JPH0910929A - 鋼管柱と梁材の接合部形成方法 - Google Patents
鋼管柱と梁材の接合部形成方法Info
- Publication number
- JPH0910929A JPH0910929A JP7156295A JP15629595A JPH0910929A JP H0910929 A JPH0910929 A JP H0910929A JP 7156295 A JP7156295 A JP 7156295A JP 15629595 A JP15629595 A JP 15629595A JP H0910929 A JPH0910929 A JP H0910929A
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- Japan
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- tubular column
- steel pipe
- steel tubular
- annular body
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- Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋼管柱と梁材の接合部を形成するに際して、
溶接部に残留応力や硬度上昇部を発生させない。 【構成】 鋼管柱の梁材接合部に梁材のフランジに対応
して環状体を嵌め込み、次いで環状体と鋼管柱とを溶接
接合し、鋼管柱と梁材の接合部を形成する鋼管柱と梁材
の接合部形成方法において、前記環状体と鋼管柱との溶
接接合部を450〜700℃の範囲のほぼ一定の保持温
度で加熱し、その後常温まで冷却する鋼管柱と梁材の接
合部形成方法。
溶接部に残留応力や硬度上昇部を発生させない。 【構成】 鋼管柱の梁材接合部に梁材のフランジに対応
して環状体を嵌め込み、次いで環状体と鋼管柱とを溶接
接合し、鋼管柱と梁材の接合部を形成する鋼管柱と梁材
の接合部形成方法において、前記環状体と鋼管柱との溶
接接合部を450〜700℃の範囲のほぼ一定の保持温
度で加熱し、その後常温まで冷却する鋼管柱と梁材の接
合部形成方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼管柱と梁材を接合
するために、鋼管柱の梁材フランジ接合部に位置する部
分に環状体を嵌め込んで溶接接合して、鋼管柱と梁材の
接合部を形成する場合の鋼管柱と梁材の接合部形成方法
に関する。
するために、鋼管柱の梁材フランジ接合部に位置する部
分に環状体を嵌め込んで溶接接合して、鋼管柱と梁材の
接合部を形成する場合の鋼管柱と梁材の接合部形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄骨柱に環状体を嵌め込み、環状体の開
口部と鉄骨柱との隙間を溶接して、環状体と鉄骨柱を接
合して鉄骨柱に接合する梁の接合部を形成する方法は、
特開平5−255972号公報に開示されている。この
方法は、閉鎖断面の鉄骨柱に、鉄骨柱の外周の寸法より
も少々大きい開口を有する環状体を2枚嵌め込み、これ
らの環状体を鉄骨梁のフランジ取付け位置に対応する鉄
骨柱の部分に隅肉溶接するものである。
口部と鉄骨柱との隙間を溶接して、環状体と鉄骨柱を接
合して鉄骨柱に接合する梁の接合部を形成する方法は、
特開平5−255972号公報に開示されている。この
方法は、閉鎖断面の鉄骨柱に、鉄骨柱の外周の寸法より
も少々大きい開口を有する環状体を2枚嵌め込み、これ
らの環状体を鉄骨梁のフランジ取付け位置に対応する鉄
骨柱の部分に隅肉溶接するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平5−255972号公報に開示されている鉄骨
柱に接合する梁の接合部を形成する方法は、単に環状体
の開口部寸法を鉄骨柱の外周の寸法よりも少々大きい寸
法とし、この環状体を鉄骨柱に嵌め込んで単に溶接する
だけであるので、次のような問題点があった。すなわ
ち、単に溶接するだけであると、溶接部に残留応力が発
生し、その残留応力が外部負荷応力と重畳し、溶接部を
起点として破壊が起こりやすいという問題点がある。
た特開平5−255972号公報に開示されている鉄骨
柱に接合する梁の接合部を形成する方法は、単に環状体
の開口部寸法を鉄骨柱の外周の寸法よりも少々大きい寸
法とし、この環状体を鉄骨柱に嵌め込んで単に溶接する
だけであるので、次のような問題点があった。すなわ
ち、単に溶接するだけであると、溶接部に残留応力が発
生し、その残留応力が外部負荷応力と重畳し、溶接部を
起点として破壊が起こりやすいという問題点がある。
【0004】また、溶接による鋼管柱側の熱影響部(H
AZ)が硬化し、破壊起点となりやすいという問題点も
ある。
AZ)が硬化し、破壊起点となりやすいという問題点も
