JPH09105488A - 管結合の２つのフランジを互いに圧着するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の問題を解決し、かつ軽量、安価で
あり、しかも申し分のない、信頼性の高い機能を可能に
する、管結合の２つのフランジを互いに圧着するための
装置を提供する。 【解決手段】 各圧力片（７）の第１の側面（５）がジ
ョイント（９）の軸線に対して垂直な平面（Ｅ１）に対
して第１の角度（α）で傾斜しており、各圧力片（７）
の第２の側面（６；１５）がジョイント（９）の軸線に
対して垂直な平面（Ｅ２）に対して第１の角度（α）よ
りも小さな第２の角度（β）で傾斜しており、かつ締付
け装置（２０，２１，２２）が、この締付け装置によっ
て互いに隣接した両ジョイント（９）に対して及される
引張り力（Ａ）がジョイント（９）の軸線に対して垂直
な平面（Ｅ１）の、第２の側面（６；１５）とは反対の
側に生じ、かつ各圧力片（７）の第１の側面（５）の、
第２の側面（６；１５）に近い方の縁（Ｂ）を通るよう
に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、管結合の２つのフ
ランジを互いに圧着するための装置であって、平行な軸
線を持つジョイントを介して旋回可能に互いに結合され
た条板と圧力片とを備えた締付けチェーンと、２つの互
いに隣接したジョイントを互いに引張るための締付け装
置少なくとも１つとを備えており、圧力片が各２つの、
フランジへ当接するための側面を備えている形式のもの
に関する。管結合のフランジ間には普通シール部材が配
置されている。

【０００２】

【従来の技術】２つの円錐形のフランジが締付けチェー
ンによって包囲され、かつこのチェーンを引張ることに
よって迅速な開閉を行うように設定された適切な閉鎖部
材を用いて軸方向に互いに圧着され得る、上記のような
装置は種々の構成が公知である。装置は密な結合を保証
することができ、結合は設計により金属シールにも好適
であり、または大きな過剰圧力に耐えることができる。
しかし公知の装置の締付けチェーンは重大な欠点をすべ
て持つ。

【０００３】しかもこれらの装置はすべて２つの円錐形
状のフランジだけを圧着するために使用される。したが
ってこれらの装置は多大な過剰費用なしには新規配管に
使用することができない。円筒形に構成された、すなわ
ち平らな外面を持つ既存のフランジを迅速締付け装置を
用いて円錐形のフランジと圧着する（例えばある装置に
溶接されたフランジに迅速に、多数のねじを使わずに緩
めて取外すことができる盲フランジを設けるために）こ
とが望まれる場合が多くある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題を解決し、かつ軽量、安価であり、しかも申し分
のない、信頼性の高い機能を可能にする、冒頭に記載の
種類の装置を得ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、各圧力片の第１の側面がジョイン
トの軸線に対して垂直な平面に対して第１の角度で傾斜
しており、各圧力片の第２の側面がジョイントの軸線に
対して垂直な平面に対して第１の角度よりも小さな第２
の角度で傾斜しており、かつ締付け装置が、この締付け
装置によって互いに隣接した両ジョイントに対して及さ
れる引張り力がジョイントの軸線に対して垂直な平面
の、第２の側面とは反対の側に生じ、かつ各圧力片の第
１の側面の、第２の側面に近い方の縁を通るように配置
されていることである。

【０００６】

【発明の効果】本発明による装置において、従来の締付
けチェーンの利点に片方が円錐形のフランジも既存の円
筒形のフランジに取付けることができるという利点が加
えられる。適切な設計では金属シールと一緒に用いるこ
ともできる。

【０００７】本発明による装置により、多くのスペース
を要する高価なアダプタ片を仲介させることなく、かつ
既存の設備を変更する（例えば旧フランジを分離して新
規フランジを溶接する）ことなく多数の新規の用途が可
能である。

【０００８】すべての圧力片を同一に構成し、かつ完全
に均一にフランジの全周に分配し得ることによって、適
切な締付け装置と一緒に使用して特に簡単で安価な解決
手段が可能である。これは大きな密着力（金属シール）
およびまたは大きな圧力およびまた相応する温度変化ま
たは加熱過程を伴う低温または高温の存在の際にはきわ
めて重要である。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１には円錐形のフランジ１と円
筒形のフランジ２の管結合が示されており、これらの間
にはシール部材３が配置されている。シール部材はま
た、フランジ１と２とを段部４を介して互いにセンタリ
ングするためにも働く。フランジ１は円錐形の外面を有
し、この外面には圧力片７の円錐形の側面５が当接して
いる。フランジ２は平らな円環形の端面を有し、この端
面には圧力片７の平らで円環形の側面６が当接してい
る。圧力片７は例えば図４に示されているように締付け
チェーン内に配置されており、かつチェーンジョイント
８内に旋回可能に支承されている。チェーンジョイント
８は実施例ではピン９によって形成されている。ピン９
には条板１０も支承されており、条板は締付けチェーン
チェーン内でジョイントを隣接のチェーンジョイントと
結合している。条板１０は圧力片７の外側に配置され、
かつワッシャ１１によって確保されている。

