JPH09103896A - レーザ加工ヘッド - Google Patents

レーザ加工ヘッド

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JPH09103896A
JPH09103896A JP7286473A JP28647395A JPH09103896A JP H09103896 A JPH09103896 A JP H09103896A JP 7286473 A JP7286473 A JP 7286473A JP 28647395 A JP28647395 A JP 28647395A JP H09103896 A JPH09103896 A JP H09103896A
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processing head
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耕三 安田
Takashi Sakurai
隆 桜井
Akira Hayakawa
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 集光光学系の径を小さくし、狭隘部分や狭開
先のレーザ加工ができるファイバー導光式レーザ加工ヘ
ッドと集光程度を調整できるレーザ加工装置を提供す
る。 【解決手段】 レーザ加工ヘッド1の集光光学系として
屈折率分布型レンズ8をレーザ光を導く光ファイバー5
のレーザ出力端に両者の光軸が一致するように配設し、
屈折率分布型レンズが発散角を有するレーザ光を集光す
るようにする。また、レーザ加工ヘッドの先端部にワイ
ヤチップを備え、かつ、フィラーワイヤを供給するフィ
ラー供給機構を備えて、集光されたレーザ部分にワイヤ
の先端を供給する。さらに、光ファイバーを2本有し、
一方のレーザ光を用いて溶接部の材料表面を溶かし、続
いて他方のレーザ光を用いてフィラーワイヤを溶融して
溶接部に充填するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバー導光
式の大出力レーザを扱うことが可能な小型のレーザ加工
ヘッドに関し、特にパイプ内面や核融合炉内部保護タイ
ルの裏側など、狭隘な箇所で大出力レーザを利用した加
工を可能とする、焦点位置を調整することができる極微
小な加工ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ発信器の性能向上とレンズ
等の伝送光学系の性能向上があり、加工位置の自由度が
高くビームハンドリング光学系の簡略化が可能となった
ため、光ファイバーを用いたフレキシビリティの高い加
工システムを構築して高出力レーザ加工が行われるよう
になってきた。集光光学系においてもファイバー入射面
における集光スポットの微細化は勿論、加工点における
集光スポットも微細化し、レーザ加工適用範囲も電子部
品の溶接、厚板の切断、穴開けなど拡大しつつある。こ
のような最近の進歩により、伝送光学系としては、例え
ばコア径0.2〜0.8mm、仕上がり径数mmの細く
て柔軟な光ファイバーを用いることができるので、狭隘
な開先、細管内部の欠陥位置や人の立ち入れない部分な
ど殆どどんな箇所にもアクセスが可能となった。
【0003】しかし、集光光学系の方は、ファイバー出
射光をよく絞り集束点を小さくする必要から、光ファイ
バーから出射されたレーザを十分拡幅した上で大口径レ
ンズで集束することが好ましく、また収差を小さくする
必要からレンズを複数用いた組合せレンズ方式とせざる
を得ないため、加工ヘッド部の径は大きくまたファイバ
ー端面から加工レンズ最終端までの距離は長くならざる
を得なかった。また、加工に必要な水準のエネルギーを
有する有効部分を長くするためには光線の広がりを小さ
くする必要があり、光ファイバーの出射端からレンズま
での距離を大きくとらなければならなかった。また、溶
融、焼き入れ、クラッディング、マーキングなど、目的
とする加工の種類により被加工物を照射するエネルギー
密度が異なる。このため、異なる焦点距離毎に設計した
光学系を用意しておいて、用途が異なると光学系を差し
替えて使用する必要があった。また、被加工物の開先部
を溶融物で充填する場合など、集光点位置を加工の進行
に従って変化させる必要がある場合がある。
【0004】図13は、従来のレーザ加工ヘッドの例を
示す図面である。図中右端に固定された光ファイバーの
端面からレーザ光が一定の広がり角をもって出射する。
適当な大きさに広がったレーザ光を組合せレンズからな
る集光光学系で集光する。最終段レンズは軸方向に位置
変更ができるようになっていて、若干は集光点位置を調
整することができる。なお、さらに大きく集光点位置と
集光径を変更するために、特開平4−305390号公
報にファイバー固定部と集光レンズ部を分離型構造とし
て、必要に応じて集光レンズ部のみを交換できるように
したものが開示されている。これらの設計例として、
1.3kWのYAGレーザを使用したレーザ加工ヘッド
について、集光光学部分の径が約100mm、長さが3
00mm程度のものが得られている。
【0005】また、集光系として石英系のレンズを使用
すると冷却が困難であるため、輻射熱を受けて過熱する
ことによるコーティング破損、レンズそのものの破壊等
の不具合を生ずる。また、熱による歪みが光学系に不具
合を生じさせる。これに対して、特開平5−21257
1号公報が加工レンズを保持するレンズホルダのレーザ
