JPH09101129A - 路面計測装置 - Google Patents

路面計測装置

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JPH09101129A
JPH09101129A JP25843995A JP25843995A JPH09101129A JP H09101129 A JPH09101129 A JP H09101129A JP 25843995 A JP25843995 A JP 25843995A JP 25843995 A JP25843995 A JP 25843995A JP H09101129 A JPH09101129 A JP H09101129A
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slit
slit light
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road surface
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剛彦 杉ノ内
Yukifumi Tsuda
幸文 津田
Kazutoshi Iketani
和俊 池谷
Ryuji Horie
竜司 堀江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触で道路のわだちなどの路面性状を計測
する装置に関するもので、より正確な路面計測の実現と
目視検査の省力化を目的とする。 【解決手段】 路面上にスリット光を照射するスリット
光照射手段102と、路面からの反射散乱光を撮像する
TVカメラ101と、A/D変換手段106と、スリッ
ト光像の画素信号の最大値位置を検出するスリット抽出
手段109と、最大値位置を中心として隣接する複数画
素の画素信号を用いてスリット中心位置を計算する高精
度中心算出手段111と、スリット中心位置からわだち
算出の基準となる基準線を設定する基準線設定手段11
2と、路面のわだちを計算するわだち算出手段113
と、デ−タ記録手段114により路面計測を自動的に行
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触で道路のわ
だちなどの路面性状を計測する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、路面の点検は点検員の目視による
巡視にて行われており、各点検員において路面の損傷具
合いの判定基準を統一することは難しく、経験を積み重
ねるなどの努力がなされている。わだち掘れ計測におい
ても、近年自動計測の要望が強くなってきており、路面
計測車が開発されつつある。路面計測車の一例として特
開平04−291105号公報には、スリット光を路面
に照射して、その反射光をカメラで撮像してその反射光
の輝度分布を用いて重心計算して、その重心位置の歪量
から路面の凹凸量を算出する方法が示されている。この
手法自体は、一般的な光切断法を用いた三次元計測手法
であり、この公報では路面からの反射光の強さから路面
上にペイント等の輝度の異なる部位が存在することを判
定して測定開始などの基準位置を設定する方法について
述べられている。即ち、図30はこの従来例のブロック
構成図であり、測定面b3001に照射手段A3003
からビーム光線a3002を照射し、撮影手段B300
4で撮像し、輝度分布演算手段C3005でA/D変換
して重心演算手段D3006で輝度分布の重心位置を計
算し、有意性判定手段E3007で反射光の輝度レベル
を判定して、輝度レベルが規定値より低ければ凹凸演算
手段F3008で凹凸量を計算し、規定値より高ければ
有意信号処理手段G3009で路面上にペイント等の輝
度の高い部位が存在することを判定して測定開始などの
基準位置を設定している。
【0003】また路面計測車の他の一例として特公平0
3−55764号公報には、レーザスリット光を路面に
照射して、その反射光をテレビカメラで撮像してその反
射光の基準線に対するズレ量から路面の凹凸量を算出す
る方法が示されている。この手法も、一般的な光切断法
を用いた三次元計測手法であり、この公報ではレーザ反
射光の基準線に対するズレ量を道路幅方向の複数の位置
においてそれぞれ算出することと路面の凹凸量の表示方
法について述べられている。図31はこの従来例の投光
系及び受光検出系の概略図であり、路面3101にレー
ザ送出器3102からの光をシリンダレンズ3103を
通して帯状に照射し、その反射光をテレビカメラ4台3
104、3105、3106、3107で撮像し、反射
光のずれ量をそれぞれ算出している。更に図32に示す
ように、算出した反射光のずれ量を示す曲線3201に
おいて、路面の両側路肩P1 3202とP1 ’3203
の位置を基準の高さとし、これらの点を結ぶ線分H32
04を基準線として基準線H3204からの曲線320
1のずれ量h3205により路面の凹凸量を算出してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
ような従来例には以下に示す課題がある。まず図30に
示した特開平04−291105号公報の例では、A/
D変換された輝度信号の極大点を中心にn画素の範囲で
重心計算しているが、路面表面がすべり止め加工されて
ざらざらの状態であったり、塗装が施されている場合な
どはスリット光の輝度以外にも極大点がいくつも存在す
る場合が多々あり、間違った極大点を見つけてしまうこ
とがある。
【0005】また、撮像される輝度レベルが路面の状態
・塗装などによって絶えず変化し、スリット光のピーク
レベルも影響を受け、変化する。この絶えず変動する輝
度レベルをそのまま用いて重心計算すると、レベルによ
って重心計算の精度が左右されてしまい、ノイズの影響
度合いも大きく変化してしまうという課題がある。
【0006】さらに、路面のわだちを計測するために
は、路面の横断面全体を計測して基準からの変位量を計
測する必要があるため、一度に路面全体にスリット光を
照射し撮像することが望ましいが、スリット光の拡大や
撮像光学系の限界から、広い範囲を対象にすると周辺部
での画像歪みが生じてしまい誤差の要因となってしま
う。
【0007】次に図32に示した特公平03−5576
4号公報の例では、上述の一度に路面全体にスリット光
を照射し撮像することの課題に対して、撮像部を複数台
設けて、分割してスリット光を撮像する工夫をしてい
る。しかしながら、スリット光の照射は路面全体に一度
に行っているためスリットをかなり広く拡大する必要が
あり、スリット光源を非常に出力の大きいものにする必
要がある。このため周辺光学系の耐久性や取扱い時の安
全性の課題が生じると共に、撮像部を複数台設けること
により、個々の撮像部の設置調整の手間や計測中の振動
などによる各撮像画面の相対位置のずれが実際上生じて
しまい正確な基準線の設定が難しいという課題もある。
【0008】また基準線の設定に関しては、路面の両側
の路肩の位置を基準の高さとし、これらの2点を結ぶ線
分を基準線としているが、測定車の走行または停車位置
を進行方向に対して正確に各測定時で位置合わせするこ
とは実際上難しく、基準とすべき路肩の位置が画面上で
左右・上下に動いてしまうため、正確な基準線を常に保
つことは非常に難しく正確な計測ができない。
【0009】本発明は上記従来技術の課題を解決するも
ので、より正確な路面計測の実現と目視検査の省力化を
可能とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、第1に、路面上にスリット光を照射するス
リット光照射手段と、路面からの反射散乱光を撮像する
撮像手段と、A/D変換手段と、スリット光像の画素信
号の最大値位置を検出するスリット抽出手段と、最大値
位置を中心として隣接する複数画素の画素信号を用いて
スリット中心位置を計算する高精度中心算出手段と、ス
リット中心位置からわだち算出の基準となる基準線を設
定する基準線設定手段と、路面のわだちを計算するわだ
ち算出手段と、データ記録手段を具備するものである。
【0011】第2に、路面上に複数のスリット光を、ス
リットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつつ前
記長手方向に実質的に垂直な方向では重複させないで照
射するスリット光照射手段と、それぞれの反射散乱光を
部分的に重複して撮像する複数の撮像手段と、A/D変
換手段と、スリット抽出手段と、高精度中心算出手段
と、前記複数の撮像手段から部分的に重複する撮像視野
内に撮像された複数のスリット光像の位置関係から前記
撮像手段の撮像視野のずれ量を算出し、それぞれの画素
信号をずれ補正する撮像視野補正手段と、前記ずれ補正
されたスリット光像の中心位置を合成し、1つのスリッ
ト光像を生成するスリット合成手段と、基準線設定手段
と、わだち算出手段と、データ記録手段を具備するもの
である。
【0012】第3に、撮像視野補正手段が、重複する画
像領域を切り出す重複領域切り出し手段と、複数の特徴
点を抽出する特徴点候補抽出手段と、特徴点候補間の関
連を用いて重複するスリット光像の特徴点の対応付けを
行い正式な特徴点を決定する特徴点決定手段と、決定さ
れた特徴点の座標を用いて移動および回転パラメータを
算出する移動回転量算出手段と、算出された移動および
回転パラメータを用いてそれぞれのスリット光像を移動
回転する座標演算手段を具備するものである。
【0013】第4に、路面上に複数のスリット光を、ス
リットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつつ前
記長手方向に実質的に垂直な方向では重複させないで照
射するスリット光照射手段と、前記複数のスリット光の
反射散乱光を部分的に重複して撮像する複数の撮像手段
と、複数の撮像手段の部分的に重複する撮像視野内の異
なる位置に複数の高輝度マークを撮像させる高輝度マー
ク設定手段と、A/D変換手段と、スリット抽出手段
と、高精度中心算出手段と、複数の撮像手段の部分的に
重複する撮像視野内の異なる位置に撮像された複数の高
輝度マークの位置を抽出し、それぞれの高輝度マークの
位置関係から撮像手段の撮像視野のずれ量を算出し、そ
れぞれの画素信号をずれ補正する撮像視野補正手段と、
複数のスリット光像の中心位置を合成するスリット合成
手段と、基準線設定手段と、わだち算出手段と、データ
記録手段を具備するものである。
【0014】第5に、高輝度マーク設定手段が、路面上
に複数の光スポットを照射する光スポット照射手段を具
備するものである。
【0015】第6に、スリット抽出手段が、ある画素位
置xにおける画素信号値L1が、その画素位置xから+
k画素離れた画素信号値L2と−k画素離れた画素信号
値L3より大きく、かつL2とL3の差の絶対値が設定
