JPH0910988A - フラツクス - Google Patents

フラツクス

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JPH0910988A
JPH0910988A JP18643195A JP18643195A JPH0910988A JP H0910988 A JPH0910988 A JP H0910988A JP 18643195 A JP18643195 A JP 18643195A JP 18643195 A JP18643195 A JP 18643195A JP H0910988 A JPH0910988 A JP H0910988A
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rosin
flux
activator
solder bumps
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JP18643195A
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Hitoshi Arita
均 有田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、フラツクスについて、ウエツトバツ
ク処理のような高温度条件において使用し得るようにす
る。 【構成】本発明は、天然ロジンと、水添ロジンと、これ
らの天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して 1
〔%〕ないし99〔%〕の任意の割合で配合される溶質
と、所定温度で活性化する活性剤とを、溶剤に溶解させ
るようにすることにより、ウエツトバツク処理のような
高温度条件において使用し得るフラツクスを実現するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図10) 発明が解決しようとする課題(図10及び図11) 課題を解決するための手段(図1) 作用(図1) 実施例 (1)フラツクスの組成(図1) (1−1)ロジン(図1) (1−2)活性剤(図1) (1−3)溶剤(図1) (1−4)添加剤(図1) (2)温度プロフアイル(図2) (3)試作フラツクスの組成(図3〜図6) (4)試作フラツクスの比較試験 (4−1)ウエツトバツク処理の温度条件(図7) (4−2)各比較試験の条件 (5)試作フラツクスの比較試験結果(図8及び図9) (6)実施例の効果 (7)他の実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明はフラツクスに関し、例え
ばフリツプチツプ方式で実装される半導体チツプにはん
だバンプと呼ばれる突起電極を形成する際に用いるもの
に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、はんだバンプは、図10(A)〜
(D)に示す以下の手順により形成されている。まず図
10(A)に示すように、半導体チツプ1の電極部とな
るアルミニウム(Al)パツド2の周端部をパツシベー
シヨン膜3で覆い保護する。次いで図10(B)に示す
ように、パツシベーシヨン膜3上に耐熱性を有するポリ
イミド膜4を積層して耐熱加工する。その後Alパツド
2上に、当該Alパツド2とはんだとの密着性を向上さ
せるためのクロム、銅及び金等からなる中間金属層5を
形成する。
【0004】続いて図10(C)に示すように、Alパ
ツド2に対応させて開口が形成されたメタルマスク(図
示せず)を半導体チツプ1上に載せた後、当該メタルマ
スクの開口を介して中間金属層5上に鉛及び錫を順次蒸
着することにより鉛層6及び錫層7を形成する。このと
き鉛層6及び錫層7は、通常、形成するはんだバンプの
大きさを考慮して中間金属層5よりもやや広めに、ポリ
イミド膜4上にわずかにはみ出す程度の大きさに形成す
る。その後メタルマスクを取り除き、錫層7の表面に所
定の塗布手段によつてフラツクス8を塗布する。次いで
図10(D)に示すように、鉛層6及び錫層7を溶融す
ることにより、鉛と錫とを合成させてはんだを形成す
る。このとき溶融したはんだの表面張力とフラツクス8
の作用とによつてはんだが球状にまとまり、はんだバン
プ9が形成される。以下、この処理をウエツトバツク処
理と呼ぶ。
【0005】このウエツトバツク処理では、鉛層6及び
錫層7の溶融時における最終温度が高温となるため温度
