JPH0893812A - ブレーキ液冷却方法及びその装置 - Google Patents

ブレーキ液冷却方法及びその装置

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JPH0893812A
JPH0893812A JP6256289A JP25628994A JPH0893812A JP H0893812 A JPH0893812 A JP H0893812A JP 6256289 A JP6256289 A JP 6256289A JP 25628994 A JP25628994 A JP 25628994A JP H0893812 A JPH0893812 A JP H0893812A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/78Features relating to cooling
    • F16D2065/782Features relating to cooling the brake-actuating fluid being used as a coolant

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベーパロックが確実に防止され、ドラムブレ
ーキ又はディスクブレーキからなるブレーキ要素の信頼
性及び安全性が向上すると共に、ブレーキシュー又はパ
ッドの摩擦材の温度上昇も抑制され、フェード現象も低
減され、安定した制動作動が得られるブレーキ液冷却方
法及びその装置の提供。 【構成】 第1流路2及び第2流路3の一端をブレーキ
要素のシリンダ1,20にそれぞれ接続させ、第1流路
2におけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブ
レーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ
1,20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値を、
第2流路3におけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,2
0へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴う
シリンダ1,20からのブレーキ液の排出量との差の絶
対値に合致させ、シリンダ1,20内のブレーキ液を第
1流路2及び第2流路3を使用して循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ液冷却方法及
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来のブレーキ作動装置と
して、ドラムブレーキ又はディスクブレーキからなるブ
レーキ要素を備えるものが知られている。すなわち、ブ
レーキペダルの踏み込みにより、例えばマスターシリン
ダからなる液圧発生装置を作動させ、ブレーキペダルの
踏み込み量に応じたブレーキ液をブレーキ要素のシリン
ダに供給してブレーキ力を発生させ、また、ブレーキペ
ダルの踏み込み解放により、液圧発生装置を解除作動さ
せ、ブレーキ要素のシリンダ内のブレーキ液を排出させ
てブレーキ力を解放させる。ブレーキ解除時には、ブレ
ーキ要素のシリンダ内のブレーキ液は、ドラムブレーキ
にあつてはシューリターンスプリングの弾性的復元力に
よつて排出され、ディスクブレーキにあつてはシールリ
ングの弾性的復元力によつて排出される。そして、ブレ
ーキ作動装置によるブレーキ力は、ブレーキシュー又は
パッドの摩擦材がブレーキドラム又はブレーキディスク
に摺接し、摩擦熱を生じながら得られる。
【0003】しかしながら、このような従来のブレーキ
作動装置にあつては、ブレーキ要素のシリンダに単一の
流路を接続させ、この流路のみによつてブレーキ液の供
給及び排出の両方を行う構造となつていたため、シリン
ダ内のブレーキ液の出入りがあるのみであり、シリンダ
内のブレーキ液を低温のブレーキ液と入れ替えることが
実質的になされない。このため、ブレーキ作動の頻繁な
繰り返しによつてベーパロック現象を生じ、ブレーキ力
が得られずに危険な状態を生ずる。ベーパロックは、ブ
レーキ要素のシリンダ内のブレーキ液が過熱状態にな
り、一部が蒸発し、ガス化することにより、圧力を正常
に伝達しなくなることに起因する現象である。このベー
パロックの防止のため、ブレーキ要素に送風を図り、冷
却することも提案されているが、未だ、ベーパロックを
確実に防止可能なブレーキ要素は出現していない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、次の通りである。請求項1の発明の構成は、第1流
路2及び第2流路3の一端をブレーキ要素のシリンダ
1,20にそれぞれ接続させ、第1流路2におけるブレ
ーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給
量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からの
ブレーキ液の排出量との差の絶対値を、第2流路3にお
けるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ
液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,2
0からのブレーキ液の排出量との差の絶対値に合致さ
せ、前記シリンダ1,20内のブレーキ液を前記第1流
路2及び第2流路3の両方を使用して循環させることを
特徴とするブレーキ液冷却方法である。
【0005】そして、第1流路2におけるブレーキ作動
に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ
液の排出量との差の絶対値を、第2流路3におけるブレ
ーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給
量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からの
ブレーキ液の排出量との差の絶対値に合致させる方法と
しては、次のものがある。 (1)ブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレー
キ液の供給を第1流路2及び第2流路3の両方で行い、
ブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレ
ーキ液の排出を第1流路2又は第2流路3のいずれか一
方で供給量に比して大量に行う。 (2)ブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレー
キ液の供給を第1流路2又は第2流路3のいずれか一方
で排出量に比して大量に行い、ブレーキ作動の解除に伴
うシリンダ1,20からのブレーキ液の排出を第1流路
2及び第2流路3の両方で行う。 (3)ブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレー
キ液の供給を第1流路2のみで行い、ブレーキ作動の解
除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ液の排出を第
2流路3のみで行う。
【0006】請求項2の発明の構成は、第1流路2及び
第2流路3の一端をブレーキ要素のシリンダ1,20に
それぞれ接続させ、第1流路2及び第2流路3の他端
を、ブレーキペダル15の踏み込み量に応じて液圧を発
生させる液圧発生装置5にそれぞれ接続させると共に、
第1流路2又は第2流路3のいずれか一方に、ブレーキ
作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量と
ブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレ
ーキ液の排出量とに差を生じさせる手段7,10,11
を介在させ、第1流路2におけるブレーキ作動に伴うシ
リンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動
の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ液の排出
量との差の絶対値を、第2流路3におけるブレーキ作動
に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ
液の排出量との差の絶対値に合致させ、前記シリンダ
1,20内のブレーキ液を前記第1流路2及び第2流路
3の両方を使用して循環させることを特徴とするブレー
キ液冷却装置である。請求項3の発明の構成は、ブレー
キ要素のシリンダ1,20に第1流路2及び第2流路3
の一端をそれぞれ接続させ、第1流路2及び第2流路3
の他端を、ブレーキペダル15の踏み込み量に応じて液
圧を発生させる液圧発生装置5にそれぞれ接続させると
共に、第1流路2に、シリンダ1,20に流入する流れ
を許容し、シリンダ1,20から流出する流れを制限す
る手段12を介在させ、第2流路3に、シリンダ1,2
0に流入する流れを制限し、シリンダ1,20から流出
する流れを許容する手段13を介在させ、第1流路2に
おけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレー
キ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,
20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値を、第2
流路3におけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へ
のブレーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリ
ンダ1,20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値
に合致させ、前記シリンダ1,20内のブレーキ液を前
記第1流路2及び第2流路3の両方を使用して循環させ
ることを特徴とするブレーキ液冷却装置である。請求項
4の発明の構成は、ブレーキ要素のシリンダ1,1’,
20に第1流路2,2’及び第2流路3,3’の一端を
それぞれ接続させ、第1流路2,2’の他端を、ブレー
キペダル15の踏み込み量に応じて液圧を発生させる液
圧発生装置5に接続させ、第2流路3,3’の他端を、
第1流路2,2’に接続させると共に、第2流路3,
3’にポンプ33を介在させ、ポンプ33の駆動によつ
て、前記シリンダ1,1’,20内のブレーキ液を前記
第1流路2,2’及び第2流路3,3’の両方を使用し
て循環させることを特徴とするブレーキ液冷却装置であ
る。請求項5の発明の構成は、ポンプ33の吸込口33
a側及び吐出口33b側のそれぞれに、開閉バルブ34
を介在させ、ポンプ33の駆動時に開閉バルブ34を開
くことを特徴とする請求項4のブレーキ液冷却装置であ
る。請求項6の発明の構成は、第1流路2及び第2流路
3の両方の他端を、主流路6を介して、液圧発生装置5
にそれぞれ接続させることを特徴とする請求項2,3,
4又は5のブレーキ液冷却装置である。請求項7の発明
の構成は、第1流路2及び第2流路3の少なくとも一方
に、第1流路2及び第2流路3を循環するブレーキ液を
貯溜させ、流路の一部を形成するタンク8を介在させる
ことを特徴とする請求項2,3,4,5又は6のブレー
キ作動装置である。請求項8の発明の構成は、第1流路
2及び第2流路3の少なくとも一部に、冷却用のフィン
23を形成することを特徴とする請求項2,3,4,
5,6又は7のブレーキ液冷却装置である。請求項9の
発明の構成は、主流路6の一端をブレーキ要素のシリン
ダ1,20に接続させ、主流路6の他端を、ブレーキペ
ダル15の踏み込み量に応じて液圧を発生させる液圧発
生装置5に接続させると共に、流路の一部を形成する吸
排タンク18を主流路6に介在させ、シリンダ1,20
と吸排タンク18との間の主流路6を第1主流路6aと
し、吸排タンク18と液圧発生装置5との間の主流路6
を第2主流路6bとし、前記第1主流路6aの容積D
を、ブレーキ作動の解除時にシリンダ1,20から実際
に排出されるブレーキ液の一部が、吸排タンク18内に
流入可能に設定し、かつ、吸排タンク18の容積Cを、
ブレーキ作動の解除時にシリンダ1,20から実際に排
出されるブレーキ液によつて、吸排タンク18内が充満
されない大きさに設定することを特徴とするブレーキ液
冷却装置である。
【作用】
【0007】請求項1の発明によれば、ブレーキ作動に
よるシリンダ1,20自体でのブレーキ液の供給量と排
出量とは、同じであるので、次の作用が得られる。ブレ
ーキ作動及びその解除を行えば、ブレーキ作動に伴う第
1流路2におけるシリンダ1,20へのブレーキ液の供
給量とブレーキ作動の解除に伴う第1流路2におけるシ
リンダ1,20からのブレーキ液の排出量との差を生
じ、その絶対値が得られる。また、ブレーキ作動に伴う
第2流路3におけるシリンダ1,20へのブレーキ液の
供給量とブレーキ作動の解除に伴う第2流路3における
シリンダ1,20からのブレーキ液の排出量との差を生
じ、その絶対値が得られる。そして、この両方の絶対値
が合致するので、この絶対値が零でなければ、ブレーキ
作動の繰り返しにより、ブレーキ要素のシリンダ1,2
0内のブレーキ液が、第1流路2及び第2流路3の両方
を通つて循環し、循環しながらブレーキ作動に供され
る。この第1流路2及び第2流路3の流動に際し、ブレ
ーキ液が空冷を受ける。これにより、ブレーキ要素のシ
リンダ1,20内のブレーキ液が、ブレーキ作動に伴う
発熱に起因して過熱状態となることがほぼ確実に防止さ
れる。
【0008】請求項2の発明によれば、ブレーキ作動に
よるシリンダ1,20自体でのブレーキ液の供給量と排
出量とは、同じであるので、次の作用が得られる。ブレ
ーキペダル15の踏み込みにより、踏み込み量に応じた
液圧が液圧発生装置5に発生し、ブレーキ要素のシリン
ダ1,20にブレーキ液が供給される。その際、第1流
路2及び第2流路3のいずれか一方に、ブレーキ作動に
伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレー
キ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ液
の排出量とに差を生じさせる手段7,10,11を介在
させてあるので、第1流路2及び第2流路3の他方に
も、ブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ
液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,2
0からのブレーキ液の排出量とに差を生じる。
【0009】そして、第1流路2におけるブレーキ作動
に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ
液の排出量との差の絶対値が、第2流路3におけるブレ
ーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給
量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からの
ブレーキ液の排出量との差の絶対値に合致する。このた
め、ブレーキ作動及びその解除の繰り返しにより、シリ
ンダ1,20内のブレーキ液が、第1流路2及び第2流
路3の両方を通つて循環し、循環しながらブレーキ作動
に供される。この第1流路2及び第2流路3の流動の間
に、ブレーキ液が空冷を受ける。その結果、ブレーキ要
素のシリンダ1,20内のブレーキ液が、ブレーキ作動
に伴う発熱に起因して過熱状態となることがほぼ確実に
防止される。
【0010】請求項3の発明によれば、ブレーキペダル
15の踏み込みにより、踏み込み量に応じた液圧が液圧
発生装置5に発生する。これにより、ブレーキ液がブレ
ーキ要素のシリンダ1,20に供給される。その際、第
1流路2に、シリンダ1,20に流入する流れを許容
し、シリンダ1,20から流出する流れを制限する手段
12を介在させ、第2流路3に、シリンダ1,20に流
入する流れを制限し、シリンダ1,20から流出する流
れを許容する手段13を介在させてあるので、第1流路
2を通じて大量のブレーキ液がシリンダ1,20内に供
給される。また、ブレーキペダル15の踏み込み解放に
より、第2流路3を通じて大量のブレーキ液がシリンダ
1,20内から排出される。そして、第1流路2におけ
るブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液
の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20
からのブレーキ液の排出量との差の絶対値が、第2流路
3におけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブ
レーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ
1,20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値に合
致する。
【0011】このため、ブレーキ作動及びその解除の繰
り返しにより、シリンダ1,20内のブレーキ液が、第
1流路2及び第2流路3の両方を通つて循環し、循環し
ながらブレーキ作動に供される。この第1流路2及び第
2流路3の流動の間に、ブレーキ液が空冷を受ける。そ
の結果、ブレーキ要素のシリンダ1,20内のブレーキ
液が、ブレーキ作動に伴う発熱に起因して過熱状態とな
ることがほぼ確実に防止される。
【0012】請求項4の発明によれば、次の作用が得ら
れる。ポンプ33を駆動すれば、シリンダ1,1’,2
0内のブレーキ液が、第1流路2,2’及び第2流路
3,3’を通つて流れ、シリンダ1,1’,20内に還
流する。従つて、シリンダ1,1’,20内のブレーキ
液を、第1流路2,2’及び第2流路3,3’の両方を
使用して循環させることができる。
【0013】このようにして、シリンダ1,1’,20
内でブレーキ作動に供されたブレーキ液は、第1流路
2,2’及び第2流路3,3’を通る際に空冷を受ける
こととなり、ブレーキ作動に伴う発熱によつてシリンダ
1,1’,20内のブレーキ液が過熱状態となることが
防止される。そして、シリンダ1,1’,20内のブレ
ーキ液の入れ替え量は、ポンプ33の駆動時間に依存し
ているので、ポンプ33の駆動時間を増減調節すること
により、シリンダ1,1’,20内のブレーキ液が過熱
状態となることがほぼ確実に防止される。
【0014】請求項5の発明によれば、ポンプ33の駆
動時に開閉バルブ34を開くので、ポンプ33の吸込口
33a側から入つたブレーキ液が吐出口33bから流出
して、循環する。そして、ポンプ33の駆動停止時に開
閉バルブ34を閉じれば、ブレーキ液の循環が確実に停
止する。
【0015】請求項6の発明によれば、液圧発生装置5
からのブレーキ液は、主流路6を通つて第1流路2又は
第2流路3に入り、循環する。
【0016】請求項7の発明によれば、ブレーキ液が第
1流路2及び第2流路3を循環する際、流路を形成する
タンク8に一時的に貯溜される。このタンク8の存在に
より、ブレーキ液の量が多くなり、シリンダ1,20内
のブレーキ液がブレーキ作動に伴う発熱に起因して過熱
状態となることが、第1流路2及び第2流路3を短くし
た場合であつても、ほぼ確実に防止されるようになる。
【0017】請求項8の発明によれば、第1流路2及び
第2流路3を流れるブレーキ液の冷却が、冷却用のフィ
