JPH089443Y2 - コントロールケーブルの端末取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、アウタケーシングにインナケーブルを摺動
自由に挿通して操作力を伝達するコントロールケーブル
のアウタケーシングの端末を、相手の取付板に取付位置
の調節可能に取り付ける装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 従来、この種の端末取付装置としては、アウタケーシ
ングの端末に、外周の少なくとも一面に軸方向において
凹凸を繰り返す係止面を形成した端末筒を嵌着して、そ
の端末筒を、取付板に形成した取付孔に嵌合され、その
取付孔の口縁に突き当たる鍔を設けた筒形ホルダの中心
孔内に軸方向の移動自由に嵌入し、その筒形ホルダに、
常には係止面から離間し、易屈曲部の弾性屈曲により係
止面の凹凸とかみ合う爪片を突設するとともに、その筒
形ホルダに、爪片を押圧屈曲させて凹凸とかみ合う位置
に保持するロツク部材を嵌着した構造になり、筒形ホル
ダを取付板の取付孔に嵌め、筒形ホルダに嵌挿したクリ
ツプと鍔との間で取付板を挟んで固定し、端末筒を筒形
ホルダ内で移動調節したのち、ロツク部材により爪片を
係止面にかみ合わせることによつて端末筒を固定するよ
うにしたものが提案されている。

しかしながら、このような装置は、端末筒を調節して
取り付ける部分が、筒形ホルダに端末筒の係止面とかみ
合う爪片を突設し、かつ、この爪片を弾性屈曲させて保
持するロツク部材を嵌着した構造となつていて、構造が
複雑であるばかりでなく、この端末筒を筒形ホルダに固
定する作業と、筒形ホルダをクリツプで取付板に固定す
る作業とを別個に行う必要があつて、取付作業が煩雑で
ある欠点があつた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本考案の
コントロールケーブルの端末取付装置は、アウタケーシ
ングにインナケーブルを摺動自由に挿通したコントロー
ルケーブルのアウタケーシングの端末に、外周の少なく
とも一面に軸方向において凹凸を繰り返す係止面を形成
し、かつ、後端面にばね受板を形成した端末筒を嵌着
し、その端末筒を、相手の取付板に形成した取付孔に嵌
合され、その取付孔の口縁に突き当たる鍔を設けた筒形
ホルダの中心孔内に軸方向の移動自由に嵌入し、その鍔
とばね受板との間に圧縮コイルばねを装着するととも
に、その筒形ホルダの外周に、内側が中心孔に開口した
挿入溝を形成し、その挿入溝に挿入されて端末筒の係止
面の凹凸とかみ合う脚片と、筒形ホルダの鍔との間で取
付板を挟圧する挟圧部とを有するクリツプを備えた構成
とした。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成により、筒形ホルダを相手の取付板
の取付孔に嵌めて鍔を取付孔の口縁に当てると、端末筒
が圧縮コイルばねの弾力によりインナケーブルに遊びを
生じさせないように筒形ホルダの中心孔内で軸方向に位
置調節される。ついで、クリツプの脚片を筒形ホルダの
挿入溝に挿入すると、クリツプの挟圧部と筒形ホルダの
鍔との間で取付板を挟み付けることによつて、筒形ホル
ダが取付板に固定され、これと同時に、クリツプの脚片
が筒形ホルダの中心孔内に入り込んで端末筒の係止面の
凹凸とかみ合うことによつて、端末筒が筒形ホルダに対
して移動不能に固定されるのであつて、端末筒が自動的
に位置調節されるとともに、クリツプの脚片を筒形ホル
ダの挿入溝に挿入するだけで、筒形ホルダを取付板に固
定するのと、端末筒を筒形ホルダに固定するのとを同時
に行うことができるから、取付作業を簡単かつ能率良く
行うことができ、また、クリツプの脚片を利用してその
挿入溝を通して端末筒の係止面にかみ合わせるのである
から、構造もきわめて簡単となる効果がある。

