)ことで製造される。
【0006】方法Aによって製造されるカルボン酸カリ
ウムを相転移触媒で処理し、次いでアルキル化剤、例え
ば硫酸塩ジメチルで処理し、一方、既に相転移触媒を含
有する方法Bによって製造されるカルボン酸カリウムを
アルキル化剤で直接的に処理する。この混合物を振盪
し、指定された反応条件のもとで反応させ、次いでエー
テルで二倍に薄め、助剤の充填された短いカラムを通し
て濾過し、次いでクロマトグラフィーまたは結晶化によ
って精製する。
【0007】場合によっては別のアルキル化可能な置換
基を持つ芳香族カルボン酸はこの方法で、例えば硫酸ジ
メチルを用いて反応させてもよい。上記の方法は幾つか
の欠点を有している。即ち、一方においては、方法Aに
よっておよび方法Bによって製造される両方のカルボン
酸カリウムは多大のエネルギー消費を必要とする。即
ち、水の蒸発、カルボン酸、水酸化カリウムおよびカル
ボン酸カリウム残留物の機械的粉砕に多大なエネルギー
が必要とされる。もう一方においては、得られる反応混
合物の後処理(エーテルでの二度の希釈、カラムクロマ
トグラフィーまたは結晶化による続く精製)が非常に煩
わしいことが判っている。
【0008】更に、相転移触媒として使用されたアンモ
ニウム塩は廃水に流入し、汚染し、そして該アンモニウ
ム塩が分解し難いために、廃水の後処理に問題をもたら
す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、上述の欠点を
有しておらず、かつカルボキシル基のアルキル化の他に
別のアルキル化可能な置換基をアルキル化することも可
能である芳香族カルボン酸エステルの製造方法に関す
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、式(1) R1 2 3 4 5 ArCOOR (1) 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同
一かまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜6のアルキル−またはアルコキシ基、OR、NH
R、NR2 、SRまたはCOORであり、ただしRは炭
素原子数1〜4のアルキル基であり、Arは炭素原子数
6〜12の芳香族基でありそして式(1)中で規定され
る基Rも上記の意味を有する。〕で表される化合物を製
造する方法によって解決される。この方法は、式(2) R1 2 3 4 5 ArCOOH (2) 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同
一かまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜6のアルキル−またはアルコキシ基、OH、NH
2 、NHR、SHまたはCOOHでありそしてArは式
(1)におけるのと同じ意味を有している。〕で表され
る化合物を式 (RO)2 SO2 〔式中、Rは上述の意味を有する。〕で表される硫酸エ
ステルと5〜12のpHにて水不溶性の第三アミンおよ
び水の存在下に10〜120℃の温度にて水不溶性溶剤
の存在下または不存在下に、かつ塩基の添加下に反応さ
せることを特徴としている。
【0011】本発明の方法は沢山の長所を有している。
一つは、反応用の芳香族カルボン酸を無水のカリウム塩
の形で使用する必要がなく、芳香族カルボン酸の塩の水
溶液を芳香族カルボン酸からその場で製造すれば十分で
あることである。もう一つは、多くの場合に、分解する
ことが困難な相転移触媒を使用する必要がないことであ
る。これによって廃水の汚染や廃水の後処理の問題も回
避される。
【0012】他の長所は、反応の完了後に水不溶性第三
アミンおよび有用な生成物を含有する有機相だけを水性
相から分離することにある。更なる後処理は一般に蒸留
を実施するだけである。これによって問題のある溶剤、
例えばエーテルの使用が回避される。更に、水不溶性第
三アミンが殆どまたは非常に僅かな量しか硫酸ジアルキ
ルと反応しない点は驚くべきことである。従って、本発
明の方法において、硫酸ジアルキルの消費量はこれによ
って増加しない。
【0013】有用な生成物、即ち式(1)の化合物の分
離後に残留する水不溶性第三アミンを再び反応で使用で
きるという長所もある。結果として、廃水をそれ以上に
汚染する恐れがある助剤の必要性が低く保たれている。
本発明の方法は式(2)の化合物中のカルボキシル基を
アルキル化することを可能とするだけでなく、式(2)
の芳香族カルボン酸中に存在する別のアルキル化可能な
基、即ちOH基、NH2 基、NHR基、SH基およびC
OOH基もアルキル化できる。場合によっては色々な活
性のこれら基のアルキル化は唯一のpH値のもとで実施
することも可能である。結果として本発明の方法は非常
に簡単に進行させることができる。
【0014】しかしながらこの反応は、最初に高いpH
値でそして次に低いpH値で実施するというように、互
いに異なるpH条件下で行うこともできる。この変法
は、反応をこの目的のために中断せずに同じ反応媒体中
で実施することができるので、非常に簡単に実施するこ
とができる。一般に、R1 およびR2 が互いに同一かま
たは異なり、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル
基、OH、NH2 またはCOOH、好ましくは水素原
子、OHまたはCOOHである式(2)の化合物を使用
する。
【0015】R1 およびR2 がOHまたはCOOH、特
に好ましくはOHである式(2)の化合物も使用するこ
とができる。この場合には他の4つの基R1 、R3 、R
4 およびR5 あるいはR2 、R3 、R4 およびR5 は互
