JPH0895629A - 産業用ロボットの探査距離設定方法 - Google Patents

産業用ロボットの探査距離設定方法

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JPH0895629A
JPH0895629A JP23385294A JP23385294A JPH0895629A JP H0895629 A JPH0895629 A JP H0895629A JP 23385294 A JP23385294 A JP 23385294A JP 23385294 A JP23385294 A JP 23385294A JP H0895629 A JPH0895629 A JP H0895629A
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Junichiro Kanamori
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業の失敗回数を増加させることなく、作業
中心点から探査点までの探査距離を適切に設定する. 【構成】 作業に先行して基板の穴とランプとの相対的
な位置のばらつきの分布を測定し、この分布と作業が成
功する許容誤差とから作業成功率の分布関数を作成して
おき、作業中心点における成功率を測定した時点で、そ
の成功率が作業成功率の分布における位置を推定して、
作業成功率の最大となる点との距離を探査距離として設
定する。また、作業が失敗して作業中心点が修正された
場合には、新たな作業中心点における成功率に基づいて
探査距離を設定する。探査距離が可変であるため、成功
率の最もよい点から離れている場合には速やかに成功率
の最もよい点に近づき、近い場合には、修正点が成功率
の最もよい点を通り越えることがなく、確実に近づく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部品を作業対象に嵌め
込んだり、作業対象に挿入したり、作業対象にねじ締め
したりすることによって、部品を作業対象に組み付ける
産業用ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、部品を毎回同じ場所へ組み付
けする産業用ロボット等では、組み付けの成功率が最大
となると見られる点が作業中心点として教示されている
が、さらに成功率を向上させるために、特開平4−14
1701号では、作業中心点での組み付けが成功しなか
った場合に、作業中心点の周辺の幾つかの探査点での組
み付けを試みて、成功率が作業中心点の成功率より良い
探査点がある場合には、その探査点を新たな作業中心点
に変更するようにしている。
【0003】ここで、探査点は、作業中心点から探査距
離だけ離れた複数の方向に設定されたものであり、探査
距離は、産業用ロボットの実稼働に先行して、試験稼働
を行って作業の成功率分布を予め測定し、教示される作
業中心点より成功率の良い作業点と教示された作業中心
点との距離を推定して、その距離が探査距離として設定
されるものであり、固定された値を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来で
は、実際の製品を使用した試験稼働を行って測定される
作業の成功率分布に基づいて探査距離を設定するため、
成功率分布の測定のために多数の製品が必要であるとと
もに、多数の製品を無駄にしてしまい、損失が大きいと
いう問題があった。
【0005】本発明は、ある作業中心点で作業が失敗し
た場合に、探査距離だけ離れた探査点で作業を試みる産
業用ロボットにおいて、作業の失敗数を増加させること
なく、作業中心点から探査点までの探査距離を適切に設
定することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1で
は、作業対象に作業を行うロボットの機構部分からなる
作業遂行部と、該作業遂行部に前記作業を行うべき位置
である作業中心点を設定する手段と、該作業中心点に基
づいて前記作業遂行部の動作を制御する制御手段とを備
えるロボットの制御装置であって、設定される前記作業
中心点を記憶する手段、記憶されている前記作業中心点
に向けて前記作業遂行部を移動させて前記作業を行わせ
る作業命令手段、前記作業中心点で前記作業の成功回数
を作業回数で割った前記作業の成功率を把握する作業判
定手段、前記作業中心点の周辺の予め設定された複数の
