JPH0819043B2 - 芳香族酸の製造のためのカルボニル化法 - Google Patents

芳香族酸の製造のためのカルボニル化法

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JPH0819043B2
JPH0819043B2 JP61504037A JP50403786A JPH0819043B2 JP H0819043 B2 JPH0819043 B2 JP H0819043B2 JP 61504037 A JP61504037 A JP 61504037A JP 50403786 A JP50403786 A JP 50403786A JP H0819043 B2 JPH0819043 B2 JP H0819043B2
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レーン,ドナルド・ウェイン
ステインメッツ,ギュイ・ラルフ
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イ−ストマン・コダック・カンパニ−
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/10Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は芳香族カルボン酸の製造のための新規なカル
ボニル化法に関する。より詳細には本発明は芳香族ヨウ
化物を一酸化炭素によりニッケル触媒の存在下に炭化水
素カルボン酸系反応媒質中でカルボニル化して芳香族カ
ルボン酸を製造する方法に関する。
VIII族金属化合物により触媒された芳香族ハロゲン化
物のカルボニル化によりカルボン酸誘導体を製造するこ
とは当技術分野で周知である。この種の方法の1つは米
国特許第2,640,071号明細書に記載されており、これに
よればカルボン酸誘導体が芳香族ハロゲン化物から強酸
系反応媒質中でニッケル錯体を触媒として用いて、250
〜450℃の高い反応温度で300〜1,000気圧の一酸化炭素
圧において得られる。代表例はp−ジクロルベンゼンを
345℃および一酸化炭素350気圧で触媒量のニッケルの存
在下にテレフタル酸ジアルキルに転化するものである。
この方法は高温高圧を共に必要とする。さらにこの型の
カルボニル化には塩基性の反応媒質が必要であり、これ
により副生物であるハロゲン化物の回収および再循環が
困難な、費用を要するものとなる。
カルボン酸誘導体を製造するための当技術分野で知ら
れている他の方法は米国特許第3,988,358号明細書に記
載されており、これによれば芳香族カルボン酸エステル
が芳香族ハロゲン化物から出発物質(たとえばブロムベ
ンゼン)を塩基性反応媒質中でアルコール(たとえばブ
タノール)および一酸化炭素と、たとえば第三アミンも
しくはホスフィン類などのリガンドと錯化したきわめて
高価なパラズウム触媒の存在下で反応させることにより
製造される。
従って、芳香族ハロゲン化物をカルボニル化して優れ
た収率で芳香族カルボン酸を製造するためのより簡単
な、より安価な方法を提供することは、当技術水準にお
ける進歩であろう。さらに、副生物であるハロゲン化物
を使用可能な形で回収するための簡単な効果的方法を提
供することは有利であろう。
本発明によれば、芳香族ヨウ化物をニッケル触媒の存
在下にカルボン酸系反応媒質中で一酸化炭素と反応させ
ることにより高収率で目的とする芳香族カルボン酸にカ
ルボニル化しうることが見出された。さらにこの反応は
高純度の芳香族カルボン酸の生成について高い選択性を
もち、大量の水素の存在下ですら芳香族カルボキシルア
ルデヒド、たとえば4−カルボキシゼンズアルデヒドま
たはこれに類する他の化合物などの生成物をほとんど、
または全く生成しない。
本発明方法は、その環(1または2以上)中に5〜14
個の原子を含む芳香族ヨウ化物をニッケル触媒の存在下
に炭化水素酸系反応混合物中で一酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、芳香族カルボン酸の製法であると考
えられる。
本発明方法に出発物質として用いられる芳香族ヨウ化
物は次式の構造をもつ。
R(I)n 式中、Rはその環(1または2以上)中に5〜14個の