いに同一かまたは異なりそして水素原子、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜6のアルキル−またはアルコキシ
基、特に水素原子、弗素原子、塩素原子または炭素原子
数1〜6のアルキル基、好ましくは水素原子または弗素
原子である。
【0016】多くの場合に、R3 、R4 およびR5 が互
いに同一かまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子また
は炭素原子数1〜6のアルキル−またはアルコキシ基、
好ましくは水素原子、弗素原子、塩素原子または炭素原
子数1〜6のアルキル基、特に好ましくは水素原子また
は弗素原子である式(2)の化合物をこの反応で使用す
ることができる。
【0017】反応においては、Arが初めに既に説明し
た様に炭素原子数1〜12のアリール基、好ましくはフ
ェニル基、ビフェニル基またはナフチル基、特に好まし
くはフェニル基である式(2)の化合物を使用する。式
(2)の化合物の例としては以下のものが挙げられる。
但し、式(2)の化合物はこれらに制限されない:2−
クロロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、4−クロロ安息
香酸、2−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、
4−フルオロ安息香酸、2−ブロモ安息香酸、3−ブロ
モ安息香酸、4−ブロモ安息香酸、2,4−ジクロロ安
息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、3,4−ジフル
オロ安息香酸、3,4−ジクロロ安息香酸、2,5−ジ
クロロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸、2,
3,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,5−トリフル
オロ安息香酸、2,4,5−トリクロロ安息香酸、2,
3,4,5−テトラクロロ安息香酸、2,3,4,5−
テトラフルオロ安息香酸、2,3,5,6−テトラフル
オロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタクロロ
安息香酸、2−クロロ−3,4,5−トリフルオロ安息
香酸、2,3−ジクロロ−4,5−ジフルオロ安息香
酸、2,4,5−トリフルオロ−3−クロロ安息香酸、
2,4−ジフルオロ−3,5−ジクロロ安息香酸、2,
6−ジフルオロ−3,5−ジクロロ安息香酸、2−ヒド
ロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロ
キシ安息香酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、
2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3,5−
トリフルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,4,5−
トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキ
シ−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸、5−ク
ロロ−2−ヒドロキシ安息香酸、5−フルオロ−2−ヒ
ドロキシ安息香酸、4−クロロ−2−ヒドロキシ安息香
酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ
−2−アミノ安息香酸、4−フルオロ−2−アミノ安息
香酸、5−フルオロ−2−アミノ安息香酸、5−クロロ
−2−アミノ安息香酸、3−アミノ−2,3,5−トリ
フルオロ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノ−
2−クロロ安息香酸、4−アミノ−2−フルオロ安息香
酸、4−アミノ−2,3,5−トリフルオロ安息香酸、
6−メチル−3−アミノ−2,4,5−トリフルオロ安
息香酸、3−ヒドロキシ−2,4−ジフルオロ安息香
酸、4−ヒドロキシ−3−フルオロ安息香酸、4−ヒド
ロキシ−3−クロロ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5
−ジクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジフル
オロ安息香酸、3−ヒドロキシテトラフルオロ安息香
酸、2−ヒドロキシテトラフルオロ安息香酸、3−メチ
ル−2,4,5−トリフルオロ安息香酸、3−エチル−
2,4,5−トリフルオロ安息香酸および6−メチル−
3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸、
特に2,3,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,5−
トリフルオロ安息香酸、2,4,5−トリクロロ安息香
酸、2,3,4,5−テトラクロロ安息香酸、2,3,
4,5−テトラフルオロ安息香酸、2,3,5,6−テ
トラフルオロ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−
ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2−ク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−フルオロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,3,5−トリフルオロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,4,5−トリフルオロ−3−ヒ
ドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−2,3,5,6−
テトラフルオロ安息香酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ
安息香酸、5−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸、4
−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸、5−クロロ−2−
ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−2,4−ジフル
オロ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−フルオロ安息香
酸、4−ヒドロキシ−3−クロロ安息香酸、4−ヒドロ
キシ−3,5−ジクロロ安息香酸、4−ヒドロキシ−
3,5−ジフルオロ安息香酸、3−ヒドロキシテトラフ
ルオロ安息香酸、2−ヒドロキシテトラフルオロ安息香
酸、6−メチル−3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフ
ルオロ安息香酸。
【0018】式(2)の化合物を式 (RO)2 SO2 〔式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である。〕
で表される硫酸エステルと反応させる。使用される式
(RO)2 SO2 の硫酸エステルは、硫酸ジメチル、硫
酸ジエチルまたは硫酸ジブチル、特に硫酸ジメチルまた
は硫酸ジエチルであるのが好ましい。
【0019】反応は水不溶性第三アミンの存在下に進め
ることができる。水不溶性第三アミンとは水に僅かな程
度しか溶解しないかまたは全く溶解しないかゝるアミン
を意味する。一般に、使用される水不溶性第三アミンは
一つのアルキル基当たり4〜20の炭素原子を持つトリ
アルキルアミン、これらのトリアルキルアミンの混合
物、N−含有ヘテロ環式化合物または上記アミンの混合
物、好ましくは一つのアルキル基当たり6〜14の炭素
原子を持つトリアルキルアミンまたはこれらトリアルキ
ルアミンの混合物、場合によってはアルキル化ピリジン
または−キノリン、例えばコリジン、ルチジンまたはピ
コリン、またはこれら第三アミンの混合物がある。上記
のトリアルキルアミンには直鎖状基および/または枝分
かれした基を有している。これらのアルキル基は互いに
同一でも異なっていてもよい。上記のトリアルキルアミ
ン類の混合物が非常に適している。
【0020】多くの場合、同一かまたは異なる直鎖状の
または枝分かれしたアルキル基を有するアルキル基当た
りの炭素原子数6〜12のトリアルキルアミン類の混合
物が特に適していることが実証されている。反応は水不
溶性第三アミンおよび水の存在下に実施するので、反応
は二種類の液相より成る反応媒体中で進行する。反応を
促進させるために、二つの相を兆候に混合することが前
提である。反応が完了した後に、これらの二種類の液相
は一般に分かれるので、有機相からの水性相の分離には
問題がない。
【0021】上記の種類の水不溶性トリアルキルアミン
類としては以下のものが挙げられる。但し、この化合物
はこれらに制限されない:トリ−n−ブチルアミン、ト
リイソブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ
イソペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ
イソヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ
イソヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ
イソオクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイ
ソデシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン、トリイソ
ドデシルアミン、炭素原子数6〜14の直鎖状のおよび
/または枝分かれしたアルキル基を持つトリアルキルア
ミン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−
ピコリン、2,4−ジメチルピリジン(α,γ−ルチジ
ン)、2,6−ジ−第三ブチルピリジン、2,4,6−
トリメチルピリジン(コリジン)、トリエチルピリジン
キノリン、メチルキノリン類、エチルキノリン類、混合
アミン、例えばブチルヘキシルアミン、ジオクチルデシ
ルアミン、ヘキシルジオクチルアミン、ジヘキシルオク
チルアミン、ジヘプチルオクチルアミン、ジデシルオク
チルアミン、ジドデシルオクチルアミン、ジドデシルデ
シルアミン、ジデシルドデシルアミン、ジオクチルドデ
シルアミン、ジノニルオクチルアミン、ジノニルデシル
アミン、ジノニルドデシルアミンおよびそれらの混合
物。
【0022】多くの場合、反応を20〜80℃、特に好
ましくは30〜60℃で実施するのが有利であることが
判っている。反応は水不溶性溶剤の存在下にまたは不存
在下に実施する。使用される水不溶性溶剤は、脂肪族炭
化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、
ハロゲン化芳香族炭化水素、芳香族エーテルまたはこれ
らの溶剤の混合物である。ここに記載できる水不溶性溶
剤にはヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジクロロメタ
ン、トリクロロメタン、トルエン、o−キシレン、m−