探査点に向けて前記作業遂行部を移動させて前記作業で
ある探査を行わせる探査命令手段、前記各探査点での前
記作業の良否をそれぞれ判定して各探査点での前記作業
の成功回数を前記作業回数で割った成功率を把握する探
査判定手段、前記作業中心点での前記作業の成功率と前
記各探査点での成功率との差に基づく相対的関係から前
記作業中心点を修正する修正手段を有する産業用ロボッ
トにおいて、作業対象と作業対象が把持する被作業対象
との相対的な位置のばらつきの分布と、作業が成功する
許容誤差の範囲とから前記作業の成功率分布関数を作成
し、該成功率分布関数における前記作業の成功率分布
と、前記作業中心点における成功率とから、前記作業の
成功率分布における成功率が最大となる点と前記作業中
心点との距離を算出し、算出された前記距離を前記作業
中心点と前記探査点との間の探査距離として設定するこ
とを技術的手段とする。
【0007】本発明は、請求項2では、請求項1におい
て、前記作業の成功率分布において成功率が最大となる
位置と該作業の成功率分布を作業対象と作業対象が把持
する被作業対象との相対的な位置の分布の分散の2倍か
ら4倍の間の位置を直線で結んだ関数を前記成功率分布
関数として用いることを技術的手段とする。
【0008】本発明は、請求項3では、請求項1におい
て、前記作業の成功率分布において成功率が最大となる
位置と0となる位置とを直線で結んだ関数を前記成功率
分布関数として用いることを技術的手段とする。
【0009】本発明は、請求項4では、請求項1におい
て、前記作業遂行部が作業を失敗した場合に、その周辺
に作業を再度行い、作業が成功した時の位置に基づいて
前記作業の成功率分布を作成することを技術的手段とす
る。
【0010】本発明は、請求項5では、請求項1におい
て、あらかじめ設定された成功率分布を近似する関数を
使用して前記作業中心点を修正した時の修正回数と、あ
らかじめ設定された成功率分布を近似する関数の値と微
小量異なる係数を持つ関数を使用して前記作業中心点を
修正したときの修正回数とを比較し、修正回数の少ない
方の係数の値に変更することを繰り返すことを技術的手
段とする。
【0011】本発明は、請求項6では、請求項3におい
て、あらかじめ設定された前記相対的な位置の分布を表
す分散値と、前記許容誤差の値より算出した関数を使用
して前記作業中心点を修正した時の修正回数と、あらか
じめ設定された前記相対的な位置の分布を表す分散値
と、前記許容誤差の値と微小量異なる係数より算出した
関数を使用して前記作業中心点を修正したときの修正回
数とを比較し、修正回数の少ない方の係数に前記許容誤
差の値を変更することを繰り返すことを技術的手段とす
る。
【0012】
【作用】作業の成功率分布は、産業用ロボットを実際に
作動させた場合に、作業が成功するか否かを、ある範囲
内について表したものであり、ある作業点で作業が成功
するか否かを示す成功率は、2つの部品である作業対象
と被作業対象との相対的なばらつきと、作業が成功する
ための許容誤差によって決まる。従って、作業の成功率
分布自体は、実際に産業用ロボットを作動させなくて
も、作業対象と被作業対象との相対的な位置がどのよう
なばらつきを有して配置されるかについての考察、測定
ができればよい。
【0013】作業対象と被作業対象との相対的な位置の
ばらつきは、距離センサ、視覚装置によって測定でき、
正規分布あるいはそれに準ずる分布関数を仮定でき、作
業が成功するための許容誤差は、各部品において予め設
定されている。この結果、作業対象と被作業対象との相
対的な位置のばらつきと、作業が成功するための許容誤
差から、作業の成功率分布関数が得られる。
【0014】以上を、実際の作業工程に先行して行う。
続いて、ある点を作業中心点として教示した後、産業用
ロボットを作動させる。ある作業中心点で、作業を行
い、その点での成功率が算出された場合、その作業にお
ける成功率分布関数が分かっていれば、成功率分布にお
ける成功率の最高の点とその作業中心点との距離が推定
できる。従って、その距離を探査距離とすることで、あ
る作業中心点から探査点へ移動したとき、その探査点
が、初めの作業中心点より成功率が良い作業点である確
率が高く、容易に成功率の高い作業点へ作業中心点を修
正することができる。
【0015】
【発明の効果】本発明は、予め測定等によって得られる
作業対象と被作業対象との相対的な位置のばらつきの分
布と、作業が成功する許容誤差とから決まる作業の成功