【００１０】圧力片７はさらに少なくとも１つの側に外
方へ引出された縁１２を有し、この縁は圧力片の幅の方
向で見て条板１０の領域内へ延びており、かつ条板１０
と協働して圧力片７の条板に対する旋回性を制限してい
る。

【００１１】ピン９にはまた締付け装置の部材２１も支
承されており、この部材は、締付けチェーン内の２つの
互いに隣接したチェーンジョイントを互いに引張る働き
をする。締付け装置は部材２１でもって片側の圧力片の
円錐形のフランジ５の側に配置されており、したがって
締付け装置によって互いに隣接した両チェーンジョイン
トに対して及される引張り力Ａは（圧力片７に働く反力
（圧力片７のフランジ１，２との摩擦も含む）と一緒
に）圧力片に対して図１で見て時計回り方向の著しいト
ルクを発生することはない。この事情は、引張り力Ａが
平面Ｅ１内に、または平面Ｅ１から外側に距離ｘ内に、
またはこの平面のせいぜいほんのわずか内側に生じる場
合に該当する。平面Ｅ１はチェーンジョイントに軸線に
対して垂直であり、かつ円錐形のフランク５の、他方の
フランク６に近い方の縁Ｂを通る。平面Ｅ１の“外側”
とは、引張り力Ａが平面Ｅ１の、第２のフランク６とは
反対の側に生じることを意味する。この片側配置は、締
付けチェーンが図１で見て右側において斜めに収縮しな
いようにするために必要である。締付け装置の片側配置
によってすべてのチェーン部材に対して図１で見て逆時
計回り方向のトルクが作用し、このトルクは側面５，６
によって受止められる。

【００１２】図２に示された圧力片７は、第２の側面１
５がやはり円錐形である点で図１による圧力片とは異な
っている。側面１５はチェーンジョイントの軸線に垂直
な平面Ｅ２との間に角度βを形成する（図１ではこの角
度は零である）。角度βは第１の側面５とチェーンジョ
イントの軸線に垂直な平面Ｅ１との間の角度αよりも小
さい。

【００１３】図３には本発明による装置の端面の図が示
されており、圧力片７がチェーンジョイントのピン９お
よび条板１０と一緒に締付けチェーンを形成する様子が
判る。各圧力片７はこの実施例では２つのピン９を支持
している。同様にしてナット２０および２つのアイ付ね
じ２１，２２からなる締付け装置の配置が判る。両アイ
付ねじは右ねじ山および左ねじ山を有し、したがって対
応する雌ねじを有するナット２０の回転によって閉鎖部
材が締付けられ得る。両アイ付ねじ２１，２２はやはり
ピン９に支承されている。装置は締付けチェーンの周部
に唯一の締付け装置を有しているにすぎず、締付け装置
は互いに隣接した２つのピン９間で条板１０の代りに配
置されている。

【００１４】図４には図３と同様の装置が示されている
が、均一な引締めを達成し得るように周部に２つの締付
け装置２０，２１，２２が配置されている。この図では
また圧力片７に１個のみのピン９が使用された例が示さ
れている。

【００１５】図５には締付け装置２０，２１，２２の側
面図である。両アイ付ねじ２１，２２は条板１０の外側
で同一のピン９に支承されており、かつワッシャ１１に
よって保持されている。圧力片７はここでも図４と同様
に唯一のピン９を支持する。

【００１６】図６には同じ配置が示されているが、アイ
付ねじ２１，２２の支承が条板１０の内部で行われてい
る。２つの図示されたピン９間で条板が両側で片側の締
付け装置２０，２１，２２によって代えられているのが
判る。

【００１７】図７および図９には支持面２５を持つ圧力
片７の円錐形の側面５が示されている。この支持面は、
この支持面２５の曲率半径（Radius)が円錐形のフラン
ジ１の外径よりも大きいことによって得られる。これは
フランジ１に対する圧力片７の半径方向位置が厳密に正
確でない場合にも制御された支持面を得るのに有利であ
る。

【００１８】圧力片７の側面５の曲率がフランジ１に対
して厳密に適合せしめられた直径状態（Durchmesserver
haeltnis)においては（支持面２５の不在では）、締付
けチェーンの締付けおよびシール部材３の圧着の開始時
には圧力片７の端部２９においてだけ支持が生じるであ
ろう、これによりフランジ１が傷つけられるおそれがあ
る。この支持は後に圧力片７が理論的に正しい半径方向
位置に到達して初めて側面５に対する面圧へ移行し、さ
らに後にこの半径方向位置を通過後側面５の中央領域内
での支持へ移行しよう。

【００１９】それに対して支持面２５を有していると、
側面５の中央領域内での支持が直ちに得られ、したがっ
て圧力片７の各半径方向位置における制御された面圧も
得られる。