炭素原子を有する炭素環式または複素環式芳香族残基を
表わし、nは1〜4の整数である。この種のR基はたと
えばベンゼン、ナフタリン、ピリジン、チオフェン、ピ
ロールなどである。R基は置換されていてもよく、置換
されていなくてもよい。この種の置換されたR基は、置
換基としてハロゲンたとえば塩素および臭素、12個まで
の炭素原子を有する、アルキル基、ビニル基、カルボン
酸基、エステル基、エーテル基などを含む。この種の化
合物は、たとえば下記のものである。ヨードベンゼン、
1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、2−
ヨードナフタリン、2,6−ジヨードナフタリン、2,7−ジ
ヨードナフタリン、ヨード安息香酸メチル、ヨードトル
エン、ヨードベンゾフェノン、ヨードフェノール、ヨー
ドアニリン、ヨードジフェニルスルホン、ヨードブロム
ベンゼン、4−クロルヨードベンゼン、4−ブロムヨー
ドベンゼン、4−カルボメトキシヨードベンゼン、ヨー
ドアントラセン、ヨードチオフエン、ヨードビフェニ
ル、ジヨードジフェニル、ヨードフラン、ヨード安息香
酸、ヨードビニルベンゼン、ヨードスチルベン、ジヨー
ドスチルベン、ヨードベンゼンスルホン酸、ヨードアニ
ソール、ヨードジフェニルエーテル、ジヨードジフェニ
ルエーテル、ヨードジフェニルスルフィド、ヨードベン
ズアルデヒド、ヨードピリジン、ヨードアニリン、ヨー
ドベンゼンジメチルアミン、2,3,6−トリヨードナフタ
リン、2,3,6,8−テトラヨードナフタリンなど。
本発明方法に用いられる芳香族ヨウ化物は当技術分野
で知られており、また当技術分野で既知の方法により製
造できる。たとえばハドリッキイらの“ハロゲン化物、
疑似ハロゲン化物およびアジドの化学”、増補D、2
部、1142-1158頁(その記載をここに参考として引用す
る)にこの種の方法が幾つか示されている。この種の方
法の一例がジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ
ー、150(1952)に記載されており、そこには芳香族化
合物たとえばベンゼンを、濃硫酸に溶解した硫酸銀の存
在下にヨウ素で処理することによるヨード芳香族化合物
の製法が示されている。
本発明方法においては芳香族ヨウ化物をカルボン酸系
反応媒質、たとえば酢酸、酪酸、プロピオン酸、安息香
酸など、またはその混合物中でカルボニル化する。酢酸
がきわめて好ましい。カルボニル化反応は実質量の水
(たとえば10%)には耐容しうるが、良好な転化率を得
るためには反応を無水条件下で行うことが好ましい。同
様に反応媒質のpHは5以下とすべきであり、これにより
速やかなかつ効果的なカルボニル化反応が得られる。
ニッケル触媒は反応媒質に好ましくはニッケル金属ま
たはニッケル塩、たとえば酢酸ニッケルとして添加され
る。この触媒は総反応媒質の。05〜5重量%、好ましく
は0.1〜1重量%の濃度で存在する。カルボン酸系反応
媒質へのヨウ化物塩の添加は有益ではあるが、ニッケル
触媒の活性化を助成するために必須ではない。ヨウ化物
塩は総反応媒質の0〜10重量%、好ましくは0.5〜6重
量%の量で反応媒質に添加される。活性化されたニッケ
ル触媒は反応条件下で1種または2種以上の可溶性のま
たは均質な種を形成する。
カルボニル化過程の反応速度を維持するために、ヨウ
化物受容体をカルボン酸系反応媒質に添加することもで
きる。しかしヨウ化物受容体は有益ではあるが必須では
ない。ヨウ化物受容体がない場合、反応速度は反応媒質
中のヨウ化質の量が増加するのに伴って低下する。ヨウ
化物受容体はカルボン酸系反応媒質の量に対し1〜15重
量%、好ましくは2〜10重量%の量で添加される。この
種のヨウ化物受容体の例はたとえば酢酸アルカリ金属
塩、たとえば酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウムなど、好ましくは酢酸リチウムである。他のヨウ素
受容体は、たとえば酢酸アルカリ土金属塩、たとえば酢
酸マグネシウム、アミン、たとえばトリアルキルアミ
ン、たとえばトリエチルアミン、トリメチルアミンな
ど、およびピリジンである。
酢酸アルカリ金属塩はアルカリ金属成分、たとえば炭