ン23の作用によつて促進される。その結果、第1流路
2及び第2流路3を短くした場合であつても、シリンダ
1,20内のブレーキ液が過熱状態となることが、ほぼ
確実に防止されるようになる。
【0018】請求項9の発明によれば、吸排タンク18
が流路の一部を形成すると共に、第1主流路6aの容積
Dを、ブレーキ作動の解除時にシリンダ1,20から実
際に排出されるブレーキ液の一部が、吸排タンク18内
に流入可能に設定し、かつ、吸排タンク18の容積C
を、ブレーキ作動の解除時にシリンダ1,20から実際
に排出されるブレーキ液によつて、吸排タンク18内が
充満されない大きさに設定してある。しかして、ブレー
キ作動の解除時にシリンダ1,20から実際に排出され
るブレーキ液の一部が、吸排タンク18内に残るブレー
キ液と混合され、次のブレーキ作動時に、吸排タンク1
8内の混合されたブレーキ液の一部が、シリンダ1,2
0内に流入する。
【0019】すなわち、このブレーキ液冷却装置を備え
るブレーキ作動装置において、ブレーキペダル15を踏
み込めば、液圧発生装置5から主流路6内に押し出され
たブレーキ液は、第2主流路6b、吸排タンク18及び
第1主流路6aを通つてシリンダ1,20に流入する。
その際、吸排タンク18内のブレーキ液の一部がシリン
ダ1,20内に実際に流入する。
【0020】次いで、ブレーキ作動を解除すれば、ブレ
ーキ液がシリンダ1,20から液圧発生装置5に向けて
還流する。その際、シリンダ1,20から実際に排出さ
れるブレーキ液の一部が吸排タンク18内の一部に流入
し、吸排タンク18内の比較的低温のブレーキ液と混合
する。そして、次のブレーキ作動に際し、吸排タンク1
8内で混合されて比較的低温のブレーキ液の一部がシリ
ンダ1,20内に実際に流入し、シリンダ1,20内に
残るブレーキ液と混合されるので、シリンダ1,20内
のブレーキ液の温度が低下する。このようにして、ブレ
ーキ作動及びその解除の度毎に、シリンダ1,20内の
ブレーキ液の一部が吸排タンク18内の比較的低温のブ
レーキ液と入れ替えられることになり、シリンダ1,2
0内のブレーキ液の温度上昇が抑制される。また、ブレ
ーキ作動の解除に伴つて、吸排タンク18内のブレーキ
液の一部、つまりブレーキ作動の解除時にシリンダ1,
20から実際に排出されるブレーキ液と同量のブレーキ
液が、第2主流路6b内に流入し、ブレーキ作動時に吸
排タンク18内に流入する。
【0021】従つて、シリンダ1,20内でブレーキ作
動に関与することが可能なブレーキ液が、従来のブレー
キ作動装置ではシリンダの容積に限定されるのに対し
て、シリンダ1,20の容積+第1主流路6aの容積D
+吸排タンク18の容積Cとなり、第1主流路6aの容
積D+吸排タンク18の容積Cの分だけ増量されるのみ
ならず、第1主流路6a及び吸排タンク18において
も、ブレーキ液が空冷を受けることとなり、シリンダ
1,20内のブレーキ液の温度低下を促す。その結果、
ブレーキ作動に伴う発熱によつてシリンダ1,20内の
ブレーキ液が過熱状態となることが防止される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明をドラムブレーキ装置に適
用したブレーキ液冷却装置の第1実施例を示す。図中に
おいて符号1はブレーキ要素(ドラムブレーキ)のシリ
ンダを示し、車両のドラムブレーキのホイールシリンダ
である。シリンダ1には、図外の一対のブレーキシュー
を拡径させるために、一対のピストン16,17が摺動
自在に嵌合している。このブレーキ要素の1個のシリン
ダ1の圧力室には、第1流路2及び第2流路3の一端が
それぞれ接続し、第1流路2及び第2流路3の他端は、
主流路6の一端に合流され、主流路6を介して例えばマ
スターシリンダからなる液圧発生装置5の圧力室に接続
している。なお、第1流路2、第2流路3及び主流路6
の一端部側は、可撓性を有し、車両のシャシとばね下部
分との間の相対上下動を許容させてある。15は、ブレ
ーキペダルである。
【0023】液圧発生装置5には、マスターシリンダの
他、サーボブレーキの助勢装置及びフルパワーブレーキ
のブレーキバルブを含むものである。サーボブレーキ
は、真空、圧縮空気及びハイドロリックポンプで加圧さ
れた液圧を利用するものである。このサーボブレーキの
助勢装置としては、マスターシリンダとシリンダ1との
間に配置されるハイドロリックバキュームサーボ、ハイ
ドロリックエアサーボ、エアブレーキバルブとシリンダ
1との間に配置されるエアオーバハイドロリックブース
タ等がある。また、フルパワーブレーキは、ポンプによ
つて発生させた圧液を、ブレーキペダル15の踏み込み
に連動するブレーキバルブによつて制御して、シリンダ
1に供給し、ブレーキ力を発生させるものである。
【0024】そして、第1流路2には、ブレーキ作動に
伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動
の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液の排出量とに
差を生じさせる手段として、逆止弁7を介在させる。第
1流路2に設けた逆止弁7は、液圧発生装置5からシリ
ンダ1に流入する流れ量a2 を許容し、シリンダ1から
液圧発生装置5に向けて流出する流れ(流れ量a2 とは
逆向きの流れ)を制限する。逆止弁7は、通常の逆止弁
を使用できる他、シリンダ1に流入する流れ量a2 を可
及的に抵抗なく許容することが望ましいので、例えばマ
スターシリンダのプライマリカップと同様の構造のもの
を固定して使用できる。また、逆止弁7は、流れ量a2
とは逆向きの流れの全てを遮断して制限する必要はな
く、流れの一部を制限する構造であつてもよい。
【0025】また、第1流路2には、ブレーキ液を貯溜
させるタンク8を、逆止弁7と直列に介在させる。タン
ク8は、循環するブレーキ液を貯溜させて増量させる目
的で設けるものであり、第1流路2の接続箇所である流
入口8aと流出口8bとを離して設け、流路の一部を構
成させてある。勿論、タンク8の断面積は、第1流路2
の断面積よりも大きくしてある。この第1流路2、第2
流路3及び逆止弁7(並びにタンク8)は、単一のハウ
ジングに一体的に形成し、このハウジングをシリンダ1
の外壁、ドラムブレーキのバッキングプレート等の車両
の非回転部に固着することもできる。
【0026】図5には逆止弁7の構造例を示す。この逆
止弁7は、ゴム又はエラストマーで形成した板状の弁体
7aの一端部(図上で左端部)をシリンダ1の内壁に接
着して構成され、常態で、図5に実線で示すように弁体
7aが弾性的に復元すると共に重力も受け、ピストン1
6,17を避けて第1流路2を閉塞している。しかし
て、液圧発生装置5からシリンダ1に流入する流れ量a
2 は、弁体7aが図5に破線で示すように弾性変形する
ことによつて第1流路2を開放して許容され、シリンダ
1から液圧発生装置5に向けて流出する流れ(流れ量a
2 とは逆向きの流れ)は、弁体7aがシリンダ1の内壁
に着座することによつて制限される。
【0027】図6には逆止弁7の他の構造例を示す。こ
の逆止弁7は、傾斜配置した第1流路2の中間部に円錐
形の弁座7bを上方に向けて次第に拡径するように設
け、この第1流路2内に球状の弁体7cをスプリングで
付勢することなく入れ、弁座7bに着座可能に弁体7c
を配置してある。しかして、液圧発生装置5からシリン
ダ1に流入する流れ量a2 は、弁体7cが図6に破線で
示すように押し上げられて第1流路2を開放することに
よつて許容され、シリンダ1から液圧発生装置5に向け
て流出する流れは、弁体7cが弁座7bに自重で着座し
て第1流路2を閉塞することによつて制限される。
【0028】このブレーキ液冷却装置を備えるブレーキ
作動装置において、ブレーキペダル15を踏み込めば、
液圧発生装置5から主流路6内に押し出されたブレーキ
液は、第1流路2及び第2流路3に分流され、第1流路
2からはタンク8及び逆止弁7を通つて流れ量a2 とし
てシリンダ1内に流入し、第2流路3からは流れ量a1
としてシリンダ1内に直接に流入する。かくして、シリ
ンダ1に摺動自在に嵌合するピストン16,17がそれ
ぞれ押し出され、図外の一対のブレーキシューを拡径さ
せて、ブレーキ力が得られる。
【0029】次いで、ブレーキを解除すれば、シリンダ
1内のブレーキ液が液圧発生装置5に向けて還流する。
その際、第1流路2では、シリンダ1から液圧発生装置
5に向かう流れが逆止弁7によつて制限されるので、ブ
レーキ液の流通が実質的に行われず、ブレーキ液が第2
流路3を通つて流れ量bとなり、第2流路3では供給量
に比して大量に排出される。しかして、1回のブレーキ
作動・解除に伴うシリンダ1自体でのブレーキ液の供給
量と排出量とは、実質的に同じであるので、1回のブレ
ーキ作動及びその解除により、シリンダ1内のブレーキ
液が流れ量b−a1 だけ入れ替わることになる。このシ
リンダ1から流出する流れ量b−a1 に相当するブレー
キ液は、第1流路2から流入している。シリンダ1から
流出したブレーキ液は、ブレーキ作動の繰り返しによ
り、第2流路3から第1流路2に流入してタンク8に貯
溜された後、第1流路2を通つてシリンダ1内に流入す
ることになり、循環しながらブレーキ作動に供される。
【0030】しかして、シリンダ1内でブレーキ作動に
供されたブレーキ液は、漸次、第2流路3、タンク8及
び第1流路2を通つて空冷を受けることとなり、ブレー
キ作動に伴う発熱によつてシリンダ1内のブレーキ液が
過熱状態となることが防止される。その結果、ブレーキ
液が気化することに起因するベーパロックが良好に防止
される。ブレーキ液の吸湿時の沸点(ウエット沸点)
は、140℃程度であるので、シリンダ1内のブレーキ
液が140℃程度以上の過熱状態とならないように、第
2流路3、タンク8及び第1流路2内のブレーキ液量及
びブレーキ液の入れ替わり量を設定することにより、従
来生じていたベーパロックのほぼ全てを防止することが
できる。