キシレン、p−キシレン、異性体キシレンの混合物、エ
チルベンゼン、ブチルベンゼン、クロロベンゼン、o−
ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロ
ロベンゼン、クロロトルエン、m−クロロトルエン、p
−クロロトルエン、ビフェニル、ジフェニルメタンまた
はジフェニルエーテルがある。これらの溶剤の混合物も
使用できる。
【0023】反応は相転移触媒の存在下にまたは不存在
下に実施することができる。個々の場合には、例えば混
合の改善、硫酸ジアルキルの使用量および消費量の最小
限化および/または反応速度の向上という目的のため
に、反応を相転移触媒の存在下に実施するのことも有効
である。一般に、使用される相転移触媒は第四アンモニ
ウム塩または−ホスホニウム塩またはそれらの混合物、
特に式
【0024】
【化2】 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 が互いに同一か異
なり、炭素原子数10〜50の炭化水素基でありそして
- はハロゲン化物イオン、硫酸水素塩イオンまたは水
酸基イオン、特に塩化物イオン、臭化物イオンまたは硫
酸水素塩イオンを意味する。〕で表される第四アンモニ
ウム塩またはこの種の第四アンモニウム塩の混合物であ
る。
【0025】適する相転移触媒は、テトラ(C1
20)−アルキルアンモニウム塩、トリ(C1 〜C20
−アルキルベンジルアンモニウム塩またはジ(C1 〜C
20)−アルキルジベンジルアンモニウム塩を使用し、た
だしベンジル基は非置換であってもまたはCl、Br、
(C1 〜C4 )−アルキル−または(C1 〜C4 )−ア
ルコキシ基によって置換されていてもよく、特に非置換
である。
【0026】使用できる相転移触媒には、例えばドイツ
特許出願公開第2,634,419号明細書、ドイツ特
許出願公開第3,120,912号明細書およびドイツ
特許出願公開第3,737,919号明細書に記載され
ているも、例えばテトラブチルアンモニウム−ブロマイ
ド、テトラメチルアンモニウム−クロライド、テトラメ
チルアンモニウム−硫酸水素塩、ベンジルドデシルジメ
チルアンモニウム−クロライド、ステアリルジメチルベ
ンジルアンモニウム−ハロゲン化物、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウム−ハロゲン化物、または1つ以上、
特に1つまたは2つのココナット(C10〜C18)アルキ
ル基を持つ第四アンモニウム−ハロゲン化物、例えばジ
ココナット(C10〜C18)アルキル−ジメチルアンモニ
ウム−ハロゲン化物またはジメチルベンジル−ココナッ
ト(C10〜C18)アルキルアンモニウム−ハロゲン化物
があり、その際にハロゲン化物は塩化物または臭化物で
あるのが好ましい。50% 濃度の水溶液として使用する
のが有利であるジメチルベンジル−ココナット(C10
18)アルキル−アンモニウム塩化物(Dodigen
226)が特に適している。
【0027】相転移触媒は一般に、水性相を基準として
0.05〜10重量% 、好ましくは0.2〜2.5重量
% 、特に好ましくは0.25〜1.5重量% の量で使用
する。使用する塩基はアルカリ金属水酸化物またはアル
カル土類金属水酸化物の水溶液および/または懸濁物、
特にLiOH、NaOHまたはKOHの溶液、特にNa
OHまたはKOHの水溶液、またはこれらの水溶液の混
合物である。
【0028】水溶液および/または懸濁物は一般に5〜
50、特に10〜40、特に20〜35重量% のアルカ
リ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を含有
している。多くの場合、6〜10、特に7〜8.5のp
Hで反応を実施するのが有利であることが判っている。
【0029】上記の反応条件を維持すると、本発明の方
法は工業的に多大な費用を掛けることなしに実施するこ
とができる。水、芳香族カルボン酸〔式(2)の化合
物〕、水不溶性第三アミンおよび場合水不溶性溶剤を最
初に任意の所望の順序で導入し、次に所望のpHに攪拌
下に塩基の添加によって調整する。芳香族カルボン酸の
水溶液または芳香族カルボン酸の塩の水溶液も使用する
ことができる。水、芳香族カルボン酸、水不溶性第三ア
ミンおよび場合によっては水不溶性溶剤より成る混合
物、例えば前の反応段階で発生する混合物を反応段階で
使用することも可能である。この場合には、所望のpH
は同様に攪拌下に塩基の添加によって調整する。
【0030】式(RO)2 SO2 の硫酸エステルおよび
塩基を次いで、所定のpHが維持されるような速度で添
加する。水不溶性第三アミンは広範囲の量で使用するこ
とができる。一般に、水不溶性第三アミンおよび芳香族
カルボン酸〔式(2)の化合物〕は(0.01〜1
0):1、好ましくは(0.05〜3):1、殊に好ま
しくは(0.05〜1):1、特に好ましくは(0.1
〜0.5):1のモル比で使用する。
【0031】水の量は広い範囲で選択することができ
る。水性相の容量と有機相の容量との比は一般に(0.
05〜50):1、好ましくは(0.05〜20):
1、特に好ましくは(0.1〜10):1である。この
関連で、有機相が水不溶性の第三アミンだけを含有して
いるのではなく、有用な生成物、即ち式(1)の化合物
および場合によっては水不溶性溶剤を含有していること
を指摘しておく。
【0032】水不溶性溶剤と芳香族カルボン酸〔式
(2)の化合物〕とは(0.05〜100):1、好ま
しくは(0.3〜10):1、特に好ましくは(0.8
〜5):1の重量比で使用する。式(RO)2 SO2
硫酸エステルは、式(2)の化合物中にそれぞれに導入
する基Rを基準として(1〜10):1、好ましくは
(1.1〜5):1、特に好ましくは(1.2〜1.