率分布を与えておくことで、作業中心点での成功率が測
定された時点で、適切な探査距離が設定できるため、作
業中心点を作業の成功率が最も良い点へ容易に修正する
ことができる。この場合、作業の成功率分布は、実際に
産業用ロボットを作動させなくてもよいため、作業の成
功率分布を測定するために多数の製品が必要ないため、
製品の不良が生じことがなくなり、また、教示された作
業中心点での作業が失敗した場合でも、その点から探査
点までの距離が適切に設定されるため、探査において生
じる製品の不良を最小限に抑えることができる。従っ
て、従来に比べて作業の失敗に伴う製品不良による損失
を大幅に低減させることができる。
【0016】請求項2では、作業の成功率分布において
成功率が最大となる位置と作業の成功率分布を作業対象
と作業対象が把持する被作業対象との相対的な位置の分
布の分散の2倍から4倍の間の位置を直線で結んだ関数
を作業の成功率分布関数としているため、探査距離の算
出のための演算式が簡略化できる。従って、プログラム
が簡素化できる。
【0017】請求項3では、作業の成功率分布において
成功率が最大となる位置と0となる位置とを直線で結ん
だ関数を成功率分布関数とするため、探査距離の算出の
ための演算式がさらに簡略化でき、プログラムが簡素化
できるとともに、作業対象と被作業対象との相対的な位
置のばらつきの分布の測定においても、測定を簡略化す
ることができるため、調整負担を抑えることができる。
【0018】請求項4では、作業中心点が修正された後
には、修正された作業中心点での成功率に基づいて、新
たな作業中心点と成功率が最大の点との距離が算出され
て、新たな探査距離が設定されるため、最も成功率のよ
い点への探査が、少ない修正回数で行うことができる。
従って、成功率のよりよい点が速やかに探査されて作業
中心点がより良い成功率の点へ容易に修正される。この
結果、作業失敗数の低減を計ることができる。
【0019】請求項5では、成功率分布関数を近似する
関数について、微小だけ異なる係数を持つ関数を使用し
て作業中心点の修正を行い、それぞれの修正回数を比較
した結果、修正回数の少ない係数を用いるようにするた
め、実際の作業において適した係数が選択され、作業の
失敗回数が減少する。請求項6では、作業が成功する許
容誤差として、係数の異なる2つの値を用いて作業成功
率の分布を算出し、作業中心点が修正された場合の各修
正回数を比較して、修正回数の少ない値を許容誤差とし
て選択するようにするため、最も適した点への修正の収
束が速やかに行われる。従って、作業の失敗回数が減少
する。
【0020】
【実施例】次に本発明を産業用ロボット1における組立
作業に基づいて説明する。図1に機能構成を示す産業用
ロボット1は、図2に示すように、基板3の穴4にラン
プ5を組み付けるためのティーチングプレイバックロボ
ットで、ロボット制御回路10はCPU11、RAM1
2、ROM13、駆動回路14、センサ15、インター
フェース16からなり、作業遂行部20はサーボモータ
21とロボットハンド22からなる。
【0021】産業用ロボット1の作業動作は、ロボット
ハンド22がサーボモータ21により駆動されて、基板
3の穴4内にランプ5を挿入し、穴4内に挿入されたラ
ンプ5の爪6が基板3に係止された場合に組み付けが完
了する。センサ15は、ロボットハンド22がチャック
位置でランプ5を掴んだときオン状態となり、ランプ5
がロボットハンド22内に残っていないときオフ状態と
なる。
【0022】ロボット制御回路10は、RAM12に、
作業中心点P0における作業回数、成功回数を記憶する
レジスタR0と、探査点P1〜P4における作業回数、
成功回数を記憶するレジスタR1〜R4を有し、ROM
13内の動作プログラムによる制御手順に従って作業遂
行部20による作業を行う。ロボット制御回路10は、
作業の合否を判定するセンサ15の信号をインターフェ
ース16で変換して取り込み、センサ15がオン状態か
らオフ状態に変化するとき作業の成功が判定され、オン
状態が継続すると作業の不成功を判定する。
【0023】以上の構成からなる産業用ロボット1は、
ロボット制御回路10に組み込まれた動作プログラムに
よって、予め教示された作業中心点P0で組立動作を行
うとともに、作業中心点P0での作業が不成功であった
場合に、近傍の探査点で作業を行い、作業の成功率がよ
り良い作業点へ作業対象位置である作業中心点P0を順
次修正するための学習プログラムを有している。ここで
