JPH09103922A - ワイヤ放電加工用電極線 - Google Patents
ワイヤ放電加工用電極線Info
- Publication number
- JPH09103922A JPH09103922A JP26122995A JP26122995A JPH09103922A JP H09103922 A JPH09103922 A JP H09103922A JP 26122995 A JP26122995 A JP 26122995A JP 26122995 A JP26122995 A JP 26122995A JP H09103922 A JPH09103922 A JP H09103922A
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- JP
- Japan
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- wire
- electrode wire
- machining
- discharge machining
- electric discharge
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- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 被加工物の加工精度や表面粗さを飛躍的に向
上でき、放電加工後の表面研磨工程を必要とせず、か
つ、電極線の製造コストや放電加工機の維持管理コスト
を低減できるワイヤ放電加工用電極線を提供する。 【解決手段】 引張強さが200〜300Kgf/mm
2 、線径が0.05〜0.20mmのステンレス鋼から
成り、かつ導電率が1〜3%であることを特徴とする。
上でき、放電加工後の表面研磨工程を必要とせず、か
つ、電極線の製造コストや放電加工機の維持管理コスト
を低減できるワイヤ放電加工用電極線を提供する。 【解決手段】 引張強さが200〜300Kgf/mm
2 、線径が0.05〜0.20mmのステンレス鋼から
成り、かつ導電率が1〜3%であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ放電加工用
電極線(以下単に電極線という)に関するもので、特に
高精度加工用電極線に関するものである。
電極線(以下単に電極線という)に関するもので、特に
高精度加工用電極線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工は、細いワイヤ(通常φ
0.2mm程度)を電極線として、加工液(純度の高い
水)を放電部位に供給し、電極線と被加工物に電圧をか
け、電極線に張力をかけた状態で連続走行させながら、
被加工物と電極線間で加工液中においてパルス状の放電
を繰り返し発生させ、この放電エネルギにより被加工物
を加工するものであり、巾広く実用化されている。上記
放電は溶融,爆発,飛散,冷却,スラッジ除去の工程で
構成されており、電極線と被加工物が連続して接近する
ことにより上記の放電工程が繰り返し実行され、被加工
物(金型やダイス等)を所定の形状に仕上げるものであ
る。
0.2mm程度)を電極線として、加工液(純度の高い
水)を放電部位に供給し、電極線と被加工物に電圧をか
け、電極線に張力をかけた状態で連続走行させながら、
被加工物と電極線間で加工液中においてパルス状の放電
を繰り返し発生させ、この放電エネルギにより被加工物
を加工するものであり、巾広く実用化されている。上記
放電は溶融,爆発,飛散,冷却,スラッジ除去の工程で
構成されており、電極線と被加工物が連続して接近する
ことにより上記の放電工程が繰り返し実行され、被加工
物(金型やダイス等)を所定の形状に仕上げるものであ
る。
【0003】従来から用いられている電極線の材質とし
ては、黄銅、銅、タングステン、モリブデン等があり、
このうち黄銅電極線が広く実用化されている。その理由
は導電率が大きく、放電加工性に優れること、銅より引
張強さが高いこと、短絡が少なく安定した加工ができる
ことである。また、比較的安価であり、使い捨てで使用
される電極線として格好の材質である。