酸リチウムをカルボン酸系反応媒質、たとえば酢酸に添
加して酢酸リチウムを形成させることによって現場で生
成させることもできる。酢酸アルキル、たとえば酢酸メ
チルもヨウ化物受容体として使用することができる。酢
酸アルキルも反応媒質にアルカノールを添加することに
よって現場で生成させることができる。アルカノールは
副生物である酸無水物として反応して酢酸アルキルを生
成する。
本発明の接触カルボニル化反応は一酸化炭素の存在下
で行われ、これは総反応圧が大気圧から105.5kg/cm2(1
500psig)の範囲にある量で用いられる。揮発性の反応
体もしくは反応媒質を用いる場合、または反応速度を高
めたい場合には、過圧を採用してもよい。従って18.3〜
105.5kg/cm2の反応圧が適しており、36.6〜70.3kg/cm2
の圧力が好ましく、52.7〜70.3kg/cm2の圧力がきわめて
好ましい。18.3kg/cm2よりも低い圧力および70.3kg/cm2
よりも高い圧力では反応速度の低下が認められる。
本発明方法は125〜250℃、好ましくは175〜225℃きわ
めて好ましくは175〜200℃の温度で行われる。150℃よ
りも低い温度では反応速度が低く、250℃よりも高い温
度では副生物の生成を伴う分解が起こる。
芳香族ヨウ化物はカルボン酸系反応媒質に反応媒質の
総重量に対し0.1〜50重量%の量で添加される。0.1%よ
りも少ない量で経済的に実現可能であるためには反応速
度が低すぎ、50%よりも多い量では反応媒質中における
反応体の溶解性に不利な影響が生じる。
本発明方法を無水条件下で行うと、芳香族カルボン酸
およびヨウ化物を反応生成物から容易に回収することが
できる。芳香族カルボン酸は反応媒質からいかなる適宜
な方法によっても(たとえば過)回収できる。ヨウ化
物は反応媒質から幾つかの方法で回収できる。たとえば
反応媒質が酢酸であり、化学量論的量の酢酸金属塩、た
とえば酢酸リチウムが存在する場合、無水酢酸およびヨ
ウ化リチウムが反応の副生物として生成する。ヨウ化リ
チウムを含有する反応混合物から無水酢酸を反応性蒸留
することにより、ヨウ化アセチルおよび酢酸リチウムが
得られる。酢酸金属塩、たとえば酢酸リチウムが存在し
ない場合、ヨウ化アセチルが反応の副生物として生成す
る。ヨウ化アセチルは蒸留によって回収できる。回収さ
れたヨウ化アセチルを次いで水で加水分解して酢酸およ
びヨウ化水素となし、これを回収するか、または酸化し
て存在するヨウ化物を回収することができる。またメタ
ノールが反応媒質中に存在する場合、酢酸メチルが形成
されるためヨウ化アセチルはヨウ化メチルに転化され
る。ヨウ化メチルを反応媒質から回収し、価値あるヨウ
素を加水分解により回収することができる。
ヨウ化物を回収するための他の方法は、反応媒質に酸
素を添加することであり、これによりヨウ化物が容易に
酸化されてヨウ素元素となる。ヨウ素元素は蒸留、過
その他の適宜な手段で回収できる。この方法によりヨウ
素回収のための原価効率の良好な効果的方法が提供さ
れ、これによってかなり高価なヨウ素を回収して連続的
に再循環させることができる。
カルボニル化に際してアルデヒドなどの中間体は実質
的に生成しないので、本発明方法によればきわめて高純
度の芳香族酸が得られる。たとえばテレフタル酸および
ナフタリンジカルボン酸などのポリカルボン酸はポリエ
ステルの製造に適しており、ジエステル製造による場合
のようにさらに精製する必要がない。これは当技術水準
における著しい進歩である。この種の酸を製造するため
の他の方法、たとえばキシレンおよび2,6−ジメチルナ
フタリンの酸化による方法では著しい量の不純物、たと
えばアルデヒドが生成し、これはポリエステル法にこの
ポリカルボン酸を使用する前に除去する必要があるから
である。
従って本発明の新規な方法によればポリエステル、た
とえばポリエチレンテレフタレートその他の有用な重合
生成物の合成に有用な中間体である高純度生成物が得ら
れる。
本発明をさらに以下の例により説明する。ただしこれ
らの例は説明のために示したものにすぎず、本発明の範
囲の限定を意図するものではないことは理解されるであ
ろう。
例1 330ccのオートクレーブにp−ジヨードベンゼン10g、
ヨウ化ニッケル1g、ヨウ化リチウム1g、炭酸リチウム4.