は、学習プログラムにより修正されるのは、図3に示す
ように、作業中心点P0からX軸方向、Y軸方向へそれ
ぞれ探査距離Lだけ離れた距離にある複数の探査点P1
〜P4のいずれかであり、修正は、作業中心点P0、探
査点P1〜P4でのそれぞれの作業成功率に基づいて行
われる。
【0024】以上の構成を有する産業用ロボット1によ
る組立作業に先行して、初めに、作業対象と被作業対象
の相対的な位置のばらつきを測定する。測定装置として
は、距離センサでも視覚装置など位置が測定できるもの
であればよい。
【0025】図4に視覚装置50を使用した例を示す。
ロボットハンド22に視覚装置50を付け、製品を流動
させ、製品が位置決めされるたびに、製品の作業対象位
置を測定する。ここでは、樹脂製品にランプ5を組み立
てる例であるので、樹脂製品のランプ組立穴の位置を測
定する。この測定により、産業用ロボット1と製品との
作業対象位置の相対的な位置のばらつきが測定できる。
【0026】もし、産業用ロボット1の位置決め精度が
高く、製品の位置のばらつき、寸法誤差に比べて位置決
め誤差が充分に小さい場合には、製品の作業位置のばら
つきのみを測定してもよい。例えば、レーザ変位計で作
業位置の穴位置を測定する方法、製品の測定しやすい任
意の位置とその任意の位置から作業位置までの寸法のば
らつきを測定し、両方を加算する方法がある。後者の場
合、製品の測定しやすい任意の位置のばらつきをσ1、
任意の位置から作業位置までの寸法のばらつきをσ2と
すると、製品の作業位置のばらつきσは、
【0027】
【数1】 で表される。製品の作業位置のばらつき(確率密度分
布)は正規分布またはそれに準ずる他の分布関数を仮定
する。通常は正規分布関数で充分である。製品の作業位
置のばらつき(確率密度分布)の正規分布関数は、図5
(a)に示すように、横軸に位置、縦軸に確率密度を配
した座標上で表現される。
【0028】次に、作業が成功する許容範囲を測定す
る。これは、組立、挿入作業の場合、通常、クリアラン
スとされるものであり、例えば、挿入する部品(ランプ
の挿入部)の直径と挿入される穴4の直径の差である。
また、半田付け、接着材塗布などの作業の場合は、材料
がずれても、良品と判定できる範囲である。
【0029】以上の測定が終わると、成功率分布関数を
作成する。成功率分布関数は、上記の製品の作業位置の
ばらつきを示す正規分布関数の一方の端から、他方の端
へ位置をずらしながら、作業が成功する許容範囲2α内
で、正規分布関数を積分することによって、各位置にお
ける成功率を求めることができる。積分の結果を図5
(b)に示す。この結果に基づいて作成した成功率分布
関数を図6に示す。
【0030】次に、図6に示す成功率分布関数を使用
し、探査距離Lを算出する。探査距離Lの算出には、教
示された作業中心点aでの成功率P(a)を測定し、そ
の値を成功率分布関数に当てはめ、成功率が最大となる
点までの距離Lを推定し、それを探査距離Lとする。成
功率は、産業用ロボット1を作動させて組立作業を行
い、その作業の成否に基づいて求める。産業用ロボット
1の組立作業については、後述する。
【0031】なお、成功率分布関数は、簡単化のため
に、作業成功率の分布を一次近似式で表現しても、同様
の効果がある。一次近似式の作り方として、図7に示す
ように、作業の成功率分布において成功率が最大となる
位置と0となる位置とを直線で結んだ関数を成功率分布
関数として用いて、成功率分布の全領域を一次関数で表
現する方法がある。
【0032】しかし、通常の作業者による教示では、図
8に示すように、成功率分布の中心より3σ離れた点を
使用し一次近似式を作成すると、探査距離Lの設定が一
次近似式でも誤差が少なく正確に行える。作業者による
教示は、通常、成功率分布の中心より2σから3σの間
以内で行われることが多いので、この成功率分布の中心
より3σ離れた点までの範囲での近似式の誤差を小さく
するように設定すればよい。
【0033】この一次近似式を用いた場合、成功率分布
の一次近似式Pは、
【数2】
【0034】で表されるため、x=Lを代入すると、探
査距離Lは、
【数3】 従って、ある作業中心点での成功率Pが算出されれば、
上記の数式2により、成功率が算出された作業中心点
と、成功率が最もよい点との距離Lが算出され、この距
離Lを探査距離Lとすることができる。
【0035】次に、上記のとおり探査距離Lが設定され
る探査距離設定プログラムを含み、作業中心点P0の修