5):1の比で使用する。
【0033】式(2)の化合物以外の使用する物質が硫
酸エステルと反応する別の物質を含有している場合に
は、硫酸エステルの量は相応して増やすべきである。硫
酸エステルを取り扱う時、特に硫酸ジアルキル、比較的
に安価な硫酸ジメチルを取り扱う時、適切な安全予防策
に注意するべきことは言うまでもない。式(2)の化合
物と反応する式(RO)2 SO2 の硫酸エステル1モル
当たり1〜1.5、好ましくは1.01〜1.2、特に
好ましくは1.01〜1.1当量の塩基を使用する。
【0034】反応の終了後には、未だ存在する硫酸エス
テルを例えばアルカリ水溶液、アンモニア水またはアン
モニウム塩水溶液の添加によって分解することに注意を
払うべきである。有用生成物を含有する有機相を次いで
水性相から分離し、有機相を例えば蒸留によって後処理
する。
【0035】しかしながら場合によっては、相分離を容
易にするために、水不溶性溶剤を反応の終了後に添加す
る。本発明の方法は連続的にもまたは不連続的にも実施
することができる。これは減圧下におよび大気圧または
高圧のもとで実施することができる。
【0036】
【実施例】実験部分 実施例1: 4−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび4−メトキシ安息
香酸メチルの製造 以下の反応式に従って反応を進める:
【0037】
【化3】 34.5g (0.25モル)の4−ヒドロキシ安息香酸
(1)および150gの水をガラス製フラスコに最初に
入れそして混合する。4−ヒドロキシ安息香酸の一部を
溶解する。その際にミルク様に濁った懸濁液が生じる。
アルキル基当たりの炭素原子数8〜10のトリアルキル
アミン混合物(Hostarex A327、HOEC
HST AGの市販品)5g を30g のキシレンに溶解
しそしてこの溶液を上記懸濁液に添加しそして45℃に
加温する。pHを、液相中に浸す校正pH電極によって
チェックする。10重量% 濃度のNaOH水溶液を滴加
することによってpH8に調節する。次いで88.2g
(0.7モル)の硫酸ジメチルを激しい攪拌下に3時間
にわたって滴加する。pHはNaOH水溶液(10重量
% 濃度)の滴加によって7.5〜8.5の範囲に維持す
る。硫酸ジメチルの添加終了後に、この混合物を夜通し
攪拌する。二つの相が生じる。即ち、有用生成物(4−
ヒドロキシ安息香酸メチル(II)と4−メトキシ安息香
酸メチル(III) との混合物)を含有する上側の有機相と
下側の水性相が生じる。
【0038】有機相を分離する。HPLC分析によると
15% の溶剤(キシレンと第三アミン)の他に40%
(14.7g =0.089モル、理論値の35.4% に
相当する)の4−メトキシ安息香酸メチルおよび44%
(16.2g ;0.106モルに相当する、理論値の4
2.4% に相当する)の4−ヒドロキシ安息香酸メチル
を含有している。
【0039】──HPLC面積% として測定される、水
および塩含有量を含めずに算出される──水性相中に
は、51% の原料(4−ヒドロキシ安息香酸)、37%
の4−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび11.6% の4
−メトキシ安息香酸メチルが存在する。副生成物は非常
に僅かな量しか測定されない(<1% )。(4−ヒドロ
キシ安息香酸メチル+4−メトキシ安息香酸メチル)を
生じる選択率は≧95% である。
【0040】pHを7〜7.5に一定に維持しながら反
応を上記の原料および量を用いて35〜40℃で実施す
る場合には、77.2g の有機相が得られる。この有機
相は(HPLC分析によって測定した)39.4g
(0.239モル:理論値の95.4% に相当)の4−
メトキシ安息香酸メチルおよび0.8g (0.005モ
ル:理論値の2.1% に相当)の4−ヒドロキシ安息香
酸メチルを含有している。
【0041】水性相は痕跡量の4−メトキシ安息香酸し
かを含有していない。実施例2 : 3−メトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチ
ルの製造 a)4−ヒドロキシ−3,5,6−トリフルオロフタル
酸の脱カルボキシル化による3−ヒドロキシ−2,4,
5−トリフルオロ安息香酸の製造 反応は次の反応式に従って進める:
【0042】
【化4】 20.6g (87.3mmol)の4−ヒドロキシ−
3,5,6−トリフルオロフタル酸(A)を含有する2
55g の水溶液を最初に攪拌下にガラス製フラスコに導
入しそしてアルキル基当たりの炭素原子数8〜10のト
リアルキルアミン混合物(Hostarex A32
7、HOECHST AGの市販品)20g と混合す
る。49g の30重量% 濃度塩酸水を、良く攪拌しなが
ら添加する。pHを、液相中に浸す校正pH電極によっ
てチェックする。塩酸の添加後にpHは5である。次い
で反応混合物を良く攪拌しながら105℃に加熱し、p
Hを全部で13.5g の30重量% 濃度塩酸水の添加に
よってpH=6に一定に維持しそしてこの混合物を7時
間反応させる。その際に進行する脱カルボキシル化のた
めに4−ヒドロキシ−3,5,6−トリフルオロフタル
酸(A)が3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオロ
安息香酸(B)に転化される。 b)3−メトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸
メチルの製造 反応は次の反応式に従って進める:
【0043】
【化5】 3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸
(B)を含有する実施例2a)から得られる反応混合物
を攪拌下に34g の10重量% 濃度の水酸化ナトリウム
水溶液34g と混合する。水、アルキル基当たりの炭素
原子数8〜10の水不溶性トリアルキルアミン混合物
(Hostarex A327、HOECHST AG
の市販品)および芳香族カルボン酸、即ち3−ヒドロキ
シ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸を含む反応混合
物のpHを、液相中に浸す校正pH電極によってチェッ
クする。水酸化ナトリウム溶液の添加後にpHは7であ
る。90g (0.72モル)の硫酸ジメチルの全量を次
に80分にわたって40℃の温度で滴加しそしてpHを
37g の10重量% 濃度水酸化ナトリウム溶液の添加に
よって7に一定に維持する。次いで20g のジフェニル
メタンを添加しそして有機相(50g )を水性相から分
離する。
【0044】有機相は(HPLC)液体クロマトグラフ
ィー分析によって測定すると、17.6g (80ミリモ
ル)の3−メトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香
酸メチル(二つの段階にわたっての収率は、使用した4
−ヒドロキシ−3,5,6−トリフルオロフタル酸を基
準として91.6% に相当する)を含有している。
【0045】実施例2b)を繰り返すが、上記の量のジ
フェニルメタンをメチル化の間に既に添加し、17.4
g (79ミリモル)の3−メトキシ−2,4,5−トリ
フルオロ安息香酸メチルが使用した4−ヒドロキシ−
3,5,6−トリフルオロフタル酸を基準として90.