を段階的に昇温させて徐々に加熱する方法がとられてい
る。このためフラツクス8は、常温から300 〜 400
〔℃〕程度のメインヒートに達するまで機能することが
必要とされており、デイツプ式はんだ付け用として一般
的に用いられている液状フラツクスとは使用目的や組成
が全く異なる。しかしながらこのウエツトバツク処理に
用いられるフラツクス8は現在開発段階にあり、通常、
このウエツトバツク処理には共晶はんだやビスマス(B
i)入り低融点はんだ等のはんだ付けに用いられるフラ
ツクスが使用されている。
【0006】従つて現在この種のフラツクス8として
は、83〔℃〕程度の沸点を有するイソプロピルアルコー
ル(以下、これをIPAと呼ぶ)と、所定温度で活性化
する活性剤と、松やに等でなる天然ロジンと、当該天然
ロジンに水素を添加した水添ロジン等とを所定の割合で
混合したものが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの組成のフ
ラツクス8の場合、メインヒートに達する前に活性剤が
活性化し、メインヒート時には活性剤が機能を果たさな
くなるのに加え、IPAがプリヒートの初期段階で揮発
してしまうため、プリヒートの途中でIPA以外の混合
物が乾燥する問題があつた。またこの組成のフラツクス
8の場合、メインヒートに対する天然ロジン及び水添ロ
ジンの耐熱性が不十分なことにより、当該天然ロジン及
び水添ロジンがメインヒート時に炭化および黒化する問
題があつた。このようにこの組成のフラツクス8は、メ
インヒートの際に正常な機能を果たさなくなる問題があ
つた。
【0008】因みに現在用いられている組成のフラツク
ス8によつてウエツトバツク処理すると、メインヒート
の際に鉛層6と錫層7とが不均一に合成されるのを避け
えず、図11(A)及び(B)に示すように、半導体チ
ツプ1上に鉛層6及び錫層7が飛散し、所定位置以外に
はんだバンプ10が形成されたり、Alパツド2上に歪
んだ形状のはんだバンプが形成される(図示せず)問題
があつた。また表面に光沢のないはんだパンプ9が形成
されたり、表面が黒化し荒れた状態のはんだバンプ9が
形成される等の問題があつた。さらにウエツトバツク処
理終了後、半導体チツプ1の洗浄工程においてその半導
体チツプ1の洗浄が困難となる問題があつた。
【0009】さらにこのフラツクス8を用いて形成され
たはんだバンプ9には、内部に気泡欠陥(以下、これを
ボイドと呼ぶ)が生じ易く、中間金属層5との密着度が
不足したり、ちぎり強度(以下、これをシエアー強度と
呼ぶ)が不足する等の問題があつた。さらにこのフラツ
クス8を用いて形成されたはんだバンプ9の場合、半導
体チツプ1を配線基板上に実装した後におけるはんだバ
ンプ9の引つ張り強度試験において強度不足等が生じる
問題があつた。
【0010】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、ウエツトバツク処理のような高温度条件において使
用し得るフラツクスを提案しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、天然ロジンと、水添ロジンと、こ
れらの天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して 1
〔%〕ないし99〔%〕の任意の割合で配合される溶質
と、所定温度で活性化する活性剤と、これらの天然ロジ
ンと、水添ロジンと、溶質と、活性剤とを溶解させる溶
剤とを設けるようにする。
【0012】
【作用】天然ロジンと、水添ロジンと、これらの天然ロ
ジン及び水添ロジンの総重量に対して 1〔%〕ないし99
〔%〕の任意の割合で配合される溶質と、所定温度で活
性化する活性剤とを溶剤に溶解させるようにしたことに
より、ウエツトバツク処理のような高温度条件に対して
耐熱性を向上し得る。
【0013】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0014】(1)フラツクスの組成 図1は、実施例におけるフラツクスの組成を示してい
る。図1に示す通り、フラツクスはロジンと、活性剤
と、溶剤と、添加剤とを基本組成とし、これらを所定の
割合で混合したものを用いている。
【0015】(1−1)ロジン この実施例のロジンは、天然ロジン、水添ロジン及びレ
ジンを混合したものを用いることを特徴とする。天然ロ
ジンは、80〜90〔℃〕程度の融点を有するウオータホワ
イトロジン(以下、これをWW(Water White )ロジン