値T1より小さく、かつL1からL2とL3の平均値を
差し引いた値L4が設定値T2より大きくかつ最大とな
る場合、画素位置xをスリット光像の画素信号の最大値
位置として出力する手段を具備するものである。
【0016】第7に、スリット抽出手段が、スリット光
像の長手方向に比率2対1以上の細長い予め設定された
領域内の画素信号の平均値を計算するノイズ除去手段
と、ノイズ除去手段からの画素信号を用いて、ある画素
位置xにおける画素信号値L1が、その画素位置xから
+k画素離れた画素信号値L2と−k画素離れた画素信
号値L3より大きく、かつL2とL3の差の絶対値が設
定値T1より小さく、かつL1からL2とL3の平均値
を差し引いた値L4が設定値T2より大きくかつ最大と
なる場合、画素位置xをスリット光像の画素信号の最大
値位置として出力する手段を具備するものである。
【0017】第8に、スリット抽出手段が、スリット光
像の長手方向に比率2対1以上の細長い予め設定された
領域内の画素信号の最小値を計算するノイズ除去手段
と、ノイズ除去手段からの画素信号を用いて、ある画素
位置xにおける画素信号値L1が、その画素位置xから
+k画素離れた画素信号値L2と−k画素離れた画素信
号値L3より大きく、かつL2とL3の差の絶対値が設
定値T1より小さく、かつL1からL2とL3の平均値
を差し引いた値L4が設定値T2より大きくかつ最大と
なる場合、画素位置xをスリット光像の画素信号の最大
値位置として出力する手段を具備するものである。
【0018】第9に、高精度中心算出手段が、スリット
光像の画素信号の最大値位置に隣接する±m画素の画素
信号から、所定の値を差し引いた値を補正画素信号と
し、補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算し
てスリット中心位置を計算する手段を具備するものであ
る。
【0019】第10に、高精度中心算出手段が、最大値
位置に隣接する±m画素の画素信号から、最大値位置か
ら±(m+1)画素はなれた画素信号2個の平均値を差
し引いた値を補正画素信号とし、補正画素信号のうち正
符号の値を用いて重心計算する手段を具備するものであ
る。
【0020】第11に、高精度中心算出手段が、最大値
位置に隣接する−m1個離れた画素から+m2個離れた
画素の計(m1+m2+1)個のそれぞれの画素信号か
ら、所定の値を差し引いた値を補正画素信号とし、前記
補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算する手
段で、かつ最大値と前記最大値位置に隣接する+1画素
はなれた画素信号との差が設定値よりも小さい場合前記
m2の値をm2+1として重心計算し、最大値と前記最
大値位置に隣接する−1画素はなれた画素信号との差が
設定値よりも小さい場合前記m1の値をm1+1として
重心計算する手段を具備するものである。
【0021】第12に、高精度中心算出手段が、補正画
素信号とその最大値位置を示す画素の位置情報を変数と
した重回帰モデルを用いてスリット光像の中心位置を計
算する手段を具備するものである。
【0022】第13に、基準線設定手段が、ハフ変換を
行った分布からスリット光像の直線度合を求めるスリッ
ト検定手段とわだち算出の基準となる基準線を設定する
基準線検出手段を具備するものである。
【0023】第14に、基準線検出手段が、スリット検
定手段で求めた(ρ1,θ1)と(ρ2,θ2)の値の
差が設定値より大きい場合、スリット中心位置に対して
フーリエ記述子の低域フーリエ係数を用いた平滑処理を
行い、平滑処理されたスリット中心位置の歪みの極大点
を直線で結んで基準線を設定する手段を具備するもので
ある。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は上記構成によって、第1
に、路面上にスリット光を照射してその反射散乱光を撮
像しA/D変換してスリット光像を取得し、スリット光
像の画素信号の最大値位置を検出して、その最大値位置
に隣接する複数画素の画素信号を用いてスリット中心位
置を高精度に計算し、そのスリット中心位置からわだち
算出の基準となる基準線を設定するとともに、路面のわ
だちを計算・記録することにより路面計測を自動的に行
う。
【0025】第2に、路面上に複数のスリット光をスリ
ットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつつ前記
長手方向におおむね垂直な方向では重複させないで照射
してそれぞれの反射散乱光を部分的に重複して撮像し、
A/D変換してそれぞれのスリット光像を取得し、スリ
ット光像の画素信号の最大値位置を検出して、その最大
値位置に隣接する複数画素の画素信号を用いてスリット
中心位置を高精度に計算し、部分的に重複する撮像視野
内に撮像された複数のスリット光像の位置関係から撮像
視野のずれ量を算出し、それぞれの画素信号をずれ補正
し、ずれ補正された複数のスリット光像の中心位置を合
成し1つのスリット光像を生成した後、そのスリット中
心位置からわだち算出の基準となる基準線を設定すると
ともに、路面のわだちを計算・記録することにより路面
計測を自動的に行う。
【0026】第3に、撮像視野補正手段で、複数のスリ
ット光像からスリット光像が重複する画像領域を切り出
し、そのスリット光像から複数の特徴点を抽出し、特徴
点候補間の関連を用いて重複するスリット光像の特徴点
の対応付けを行い、対応がとれた特徴点の座標を用いて
移動および回転パラメータを算出し、算出された移動お
よび回転パラメータを用いてそれぞれのスリット光像を
移動回転して1つのスリット光像を生成する。
【0027】第4に、路面上に複数のスリット光をスリ
ットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつつ前記
長手方向におおむね垂直な方向では重複させないで照射
してそれぞれの反射散乱光を部分的に重複して撮像し、
かつ高輝度マーク設定手段で複数の撮像手段の部分的に
重複する撮像視野内の異なる位置に複数の高輝度マーク
を撮像させ、これらの画像をA/D変換してそれぞれの
スリット光像および高輝度マーク画像を取得し、スリッ
ト光像の画素信号の最大値位置を検出して、その最大値
位置に隣接する複数画素の画素信号を用いてスリット中
心位置を高精度に計算するとともに、撮像視野調整手段
で複数の高輝度マークの位置を抽出して、それぞれの高
輝度マークの位置関係から撮像手段の撮像視野のずれ量
を算出し、その補正量とそれぞれのスリット中心位置を
用いて複数のスリット光像の中心位置を合成し1つのス
リット光像を生成した後、そのスリット中心位置からわ
だち算出の基準となる基準線を設定するとともに、路面
のわだちを計算・記録することにより路面計測を自動的
に行う。
【0028】第5に、光スポット照射手段で路面上に複
数の光スポットを照射し、高輝度マークを撮像させてい
る。
【0029】第6に、スリット抽出手段で、画素位置x
における画素信号値L1と、そこから±k画素離れた画
素信号値L2とL3を用いて、スリット光像の画素信号
の最大値位置を抽出する。
【0030】第7に、スリット抽出手段で、スリット光
像の長手方向に比率2対1以上の細長い予め設定された
領域内の画素信号の平均値を計算してノイズ除去を行
い、その後画素位置xにおける画素信号値L1と、そこ
から±k画素離れた画素信号値L2とL3を用いて、ス
リット光像の画素信号の最大値位置を抽出する。
【0031】第8に、スリット抽出手段で、スリット光
像の長手方向に比率2対1以上の細長い予め設定された
領域内の画素信号の最小値を計算してノイズ除去を行
い、その後画素位置xにおける画素信号値L1と、そこ
から±k画素離れた画素信号値L2とL3を用いて、ス
リット光像の画素信号の最大値位置を抽出する。
【0032】第9に、高精度中心算出手段で、スリット
光像の画素信号の最大値位置に隣接する±m画素の画素
信号から所定の値を差し引いた値を補正画素信号とし、
補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算してス
リット中心位置を高精度に計算する。
【0033】第10に、高精度中心算出手段で、最大値
位置に隣接する±m画素の画素信号から、最大値位置か
ら±(m+1)画素はなれた画素信号2個の平均値を差
し引いた値を補正画素信号とし、補正画素信号のうち正
符号の値を用いて重心計算してスリット中心位置を高精
度に計算する。
【0034】第11に、高精度中心算出手段で、最大値
位置に隣接する−m1個離れた画素から+m2個離れた
画素の計(m1+m2+1)個のそれぞれの画素信号か
ら、所定の値を差し引いた値を補正画素信号とし、前記
補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算する際
に、最大値と前記最大値位置に隣接する±1画素はなれ
た画素信号との差によって重心計算に用いる画素数を再
設定して計算し、スリット中心位置を高精度に求める。
【0035】第12に、高精度中心算出手段で、補正画
素信号とその最大値位置を示す画素の位置情報を変数と
した重回帰モデルを用いてスリット光像の中心位置を高
精度に計算する。
【0036】第13に、基準線設定手段で、ハフ変換を
行った分布からスリット光像の直線度合を求め、直線度
合いが高い場合、ハフ変換で求めた直線をわだち算出の
基準となる基準線とする。
【0037】第14に、基準線検出手段で、ハフ変換を
行った分布からスリット光像の直線度合を求め、直線度
合いが低い場合、スリット中心位置に対してフーリエ記
述子の低域フーリエ係数を用いた平滑処理を行い、平滑
処理されたスリット中心位置の歪みの極大点を結んだ直
線を基準線とする。
【0038】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0039】図1は本発明の第1の実施例における路面
計測装置のブロック結線図である。図1において、10
1はTVカメラ、102は路面にスリット光を照射する
スリット光照射手段、103はスリット光、104は路
面、105はTVカメラ101の出力である画像信号、
106はA/D変換手段、107はメモリA、108は
A/D変換手段106の出力であるデジタル画素信号、
109はスリット光を抽出して水平走査線毎にスリット
光像の中心を含む画素位置を得るスリット抽出手段、1
10はメモリB、111はスリット光像の位置をサブピ
クセル単位で求める高精度中心算出手段、112は基準
線を求める基準線設定手段、113は基準線を基にわだ
ちを求めるわだち算出手段、114はデータ記録手段、
115はMPUバス、116は全体を制御する制御MP
Uである。
【0040】以上のように構成された路面計測装置につ
いて、その動作を説明する。スリット光照射手段102