ては、黄銅、銅、タングステン、モリブデン等があり、
このうち黄銅電極線が広く実用化されている。その理由
は導電率が大きく、放電加工性に優れること、銅より引
張強さが高いこと、短絡が少なく安定した加工ができる
ことである。また、比較的安価であり、使い捨てで使用
される電極線として格好の材質である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤ放電加工
技術においては、被加工物を放電加工した後に、表面研
磨を行ない所望の表面状態に仕上げる工程が必要とされ
ていた。特に、加工精度や加工面の表面粗さが厳しく要
求されるもの、例えば伸線用ダイスにおいては、放電加
工後の表面研磨工程は必須のものであった。しかし、こ
の表面研磨工程には多くの時間とコストを要するため、
結果として被加工物の製造コストが高くなる問題があっ
た。
技術においては、被加工物を放電加工した後に、表面研
磨を行ない所望の表面状態に仕上げる工程が必要とされ
ていた。特に、加工精度や加工面の表面粗さが厳しく要
求されるもの、例えば伸線用ダイスにおいては、放電加
工後の表面研磨工程は必須のものであった。しかし、こ
の表面研磨工程には多くの時間とコストを要するため、
結果として被加工物の製造コストが高くなる問題があっ
た。
【0005】本発明者は、上記問題を解決するため、ま
ず従来の電極線の性状につき調査した。まず、一般に用
いられる黄銅は、加工精度や加工面の表面粗さが厳しく
要求されるものの加工には不向きである。なぜなら、加
工精度や加工面の表面粗さを向上するには、電極線の線
径をできるだけ細くし、かつ、電極線に高張力を付加す
る必要があるが、黄銅は引張強さが低く(100〜12
0Kgf/mm2 程度)、高精度の加工が可能な程度に
細径化した場合に、所要の張力を到底付与できないため
である。そして、張力が低い場合、放電時の爆発による
電極線の振動が大きくなり、その結果加工速度を速くで
きず、加工面の表面粗さが大きく、加工精度も低下する
という問題が生じる。
ず従来の電極線の性状につき調査した。まず、一般に用
いられる黄銅は、加工精度や加工面の表面粗さが厳しく
要求されるものの加工には不向きである。なぜなら、加
工精度や加工面の表面粗さを向上するには、電極線の線
径をできるだけ細くし、かつ、電極線に高張力を付加す
る必要があるが、黄銅は引張強さが低く(100〜12
0Kgf/mm2 程度)、高精度の加工が可能な程度に
細径化した場合に、所要の張力を到底付与できないため
である。そして、張力が低い場合、放電時の爆発による
電極線の振動が大きくなり、その結果加工速度を速くで
きず、加工面の表面粗さが大きく、加工精度も低下する
という問題が生じる。
【0006】上記問題を解決するために、電極線に引張
強さの高いタングステンを使用することが考えられる。
タングステンの引張強さは350Kgf/mm2 程度も
あり、細径化した場合でも高張力を負荷できる。しか
し、タングステンは伸線加工性に劣るため加工コストが
高く、黄銅の数十倍も高価となり、実用的でない。
強さの高いタングステンを使用することが考えられる。
タングステンの引張強さは350Kgf/mm2 程度も
あり、細径化した場合でも高張力を負荷できる。しか
し、タングステンは伸線加工性に劣るため加工コストが
高く、黄銅の数十倍も高価となり、実用的でない。
【0007】また、前記の黄銅電極線を使用して、加工
精度や表面粗さを向上させる方法がないではない。すな
わち、放電時の爆発による電極線の振動を小さくするた
めに、放電パワーを小さくしながら数回の仕上げ加工を
行なうもので、これは通称セカンドカットと呼ばれてい
る。しかし、この方法は、加工回数が多いため、全加工
時間が長くなり、加工コストが高くなる欠点がある。ま
た、前述した問題が依然として残るため、表面粗さや加
工精度の問題を完全に解決するには至っていないのが現
状である。
精度や表面粗さを向上させる方法がないではない。すな
わち、放電時の爆発による電極線の振動を小さくするた
めに、放電パワーを小さくしながら数回の仕上げ加工を
行なうもので、これは通称セカンドカットと呼ばれてい
る。しかし、この方法は、加工回数が多いため、全加工
時間が長くなり、加工コストが高くなる欠点がある。ま
