JPH089765B2 - セラミツク溶射材の封孔処理方法 - Google Patents

セラミツク溶射材の封孔処理方法

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JPH089765B2
JPH089765B2 JP9160288A JP9160288A JPH089765B2 JP H089765 B2 JPH089765 B2 JP H089765B2 JP 9160288 A JP9160288 A JP 9160288A JP 9160288 A JP9160288 A JP 9160288A JP H089765 B2 JPH089765 B2 JP H089765B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセラミツク溶射材の封孔処理方法に関する。
〔従来の技術〕
セラミツクの溶射材は耐摩耗性に優れた材料であり最
近各種製品に利用されているが、現状開発されている溶
射技術では無細孔の皮膜が得られず、耐食性が要求され
る製品への応用が阻れている。これを解決するため、従
来から溶射皮膜に生じた細孔を封じる、いわゆる封孔処
理方法が種々提案されている。従来提案されている封孔
処理方法としてはエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂、シリコーン系樹脂などの熱硬化性樹脂又はアクリル
樹脂、酢酸ビニル樹脂のエマルジヨンを塗布する方法あ
るいはそれらの樹脂を希釈した溶液に浸漬して含浸せる
方法などがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の樹脂溶液の塗布あるいは含浸させる方法におい
て、樹脂の希釈率を小さくした場合には溶液の粘度が高
くなるため、溶射皮膜の細孔内に入りにくく、溶射層の
極く表層を覆つているだけの状態になり易く、又、逆に
希釈率を大きくした場合には細孔の奥深くまで入り易く
なるが、乾燥により溶媒が揮散した後は細孔内に再び穴
ができ、細孔内全体を樹脂で埋めた状態にはなり難いな
どの問題があり、従来から封孔処理をしたセラミツク溶
射材であつても、水溶液と接触する環境では溶射セラミ
ツクと母材との界面が腐食され、長期耐久性が要求され
るような製品には適用し難いという問題点があつた。
そこで、本発明はセラミツク溶射材の封孔処理方法に
おける従来の欠点を解消し、セラミツク溶射材の細孔を
完全に樹脂で封じ込め、腐食性液体の浸透を防止できる
耐食性に優れた封孔処理方法を提供しようとするもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、セラミツク溶射材の封孔処理を行うに際
し、セラミツク溶射材を減圧状態でアセトン溶液に浸漬
し、次いでアセトン溶液を排出したのち、加温しなが
ら、減圧乾燥する第一工程、減圧を保持した状態でモノ
マーをフラツシユさせて該溶射材の細孔にモノマーを吸
着させる第二工程、減圧状態を保持した状態でモノマー
に重合触媒を混合した溶液を該溶射材の細孔内に含浸さ
せる第三工程、前記モノマーに重合触媒を混合した溶液
を含浸した溶射材のモノマーをモノマー蒸気が温度、圧
力に対して平衡な分圧下において重合させる第四工程か
らなるセラミツク溶射材の封孔処理方法である。
〔作用〕
本発明は微細な細孔の奥深くまで樹脂を完全に充填す
るため、第一工程において、細孔内に吸着した水分を完
全に除去する目的で水の溶解度が大きく、かつ蒸発し易
すいアセトンに減圧状態で浸漬することにより、細孔内
にアセトンを含浸し、細孔内に吸着した水分をアセトン
に抽出して細孔内から引き出す。次いで水を含むアセト
ンを系外に排出したのち、加熱しながら減圧乾燥を行
う。アセトンで処理せずに加温しながら減圧乾燥するこ
とにより、細孔内の吸着水分を除去することも可能であ
るが、減圧乾燥のみでは微細な細孔から水分を除去する
のに長時間を要するばかりでなく、加熱エネルギー量も
多くなりアセトン抽出に比べて不利である。もし水分が
細孔内に残留した場合にはモノマー含浸工程において、
モノマーを細孔全体に充填するのを阻害するばかりでな
く、セラミツクとモノマーの濡れを阻害するため、モノ
マーを含浸させて重合させた場合、セラミツクと樹脂と
が接着した状態になりにくい。
第二の工程はモノマーを細孔内に含浸させやすくする
ための処理で、減圧した状態でモノマーをフラツシユさ
せて細孔内にモノマーの蒸気を導入することにより細孔
内のセラミツク面をモノマーで濡らす工程である。この