によりスリット光103を路面104に照射する。スリ
ット光103の照射により路面104上から反射してく
る散乱光を、TVカメラ101で撮像する。この時、本
実施例ではスリット光がTVカメラの垂直走査方向と平
行になる(水平走査線がスリット光に直交する)ように
TVカメラを配置した。すなわち、TVカメラの出力を
モニタTVで表示した時、スリット光は画面のほぼ中央
部に垂直な輝線として映し出される。
【0041】TVカメラ101からの画像信号105
は、A/D変換手段106によりデジタル画素信号10
8に変換され、メモリA107にTVカメラのフレーム
走査またはフィールド走査毎に一時的に記憶される。次
にスリット抽出手段109によりスリット光を抽出し、
水平走査線毎にスリット光像の中心を含む画素位置を得
る。そして高精度中心算出手段111でスリット光像の
位置をサブピクセル単位で求め、基準線設定手段112
で求めた基準線をもとにわだち算出手段113において
わだち量を算出し、データをデータ記録手段114にお
いて記録する。
【0042】次に各構成の動作を詳しく説明する。スリ
ット抽出手段109は、メモリA107に記憶されたス
リット光像から水平走査線毎にスリット光の中心位置を
画素単位で抽出する手段である。動作を、図2、図3、
図4を用いて説明する。TVカメラで撮像した画像は、
スリット光像以外に路面からの反射光が入りノイズにな
る。路面はスベリ止め加工されていたり、雨上がりなど
に部分的に路面が湿っていたり、路面が汚れていたりす
ると太陽光による反射光が変化しノイズとなり、スリッ
ト光像との区別がつきにくくなる。
【0043】そこでこのノイズによる影響を軽減するた
め、局所マスクを用いた平均化処理を行う。局所マスク
の形状は、平均化による影響がスリット光像に及ばない
ようにするため、図2に示したようなスリット光像の長
手方向に比率2対1以上の細長いもの採用した。実施例
では7画素×3画素を用いている。この結果、スリット
光像はよりはっきりと他のノイズ反射光との区別がつき
やすくなる。処理結果はメモリB110に記憶される。
【0044】次にスリット光像を抽出するため画素信号
の輝度値の高い位置をスリット光の位置として水平走査
方向に探索する。しかし、スリット光像の他に輝度値が
高い白線や道路文字なども含まれている。そこで安定し
てスリット光像を抽出するために、水平走査方向の画素
信号値のプロフィールを探索する。
【0045】具体的に図3に示したような画素信号分布
を処理する場合を図4を用いて説明する。図3の画素位
置xにおける画素信号L1がその画素信号位置から水平
走査方向に+k画素離れたx+kの位置の画素信号値L
2と−k画素離れたx−kの位置の画素信号値L3より
大きく(図4のステップ(ロ)、(ハ))、かつ前記画
素信号値L2とL3の差の絶対値が予め設定された値T
1より小さく(同ステップ(ニ))、かつ前記画素信号
値L1からL2とL3の平均値を差し引いた値L4が予
め設定された値T2より大きく(図4のステップ
(ホ))、かつ最大となる場合に前記画素位置xをスリ
ット光像の中心を含む画素信号位置として出力する(図
4のステップ(ヘ))。
【0046】なおスリット光像の長手方向に比率2対1
以上の細長い予め設定されたマスク201内の画素信号
の平均値を算出して、結果を注目画素202の画素信号
としたが、平均値ではなく、最小値でも同様の効果が得
られる。ただしその場合はスリット光像のプロフィール
が大きく変わっていることを考慮する必要がある。
【0047】つぎに図5を用いて、高精度中心算出手段
111の動作を説明する。スリット抽出手段109によ
り水平走査方向のスリット光像の中心を含む画素信号位
値x500を求めたら、次にメモリB110から引きだ
したスリット抽出手段109の結果を用いてスリット光
像の位置をサブピクセル単位で求めるためにスリット光
像の画素信号の最大位置x500を中心として水平走査
方向に隣接する±m画素離れたそれぞれの画素信号50
2から503までの画素信号から、最大値位置x500
から水平走査方向に±(m+1)画素はなれた画素信号
2個504、505の平均値L4を差し引いた値を補正
画素信号とし、補正画素信号のうち正符号の値を用いて
重心計算をすることによりスリット光像の位置をサブピ
クセル単位で求めることができる。
【0048】重心を求める式は(数1)である。また、
結果はメモリB110に記憶される。本実施例ではm=
2としたが、画像上のスリットの幅に合わせるのが望ま
しく、m=2の値は本発明をなんら限定するものではな
い。
【0049】
【数1】
【0050】更に図6、図7を用いて、基準線設定手段
112の動作を説明する。スリット光像の直線度合を求
めるスリット検定手段601とわだち算出の基準となる
基準線を設定する基準線検出手段602から構成されて
おり、基準線検出手段602は路面の状態を大きく2つ
に分けるための手段である。わだち以外の部分は平坦で
あれば、平坦部を利用して基準線が求めることができ
る。しかし大きくうねっているような道路では平坦な部
分がないため、相対的な計測となる。この2つに分ける
方法として、平坦部が存在するかどうかを探索すればよ
い。その方法としてハフ変換による直線抽出を用いる。
【0051】スリット検定手段601では、高精度中心
算出手段111で演算されたスリット中心位置に対して
まず粗いピッチのρでハフ変換を行なって分布の最も集
中する範囲603を求め、次に細かいピッチのρでハフ
変換を行なって分布の最も集中する範囲604を求め、
604が603に含まれていれば平坦部が存在すると検
定する。この時、わだち算出の基準となる基準線701
は基準線検出手段602で細かいピッチで求めた範囲6
04の代表値(ρ2、θ2)の値から得られる直線を適
用する。そして基準線701とメモリB110に記憶さ
れた高精度中心算出手段111の結果よりわだち算出手
段113においてわだち量を算出し、結果をデータ記録
手段114に記録する。
【0052】以上のように本実施例によれば路面上にス
リット光を照射するスリット光照射手段と、路面上から
反射して得られる散乱光を撮像する撮像手段と、撮像手
段からの画素信号をA/D変換するA/D変換手段と、
A/D変換されて得られる画素信号からノイズを除去
し、スリット光像の長手方向におおむね垂直な方向ごと
にスリット光像の画素信号の最大輝度値位置を検出する
スリット抽出手段と、スリット光像の中心位置をサブピ
クセル単位で求める高精度中心算出手段と、わだち算出
の基準となる基準線を設定する基準線設定手段と、わだ
ち算出手段と、結果を記録するデータ記録手段により路
面のわだちを計測することにより、ノイズの多い画像信
号からでも確実にスリット光を抽出し、サブピクセル単
位で高精度に位置を計測し、基準線を計測範囲のずれに
影響されずに自動的に設定し、わだちの掘れ量を算出す
ることができる。
【0053】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0054】本発明の第2の実施例では、基本的な路面
計測装置の構成は、本発明の第1の実施例の路面計測装
置の構成と同じであり、本発明の第1の実施例の路面計
測装置の構成を示す図1における高精度中心算出手段以
外の構成及び動作は、本発明の第1の実施例と同一であ
り、構成図及び動作説明は省略し、本実施例における高
精度中心算出手段について詳しく説明する。
【0055】図8は本発明の第2の実施例における高精
度中心算出手段のブロック結線図であり、110はメモ
リB、802は比較手段、803は重心計算パラメータ
設定手段、805は補正画素信号演算手段、806は重
心演算手段である。
【0056】以上のように構成された高精度中心算出手
段について、以下にその動作を説明する。スリット抽出
手段109で演算した画素信号がメモリB110に格納
してあり、図9は、その格納された画素信号のスリット
光像の長手方向におおむね垂直な方向での撮像輝度分
布、即ち本実施例では一水平走査線での画素信号分布を
示している。
【0057】まず比較手段802では、スリット抽出手
段109で求めたスリット光像の画素信号の最大値Lc
901の画素信号位置x900を中心として、水平走査
方向に±1画素離れた画素信号Ld903、Le904
のうち大きい方の値とLc901との差dLa902を
演算し、その差dLa902と予め設定してある値とを
比較する。
【0058】差dLa902が予め設定してある値より
大きい場合、重心計算パラメータ設定手段803で重心
計算に用いる画素の範囲を示すm1とm2を予め定めた
値に設定し、補正画素信号演算手段805で画素信号位
置x900に隣接する+m2画素離れた画素信号Lp9
05から−m1画素離れた画素信号Lq906までの計
(m1+m2+1)個のそれぞれの画素信号から、画素
信号位置x900から水平走査方向に±m画素離れた画
素信号Lx907とLy908の2個の画素信号の平均
値を差し引いた値を補正画素信号とし、重心演算手段8
06で補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算
することによりスリット光像の重心位置807をサブピ
クセル単位で求めている。なお、重心計算には本発明の
実施例1で示した(数1)と同様の式を用いており、m
1の値は2、m2の値は2、mの値は4として、図9
中、黒丸で示した画素信号を用いて計算した。全体の動
作制御は制御信号808で行っている。
【0059】また、図10に示すように、スリット抽出
手段109で求めたスリット光像の画素信号の最大値L
c1001の画素信号位置x1000を中心として、水
平走査方向に±1画素離れた画素信号Ld1003、L
e1004のうち大きい方の値とLc1001との差d
Lb1002が予め設定してある値より小さくなる場合
は、上記のm1およびm2の値のままでは、図10中、
黒丸で示した画素信号を用いて重心計算することにな
り、分布に対して偏った画素信号を用いるため計算結果
の誤差は大きくなってしまう。
【0060】そこで、画素信号位置x1000を中心と
して、水平走査方向に+1画素離れた画素信号Ld10
03とLc1001との差dLb1002が予め設定し
てある値より小さくなる場合は、重心計算パラメータ設
定手段803で重心計算に用いる画素の範囲を示すm1
を予め定めた値に設定し、m2の値をm2+1の値に設
定し、補正画素信号演算手段805で画素信号位置x1
000に隣接する+(m2+1)画素離れた画素信号L
r1005から−m1画素離れた画素信号Lq1006
までの計(m1+1+m2+1)個のそれぞれの画素信
号から、画素信号位置x1000から水平走査方向に±
m画素離れた画素信号Lx1007とLy1008の2
個の画素信号の平均値を差し引いた値を補正画素信号と
し、重心演算手段806で補正画素信号のうち正符号の