正を行うための学習プログラムの制御動作を図9に基づ
いて説明する。初めに、探査距離Lが計算済みか否か判
別する(ステップS101)。計算されていない場合
(No)、作業中心点P0で組立作業を行う(ステップ
S102)。組立作業数が、必要サンプル数に達したか
否か判別し(ステップS103)、必要サンプル数に達
していない場合には(No)、ステップS108へ移行
する。必要サンプル数に達している場合には(Ye
s)、作業中心点P0における成功率T0を計算し(ス
テップS104)、さらに、上記のとおり与えられた作
業成功率分布の関数と成功率T0に基づいて探査距離L
を算出し(ステップS105)、1回の作業動作を終了
し、ステップS101へ移行する。
【0036】ステップS101において、探査距離Lが
計算されている場合には(Yes)、作業中心点P0ま
たは探査点P1〜P4で組立作業を行う(ステップS1
06)。この組立作業では、初め作業中心点P0で組立
作業を試みて、成功した場合には他の探査点P1〜P4
での組立作業は行わず、失敗した場合に限って各探査点
P1〜P4で順次組立作業を試み、作業が成功したとき
組立作業を終わる。また、作業の成否については、作業
を行った作業中心点P0または探査点P1〜P4に対応
したレジスタR0〜R4において、作業回数および成功
回数をそれぞれ記憶する。また、作業中心点P0につい
ては、予め決められた所定の組立回数の組立作業が行わ
れる毎に、成功率が算出される。ここでは、成功率は、
作業回数が、例えば、20回、40回、100回と予め
決められた複数の異なる必要サンプル数Nにそれぞれ達
する毎に、各必要サンプル数Nに対応する各成功率を算
出する。
【0037】ステップS106の組立作業の後、ステッ
プS107では、作業中心点P0についての成功率が算
出されている場合については、連続する2つの成功率を
比較する。なお、連続した成功率が算出されていなけれ
ば、ステップS108へ移行する。ステップS107に
おいて、過去の成功率が現在の成功率と等しいか否かを
判別し、連続する2つの成功率に変化が生じた場合には
(No)、ワークのロットの切替え、あるいは作業現場
における温度変化などによって、作業対象の条件が変化
したと考えられるため、異なる条件下での作業回数、成
功回数等の統計データによって算出される成功率に基づ
いて、作業中心点が修正されると、作業不良が増加する
恐れがあるため、各統計データを初期化し(ステップS
111)、1回の作業動作を終了して、ステップS10
1へ移行する。
【0038】ステップS107おいて、連続する2つの
成功率に変化が生じない場合には(Yes)、作業中心
点P0での成功率と、探査点P1〜P4の成功率とに有
意差があるか否かを判定する(ステップS108)。ス
テップS108において、有意差がない場合(No)に
は、1回の作業動作を終了し、ステップS101へ移行
する。ステップS108において、有意差がある場合に
は(Yes)、作業中心点P0の成功率より探査点P1
〜P4の成功率がよいか否か判別する(ステップS10
9)。
【0039】ステップS109おいて、探査点P1〜P
4の成功率より作業中心点P0の成功率がよい場合には
(No)、1回の作業動作を終了して、ステップS10
1へ移行する。ステップS109において、作業中心点
P0の成功率より探査点P1〜P4の成功率がよい場合
には(Yes)、作業中心点P0の成功率より良い成功
率の探査点P1〜P4へ作業中心点を変更し(ステップ
S110)、1回の作業動作を終了して、ステップS1
01へ移行する。
【0040】なお、ステップS108における成功率の
有意差の判定およびステップS109における成功率の
比較は、作業中心点P0における必要サンプル数と同じ
回数の組立作業が各探査点P1〜P4においてそれぞれ
完了した場合に行われる。
【0041】以上のとおり決定された探査距離Lに基づ
いて探査を行い、作業中心点を修正した場合の組立成功
率の変化を図10に示す。図10から明らかなとおり、
探査距離Lが修正の行われるたびに異なるため、ある作
業中心点から修正を行う場合、成功率が最もよい点を越
えて探査が行われることがなくなる。また、作業中心点
と成功率が最もよい点との距離Lが大きい場合ほど大き
な探査距離Lが与えられるため、修正の回数を大幅に少
なくすることができる。
【0042】本発明によって作業中心点を修正した場合
の、作業中心点と成功率が最もよい点(目標位置)との