【0031】更に作用について詳述する。逆止弁7は、
第1流路2に、ブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレ
ーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1
からのブレーキ液の排出量とに積極的に差を生じさせ、
供給量の方を大量とする。この逆止弁7の機能により、
ブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給が
第1流路2及び第2流路3の両方で行われ、ブレーキ作
動の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液の排出が第
2流路3で行われ、第2流路3からの排出量は供給量に
比して大量となる。これにより、第1流路2におけるブ
レーキ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給量と
ブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液
の排出量との差の値(逆止弁7の逆流を0とすれば供給
量に等しい)は、第2流路3におけるブレーキ作動に伴
うシリンダ1へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動の
解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液の排出量との差
の値(a1 −b)の正負を逆にしたものと合致すること
になる。つまり、第1流路2におけるブレーキ液の供給
量と排出量との差の絶対値が、第2流路3におけるブレ
ーキ液の供給量と排出量との差の絶対値に合致する。か
くして、シリンダ1内のブレーキ液を第1流路2及び第
2流路3の両方を使用して循環させることができる。
【0032】このように、本発明はシリンダ1内のブレ
ーキ液を第1流路2及び第2流路3を使用して循環させ
るものであり、ブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレ
ーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1
からのブレーキ液の排出量とに差を生じさせる手段の他
に、ブレーキ液の循環を阻害するものが第1流路2及び
第2流路3のいずれにも介在してはならない。このた
め、ブレーキ液の循環を阻害するセーフティシリンダを
備える場合には、セーフティシリンダよりもシリンダ1
側に第1流路2及び第2流路3を備えさせる。セーフテ
ィシリンダは、ブレーキ液に漏れを生じた場合に、漏れ
を生じた側を遮断し、他の系統の機能を確保するもので
ある。
【0033】なお、第2流路3及び第1流路2の少なく
とも一部に冷却用のフィン23を設ければ、ブレーキ液
の空冷の効果は更に増大する。これによつて、第2流路
3及び第1流路2の流通によつてブレーキ液の冷却が十
分に得られれば、タンク8を省略することが可能であ
る。また、タンク8を設ける場合は、ブレーキ液の循環
箇所に設ければよく、第2流路3に設けることもでき
る。勿論、タンク8に冷却用のフィン23を設けること
もできる。更に、第1流路2及び第2流路3の一端のシ
リンダ1への接続箇所は、相対的に第1流路2から流入
して第2流路3から流出するシリンダ1内のブレーキ液
が良好に入れ替わるように、できるだけ離す方がよい。
しかし、第1流路2及び第2流路3の一端部を同体かつ
外形を円形に形成し、これをシリンダ1に螺着して1箇
所に取り付けることもできる。第1流路2及び第2流路
3の一端部を同体に形成した場合には、可撓性のあるパ
イプを接続して第1流路2又は第2流路3をシリンダ1
内にまで延長させ、シリンダ1内での吸入口及び吐出口
を離す方がよい。勿論、第1流路2及び第2流路3の一
端のシリンダ1への接続箇所は、ピストン16,17に
よつて閉塞を受けない位置とする。
【0034】ところで、上記実施例にあつては、逆止弁
7を第1流路2に設け、液圧発生装置5からシリンダ1
に流入する流れ量a2 を許容し、シリンダ1から液圧発
生装置5に向けて流出する流れ(流れ量a2 とは逆向き
の流れ)を制限したが、この逆止弁7を省略すると共に
第2流路3に逆止弁を設け、この第2流路3の逆止弁に
より、液圧発生装置5からシリンダ1に流入する流れ量
1 を許容し、シリンダ1から液圧発生装置5に向けて
流出する流れ(流れ量a1 とは逆向きの流れ)を制限し
ても、同様の作用を得ることができる。
【0035】図2は、本発明の第2実施例を示し、第1
実施例と実質的に同一機能部分には同一符号を付してそ
れらの説明は省略する。第2実施例では、ブレーキ作動
に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給量とブレーキ作
動の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液の排出量と
に差を生じさせる手段として、第2流路3に絞り10を
介在させる。絞り10は、通常のブレーキ作動に伴つて
液圧発生装置5からシリンダ1に流入する高速の流れ量
1 を制限し、ブレーキ作動の解除に伴つてシリンダ1
から液圧発生装置5に向かう低速の流れ量b1 を良好に
許容する。
【0036】このブレーキ液冷却装置を備えるブレーキ
作動装置において、ブレーキペダル15を踏み込めば、
液圧発生装置5から主流路6内に強く押し出されたブレ
ーキ液は、主として第1流路2を通つてシリンダ1に流
入する。すなわち、第1流路2からはタンク8を通つて
シリンダ1にブレーキ液が自由に流入し、第2流路3か
らは絞り10によつてシリンダ1へのブレーキ液の流入
が制限される。かくして、主として第1流路2から流入
するブレーキ液により、シリンダ1に摺動自在に嵌合す
るピストン16,17がそれぞれ押し出され、図外の一
対のブレーキシューを拡径させて、ブレーキ力が得られ
る。
【0037】次いで、ブレーキ作動を解除すれば、ブレ
ーキ液がシリンダ1から液圧発生装置5に向けて還流す
る。その際、ブレーキ液は第1流路2及び第2流路3の
両方をほぼ同様に流通して還流する。第2流路3の絞り
10は、通常のブレーキペダル15の踏み込みに伴うブ
レーキ液の急速な流れに対しては大きな抵抗となるが、
図外のリターンスプリングの弾発力によつてピストン1
6,17が復帰動作する際のブレーキ液の緩徐な流れに
対しては大きな抵抗とならないので、第2流路3では、
ブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給量
とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ
液の排出量との差が積極的に生じる。
【0038】これにより、ブレーキ作動に伴うシリンダ
1へのブレーキ液の供給を主として第1流路2で行い、
また、ブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレ
ーキ液の排出を第1流路2及び第2流路3の両方で行う
ことになり、第2流路3における排出量が供給量に比し
て大量となる。従つて、第1流路2におけるブレーキ作
動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給量a2 とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液の排
出量b2 との差の絶対値が、第2流路3におけるブレー
キ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給量a1
ブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレーキ液
の排出量b1 との差の絶対値に合致することになる。
【0039】しかして、ブレーキ作動及びその解除の繰
り返しにより、第1流路2からシリンダ1に流入したブ
レーキ液が、次第に第2流路3から流出することにな
る。第2流路3から流出したブレーキ液は第1流路2に
入つてタンク8に貯溜された後、第1流路2からシリン
ダ1内に流入して循環する。このようにして、シリンダ
1内でブレーキ作動に供されたブレーキ液は、第2流路
3、タンク8及び第1流路2を通つて空冷を受けること
となり、ブレーキ作動に伴う発熱によつてシリンダ1内
のブレーキ液が過熱状態となることが防止され、第1実
施例と同様の作用を得ることができる。
【0040】図3は、本発明をディスクブレーキ装置に
適用した第3実施例を示し、第1実施例と実質的に同一
機能部分には同一符号を付してそれらの説明は省略す
る。第3実施例では、第1流路2及び第2流路3の一端
をディスクブレーキ装置のキャリパのシリンダ20の圧
力室に接続してある。このシリンダ20には、1個のピ
ストン21が摺動自在に嵌合している。そして、第1流
路2に、ブレーキ作動に伴うシリンダ20へのブレーキ
液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ20か
らのブレーキ液の排出量とに差を生じさせる手段とし
て、液圧発生装置5からシリンダ20に流入する流れを
制限し、シリンダ20から液圧発生装置5に向けて流出
する流れを許容する逆止弁11を介在させる。
【0041】このブレーキ液冷却装置を備えるブレーキ
作動装置において、ブレーキペダル15を踏み込めば、
液圧発生装置5から主流路6内に押し出されたブレーキ
液は、第2流路3を通つて大量にシリンダ20に流入す
る。すなわち、第2流路3からはシリンダ20にブレー
キ液が自由に流入するが、第1流路2からは逆止弁11
によつてシリンダ20へのブレーキ液の流入が制限され
る。かくして、第2流路3からの大量のブレーキ液によ
り、シリンダ20に摺動自在に嵌合するピストン21が
押し出され、図外のディスクブレーキの一対のパッドに
より、ブレーキ力が得られる。