た、前述した問題が依然として残るため、表面粗さや加
工精度の問題を完全に解決するには至っていないのが現
状である。
【0008】また、電極線の引張強さを上げるために、
図2に示すように、炭素鋼や合金鋼からなる芯材22
と、芯材の表面に銅や黄銅のメッキ23を施すことによ
り、引張強さ,導電性,放電安定性を向上させた電極線
21が特許出願されている(例えば、特開平3−665
24)。しかし、この電極線を使用して放電加工を行な
った場合、メッキの飛散によるガイド詰まりや加工面溶
着が発生し、加工能力低下の問題が生じる。また、メッ
キ工程が必要なため、製造コストが高くなり、電極線が
高価なものとなってしまう。これは、使い捨てで使われ
る電極線において、大きな問題である。
図2に示すように、炭素鋼や合金鋼からなる芯材22
と、芯材の表面に銅や黄銅のメッキ23を施すことによ
り、引張強さ,導電性,放電安定性を向上させた電極線
21が特許出願されている(例えば、特開平3−665
24)。しかし、この電極線を使用して放電加工を行な
った場合、メッキの飛散によるガイド詰まりや加工面溶
着が発生し、加工能力低下の問題が生じる。また、メッ
キ工程が必要なため、製造コストが高くなり、電極線が
高価なものとなってしまう。これは、使い捨てで使われ
る電極線において、大きな問題である。
【0009】さらに、上記従来の材料を用いた電極線
は、導電率が大きいことが災いして、精密な放電加工を
行ない難いという欠点がある。例えば、黄銅の導電率は
23%程度、タングステンの導電率は18%程度と比較
的大きく、銅になると98%程もある。前述のように電
極線の導電率が大きいほど放電加工性に優れるが、これ
は逆に言えば、放電1回当りの放電エネルギーが大きい
ため、放電ギャップ(放電加工により電極線と被加工物
との間にできる空間)が大きくなり、加工面粗さも粗く
なるという問題につながる。
は、導電率が大きいことが災いして、精密な放電加工を
行ない難いという欠点がある。例えば、黄銅の導電率は
23%程度、タングステンの導電率は18%程度と比較
的大きく、銅になると98%程もある。前述のように電
極線の導電率が大きいほど放電加工性に優れるが、これ
は逆に言えば、放電1回当りの放電エネルギーが大きい
ため、放電ギャップ(放電加工により電極線と被加工物
との間にできる空間)が大きくなり、加工面粗さも粗く
なるという問題につながる。
【0010】この問題を解決する手段として、加工液で
ある水の純度を高めて水の比抵抗を大きくし、電極線と
被加工物の通電性を低下させる(絶縁性を高める)こと
が考えられる。しかし、上記問題を解決できるレベルま
で水の純度を高めるには、水の比抵抗を相当大きくする
必要があり、イオン交換樹脂等の維持管理コストが増大
するため実操業では実施困難である。
ある水の純度を高めて水の比抵抗を大きくし、電極線と
被加工物の通電性を低下させる(絶縁性を高める)こと
が考えられる。しかし、上記問題を解決できるレベルま
で水の純度を高めるには、水の比抵抗を相当大きくする
必要があり、イオン交換樹脂等の維持管理コストが増大
するため実操業では実施困難である。
【0011】本発明は、上記種々の問題を解決するため
になされたものであり、ワイヤ放電加工に用いた場合
に、被加工物の加工精度や表面粗さを飛躍的に向上で
き、放電加工後の表面研磨工程を必要とせず、かつ、電
極線の製造コストや放電加工機の維持管理コストを低減
できるワイヤ放電加工用電極線を提供することを目的と
する。
になされたものであり、ワイヤ放電加工に用いた場合
に、被加工物の加工精度や表面粗さを飛躍的に向上で
き、放電加工後の表面研磨工程を必要とせず、かつ、電
極線の製造コストや放電加工機の維持管理コストを低減
できるワイヤ放電加工用電極線を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のワイヤー放電加工用電極線は、引張強さが
200〜300kgf/mm2 、線径が0.05〜0.
20mmのステンレス鋼から成り、かつ導電率が1〜3
%であることを特徴とする。
に、本発明のワイヤー放電加工用電極線は、引張強さが
200〜300kgf/mm2 、線径が0.05〜0.