ずれの変化を、組立作業の失敗率の変化とともに、図1
1に示す。図11から明らかなとおり、作業中心点の修
正によって、確実に目標位置とのずれの大きさが小さく
なり、組立作業の失敗率も小さくなることが分かる。
【0043】図12に、本発明による組立作業の累積失
敗数の変化を示す。本発明では、組立作業回数の少ない
時期に作業の失敗がほとんど無くなり、ある一定数の組
立作業以降では、低い失敗率が維持されるため、長時間
の使用においても、累積失敗数がほとんど増加しないこ
とが分かる。
【0044】比較のため、従来の探査距離が固定の場合
の累積失敗数の変化を図13に、また、従来の探査距離
が固定の場合の位置ずれの変化を図14にそれぞれ示
す。従来の探査距離が固定の場合では、図13に示すよ
うに、探査距離を小さく設定した場合には(0.05m
m)、組立回数の増加とともに累積失敗数が増えなくな
るが、組立回数の初期において位置ずれが大きく失敗が
多くなるため、総合的に累積失敗数が多くなる。また、
探査距離を大きく設定した場合には(0.2mm)、組
立作業回数の初期に位置ずれが小さくなって失敗率が比
較的低くなるため、組立作業回数の少ない時期に累積失
敗回数が少ないが、それ以降も同等の失敗率が継続され
失敗率そのものが低下しないため、累積失敗数は、組立
回数の増加とともに必ず増加してしまう。このように、
探査距離が固定であると、組立作業の初期の段階で失敗
回数が少なく、且つ、組立作業の成功率を向上させるよ
うな探査距離を設定することができないのに対し、本発
明のように、成功率分布と作業中心点での成功率とか
ら、作業中心点が修正されるごとに探査距離が設定され
ると、組立作業の初期の成功率が比較的よく、かつ,累
積失敗回数を少なくすることができる。
【0045】図15に本発明の第2実施例を示す。第2
実施例は、ねじ101によって基体102に基板103
を締めつけるものであり、ねじ締めドライバ104が所
定のトルク範囲になった場合に作業の成功を判別し、そ
れ以外は不成功とするトルクセンサ105を用いてい
る。なお、106はねじ101およびねじ締めドライバ
を、基体102のねじ締め位置に案内するガイドであ
る。
【0046】図16、図17に本発明の第3、第4実施
例をそれぞれ示す。これらの実施例は、集積回路部品1
11を基板112の各穴113内に挿入するもので、平
面位置に加え、回転方向を加えた6個の探査点について
作業の成功率が最適な点を探求する。114は作業の合
否を判定するセンサである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す産業用ロボットの機能構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例を示す産業用ロボットの作業説
明のための図である。
【図3】本発明の実施例を示す産業用ロボットの探査点
を示す図である。
【図4】本発明における探査距離の設定のための産業用
ロボットと製品との作業対象位置の相対的な位置のばら
つきを測定するための視覚装置の説明図である。
【図5】(a)は本発明における探査距離の設定のため
の製品の作業位置のばらつき(確率密度分布)を示す
図、(b)は(a)についての積分結果を示す図であ
る。
【図6】図5の製品の作業位置のばらつき(確率密度分
布)に基づいて作成した成功率分布関数を示す図であ
る。
【図7】図6の成功率分布の全領域を一次近似式を用い
て近似させた一次関数を表現した図である。
【図8】図6の成功率分布を成功率分布の中心より3σ
離れた点を使用した一次近似式で表現した一次関数を示
す図である。
【図9】本発明の実施例を示す産業用ロボットの動作プ
ログラムを示すフローチャートである。
【図10】本発明により決定された探査距離に基づいて
探査を行って作業中心点を修正した場合の組立成功率の
変化を示す図である。
【図11】本発明によって作業中心点を修正した場合の
作業中心点と成功率が最もよい点(目標位置)とのずれ
の変化と、組立作業の失敗率の変化を示した図である。
【図12】本発明による組立作業の累積失敗数の変化を
示す図である。
【図13】従来の技術における組立作業の累積失敗数の
変化を示した図である。
【図14】従来の技術における組立作業の作業中心点と
成功率が最もよい点(目標位置)とのずれの変化を示し
た図である。
【図15】本発明の第2実施例における作業を示す図で
ある。
【図16】本発明の第3実施例における作業を示す図で
