JP2008062325A - ワイヤ放電加工用電極線 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電極線の弾性比率(弾性強度/常温強度)を0.4〜0.8に設定することにより、使用できる設定張力を上げることができ、その結果電極線の振動を極力低減した条件下で放電加工を行うことが可能となり、加工溝幅を小さく、かつ加工速度を速くすることが可能となる。特に微細加工の加工精度を高めるこが可能となる。
【選択図】図1
Description
この特許文献1に記載の発明は、線径0.03〜0.3mmで抗張力が150〜250kgf/mm2 である鋼線に、真鍮の皮膜を形成した電極線を前提技術として、真鍮の全体に占める割合および銅組成を特定し、かつ鋼線の炭素成分を特定することにより、加工速度(電導性)および引張り強度を優れたものにし、芯線の強度が高く外側の真鍮の厚みが厚い電極線を提供しようとするものである。そして、この発明によれば、電極線の伸線加工による抗張力の上限が400〜500kgf/mm2 である電極線が得られる(特許文献1の段落〔0012〕参照)。
これは、放電エネルギーの多くの部分が加工溝形成方向(電極線の進行方向)以外の方向(例えば電極線の進行方向と直交する方向)の切断に浪費されることを意味し、その結果が加工能率の低下と加工精度の低下の原因となることが判明した。
図1のグラフにおける曲線bは、通常の鋼の引張り試験における応力(強度)とひずみ(伸び)との関係を示すものである。曲線bが示す通り、応力が当該弾性体の弾性限度以下の場合は、応力とひずみとは比例関係(曲線bの直線部分:b1)にあり、応力が当該弾性体の弾性限度を超えると応力とひずみとの関係は曲線bの曲線部分(b2)で示す関係となり、やがて塑性変形、破断に至たる。
本実施形態の芯線は、曲線aが示すように、曲線aの直線部分a1(直線部分a1と直線部分b1とは重合する)の最終点(直線部から傾きが生じた点)に対応する強度(弾性強度)W2が、弾性強度W3(曲線b)よりも高くなるように、伸線工程において処置されている。
本発明の電極線は、一端的な炭素鋼線材に熱処理と伸線加工とを繰り返し施して縮径し、表面にメッキ(ブラスメッキ)を施した後、最終の伸線加工を行って所望の線径を有する電極線10が形成される。ただし、この製造方法に限られるものではなく、最終伸線加工で所望の線径を得た後にメッキを施すようにしてもよい。
一般に、放電加工時、放電加工時の爆発によって発生する振動を抑えるために、電極線には高い張力がかけられる。しかし、破断強度が高い電極線でも弾性限度が低く塑性域での使用になると、爆発力によって電極線が伸びてしまい、振幅が大きくなり、これが原因で加工溝幅が大きくなるが、本発明の電極線によれば、断線することなく高張力を負荷することができるから、爆発力による伸びを小さく抑えることができ、これによって振動が小さくなって加工溝幅を小さくすることができる。
その結果、加工精度の向上、加工溝幅の縮小、加工速度の向上が可能となる。
また、加工溝幅dが小さくなる分、放電エネルギーが切断に向けられる分が大きくなるため、切断速度を早くすることが可能となる。
加工機としてソディック製AP−2OOL機を用い、加工液は油を使用し、ワークは厚さ2mmのSKD11を用いた。
加工性能については、加工速度、加工溝幅を評価の対象とした。
この実験結果を表1に示す。
(b)は径が30μmの4種類のテストピース(実施例1〜4)についての実験結果を、従来例および比較例(2種)とともに示すものである。
(c)は径が70μmの4種類のテストピース(実施例1〜4)についての実験結果を、従来例および比較例(2種)とともに示すものである。
(d)は径が100μmの4種類のテストピース(実施例1〜4)についての実験結果を、従来例および比較例(2種)とともに示すものである。
(e)は径が20μmの4種類のテストピース(実施例1〜4)についての実験結果を、従来例および比較例(2種)とともに示すものである。
なお、この実験に用いた各従来例、各比較例および各実施例として挙げた電極線の「線径」、「破断強度」、「弾性限度」、「破断強度/弾性限度」、「加工速度」、「加工精度」、「引張り強度」の具体的数値については、表1に記述した通りである。
本発明の電極線の加工効果としては、弾性比率(弾性強度/常温強度)が高いほど効果は高くなるが、特に効果が認められた範囲は、弾性比率が40%〜80%であることも、上記の実験結果により判明した。
なお、上記の実験は、被覆鋼線についてのみであるが、タングステン線やモリブデン線、その他メッキ被覆の有無にかかわらず同様の効果が得られると推測できる。
10:電極線
a:本発明の一実施形態に係る電極線用の芯線の引張り試験における応力(強度)とひずみ(伸び)との関係を示す曲線
b:通常の鋼の引張り試験における応力(強度)とひずみ(伸び)との関係を示す曲線
Claims (3)
- 鋼線からなる芯線と、同芯線の表面に施された放電加工用メッキとからなるワイヤ放電加工用電極線であって、同電極線の弾性比率が0.4〜0.8であることを特徴とする放電加工用電極線。
- 上記芯線の線径が0.02〜0.20mmであることを特徴とする請求項1に記載の放電加工用電極線。
- 上記放電加工用メッキが真鍮メッキであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の放電加工用電極線。
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JP2006241326A JP2008062325A (ja) | 2006-09-06 | 2006-09-06 | ワイヤ放電加工用電極線 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103611992A (zh) * | 2013-12-16 | 2014-03-05 | 贵州航中力电精机科技有限公司 | 一种电火花切削机 |
CN106964855A (zh) * | 2017-02-15 | 2017-07-21 | 南京航空航天大学 | 一种大幅值非对称轴向振动辅助电解线切割方法 |
Citations (3)
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JP2003340651A (ja) * | 2002-05-28 | 2003-12-02 | Kanai Hiroaki | ワイヤ放電加工用電極線 |
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JP2006136952A (ja) * | 2004-11-10 | 2006-06-01 | Tokusen Kogyo Co Ltd | 放電加工用電極線 |
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2006
- 2006-09-06 JP JP2006241326A patent/JP2008062325A/ja active Pending
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