20mmのステンレス鋼から成り、かつ導電率が1〜3
%であることを特徴とする。
【0013】本発明の電極線は、引張強さが200〜3
00Kgf/mm2 と高いため、放電加工時のワイヤ張
力を黄銅ワイヤの3倍程度強くでき、放電時の爆発によ
る電極線の振動を小さくできる。
00Kgf/mm2 と高いため、放電加工時のワイヤ張
力を黄銅ワイヤの3倍程度強くでき、放電時の爆発によ
る電極線の振動を小さくできる。
【0014】また、電極線の導電率が1〜3%と低く、
放電エネルギーが抑制されるため、放電ギャップを小さ
くでき、加工面の表面粗さや加工精度を飛躍的に向上す
ることができる。また、導電率が低いため、加工液の比
抵抗が小さくても加工精度や表面粗さに及ぼす影響は少
ない。そのため、操業時の比抵抗の管理が容易になると
同時に、イオン交換樹脂等の維持管理コストを低減でき
る。
放電エネルギーが抑制されるため、放電ギャップを小さ
くでき、加工面の表面粗さや加工精度を飛躍的に向上す
ることができる。また、導電率が低いため、加工液の比
抵抗が小さくても加工精度や表面粗さに及ぼす影響は少
ない。そのため、操業時の比抵抗の管理が容易になると
同時に、イオン交換樹脂等の維持管理コストを低減でき
る。
【0015】本発明における数値限定理由は以下に述べ
る通りである。電極線の引張強さが200Kgf/mm
2 に満たない場合、高精度の放電加工に必要な張力を負
荷できず、加工面の表面粗さや加工精度が低下し、高精
度の加工が実現できない。また、引張強さが300Kg
f/mm2 を越えると、電極線の延靱性が低下し、断線
が発生し易くなる。
る通りである。電極線の引張強さが200Kgf/mm
2 に満たない場合、高精度の放電加工に必要な張力を負
荷できず、加工面の表面粗さや加工精度が低下し、高精
度の加工が実現できない。また、引張強さが300Kg
f/mm2 を越えると、電極線の延靱性が低下し、断線
が発生し易くなる。
【0016】また、線径が0.05mm未満だと、最低
限必要な破断荷重が得られず、0.20mmを越えると
寸法精度が悪くなったり、放電ギャップが大きくなりす
ぎる等の問題が生じ、高精度の加工が望めなくなる。
限必要な破断荷重が得られず、0.20mmを越えると
寸法精度が悪くなったり、放電ギャップが大きくなりす
ぎる等の問題が生じ、高精度の加工が望めなくなる。
【0017】また、導電率が1%に満たない場合は放電
特性が殆ど生かせず、3%を越えると放電1回当りの放
電エネルギーが大きく、放電ギャップが大きくなるた
め、加工面粗さが大きくなり高精度の加工が望めない。
特性が殆ど生かせず、3%を越えると放電1回当りの放
電エネルギーが大きく、放電ギャップが大きくなるた
め、加工面粗さが大きくなり高精度の加工が望めない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1に示
すように、SUS304材からなるステンレス線材2
に、熱処理および冷間伸線加工を繰り返し施し、本発明
に係る電極線1を製造した。それと共に、線径、引張強
さ、導電率の少なくとも1つを本発明の数値限定範囲か
ら外した電極線を比較例として製造した。
すように、SUS304材からなるステンレス線材2
に、熱処理および冷間伸線加工を繰り返し施し、本発明
に係る電極線1を製造した。それと共に、線径、引張強
さ、導電率の少なくとも1つを本発明の数値限定範囲か
ら外した電極線を比較例として製造した。
【0019】また、従来例として、黄銅からなる電極
線、および鋼の表面に黄銅メッキを施した電極線をそれ
ぞれ製造した。そして、これらの電極線を使って、実際
にワイヤ放電加工を行ない、加工面粗さ、寸法精度、総
加工時間、電極線製造コストについて評価した。これら
の結果を、まとめて表1に示す。
線、および鋼の表面に黄銅メッキを施した電極線をそれ
ぞれ製造した。そして、これらの電極線を使って、実際
にワイヤ放電加工を行ない、加工面粗さ、寸法精度、総
加工時間、電極線製造コストについて評価した。これら
の結果を、まとめて表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】上記実験に際して、被加工物は超硬からな
る5mm厚の板を用い、この被加工物に5mm×5mm
の正方形の穴をワイヤ放電加工した。なお、寸法精度お