と呼ぶ)と 150〔℃〕程度の融点を有するWWロジンと
を混合したもの又は松やにでなる。また水添ロジンは、
天然ロジンに水素を添加してなる。さらにレジンは、合
成(重合)レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマ
のうち単体又は複数を配合してなる。因みにレジンは、
天然ロジン及び水添ロジンの総重量に対して 1〜99
〔%〕程度の任意の割合で配合するものとする。このレ
ジンによりフラツクスの耐熱性が高められ、メインヒー
トにおける高温にもフラツクスが耐えられるようになさ
れている。
【0016】ここで合成(重合)レジンとしては、例え
ばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
アミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリ
アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリオレフイン樹脂、フツ素系樹脂又はABS樹脂
のうち単体又は複数を配合したものを用いるようにす
る。また合成ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ス
チレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(B
R)、クロロプレンゴム又はナイロンゴムのうち単体又
は複数を配合したものを用いるようにする。さらにエラ
ストマとしては、例えばナイロン系エラストマ又はポリ
エステル系エラストマのうち単体又は複数を配合したも
のを用いるようにする。
【0017】(1−2)活性剤 活性剤としては、ウエツトバツク処理のプリヒートで活
性化する有機酸系化合物と、メインヒートで活性化する
ハロゲン化合物と、界面活性剤との3種類を用いるよう
にする。活性剤は、フラツクスに含有されている固形分
の重量に対して0.01〜10〔%〕程度、望ましくは 0.1〜
5〔%〕程度の割合でフラツクスに配合する。またこの
活性剤では、有機酸系化合物とハロゲン化合物とを 1対
10から10対1の任意の割合で配合するようにし、これに
よりプリヒートからメインヒートまでの広範囲の温度で
活性化するようにする。因みに活性剤として、有機酸系
化合物とハロゲン化合物とを配合する代わりに、プリヒ
ートからメインヒートまで活性力を示し得る活性剤(図
示せず)を単体で用いても良い。
【0018】実際上、有機酸系化合物としては、例えば
コハク酸、安息香酸、アジピン酸、アビエチン酸、グル
タル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ギ酸又はアゼラ
イン酸等を用いるようにする。またハロゲン化合物とし
ては、例えばエチルアミン塩酸塩、メチルアミン塩酸
塩、エチルアミン臭素酸塩、メチルアミン臭素酸塩、プ
ロペンジオール塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、3−アミ
ノ−1−プロペン塩酸塩、N−(3−アミノプロピル)
メタクリルアミド塩酸塩、O−アニシジン塩酸塩、n−
ブチルアミン塩酸塩又はP−アミノフエノール塩酸塩等
を用いるようにする。さらにプリヒートからメインヒー
トまで活性力を示し得る活性材としては、例えば第4級
アンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムクロラ
イド又はアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロラ
イド等を用いるようにする。
【0019】(1−3)溶剤 溶剤は、150 〜 300〔℃〕程度、望ましくは220 〜 250
〔℃〕程度の沸点を有するものを選定し、これに活性剤
及びロジン等を溶解させる。実際上、溶剤としては、例
えば2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、2
−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、1.
3 −ブタンジオール、1.4 −ブタンジオール又はN−メ
チル−2−ピロリドン等を用いるようにする。
【0020】(1−4)添加剤 添加剤としては、熱安定化剤、酸化防止剤、分散剤及び
増粘剤(チクソ剤)ヒマシ油等を用いるものとする。