ある。
【0005】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、鋼管柱や梁材
に破壊を起こさせない鋼管柱と梁材の接合部形成方法を
提供することを目的としている。
点を解消するためになされたものであり、鋼管柱や梁材
に破壊を起こさせない鋼管柱と梁材の接合部形成方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【問題点を解決するための手段】この発明に係る鋼管柱
と梁材の接合部形成方法は、鋼管柱の梁材接合部に梁材
のフランジに対応して環状体を嵌め込み、次いで環状体
と鋼管柱とを溶接接合し、鋼管柱と梁材の接合部を形成
する鋼管柱と梁材の接合部形成方法において、前記環状
体と鋼管柱との溶接接合部を450〜700℃の範囲の
ほぼ一定の保持温度で加熱し、その後常温まで冷却する
ものである。
と梁材の接合部形成方法は、鋼管柱の梁材接合部に梁材
のフランジに対応して環状体を嵌め込み、次いで環状体
と鋼管柱とを溶接接合し、鋼管柱と梁材の接合部を形成
する鋼管柱と梁材の接合部形成方法において、前記環状
体と鋼管柱との溶接接合部を450〜700℃の範囲の
ほぼ一定の保持温度で加熱し、その後常温まで冷却する
ものである。
【0007】
【作用】この発明に係る鋼管柱と梁材の接合部形成方法
において、溶接後の溶接部を450〜700℃の温度範
囲で均一に加熱するのは、次の理由による。すなわち、
450℃未満であると、残留応力及びHAZ硬さの低減
効果がない。また、700℃を超えると、そのような高
温にさらされた溶接金属、鋼管及び環状体の強度、靱性
が低下して、材質上好ましくない。
において、溶接後の溶接部を450〜700℃の温度範
囲で均一に加熱するのは、次の理由による。すなわち、
450℃未満であると、残留応力及びHAZ硬さの低減
効果がない。また、700℃を超えると、そのような高
温にさらされた溶接金属、鋼管及び環状体の強度、靱性
が低下して、材質上好ましくない。
【0008】保持温度での保持時間は特に規定しない
が、(1)式に示すPの値が、14.46×103 〜1
8.41×103 であることが望ましい。
が、(1)式に示すPの値が、14.46×103 〜1
8.41×103 であることが望ましい。
【0009】 P=(T+273)×{log(t)+20}…………(1) ただし、T:保持温度(℃) t:保持時間(hr) また、冷却速度も特に規定しないが、保持温度から35
0℃までの間は概ね2℃/秒よりも遅い速度で冷却する
のが望ましい。更に望ましくは、0.03〜2℃/秒の
冷却速度で冷却するとよい。
0℃までの間は概ね2℃/秒よりも遅い速度で冷却する
のが望ましい。更に望ましくは、0.03〜2℃/秒の
冷却速度で冷却するとよい。
【0010】
【実施例】この発明の実施例の鋼管柱と梁材の接合部形
成方法を、以下に説明する。
成方法を、以下に説明する。
【0011】鍛造した内径710mm、板厚60mm
で、開口部内周上下端に開先深さ4mmの開先を設けた
環状体を、外径700mm、肉厚35mmの鋼管柱に嵌
め込み、前記開先をCO2 半自動溶接機により、隅肉溶
接を行った。その時の溶接条件は、1パス毎の入熱量が
18kj/cmであり、溶接層数は9層である。
で、開口部内周上下端に開先深さ4mmの開先を設けた
環状体を、外径700mm、肉厚35mmの鋼管柱に嵌
め込み、前記開先をCO2 半自動溶接機により、隅肉溶
接を行った。その時の溶接条件は、1パス毎の入熱量が
18kj/cmであり、溶接層数は9層である。
【0012】そして、溶接部をバンドヒーターにより局
部加熱し均一な温度にした後、大気中で自然放冷(冷却
速度1℃/秒)した。その時の溶接部近傍の残留応力の
分布を調べるために、残留応力のある各点にひずみゲー
ジを貼った後、残留応力を解放し、解放された後のひず
みを測定した。その結果を、上記熱処理を施さない場合
と比較して、図1のグラフに示す。横軸は鋼管柱の長手
方向の位置を示し、A、B点は図2に示す環状体1と鋼
管柱2との溶接部3を示す。
部加熱し均一な温度にした後、大気中で自然放冷(冷却
速度1℃/秒)した。その時の溶接部近傍の残留応力の
分布を調べるために、残留応力のある各点にひずみゲー
ジを貼った後、残留応力を解放し、解放された後のひず
みを測定した。その結果を、上記熱処理を施さない場合
と比較して、図1のグラフに示す。横軸は鋼管柱の長手
方向の位置を示し、A、B点は図2に示す環状体1と鋼
管柱2との溶接部3を示す。
【0013】また、図1において、○印は熱処理を施さ
ない場合の値であり、●は熱処理を行った場合の値であ
る。この熱処理における加熱は、保持温度550℃、保
持時間30分(前記Pの値が16210)である。この
図から明らかなように、本発明の熱処理により残留応力
は大幅に低減していることが分かる。