5% の収率で得られる。比較例 : 水不溶性第三アミンの無添加下の3−メトキシ−2,
4,5−トリフルオロ安息香酸メチルの製造 以下の反応式に従って反応を進める:
【0046】
【化6】 15.6g (81ミリモル)の3−ヒドロキシ−2,
4,5−トリフルオロ安息香酸(B)を含有する299
g の水溶液を、攪拌下にガラス製フラスコに導入し、水
不溶性トリアルキルアミンまたはアミン混合物の代わり
に10g のキシレンと混合する。30重量% 濃度塩酸水
を7のpHまで添加しそしてこのpHを、液相中に浸す
校正pH電極によってチェックする。156.8g
(1.41モル)の硫酸ジメチルを次いで3.5時間に
わたって40℃の温度で滴加しそしてpHを全部で4
6.6g の10重量% 濃度水酸化ナトリウム溶液の添加
によって7に一定に維持する。硫酸ジメチルが著しく過
剰であるにもかかわらず、ジメチル化生成物、即ち3−
メトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチルは
少量しか生じない。それぞれ使用した3−ヒドロキシ−
2,4,5−トリフルオロ安息香酸を基準として8.6
% に相当する3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオ
ロ安息香酸(B)、67% の収率に相当する3−ヒドロ
キシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチルおよび
8.7% だけの収率に相当する3−メトキシ−2,4,
5−トリフルオロ安息香酸メチルが測定される。 3−
メトキシ−2,4,5−安息香酸の生成が僅かであると
いう問題は少量(2g )の種々の水不溶性トリフルオロ
アルキルアミンの、実施例2b)で使用した混合物の添
加によって解決できる。
【0047】実施例2b)に記載したトリアルキルアミ
ン類の混合物2g を、上記の比較例で得られた反応混合
物に添加しそしてこの混合物を40℃に加温する。1
8.7g (0.168モル)の硫酸ジメチルを滴下ロー
トを通して2時間にわたって添加し、10重量% 濃度水
酸化ナトリウム水溶液6.4g の添加によってpHを7
に維持する。
【0048】3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオ
ロ安息香酸はもはや検出できない。しかしながら15.
6g (70.9ミリモル)の3−メトキシ−2,4,5
−トリフルオロ安息香酸メチル(理論値の87% より少
なくない収率に相当する)が生じる。実施例2b)に比
較して若干低い収率は反応混合物の前処理に起因してい
る。
【0049】実施例3: a)テトラフルオロフタル酸の脱カルボキシル化による
2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造 反応は次の反応式に従って進める:
【0050】
【化7】 アルキル基当たり8〜10の炭素原子を持つトリアルキ
ルアミン類150gの混合物(Hostarex A3
27)に含まれる311g (1.31モル)のテトラフ
ルオロフタル酸(D)、100g のジフェニルメタンお
よび300g のキシレンを含有する2206g の水含有
混合物(水含有量:8.3重量% )を、攪拌下にガラス
製フラスコ中に最初に導入する。
【0051】pHを96% 濃度硫酸を用いて6〜7に調
節し、この混合物を激しい還流下に9時間にわたって1
10℃に加熱する。次いでこの混合物を良く攪拌しなが
ら110℃に加熱しそして97.8g の水および17
9.1g のキシレンを2時間にわたって留去する。留去
後に残る反応混合物は234.9g (1.21モル、理
論値の92.4% に相当する)の2,3,4,5−テト
ラフルオロ安息香酸(E)を含有している(校正HPL
C分析によって測定)。 b)2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エチルの
製造 反応は次の反応式に従って進める:
【0052】
【化8】 実施例3a)で得られる反応混合物を実施例3a)で留
去された留出物(97.8g の水および179.1g の
キシレン)で処理する。856.9g (5.55モル)
の硫酸ジエチルを次に4時間にわたって40℃の温度で
攪拌下に滴加し、pHを水酸化ナトリウム水溶液の添加
によて7〜8の範囲に維持する。この混合物を75分攪
拌し、10g の塩化アンモニウムを添加しそして2時間
攪拌する。固体をpH8.2で濾別し、水性相を600
g のキシレンおよび1000g のジフェニルメタンの添
加下に有機相から分離する。193℃までの温度および
4〜5ミリバール(2〜3mmHg)の減圧下に蒸留す
ることによって1031.7g の留出物が有機相(23
30g )から得られる。校正ガスクロマトグラフィー分
析によって測定すると、245g (1.1モル)の2,
3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エチル(二つの段
階にわたる收率は使用したテトラフルオロフタル酸を基
準として84% に相当する)を含有している。
【0053】トリアルキルアミン混合物(Hostar
ex A327)を用いる代わりに200g のキノリン
を用いて反応を実施した場合にも、反応は全く同様に進
行する。校正HPLC分析によって測定した場合には、
234.5g (1.07モル、理論値の81.3% に相
当する)の2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エ
チルが得られる。
【0054】300g のコリジンを用いた場合には、
2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エチルの収率
は理論値の82.1% である。実施例4: 3−メトキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチ
ルの製造(混合を助けるために相転移触媒を添加) 反応は3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルロロ安息
香酸のエステル化による実施例2b)に記載の反応式に
従う。
【0055】水不溶性アミンを分離した、実施例2aと
同様にして製造された1kgの水溶液を、7.5のpH