5g、無水酢酸7g、および酢酸50gを添加した。一酸化炭
素を52.7kg/cm2の圧力で反応混合物の表面下に供給し、
反応混合物を200℃に2時間加熱した。反応媒質が実質
的に水を含有せず、実質的に乾燥状態であることを保証
するために、酢酸媒質に無水酢酸を添加した。次いで得
られた混合物を25℃に冷却し、固体状の酸またはカルボ
ン酸を別した。採取された白色固体生成物は4.5gであ
り、これを分析したところテレフタル酸91.95重量%お
よびヨード安息香酸.23重量%を含有していた。用いた
p−ジヨードベンゼンに基づくテレフタル酸の収率は8
2.7%であった。ガスクロマトグラフィー分析によって
4−カルボキシベンズアルデヒドは検出されなかった。
酢酸の代わりに、または酢酸と組合わせて酪酸、プロ
ピオン酸、安息香酸を用いても同様な結果が得られる。
例2 1のオートクレーブにヨウ化リチウム10g、炭酸リ
チウム45g、p−ジヨードベンゼン200g、ニッケル粉末2
g、無水酢酸62gおよび酢酸440gを添加した。一酸化炭素
を70.3kg/cm2で反応混合物の表面下に供給し、反応混合
物を200℃に4時間加熱した。得られた混合物を次いで2
5℃に冷却し、カルボニル化酸を別した。採取された
生成物は固体生成物または固体カルボン酸81gであり、
これはテレフタル酸98.94%、安息香酸0.21%、および
ヨード安息香酸1.851%と分析された。用いたp−ジヨ
ードベンゼンの量に基づくテレフタル酸の収率は80%で
あった。ガスクロマトグラフィー分析によって4−カル
ボキシベンズアルデヒドは検出されなかった。
この例はニッケル触媒成分としてニッケル粉末を用い
て得た結果を示す。
例3 例2を反復した。ただし反応混合物を200℃ではなく1
75℃に、70.3kg/cm2(1000psi)ではなく52.7kg/cm2
一酸化炭素圧で4時間加熱した。得られた混合物を25℃
に冷却し、固体生成物を採取した。採取された物質98g
はテレフタル酸、88.57%、安息香酸.048%、およびヨ
ード安息香酸7.88%と分析された。用いたp−ジヨード
ベンゼンの量に基づくテレフタル酸の収率は86.8%であ
った。ガスクロマトグラフィー分析によって4−カルボ
キシベンズアルデヒドは検出されなかった。
この例は温度および圧力をきわめて好ましい範囲内で
低下させても反応速度に不利な影響を与えなかったこと
を示す。
例4 例3を反復した。ただし酢酸ニッケル.4水化物10.6g
をニッケル粉末2gの代わりに用い、酢酸400gを酢酸440g
の代わりに用い、反応混合物を175℃ではなく200℃に加
熱し、70.3kg/cm2(1000psi)の95%一酸化炭素/5%水
素ブレンドを52.7kg/cm2の一酸化炭素の代わりに用い
た。得られた混合物を25℃に冷却し、固体90.5gを採取
した。固体を分析したところテレフタレル酸96.2%、安
息香酸.084%、およびヨード安息香酸2.74%を含有して
いた。用いたp−ジヨードベンゼンの量に基づくテレフ
タル酸の収率は87.1%であった。ガスクロマトグラフィ
ー分析によって4−カルボキシベンズアルデヒドは検出
されなかった。
この例はニッケル粉末の代わりに酢酸ニッケル・4水
化物をニッケル触媒成分として用いて得た結果を示す。
例5 330ccのオートクレーブにp−ジヨードベンゼン20g、
酢酸ニッケル.4水化物1.1g、ヨウ化リチウム3.0g、炭酸
リチウム4.5g、無水酢酸7g、および酢酸45gを添加し
た。一酸化炭素を70.3kg/cm2で反応混合物に供給し、反
応混合物を175℃に2時間加熱した。次いで得られた混
合物を25℃に冷却し、固体生成物を別した。固体9.4g