工程により、次工程のモノマー含浸を完全にする作用を
するばかりでなく、モノマーを重合した樹脂とセラミツ
クの接着を強め、細孔を完全に封孔できるのである。
第三の工程は重合触媒を混合したモノマーを含浸させ
る工程である。セラミツク溶射材を重合触媒を混合した
モノマー溶液に完全に浸漬させて減圧することにより、
セラミツク溶射材の細孔に重合触媒を混合したモノマー
を含浸させることができる。本発明に利用できるモノマ
ーとしては、スチレン、メチルメタアクリレートなどを
あげることができ、重合触媒としてはベンゾイルパーオ
キサイド、パークミルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイドなどの有機過酸化物があげられる。
重合触媒の混合量は製品の種類によつて任意に選択で
きるが好ましくは0.5〜5wt%である。
第四の工程はセラミツク溶射材の細孔部に含浸したモ
ノマーを蒸発揮散させることなくすべて重合させる工程
である。もし、重合途中でモノマーの揮散を生じた場合
には細孔を完全に封じ込めることができないのは言うま
でもない。従つて、含浸したモノマーを蒸発揮散させな
いために、モノマーの蒸気が含浸したモノマーの温度、
圧力において平衡な分圧に調整した容器内に移し、重合
が完結するまで保持するのである。
以上、第一工程から第四工程まで連続的に処理するこ
とにより、セラミツク溶射材の細孔内を完全に封じるこ
とができ、耐食性に優れたセラミツク溶射材を提供でき
る。
一般に耐摩耗性を付与するためにコーテイングされる
セラミツク溶射層の厚さはせいぜい500μm程度であ
る。又、セラミツク溶射層に含まれる細孔は全セラミツ
ク溶射層の数%以下に過ぎない。そのため、前記、第一
工程から第四工程の封孔処理によつて、細孔内を封じる
ために必要なモノマーは極く少量でよいことになる。
一方、前記第一工程から第四工程の封孔処理に用いる
容器はセラミツク溶射材の全体が入り、密閉できるもの
であれば十分である。ところがセラミツク溶射が製品の
一部に施工される溶射材あるいは複雑な形状の溶射材を
箱型の容器で処理する場合には、封孔処理を必要する溶
射層全体を浸漬させる第一工程で用いるアセトン及び第
三工程で用いる重合触媒を混合したモノマー溶液は溶射
層の細孔を封じるために必要な量に比べて莫大な量が必
要である。
第一工程で用いるアセトンは再利用できるが第三工程
で用いる重合触媒を混合したモノマー溶液は重合するた
め再利用は不可能で、用いた溶液の大部分は廃棄するこ
とになり、封孔処理における処理費用を引き上げること
になる。
そこで本発明でセラミツク溶射材を前記第一工程〜第
四工程で封孔処理するに当つて、第一工程〜第四工程の
処理に用いる容器に、高分子フイルムからなる袋を用い
ることを好ましい実施態様として推奨する。このような
容器を用いることにより、第一工程及び第三工程で用い
るアセトン及び重合触媒を混合したモノマー溶液の使用
量を最小にすることができる。すなわち、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ナイロン,フツ素系樹脂等の高分
子フイルムからなる袋は減圧にすることにより、高分子
材料の深締り性能(延び)の範囲でセラミツクを溶射し
た製品の形状に沿わせることができるので、前記、アセ
トン及び重合触媒を混合したモノマー溶液を減圧状態で
形成される空隙よりも僅かに多く入れるだけで封孔処理
が可能となるからである。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図から第7図を参照し
ながら詳述する。第1図,第2図は封孔処理の実施に用
いたセラミツクを溶射した供試体を示す図で第1図はそ
の平面図、第2図はその側面である。第3図は減圧状態
でアセトンを含浸させる態様を示す図、第4図は水分を
抽出したのち、セラミツク溶射層内あるいは表面に付着
したアセトンを加熱しながら減圧乾燥する態様を示す
図、第5図はモノマーのフラツシユによるセラミツク溶
射材細孔内へモノマーを吸着させる工程を実施する態様
を示す図、第6図は重合触媒を含むモノマーをセラミツ
ク溶射材細孔内に減圧状態で含浸させる態様を示す図、
第7図はモノマーを蒸気中でセラミツク溶射材細孔内に
含浸したモノマーを重合させる工程を実施する態様を示
す図である。図において、1はセラミツクを溶射した供
試体、2はゴム栓、3はポリプロピレン製袋、4はコツ
ク、5はアセトン又は重合触媒を混合したあるいは混合
しないモノマーを注入する注入器、6は真空ポンプ、7