ビーム入射側をレーザビーム反射体で構成しハウジング
内側をレーザビーム吸収体で構成するレーザ加工ヘッド
を開示している。さらに、ハウジングに放熱フィンを設
け冷却水を通じるなどにより加工レンズの熱歪みを抑制
している。このレーザ加工ヘッドはハウジングで積極的
に熱を吸収してそれを冷却するものであるため、ヘッド
寸法を小さく収めることは容易でない。このように、伝
送光学系において加工位置の自由度が期待できるにも拘
わらず、主に集光光学系の径および長さにより狭隘箇所
の加工に制約があり、集光光学系の矮小化が要望されて
いた。
【0006】なお、加圧水型原子力発電所の蒸気発生器
伝熱管損傷部の補修のために、従来のろう付け式補修法
に代わって、高出力のYAGレーザを光ファイバーで伝
送して狭隘な細管内面から補修スリーブを溶接する手法
が開発されている。溶接部位は狭隘かつ放射能雰囲気で
あることから遠隔でのレーザ溶接が好ましい。図14
は、上記スリーブ溶接法の装置構成例の概略図である。
原子炉格納容器外のコンテナには電源と冷却装置を備え
る2kWのYAGレーザ発振器が設置されると共に、図
外のトレーラには炉内で作動する各種ロボットのコント
ローラや溶接後の目視検査装置が搭載されている。発振
器より得られたビームは長さ200m、コア径0.55
mmの光ファイバーにより伝熱管内部の光路分岐装置、
さらに25mの光ファイバーにより溶接ヘッドまで伝送
される。溶接ヘッドでは光ファイバーから放散されるレ
ーザ光を外径16mm以下の4枚のレンズからなるレン
ズ系で集束し、誘導体多層膜を形成した高反射率金属ミ
ラーで反射させて内径16.4mmのスリーブの0.2
mm入ったところにビーム径0.6mmの集光スポット
を形成させる。溶接ヘッドは軸の周りを周回して、内径
19.6mmの伝熱管にスリーブを溶接する。このよう
なレーザ溶接式スリーブ補修法により、放射能雰囲気内
であっても遠隔操作により容易に狭隘な細管内の部位を
溶接修理することができるようになった。
【0007】特開平7−116880号公報にこのよう
な目的に使用するため改良されたレーザ加工ヘッドが開
示されている。ここで開示されたレーザ加工ヘッドは、
光ファイバーから出射されたレーザ光を、レンズ系の代
わりに、軸はずし楕円ミラーで集束する機構とヘッド部
を冷却する冷却機構を具備する小型なものである。光フ
ァイバーの先端が軸外し楕円ミラーの一方の焦点に配置
するとレーザ光が他方の焦点に集光するので、レーザ加
工が可能になる。楕円ミラーを含むレーザ光集束機構は
輻射熱による過熱を防ぐため冷却される。このレーザ加
工ヘッドは、太さの決まった細管内の破損部分の軸上に
据えて光ファイバーの軸の周りを回転し、軸はずし楕円
ミラーが高出力レーザビームを屈折集光し細管内面に当
てられたスリーブの端部に照射して細管に溶接する。こ
のレーザ加工ヘッドは光学レンズ系を使用せず少ない部
品で経済的に製造することができる。ここで、特開平7
−116880号公報開示のレーザ加工ヘッドは、ミラ
ーの曲面形状と、焦点と被加工物間の距離の組み合わせ
を適正に設定することによって施工点でのエネルギー密
度を自由に設定して、溶融、焼き入れ、クラッディング
など種々の加工に適した熱源を作ることが可能であると
している。しかし、このレーザ加工ヘッドでは、加工に
適するエネルギー密度が変われば、それに従ってミラー
を取り替えるか、レーザ加工ヘッドの位置を変更して施
工しなければならず、まして加工中に適正なエネルギー
密度が変化する場合に対応することは不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、集光光学系の径を小さくすること
により、細管内部やスリット内の部分など狭隘部分や狭
開先のレーザ加工ができる新しいファイバー導光式レー
ザ加工ヘッドを提供することである。また、従来使用し
ていたレンズ光学系を排して部品点数が少なく光学的組
立精度を容易に確保できるようなレーザ加工ヘッドを提
供することである。さらに、加工点における集光程度を
容易に調整することができるレーザ加工装置を提供する
ことである。また、狭開先の溶接など、加工中に加工位
置の変化に応じて有効レーザビームの位置を変更するこ
とができるレーザ加工ヘッドを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のレーザ加工ヘッドは、集光光学系に屈折率
分布型レンズを用いるもので、屈折率分布型レンズをレ
ーザ光を導く光ファイバーのレーザ出力端に両者の光軸
が一致するように配設し、屈折率分布型レンズが発散角
を有するレーザ光を集光することを特徴とする。また、
レーザ加工ヘッドの先端部にワイヤチップを備え、かつ
ワイヤチップにフィラーワイヤを供給するフィラー供給
機構を備えて、屈折率分布型レンズにより集光されたレ
ーザ部分にフィラーワイヤの先端を供給するように構成
しても良い。さらに、本発明のレーザ加工ヘッドは、レ
ーザ光を導く光ファイバーを2本有し、第1の光ファイ
バーのレーザ出力端に第1の屈折率分布型レンズを光軸
が一致するように配設し、第2の光ファイバーのレーザ
出力端に第2の屈折率分布型レンズを光軸が一致するよ
うに配設し、さらに第2屈折率分布型レンズにより集光
されたレーザ部分にフィラーワイヤの先端を供給するワ
イヤチップを備え、かつこのワイヤチップにフィラーワ
イヤを供給するフィラー供給機構を備えて、第1屈折率
分布型レンズにより集光されたレーザ光を用いて溶接部
の材料表面を溶かし、続いて第2屈折率分布型レンズに
