JPH089917A - 不凍性果実の製造方法 - Google Patents

不凍性果実の製造方法

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JPH089917A
JPH089917A JP16998694A JP16998694A JPH089917A JP H089917 A JPH089917 A JP H089917A JP 16998694 A JP16998694 A JP 16998694A JP 16998694 A JP16998694 A JP 16998694A JP H089917 A JPH089917 A JP H089917A
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JP
Japan
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fruit
alcohol
aqueous solution
natural
antifreeze
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Application number
JP16998694A
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English (en)
Inventor
Saburo Koreeda
三郎 此枝
Kaoru Kusama
かおる 草間
Yoshitaka Ueyama
嘉隆 植山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagaoka Perfumery Co Ltd
Original Assignee
Nagaoka Perfumery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】天然果実を糖類及びアルコールを含有する水溶
液に浸漬し、減圧下に脱気を行うとともに加熱により水
溶液の糖度が15〜80ブリックスに達するまで濃縮し
たのち、常圧にもどすことを特徴とする不凍性果実の製
造方法。 【効果】本発明方法によれば、天然果実の組織を破壊す
ることなく果実中に糖類及びアルコールを含浸すること
ができるので、天然果実の食感、風味、香りを保ったま
まの不凍性果実を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不凍性果実の製造方法
に関する。さらに詳しくは、本発明は、低温においても
凍結せず、良好な食感と風味を保持する果実の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】食品に対する嗜好の多様化、高級化に伴
い、アイスクリーム、シャーベット、ゼリーなどの冷菓
に天然果実を配合した食品が普及している。これらの冷
菓に配合された天然果実には生のものと同じ食感、風味
や香りが求められているが、果実の中に氷の結晶が生成
し凍結すると、固くなって著しく食感が損なわれる。こ
のため、果実の中に糖類やアルコールを含浸せしめ、そ
の凝固点降下を利用して果実の凍結を防ぐことが行われ
ている。天然果実を単に糖類及びアルコールを含有する
溶液の中に浸漬するだけでも、糖類及びアルコールは果
実中へ拡散浸透していくが、高濃度の溶液を用いると果
実が収縮し、低濃度の溶液を用いると十分な不凍性を与
えるためには長時間の浸漬が必要である。短時間で経済
的に天然果実の中に糖類及びアルコールを含浸するため
に、天然果実を減圧処理したのち糖類及びアルコールを
含む溶液を添加し高圧加圧処理する方法などが提案され
ている。しかしながら、天然果実を高圧で処理するには
耐圧容器が必要であるばかりでなく、天然果実を高圧で
処理すると、果実の組織が破壊されて食感が変化するこ
とは避けられない。そのため、天然果実の組織を破壊す
ることなく不凍性を付与することができる不凍性果実の
製造方法の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生の天然果
実の食感、風味、香りなどを保持したまま不凍性を有す
る果実の製造方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、糖類及びアルコ
ールを含有する水溶液の存在下に天然果実の脱気を行
い、加熱濃縮したのち常圧にもどせば、良好な食味を保
持したまま不凍性となしうることを見いだし、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(1)天然果実を糖類及びアルコールを含有する