値を用いて重心計算することによりスリット光像の重心
位置807をより正確に求めている。別の方法として、
予め重心計算の範囲を広く設定しておくことも考えられ
るが、その場合はスリット光像からはずれたノイズを含
む背景部分の画素信号も含んで計算してしまうことが多
くなり、誤差が大きくなってしまう課題がある。
【0061】同様に、画素信号位置x1000を中心と
して、水平走査方向に−1画素離れた画素信号Le10
04とLc1001との差が予め設定してある値より小
さくなる場合は、m2を予め定めた値に設定し、m1の
値を(m1+1)の値に設定し、+m2から−(m1+
1)までの計(m1+1+m2+1)個のそれぞれの画
素信号から補正画素信号を計算し、重心計算することに
よりスリット光像の重心位置をより正確に求めている。
【0062】以上のように本実施例によれば、高精度中
心算出手段で、最大値位置に隣接する−m1個離れた画
素から+m2個離れた画素の計(m1+m2+1)個の
それぞれの画素信号から、所定の値を差し引いた値を補
正画素信号とし、前記補正画素信号のうち正符号の値を
用いて重心計算する際に、最大値と前記最大値位置に隣
接する±1画素はなれた画素信号との差によって重心計
算に用いる画素数を再設定して計算するため、従来のよ
うな路面の状態・塗装などによって変動するスリット光
の輝度レベルをそのまま用いて重心計算することによる
誤差を低減することができ、スリット中心位置を高精度
に計算し、より正確な路面計測を自動的に行うことがで
きる。
【0063】なお本実施例では、所定の値を最大値位置
から±m画素離れた画素信号LxとLyの2個の画素信
号の平均値としているが、スリット光像以外の背景にノ
イズが少ない場合などは必ずしも平均値を用いる必要は
なく、例えば±m画素離れた画素信号LxとLyのどち
らか一方の値を用いても同様の効果が得られる。
【0064】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0065】本発明の第3の実施例では、基本的な路面
計測装置の構成は、本発明の第1の実施例の路面計測装
置の構成と同じであり、本発明の第1の実施例の路面計
測装置の構成を示す図1における高精度中心算出手段以
外の構成及び動作は、本発明の第1の実施例と同一であ
り、構成図及び動作説明は省略し、本実施例における高
精度中心算出手段について詳しく説明する。
【0066】図11は本発明の第3の実施例における高
精度中心算出手段のブロック結線図である。1101、
1102、1103は画素信号、1104は予め設定さ
れた所定値P、1105、1106、1107は減算手
段、1108、1109、1110は補正画素信号、1
111、1112、1113は多項式変換手段、111
4は最大画素信号位置情報、1115は重回帰係数B
0、1116は加算手段g、1117は加算手段h、1
118は中心計算値、1119は制御信号である。
【0067】以上のように構成された高精度中心算出手
段について、以下にその動作を説明する。スリット抽出
手段109で演算した画素信号がメモリB110に格納
してあり、図12は、その格納された画素信号の水平走
査方向での撮像輝度分布を示しており、即ち本実施例で
は一水平走査線での画素信号分布を示している。この図
12で示すように路面状態などの影響でスリット光の反
射光のレベルが小さく撮像される場合もあり、この場合
は本発明の実施例1および実施例2で示したような重心
計算では計算に用いる画素信号の数が少なすぎて、あま
り精度よく中心位置を計算することができない。
【0068】そこで、本実施例では重心計算の代わりに
補正画素信号を用いた(数2)で示す重回帰モデルを使
って中心位置を求めており、スリット抽出手段で求めた
スリット光像の画素信号の最大値位置を中心として、水
平走査方向に±1画素離れた画素信号、計3画素を用い
ている。
【0069】
【数2】
【0070】まず減算手段a1105、b1106、c
1107では、スリット抽出手段109で求めたスリッ
ト光像の画素信号の最大値Lc1101の画素信号位置
x1200を中心として、水平走査方向に±1画素離れ
た画素信号Ld1102、Le1103の計3個の画素
信号から、所定値P1104を差引き、それぞれ補正画
素信号Qj1108、Qk1109、Ql1110を計
算する。ここで用いた所定値P1104は、画素信号位
置x1200から水平走査方向に±m画素離れた画素信
号Lx1201とLy1202の2個の画素信号の平均
値とした。なお、mの値は4とした。
【0071】次に多項式変換手段d1111、e111
2、f1113で補正画素信号Qj1108、Qk11
09、Ql1110を用いた(数3)で示す多項式計算
をそれぞれ行う。
【0072】
【数3】
【0073】加算手段g1116では最大画素信号位置
情報1114と予め定めてある重回帰係数B01115
を加算し、最後に加算手段h1117で多項式変換手段
d1111、e1112、f1113からの出力と加算
手段g1116の出力を加算することにより、(数2)
で示した重回帰モデルの計算を行い、スリット光像の中
心計算値1118をサブピクセル単位で求めている。全
体の動作制御は制御信号1119で行っている。
【0074】以上のように本実施例によれば、高精度中
心算出手段で、スリット光像の画素信号の最大値位置に
隣接する±m画素の計2m+1個のそれぞれの画素信号
から所定の値を差し引いた値を補正画素信号とし、前記
2m+1個の補正画素信号とその最大値位置を示す画素
の位置情報を変数とした重回帰モデルを用いてスリット
光像の中心位置を高精度に計算するため、従来のような
路面の状態・塗装などによって変動するスリット光の輝
度レベルをそのまま用いて重心計算することによる誤差
を低減することができ、スリット中心位置を高精度に計
算し、より正確な路面計測を自動的に行うことができ
る。
【0075】なお、本実施例で用いた(数2)で示す重
回帰モデルの係数B0からB9の値は、それぞれ、 B0= 0.942 B1= 7.358×10-3 B2=−5.785×10-2 B3=−3.385×10-2 B4=−4.213×10-5 B5= 6.765×10-4 B6= 1.102×10-3 B7= 7.998×10-8 B8=−2.232×10-6 B9=−9.446×10-6 である。これらの係数は、測定環境にあわせて最適な値
に設定する。係数決定の際は、測定前に真の中心位置が
既知である傾斜線としてスリット光像を得、(数2)を
変形した(数4)をカメラの水平走査線ごとに得る。こ
れらの複数の(数4)を用いて、最小2乗法により本実
施例の場合係数B0からB9を決定した。ここで用いた
傾斜線とは、カメラの撮像面の水平もしくは垂直軸に対
して傾斜している直線のことであり、平行でなければよ
い。
【0076】
【数4】
【0077】また本実施例で用いた重回帰モデルでは、
スリット光像の画素信号の最大値位置xを中心に±1画
素で、3次の項までの近似式を用いたが、これらの値は
本発明を限定するものではなく、精度上もしくはハード
ウエア構成上の制限などからこれらの値を増減させて
も、本発明の主旨から逸脱するものではない。
【0078】さらに本実施例では、所定値Pを最大値位
置から±m画素離れた画素信号LxとLyの2個の画素
信号の平均値としているが、スリット光像以外の背景に
ノイズが少ない場合などは必ずしも平均値を用いる必要
はなく、例えば±m画素離れた画素信号LxとLyのど
ちらか一方の値を用いても同様の効果が得られる。
【0079】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0080】本発明の第4の実施例では、基本的な路面
計測装置の構成は、本発明の第1の実施例の路面計測装
置の構成と同じであり、本発明の第1の実施例の路面計
測装置の構成を示す図1における基準線設定手段以外の
構成及び動作は、本発明の第1の実施例と同一であり、
構成図及び動作説明は省略し、本実施例における基準線
設定手段について図13、図14を用いて詳しく説明す
る。
【0081】図13に示す基準線検出手段602は路面
の状態を大きく2つに分けるための手段である。わだち
以外の部分は平坦であれば、平坦部を利用して基準線が
求めることができる。しかし大きくうねっているような
道路では平坦な部分がないため、相対的な計測となる。
【0082】この2つに分ける方法として、平坦部が存
在するかどうかを探索すればよい。その方法としてハフ
変換による直線抽出を用いる。スリット検定手段601
で高精度中心算出手段111で演算されたスリット中心
位置に対してまず粗いピッチのρでハフ変換を行なって
分布の最も集中する範囲603を求め、次に細かいピッ
チのρでハフ変換を行なって分布の最も集中する範囲6
04を求め、基準線検出手段602において範囲604
が範囲603に含まれていなければ平坦部が存在しない
と検定する。
【0083】次に平滑処理手段1301において高精度
中心算出手段111の結果をメモリB110より読みだ
し、図14に示すように、スリット光像1405に対し
てフーリエ記述子の低域フーリエ係数を用いた平滑処理
を行ない、その処理結果1401を用いて、基準線設定
手段B1302においてベクトルトレーサー法により下
に凸の点1402、1403を求めて2点の通る直線1
404を基準線と設定する。
【0084】なお、基準線設定手段B1302において
下に凸の点1402、1403を求める時に本実施例で
はベクトルトレーサー法を使用したが、下に凸の点を求
める手法については他の手法でもよく、本発明をなんら
限定するものではない。
【0085】以上のように本実施例によればスリット光
像に平坦な部分が少ない場合においても基準線を計測範
囲のずれに影響されずに自動的に設定し、わだちの掘れ
量を算出することができる。
【0086】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0087】本実施例は、実施例1で示した路面計測装
置の測定範囲を拡大するための装置である。すなわち、
複数のスリット光をスリット光の長手方向に部分的に重
複させて照射し、各スリット光に対応して撮像手段以降
の処理を複数化する事により測定範囲を拡大するもので
ある。したがって、本実施例では実施例1に含まれてい
ない撮像視野補正手段およびスリット合成手段を重点に
説明し、それ以外は実施例1の機能とほぼ同等であるた
め詳細な説明は省略する。
【0088】図15は本発明の第5の実施例における路
面計測装置のブロック結線図である。図15において、
1501_1はスリット光照射手段1、1501_2は
スリット光照射手段2、1502_1は撮像手段1(T
Vカメラ)、1502_2は撮像手段2(TVカメ
ラ)、1503_1はA/D変換手段1、1503_2
はA/D変換手段2、1504_1はメモリA−1、1