より集光されたレーザ光を用いてフィラーワイヤを溶融
して溶接部に充填することを特徴とする。
【0010】なお、本発明のレーザ加工ヘッドは、光フ
ァイバーの出力端面と屈折分布型レンズの入射端面の間
の距離を調整する機構を備えることが好ましい。さら
に、屈折率分布型レンズの周縁部に同心の円環状吹き出
し口を有するノズルを備え、かつそのノズルに溶接ガス
もしくはシールドガスを供給するガス供給管を備えてい
てもよい。またさらに、屈折率分布型レンズの周囲に同
心状に配設されて加工部からの光を受ける複数の光ファ
イバーからなるイメージファイバーを備えることが好ま
しい。なお、レーザ光がヨウ素レーザにより生成される
ものであって、屈折率分布型レンズの母材が石英である
ことが好ましい。
【0011】本発明のレーザ加工ヘッドは、集光光学系
に組合せレンズ光学系と比較して径が小さい屈折率分布
型レンズを用いるから、ヘッド部分が極微細なものとな
り、光ファイバーの自由度と相俟って、加工位置や姿勢
の自由度が増大し、狭隘な箇所でも容易にレーザエネル
ギーによる切断加工や溶接加工が可能となる。また、フ
ィラーワイヤを送給する機構を有する場合には、レーザ
光により加工物表面を溶融すると共にフィラーワイヤ先
端を溶融して加工物の溶融部分に供給するので溶接部を
適当な金属で充填することができる。さらに、レーザ光
を導く光ファイバーを2本有し、第1屈折率分布型レン
ズにより集光されたレーザ光を用いて溶接部の材料表面
を溶かし、続いて第2屈折率分布型レンズにより集光さ
れたレーザ光を用いてフィラーワイヤを溶融して溶接部
に充填するように構成されたものは、材料表面を予め軽
く溶融することにより表面の濡れ性を向上させるので、
溶融されたフィラー金属が材料表面によくなじんで、母
材との未溶融部がない良好な溶接部を形成する。
【0012】なお、光ファイバーの出力端面と屈折分布
型レンズの入射端面の間の距離を調整する機構を備える
レーザ加工ヘッドは、上記距離を調整することにより加
工点における集光程度を変化させて、材料までの距離や
溶断深さ、あるいは溶接・切断・穴開け・マーキングな
ど加工の種類に適合するレーザ形状やエネルギー水準を
得るようにすることができる。また、溶接開先の仮溶接
後に多層溶接による充填をするなど、被加工物までの必
要距離が溶接工程中で変化する場合にも、レーザ加工ヘ
ッドの位置を変えずに光ファイバー端面とレンズ入射端
面との間の距離を調整することで対応することができ
る。
【0013】さらに、屈折率分布型レンズの周縁部に同
心状のノズルを備え、ガス供給管を備えているものは、
加工中にアルゴンArやヘリウムHe、あるいは窒素N
2などの不活性ガスを加工ヘッド部に流通させることに
より、レンズ等を含むヘッドを冷却するとともに、被加
工物とヘッドの間に発生するプラズマ状の金属粒子を吹
き飛ばして溶融物がヘッド部に付着するのを防ぎ、光学
系を保護するシールド機能を果たす。また切断加工時に
は、ガスを加工部分に強く吹き付けることにより、溶融
物を吹き飛ばして切断部分に滞積することを防止し切断
面を滑らかにすることができる。またさらに、加工ヘッ
ドの先端部にイメージファイバーを備えるものは、遠隔
で加工部分を監視し、対象位置を確認したり溶融して発
光する状態を観察して加工状況を把握するために使用す
ることができる。
【0014】なお、屈折率分布型レンズの母材が石英で
あり、波長1.315μmのヨウ素レーザを用いる場合
は、石英の透過率が波長1.315μm付近で十分高い
ため高出力のレーザ発生装置と併用することにより強力
なエネルギーを発生するレーザ加工ヘッドを得ることが
できる。また、近年ヨウ素レーザの発達により極めて強
力なエネルギーを有するレーザビームを得ることができ
るようになってきた。さらに、ヨウ素レーザは石英にお
ける透過率が高いため石英系の光ファイバーにより長距
離伝送が可能である。そこで、レーザ加工装置毎にレー
ザ発生装置を備える代わりに、加工工場の一隅に大型の
ヨウ素レーザ発生装置を設置して、これを始点とする光
ファイバー網を工場内に張り巡らし、光分配器を介して
各加工位置に設けた本発明のレーザ加工ヘッドにレーザ
エネルギーを分配する方式を用いることにより、工場内
の各所で大出力のレーザエネルギーを使用するレーザ加
工を可能とすることができる。またレーザ波長が1.0
6μm付近であるYAGレーザを用いる場合も、石英は
この領域における吸収率が比較的低いため、良好なレー
ザ加工ヘッドを得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
【実施例1】以下、図面に基づき実施例を用いて本発明
のレーザ加工ヘッドを説明する。図1は、本発明の第1
の実施例を示す断面図である。レーザ加工ヘッド1は制
御部筐体2を有するアタッチメント3により図示しない
マジックハンドの先に取り付けられて、マジックハンド
の操作により狭隘な箇所の切断や溶接を行うことができ
るようになっている。レーザ加工ヘッド1は制御部筐体
2から突設されるヘッド支持棒4の先端に支持されてい
る。ヘッド支持棒4は外径が約15mm、長さ約450
mmで先端部が曲率45mmで垂直方向なで曲がった鍵
型のパイプ状になっており、先端に取り付けられたレー
ザ加工ヘッド1が軸方向に対して垂直の方向に向くよう
になっている。
【0016】レーザ加工ヘッド1には光ファイバー5に
よってレーザ光が導かれてくる。レーザ光は、図外のレ
ーザ発生装置から幹線光ファイバーで近くまで伝送され
てきて、同じく図外の光分配器で当該加工ヘッドに連結
