JPH0899306A - セラミックスの鋳込成形方法 - Google Patents

セラミックスの鋳込成形方法

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JPH0899306A
JPH0899306A JP25906594A JP25906594A JPH0899306A JP H0899306 A JPH0899306 A JP H0899306A JP 25906594 A JP25906594 A JP 25906594A JP 25906594 A JP25906594 A JP 25906594A JP H0899306 A JPH0899306 A JP H0899306A
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JP
Japan
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pressure
slurry
ceramics
molding
casting
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JP25906594A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsuto
宏之 津戸
Atsushi Suzuki
敦 鈴木
Eiji Fukuda
英二 福田
Keizo Tsukamoto
恵三 塚本
Shigeru Takahashi
繁 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Cement Co Ltd
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 設備的に大型化する必要なしに、成形体の密
度を均一にするセラミックスの加圧鋳込成形方法を提供
すること。 【構成】 セラミックス粉末と溶媒から成るスラリーを
多孔質の成形用型に加圧しながら鋳込む成形方法におい
て、スラリーの粘度を50poise以下とし、加圧す
る圧力を1〜5kg/cm2とし、鋳込んだ後加圧する
圧力を、最大値と最小値の差で1kg/cm2以上変動
させながら成形することとしたセラミックスの鋳込成形
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス粉末の鋳
込成形方法に関し、特に加圧鋳込成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧鋳込成形方法は、複雑な形状のセラ
ミックスを成形することができるため、プレス法やCI
P(冷間静水圧加圧)法などでは成形することができな
いガスタービンなどの製品を成形するのに非常に有用な
方法である。この方法は、セラミックス粉末と溶媒の混
合物から成るスラリーを加圧しながら多孔質の型内に鋳
込む方法で、これは、型内のスラリーが加圧されること
によってスラリー中のセラミックス粉末の集合体の密度
を増大させるとともに、その密度をさらに増大させるた
めに、スラリーに含まれている溶媒を多孔質の型に急速
に吸収させ集合体より排除させることで密度の高い成形
体を得る方法である。
【0003】しかし、この方法は、成形体の密度は増大
するが、常圧で鋳込む方法と同様スラリーの固化が、型
の接触面、言い換えればスラリーの外面から起こるた
め、スラリー内外部の固化速度に差が生じ、最終的には
生成した成形体内で密度のばらつきが生じてしまう。特
に肉厚の厚いものは、この密度のばらつきが原因とな
り、後の乾燥段階や焼成段階においてそり等の歪を起こ
したり、亀裂を発生したりする問題があった。
【0004】上記問題に対応、即ちスラリー内外部の固
化速度の差をできるだけ小さくするため、スラリー中の
溶媒の量を可能な限り少なくすることで対処していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スラリ
ー中の溶媒量を少なくするとスラリーの粘性が増加する
ので、加圧力を極めて大きくすることが必要となる。そ
のため、その加圧力に耐えなければならないので、加圧
鋳込装置は設備的に大型化することが必要となる問題が
あった。さらに、加圧力が大きいと型材やその付属部品
の摩耗が著しくなるため、成形体の寸法制度が悪くなる
とともに、摩耗した不純物が成形体に混入するなどの問
題もあった。
【0006】上記の他、加圧力を大きくしなくても、鋳
込んだ型を振動させ、成形体の密度を均一にする方法も
あるが(例えば特開平5−285910)、この方法で
も、振動を加えるための振動モータ、圧縮空気振動機、
電磁振動機、超音波振動機などの振動装置が必要とな