504_2はメモリA−2、1505_1はスリット抽
出手段1、1505_2はスリット抽出手段2、150
6_1は高精度中心算出手段1、1506_2は高精度
中心算出手段2、1507_1はメモリB−1、150
7_2はメモリB−2、1508_1は撮像視野補正手
段1、1508_2は撮像視野補正手段2、1509は
スリット合成手段、1510はメモリC、1511は基
準線設定手段、1512はわだち算出手段、1513は
データ記録手段、1514はレーザ制御手段、1515
は全体を制御する制御MPU、1516はMPUバスで
ある。
【0089】以上のように構成された路面計測装置の動
作を説明する。スリット光照射手段によりスリット光を
路面に照射し、路面上から反射してくる散乱光をTVカ
メラで撮像する。図16は、スリット光照射手段と撮像
手段の配置構成を示す模式図である。同図において、1
601_1はスリット光照射手段1(右側スリット
光)、1601_2はスリット光照射手段2(左側スリ
ット光)、1602_1は撮像手段1(右側TVカメ
ラ)、1602_2は撮像手段2(左側TVカメラ)で
ある。この時、2つのスリット光は、路面1603の進
行方向に対し直交するように照射すると共に、スリット
光の長手方向には部分的に重複させ、その直交方向には
間隔を開けて照射する。1604_1および1604_
2は、このようにして照射されたスリット光が路面16
03で拡散反射した像である。
【0090】スリット光とTVカメラの配置関係は、ス
リット光がTVカメラの垂直走査方向と平行(水平走査
線がスリット光におおむね直交する)になるようにTV
カメラを配置している。すなわち、TVカメラの出力を
モニタTVで表示した時、スリット光は画面のほぼ中央
部に垂直な輝線として映し出される。1605_1およ
び1605_2は、それぞれのTVカメラの撮像領域を
示しており、矢印はその走査方向を表している。
【0091】図17は、2つのTVカメラでそれぞれの
スリット光を撮像した画像を表示した図であり、170
1が右側TVカメラで、1702が左側TVカメラで撮
像した画像である。2つのスリット光像1704、17
05は、路面が平坦でないために曲がった形状をしてい
る。また、中間部はスリット光が重複しており、どちら
のTVカメラでも撮像できる構成になっている。重複す
る領域の大きさは、小さいほど全体の測定範囲が拡大す
るため有利であるが、後述する撮像視野補正手段での補
正精度を確保するため、本実施例では撮像範囲の10%
前後に設定している。
【0092】図15に戻り、撮像手段1502からの映
像信号は、A/D変換手段1503によりデジタル画素
信号に変換され、メモリA1504にTVカメラのフレ
ーム走査またはフィールド走査毎に一時的に記憶され
る。次にスリット抽出手段1505によりスリット光を
抽出し、水平走査線毎にスリット光像の中心位置を画素
単位で得る。そして高精度中心算出手段1506でスリ
ット光像の位置をサブピクセル単位で求めメモリB15
07に記憶する。以上の動作を各スリット光毎に並行に
行う。その後、撮像視野補正手段1508で各スリット
光像の位置ずれや回転を補正し、スリット合成手段15
09で1本のスリット光像に合成し、メモリC1510
に記憶する。基準線設定手段1511では、合成された
スリット光像から基準線を抽出し、これを基準にしてに
わだち算出手段1512においてわだち量を算出し、こ
のデータをデータ記録手段1513において他の付加情
報と共に記録蓄積する。
【0093】図18は、図17における撮像視野補正手
段1508_1、1508_2の処理をフロー図にした
もで、これを用いて撮像視野補正手段を詳細に説明す
る。撮像視野補正手段は、重複して撮像したスリット光
像の中から、左右の画像で対応する複数の特徴点を自動
的に抽出し、これらの点から左画像または右画像の位置
ずれや回転量を算出し補正する手段であり、同図に示す
ように5つのステップから構成されている。
【0094】第1のステップは、重複領域の切り出しで
ある。図19は、図15におけるメモリA−1、メモリ
A−2に記憶されたスリット光像を示す図であり、19
01は右カメラで撮像した画像、1905は左カメラで
の画像を示している。各画像には、中心になるスリット
光像と反対側のスリット光像の一部が入っている。右画
像1901では、スリット光像1902が右用スリット
光照射手段によるものであり、スリット光像1903は
左用スリット光の一部によるものである。また、左画像
1905では、スリット光像1906が左用スリット光
照射手段によるものであり、スリット光像1907は右
用スリット光の一部によるものである。重複領域の切り
出しとは、この2組のスリット光像が重複している領域
の画像を切り出す動作であり、右画像1901では塗り
つぶした領域1904、左画像1905では同じく19
08のことを指している。
【0095】第2ステップは、特徴点候補の抽出であ
る。この処理は、切り出した画像からスリット光の中心
位置を抽出し(実施例1のスリット抽出手段と同等の手
法を用いる)、この中心位置データ(30〜40点)を
用いて回帰直線を設定する。この時、回帰直線からのず
れが大きい順に5点程度を選択し、特徴点候補にする。
図20は、このようにして抽出した特徴点候補を表示し
た図で、右画像2001と左画像2004にそれぞれ2
組の特徴点候補がある。2002、2006は右側スリ
ット光の中心位置をプロットしたもので、2003、2
005は左側スリット光の中心位置をプロットしたもの
である。
【0096】第3ステップは、特徴点の決定である。特
徴点候補の中から最終的に2〜3点を抽出し、特徴点を
決定する処理である。特徴点として決定するためには、
右画像と左画像とで明確に同一点であると立証できるこ
とが必要である。このため、本実施例では、特徴点候補
を位置不変な特徴に変換し、対応付けを行っている。具
体的には、特徴点候補を2つのパラメータ(回帰直線か
らの変位h、特徴点候補間の距離l)を用いて特徴点テ
ーブルを作成する。つぎに左右の画像で対応する特徴点
テーブルを比較し、両方に共通して存在する特徴点候補
を最終的な特徴点に決定する。図21は、このようにし
て求めた特徴点と各パラメータを表した図である。右画
像2101において、特徴点P1、P2、P3は左画像2
104の特徴点R1、R2、R3と対応し、同様にQ1、Q
2、Q3はS1、S2、S3に対応することを示している。
【0097】ただし、特徴点候補が抽出できない場合や
特徴点の対応付けができない場合は、予め設定してある
領域のスリット中心位置を特徴点とする。
【0098】第4ステップは、移動回転パラメータの算
出である。前ステップで求めた特徴点(各スリット毎に
4〜6点)の座標値を用いて、対応する特徴点が同一座
標になるための移動回転パラメータを算出する。2次元
座標上での平行移動(ΔX、ΔY)および回転(Δθ)
であるため、最低3組の座標データがあればパラメータ
を求めることができるが、ここでは精度を高めるため最
大6組の座標データを用いている。
【0099】第5ステップは、スリット光像の移動回転
である。前ステップで求めた平行移動および回転のパラ
メータを用いて、既に抽出してあるスリット中心位置デ
ータを補正する。この場合、片側のスリット光像を基準
にするため、補正処理はその反対側のみ行うことにな
る。本実施例では右側画像を基準にしているため、補正
処理は左画像に対して行っている。図22は、スリット
中心位置データに対し平行移動および回転を行った例で
ある。同図において、2203は対象にした左側スリッ
ト中心位置データ、2202は補正後のスリット中心位
置データで、1つのデータに合成できることを示してい
る。
【0100】以上のように、路面上に複数のスリット光
をスリットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつ
つ前記長手方向におおむね垂直な方向では重複させない
で照射してそれぞれの反射散乱光を部分的に重複して撮
像し、A/D変換してそれぞれのスリット光像を取得
し、スリット光像の画素信号の最大値位置を検出して、
その最大値位置に隣接する画素信号を用いてスリット中
心位置を高精度に計算し、部分的に重複する撮像視野内
に撮像された複数のスリット光像の位置関係から撮像視
野のずれ量を算出し、それぞれの画素信号をずれ補正
し、ずれ補正された複数のスリット光像の中心位置を合
成し1つのスリット光像を生成した後、そのスリット中
心位置からわだち算出の基準となる基準線を設定すると
ともに、路面のわだちを計算・記録するため、従来のよ
うなスリット光源を非常に出力の大きいものにする必要
がなく、周辺光学系の耐久性や取扱い時の安全性の課題
を解決して路面計測を自動的に行うことができる。
【0101】また、従来のような撮像部を複数台設ける
ことによる個々の撮像部の設置調整の手間や計測中の振
動などによる各撮像画面の相対位置のずれが生ずる課題
を解決して路面計測を自動的に行うことができる。
【0102】(実施例6)以下、本発明の第6の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0103】本実施例は、実施例1で示した路面計測装
置の測定範囲を拡大するための装置である。すなわち、
複数のスリット光をスリット光の長手方向に部分的に重
複させて照射し、各スリット光に対応して撮像手段以降
の処理を複数化する事により測定範囲を拡大するもので
ある。実施例5との違いは、重複して撮像する領域に特
徴になるマーク画像を挿入し、これを用いて撮像視野の
補正を行うところにある。
【0104】以降の本実施例の説明では、実施例1に含
まれていない高輝度マーク設定手段、撮像視野補正手段
およびスリット合成手段を重点に行い、それ以外は実施
例1の機能とほぼ同等であるため詳細な説明は省略す
る。
【0105】図23は本発明の第6の実施例における路
面計測装置のブロック結線図である。図23において、
2301_1はスリット光照射手段1、2301_2は
スリット光照射手段2、2302_1は高輝度マーク設
定手段1、2302_2は高輝度マーク設定手段2、2
303_1は撮像手段1(TVカメラ)、2303_2
は撮像手段2(TVカメラ)、2304_1はA/D変
換手段1、2304_2はA/D変換手段2、2305
_1はメモリA−1、2305_2はメモリA−2、2
306_1はスリット抽出手段1、2306_2はスリ
ット抽出手段2、2307_1は高精度中心算出手段
1、2307_2は高精度中心算出手段2、2308_
1はメモリB−1、2308_2はメモリB−2、23
09_1は撮像視野補正手段1、2309_2は撮像視
野補正手段2、2310はスリット合成手段、2311
はメモリC、2312は基準線設定手段、2313はわ
だち算出手段、2314はデータ記録手段、2315_