する光ファイバー5に分岐してきたものである。このよ
うな構成では、工場内に複数の加工装置がある場合に
も、レーザ加工ヘッド1毎にレーザ発生装置を付属させ
る必要がなく、1基のレーザ発生装置を適当な場所に設
備してレーザ光を幹線光ファイバー網と分配器を介して
個々のヘッドに配給すればよい。従って、レーザ発生装
置の規模に制約がないから、大出力レーザ発生装置を導
入することが可能である。このため、レーザ加工によく
用いられるYAGレーザなどの固体レーザを用いること
ができるのは勿論、気体媒質を利用し出力容量を大きく
するためには発生装置が大きくならざるを得ないヨウ素
レーザを使用することも容易に可能となる。ヨウ素レー
ザは波長が1.315μm付近であることから石英を母
材とする光ファイバーや屈折率分布型レンズにおける透
過率が極めて大きいという特性を有し、遠隔のレーザ発
生装置から光ファイバー中を伝搬させてレーザ加工を行
うのに適している。
【0017】光ファイバー5の母材としてはプラスチッ
クス素材も用いることができるが、現状では導光ロスが
大きく大出力レーザの導光には適していない。光ファイ
バー5の先端部は保持具6により軸が一定の位置に来る
ように保持されている。保持具6は放射状のビームを形
成する支持材7によりヘッド先端部の内壁に対して同心
位置に固定されている。保持具6内には、光ファイバー
5の先端からの光を受けるように屈折率分布型レンズ8
が装備されている。屈折率分布型レンズ8は、レーザ光
の吸収を抑えるため石英系の母材から製作されている。
屈折率分布型レンズ8は、たとえば仕上がり外径2mm
程度のものを利用することができる。
【0018】屈折率分布型レンズは、レンズ内部の屈折
率が中心軸から外周面に向かって放物線状に分布してい
る円柱状の光学ガラス体で、中心部で屈折率が高く周辺
部で低くなった構造をしている。このレンズに光が入る
と光の入る位置によって屈折率が異なるため通常のレン
ズと同様に場所によって光の曲がり方が異なりレンズを
形成する。図2は、屈折率分布型レンズの端面に点光源
を密着させたときの結像状態を表す図面であり、図3
は、この時の出射端面・像間距離の変化を表すグラフで
ある。屈折率分布型レンズの長さが入射光波長に対する
ピッチで表してZである時に、屈折率分布型レンズの出
力側端面から距離lの位置に結像する。図3に示すとお
り、レンズピッチZが短い間はレンズピッチの僅かな変
化に対して出射端面・像間距離lが急激に変化すること
が分かる。なお、ピッチはレンズ内の光線の蛇行周期を
表し、ピッチ0.25のレンズでは無限遠物体の倒立実
像が出射端面に結像し、逆に点光源を入射端面の中心に
置けば平行性の良い光ビームを取り出すことができる。
また、ピッチ0.5では入射端面に置いた物体の倒立実
像が出射端面上に結像する。レンズのどの位置に集光さ
せるかは屈折率分布型レンズ8のピッチすなわち長さL
を変えることで変更することができる。そして、光ファ
イバーからの出射光が点光源であると仮定できる場合
は、集光点の位置を計算により容易に求めることができ
る。
【0019】しかし、現実の光ファイバーはコア径が有
限の値を持つため、光ファイバーの端面に存在する点光
源であるとみなすことはできない。図4は、光ファイバ
ーからの出射光を点光源と見なすときの光源位置の関係
を示す図である。光ファイバーのコア径がDmmであ
り、発散角が2θであるとすれば、端面からLmm入っ
た位置に点光源が存在すると仮想することができる。図
5は、具体的な値について仮想点光源位置を計算した結
果を示すグラフである。コア径が0.3mmのときに、
2θが16度であれば仮想点光源位置は端面から1.0
7mm入ったところとすることができ、2θが20度で
あれば端面から0.85mm入ったところとすることが
できる。ファイバーを屈折率分布型レンズに直接に接触
させた場合には上記のような仮想の点光源位置から光が
出たものとして、屈折率分布型レンズを通過した後の集
光点の位置を決めなければならない。
【0020】このようにして、使用するレーザ光の発散
角と光ファイバーのコア径から求める仮想点光源位置、
および必要とする被加工物までの距離から、屈折率分布
型レンズの適切なピッチを決める。図6は、屈折率分布
型レンズのピッチにより集光点位置がいかに異なるかを
示した図である。ピッチが0.245(L=6.6m
m)である時(図6(a))と0.210(L=5.5
mm)である時(図6(b))では、集光位置はそれぞ
れ屈折率分布型レンズ端面から8mmと24mmと、ほ
ぼ3倍の差が生じる。また、レーザ光の広がりが半径2
mm以内で必要な加工エネルギー密度が得られると仮定
すれば、前者は屈折率分布型レンズ端面から25mm以
内が加工可能領域となり、後者はほぼ60mmまでが加
工可能領域となる。従って、加工の内容が変わっても適
切なピッチの屈折率分布型レンズを選択して入れ替える
ことにより対処できる。
【0021】光ファイバーを屈折率分布型レンズから離
したときには、仮想点光源位置はさらに光ファイバー出
射面と屈折率分布型レンズ入射端面の距離を加えたとこ
ろにあるとして、屈折率分布型レンズを通過した後の集
光点の位置を決めなければならない。図7は、点光源を
屈折率分布型レンズの入射端面近くに置いたとき(図7
(a))と、遠ざけて置いたとき(図7(b))の集光
点位置を示す図面である。レンズの入射端面・物体間距
離l1が大きくなると出射端面・像間距離l2は小さくな
る。
【0022】図8は、屈折率分布型レンズの結像原理を