【0042】次いで、ブレーキ作動を解除すれば、ブレ
ーキ液がシリンダ20から液圧発生装置5に向けて還流
する。その際、ブレーキ液は第1流路2及び第2流路3
の両方をほぼ同様に流通して還流する。しかして、第1
流路2では、逆止弁11の作用により、ブレーキ作動に
伴うシリンダ20へのブレーキ液の供給量が少なく、ブ
レーキ作動の解除に伴うシリンダ20からのブレーキ液
の排出量の方が多くなり、供給量と排出量との差が積極
的に生じる。これにより、第1流路2におけるブレーキ
作動に伴うシリンダ20へのブレーキ液の供給量とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ20からのブレーキ液の
排出量との差の絶対値が、第2流路3におけるブレーキ
作動に伴うシリンダ20へのブレーキ液の供給量とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ20からのブレーキ液の
排出量との差の絶対値に合致することになる。
【0043】このため、ブレーキ作動及びその解除の繰
り返しにより、第2流路3からシリンダ20に流入した
ブレーキ液が、次第に第1流路2から流出することにな
り、第1流路2を通つてタンク8に貯溜された後、第2
流路3を通つてシリンダ20内に流入して循環する。従
つて、シリンダ20内でブレーキ作動に供されたブレー
キ液は、第1流路2、タンク8及び第2流路3を通つて
空冷を受けることとなり、シリンダ20内のブレーキ液
が過熱状態となることが防止され、第1実施例と同様の
作用を得ることができる。
【0044】ところで、上記実施例にあつては、逆止弁
11を第1流路2に設け、液圧発生装置5からシリンダ
20に流入する流れを制限し、シリンダ20から液圧発
生装置5に向けて流出する流れを許容したが、この逆止
弁11を省略すると共に第2流路3に逆止弁を設け、こ
の第2流路3の逆止弁により、液圧発生装置5からシリ
ンダ20に流入する流れを制限し、シリンダ20から液
圧発生装置5に向けて流出する流れを許容しても、同様
の作用を得ることができる。
【0045】図4は、本発明の第4実施例を示し、第1
実施例と実質的に同一機能部分には同一符号を付してそ
れらの説明は省略する。第4実施例では、第1流路2
に、ブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供
給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレ
ーキ液の排出量とに差を生じさせる手段として、液圧発
生装置5からシリンダ1に向かう流れを許容し、シリン
ダ1から液圧発生装置5に向かう流れを制限する逆止弁
12を介在させる。また、第2流路3に、同様の手段と
して、液圧発生装置5からシリンダ1に向かう流れを制
限し、シリンダ1から液圧発生装置5に向かう流れを許
容する逆止弁13を介在させる。更に、ブレーキ液を貯
溜させるタンク8は、第1流路2及び第2流路3の他端
部、つまり主流路6との接続箇所に介在させてある。
【0046】このブレーキ液冷却装置を備えるブレーキ
作動装置において、ブレーキペダル15を踏み込めば、
液圧発生装置5から主流路6内に押し出されたブレーキ
液は、第1流路2を通つてシリンダ1に大量に流入す
る。すなわち、第1流路2からは逆止弁12を通つてシ
リンダ1にブレーキ液が流入するが、第2流路3からは
逆止弁13によつてシリンダ1へのブレーキ液の流入が
制限される。かくして、シリンダ1に摺動自在に嵌合す
るピストン16,17が押し出され、図外のドラムブレ
ーキの一対のブレーキシューにより、ブレーキ力が得ら
れる。
【0047】次いで、ブレーキ作動を解除すれば、ブレ
ーキ液がシリンダ1から液圧発生装置5に向けて還流す
る。その際、第1流路2からは逆止弁12によつてシリ
ンダ1内のブレーキ液の流出が制限され、第2流路3か
らは逆止弁13によつてシリンダ1内のブレーキ液の流
出が大量に許容される。このようにして、第1流路2に
おけるブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の
供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブ
レーキ液の排出量との差の絶対値が、第2流路3におけ
るブレーキ作動に伴うシリンダ1へのブレーキ液の供給
量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1からのブレー
キ液の排出量との差の絶対値に合致することになる。
【0048】そして、ブレーキ作動及びその解除の繰り
返しにより、第1流路2からシリンダ1に流入したブレ
ーキ液が次第に第2流路3から流出し、タンク8に貯溜
された後、第1流路2を通つてシリンダ1内に流入して
循環する。しかして、シリンダ1内でブレーキ作動に供
されたブレーキ液は、第2流路3、タンク8及び第1流
路2を通つて空冷を受けることとなり、ブレーキ作動に
伴う発熱によつてシリンダ1内のブレーキ液が過熱状態
となることが防止され、第1実施例と同様の作用を得る
ことができる。但し、第4実施例によれば、ブレーキ液
のシリンダ1内への供給は第1流路2を通じて大量にな
され、ブレーキ液のシリンダ1内からの排出は第2流路
3を通じて大量になされるので、シリンダ1内のブレー
キ液の入れ替えが速やかになされる。その結果、シリン
ダ1内のブレーキ液が過熱状態となることが良好に防止
される。なお、ブレーキ液は、第1流路2から排出量に
比して大量に流入し、第2流路3を通つて供給量に比し
て大量に排出されればよく、逆止弁12,13が逆流を
完全に遮断する必要は必ずしもない。
【0049】ところで、上記第1〜第4実施例では、第
1流路2及び第2流路3を主流路6を介して液圧発生装
置5に接続させたが、主流路6を省略し、第1流路2及
び第2流路3を、直接、液圧発生装置5に接続させ、ブ
レーキ液の循環に関して同様の作用を得ることも可能で
ある。更に、本発明は、アンチスキッドブレーキシステ
ムを備えるブレーキ作動装置にも適用が可能であり、そ
の場合には、ポンプ、電磁弁等を備える圧力調整装置よ
りもシリンダ1,20側に第1流路2及び第2流路3を
配置し、圧力調整装置に向けてブレーキ液を排出し、ま
た、圧力調整装置からシリンダ1,20にブレーキ液を
供給する際にも、ブレーキ液の循環作用が得られるよう
にする。
【0050】図7は、本発明の第5実施例を示し、第1
実施例と実質的に同一機能部分には同一符号を付してそ
れらの説明は省略する。第5実施例では、一対の前輪又
は後輪にそれぞれ備えられるドラムブレーキの各シリン
ダ1,1’に、第1流路2,2’及び第2流路3,3’
の一端をそれぞれ接続させ、また、一対の第1流路2,
2’の合流させた他端と第2流路3,3’の合流させた
他端との間を、同一の第1接続流路31及び第2接続流
路32を介して接続させてある。第1接続流路31及び
第2接続流路32は、第2流路3,3’の一部を構成し
ている。
【0051】そして、第2流路3,3’の他端と第1接
続流路31の一端との間及び第1接続流路31の他端と
第2接続流路32の一端との間を同時に開閉する開閉バ
ルブ34を介在させ、第2流路3,3’から第1流路
2,2’に向けてブレーキ液を送り出すポンプ33を第
1接続流路31に介在させる。開閉バルブ34は、開位
置aを採らせることにより、第2流路3,3’と第1接
続流路31との間及び第1接続流路31と第2接続流路
32との間を同時に開き、閉位置bを採らせることによ
り、第2流路3,3’と第1接続流路31との間及び第
1接続流路31と第2接続流路32との間を同時に閉じ
る。従つて、ポンプ33の吸込口33a側及び吐出口3
3b側のそれぞれに、開閉バルブ34が介在しているこ
とになる。また、第2接続流路32に、ブレーキ液を貯
溜させるタンク8を介在させてある。
【0052】しかして、開閉バルブ34に開位置aを採
らせると共に、ポンプ33を駆動すれば、両シリンダ
1,1’内のブレーキ液が各第2流路3,3’、第1,
第2接続流路31,32を順次に通り、タンク8に貯溜
された後、第1流路2,2’に他端から流入し、シリン
ダ1,1’内に流入する。従つて、シリンダ1,1’内
のブレーキ液を、第1流路2,2’及び第2流路3,
3’(,31,32)の両方を使用して循環させること
ができる。なお、ポンプ33によるブレーキ液の吸込口
33aからの吸込量と吐出口33bからの吐出量とは一
致しているので、ポンプ33の駆動によつてシリンダ
1,1’内及び液圧発生装置5内のブレーキ液量に変動
を生ずることはない。
【0053】このようにして、シリンダ1,1’内でブ
レーキ作動に供されたブレーキ液は、各第2流路3,
3’、第1,第2接続流路31,32、タンク8及び第
1流路2,2’を通つて空冷を受けることとなり、ブレ
ーキ作動に伴う発熱によつてシリンダ1,1’内のブレ
ーキ液が過熱状態となることが防止され、第1実施例と
同様の作用を得ることができる。但し、第5実施例によ
れば、シリンダ1,1’内のブレーキ液の入れ替え量
は、ポンプ33の吸込口33aから流入し、吐出口33
bから流出する量、つまりポンプ33の駆動時間に依存
しているので、ポンプ33の駆動時間を増減調節するこ
とにより、シリンダ1,1’内のブレーキ液が過熱状態
となることが良好に防止される。勿論、各第2流路3,
3’、第1,第2接続流路31,32、タンク8及び第
1流路2,2’内には、十分量のブレーキ液を収容させ
る。
【0054】このようなブレーキ液冷却装置は、アンチ
スキッドブレーキシステムを備えるブレーキ作動装置に
好適である。その場合、ポンプ33として、アンチスキ
ッドブレーキシステムの圧力調整装置のポンプを使用す
ることができる。勿論、アンチスキッドブレーキシステ
ムの非作動時に、アンチスキッドブレーキシステムとし
てのブレーキ液の流動を図外の開閉バルブによつて防止
して、ブレーキ液冷却装置を作動させる。そして、開閉