り、成形するための型も振動に耐えるものが必要となる
ので、設備的に大型になってしまう。また場合によって
は型材が振動に弱いので、型材の一部が欠けて成形体に
混入してしまうなど加圧力を大きくしたものと同様の問
題がある。
【0007】本発明は、上述した従来のセラミックスの
加圧鋳込成形方法が有する課題に鑑みなされたものであ
って、その目的は、設備的に大型化する必要なしに、成
形体の密度を均一にするセラミックスの加圧鋳込成形方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、加圧しながらスラリ
ーを鋳込んだ後、加圧しているその圧力を変動させなが
ら成形すれば、スラリー中の溶媒が多くても後の乾燥段
階や焼成段階においてそり等の歪を起こしたり、亀裂を
発生したりしない、即ち密度が均一な成形体が得られる
との知見を得て本発明を完成した。
【0009】セラミックススラリーは、一般にチクソト
ロピー性を有している。チクソトロピー性とは、微粒子
を含むスラリーにストレスを付加すると微粒子の集まっ
た集合体の構造が破壊されて粘性が低下し、流動しやす
くなる特性を言う。この粘性の低下は、ストレスの付加
を取り除いた後も一定時間維持されており、ストレスを
付加する前の高い粘性には直ちに戻ることはない。この
性質を利用して、スラリーが固化する段階、言い換えれ
ば多孔質の型に鋳込んだスラリーを加圧している段階
で、その圧力を変動させる、即ちストレスを付加するこ
とにより、型内で固化しつつあるスラリーの流動が再び
起こり、スラリー中の溶媒とセラミック粒子とが外部と
内部とで相互に移動し、結果としてスラリー内外の密度
が均一な状態で固化することになる。
【0010】上記加圧する圧力としては、1〜5kg/
cm2とした(請求項1)。この圧力は、設備的に大型
にならない圧力の範囲内である。
【0011】また、加圧する圧力の変動巾としては、最
大値と最小値の圧力差で1kg/cm2以上で、その変
動させる最大圧力を付加する時間としては、5分以内で
あることとした(請求項2)。加圧する圧力の差が1k
g/cm2より低いと、粘性が低下するほどのストレス
が付加されない。変動させる最大圧力を付加する時間に
ついては、その圧力を付加する時間ができるだけ短い方
がよいが、上限としては5分以内がよい。5分より長い
と粘性を低くしている状態を常時維持することができな
くなる。圧力の変動を繰り返し続ける時間は、セラミッ
クスの種類によって違うが、150〜200分程度でよ
い。
【0012】加圧する圧力を変動させる方法としては、
特に限定されるものではなく、例えば圧縮空気で加圧す
る場合、加圧装置に付いている圧力調節弁を開閉するこ
とにより容易に変動させることができる。
【0013】さらに、鋳込むスラリーの粘度としては、
50poise以下であることとした(請求項3)。ス
ラリーの粘度が50poiseより高いと、スラリーに
ストレスを付加してセラミックス粒子の集合体の構造を
破壊させても、溶媒と粒子の充分な相互移動が起きず、
密度が均一な成形体を得ることが難しい。
【0014】本発明のセラミックスの鋳込成形方法をさ
らに詳細に述べると、用いるセラミックス粉末として
は、アルミナ、ジルコニア等の酸化物粉末の他、窒化珪
素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、及びこれらの複合
体などの非酸化物粉末も使用できる。
【0015】これらセラミックス粉末に、必要があれば
焼結助剤を添加してもよい。焼結助剤は、特に限定され
るものではなく、一般に知られているMg、Al、C
e、Zr、Sr、B、Taなどの酸化物、窒化物、炭化
物等を用いることができ、使用するセラミックス粉末に
応じて適宜選べばよい。
【0016】上記セラミックス粉末と、必要があれば焼
結助剤を添加してそれに水やアルコールなどの溶媒、ポ
リアクリル酸塩系などの分散剤、アクリル樹脂系などの
バインダーなどを加えてミルなどで混合し、スラリーを
作製する。溶媒の割合は、用いるセラミックス粉末の種
類や溶媒の種類によって違うが、焼結助剤を含むセラミ
ックス粉末100重量部に対して10〜45重量部が好
ましい。10重量部未満であるとスラリーが得にくく、
45重量部を超えると得られる成形体の密度が低くなっ
て焼成収縮が大きくなり焼結体に亀裂が入り易い。
【0017】上記で作製したスラリーを加圧しながら多
孔質の成形用型に鋳込んだ後、加圧している圧力を変動
させながら成形する。用いる多孔質の成形用型は、特に
限定されるものではなく、公知のものが使用でき、例え
ば石膏、樹脂、セラミックス、金属及びそれらの複合材
料などを用いることができる。成形した成形体は、例え