示す図面である。入射端面・物体間距離l1と出射端面
・像間距離l2の関係は、図8に示すように屈折率分布
型レンズを厚肉レンズとみなして、物体O・主平面P1
間距離L1、像I・主平面P2間距離L2、焦点距離f
(f=f1=f2)から厚肉レンズの式により求めること
ができる。しかし、レンズ設計上は、下記の数式(1)
および(2)が用いられており、集光点位置もこれらの
式に基づいて求める方が容易である。ここで、n0は光
軸上の屈折率、Aは屈折率分布状態を表す定数である。
なお、この定数には波長依存性がある。
【0023】
【数1】
【数2】
【0024】図9は、数式(1)からピッチ0.25
0、0.255、0.260の場合について物体・レン
ズ前面間距離l1による像・レンズ後面間距離l2の変化
を算出した結果を示すグラフである。物体・レンズ前面
間距離l1が変化すると像・レンズ後面間距離l2が大き
く変化する。また、ピッチが小さくなるほど変化の割合
が大きくなることが現れている。図9から、加工の内容
が変わるときに屈折率分布型レンズを入れ替えて対処す
る代わりに、物体・レンズ前面間距離l1、すなわち光
ファイバーと屈折率分布型レンズの入射端面との距離を
調整することにより、集光点位置や加工領域を変化させ
て対処してもよいことが分かる。
【0025】光ファイバー5は、光ファイバー5が内部
で滑動できるローラチューブ9に支持されていて、制御
部筐体2に収納された駆動装置10で抜き差しすること
により、先端位置が調整できるようになっている。保持
具6内には光ファイバーを抜き差しして動かすときにも
光ファイバー5の芯が中心線からずれないようにガイド
11が設けられている。ローラチューブ9を使用するの
は、光ファイバー5の僅かな変位が集光位置を大きく変
化させるため、小さな力でスムーズに光ファイバー5を
抜き差しできるようにするためである。ローラチューブ
9はヘッド支持棒4内に収納されている。また、厚板の
穴開けにおいて表面から深みに向かって徐々に加工位置
をずらしてゆく場合のように、加工中に被加工物との距
離を変化させる必要があるときにも、光ファイバー5の
先端位置を制御することにより適切に対処できる。
【0026】屈折率分布型レンズ5の周縁部とヘッド内
壁との間に保持具6の空間が存在し、同心状のノズル1
2を形成する。このノズル12にはガス管13からシー
ルドガスあるいは溶接ガスとして用いられるアルゴン、
窒素、ヘリウムなどの不活性ガスや空気が供給される。
ガス管13はヘッド支持棒4内に光ファイバー5に沿っ
て収納されていて、制御部筐体2内のガス供給装置14
に接続している。ガス供給装置14は不活性ガス等の圧
力を調整してガス管13に供給する。このガスはレーザ
加工ヘッドを冷却して光学的精度を確保する作用を有す
る。また、ガスの圧力を適当に設定すると、レーザが溶
かして生じる被加工物のプラズマ粒子を吹き飛ばして、
レーザ加工ヘッドの光学系が汚染されないように保護す
ることができる。さらにガスの圧力を高く設定してレー
ザ加工部分にガスが高速で当たるようにすると、被加工
物が溶融されるに従って高速のガスで吹き飛ばすので、
被加工物が溶断される。不活性ガスは制御部筐体中に積
んだボンベから供給することもできるが、筐体外のガス
源から配管で供給するようにしても良い。
【0027】ヘッド内壁には複数の光ファイバー15が
配設されていて、統合してイメージファイバー16を形
成しており、ヘッド支持棒4内の中空部を通って制御部
筐体2内のモニター装置17に接続している。モニター
装置17は、各光ファイバー15が加工部からの光を受
光したものを統合してイメージファイバー16が形成す
るイメージを機側あるいは中央監視室に設けられた表示
管に表示する。操作員は表示されたイメージから加工状
況を判断することができる。レーザ加工ヘッド1の先端
部と被加工物とをたとえば5mm間隔に保持するなど一
定の関係に保つためガイドローラ18が取り付けられて
いる。
【0028】以上のようにして構成されたレーザ加工ヘ
ッド1は、レーザ加工ヘッド1を先端に支持するヘッド
支持棒4の外径に合わせて、外径が約15mm、長さ2
0mm程度にすることができ、全体として極めて小型な
加工ヘッドとなる。従って、本実施例の装置を用いれ
ば、細管やスリット内など、極めて狭隘な部分にレーザ
加工ヘッド1を挿入してレーザ加工することが可能であ
る。また、光ファイバー5の先端を屈折率分布型レンズ
8の端面に対して出し入れして距離を調整することがで
きるから、同一の装置で、溶接、切断、焼き入れ、クラ
ッディング、マーキング等、各種のレーザ加工を実施す
ることができる。なお、第2実施例の説明において詳細
に述べるものと同様のフィラーワイヤ給送装置を付属す
ることにより充填溶接を行うようにすることができる。
また、対象あるいは加工の種類に従って適切なレーザ加
工におけるエネルギー分布状態を選択することができる
ばかりか、加工中に遠隔で連続的に加工位置を変化させ
ることができる。なお、本実施例では光ファイバー5の
位置調整を制御部筐体2内の駆動装置10で行うことと
したが、先端部のレーザ加工ヘッド1内に極小型の駆動
装置を備えてこれを遠隔的に制御して光ファイバー5を
出し入れしても良いことはいうまでもない。さらに、モ
ニター装置を通じて加工状態を連続的に監視することが
できる。なお、イメージファイバー16はヘッド内壁に
分布して配設した複数の光ファイバー15を統合するよ
うに構成したが、複数の光ファイバーを束ねたものの断
面を加工部分に向けて画像を直接的に取得するようなも
のであっても良い。