を採取した。これは安息香酸0.114%、ヨード安息香酸
7.180%、およびテレフタル酸88.114%と分析された。
用いたp−ジヨードベンゼンの量に基づくテレフタル酸
の収率は82.8%であった。ガスクロマトグラフィー分析
によって4−カルボキシベンズアルデヒドは検出されな
かった。
例6 330ccのオートクレーブにp−ジヨードベンゼン20g、
酢酸ニッケル・4水化物1.1g、ヨウ化リチウム3.0g、酢
酸40g、および酢酸メチル10g(ヨウ化物受容体として)
を添加した。反応混合物を175℃に2時間、95%一酸化
炭素/5%水素ブレンドの圧力70.3kg/cm2において加熱し
た。固体9.7gが過により得られ、これは安息香酸0.07
1%、ヨード安息香酸4.28%、テレフタレル酸水素メチ
ル0.015%、およびテレフタル酸84.95%と分析された。
液は無水酢酸8.45g、ヨウ化メチル10.86g、および酢
酸メチル1.6gを含有していた。用いたp−ジヨードベン
ゼンの量に基づくテレフタル酸の収率は82.1%であっ
た。ガスクロマトグラフィー分析によって4−カルボキ
シベンズアルデヒドは検出されなかった。
この例は酢酸メチルなどの酢酸アルキルが有効なヨウ
化物受容体であることを示す。
例7 例6を反復した。ただし水10gを酢酸メチルの代わり
に用い、100%一酸化炭素を95%一酸化炭素/5%水素ブ
レンドの代わりに用いた。固体11.3gが採取され、これ
はp−ジヨードベンゼン39.31%、ヨード安息香酸47.63
%、およびテレフタル酸8.95%と分析された。用いたp
−ジヨードベンゼンの量に基づくテレフタル酸の収率は
10.1%であった。ガスクロマトグラフィー分析によって
4−カルボキシベンズアルデヒドは検出されなかった。
この例は水が10重量%以上存在する場合にヨウ化物受
容体を用いずにテレフタル酸を製造しうることを示す。
しかしテレフタル酸の収率は実質的に低下した。
例8 例6を反復した。ただし酢酸メチルを除き、100%一
酸化炭素を用い、溶剤は酢酸20gおよび無水酢酸30gであ
った。固体6.6gが採取され、これはp−ジヨードベンゼ
ン5.02%、ヨード安息香酸45.16%、およびテレフタル
酸36.36%と分析された。用いたp−ジヨードベンゼン
に基づくテレフタル酸の収率は23.9%であった。ガスク
ロマトグラフィーに分析によって4−カルボキシベンズ
アルデヒドは検出されなかった。
この例はヨウ素受容体を用いないとより低い収率のテ
レフタル酸が得られることを示す。
例9 例5を反復した。ただし95%一酸化炭素/5%水素ブレ
ンドの圧力36.6kg/cm2を採用した。固体8.7gが分離さ
れ、これは安息香酸0.06%、ヨード安息香酸9.34%、お
よびテレフタル酸85.26%と分析された。用いたp−ジ
ヨードベンゼンの量に基づくテレフタル酸の収率は73.7
%であった。ガスクロマトグラフィー分析によって4−
カルボキシベンズアルデヒドは検出されなかった。
この例は圧力を36.6kg/cm2(500psi)に低下させるこ
とにより反応速度が低下したことを示す。
例10 例1を反復した。ただし酢酸パラジウム0.1gをニッケ
ル粉末の代わりに触媒として用いた。わずかに0.6gの黒
色固体が得られ、これはp−ジヨードベンゼン15.5%、
ヨード安息香酸54.2%、およびテレフタル酸4.3%と分
析された。黒色固体は析出した金属パラジウムを含有し
ていた。テレフタル酸の収率はきわめて低かった。
この例はより高価なパラジウム触媒を用いても例4の
ニッケル触媒を用いて得たものと同じ結果は得られなか
ったことを示す。