値に調整するまで、攪拌下に10% 濃度水酸化ナトリウ
ム溶液と混合する。この混合物は54.6g (0.28
4モル)の3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルロロ
安息香酸(B)を含有している(HPLC分析によって
測定、外部標準を用いて校正)。20g のHostar
ex A327(実施例2b参照)および20g の50
% 濃度ジメチルベンジル−ココナットアルキル(C10
18)−アンモニウムクロライド(平均分子量382.
5;Dodigen 226)をマグネット・スタラー
による攪拌下に添加する。次いでこの混合物を50〜5
2℃に加温し、329.2g (2.61モル)の硫酸ジ
メチルを4.5時間にわたって滴加しそして攪拌混合物
のpHを10重量% 濃度水酸化ナトリウム水溶液の添加
(消費量133g )の添加によって7〜7.5に保つ。
【0056】水、アルキル基当たりの炭素原子数6〜8
の水不溶性トリアルキルアミン(Hostarex A
327)および3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフル
オロ安息香酸の混合物を水性相中に浸漬する校正pH電
極によってチェックする。反応は、7〜7.5のpHお
よび50〜52℃にて2時間の追加的攪拌の後に完了す
る。50g のキシレンを添加しそして有機相を分離す
る。この工程を二度繰り返す。
【0057】一緒にした有機相は校正HPLC分析によ
る測定にて55.5g (0.252モル)の3−メトキ
シ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチル(使用し
た3−ヒドオキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸
(B)を基準として88.7% の收率に相当する)を含
有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/92 C07C 69/92 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) R1 2 3 4 5 ArCOOR (1) 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同
    一かまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
    数1〜6のアルキル−またはアルコキシ基、OR、NH
    R、NR2 、SRまたはCOORであり、ただしRは炭
    素原子数1〜4のアルキル基であり、Arは炭素原子数
    6〜12の芳香族基でありそして式(1)中で規定され
    る基Rも上記の意味を有する。〕で表される化合物を製
    造する方法において、式(2) R1 2 3 4 5 ArCOOH (2) 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同
    一かまたは異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
    数1〜6のアルキル−またはアルコキシ基、OH、NH
    2 、NHR、SHまたはCOOHでありそしてArは式
    (1)におけるのと同じ意味を有している。〕で表され
    る化合物を式 (RO)2 SO2 〔式中、Rは上述の意味を有する。〕で表される硫酸エ
    ステルと5〜12のpHにて水不溶性の第三アミンおよ
    び水の存在下に10〜120℃の温度にて水不溶性溶剤
    の存在下または不存在下に、かつ塩基の添加下に反応さ
    せることを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 R1 およびR2 が互いに同一かまたは異
    なり、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、O
    H、NH2 またはCOOHである式(2)の化合物を使
    用する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 R1 およびR2 が互いに同一かまたは異
    なり、水素原子、OHまたはCOOHである式(2)の
    化合物を使用する請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 R1 およびR2 がOHまたはCOOHで
    ある式(2)の化合物を使用する請求項1〜3の何れか
    一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 R1 およびR2 がOHである式(2)の
    化合物を使用する請求項1〜4の何れか一つに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 R3 、R4 およびR5 は互いに同一かま
    たは異なり、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数
    1〜6のアルキル−またはアルコキシ基である式(2)
    の化合物を使用する請求項1〜5のいずれか一つに記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 R3 、R4 およびR5 は互いに同一かま
    たは異なり、水素原子、弗素原子、塩素原子または炭素
    原子数1〜6のアルキル基である式(2)の化合物を使
    用する請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 R3 、R4 およびR5 は互いに同一かま
    たは異なり、水素原子または弗素原子である式(2)の
    化合物を使用する請求項1〜7のいずれか一つに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 Arがフェニル基、ビフェニル基または
    ナフチル基である式(2)の化合物を使用する請求項1
    〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 【請求項10】 Arがフェニル基である式(2)の化