ない場合の値であり、●は熱処理を行った場合の値であ
る。この熱処理における加熱は、保持温度550℃、保
持時間30分(前記Pの値が16210)である。この
図から明らかなように、本発明の熱処理により残留応力
は大幅に低減していることが分かる。
【0014】表1は、鋼管柱と環状体の熱影響部(HA
Z)の硬度を、熱処理における加熱の保持温度と保持時
間との関係で整理したものである。表1から、熱処理に
よりHAZの硬度を低減できることが分かる。
Z)の硬度を、熱処理における加熱の保持温度と保持時
間との関係で整理したものである。表1から、熱処理に
よりHAZの硬度を低減できることが分かる。
【0015】
【表1】
【0016】図3は前記Pの値と残留応力に対応する残
留応力解放後のひずみとの関係を示すグラフである。こ
の図から、Pの値を14460、すなわち加熱時の保持
温度を450℃、保持時間を1時間とすれば、十分に残
留応力を低減できることが分かる。また、保持温度を7
00℃とすれば、保持時間が1分でも十分に残留応力を
低減できるので、それ以上の高温に加熱して、溶接金
属、鋼管及び環状体の強度、靱性を、いたずらに低下さ
せる必要はない。
留応力解放後のひずみとの関係を示すグラフである。こ
の図から、Pの値を14460、すなわち加熱時の保持
温度を450℃、保持時間を1時間とすれば、十分に残
留応力を低減できることが分かる。また、保持温度を7
00℃とすれば、保持時間が1分でも十分に残留応力を
低減できるので、それ以上の高温に加熱して、溶接金
属、鋼管及び環状体の強度、靱性を、いたずらに低下さ
せる必要はない。
【0017】なお、加熱部位は鋼管全体でもよく、その
場合には、鋼管を加熱炉に装入して加熱してもよい。
場合には、鋼管を加熱炉に装入して加熱してもよい。
【0018】また、加熱方法もバンドヒーターに限ら
ず、バーナ加熱や局部的な炉加熱でもよい。
ず、バーナ加熱や局部的な炉加熱でもよい。
【0019】さらには、加熱後の冷却は、自然放冷の他
に、強制空冷や水冷によってもよい。
に、強制空冷や水冷によってもよい。
【0020】
【発明の効果】この発明により、鋼管柱に梁接合用の環
状体を溶接して、梁接合部を形成する場合に、溶接部に
残留応力や硬度上昇部が発生することがない。
状体を溶接して、梁接合部を形成する場合に、溶接部に
残留応力や硬度上昇部が発生することがない。
【図1】溶接部の残留応力に対応するひずみの分布を示
すグラフである。
すグラフである。
【図2】入熱量と残留応力の関係を示すグラフである。
【図3】Pの値と残留応力に対応する残留応力解放後の
ひずみとの関係を示すグラフである。
ひずみとの関係を示すグラフである。
1 環状体 2 鋼管柱 3 溶接部
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼管柱の梁材接合部に梁材のフランジに
対応して環状体を嵌め込み、次いで環状体と鋼管柱とを
溶接接合し、鋼管柱と梁材の接合部を形成する鋼管柱と
梁材の接合部形成方法において、前記環状体と鋼管柱と
の溶接接合部を450〜700℃の範囲のほぼ一定の保
持温度で加熱し、その後常温まで冷却することを特徴と
する鋼管柱と梁材の接合部形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7156295A JPH0910929A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 鋼管柱と梁材の接合部形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7156295A JPH0910929A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 鋼管柱と梁材の接合部形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0910929A true JPH0910929A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15624699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7156295A Withdrawn JPH0910929A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | 鋼管柱と梁材の接合部形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0910929A (ja) |
-
1995
- 1995-06-22 JP JP7156295A patent/JPH0910929A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020903 |