【0029】
【実施例2】図10は、本発明の第2の実施例のレーザ
加工ヘッドの壁の一部を取り除いたところを表す斜視図
である。第2実施例は、狭開先レーザ溶接用に構成され
た加工ヘッドの例を示すもので、溶接用とするために加
工点にワイヤを送給する供給装置が付加され、またレー
ザによる多層溶接を実現するためにレーザ光を導くファ
イバーを2本設置している。図10は第2実施例のレー
ザ加工ヘッド21の保護カバー内側の壁を取り除いた状
態を表している。レーザ加工ヘッド21は、チップ保持
ブロック22を有し、該チップ保持ブロック22には最
上部にモニター用のイメージファイバー23が埋め込ま
れている。イメージファイバー23は複数の光ファイバ
ーを両先端で同じ配置になるように束ねたものであっ
て、先端で取得した画像は光ファイバー24により伝送
される。
【0030】イメージファイバー23の直下には第1の
レーザ加工チップ25が配置されている。第1レーザ加
工チップ25は先端に第1の屈折率分布型レンズ26を
埋設してあって、このレンズの端面には加工用のレーザ
光を伝送してくる光ファイバーの先端が同軸上に当設さ
れていて両者の距離が調整できるように構成されてい
る。距離の調整は第1実施例と同様に外部の調整装置に
より光ファイバーを抜き差しするようにしても良いし、
ブロック22内に小型の駆動装置を備えてもよい。光フ
ァイバーは、光ファイバーが内部で滑動できる第1のロ
ーラチューブ27に支持されて制御部筐体を介してレー
ザ光を分配する幹線光ファイバーに結合されている。な
お、上記の距離調整でも的確な集光位置の調整ができな
い場合は、適当な屈折率分布型レンズと取り替えること
により調整可能位置を変更することができる。第1レー
ザ加工チップ25のさらに下には第2のレーザ加工チッ
プ28が配置されている。第2レーザ加工チップ28も
第1レーザ加工チップ25と同様に先端に第2の屈折率
分布型レンズ29を埋設してあって、このレンズの端面
には第2のローラチューブ30に支持された光ファイバ
ーの先端が当設されていて両者の距離が調整できるよう
になっている。距離の調整方法も第1レーザ加工チップ
25と同様である。
【0031】第2レーザ加工チップ28の下にはガス吹
き出し管31が配置されている。適当な圧力を有するガ
スがガス配管32により供給される。ガス吹き出し管3
1の吹き出し口は第1レーザ加工チップ25と第2レー
ザ加工チップ28の先端部に向いており、吹き出したガ
スがレーザ加工ヘッドを冷却すると共に、レーザにより
生じるスパッタやプルームを吹き飛ばして、レーザ加工
ヘッドが汚染されないように保護する。さらに第2レー
ザ加工チップ28がレーザ加工している部分にガスが高
速で当たるようにすると、被加工物の溶断が可能とな
る。また、ガス吹き出し管31の下のブロック22内に
は図示しないフィラーワイヤ給送装置が設備されてい
る。フィラーワイヤ給送装置はフィラーワイヤ33の先
端を第2レーザ加工チップ28から放射されるレーザビ
ームの溶接可能領域内に供給する。フィラーワイヤは上
記レーザビームにより溶解されて被加工物表面に付着し
てそこで固化する。フィラーワイヤは先端部分が溶融さ
れて消費されるに従って新たに押し出されてきて、フィ
ラーワイヤ給送装置に供給される。レーザ加工ヘッド2
1はヘッドカバー34に覆われている。レーザ加工ヘッ
ド21は断面が幅約15mm、高さ約55mmの大きさ
に収まった。なお、35は光ファイバー24、27等を
保護するカバーで、チップ保持ブロック22は保護カバ
ー35に対して固定される。
【0032】本実施例のレーザ加工ヘッドによれば、第
1レーザ加工チップ25からのレーザ光が母材の表面を
僅かに溶かして添加金属との濡れ性を高める。レーザ加
工ヘッド21は適当な速度で上方に移動するので、母材
表面の濡れ性が高くなったところで第2レーザ加工チッ
プ28から出射されるレーザ光がフィラーワイヤを溶融
し母材表面に付着して開先を充填する。加工部分はイメ
ージファイバーで監視される。ガス吹き出し管31から
吹き付ける不活性ガス(N2,Ar,He等)が光ファ
イバー先端の屈折率分布型レンズの冷却と表面保護のた
めに効果がある。加工ヘッドは手鍵状に曲がっており、
狭隘箇所の奥にある開先部の多層盛りレーザ溶接が実現
できる。
【0033】図11は第2実施例のレーザ加工ヘッドを
使用するレーザ加工装置をその使用の形態と共に示す平
面断面図である。図11に示すレーザ加工装置は、特に
核融合炉内壁の保護ブロックをレーザ加工することがで
きるように構成されている。トンネル状の核融合炉の内
壁60には厚さ70mmの支持梁61が周方向に取り付
けられている。また、保護ブロック62には2本の下駄
の歯のような厚さ70mmの支持部63があって、これ
が壁の支持梁61に溶接されて壁に固定される。保護ブ
ロック62は厚みが約400mmで方形をしていて相互
にほぼ20mmの間隔でタイル状に貼り付けられてい
る。ただし、保護ブロック62はほぼ馬蹄状に配置され
ていて、炉内の床部には保護ブロック62が貼られてい
ない部分がある。これら保護ブロック62により炉内の
空間に強い封じ込め磁界を作ると共に、高温高圧プラズ
マの温度が内壁に与える影響を緩和する。この核融合炉
内壁に設けられる保護ブロックは、定期的に補修する必
要があるが、炉内には放射能が残留するため、人が入っ
て工事することは避けなければならない。保護ブロック
を取り替えるためにはブロック裏側の支持梁を切断して
剥がした上で新しいブロックを付けて溶接するが、これ