    合物を使用する請求項1〜9のいずれか一つに記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 式(RO)2 SO2 で表される硫酸エ
    ステルとして、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルまたは硫酸
    ジブチルを使用する請求項1〜10のいずれか一つに記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 式(RO)2 SO2 で表される硫酸エ
    ステルとして、硫酸ジメチルまたは硫酸ジエチルを使用
    する請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 式(2)の化合物中に導入するそれぞ
    れの基Rを基準として式(RO)2 SO2 の硫酸エステ
    ルを(1〜10):1、好ましくは(1.1〜5):
    1、特に好ましくは(1.2〜1.5):1の比で使用
    する請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 水不溶性第三アミンとして一つのアル
    キル基当たり4〜20の炭素原子を持つトリアルキルア
    ミン、これらトリアルキルアミンの混合物、N−含有ヘ
    テロ環式化合物または上記アミンの混合物を使用する、
    請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. 【請求項15】 水不溶性第三アミンとして一つのアル
    キル基当たり6〜14の炭素原子を持つトリアルキルア
    ミンまたはこれらトリアルキルアミンの混合物を使用す
    る、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
  16. 【請求項16】 水不溶性第三アミンとして一つのアル
    キル基当たり6〜12の炭素原子を持つトリアルキルア
    ミンの混合物を使用する、ただしアルキル基は互いに同
    一か異なる直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基であ
    る請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
  17. 【請求項17】 水不溶性第三アミンおよび式(2)の
    化合物を(0.01〜10):1、好ましくは(0.0
    5〜3):1、特に好ましくは(0.05〜1):1の
    モル比で使用する請求項1〜16のいずれか一つに記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 反応を20〜80℃で実施する請求項
    1〜17のいずれか一つに記載の方法。
  19. 【請求項19】 反応を30〜60℃で実施する請求項
    1〜18のいずれか一つに記載の方法。
  20. 【請求項20】 水不溶性溶剤として脂肪族炭化水素、
    ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン
    化芳香族炭化水素、芳香族エーテルまたはこれらの溶剤
    の混合物を使用する請求項1〜19のいずれか一つに記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 塩基としてアルカリ金属水酸化物また
    はアルカル土類金属水酸化物の水溶液を使用する請求項
    1〜20のいずれか一つに記載の方法。
  22. 【請求項22】 反応を6〜10のpHで実施する請求
    項1〜21のいずれか一つに記載の方法。
  23. 【請求項23】 反応を7〜8.5のpHで実施する請
    求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
  24. 【請求項24】 反応を相転移触媒の存在下に実施する
    請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
  25. 【請求項25】 相転移触媒として式 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 が互いに同一か異
    なり、炭素原子数10〜50の炭化水素基でありそして
    - はハロゲン化物イオン、硫酸水素塩イオンまたは水
    酸基イオンである。〕で表される第四アンモニウム塩を
    使用する請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法。
  26. 【請求項26】 相転移触媒としてテトラ(C1
    20)−アルキルアンモニウム塩、トリ(C1 〜C20
    −アルキルベンジルアンモニウム塩またはジ(C 1 〜C
    20)−アルキルジベンジルアンモニウム塩を使用し、た
    だしベンジル基は非置換であってもまたはCl、Br、
    (C1 〜C4 )−アルキル−または(C1〜C4 )−ア
    ルコキシ基で置換されていてもよい請求項1〜25のい
    ずれか一つに記載の方法。
  27. 【請求項27】 相転移触媒としてココナット(C10
    18)アルキル基を持つ第四アンモニウム−ハロゲン化
    物を使用する請求項1〜26のいずれか一つに記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 相転移触媒として一つ以上のジココナ
    ット(C10〜C18)アルキル−ジメチルアンモニウム−
    ハロゲン化物またはジメチルベンジル−ココナット(C
    10〜C18)アルキルアンモニウム−ハロゲン化物を使用
    する請求項1〜27のいずれか一つに記載の方法。
  29. 【請求項29】 相転移触媒を水性相を基準として0.
    05〜10重量% の量で使用する請求項1〜28のいず
    れか一つに記載の方法。
JP8200101A 1995-07-31 1996-07-30 芳香族カルボン酸のエステルの製造方法 Pending JPH09110786A (ja)

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