【0021】(2)温度プロフアイル 実施例によるフラツクスを用いたウエツトバツク処理の
温度プロフアイルは、図2に示すように、まず常温に保
たれた区間T1からウエツトバツク処理を開始させ、次
いで 100〔℃〕程度まで保たれた区間T2、 200〔℃〕
程度まで保たれた区間T3及び 300〔℃〕程度まで保た
れた区間T4によつて段階的にプリヒートする。続いて
このウエツトバツク処理では、350 〜 400〔℃〕程度に
保たれた区間T5のメインヒートを経た後、 200〔℃〕
程度まで保たれた区間T6、 100〔℃〕程度まで保たれ
た区間T7及び常温に保たれた区間T8によつて段階的
に冷却され、ウエツトバツク処理を終了させるようにな
されている。
【0022】(3)試作フラツクスの組成 ここで上述の組成に基づき試作した3種類のフラツクス
A、B、Cと、比較のために低融点はんだ用のフラツク
スと同程度の機能を有するように試作した比較用フラツ
クスDとの配合組成を説明する。
【0023】フラツクスAの配合組成を図3に示す。フ
ラツクスAは、ロジン、活性剤及び溶剤の重量全体を 1
00〔%〕とした場合、天然ロジンとして16〔%〕のWW
ロジンと、16〔%〕の水添ロジンと、合成(重合)レジ
ンとして30〔%〕のエポキシ樹脂と、活性剤の有機酸系
化合物としてそれぞれ1〔%〕の安息香酸及びアビエチ
ン酸と、ハロゲン化合物として1〔%〕の3−アミノ−
1−プロペン塩酸塩と、溶剤として35〔%〕の 1.4−ブ
タンジオールとを配合したものである。
【0024】またフラツクスBは、図4に示すように、
ロジン、活性剤及び溶剤の重量全体を 100〔%〕とした
場合、天然ロジンとして20〔%〕のWWロジンと、20
〔%〕の水添ロジンと、合成ゴムとして22〔%〕のイソ
プレンゴムと、活性剤の有機酸系化合物として1〔%〕
のアジピン酸と、ハロゲン化合物として1〔%〕のn−
ブチルアミン塩酸塩と、溶剤として36〔%〕の2−(2
−n−ブトキシエトキシ)エタノールとを配合したもの
である。
【0025】さらにフラツクスCは、図5に示すよう
に、ロジン、活性剤及び溶剤の重量全体を 100〔%〕と
した場合、天然ロジンとして20〔%〕のWWロジンと、
30〔%〕の水添ロジンと、エラストマとして12〔%〕の
ポリエステルエラストマと、活性剤の有機酸系化合物と
してそれぞれ1〔%〕のグルタル酸及びアゼライン酸
と、プリヒートからメインヒートまで活性力を示し作用
する活性剤として1〔%〕の第4級アンモニウムと、溶
剤として35〔%〕のN−メチル−2−ピロリドンとを配
合したものである。
【0026】なお比較用フラツクスDは、図6に示すよ
うに、ロジン、活性剤及び溶剤の重量全体を 100〔%〕
とした場合、天然ロジンとして30〔%〕のWWロジン
と、30〔%〕の水添ロジンと、活性剤の有機酸系化合物
としてそれぞれ1〔%〕のアジピン酸及び安息香酸と、
溶剤として38〔%〕の 1.3−ブタンジオールとを配合し
たものである。
【0027】(4)試作フラツクスの比較試験 試作したフラツクスA、B、C及び比較用フラツクスD
をウエツトバツク処理に用いてそれぞれはんだバンプを
形成し、これらの各はんだバンプに対する各種比較試験
により各フラツクスA、B、Cの基本性能を評価するよ
うにした。
【0028】(4−1)ウエツトバツク処理の温度条件 ウエツトバツク処理においては、ウエツトバツク装置
(大和製作所製NRY-101V6LU )内の各区間を、図7に示
すように、ホツトプレート又は赤外(IR)ヒータを用
いて2種類の温度に設定した。まずホツトプレートを用
いた場合のウエツトバツク装置においては、プリヒート
として第1区間を 100〔℃〕程度、第2区間を 200
〔℃〕程度及び第3区間を300〔℃〕程度に設定し、メ
インヒートとして第4区間を 360〔℃〕程度に設定する
と共に、形成されたはんだバンプの冷却のために第5区
間を 200〔℃〕程度及び第6区間を 100〔℃〕程度に設
定するようにした。
【0029】一方赤外ヒータを用いた場合のウエツトバ
ツク装置においては、第2区間からウエツトバツグ処理
を開始するようになされており、プリヒートとして第2
区間を 250〔℃〕程度及び第3区間を 350〔℃〕程度に
設定し、メインヒートとして第4区間を 400〔℃〕程度
に設定すると共に、はんだバンプの冷却のために第5区
間を 300〔℃〕程度に設定するようにした。
【0030】またウエツトバツク装置は、各区間を窒素
濃度50〔ppm〕程度の雰囲気にし、当該各区間をウエ