1はレーザ制御手段1、2315_2はレーザ制御手段
2、2316は全体を制御する制御MPU、2317は
MPUバスである。
【0106】以上のように構成された路面計測装置の動
作を説明する。スリット光照射手段によりスリット光を
路面に照射し、路面上から反射してくる散乱光をTVカ
メラで撮像する。図24は、スリット光照射手段と撮像
手段の配置構成を示す模式図である。同図において、2
401_1はスリット光照射手段1(右側スリット
光)、2401_2はスリット光照射手段2(左側スリ
ット光)、2403_1は撮像手段1(右側TVカメ
ラ)、2403_2は撮像手段2(左側TVカメラ)で
ある。この時、2つのスリット光は、路面2403の進
行方向に対し直交するように照射すると共に、スリット
光の長手方向には部分的に重複させ、その直交方向には
間隔を開けて照射する。また、スリット光とTVカメラ
の配置関係は、スリット光がTVカメラの垂直走査方向
と平行(水平走査線がスリット光におおむね直交する)
になるようにTVカメラを配置している。すなわち、T
Vカメラの出力をモニタTVで表示した時、スリット光
は画面のほぼ中央部に垂直な輝線として映し出される。
【0107】また、高輝度マーク設定手段2402_
1、2402_2は、撮像領域が重複する部分に高輝度
のマーク画像を挿入するためのもので、本実施例ではス
ポット状のレーザ光2406_1、2406_2を路面
2404に照射しマーク画像としている。ここでは、便
宜上2406_1を前方用スポット光、2406_2を
後方用スポット光とする。
【0108】図25は、2つの撮像手段でそれぞれスリ
ット光を撮像した画像を表示した図であり、2501が
右側TVカメラで、2502が左側TVカメラで撮像し
た画像である。2つのスリット光像2504、2505
は、路面が平坦でないために曲がった形状をしている。
また、中央部はスリット光が重複しており、どちらのT
Vカメラでも撮像できる構成になっている。前方側マー
ク画像2506、後方側マーク画像2507も重複部の
両端に入る設定になっている。
【0109】図23に戻り、撮像手段2303からの映
像信号は、A/D変換手段2304によりデジタル画素
信号に変換され、メモリA2305にTVカメラのフレ
ーム走査またはフィールド走査毎に一時的に記憶され
る。次にスリット抽出手段2306によりスリット光を
抽出し、水平走査線毎にスリット光像の中心位置を画素
単位で得る。そして高精度中心算出手段2307でスリ
ット光像の位置をサブピクセル単位で求めメモリB23
08に記憶する。以上の動作を各スリット光毎に並行に
行う。その後、撮像視野補正手段2309で各スリット
光像の位置づれや回転を補正し、スリット合成手段23
10で1本のスリット光像に合成し、メモリC2311
に記憶する。基準線設定手段2312では、合成された
スリット光像から基準線を抽出し、これを基準にしてわ
だち算出手段2313においてわだち量を算出し、この
データをデータ記録手段2314において他の付加情報
と共に記録蓄積する。
【0110】図26は、図23における撮像視野補正手
段2309_1、2309_2の処理をフロー図にした
もで、これを用いて撮像視野補正手段を詳細に説明す
る。撮像視野補正手段は、同図に示すように5つのステ
ップから構成されている。
【0111】第1のステップは、重複領域の切り出しで
あり、図27を用いて説明する。図27は、図23にお
けるメモリA−1、メモリA−2に記憶されたスリット
光像を示す図であり、2701は右カメラで撮像した画
像、2706は左カメラでの画像を示している。各画像
には、基本になるスリット光像と反対側のスリット光像
の一部が入っている。右画像では、スリット光像270
2が右用スリット光照射手段によるものであり、スリッ
ト光像2703は左用スリット光の一部によるものであ
る。また、左画像では、スリット光像2707が左用ス
リット光照射手段によるものであり、スリット光像27
08は右用スリット光の一部によるものである。重複領
域の切り出しとは、この2組のスリット光像が重複して
いる領域の画像を切り出す動作である。
【0112】第2ステップは、マーク用スポットの抽出
である。この処理は、切り出した画像からスポット光の
領域を抽出するものである。右画像2701と左画像2
706にそれぞれ2点のマーク用スポット光像がある。
2704、2709は前方側スポット光像を、270
5、2710は後方側スポット光像を表示したものであ
る。
【0113】第3ステップは、スポット光像の重心位置
の算出である。スポット光像の中心位置を求めるため、
抽出したスポット光像の重心を算出する。
【0114】第4ステップは、スリット光像の回転補正
である。図28において、右画像で求めたスポット光像
の重心位置2点2804、2805と、左画像の同2点
2806、2807の座標から2つの画像の回転パラメ
ータを算出し、この回転補正をメモリBに記憶されてい
るスリット中心位置データに対し行う。この場合、片側
のスリット光像を基準にするため、補正処理はその反対
側のみ行うことになる。本実施例では右側画像を基準に
しているため、補正処理は左画像に対して行っている。
【0115】第5ステップは、スリット光像の平行移動
である。図29は、スリット中心位置データに対し平行
移動を行った例である。同図において、2903は対象
にした左側スリット中心位置データ、2902は補正後
のスリット中心位置データで、1つのデータに合成でき
ることを示している。
【0116】以上のように、路面上に複数のスリット光
をスリットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつ
つ前記長手方向におおむね垂直な方向では重複させない
で照射してそれぞれの反射散乱光を部分的に重複して撮
像し、かつ高輝度マーク設定手段で複数の撮像手段の部
分的に重複する撮像視野内の異なる位置に複数の高輝度
マークを撮像させ、これらの画像をA/D変換してそれ
ぞれのスリット光像および高輝度マーク画像を取得し、
スリット光像の画素信号の最大値位置を検出して、その
最大値位置に隣接する画素信号を用いてスリット中心位
置を高精度に計算するとともに、撮像視野調整手段で複
数の高輝度マークの位置を抽出して、それぞれの高輝度
マークの位置関係から撮像手段の撮像視野のずれ量を算
出し、その補正量とそれぞれのスリット中心位置を用い
て複数のスリット光像の中心位置を合成し1つのスリッ
ト光像を生成した後、そのスリット中心位置からわだち
算出の基準となる基準線を設定するとともに、路面のわ
だちを計算・記録するため、従来のような撮像部を複数
台設けることによる個々の撮像部の設置調整の手間や計
測中の振動などによる各撮像画面の相対位置のずれが生
ずる課題を解決して路面計測を自動的に行うことができ
る。
【0117】また、光スポット照射手段で路面上に複数
の光スポットを照射し、撮像視野調整用の高輝度マーク
を撮像させているため、調整用に適当な位置を任意に設
定することが簡単にでき、従来のような撮像部を複数台
設けることによる個々の撮像部の設置調整の手間や計測
中の振動などによる各撮像画面の相対位置のずれが生ず
る課題を解決して路面計測を自動的に行うことができ
る。
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明は、第1に、路面上
にスリット光を照射してその反射散乱光を撮像・A/D
変換してスリット光像を取得し、スリット抽出手段でス
リット光像の画素信号の最大値位置を検出して、その最
大値位置に隣接する複数画素の画素信号を用いてスリッ
ト中心位置を高精度中心算出手段で計算し、そのスリッ
ト中心位置からわだち算出の基準となる基準線を設定す
るとともに、路面のわだちを計算・記録することにより
路面計測を自動的に行うことができる。
【0119】また第2に、路面上に複数のスリット光を
スリットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつつ
前記長手方向におおむね垂直な方向では重複させないで
照射してそれぞれの反射散乱光を部分的に重複して撮像
し、A/D変換してそれぞれのスリット光像を取得し、
スリット光像の画素信号の最大値位置を検出して、その
最大値位置に隣接する複数画素の画素信号を用いてスリ
ット中心位置を高精度に計算し、部分的に重複する撮像
視野内に撮像された複数のスリット光像の位置関係から
撮像視野のずれ量を算出し、それぞれの画素信号をずれ
補正し、ずれ補正された複数のスリット光像の中心位置
を合成し1つのスリット光像を生成した後、そのスリッ
ト中心位置からわだち算出の基準となる基準線を設定す
るとともに、路面のわだちを計算・記録するため、従来
のようなスリット光源を非常に出力の大きいものにする
必要がなく、周辺光学系の耐久性や取扱い時の安全性の
課題を解決して路面計測を自動的に行うことができる。
【0120】また第3に、撮像視野補正手段で、複数の
スリット光像からスリット光像が重複する画像領域を切
り出し、そのスリット光像から複数の特徴点を抽出し、
特徴点候補間の関連を用いて重複するスリット光像の特
徴点の対応付けを行い、対応がとれた特徴点の座標を用
いて移動および回転パラメータを算出し、算出された移
動および回転パラメータを用いてそれぞれのスリット光
像を移動回転して1つのスリット光像を生成するため、
従来のような撮像部を複数台設けることによる個々の撮
像部の設置調整の手間や計測中の振動などによる各撮像
画面の相対位置のずれが生ずる課題を解決して路面計測
を自動的に行うことができる。
【0121】また第4に、路面上に複数のスリット光を
スリットの長手方向では部分的にそれぞれ重複させつつ
前記長手方向におおむね垂直な方向では重複させないで
照射してそれぞれの反射散乱光を部分的に重複して撮像
し、かつ高輝度マーク設定手段で複数の撮像手段の部分
的に重複する撮像視野内の異なる位置に複数の高輝度マ
ークを撮像させ、これらの画像をA/D変換してそれぞ
れのスリット光像および高輝度マーク画像を取得し、ス
リット光像の画素信号の最大値位置を検出して、その最
大値位置に隣接する複数画素の画素信号を用いてスリッ
ト中心位置を高精度に計算するとともに、撮像視野調整
手段で複数の高輝度マークの位置を抽出して、それぞれ
の高輝度マークの位置関係から撮像手段の撮像視野のず
れ量を算出し、その補正量とそれぞれのスリット中心位
置を用いて複数のスリット光像の中心位置を合成し1つ
のスリット光像を生成した後、そのスリット中心位置か
らわだち算出の基準となる基準線を設定するとともに、
路面のわだちを計算・記録するため、従来のような撮像
部を複数台設けることによる個々の撮像部の設置調整の
手間や計測中の振動などによる各撮像画面の相対位置の
ずれが生ずる課題を解決して路面計測を自動的に行うこ