【００２０】図１０および図１１には２つの支持面２
６，２７を持った円錐形の側面５の構成が示されてい
る。この構成は、圧力片７がそれぞれ図７と図９に示さ
れた圧力片に相当する２つのセグメントから形成されて
いることによって得られる。各圧力片７における２つの
支持面２６，２７でもってフランジの全周において倍数
の支持箇所が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による装置の圧力片を管結合のフランジ
とシール部材と一緒に示した縦断面図である。

【図２】傾斜の異なる側面を持つた圧力片の実施例を示
した図である。

【図３】締付け装置と、条板の固定のために２つのピン
を備えた圧力片とを備えた装置の端面の図である。

【図４】締付け装置と、条板の固定のために１つのピン
を備えた圧力片とを備えた装置の端面の図である。

【図５】締付け装置の圧力片への固定の仕方の１例を示
した図である。

【図６】締付け装置の圧力片への固定の仕方の別の例を
示した図である。

【図７】縁錐形の側面内に支持面を形成された圧力片を
内側から見た図である。

【図８】図７による圧力片の断面図である。

【図９】図８のＬ１−Ｌ１線に沿った断面図である。

【図１０】円錐形の側面が２つのセグメントに分割さ
れ、かつ各セグメント内に各１つの支持面が形成された
圧力片を内側から見た図である。

【図１１】図１０による圧力片の断面図である。

【図１２】図１１のＬ２−Ｌ２線に沿った断面図である

【符号の説明】

１，２ フランジ、 ３ シール部材、 ４ 段部、
５，６，１５ 側面、７ 圧力片、 ８ チェーンジョ
イント、 ９ ピン、 １０ 条板、 １１ワッシャ、
１２ 縁、 ２０，２１，２２ 締めつけ装置、 ２
５，２６，２７ 支持面、 ２９ 端部

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管結合の２つのフランジ（１，２）を互
   いに圧着するための装置であって、平行な軸線を持つジ
   ョイント（９）を介して旋回可能に互いに結合された条
   板（１０）と圧力片（７）とを備えた締付けチェーン
   と、２つの互いに隣接したジョイント（９）を互いに引
   張るための締付け装置（２０，２１，２２）少なくとも
   １つとを備えており、圧力片（７）が各２つの、フラン
   ジ（１，２）へ当接するための側面（５，６；５，１
   ５）を備えている形式のものにおいて、各圧力片（７）
   の第１の側面（５）がジョイント（９）の軸線に対して
   垂直な平面（Ｅ１）に対して第１の角度（α）で傾斜し
   ており、各圧力片（７）の第２の側面（６；１５）がジ
   ョイント（９）の軸線に対して垂直な平面（Ｅ２）に対
   して第１の角度（α）よりも小さな第２の角度（β）で
   傾斜しており、かつ締付け装置（２０，２１，２２）
   が、この締付け装置によって互いに隣接した両ジョイン
   ト（９）に対して及される引張り力（Ａ）がジョイント
   （９）の軸線に対して垂直な平面（Ｅ１）の、第２の側
   面（６；１５）とは反対の側に生じ、かつ各圧力片
   （７）の第１の側面（５）の、第２の側面（６；１５）
   に近い方の縁（Ｂ）を通るように配置されていることを
   特徴とする、管結合の２つのフランジを互いに圧着する
   ための装置。
2. 【請求項２】 第２の角度(β)が零にほぼ等しい、請求
   項１記載の装置。
3. 【請求項３】 すべての圧力片（７）が同一であって、
   締付けチェーン内にほぼ一定の間隔で配置されている、
   請求項１または２記載の装置。
4. 【請求項４】 締付け装置（２０，２１，２２）が各２
   つの互いに隣接したジョイント（９）の条板（７）を互
   いに結合する、請求項１から３までのいずれか１項記載
   の装置。
5. 【請求項５】 締付け装置（２０，２１，２２）が、１
   つが左ねじ山を有し、他が右ねじ山を有する２つのアイ
   付ねじ（２１，２２）とこれらの両ねじ山を受容する共
   通のナット（２０）とを備えている、請求項１から４ま
   でのいずれか１項記載の装置。
6. 【請求項６】 ジョイントがジョイントピン（９）によ
   って形成されており、かつ各圧力片（７）が各１つのジ
   ョイントピン（９）を支持している、請求項１から５ま
   でのいずれか１項記載の装置。
7. 【請求項７】 ジョイントがジョイントピン（９）によ
   って形成されており、かつ各圧力片（７）が各２つのジ
   ョイントピン（９）を支持している、請求項１から５ま
   でのいずれか１項記載の装置。
8. 【請求項８】 各圧力片（７）の第１の側面（５）が、
   異なる半径方向位置においても当該フランジ（１）に１
   つかまたは２つの所定の支持箇所（２５；２６，２７）
   でだけ当接するように構成されている、請求項１から７
   までのいずれか１項記載の装置。