ツトバツク処理対象の半導体チツプを60〔秒〕程度の間
隔で移動させてウエツトバツク処理をするようにした。
【0031】(4−2)各比較試験の条件 実際上、フラツクスA、B、C及び比較用フラツクスD
を用いて形成されたはんだバンプは、外観及び内部の形
状並びに状態の観察、機械的強度試験、洗浄性試験及び
実際にはんだバンプが形成された半導体チツプを配線基
板上に実装した場合の信頼性試験により評価した。
【0032】はんだバンプの外観及び内部の形状並びに
状態の観察においては、顕微鏡(ニコン(日本光学社)
製 OPTIPHOT )により40倍に拡大したはんだバンプの外
観を目視観察し、電子顕微鏡(以下、これをSEMと呼
び日本電子(JEOL)製 JSM-5300LU を用いた)によりは
んだバンプ内部を1000〜3000倍に拡大し観察するように
した。
【0033】はんだバンプの機械的強度試験において
は、まずシエアー試験において、半導体チツプの厚み方
向に対して直交する方向からはんだバンプの所定位置に
力を加え、当該はんだバンプが千切れる時の強度を測定
するようにした。また引つ張り強度試験において、半導
体チツプを配線基板上に実装した後、引つ張り試験機
(RHESCA PULL TESTER TYPE PTR-01)を用い、 Y dista
nce 0.2 〔mm〕、 Speed〔0.1-1.0mm/s 〕0.1 、Loca
tion〔μ〕5 の条件で半導体チツプの厚み方向にはんだ
バンプを引つ張り、当該はんだバンプが中間金属層から
剥がれる時の強度を測定するようにした。
【0034】はんだバンプの洗浄性試験においては、50
〔℃〕程度の温度にした洗浄液(旭化成社製、洗浄液エ
リーズM9000 )中に半導体チツプを浸漬し5分間揺する
洗浄を2回繰り返した後、常温のIPA(関東科学社
製、IPA(ELグレード))にその半導体チツプを浸漬
し3分間揺する洗浄を2回繰り返す。この後、顕微鏡、
SEM及びイオン交換クロマトグラフイーによつてはん
だバンプのフラツクス残土物を観察及び測定するように
した。
【0035】配線基板上に実装された半導体チツプの信
頼性試験においては、冷熱衝撃プログラム試験におい
て、冷熱衝撃試験装置((株)カトー製 サーマルシヨ
ツクチヤンバー(TSC ))を用い、−30〜150 〔℃〕の
範囲で温度をサイクル的に変化させる雰囲気中に半導体
チツプを置き、当該半導体チツプの中間金属層とはんだ
バンプとの接合部のクラツク発生の有無を確認するよう
にした。またイオンマイグレーシヨン試験において、イ
オンマイグレーシヨン計測システムAT & M(楠本化成
(株)製)を用い、高温高湿下に置かれた半導体チツプ
上のはんだバンプのうち隣り合うはんだバンプに電界を
かけることにより、陰極側に金属イオンが析出すること
によつて生じる短絡の有無を確認するようにした。
【0036】(5)試作フラツクスの比較試験結果 ここで各フラツクスA、B、C及び比較用フラツクスD
を用いてそれぞれ形成されたはんだバンプの比較結果を
図8に示すと共に、各フラツクスA、B、Cを用いて形
成されたはんだバンプの形状及び外観を図9に示す。
【0037】顕微鏡による観察においては、比較用に形
成したはんだバンプの表面が黒化し、異形はんだバンプ
及び飛散したはんだバンプが観察された。これに対して
各はんだバンプ11、12、13は、形状良好で表面に
光沢があり、飛散したはんだバンプもなかつた(図
9)。またSEMによる観察においては、比較用に形成
したはんだバンプ内部にボイド及びクラツクが多数ある
と共に、異形はんだバンプが多数発生して鉛と錫との溶
融が不十分である結果が得られた。これに対して各はん
だバンプ11、12、13は、内部にボイド及びクラツ
クがなく、鉛及び錫が均一に溶融したことにより中間金
属層との反応がなく、当該中間金属層との密着性も良好
である結果が得られた。
【0038】シエア試験においては、比較用に形成した
はんだバンプが 5〔kg〕の力で千切れたのに対し、各は
んだバンプ11、12、13は10〔kg〕の力で千切れた
結果が得られた。引つ張り試験においては、比較用に形
成したはんだバンプが 700〔kg〕の力で中間金属層から
剥がれたのに対し、各はんだバンプ11、12、13は
1500〔kg〕の力で中間金属層から剥がれた結果が得られ
た。
【0039】洗浄性試験においては、比較用に形成した
はんだバンプの洗浄後に黒く焦げたフラツクス残土物が
残り洗浄性が悪いのに対し、各はんだバンプ11、1
2、13はフラツクス残土物がなく半導体チツプの表面