例11 例1を反復した。ただしp−ジヨードベンゼン20gを
用い、酢酸パラジウム0.1gをヨウ化ニッケル1gの代わり
に用い、酢酸30gを50gの代わりに用い、2−ピリコン15
gを添加した。200℃およびCO36.6kg/cm2で2時間後に固
体6.4gが分離され、これはp−ジヨードベンゼン0.51
%、ヨードベンゼン43.8%、およびテレフタル酸33.96
%と分析された。用いたp−ジヨードベンゼンの量に基
づくテレフタル酸の収率は28.1%であった。
この例はパラジウム触媒に促進剤を添加しても例4の
ニッケル触媒を用いて得たものと同じ結果は得られなか
ったことを示す。
例12 例11を反復した。ただし酢酸ニッケル・4水化物1.1g
を酢酸パラジウム0.1gの代わりに用い、2−ピコリン12
mlを15mlの代わりに用い、48%ヨウ化水素1mlおよび無
水酢酸10mlを添加した。200℃および95%一酸化炭素/5
%水素ブレンド36.6kg/cm2で2時間後に固体7gが別さ
れ、これはテレフタル酸91.16%、ヨード安息香酸4.72
%および安息香酸0.17%と分析された。
この例はニッケル触媒がこのカルボニル化法において
パラジウム触媒を用いて得たものと実質的に異なる触媒
活性を与えることを示す。
例13 95%一酸化炭素/5%水素ブレンドを用いて例11を反復
した。生成物1.9gが分離され、これはp−ジヨードベン
ゼン26.7%、ヨード安息香酸34.9%、テレフタル酸28.1
%、および4−カルボシキベンズアルデヒド0.237%と
分析された。用いたp−ジヨードベンゼンの量に基づく
テレフタル酸の収率は5.4%であった。
この例は促進剤を添加したパラジウム触媒が低い転化
率を与えただけでなく、実質量の不純物4−カルボキシ
ベンズアルデヒドをも与えたことを示す。
例14 例4を反復した。ただしジヨードベンゼンわずか50g
を200gの代わりに用いた。得られた混合物を冷却し、固
体22gを採取した。固体を分析したところ、テレフタル
酸98.95%および安息香酸0.75%を含有していた。ガス
クロマトグラフィー分析により固体が実質的に4−カル
ボキシベンズアルデヒドを含有せず、ヨード安息香酸の
含量は25ppm以下であることが示された。
例15 例5を反復した。ただし無水酢酸の使用量を10gに増
加し、一酸化炭素を70.3kg/cm2ではなく21kg/cm2で、ま
た175℃ではなく200℃で供給した。固体生成物8.3gが採
取され、これは安息香酸0.18%、ジヨードベンゼン0.10
%、ヨード安息香酸24.29%、およびテレフタル酸58.58
%であると分析された。ジヨードベンゼンに基づくテレ
フタル酸の収率は48.62%であった。ガスクロマトグラ
フィーに分析によって4−カルボキシベンズアルデヒド
は検出されなかった。
この一例は一酸化炭素圧が低いと低い反応率を与える
ことを示す。
例16 330ccのオートクレーブにp−ジヨードベンゼン20g、
酢酸ニッケル.4水化物1.1g、ヨウ化ナトリウム6.8g、炭
酸ナトリウム0.6g、酢酸30ml、および無水酢酸20mlを添
加した。95%一酸化炭素/5%水素ブレンドを36.6kg/cm2
で175℃において2時間、反応混合物に供給した。固体
生成物8.5gが採取され、これは安息香酸0.12%、ヨード
安息香酸11.48%、およびテレフタル酸82.32%と分析さ
れた。ジヨードベンゼンに基づく、テレフタル酸の収率
は69.8%であった。ガスクロマトグラフィーに分析によ
って4−カルボキシベンズアルデヒドは検出されなかっ
た。
この例は、ヨウ化ナトリウムをヨウ化物塩として用
い、炭酸ナトリウムをヨウ化物受容体として用いて、テ