ば常圧焼結法、ガス圧焼結法、HP(ホットプレス)焼
結法、HIP(熱間靜水圧加圧)焼結法などの慣用の方
法により焼結する。
【0018】以上、スラリーを加圧しながら鋳込んだ
後、加圧している圧力を変動させながら成形すれば、そ
の成形体を焼結してもそりや亀裂のない焼結体が得られ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。
【0020】(実施例1〜2) (1)スラリーの作製 平均粒径が0.5μmのアルミナ粉末100重量部に対
し、ポリアクリル酸塩系の分散剤を0.5重量部、アク
リル樹脂系のバインダーを4重量部加え、それに溶媒と
して蒸留水を表1に示す粘度になるように加えてミルで
混合しスラリーを作製した。粘度の測定は、粘度計(V
T−04、リオン社製)で測定した。
【0021】(2)加圧鋳込成形 作製したスラリーを、圧力が2kg/cm2の圧縮空気
で加圧しながら、縦100mm、横100mm、厚さ2
0mmの板状の成形体となる石膏型に鋳込んだ後、空気
圧縮装置の圧力調節弁を調整することにより、加圧力を
表1に示す変動巾に変動させて成形した。加圧力の変動
は、先ず最小圧力の状態で1分保持した後、すぐ最大圧
力に加圧し、その圧力の状態で3分保持した後、再び最
小圧力の状態に戻すことを繰り返した。圧力の変動を繰
り返し続ける時間は180分とした。
【0022】(3)評価 成形した成形体を型から取り出し、乾燥した後、焼成
し、焼成した焼結体の亀裂の有無を目視で観察した。そ
の結果を表1に示す。
【0023】(比較例1〜3)比較のために、実施例と
同じ原材料を用い、表1に示す粘度となるように蒸留水
を加えてスラリーを作製した。このスラリーを実施例と
同じ方法で鋳込んだ後、加圧力の変動巾を表1に示す巾
となるよう変動させて成形した。成形した成形体を実施
例と同様に焼成し、焼成した焼結体を実施例と同じ方法
で評価した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、実施例1〜2に
おいては、スラリーの粘度が10poise以下で、加
圧力の変動巾が1kg/cm2以上と本発明の範囲内に
あるので、焼結体に亀裂は観察されなかった。
【0026】これに対して本発明の範囲外、即ち、加圧
力の変動巾は1kg/cm2以上であるが、スラリーの
粘度が60poiseと高いので、焼結体に亀裂が入っ
ていた(比較例1)。また、スラリーの粘度は10po
iseと低いが、加圧力の変動巾が1kg/cm2より
小さいので、やはり焼結体に亀裂が入っていた(比較例
2)。さらに、加圧力を常時2kg/cm2と高くして
いるが、その加圧力に変動を与えないので、これも焼結
体に亀裂が入っている結果となっている(比較例3)。
【0027】
【発明の効果】以上の通り、本発明にかかる加圧鋳込成
形方法によれば、チクソトロピー特性を利用して、成形
用の型内のスラリーに加圧している圧力を変動させなが
ら成形することにより、スラリーが流動してスラリー中
の粒子と溶媒が相互移動し、密度が均一な成形体となっ
た。このことにより、高い加圧力をかける必要がないの
で、大型の設備を設けることも必要なく、また振動装置
などで振動させることも必要なく、密度が均一な成形体
を簡単に成形できるようになった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末と溶媒から成るスラリ
    ーを多孔質の成形用型に加圧しながら鋳込む成形方法に
    おいて、加圧する圧力が1〜5kg/cm2であり、鋳
    込んだ後加圧する圧力を変動させながら成形することを
    特徴とするセラミックスの鋳込成形方法。
  2. 【請求項2】 加圧する圧力の変動巾が、最大値と最小
    値の圧力差で1kg/cm2以上で、その変動させる最
    大圧力の付加時間が5分以内であることを特徴とする請
    求項1記載のセラミックスの鋳込成形方法。
  3. 【請求項3】 スラリーの粘度が、50poise以下
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミッ
    クスの鋳込成形方法。
JP25906594A 1994-09-29 1994-09-29 セラミックスの鋳込成形方法 Pending JPH0899306A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104195841A (zh) * 2014-09-18 2014-12-10 福建宝利特集团有限公司 一种柔软pu/pvc套色合成革及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040316