が綺麗なことより洗浄性が向上した結果が得られた。冷
熱衝撃サイクル試験においては、試験開始後、24時間で
比較用に形成したはんだバンプと中間金属層との接合部
にクラツクが発生したのに対し、各はんだバンプ11、
12、13は、試験開始後、1000時間まで中間金属層と
の接合部にはクラツクが発生しない結果が得られた。イ
オンマイグレイシヨン試験においては、比較用に形成し
たはんだバンプの場合、試験開始後、24時間で隣り合う
はんだバンプ同士が短絡したのに対し、はんだバンプ1
1、12、13は、試験開始後、1000時間まで隣り合う
はんだバンプが短絡しない結果が得られた。
【0040】(6)実施例の効果 以上の組成のフラツクスA、B、Cによれば、鉛及び錫
が均一に溶融されて表面が滑らかで光沢を有するはんだ
バンプ11、12、13を形成でき、欠け等による異形
はんだバンプ及び飛散したはんだバンプがなくなること
が確認できた。かくして各フラツクスA、B、Cを用い
ることによりはんだバンプ11、12、13の形状が理
想に近い球状形状となることが確認できた。また各フラ
ツクスA、B、Cでは、鉛及び錫が均一に溶融されて内
部にボイド及びクラツクのないはんだバンプ11、1
2、13が形成できるため、当該はんだバンプ11、1
2、13と中間金属層との間に反応がなく、密着性を向
上させ得ることが確認できた。これによりはんだバンプ
11、12、13のシエアー強度及び引つ張り強度を向
上し得ることが確認できた。
【0041】さらに各フラツクスA、B、Cは、レジン
を配合することによりウエツトバツク処理のメインヒー
トに対するロジンの耐熱性を大幅に向上させることがで
きるため、ロジンの焦げつきをなくすることができ、天
然ロジンによつてはんだバンプ表面に形成される被膜の
形成性を向上し得ることが確認できた。さらに各フラツ
クスA、B、Cは、ロジンの焦げつきをなくすることが
できることにより、形成されたはんだバンプ11、1
2、13の洗浄性を向上させることができ、フラツクス
残土をなくすることができた。これにより各フラツクス
A、B、Cを用いて形成されたはんだバンプ11、1
2、13は、当該はんだバンプ11、12、13が形成
された半導体チツプを配線基板上に実装した後の品質信
頼性を向上し得ることが確認できた。
【0042】さらに各フラツクスA、B、Cは、活性剤
として有機酸系化合物及びハロゲン化合物又は有機酸系
化合物及びプリヒートとメインヒートの両段階で活性化
する活性剤を用いるようにしたことにより、プリヒート
からメインヒートまでの広範囲に亘つて活性剤を活性化
させることができるため、当該活性剤の分散性を向上さ
せることができ、活性化効率を向上し得ることが確認で
きた。さらに各フラツクスA、B、Cは、溶剤を150 〜
300〔℃〕程度、望ましくは220 〜 250〔℃〕程度の沸
点を有するようにしたことにより、ウエツトバツク処理
の際に溶剤の乾燥性を向上し得ることが確認できた。
【0043】以上のように天然ロジンと水添ロジンとの
重量全体に対し 1〔%〕〜99〔%〕程度の任意の割合で
レジンを混合したロジンと、有機酸系化合物とハロゲン
化合物とを混合した活性剤と、150 〜 300〔℃〕程度、
望ましくは220 〜 250〔℃〕程度の沸点を有する溶剤と
を配合してフラツクスを生成したことにより、ウエツト
バツク処理のような高温度条件においても使用できるフ
ラツクスを実現することができた。
【0044】(7)他の実施例 なお上述の実施例においては、天然ロジンと水添ロジン
との総重量に対して 1〔%〕ないし99〔%〕の任意の割
合で配合される溶質としてレジンを用いるようにした場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、天然ロジ
ン及び水添ロジンに対して耐熱性をもたせることができ
かつ溶剤に溶かし得る溶質であれば、この他種々の溶質
を用いるようにしても良い。
【0045】また上述の実施例においては、ウエツトバ
ツク処理によつてはんだバンプを球状形状に形成するた
めにフラツクスを用いるようにした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、その他の高温度条件におい
てはんだを用いる種々の工程等に適用するようにしても
良い。
【0046】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、天然ロジ
ンと、水添ロジンと、これらの天然ロジン及び水添ロジ