よび電極線製造コストについては、◎、○、△、×の4
段階で比較評価した。
る5mm厚の板を用い、この被加工物に5mm×5mm
の正方形の穴をワイヤ放電加工した。なお、寸法精度お
よび電極線製造コストについては、◎、○、△、×の4
段階で比較評価した。
【0022】以下に実験結果を説明する。実験No5
は、電極線の線径が0.25mmと太すぎるため、加工
面粗さが大きく寸法精度も悪くなり、精密な加工が望め
ない。実験No6は線径が0.03mmと細すぎるため
ワイヤ張力を大きくできず、加工面粗さが悪く寸法精度
も悪い。また、放電量を大きくできずワイヤ張力も小さ
いため、加工速度を速く出来ず総加工時間が長い。
は、電極線の線径が0.25mmと太すぎるため、加工
面粗さが大きく寸法精度も悪くなり、精密な加工が望め
ない。実験No6は線径が0.03mmと細すぎるため
ワイヤ張力を大きくできず、加工面粗さが悪く寸法精度
も悪い。また、放電量を大きくできずワイヤ張力も小さ
いため、加工速度を速く出来ず総加工時間が長い。
【0023】実験No7は、電極線の引張強さが150
Kgf/mm2 であり、強力が弱いため、ワイヤ張力を
大きくできず、その影響で加工面粗さがやや大きい。実
験No8は、電極線の引張強さを350Kgf/mm2
と大きくしたものである。この場合はワイヤ張力を大き
くでき、加工面粗さを小さくできる。しかし、延靱性に
劣るため、ワイヤ走行時にガイドローラによる曲げ加工
により、電極線が破断する現象が発生し、総加工時間が
長くなってしまった。また、電極線製造時の伸線工程に
おいても断線が多発する問題が生じた。
Kgf/mm2 であり、強力が弱いため、ワイヤ張力を
大きくできず、その影響で加工面粗さがやや大きい。実
験No8は、電極線の引張強さを350Kgf/mm2
と大きくしたものである。この場合はワイヤ張力を大き
くでき、加工面粗さを小さくできる。しかし、延靱性に
劣るため、ワイヤ走行時にガイドローラによる曲げ加工
により、電極線が破断する現象が発生し、総加工時間が
長くなってしまった。また、電極線製造時の伸線工程に
おいても断線が多発する問題が生じた。
【0024】実験No9は、従来から使用されている黄
銅を用いた場合であるが、引張強さが小さいため、ワイ
ヤ張力をあまり大きくできない。また、導電率が18%
と大きいため、加工面粗さが大きく寸法精度も悪い。そ
のために、放電パワーを徐々に小さくしながら5回のセ
カンドカットを繰り返し行ったが、それでも加工面粗さ
は1.4μmと大きい。
銅を用いた場合であるが、引張強さが小さいため、ワイ
ヤ張力をあまり大きくできない。また、導電率が18%
と大きいため、加工面粗さが大きく寸法精度も悪い。そ
のために、放電パワーを徐々に小さくしながら5回のセ
カンドカットを繰り返し行ったが、それでも加工面粗さ
は1.4μmと大きい。
【0025】実験No10は、鋼からなる母材の表面に
黄銅メッキを施したものである。これは、黄銅に比べて
導電率が低いものの、本発明の電極線に比べて加工面粗
さや寸法精度に劣る。また、放電加工時に黄銅メッキが
飛散しガイドに詰まったり加工面に溶着する問題が生じ
た。また、メッキ工程が必要な分、電極線製造コストが
高くなった。
黄銅メッキを施したものである。これは、黄銅に比べて
導電率が低いものの、本発明の電極線に比べて加工面粗
さや寸法精度に劣る。また、放電加工時に黄銅メッキが
飛散しガイドに詰まったり加工面に溶着する問題が生じ
た。また、メッキ工程が必要な分、電極線製造コストが
高くなった。
【0026】これらの比較例および従来例に対し、実施
例である実験No1〜4の電極線は、加工面粗さが小さ
く寸法精度も良く、精密なワイヤ放電加工に優れた性能
を発揮した。なお、加工面粗さが1.0μm未満であれ
ば、ワイヤ放電加工後の表面研磨加工を省略することが
できる。
例である実験No1〜4の電極線は、加工面粗さが小さ
く寸法精度も良く、精密なワイヤ放電加工に優れた性能
を発揮した。なお、加工面粗さが1.0μm未満であれ
ば、ワイヤ放電加工後の表面研磨加工を省略することが
できる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の電極線を使って
ワイヤ放電加工を行った場合、被加工物の表面粗さや寸