バルブ34に閉位置bを採らせれば、アンチスキッドブ
レーキシステムの作動が確保される。
【0055】ブレーキ液冷却装置を作動させる時期とし
ては、ブレーキペダル15の踏み込みを解除した状態で
あつて、例えば、(1)シリンダ1,1’内のブレーキ
液の温度を直接又は間接的に検出し、シリンダ1,1’
内のブレーキ液が所定温度(例えば100℃)以上にな
つたとき、(2)単位時間当たりのブレーキペダル15
の踏み込み回数が所定回数以上になつたとき、(3)時
間の長短を問わず、ブレーキペダル15の踏み込み回数
が所定回数以上になつたとき、(4)エンジンの駆動状
態において所定時間毎、等がある。勿論、ポンプ33
は、第1流路2,2’から第2流路3,3’に向けてブ
レーキ液を送るようにしても、同様の作用を得ることが
可能である。また、各シリンダ1,1’毎に別個のポン
プ33をそれぞれ備えさせ、両ポンプ33を駆動して同
様の作用を得ることもできる。更に、主流路6を省略
し、第1流路2及び第2接続流路32を、直接、液圧発
生装置5に接続させ、ブレーキ液の循環に関して同様の
作用を得ることも可能である。アンチスキッドブレーキ
システムにおいて、車輪のロックを防止するために、シ
リンダ1,1’内のブレーキ液を各第2流路3,3’か
ら排出させ、図外のアキュムレータに導入させ、また、
ポンプ33を駆動してアキュムレータ内のブレーキ液を
第1流路2,2’に戻すことも可能である。なお、上記
第1〜第5実施例におて、第1流路2,2’及び第2流
路3,3’の少なくとも一方を複数本で構成することも
可能であり、これによつてブレーキ液の循環に関して同
様の作用を得ることもできる。
【0056】図8,9は、本発明の第6実施例を示し、
第1実施例と実質的に同一機能部分には同一符号を付し
てそれらの説明は省略する。第6実施例では、第1流路
2及び第2流路3を省略し、主流路6を第1主流路6a
及び第2主流路6bによつて構成させて主流路6の一端
をシリンダ1に接続させると共に、主流路6に、吸排タ
ンク18を介在させてある。すなわち、第1主流路6a
の一端をシリンダ1の圧力室に接続させ、第1主流路6
aの他端を吸排タンク18に接続させ、また、第2主流
路6bの一端を吸排タンク18に接続させ、第2主流路
6bの他端を液圧発生装置5の圧力室に接続させてあ
る。この吸排タンク18は、シリンダ1に供給されるブ
レーキ液を混合させる目的で設けるものであり、第1主
流路6aの接続箇所であるシリンダ1側の出入口18a
と、第2主流路6bの接続箇所である液圧発生装置5側
の出入口18bとを別個として離して設け、吸排タンク
18によつて流路の一部を構成させてある。吸排タンク
18の断面積は、少なくとも第1第1主流路6aの断面
積よりも大きく(望ましくは2倍以上)してある。
【0057】そして、第1主流路6aの容積は、ブレー
キ作動の解除時にシリンダ1から実際に排出されるブレ
ーキ液の一部が、吸排タンク18内に流入可能に設定
し、かつ、吸排タンク18の容積は、ブレーキ作動の解
除時にシリンダ1から実際に排出されるブレーキ液によ
つて、吸排タンク18内が充満されない大きさに設定し
てある。従つて、吸排タンク18の容積は、ブレーキ作
動の解除時にシリンダ1から実際に排出されるブレーキ
液が、吸排タンク18内の一部に流入するように設定さ
れ、このブレーキ液が吸排タンク18内に充満した後、
第2主流路6bから流出することはない。これにより、
ブレーキ作動の解除時にシリンダ1から実際に排出され
るブレーキ液の一部が、吸排タンク18内の一部に流入
し、吸排タンク18内に残るブレーキ液と混合され、次
のブレーキ作動時に、吸排タンク18内の混合されたブ
レーキ液が、シリンダ1内に流入するようになる。
【0058】ここで、図8に示すように一対のピストン
16,17が没入したブレーキ作動の解除時のシリンダ
1の圧力室の容積をA、図9に示すようにピストン1
6,17が突出したブレーキ作動時のシリンダ1の圧力
室の容積をB、吸排タンク18の容積をC、第1主流路
6aの容積をDとして、次の関係を与える。なお、シリ
ンダ1の圧力室の容積A,Bは、ブレーキシューの摩擦
材の摩耗によつて変動する場合には、その摩耗に伴う変
動を考慮した値とする。
【0059】すなわち、第1主流路6aの容積Dは、可
及的に小さい(第1主流路6aが短い)方が、ブレーキ
作動の解除時にシリンダ1から実際に排出されるブレー
キ液(B−A)を吸排タンク18内のブレーキ液と混合
させる上で望ましい。そこで、第1主流路6aの容積D
は、最大で(B−A)の9/10、望ましくは3/5以
下、更に望ましくは1/2以下に設定し、ブレーキ作動
の解除時にシリンダ1から実際に排出されるブレーキ液
量(B−A)の1/10を超える量若しくは2/5を超
える量又は1/2を超える量が、吸排タンク18内に実
際に流入するように設定する。このようにして、ブレー
キ作動の解除時にシリンダ1から実際に排出されるブレ
ーキ液の一部(実質的に1/10〜1/2以上)を吸排
タンク18内に流入させ、吸排タンク18内に残るブレ
ーキ液と混合させ、次のブレーキ作動時に、同量をシリ
ンダ1内に流入させる。
【0060】また、吸排タンク18の容積Cは、吸排タ
ンク18内でのブレーキ液の温度上昇を抑制させる上
で、可及的に大きい方が望ましいが、少なくともC>
(B−A)を充足させ、望ましくは1.5(B−A)以
上、更に望ましくは2(B−A)以上に設定し、シリン
ダ1内でブレーキ作動に関与することが可能なブレーキ
液量を、(B+D+C)に増量させる。ちなみに、従来
のブレーキ作動装置におけるシリンダ1内でブレーキ作
動に関与することが可能なブレーキ液量は、シリンダの
圧力室の容積Bに限定され、シリンダを大形化させない
限りは、シリンダ1内でブレーキ作動に関与することが
可能なブレーキ液量を増加させることができない。
【0061】このブレーキ液冷却装置を備えるブレーキ
作動装置において、ブレーキペダル15を踏み込めば、
液圧発生装置5から主流路6内に押し出されたブレーキ
液は、第2主流路6b、吸排タンク18及び第1主流路
6aを通つてシリンダ1に流入する。かくして、シリン
ダ1に摺動自在に嵌合するピストン16,17が押し出
され、図外のドラムブレーキの一対のブレーキシューに
より、ブレーキ力が得られる。その際、吸排タンク18
内のブレーキ液の一部がシリンダ1内に実際に流入す
る。
【0062】次いで、ブレーキ作動を解除すれば、ブレ
ーキ液がシリンダ1から液圧発生装置5に向けて還流す
る。その際、シリンダ1から実際に排出されるブレーキ
液の一部が吸排タンク18内に流入し、吸排タンク18
内の比較的低温のブレーキ液と混合され、比較的低温と
なる。そして、次のブレーキ作動に際し、吸排タンク1
8内の比較的低温のブレーキ液の一部がシリンダ1内に
実際に流入し、シリンダ1内のブレーキ液と混合される
ので、シリンダ1内のブレーキ液の温度が低下する。
【0063】このようにして、ブレーキ作動及びその解
除の度毎に、シリンダ1内のブレーキ液の一部が吸排タ
ンク18内の比較的低温のブレーキ液と入れ替えられる
ことになり、シリンダ1内のブレーキ液の温度上昇が抑
制される。また、ブレーキ作動の解除に伴つて、吸排タ
ンク18内のブレーキ液の一部、つまりブレーキ作動の
解除時にシリンダ1から実際に排出されるブレーキ液と
同量(B−A)のブレーキ液が、第2主流路6b内に流
入し、また、ブレーキ作動時に吸排タンク18内に還流
する。この第2主流路6bを出入りするブレーキ液量
は、従来のブレーキ配管(流路)を出入りするブレーキ
液量と同量である。従つて、シリンダ1内でブレーキ作
動に関与することが可能なブレーキ液が、増量されるの
みならず、第1主流路6a及び吸排タンク18において
も空冷を受けることとなり、シリンダ1内のブレーキ液
の温度低下が促される。
【0064】しかして、ブレーキ作動に伴う発熱によつ
てシリンダ1内のブレーキ液が過熱状態となることが良
好に防止される。従つて、シリンダ1内のブレーキ液の
温度低下に関し、第1実施例とほぼ同様の作用を得るこ
とができる。但し、第6実施例によれば、第1〜5実施
例とは異なり、ブレーキ液が循環せず、吸排タンク18
内で混合された後にシリンダ1内にすぐに流入するた
め、ブレーキ液の大きな温度低下は期待できない。この
ため、車両重量が比較的軽く、大きなブレーキ力を必要
としない車両、具体的には通常の乗用車への適用が適当
である。
【0065】図10には、吸排タンク18の構造例を示
す。この吸排タンク18には、第1主流路6aの接続箇
所であるシリンダ1側の出入口18aと、第2主流路6
bの接続箇所である液圧発生装置5側の出入口18bと
を斜向かいに設けてある。これにより、一対の出入口1
8a,18bから流入するブレーキ液によつて吸排タン
ク18内に渦巻流が生じるようになるので、ブレーキ液
が良好に混合される。図11には、吸排タンク18の更
に他の構造例を示し、一対の出入口18a,18bの間
に板状の流れ制限部材19を斜めに配設してある。この
構造例によれば、各出入口18a,18bから流入する
ブレーキ液が流れ制限部材19に衝突して吸排タンク1
8内で分散され、シリンダ1側の出入口18aから吸排
タンク18内に流入した比較的高温のブレーキ液が直ち
に同じ出入口18aから流出することが防止される。流
れ制限部材19は、複数枚として流入するブレーキ液を
拡散させることもできる。
【0066】ところで、第1主流路6a及び吸排タンク
18は、高剛性材料、例えば金属によつて一体的に形成
し、この第1主流路6aの一端部をシリンダ1の外壁に
固着することもできる。その場合、吸排タンク18をシ
リンダ1よりも上位置に設置すれば、シリンダ1内の比
較的高温のブレーキ液が第1主流路6aを通つて自然対
流によつて吸排タンク18内に流入するようになる。第
1主流路6aを、第2主流路6bよりも大径又は吸排タ
ンク18に向けて次第に拡径するテーパー形状に形成
し、吸排タンク18の一部を構成させ、第1主流路6a