とができる。
【0122】また第5に、光スポット照射手段で路面上
に複数の光スポットを照射し、撮像視野調整用の高輝度
マークを撮像させているため、調整用に適当な位置を任
意に設定することが簡単にでき、従来のような撮像部を
複数台設けることによる個々の撮像部の設置調整の手間
や計測中の振動などによる各撮像画面の相対位置のずれ
が生ずる課題を解決して路面計測を自動的に行うことが
できる。。
【0123】また第6に、スリット抽出手段で、画素位
置xにおける画素信号値L1と、そこから±k画素離れ
た画素信号値L2とL3を用いて、スリット光像の画素
信号の最大値位置を抽出するため、従来のような路面表
面の状態や塗装などのノイズによって間違った極大点を
見つけてしまうという課題を解決して路面計測を自動的
に行うことができる。
【0124】また第7に、スリット抽出手段で、スリッ
ト光像の長手方向に比率2対1以上の細長い予め設定さ
れた領域内の画素信号の平均値を計算してノイズ除去を
行い、その後画素位置xにおける画素信号値L1と、そ
こから±k画素離れた画素信号値L2とL3を用いて、
スリット光像の画素信号の最大値位置を抽出するため、
従来のような路面表面の状態や塗装などのノイズの影響
を低減することができ、より正確な路面計測を自動的に
行うことができる。
【0125】また第8に、スリット抽出手段で、スリッ
ト光像の長手方向に比率2対1以上の細長い予め設定さ
れた領域内の画素信号の最小値を計算してノイズ除去を
行い、その後画素位置xにおける画素信号値L1と、そ
こから±k画素離れた画素信号値L2とL3を用いて、
スリット光像の画素信号の最大値位置を抽出するため、
従来より路面表面の状態や塗装などのノイズの影響を低
減することができ、正確な路面計測を自動的に行うこと
ができる。
【0126】また第9に、高精度中心算出手段で、スリ
ット光像の画素信号の最大値位置に隣接する±m画素の
画素信号から所定の値を差し引いた値を補正画素信号と
し、補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算す
るため、従来のような路面の状態・塗装などによって変
動するスリット光の輝度レベルをそのまま用いて重心計
算することによる誤差を低減することができ、スリット
中心位置を高精度に計算し、正確な路面計測を自動的に
行うことができる。
【0127】また第10に、高精度中心算出手段で、最
大値位置に隣接する±m画素の画素信号から、最大値位
置から±(m+1)画素はなれた画素信号2個の平均値
を差し引いた値を補正画素信号とし、補正画素信号のう
ち正符号の値を用いて重心計算するため、従来のような
路面の状態・塗装などによって変動するスリット光の輝
度レベルをそのまま用いて重心計算することによる誤差
を低減することができ、スリット中心位置を高精度に計
算し、正確な路面計測を自動的に行うことができる。
【0128】また第11に、高精度中心算出手段で、最
大値位置に隣接する−m1個離れた画素から+m2個離
れた画素の計(m1+m2+1)個のそれぞれの画素信
号から、所定の値を差し引いた値を補正画素信号とし、
前記補正画素信号のうち正符号の値を用いて重心計算す
る際に、最大値と前記最大値位置に隣接する±1画素は
なれた画素信号との差によって重心計算に用いる画素数
を再設定して計算するため、従来のような路面の状態・
塗装などによって変動するスリット光の輝度レベルをそ
のまま用いて重心計算することによる誤差を低減するこ
とができ、スリット中心位置を高精度に計算し、より正
確な路面計測を自動的に行うことができる。
【0129】また第12に、高精度中心算出手段で、補
正画素信号とその最大値位置を示す画素の位置情報を変
数とした重回帰モデルを用いてスリット光像の中心位置
を高精度に計算するため、従来のような路面の状態・塗
装などによって変動するスリット光の輝度レベルをその
まま用いて重心計算することによる誤差を低減すること
ができ、スリット中心位置を高精度に計算し、より正確
な路面計測を自動的に行うことができる。
【0130】また第13に、基準線設定手段で、ハフ変
換を行った分布からスリット光像の直線度合を求め、直
線度合いが高い場合、ハフ変換で求めた直線をわだち算
出の基準となる基準線とするため、従来のように測定車
の走行または停車位置によって基準とすべき路肩の位置
が画面上で左右・上下に動いてしまい、正確な基準線を
常に保つことがは難しいという課題を解決して、路面計
測を自動的に行うことができる。
【0131】また第14に、基準線検出手段で、ハフ変
換を行った分布からスリット光像の直線度合を求め、直
線度合いが低い場合、スリット中心位置に対してフーリ
エ記述子の低域フーリエ係数を用いた平滑処理を行い、
平滑処理されたスリット中心位置の歪みの極大点を結ん
だ直線を基準線とするため、従来のように測定車の走行
または停車位置によって基準とすべき路肩の位置が画面
上で左右・上下に動いてしまい、正確な基準線を常に保
つことがは難しいという課題を解決して、路面計測を自
動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における路面計測装置の
ブロック結線図
【図2】本発明の第1の実施例におけるスリット抽出手
段の概念図
【図3】本発明の第1の実施例におけるスリット光像近
傍の画素信号分布図
【図4】本発明の第1の実施例におけるスリット抽出手
段の処理フローチャート
【図5】本発明の第1の実施例におけるスリット光像の
画素信号分布図
【図6】本発明の第1の実施例における基準線設定手段
の概念図
【図7】本発明の第1の実施例における基準線の概念図
【図8】本発明の第2の実施例における高精度中心算出
手段のブロック結線図
【図9】本発明の第2の実施例におけるスリット光像の
画素信号分布図
【図10】本発明の第2の実施例におけるスリット光像
の画素信号分布図
【図11】本発明の第3の実施例における高精度中心算
出手段のブロック結線図
【図12】本発明の第3の実施例におけるスリット光像
の画素信号分布図
【図13】本発明の第4の実施例における基準線設定手
段の概念図
【図14】本発明の第4の実施例におけるフーリエ記述
子の低域フーリエ係数を用いた平滑処理の概念図
【図15】本発明の第5の実施例における路面計測装置
のブロック結線図
【図16】本発明の第5の実施例におけるスリット光照
射手段と撮像手段の配置構成を示す図
【図17】本発明の第5の実施例における左右の撮像手
段により撮像したスリット光像と撮像範囲を示す図
【図18】本発明の第5の実施例における撮像視野補正
手段の処理のフローチャート
【図19】本発明の第5の実施例における重複領域の切
り出し処理の概念図
【図20】本発明の第5の実施例における特徴点候補抽
出処理の概念図
【図21】本発明の第5の実施例における特徴点決定処
理の概念図
【図22】本発明の第5の実施例における撮像視野補正
手段により補正されたスリット光像と未補正のスリット
光像を示す図
【図23】本発明の第6の実施例における路面計測装置
のブロック結線図
【図24】本発明の第6の実施例におけるスリット光照
射手段と高輝度マーク設定手段および撮像手段の配置構
成を示す図
【図25】本発明の第6の実施例における左右の撮像手
段により撮像したスリット光像、スポットマーク像及び
撮像範囲を示す図
【図26】本発明の第6の実施例における撮像視野補正
手段の処理のフローチャート
【図27】本発明の第6の実施例における重複領域の切
り出し処理の概念図
【図28】本発明の第6の実施例におけるスリット光像
の回転補正処理の概念図
【図29】本発明の第6の実施例における撮像視野補正
手段により補正されたスリット光像を示す図
【図30】従来の路面計測装置のブロック結線図
【図31】従来の路面計測装置の投光系・受光系の概念
【図32】従来の路面計測装置の基準線設定概念図
【符号の説明】
101 TVカメラ 102 スリット光照射手段 103 スリット光 104 路面 105 画像信号 106 A/D変換手段 107 メモリA 108 デジタル画素信号 109 スリット抽出手段 110 メモリB 111 高精度中心算出手段 112 基準線設定手段 113 わだち算出手段 114 データ記録手段 115 MPUバス 116 制御MPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀江 竜司 神奈川県横浜市港北区綱島4丁目3番1号 松下通信工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面上にスリット光を照射するスリット
    光照射手段と、前記スリット光の照射により前記路面上
    から反射して得られる散乱光を撮像する撮像手段と、前
    記撮像手段からの画像信号をA/D変換するA/D変換
    手段と、A/D変換されて得られる画素信号からスリッ
    ト光像の長手方向に実質的に垂直な方向ごとにスリット
    光像の画素信号の最大値位置を検出するスリット抽出手
    段と、前記最大値位置を中心としてスリット光像の長手
    方向に実質的に垂直な方向に隣接する複数画素のそれぞ
    れの画素信号を用いてスリット中心位置を計算する高精
    度中心算出手段と、前記高精度中心算出手段で演算され
    たスリット中心位置からわだち算出の基準となる基準線
    を設定する基準線設定手段と、前記スリット中心位置及
    び前記基準線から路面のわだちを計算するわだち算出手
    段と、前記わだち算出手段からのデータを記録するデー
    タ記録手段を備えた路面計測装置。
  2. 【請求項2】 路面上に複数のスリット光を、スリット
    の長手方向では部分的にそれぞれ重複させ、前記長手方
    向に実質的に垂直な方向では重複させないで照射するス
    リット光照射手段と、前記複数のスリット光の照射によ
    り前記路面上から反射して得られるそれぞれの散乱光を
    部分的に重複して撮像する複数の撮像手段と、前記複数
    の撮像手段からの画像信号をA/D変換するA/D変換
    手段と、A/D変換されて得られる画素信号からそれぞ
    れのスリット光像の長手方向に実質的に垂直な方向ごと
    にスリット光像の画素信号の最大値位置を検出するスリ
    ット抽出手段と、前記最大値位置を中心としてスリット
    光像の長手方向に実質的に垂直な方向に隣接する複数画
    素のそれぞれの画素信号を用いてスリット中心位置を計
    算する高精度中心算出手段と、前記複数の撮像手段から
    部分的に重複する撮像視野内に撮像された複数のスリッ
    ト光像の位置関係から前記撮像手段の撮像視野のずれ量
    を算出し、それぞれの画素信号をずれ補正する撮像視野
    補正手段と、前記撮像視野補正手段によりずれ補正され