までは中側のブロックにアクセスする方法がなく端から
順に切り外して、中側から順に取り付けていくしかなか
った。図11に示すレーザ加工装置によれば、核融合炉
内壁の保護ブロックを遠隔操作によりレーザ加工するこ
とが容易になる。
【0034】図11において、図10に示したレーザ加
工ヘッド21が断面長矩形の保護カバー35で囲った、
先端が弧をなしている支持棒40により制御部筐体41
に固定されている。制御部筐体41内には、イメージフ
ァイバー23からの光情報を受けて表示させるモニター
装置42、第1ローラチューブ27中の光ファイバーを
抜き差しして先端位置を調整する第1の調整装置43、
第2ローラチューブ30中の光ファイバー先端位置を調
整する第2調整装置44、図外のレーザ発振器からのレ
ーザ光を分岐して第1調整装置43と第2調整装置44
に供給する光分岐装置45、ガス配管32に供給する不
活性ガスの圧力を調整するガス供給装置46、フィラー
ワイヤ33を供給するフィラーワイヤ給送装置47が収
納されている。制御部筐体41はさらに入れ子状態で外
筐48に納まっていてアクチュエータ49により図中左
右に移動するようになっている。外筐48は被加工物に
対して平行に敷設されるレール50に沿って図に対して
垂直方向に駆動される。51はレール50を挟んで外筐
48を駆動するためのローラ、52はローラ51を駆動
するモータである。
【0035】図12は、溶接対象開先の例として核融合
炉内壁の保護ブロック62の足部63に形成した厚み7
0mmの板の開先断面形状を示す。多層盛り溶接は、開
先の奥にある6.5mmの突き合わせ部分で加工後の姿
勢が崩れないように溶接による仮留めを行った後に、最
奥部幅3mmの部分からフィラーワイヤ33を溶融しな
がら充填してゆく。このときフィラーワイヤ33を溶融
した溶融金属が溶着面になじみやすいように予め充填位
置を少し溶融して濡れ性を高めておく。溶融位置は、充
填が進むにつれて後退しつつ層を成し、最後には表面に
おける幅4mmのところまで充填して完成する。図11
に示すレーザ加工装置によって核融合炉内壁の保護ブロ
ック62をレーザ加工するときは、レーザ加工ヘッド2
1を保護ブロックがない馬蹄型の下方の空き部分からブ
ロック裏側の空間に挿入し、幅20mmの隙間に厚さ1
5mmのヘッド支持棒部分40を通し、挿入深さをアク
チュエータ49で加減して加工ヘッド21が溶接部位か
ら外れないようにしながら、レール50に沿ってローラ
駆動することによりレーザ加工ヘッド支持棒40を隙間
に沿って上方に移動させてつつ、切断あるいは溶接を行
う。このように、本実施例のレーザ加工ヘッドを用いれ
ば、上記のような狭隘部分のレーザ加工が容易に実施可
能になる。また、人の立ち入れないような部分について
も遠隔でレーザ加工を施すことが可能となる。また、ヨ
ウ素レーザを使用し、ヨウ素レーザの波長における吸収
率が低い石英を母材とする屈折率分布型レンズを使用し
た場合には、大型のレーザ発振器を用いて高出力レーザ
光を任意の位置に配送してレーザ加工を実施することが
できる。
【0036】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明のレーザ加
工ヘッドは少ない部品を用いて極めて小型に仕上がるた
め、狭隘部に挿入してレーザ加工を行うことができる。
さらにレーザ加工部位を光ファイバー挿入量により加減
できるので、各種のレーザ加工に対応ができるほか、加
工中に有効なレーザエネルギーを供給する位置を変更し
ながら適切な加工を実施することができる。また、容易
に遠隔操作することができるので、核融合炉内のように
人の立ち入れない雰囲気中でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】屈折率分布型レンズ端面に点光源を密着させた
ときの結像状態を表す図面である。
【図3】屈折率分布型レンズのピッチと出射端面・像間
距離の関係を表すグラフである。
【図4】光ファイバーからの出射光を点光源と見なすと
きの光源位置の関係を示す図である。
【図5】仮想点光源位置を計算した結果を示すグラフで
ある。
【図6】屈折率分布型レンズのピッチと集光点位置の関
係を示す図である。
【図7】点光源を屈折率分布型レンズの入射端面近くに
置いたとき(図7(a))と、遠ざけて置いたとき(図
7(b))の集光点位置を示す図面である。
【図8】屈折率分布型レンズの結像原理を示す図面であ
る。
【図9】屈折率分布型レンズにおける物体・レンズ前面
間距離l1と像・レンズ後面間距離l2の関係を示すグラ
フである。
【図10】第2実施例のレーザ加工ヘッドを表す図面で
ある。
【図11】第2実施例のレーザ加工ヘッドを使用するレ
ーザ加工装置をその使用の形態と共に示す平面断面図で
ある。
【図12】溶接対象開先例の断面形状を示す図面であ
る。
【図13】従来のレーザ加工ヘッドの例を示す図面であ
る。
【図14】従来のスリーブ溶接法の装置構成例の概略図
である。
【符号の説明】