ンの総重量に対して 1〔%〕ないし99〔%〕の任意の割
合で配合される溶質と、所定温度で活性化する活性剤と
を溶剤に溶解させるようにしたことにより、ウエツトバ
ツク処理のような高温度条件において使用し得るフラツ
クスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるフラツクスの組成を示す
図表である。
【図2】実施例によるウエツトバツク処理の温度プロフ
アイルを示す略線図である。
【図3】実施例による試作フラツクスAの配合組成を示
す図表である。
【図4】実施例による試作フラツクスBの配合組成を示
す図表である。
【図5】実施例による試作フラツクスCの配合組成を示
す図表である。
【図6】比較用フラツクスの配合組成を示す図表であ
る。
【図7】実施例によるウエツトバツク処理の温度条件を
示す図表である。
【図8】実施例による各試作フラツクス及び比較用フラ
ツクスによつて形成されたはんだバンプの比較結果を示
す図表である。
【図9】実施例によるフラツクスを用いて形成されたは
んだバンプの形状を示す略線図である。
【図10】従来のはんだバンプ形成手順を示す断面図で
ある。
【図11】従来のフラツクスを用いて形成されたはんだ
バンプの形状を示す略線図である。
【符号の説明】
1……半導体チツプ、2……Alパツド、3……パツシ
ベーシヨン膜、4……ポリイミド膜、5……中間金属
層、6……鉛層、7……錫層、8……フラツクス、9、
10、11、12、13……はんだバンプ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ロジンと、 水添ロジンと、 上記天然ロジン及び上記水添ロジンの総重量に対して 1
    〔%〕ないし99〔%〕の任意の割合で配合される溶質
    と、 所定温度で活性化する活性剤と、 上記天然ロジンと、上記水添ロジンと、上記溶質と、上
    記活性剤とを溶解させる溶剤とを具えることを特徴とす
    るフラツクス。
  2. 【請求項2】上記溶質は、 合成レジン、天然ゴム、合成ゴム又はエラストマの単体
    又は複数を配合してなることを特徴とする請求項1に記
    載のフラツクス。
  3. 【請求項3】上記合成レジンは、 エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
    ミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹
    脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン
    樹脂、フツ素系樹脂又はABS樹脂の単体又は複数を配
    合してなることを特徴とする請求項2に記載のフラツク
    ス。
  4. 【請求項4】上記合成ゴムは、 イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエン
    ゴム、クロロプレンゴム又はナイロンゴムの単体又は複
    数を配合してなることを特徴とする請求項2に記載のフ
    ラツクス。
  5. 【請求項5】上記エラストマは、 ナイロン系エラストマ又はポリエステル系エラストマの
    単体又は複数を配合してなることを特徴とする請求項2
    に記載のフラツクス。
  6. 【請求項6】上記溶剤は、沸点が 150〔℃〕ないし 300
    〔℃〕程度であることを特徴とする請求項1に記載のフ
    ラツクス。
  7. 【請求項7】上記溶剤は、沸点が 220〔℃〕ないし 250
    〔℃〕程度であることを特徴とする請求項1に記載のフ
    ラツクス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20110109890A (ko) 2010-03-30 2011-10-06 아라까와 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 땜납용 플럭스 및 땜납 조성물
CN113088856A (zh) * 2021-03-31 2021-07-09 江西科技师范大学 深共熔溶剂类热镀锌添加剂及其制备方法和应用
JP2021154332A (ja) * 2020-03-26 2021-10-07 株式会社タムラ製作所 はんだ組成物および電子基板

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