の容積Dを事実上零に設定することもできる。更に、第
1主流路6a内に遊挿したヒートパイプ等の熱伝達具に
より、シリンダ1内と吸排タンク18内との間で熱伝達
を行い、シリンダ1内のブレーキ液の温度を積極的に低
下させることもできる。勿論、吸排タンク18をドラム
ブレーキのバッキングプレート(ディスクブレーキでは
バッフルプレート)等の車両の非回転部に固着すること
もできる。但し、フローティングキャリパ型のディスク
ブレーキでは、シリンダを形成したキャリパがブレーキ
作動に伴つて移動するため、吸排タンク18をキャリパ
以外のバッフルプレート等の車両の非回転部に固着する
場合には、第1主流路6aに可撓性を与える必要があ
る。
【0067】このように第6実施例をディスクブレーキ
に適用することが可能であるのは勿論、第1,2,4,
5実施例をディスクブレーキに適用することも可能であ
る。ブレーキ要素がディスクブレーキの場合には、シリ
ンダ1は、キャリパに形成したシリンダになる。また、
第3実施例をドラムブレーキに適用することも可能であ
る。ブレーキ要素がドラムブレーキの場合には、シリン
ダ20は、バッキングプレートに取付けたシリンダにな
る。
【0068】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るブレーキ液冷却方法及びその装置によれ
ば、次の効果を奏することができる。 (1)ドラムブレーキ又はディスクブレーキからなるブ
レーキ要素のシリンダ内でブレーキ作動に関与できるブ
レーキ液の増量が図られると共に、このブレーキ作動に
関与するブレーキ液が効果的に空冷を受けるので、ブレ
ーキ要素のシリンダを大形化させることなく、シリンダ
内のブレーキ液が過熱状態となることが良好に防止され
る。その結果、ブレーキ要素を大形化させるなどの大き
な設計変更を伴うことなく、従来生じていたベーパロッ
クのほとんど全てが確実に防止され、ブレーキ作動の不
可能状態が解消するので、比較的簡素な構造によつてブ
レーキ要素の信頼性が向上する共に、安全性が著しく向
上する。
【0069】(2)ブレーキ要素のシリンダ内のブレー
キ液の温度低下により、シリンダ自体の過熱も防止され
るので、ブレーキシュー又はパッドの摩擦材の温度上昇
も抑制される。その結果、摩擦材の温度上昇に伴つて摩
擦係数が低下するフェード現象も低減され、安定したブ
レーキ作動が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るブレーキ液冷却装
置を備えるブレーキ作動装置を示す図。
【図2】 本発明の第2実施例に係るブレーキ液冷却装
置を備えるブレーキ作動装置を示す図。
【図3】 本発明の第3実施例に係るブレーキ液冷却装
置を備えるブレーキ作動装置を示す図。
【図4】 本発明の第4実施例に係るブレーキ液冷却装
置を備えるブレーキ作動装置を示す図。
【図5】 逆止弁の構造例を示す断面図。
【図6】 逆止弁の他の構造例を示す断面図。
【図7】 本発明の第5実施例に係るブレーキ液冷却装
置を備えるブレーキ作動装置を示す図。
【図8】 本発明の第6実施例に係るブレーキ液冷却装
置を備えるブレーキ作動装置を示す図。
【図9】 同じく作用説明図。
【図10】 同じく吸排タンクの構造例を示す説明図。
【図11】 同じく吸排タンクの他の構造例を示す説明
図。
【符号の説明】
1,1’,20:シリンダ、2,2’:第1流路、3,
3’:第2流路、5:液圧発生装置、6:主流路、6
a:第1主流路、6b:第2主流路、7,11,12,
13:逆止弁(手段)、8:タンク、10:絞り(手
段)、15:ブレーキペダル、16,17,21:ピス
トン、18:吸排タンク、23:フィン、31:第1接
続流路(第2流路)、32:第2接続流路(第2流
路)、33:ポンプ、33a:吸込口、33b:吐出
口、34:開閉バルブ、C:タンクの容積、D:第1主
流路の容積。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、次の通りである。請求項1の発明の構成は、第1流
路2及び第2流路3の一端をブレーキ要素のシリンダ
1,20にそれぞれ接続させ、第1流路2におけるブレ
ーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給
量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からの
ブレーキ液の排出量との差の絶対値を、第2流路3にお
けるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ
液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,2
0からのブレーキ液の排出量との差の絶対値に合致さ
せ、ブレーキ作動の繰り返しにより、前記シリンダ1,
20内のブレーキ液を前記第1流路2及び第2流路3の
両方を使用して循環させることを特徴とするブレーキ液
冷却方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】請求項2の発明の構成は、第1流路2及び
第2流路3の一端をブレーキ要素のシリンダ1,20に
それぞれ接続させ、第1流路2及び第2流路3の他端
を、ブレーキペダル15の踏み込み量に応じて液圧を発
生させる液圧発生装置5にそれぞれ接続させると共に、
第1流路2又は第2流路3のいずれか一方に、ブレーキ
作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量と
ブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレ
ーキ液の排出量とに差を生じさせる手段7,10,11
備えさせ、第1流路2におけるブレーキ作動に伴うシ
リンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動
の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ液の排出
量との差の絶対値を、第2流路3におけるブレーキ作動
に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレ
ーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ
液の排出量との差の絶対値に合致させ、前記シリンダ
1,20内のブレーキ液を前記第1流路2及び第2流路
3の両方を使用して循環させることを特徴とするブレー
キ液冷却装置である。請求項3の発明の構成は、ブレー
キ要素のシリンダ1,20に第1流路2及び第2流路3
の一端をそれぞれ接続させ、第1流路2及び第2流路3
の他端を、ブレーキペダル15の踏み込み量に応じて液
圧を発生させる液圧発生装置5にそれぞれ接続させると
共に、第1流路2に、シリンダ1,20に流入する流れ
を許容し、シリンダ1,20から流出する流れを制限す
る手段12を備えさせ、第2流路3に、シリンダ1,2
0に流入する流れを制限し、シリンダ1,20から流出
する流れを許容する手段13を備えさせ、第1流路2に
おけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレー
キ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,
20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値を、第2
流路3におけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へ
のブレーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリ
ンダ1,20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値
に合致させ、前記シリンダ1,20内のブレーキ液を前
記第1流路2及び第2流路3の両方を使用して循環させ
ることを特徴とするブレーキ液冷却装置である。請求項
4の発明の構成は、ブレーキ要素のシリンダ1,1’,
20に第1流路2,2’及び第2流路3,3’の一端を
それぞれ接続させ、第1流路2,2’の他端を、ブレー
キペダル15の踏み込み量に応じて液圧を発生させる液
圧発生装置5に接続させ、第2流路3,3’の他端を、
第1流路2,2’に接続させると共に、第2流路3,
3’にポンプ33を介在させ、ポンプ33の駆動によつ
て、前記シリンダ1,1’,20内のブレーキ液を前記
第1流路2,2’及び第2流路3,3’の両方を使用し
て循環させることを特徴とするブレーキ液冷却装置であ
る。請求項5の発明の構成は、ポンプ33の吸込口33
a側及び吐出口33b側のそれぞれに、開閉バルブ34
を介在させ、ポンプ33の駆動時に開閉バルブ34を開
くことを特徴とする請求項4のブレーキ液冷却装置であ
る。請求項6の発明の構成は、第1流路2及び第2流路
3の両方の他端を、主流路6を介して、液圧発生装置5
にそれぞれ接続させることを特徴とする請求項2,3,
4又は5のブレーキ液冷却装置である。請求項7の発明
の構成は、第1流路2及び第2流路3からなる流路に、
第1流路2及び第2流路3を循環するブレーキ液を貯溜
させ、流路の一部を形成するタンク8を介在させること
を特徴とする請求項2,3,4,5又は6のブレーキ作
動装置である。請求項8の発明の構成は、第1流路2及
び第2流路3の少なくとも一部に、冷却用のフィン23
を形成することを特徴とする請求項2,3,4,5,6
又は7のブレーキ液冷却装置である。請求項9の発明の
構成は、主流路6の一端をブレーキ要素のシリンダ1,
20に接続させ、主流路6の他端を、ブレーキペダル1
5の踏み込み量に応じて液圧を発生させる液圧発生装置
5に接続させると共に、流路の一部を形成する吸排タン
ク18を主流路6に介在させ、シリンダ1,20と吸排