    たスリット光像の中心位置を合成し、1つのスリット光
    像を生成するスリット合成手段と、前記スリット合成手
    段で合成されたスリット中心位置からわだち算出の基準
    となる基準線を設定する基準線設定手段と、前記演算さ
    れたスリット中心位置及び前記基準線から路面のわだち
    を計算するわだち算出手段と、前記わだち算出手段から
    のデータを記録するデータ記録手段を備えた路面計測装
    置。
  3. 【請求項3】 撮像視野補正手段が、複数のスリット光
    像からスリット光像が重複する画像領域を切り出す重複
    領域切り出し手段と、切り出されたスリット光像の中か
    ら複数の特徴点候補を抽出する特徴点候補抽出手段と、
    特徴点候補間の関連を用いて特徴点を決定する特徴点決
    定手段と、決定された特徴点の座標を用いて移動および
    回転パラメータを算出する移動回転量算出手段と、算出
    された移動および回転パラメータを用いてそれぞれのス
    リット光像を移動回転する座標演算手段とを有すことを
    特徴とする請求項2記載の路面計測装置。
  4. 【請求項4】 路面上に複数のスリット光を、スリット
    の長手方向では部分的にそれぞれ重複させ、前記長手方
    向に実質的に垂直な方向では重複させないで照射するス
    リット光照射手段と、前記複数のスリット光の照射によ
    り前記路面上から反射して得られるそれぞれの散乱光を
    部分的に重複して撮像する複数の撮像手段と、前記複数
    の撮像手段の部分的に重複する撮像視野内の異なる位置
    に複数の高輝度マークを撮像させる高輝度マーク設定手
    段と、前記複数の撮像手段からの画像信号をA/D変換
    するA/D変換手段と、A/D変換されて得られる画素
    信号からそれぞれのスリット光像の長手方向に実質的に
    垂直な方向ごとにスリット光像の画素信号の最大値位置
    を検出するスリット抽出手段と、前記最大値位置を中心
    としてスリット光像の長手方向に実質的に垂直な方向に
    隣接する複数画素のそれぞれの画素信号を用いてスリッ
    ト中心位置を計算する高精度中心算出手段と、前記画素
    信号から前記複数の撮像手段の部分的に重複する撮像視
    野内の異なる位置に撮像された複数の高輝度マークの位
    置を抽出し、それぞれの高輝度マークの位置関係から前
    記撮像手段の撮像視野のずれ量を算出し、それぞれの画
    素信号をずれ補正する撮像視野補正手段と、前記ずれ補
    正された複数のスリット光像の中心位置を合成するスリ
    ット合成手段と、前記スリット合成手段で合成されたス
    リット中心位置からわだち算出の基準となる基準線を設
    定する基準線設定手段と、前記演算されたスリット中心
    位置及び前記基準線から路面のわだちを計算するわだち
    算出手段と、前記わだち算出手段からのデータを記録す
    るデータ記録手段を備えた路面計測装置。
  5. 【請求項5】 高輝度マーク設定手段が、路面上に複数
    の光スポットを照射する光スポット照射手段を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の路面計測装置。
  6. 【請求項6】 スリット抽出手段が、予め設定された範
    囲内の画素位置xにおける画素信号値L1が、その画素
    信号位置からスリット光像の長手方向に実質的に垂直な
    方向に+k画素離れた画素信号値L2及び−k画素離れ
    た画素信号値L3より大きく、かつ前記画素信号値L2
    とL3の差の絶対値が予め設定された値T1より小さ
    く、かつ前記画素信号値L1からL2とL3の平均値を
    差し引いた値L4が予め設定された値T2より大きくか
    つ最大となる場合、前記画素位置xをスリット光像の画
    素信号の最大値位置として出力する手段であることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の路面計測
    装置。
  7. 【請求項7】 スリット抽出手段が、スリット光像の長
    手方向に比率2対1以上の細長い予め設定された領域内
    の画素信号の平均値を計算するノイズ除去手段と、前記
    ノイズ除去手段からの画素信号を用いて、予め設定され
    た範囲内の画素位置xにおける画素信号値L1が、その
    画素信号位置からスリット光像の長手方向に実質的に垂
    直な方向に+k画素離れた画素信号値L2及び−k画素
    離れた画素信号値L3より大きく、かつ前記画素信号値
    L2とL3の差の絶対値が予め設定された値T1より小
    さく、かつ前記画素信号値L1からL2とL3の平均値
    を差し引いた値L4が予め設定された値T2より大きく
    かつ最大となる場合、前記画素位置xをスリット光像の
    画素信号の最大値位置として出力する手段を有すること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の路面
    計測装置。
  8. 【請求項8】 スリット抽出手段が、スリット光像の長
    手方向に比率2対1以上の細長い予め設定された領域内
    の画素信号の最小値を計算するノイズ除去手段と、前記
    ノイズ除去手段からの画素信号を用いて、予め設定され
    た範囲内の画素位置xにおける画素信号値L1が、その
    画素信号位置からスリット光像の長手方向に実質的に垂
    直な方向に+k画素離れた画素信号値L2及び−k画素
    離れた画素信号値L3より大きく、かつ前記画素信号値
    L2とL3の差の絶対値が予め設定された値T1より小
    さく、かつ前記画素信号値L1からL2とL3の平均値
    を差し引いた値L4が予め設定された値T2より大きく
    かつ最大となる場合、前記画素位置xをスリット光像の
    画素信号の最大値位置として出力する手段を有すること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の路面
    計測装置。
  9. 【請求項9】 高精度中心算出手段が、スリット光像の
    画素信号の最大値位置を中心としてスリット光像の長手
    方向に実質的に垂直な方向に隣接する±m画素のそれぞ
    れの画素信号から、所定の値を差し引いた値を補正画素
    信号とし、前記補正画素信号のうち正符号の値を用いて
    重心計算してスリット中心位置を計算する手段であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の路
    面計測装置。
  10. 【請求項10】 高精度中心算出手段が、スリット光像
    の画素信号の最大値位置を中心としてスリット光像の長
    手方向に実質的に垂直な方向に隣接する±m画素のそれ
    ぞれの画素信号から、前記最大値位置からスリット光像
    の長手方向に実質的に垂直な方向に±(m+1)画素は
    なれた画素信号2個の平均値を差し引いた値を補正画素
    信号とし、前記補正画素信号のうち正符号の値を用いて
    重心計算する手段であることを特徴とする請求項1ない
    し8のいずれかに記載の路面計測装置。
  11. 【請求項11】 高精度中心算出手段が、スリット光像
    の画素信号の最大値位置を中心としてスリット光像の長
    手方向に実質的に垂直な方向に隣接する−m1個離れた
    画素から+m2個離れた画素の計(m1+m2+1)個
    のそれぞれの画素信号から、所定の値を差し引いた値を
    補正画素信号とし、前記補正画素信号のうち正符号の値
    を用いて重心計算する手段で、かつスリット光像の画素
    信号の最大値と前記最大値位置に隣接する+1画素はな
    れた画素信号との差が予め設定された値よりも小さい場
    合は前記m2の値をm2+1として重心計算し、スリッ
    ト光像の画素信号の最大値と前記最大値位置に隣接する
    −1画素はなれた画素信号との差が予め設定された値よ
    りも小さい場合は前記m1の値をm1+1として重心計
    算する手段であることを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれかに記載の路面計測装置。
  12. 【請求項12】 高精度中心算出手段が、スリット光像
    の画素信号の最大値位置を中心としてスリット光像の長
    手方向に実質的に垂直な方向に隣接する±m画素の、計
    2m+1個のそれぞれの画素信号から、所定の値を差し
    引いた値を補正画素信号とし、前記2m+1個の補正画
    素信号と前記スリット光像の画素信号の最大値位置を示
    す画素の位置情報を変数とした重回帰モデルを用いてス
    リット光像の中心位置を計算する手段であることを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載の路面計測装
    置。
  13. 【請求項13】 基準線設定手段が、スリット光像の直
    線度合を求めるスリット検定手段とわだち算出の基準と
    なる基準線を設定する基準線検出手段から構成されてお
    り、スリット検定手段は、高精度中心算出手段で演算さ
    れたスリット中心位置に対してρθ座標平面へのハフ変
    換を行う手段であり、まず粗いピッチのρでハフ変換を
    行って分布の最も集中する(ρ1,θ1)を求め、次に
    細かいピッチのρでハフ変換を行って分布の最も集中す
    る(ρ2,θ2)を求める手段であり、基準線検出手段
    は、前記スリット検定手段で求めた(ρ1,θ1)と
    (ρ2,θ2)の値の差が予め設定してある値より小さ
    い場合、細かいピッチで求めた(ρ2,θ2)の値から
    得られる直線をわだち算出の基準となる基準線として設
    定する手段であることを特徴とする請求項1ないし12
    のいずれかに記載の路面計測装置。
  14. 【請求項14】 基準線検出手段が、スリット検定手段
    で求めた(ρ1,θ1)と(ρ2,θ2)の値の差が予
    め設定してある値より大きい場合、高精度中心算出手段
    で演算されたスリット中心位置に対してフーリエ記述子
    の低域フーリエ係数を用いた平滑処理を行い、前記平滑
    処理された前記スリット中心位置の、スリット光像の長
    手方向に実質的に垂直な方向での歪みの極大点を直線で
    結んで基準線を設定する手段であることを特徴とする請
    求項13記載の路面計測装置。
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