水溶液に浸漬し、減圧下に脱気を行うとともに加熱によ
り水溶液の糖度が15〜80ブリックスに達するまで濃
縮したのち、常圧にもどすことを特徴とする不凍性果実
の製造方法、及び、(2)シロップが濃縮果汁を含有す
るものである第(1)項記載の不凍性果実の製造方法を提
供するものである。
【0005】本発明方法に用いられる果実には、特に制
限はなく、アイスクリーム、シャーベット、ゼリーなど
の冷菓に配合して供されるものを使用することができ、
例えば、イチゴ、オレンジ、メロン、リンゴ、パイナッ
プル、モモ、サクランボ、ナシ、ビワ、スモモ、アン
ズ、ブドウ、イチジク、バナナなどを挙げることができ
る。本発明方法において、天然果実は、必要に応じて、
表面の洗浄、へたの除去、剥皮、芯の除去、切断などを
行ったのち、糖類及びアルコールを含有する水溶液に浸
漬する。使用する糖類には特に制限はなく、食品用途に
使用される糖類を使用することができ、例えば、ソルビ
トール、マンニトール、キシリトール、フルクトース、
グルコースなどを挙げることができる。使用するアルコ
ールは、食用として無害なものを特に制限なく用いるこ
とができ、例えば、エタノール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、ポリグリセリンなどを挙げることがで
きる。必要に応じて、糖類及びアルコールを含有する水
溶液の中に、濃縮果汁、酸味料、甘味料、着色料などを
添加することができる。使用する天然果実と同種の濃縮
果汁を添加すると、果実の風味が向上するので好まし
い。天然果実のうち過熟したものから濃縮果汁を採取
し、適度に熟したものを不凍性果実に加工すれば、経済
的に天然果実を利用することができる。本発明方法にお
いて用いられる糖類及びアルコールを含有する水溶液
は、糖類の濃度が10〜80重量%、より好ましくは1
5〜50重量%であり、アルコールの濃度が0.2〜4
0重量%、より好ましくは0.5〜20重量%である。
本発明方法において、天然果実に添加される糖類及びア
ルコールを含有する水溶液の量には特に制限はなく、天
然果実が糖類及びアルコールを含有する水溶液中に浸漬
される状態以上になればよいが、通常、天然果実100
重量部当たり糖類及びアルコールを含有する水溶液50
〜300重量部、より好ましくは60〜150重量部を
用いる。本発明方法において、減圧釜中において糖類及
びアルコールを含有する水溶液に天然果実を浸漬したの
ち、減圧釜の圧力を減じて脱気を行う。減圧の程度及び
減圧を保つ時間に特に制限はなく、天然果実の種類によ
って適切な条件を選ぶことができるが、通常は400〜
1トルの減圧で、より好ましくは60〜10トルの減圧
で、5〜360分、より好ましくは10〜90分保持す
ることにより脱気が行われる。本発明方法において脱気
を終了した糖類及びアルコールを含有する水溶液中に浸
漬された天然果実は、減圧釜のバルブを閉じたまま、殺
菌のために加熱される。加熱の程度は任意に選択するこ
とができるが、多くの場合、65℃で30分程度の加熱
で十分な殺菌が行われる。加熱殺菌の過程で、減圧釜の
圧力は上昇する。本発明方法において、加熱殺菌を終え
た天然果実を浸漬した糖類及びアルコールを含有する水
溶液の入った減圧釜は、再び減圧度を上げて糖類及びア
ルコールを含有する水溶液を濃縮する。濃縮の程度に特
に制限はないが、通常、水溶液の糖度が15〜80ブリ
ックス、より好ましくは20〜50ブリックスに達する
まで行う。水溶液の糖度が15ブリックス未満である
と、天然果実に十分な不凍性が与えられないので好まし
くない。水溶液の糖度が80ブリックスを超えると、天
然果実の甘みが強くなり過ぎ食感と風味が損なわれるの
で好ましくない。本発明方法において、糖類及びアルコ
ールを含有する水溶液を所定の糖度に達するまで濃縮し
たのち、減圧釜のバルブを開いて釜内を常圧にもどす。
これらの一連の過程を通じて、天然果実の内部へ糖類、
アルコール及びその他の成分が天然果実の組織を破壊す
ることなく浸透し、天然果実の食感、風味、香りなどを
損なうことなく、不凍性果実を製造することができる。
【0006】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら制
限されるものではない。 実施例1 へたをとり水洗いし切断したイチゴ100gと、ソルビ
トール30g、濃縮イチゴ果汁8g、グリセリン14g
及び水98gの混合物を減圧二重釜に投入し、40トル
まで減圧し10分間この状態を保った。次いで、温度を
65℃に上昇し30分間この温度に保ったのち、再び減
圧度を上げて濃縮し、水溶液の糖度を28ブリックスと
した。釜の温度を常温まで下げたのちバルブを開き、圧
力を常圧にもどした。この際、エチルアルコール5gを