1 レーザ加工ヘッド 2 制御部筐体 3 アタッチメント 4 ヘッド支持棒 5 光ファイバー 6 保持具 7 支持材 8 屈折率分布型レンズ 9 ローラチューブ 10 駆動装置 11 ガイド 12 ノズル 13 ガス管 14 ガス供給装置 15 光ファイバー 16 イメージファイバー 17 モニター装置 18 ガイドローラ 21 レーザ加工ヘッド 22 チップ保持ブロック 23 イメージファイバー 24 光ファイバー 25 レーザ加工チップ 26 屈折率分布型レンズ 27 ローラチューブ 28 第2レーザ加工チップ 29 屈折率分布型レンズ 30 ローラチューブ 31 ガス吹き出し管 32 ガス配管 33 フィラーワイヤ 34 ヘッドカバー 35 保護カバー 40 レーザ加工ヘッド支持棒 41 制御部筐体 42 モニター装置 43 調整装置 44 調整装置 45 光分岐装置 46 ガス供給装置 47 フィラーワイヤ給送装置 48 外筐 49 アクチュエータ 50 レール 51 ローラ 52 モータ 60 核融合炉内壁 61 支持梁 62 保護ブロック 63 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 26/14 B23K 26/14 A G02B 6/42 G02B 6/42 G21C 19/02 GDP G21C 19/02 GDPJ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を導く光ファイバーのレーザ出
    力端に屈折率分布型レンズを光軸が一致するように配設
    し、該屈折率分布型レンズが前記光ファイバーから射出
    した発散角を有するレーザ光を集光して加工に用いるレ
    ーザ加工ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレーザ加工ヘッドであっ
    て、 さらに、該レーザ加工ヘッドの先端部にワイヤチップを
    備え、かつ該ワイヤチップにフィラーワイヤを供給する
    フィラー供給機構を備えて、前記屈折率分布型レンズに
    より集光されたレーザ部分にフィラーワイヤの先端を供
    給することを特徴とするレーザ加工ヘッド。
  3. 【請求項3】 レーザ光を導く第1と第2の光ファイバ
    ーを有し、第1光ファイバーのレーザ出力端に第1の屈
    折率分布型レンズを光軸が一致するように配設し、第2
    光ファイバーのレーザ出力端に第2の屈折率分布型レン
    ズを光軸が一致するように配設し、第2屈折率分布型レ
    ンズにより集光されたレーザ部分にフィラーワイヤの先
    端を供給するワイヤチップを備え、かつ該ワイヤチップ
    にフィラーワイヤを供給するフィラー供給機構を備え
    て、 前記第1屈折率分布型レンズにより集光されたレーザ光
    を用いて溶接部の材料表面を溶かし、続いて前記第2屈
    折率分布型レンズにより集光されたレーザ光を用いてフ
    ィラーワイヤを溶融して溶接部に充填するレーザ加工ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のレ
    ーザ加工ヘッドであって、 前記光ファイバーの出力端面と前記屈折分布型レンズの
    入射端面の間の距離を調整する機構を備えることを特徴
    とするレーザ加工ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のレ
    ーザ加工ヘッドであって、 さらに、前記屈折率分布型レンズの周縁部に同心状のノ
    ズルを備え、かつ該ノズルに集光レンズの冷却用ガス、
    溶接ガスもしくはシールドガスを供給するガス供給管を
    備えることを特徴とするレーザ加工ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のレ
    ーザ加工ヘッドであって、 さらに、前記屈折率分布型レンズの周囲に同心状に配設
    されて加工部からの光を受ける複数の光ファイバーから
    なるイメージファイバーを備えることを特徴とするレー
    ザ加工ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のレ
    ーザ加工ヘッドであって、 前記レーザ光がヨウ素レーザにより生成されるものであ
    って、前記屈折率分布型レンズの母材が石英であること
    を特徴とするレーザ加工ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7038162B2 (en) * 2003-11-13 2006-05-02 Honeywell International, Inc. Hand-held laser welding wand filler media delivery systems and methods
JP2007203330A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Jfe Steel Kk レーザー溶接方法
JP2008006471A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Sugino Mach Ltd レーザ光線加工装置
JP2016068131A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 ファナック株式会社 集光径を拡大できるレーザ加工装置

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US9656349B2 (en) 2014-09-30 2017-05-23 Fanuc Corporation Laser processing apparatus capable of increasing focused beam diameter

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