実施例 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図は第１実施例を示し、１は、アウタ
ケーシング２内にインナケーブル３を摺動自由に挿通し
て操作力を伝達するようにしたコントロールケーブルで
あつて、そのアウタケーシング２の端末に、インナケー
ブル３を挿通する中心孔６を有する方形断面の細長い筒
形をなす端末筒５が、その後端に連成した取付筒８を嵌
めて固定され、端末筒５の先端から突出したインナケー
ブル３の先端に取り付けられた端末連結具９が作動部材
10に連結され、インナケーブル３の引き操作により作動
部材10を作動部させるようになつており、この端末筒５
の左右両側面に、軸方向において凹凸が繰り返される係
止面12が形成されている。

取付板14に固定される筒形ホルダ16は、円形の上下の
外周に平行二面を削成した外形形状になり、取付板14に
形成された縦方向の取付溝15の底に嵌まるようになつて
おり、一端側に取付板14に突き当たる鍔17が形成されて
いるとともに、その中心に、上記の端末筒５を軸方向の
移動自由に挿通する方形断面の中心孔18が形成されてお
り、この筒形ホルダ16の左右両側面に、後記するクリツ
プ21の脚片22を挿入するための挿入溝19が形成され、夫
々の内側の端縁が上記の中心孔18に開口している。

クリツプ21は、ばね鋼板からなり、上記の筒形ホルダ
16の挿入溝19内に筒形ホルダ16を跨ぐように挿入される
一対の脚片22が形成され、その内側の縁部に、端末筒５
の係止面12の凹凸とかみ合う先端の尖つた噛合部23が形
成されて、筒形ホルダ16の中心孔18内に入り込むように
なつており、この脚片22の両側に、外側に円弧形に膨ら
んだ一対の挟圧片24が形成されている。また、前記の端
末筒５の後端部には、ばね受板７が形成されて、その前
方に、作動部材10の図示しない戻しばねよりもばね力の
小さい、張力付与用の圧縮コイルばね26が嵌装されるよ
うになつている。

本実施例はこのような構造になり、端末筒５の外周に
圧縮コイルばね26を嵌装して端末筒５を筒形ホルダ16の
中心孔18に挿通し、端末筒５から突出したインナケーブ
ル３の先端の端末連結具９を作動部材10に連結するとと
もに、コントロールケーブル１の図示しない操作側の端
末を、操作側の取付板及び操作部材に連結したのち、第
１図に示すように、筒形ホルダ16を取付板14の取付溝15
に嵌めて鍔17を取付板14に押し付けた状態に保持する
と、端末筒５のばね受板７と筒形ホルダ16の鍔17の間で
弾縮された圧縮コイルばね26の復元弾拡力により、端末
筒５すなわちコントロールケーブル１の作動部材10側の
端末に操作部材側への張力が作用することによつて、第
１、２図に示すように、インナケーブル３が弛みなく張
つた状態となるように端末筒５の位置が自動的に調節さ
れ、かかる状態で、第１図の鎖線に示すように、クリツ
プ21の脚片22を、挟圧片24を取付板14の内側の面に沿わ
せて弾性変形させつつ筒形ホルダ16の挿入溝19に差し込
むと、第２図に示すように、筒形ホルダ16の中心孔18内
に突出した脚片22の噛合部23が端末筒５の係止面12とか
み合い、端末筒５が筒形ホルダ16に対して軸方向の移動
不能に固定され、これと同時に、クリツプ21の挟圧片24
の弾力で筒形ホルダ16の鍔17を取付板14に押し付けるこ
とにより、筒形ホルダ16が取付板14に固定され、インナ
ケーブル３の端末が張つた状態に維持される。