添加した。得られた不凍性イチゴをクリーンルーム内で
殺菌瓶に充填し−18℃で保存した。この不凍性イチゴ
を不凍性イチゴAとする。 比較例1 へたをとり水洗いし切断したイチゴ100gを5分間減
圧処理したのち、ホワイトラム5重量%及びストローベ
リーリキュール5重量%を添加したブリックス80%の
ぶどう糖果糖液糖100gとともに含浸袋に充填し、脱
気シールした。次いで、含浸袋ごと500kg/cm2の静
水圧で5分間加圧処理を行った。脱糖液後、急速冷蔵庫
で約1時間急冷し、−18℃の冷凍庫に移して保存し
た。この不凍性イチゴを不凍性イチゴBとする。不凍性
イチゴA及び不凍性イチゴBについて嗜好調査を行っ
た。市販のアイスクリーム100gと不凍性イチゴA6
gを混合したサンプルA及び同じ市販のアイスクリーム
100gと不凍性イチゴB6gを混合したサンプルBを
作成し、35名のパネラーにより食感、風味、色につい
て嗜好調査を行った。パネラーに、サンプルA、サンプ
ルA、サンプルBの3点、及び、サンプルA、サンプル
B、サンプルBの3点を試供し、パネラーがサンプルA
とサンプルBを識別しうるか否かを調べた。さらに、サ
ンプルAとサンプルBを正確に識別したパネラーについ
て、サンプルAとサンプルBのいずれを好むかを調査し
た。結果を第1表に示す。
【0007】
【表1】
【0008】各アイスクリームについてのn=35で3
点識別試験法検定表より判定度数が22以上ならば0.
1%有意(***印で表示)、19以上ならば1%有意
(**印で表示)である。また、n=70で3点識別試
験法検定表より判定度数が37以上ならば0.1%有意
(***印で表示)、34以上ならば1%有意(**印
で表示)である。さらに、サンプルAとサンプルBを正
しく識別したパネラーのうち、サンプルAの方を好むn
=35で3点識別試験法検定表より判定度数が15以上
ならば0.1%有意(***印で表示)、13以上なら
ば1%有意(**印で表示)である。また、n=70で
3点識別試験法検定表より判定度数が22以上ならば
0.1%有意(***印で表示)、20以上ならば1%
有意(**印で表示)である。第1表の結果より、サン
プルAとサンプルBとは明らかに識別することが可能で
あり、かつ、本発明の不凍性イチゴを用いたサンプルA
の方が評価が高く優れていることが分かる。なお、サン
プルAの方が優れているとしたパネラーの意見は、サン
プルAの方が、冷凍時のソフト感、果肉の繊維感及びフ
レッシュ感があるということであった。
【0009】
【発明の効果】本発明方法によれば、天然果実の組織を
破壊することなく果実中に糖類及びアルコールを含浸す
ることができるので、天然果実の食感、風味、香りを保
ったままの不凍性果実を製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然果実を糖類及びアルコールを含有する
    水溶液に浸漬し、減圧下に脱気を行うとともに加熱によ
    り水溶液の糖度が15〜80ブリックスに達するまで濃
    縮したのち、常圧にもどすことを特徴とする不凍性果実
    の製造方法。
  2. 【請求項2】シロップが濃縮果汁を含有するものである
    請求項1記載の不凍性果実の製造方法。
JP16998694A 1994-06-29 1994-06-29 不凍性果実の製造方法 Pending JPH089917A (ja)

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JP16998694A JPH089917A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 不凍性果実の製造方法

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JP16998694A JPH089917A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 不凍性果実の製造方法

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JPH089917A true JPH089917A (ja) 1996-01-16

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JP16998694A Pending JPH089917A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 不凍性果実の製造方法

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