JPH09108776A - 銅合金を用いた鋳造用金型 - Google Patents

銅合金を用いた鋳造用金型

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JPH09108776A
JPH09108776A JP26714695A JP26714695A JPH09108776A JP H09108776 A JPH09108776 A JP H09108776A JP 26714695 A JP26714695 A JP 26714695A JP 26714695 A JP26714695 A JP 26714695A JP H09108776 A JPH09108776 A JP H09108776A
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Naokuni Muramatsu
尚国 村松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳造用金型として最適の熱伝導性−硬さバラン
スを有し、健全なアルミ鋳造品をハイサイクルで生産す
ることができ、また金型の製作・補修も容易な鋳造用金
型を提供する。 【解決手段】金型を、ブリネル硬さが 180〜300 でか
つ、熱伝導度が0.25〜0.55cal/s・cm・℃を満足する
銅合金で製作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミ鋳造用金
型としてとりわけ好適な熱伝導性−硬さバランスに優れ
た銅合金製の鋳造用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、アルミ鋳造用の金型としては、熱
間ダイス鋼が一般的に用いられている。というのは、こ
の熱間ダイス鋼は、安価なことに加え、耐熱性に優れて
いるからである。しかしながら、その他の面からは必ず
しも十分とはいい難く、以下に述べるような問題を残し
ていた。 (1) 金型の昇温に長時間が必要。 鋳造に入る前には、そのつど金型の予熱昇温が必要であ
るが、鋼材は一般に熱伝導度が低いので、この昇温に時
間がかかる。 (2) 鋳造のサイクルタイムが長い。 鋳造サイクルは、注湯→凝固→鋳物取り出しからなる
が、熱伝導度の低い鋼材では金型の抜熱能力が低いの
で、凝固に長時間を要す。 (3) 鋳物不良が発生する。 熱伝導度の低い鋼材では、金型の温度制御が難しく、と
くに加熱したい箇所の温度保持や冷却したい箇所の抜熱
が制御できない。このため、前者の場合には湯回り不足
(形状不良)が、また後者の場合には引け巣(ピンホー
ル欠陥)が生じる。
【0003】上述したとおり、従来の熱間ダイス鋼は、
熱伝導度が低いために種々の問題を残していた。ところ
で、熱伝導性の観点からは、熱伝導度の高い銅合金の使
用が考えられるが、銅合金は鋼材に比べて柔らかいの
で、機械加工性及び金型の補修に必要な溶接性の点に問
題を残していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、鋳造用金
型として最適の熱伝導度と硬さを付与することにより、
上記した種々の問題を有利に克服した銅合金製の金型を
提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、鋳造用
金型としての最適の熱伝導性−硬さバランスに関し、そ
の最適範囲を見出すべく、熱伝導度と硬さの種々に異な
る材料を用いて金型を製作し、 300mmφ×20mmTのアル
ミニウム製品を鋳造し、得られた鋳造品の品質、鋳造サ
イクル及び金型製作の難易度について調査した。その結
果を表1に示す。
【0006】
【表1】
【0007】同表に示したとおり、この種金型として
は、熱伝導度が0.25〜0.55cal/s・cm・℃でかつ、硬
さがブリネル硬さで 180〜300 の範囲を満足しているも
のが最適であることが判明した。この発明は、上記の知
見に立脚するものである。
【0008】すなわち、この発明は、ブリネル硬さが 1
80〜300 でかつ、熱伝導度が0.25〜0.55 cal/s・cm・
℃を満足することを特徴とする銅合金を用いた鋳造用金
型である。この鋳造用金型は、アルミ鋳造用金型として
の用途に用いてとりわけ好適なものである。
【0009】かかる鋳造用金型素材としては、Ni:1.0
〜2.0 wt%、Co:0.1 〜0.6 wt%、Be:0.15〜0.30wt%
およびMg:0.2 〜0.7 wt%を含有し、残部は実質的にCu
の組成になる銅合金が有利に適合する。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明において、金型のブリネ
ル硬さ(HB ) を 180〜300 、熱伝導度を0.25〜0.55 c
al/s・cm・℃の範囲に限定した理由は次のとおりであ