は恒温槽、8はモノマー蒸発用容器、9はアセトン溶
液、10はモノマー蒸気、11は重合触媒を混合したモノマ
ー溶液である。
400×100×20mmのステンレス鋼に20mmφ×300mm長の
軸を有する第1図,第2図に示す形状の供試体の板部表
面に300μmのアルミナ溶射コーテイングを施こし、そ
の供試体1を第3図に示すようにポリプロピレンの袋3
に入れ、袋3の開口部をゴム栓2をして更にテフロンテ
ープで巻き付けたのち、真空ポンプ6につながる配管の
コツク4を開いて、真空ポンプ6を運転し、供試体1を
入れたポリピロピレン袋3内を減圧状態にした。次い
で、アセトン注入器5につながる配管のコツク4を開い
て、注入器5からアセトンを供試体1の溶射面が完全に
浸漬するまで注入し5分間保持した。
次いで、ポリプロピレン袋3中のアセトンを排出した
のち、第4図に示すように内部を100℃に調整した恒温
槽7内で10分間減圧乾燥した。
次いで、第5図に示すように、注入器5にスチレンモ
ノマーを入れ、ポリプロピレン袋3内を減圧状態にした
のち、注入器5につながるコツク4を開いて、溶射材の
面にスチレンモノマーが接触しないようにフラツシユさ
せた。その後、真空ポンプにつながるコツク4を閉じて
10分間保持した。
次いで、モノマー注入器5内にベンゾイルパーオキサ
イド3wt%を溶解したスチレンモノマーを入れ、真空ポ
ンプにつながるコツク4を開いて、袋3内を減圧にしな
がら、スチレンモノマー注入器5のコツク4を開いて、
供試体1のセラミツク溶射面の全体が完全に浸漬するま
で、前記、ベンゾイルパーオキサイドを溶解したスチン
レンモノマーを注入し、減圧にしながら10分間保持し
た。
次いで減圧を解除したのち、供試体1を取り出し、ス
チレンモノマーを入れた蒸発器8を内蔵したポリプロピ
レン袋3内に前記供試体1を入れ、内部の空気をできる
だけ抜いた状態で袋3の開口部をゴム栓2にしばりつけ
たのち、内部を50℃に調節した恒温槽7内に入れ、24時
間保持した。
上記封孔処理を行つた供試セラミツク溶射材(供試
体)を5%硫酸溶液と接触させて6ケ月間腐食試験した
結果、全く異常は認められなかつた。なお、参考までに
封孔処理をしなかつたアルミナを300μm溶射したもの
を前記腐食試験条件と同条件で試験したところ、母材か
ら溶射材が剥離した。
〔発明の効果〕
本発明により、従来セラミツク溶射材が適用できなか
つた腐食性環境までセラミツク溶射材を適用できるよう
になり、耐摩耗性が要求されるあらゆる製品にセラミツ
ク溶射材を適用可能にした工業的効果は極めて大きいも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の一実施例で封孔処理に用いた
セラミツクを溶射した供試体を示す図で、第1図はその
平面図、第2図はその側面図である。第3図は減圧状態
でアセトンを含浸させる態様を示す図、第4図は水分を
抽出したのちセラミツク溶射材内あるいは表面に付着し
たアセトンを加熱しながら減圧乾燥する態様を示す図、
第5図はモノマーのフラツシユによるセラミツク溶射材
細孔内へモノマーを吸着させる工程を実施する態様を示
す図、第6図は重合触媒を含むモノマーをセラミツク溶
射材細孔内に減圧状態で含浸させる態様を示す図、第7
図はモノマー蒸気中でセラミツク溶射材細孔内に含浸し
たモノマーを重合させる工程を実施する態様を示す図で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック溶射材の封孔処理を行うに際
    し、セラミック溶射材を減圧状態でアセトン溶液に浸漬
    し、次いでアセトン溶液を排出したのち、加温しなが
    ら、減圧乾燥する第一工程、減圧を保持した状態でモノ
    マーをフラッシュさせて該溶射材の細孔にモノマーを吸
    着させる第二工程、減圧状態を保持した状態でモノマー
    に重合触媒を混合した溶液を該溶射材の細孔内に含浸さ
    せる第三工程、前記モノマーに重合触媒を混合した溶液
    を含浸した溶射材のモノマーを、モノマー蒸気が温度、
    圧力に対して平衡な分圧下において重合させる第四工程
    からなることを特徴とするセラミック溶射材の封孔処理
    方法。
  2. 【請求項2】第一工程〜第四工程の処理容器として、高
    分子フイルムからなる袋を用いることを特徴とする特許
    請求の範囲第(1)項のセラミック溶射材の封項処理方
    法。
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