ある。
【図17】本発明の第4実施例における作業を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 産業用ロボット 10 ロボット制御回路 20 作業遂行部 P0 作業中心点 P1〜P4 探査点 L 探査距離

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業対象に作業を行うロボットの機構部
    分からなる作業遂行部と、該作業遂行部に前記作業を行
    うべき位置である作業中心点を設定する手段と、該作業
    中心点に基づいて前記作業遂行部の動作を制御する制御
    手段とを備えるロボットの制御装置であって、 設定される前記作業中心点を記憶する手段、記憶されて
    いる前記作業中心点に向けて前記作業遂行部を移動させ
    て前記作業を行わせる作業命令手段、前記作業中心点で
    前記作業の成功回数を作業回数で割った前記作業の成功
    率を把握する作業判定手段、前記作業中心点の周辺の予
    め設定された複数の探査点に向けて前記作業遂行部を移
    動させて前記作業である探査を行わせる探査命令手段、
    前記各探査点での前記作業の良否をそれぞれ判定して各
    探査点での前記作業の成功回数を前記作業回数で割った
    成功率を把握する探査判定手段、前記作業中心点での前
    記作業の成功率と前記各探査点での成功率との差に基づ
    く相対的関係から前記作業中心点を修正する修正手段を
    有する産業用ロボットにおいて、 作業対象と作業対象が把持する被作業対象との相対的な
    位置のばらつきの分布と、作業が成功する許容誤差の範
    囲とから前記作業の成功率分布関数を作成し、 該成功率分布関数における前記作業の成功率分布と、前
    記作業中心点における成功率とから、前記作業の成功率
    分布における成功率が最大となる点と前記作業中心点と
    の距離を算出し、 算出された前記距離を前記作業中心点と前記探査点との
    間の探査距離として設定する産業用ロボットの探査距離
    設定方法。
  2. 【請求項2】 前記作業の成功率分布において成功率が
    最大となる位置と該作業の成功率分布を作業対象と作業
    対象が把持する被作業対象との相対的な位置の分布の分
    散の2倍から4倍の間の位置を直線で結んだ関数を前記
    成功率分布関数として用いることを特徴とする請求項1
    記載の産業用ロボットの探査距離設定方法。
  3. 【請求項3】 前記作業の成功率分布において成功率が
    最大となる位置と0となる位置とを直線で結んだ関数を
    前記成功率分布関数として用いることを特徴とする請求
    項1記載の産業用ロボットの探査距離設定方法。
  4. 【請求項4】 前記作業遂行部が作業を失敗した場合
    に、その周辺に作業を再度行い、作業が成功した時の位
    置に基づいて前記作業の成功率分布を作成することを特
    徴とする請求項1記載の産業用ロボットの探査距離設定
    方法。
  5. 【請求項5】 あらかじめ設定された成功率分布を近似
    する関数を使用して前記作業中心点を修正した時の修正
    回数と、あらかじめ設定された成功率分布を近似する関
    数の値と微小量異なる係数を持つ関数を使用して前記作
    業中心点を修正したときの修正回数とを比較し、修正回
    数の少ない方の係数の値に変更することを繰り返すこと
    を特徴とする請求項1記載の産業用ロボットの探査距離
    設定方法。
  6. 【請求項6】 あらかじめ設定された前記相対的な位置
    の分布を表す分散値と、前記許容誤差の値より算出した
    関数を使用して前記作業中心点を修正した時の修正回数
    と、あらかじめ設定された前記相対的な位置の分布を表
    す分散値と、前記許容誤差の値と微小量異なる係数より
    算出した関数を使用して前記作業中心点を修正したとき
    の修正回数とを比較し、修正回数の少ない方の係数に前
    記許容誤差の値を変更することを繰り返すことを特徴と
    する請求項3記載の産業用ロボットの探査距離設定方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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