レフタル酸への良好なp−ジヨードベンゼン転化率が得
られたことを示す。
例17 330ccのオートクレーブにジヨードナフタリン(98%
以上が2,6−ジヨードナフタリン)2g、炭酸リチウム1.0
g、ヨウ化リチウム0.4g、酢酸ニッケル・4水化物1.70
g、および酢酸100mlを添加した。一酸化炭素を70.3kg/c
m2で反応混合物に供給し、反応混合物を190℃に3時間
加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、過した。得ら
れた固体は0.8gであり、これはナフタリンジカルボン酸
0.792gおよびヨードナフトエ酸0.003gと分析された。ジ
ヨードフフタリンの量に基づくナフタリンジカルボン酸
の収率は99.63%であった。
これらの結果はジヨード芳香族化合物をカルボン酸系
反応媒質中でニッケル触媒を用いて高収率で、適度な反
応条件下に、対応する芳香族ジカルボン酸にカルボニル
化して高品質の生成物が得られることを示す。また副生
物であるヨウ化物を液である反応媒質から容易に分離
することができる。
本発明により製造されるカルボン酸は当技術分野で周
知であり、多くの目的に有用である。たとえばジカルボ
ン酸は熱可塑性組成物、たとえばポリエステルの製造に
使用できる。この種のポリエステルはフイルム、繊維お
よび成形品に成形できる。
本発明をその好ましい形態について特に詳述したが、
本発明の精神および範囲内で変更および修正をなしうる
ことは理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/128 X 31/04 X C07B 61/00 300 (72)発明者 レーン,ドナルド・ウェイン アメリカ合衆国テネシー州37663,キング スポート,メドー・レーン 929 (72)発明者 ステインメッツ,ギュイ・ラルフ アメリカ合衆国テネシー州37663,キング スポート,サー・エコー・ドライブ 835

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヨウ化フェニル又はヨウ化ナフチルをニッ
    ケル触媒及びヨウ化物塩の存在下に炭化水素酸系反応媒
    質中で一酸化炭素と反応させることを特徴とする芳香族
    カルボン酸の製法。
  2. 【請求項2】炭化水素酸系反応媒質が1-15重量%のヨウ
    化物受容体を含有する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】炭化水素酸系反応媒質が酢酸である請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】ヨウ化物受容体が少なくとも1種の酢酸ア
    ルカリ金属塩及び酢酸アルキルよりなる群の1つである
    請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】ヨウ化物受容体が酢酸リチウムある請求項
    3に記載の方法。
  6. 【請求項6】ヨウ化物受容体が酢酸メチルある請求項3
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】酢酸リチウムが反応媒質である酢酸中に2-
    10重量%の量存在する請求項4の記載の方法。
JP61504037A 1985-07-29 1986-07-23 芳香族酸の製造のためのカルボニル化法 Expired - Lifetime JPH0819043B2 (ja)

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