法精度を飛躍的に改善できる。従って、従来の電極線で
は達成し得ない高精度のワイヤ放電加工が可能である。
そのため、放電加工後の表面研磨工程を省くことがで
き、被加工物の製造コストを大きく削減できる。
ワイヤ放電加工を行った場合、被加工物の表面粗さや寸
法精度を飛躍的に改善できる。従って、従来の電極線で
は達成し得ない高精度のワイヤ放電加工が可能である。
そのため、放電加工後の表面研磨工程を省くことがで
き、被加工物の製造コストを大きく削減できる。
【0028】また、導電率が低いため、加工液の比抵抗
をあまり大きくする必要がなく、イオン交換樹脂等の維
持管理コストを安くでき、また、電極線製造コストも安
いため、経済的に大きな効果がある。
をあまり大きくする必要がなく、イオン交換樹脂等の維
持管理コストを安くでき、また、電極線製造コストも安
いため、経済的に大きな効果がある。
【図1】本発明の電極線を示す断面図である。
【図2】従来の電極線を示す断面図である。
1、11・・・電極線 2・・・ステンレス線材 12・・・芯材 13・・・皮膜またはメッキ層
Claims (1)
- 【請求項1】 引張強さが200〜300kgf/mm
2 、線径が0.05〜0.20mmのステンレス鋼から
成り、かつ導電率が1〜3%であることを特徴とするワ
イヤ放電加工用電極線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26122995A JPH09103922A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ワイヤ放電加工用電極線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26122995A JPH09103922A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ワイヤ放電加工用電極線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09103922A true JPH09103922A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17358942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26122995A Pending JPH09103922A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ワイヤ放電加工用電極線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09103922A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011152327A1 (ja) | 2010-06-04 | 2011-12-08 | 鈴木金属工業株式会社 | 放電加工用電極線 |
-
1995
- 1995-10-09 JP JP26122995A patent/JPH09103922A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011152327A1 (ja) | 2010-06-04 | 2011-12-08 | 鈴木金属工業株式会社 | 放電加工用電極線 |
CN102971102A (zh) * | 2010-06-04 | 2013-03-13 | 铃木金属工业株式会社 | 放电加工用电极线 |
EP2578343A1 (en) * | 2010-06-04 | 2013-04-10 | Suzuki Metal Industry Co., Ltd. | Electrode wire for electrical discharge machining |
EP2578343A4 (en) * | 2010-06-04 | 2014-04-30 | Suzuki Metal Industry Co Ltd | ELECTRODE WIRE FOR ELECTRO-RESOURCE PROCESSING |
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