る。すなわち、HB が 180に満たないと軟らかすぎて切
削性が悪くなり、一方 300を超えると硬すぎて切削工数
が増加する。また、熱伝導度が0.25 cal/s・cm・℃に
満たないと、鋳造サイクルが長くなると共に、鋳造欠陥
が増大し、一方0.55cal/s・cm・℃を超えると熱伝導
性が高すぎて溶接性が悪化する。
【0011】次に、この発明において、金型材料として
の銅合金の成分組成を上記の範囲に限定した理由につい
て説明する。 Ni:1.0 〜2.0 wt% Niは、NiBe化合物の形成による強度向上のために添加す
るが、含有量が 1.0wt%に満たないとその添加効果に乏
しく、一方 2.0wt%を超えると強度改善効果は飽和に達
し、むしろ熱伝導度が低下する不利が生じるので、含有
量は 1.0〜2.0wt%の範囲に限定した。
【0012】Co:0.1 〜0.6 wt% Coは、CoBe化合物の形成による強度向上のために添加す
るが、含有量が 0.1wt%未満ではその添加効果に乏し
く、一方 0.6wt%を超えて多量に含有されると脆性が増
し熱間加工性が阻害されるので、 0.1〜0.6 wt%の範囲
に限定した。
【0013】Be:0.15〜0.30wt% Beは、NiやCoと結合し、NiBeやCoBe化合物を形成して強
度の向上に有効に寄与するが、含有量が0.15wt%に満た
ないとその添加効果に乏しく、一方0.30wt%を超えると
熱伝導度が低下する不利が生じるので、0.15〜0.30wt%
の範囲に限定した。
【0014】Mg:0.2 〜0.7 wt% Mgは、高温での延性向上のために添加するが、含有量が
0.2wt%未満では延性改善効果が十分ではなく、一方
0.7wt%を超えると延性改善効果が劣化するだけでなく
熱伝導度の面でも不利となるので、 0.2〜0.7 wt%の範
囲で含有させるものとした。
【0015】次に、この発明の銅合金製の金型の製造方
法について説明する。本合金は、析出硬化型合金である
ため、溶体化処理と時効処理の2ステップの熱処理を施
すことが必要であり、それぞれ 850〜1000℃、 400〜50
0 ℃で処理することが好ましい。本合金は、上記の熱処
理を除けば、他の一般の銅基合金材料と同様の製造法に
よって製造することができ、かくして、ブリネル硬さが
180〜300 でかつ熱伝導度が0.25〜0.55 cal/s・cm・
℃以上の優れた熱伝導性−硬さバランスを有し、アルミ
鋳造品の鋳造欠陥がなく、鋳造サイクルが短く、しかも
金型の製作・補修が良好な鋳造用金型が得られるのであ
る。
【0016】
【実施例】表2に示す種々の組成になる銅合金の鋳塊
を、熱間塑性加工により粗成形した後、 900℃,1時間
の溶体化処理を施した。ついで、中間成形後、 450℃,
3時間の時効処理を施した後、切削加工により最終製品
形状に仕上げた。かくして得られた各供試材の硬さ(H
B )及び熱伝導度について調査した結果を表2に併記す
る。なお、表2には、比較のため、従来材である熱間ダ
イス鋼(SKD61)およびジルコニウム入りクロム銅製の金
型についての調査結果も併せて示す。
【0017】
【表2】
【0018】同表から明らかなように、この発明に従い
得られた金型はいずれも、硬さおよび熱伝導度が所定の
範囲を満足する優れた熱伝導性−硬さバランスを呈して
いる。
【0019】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、最適の熱
伝導性−硬さバランスをそなえる鋳造用金型を得ること
ができ、ひいては欠陥のない健全なアルミ鋳造品をハイ
サイクルで生産できるだけでなく、金型の製作・補修も
従来材である熱間ダイス鋼とほぼ同様に行うことができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブリネル硬さが 180〜300 でかつ、熱伝導
    度が0.25〜0.55 cal/s・cm・℃を満足することを特徴
    とする銅合金を用いた鋳造用金型。
  2. 【請求項2】金型がアルミ鋳造用である、請求項1記載
    の鋳造用金型。
  3. 【請求項3】銅合金の成分組成が、 Ni:1.0 〜2.0 wt%、 Co:0.1 〜0.6 wt%、 Be:0.15〜0.30wt%および Mg:0.2 〜0.7 wt%を含有し、残部は実質的にCuの組成
    になる請求項1又は2記載の鋳造用金型。
JP26714695A 1995-10-16 1995-10-16 熱伝導性−硬さバランスに優れた鋳造用金型 Expired - Lifetime JP2971790B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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