第４、５図に示す第２実施例は、クリツプ31に形成し
た一対の脚片32を筒形ホルダ16の両側の挿入溝19に挿入
して、その噛合部33を端末筒５の係止面12にかみ合わせ
て端末筒５を固定するのは同様であるが、クリツプ31の
上端部に半円形の突条35を横方向に形成して、その突条
35を取付板14aの内側の面に凹成した嵌合溝36に弾力的
に嵌めることによつて、筒形ホルダ16を取付板14に固定
するようになつていて、クリツプ31に形成した横方向の
突条35を取付板14aの嵌合溝36に嵌めるようにしたか
ら、振動等を受けてもクリツプ31が簡単に抜けない利点
がある。

第６、７図の第３実施例は、クリツプ41に、前後一対
ずつの脚片42a、42bを一定間隔を空けて形成するととも
に、筒形ホルダ16aの両側面に、その中心孔18に達する
前後一対ずつの挿入溝19a、19bを、前後の脚片42a、42b
と同一間隔で形成し、脚片42a、42bの噛合部43を、端末
筒５の係止面12に前後２箇所でかみ合わせて端末筒５を
固定するようにしたものであつて、端末筒５を筒形ホル
ダ16aに対してより強固に固定し得る。

第８、９図の第４実施例は、クリツプ51に前後一対ず
つの脚片52a、52bを形成するとともに、夫々の両側に、
内側に膨出した挟圧片54a、54bを形成し、一方、筒形ホ
ルダ16bには、取付板14に突き当たる鍔17を挟む前後両
側において、脚片52a、52bを挿入する挿入溝19c、19dを
形成し、前後の脚片52a、52bを、取付板14を跨ぐように
して筒形ホルダ16bの前後の挿入溝19c、19dに挿入し、
前後の挟圧片54a、54bで筒形ホルダ16bの鍔17と取付板1
4とを間に挟み付けて、筒形ホルダ16bを取付板14に固定
するようにしたものであつて、上記第３実施例と同様
に、脚片52a、52bの噛合部53を端末筒５の前後２箇所で
係止面12にかみ合わせることにより、端末筒５を筒形ホ
ルダ16bに対して強固に固定し得るのに加えて、前後の
挟圧片54a、54bで筒形ホルダ16bの鍔17と取付板14とを
間に挟み付けるようにしたから、筒形ホルダ16bの取付
板14への固定も強固となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例のクリツプの装着前の一部
切欠側面図、第２図はその装着後の横断面図、第３図は
その一部切欠分解斜視図であり、第４図は第２実施例の
クリツプの斜視図、第５図はその取付状態の一部切欠側
面図、第６図は第３実施例のクリツプの斜視図、第７図
はその取付状態の一部切欠側面図、第８図は第４実施例
のクリツプの斜視図、第９図はその取付状態の一部切欠
側面図である。 1:コントロールケーブル、2:アウタケーシング、3:イン
ナケーブル、5:端末筒、12:係止面、14:取付板、15:取
付溝、16、16a、16b:筒形ホルダ、17:鍔、18:中心孔、1
9、19a、19b、19c、19d:挿入溝、22、32、42a、42b、52
a、52b:脚片、24、54a、54b:挟圧片、35:突条、36:嵌合
溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アウタケーシングにインナケーブルを摺動
   自由に挿通したコントロールケーブルの前記アウタケー
   シングの端末に、外周の少なくとも一面に軸方向におい
   て凹凸を繰り返す係止面を形成し、かつ、後端部にばね
   受板を形成した端末筒を嵌着し、該端末筒を、相手の取
   付板に形成した取付孔に嵌合され、該取付孔の口縁に突
   き当たる鍔を設けた筒形ホルダの中心孔内に軸方向の移
   動自由に嵌入し、該鍔と前記ばね受板との間に圧縮コイ
   ルばねを装着するとともに、前記筒形ホルダの外周に、
   内側が前記中心孔に開口した挿入溝を形成し、該挿入溝
   に挿入されて前記端末筒の前記係止面の凹凸とかみ合う
   脚片と、前記筒形ホルダの前記鍔との間で前記取付板を
   挟圧する挟圧部とを有するクリツプを備えたことを特徴
   とするコントロールケーブルの端末取付装置。