タンク18との間の主流路6を第1主流路6aとし、吸
排タンク18と液圧発生装置5との間の主流路6を第2
主流路6bとし、前記第1主流路6aの容積Dを、ブレ
ーキ作動の解除時にシリンダ1,20から実際に排出さ
れるブレーキ液の一部が、吸排タンク18内に流入可能
に設定し、かつ、吸排タンク18の容積Cを、ブレーキ
作動の解除時にシリンダ1,20から実際に排出される
ブレーキ液によつて、吸排タンク18内が充満されない
大きさに設定することを特徴とするブレーキ液冷却装置
である。
【作用】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】請求項2の発明によれば、ブレーキ作動に
よるシリンダ1,20自体でのブレーキ液の供給量と排
出量とは、同じであるので、次の作用が得られる。ブレ
ーキペダル15の踏み込みにより、踏み込み量に応じた
液圧が液圧発生装置5に発生し、ブレーキ要素のシリン
ダ1,20にブレーキ液が供給される。その際、第1流
路2又は第2流路3のいずれか一方に、ブレーキ作動に
伴うシリンダ1,20へのブレーキ液の供給量とブレー
キ作動の解除に伴うシリンダ1,20からのブレーキ液
の排出量とに差を生じさせる手段7,10,11を備え
させてあるので、第1流路2又は第2流路3の他方に
も、ブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ
液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,2
0からのブレーキ液の排出量とに差を生じる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項3の発明によれば、ブレーキペダル
15の踏み込みにより、踏み込み量に応じた液圧が液圧
発生装置5に発生する。これにより、ブレーキ液がブレ
ーキ要素のシリンダ1,20に供給される。その際、第
1流路2に、シリンダ1,20に流入する流れを許容
し、シリンダ1,20から流出する流れを制限する手段
12を備えさせ、第2流路3に、シリンダ1,20に流
入する流れを制限し、シリンダ1,20から流出する流
れを許容する手段13を備えさせてあるので、第1流路
2を通じて大量のブレーキ液がシリンダ1,20内に供
給される。また、ブレーキペダル15の踏み込み解放に
より、第2流路3を通じて大量のブレーキ液がシリンダ
1,20内から排出される。そして、第1流路2におけ
るブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブレーキ液
の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ1,20
からのブレーキ液の排出量との差の絶対値が、第2流路
3におけるブレーキ作動に伴うシリンダ1,20へのブ
レーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ
1,20からのブレーキ液の排出量との差の絶対値に合
致する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1流路(2)及び第2流路(3)の一
    端をブレーキ要素のシリンダ(1,20)にそれぞれ接
    続させ、第1流路(2)におけるブレーキ作動に伴うシ
    リンダ(1,20)へのブレーキ液の供給量とブレーキ
    作動の解除に伴うシリンダ(1,20)からのブレーキ
    液の排出量との差の絶対値を、第2流路(3)における
    ブレーキ作動に伴うシリンダ(1,20)へのブレーキ
    液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ(1,
    20)からのブレーキ液の排出量との差の絶対値に合致
    させ、前記シリンダ(1,20)内のブレーキ液を前記
    第1流路(2)及び第2流路(3)の両方を使用して循
    環させることを特徴とするブレーキ液冷却方法。
  2. 【請求項2】 第1流路(2)及び第2流路(3)の一
    端をブレーキ要素のシリンダ(1,20)にそれぞれ接
    続させ、第1流路(2)及び第2流路(3)の他端を、
    ブレーキペダル(15)の踏み込み量に応じて液圧を発
    生させる液圧発生装置(5)にそれぞれ接続させると共
    に、第1流路(2)又は第2流路(3)のいずれか一方
    に、ブレーキ作動に伴うシリンダ(1,20)へのブレ
    ーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ
    (1,20)からのブレーキ液の排出量とに差を生じさ
    せる手段(7,10,11)を介在させ、第1流路
    (2)におけるブレーキ作動に伴うシリンダ(1,2
    0)へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴
    うシリンダ(1,20)からのブレーキ液の排出量との
    差の絶対値を、第2流路(3)におけるブレーキ作動に
    伴うシリンダ(1,20)へのブレーキ液の供給量とブ
    レーキ作動の解除に伴うシリンダ(1,20)からのブ
    レーキ液の排出量との差の絶対値に合致させ、前記シリ
    ンダ(1,20)内のブレーキ液を前記第1流路(2)
    及び第2流路(3)の両方を使用して循環させることを
    特徴とするブレーキ液冷却装置。
  3. 【請求項3】 ブレーキ要素のシリンダ(1,20)に
    第1流路(2)及び第2流路(3)の一端をそれぞれ接
    続させ、第1流路(2)及び第2流路(3)の他端を、
    ブレーキペダル(15)の踏み込み量に応じて液圧を発
    生させる液圧発生装置(5)にそれぞれ接続させると共
    に、第1流路(2)に、シリンダ(1,20)に流入す
    る流れを許容し、シリンダ(1,20)から流出する流
    れを制限する手段(12)を介在させ、第2流路(3)
    に、シリンダ(1,20)に流入する流れを制限し、シ
    リンダ(1,20)から流出する流れを許容する手段
    (13)を介在させ、第1流路(2)におけるブレーキ
    作動に伴うシリンダ(1,20)へのブレーキ液の供給
    量とブレーキ作動の解除に伴うシリンダ(1,20)か
    らのブレーキ液の排出量との差の絶対値を、第2流路
    (3)におけるブレーキ作動に伴うシリンダ(1,2
    0)へのブレーキ液の供給量とブレーキ作動の解除に伴
    うシリンダ(1,20)からのブレーキ液の排出量との
    差の絶対値に合致させ、前記シリンダ(1,20)内の
    ブレーキ液を前記第1流路(2)及び第2流路(3)の
    両方を使用して循環させることを特徴とするブレーキ液
    冷却装置。
  4. 【請求項4】 ブレーキ要素のシリンダ(1,1’,2
    0)に第1流路(2,2’)及び第2流路(3,3’)
    の一端をそれぞれ接続させ、第1流路(2,2’)の他
    端を、ブレーキペダル(15)の踏み込み量に応じて液
    圧を発生させる液圧発生装置(5)に接続させ、第2流
    路(3,3’)の他端を、第1流路(2,2’)に接続
    させると共に、第2流路(3,3’)にポンプ(33)
    を介在させ、ポンプ(33)の駆動によつて、前記シリ
    ンダ(1,1’,20)内のブレーキ液を前記第1流路
    (2,2’)及び第2流路(3,3’)の両方を使用し
    て循環させることを特徴とするブレーキ液冷却装置。
  5. 【請求項5】 ポンプ(33)の吸込口(33a)側及
    び吐出口(33b)側のそれぞれに、開閉バルブ(3
    4)を介在させ、ポンプ(33)の駆動時に開閉バルブ
    (34)を開くことを特徴とする請求項4のブレーキ液
    冷却装置。
  6. 【請求項6】 第1流路(2)及び第2流路(3)の両
    方の他端を、主流路(6)を介して、液圧発生装置
    (5)にそれぞれ接続させることを特徴とする請求項
    2,3,4又は5のブレーキ液冷却装置。
  7. 【請求項7】 第1流路(2)及び第2流路(3)の少
    なくとも一方に、第1流路(2)及び第2流路(3)を
    循環するブレーキ液を貯溜させ、流路の一部を形成する
    タンク(8)を介在させることを特徴とする請求項2,
    3,4,5又は6のブレーキ液冷却装置。
  8. 【請求項8】 第1流路(2)及び第2流路(3)の少
    なくとも一部に、冷却用のフィン(23)を形成するこ
    とを特徴とする請求項2,3,4,5,6又は7のブレ
    ーキ液冷却装置。
  9. 【請求項9】 主流路(6)の一端をブレーキ要素のシ
    リンダ(1,20)に接続させ、主流路(6)の他端
    を、ブレーキペダル(15)の踏み込み量に応じて液圧
    を発生させる液圧発生装置(5)に接続させると共に、
    流路の一部を形成する吸排タンク(18)を主流路
    (6)に介在させ、シリンダ(1,20)と吸排タンク
    (18)との間の主流路(6)を第1主流路(6a)と
    し、吸排タンク(18)と液圧発生装置(5)との間の
    主流路(6)を第2主流路(6b)とし、前記第1主流
    路(6a)の容積(D)を、ブレーキ作動の解除時にシ
    リンダ(1,20)から実際に排出されるブレーキ液の
    一部が、吸排タンク(18)内に流入可能に設定し、か
    つ、吸排タンク(18)の容積(C)を、ブレーキ作動
    の解除時にシリンダ(1,20)から実際に排出される
    ブレーキ液によつて、吸排タンク(18)内が充満され
    ない大きさに設定することを特徴とするブレーキ液冷却
    装置。
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