JPH0892193A - チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体 - Google Patents

チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体

Info

Publication number
JPH0892193A
JPH0892193A JP22911894A JP22911894A JPH0892193A JP H0892193 A JPH0892193 A JP H0892193A JP 22911894 A JP22911894 A JP 22911894A JP 22911894 A JP22911894 A JP 22911894A JP H0892193 A JPH0892193 A JP H0892193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
phenylpropionylamino
alkyl group
hydrogen atom
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22911894A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Kobori
武夫 小堀
Sanae Shigeizumi
早苗 重泉
Kikuo Sugimoto
貴久男 杉本
Seitai U
済泰 禹
Koji Yamaguchi
宏二 山口
Tomoko Tsuji
智子 辻
Sei Kondo
聖 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sagami Chemical Research Institute filed Critical Sagami Chemical Research Institute
Priority to JP22911894A priority Critical patent/JPH0892193A/ja
Publication of JPH0892193A publication Critical patent/JPH0892193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可逆的でかつ強い阻害作用を示す、新規なペ
プチド誘導体、チオールプロテアーゼ阻害剤、および骨
吸収阻害剤を提供すること。 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は置換基を有してもよいシクロアルキル基
で置換されたアルキル基、アラルキル基;R2は水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
コキシ基、アラルキルオキシ基;R3はアルキル基、ア
ラルキル基;Xは酸素原子、R4ON、R4(R5)NN
(R4およびR5は独立に水素原子、アルキル基、アラル
キル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を表わ
す。);Yは水素原子、アルキル基。]で表わされるペ
プチド誘導体を有効成分とするチオールプロテアーゼ阻
害剤および骨吸収阻害剤、ならびに新規ペプチド誘導
体。 【効果】 チオールプロテアーゼおよび骨吸収に強い阻
害作用を有し、該酵素の異常な活性化による様々な疾患
および骨粗鬆症等に対する治療薬として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカテプシンB、カテプシ
ンL、カルパインおよびパパインなどのチオールプロテ
アーゼに対して強い阻害作用を示し、骨吸収を阻害する
ペプチド誘導体およびその用途に関する。
【0002】
【従来技術】チオールプロテアーゼとして、パパイン、
カルパイン、カテプシンB、カテプシンL等が知られて
いる。最近、チオールプロテアーゼの異常な活性化によ
る様々な疾患、例えば筋ジストロフィー、筋萎縮症、虚
血性疾患(心筋梗塞、脳梗塞)、アルツハイマー病、白
内障、種々の炎症性疾患、アレルギー性疾患、劇症肝
炎、骨粗鬆症、高カルシウム血症などが報告されてい
る。このような疾患に対し、チオールプロテアーゼ阻害
剤が有効であることが明らかにされている。しかしなが
ら、既知の阻害剤として、クロロメチルケトン誘導体
(Journal of Biochemistry 1986, 99, 173.) アシル
オキシメチルケトン誘導体(Biochemistry 1991, 30, 4
678.)、ジアゾメチルケトン誘導体(Biochemical and
Biophysical Communications 1981, 101, 454.),エポ
キシコハク酸誘導体(Agricaltural andBiological Che
mistry 1978, 42, 529. The Journal of Antibiotics
1989, 42, 1362.)等が報告されているが、これらの酵
素阻害作用は不可逆的な反応によるものであり、標的酵
素以外の生体構成成分に対して非特異的に反応しやすい
ため、副作用の発現が否めない。一方、可逆的な反応に
よって阻害作用を示すペプチジルアルデヒド(The Jour
nal of Antibiotics 1969, 22, 183. Journal ofEnzym
e Inhibition 1990, 3, 195.)が報告されているが、い
ずれもN末端側にロイシン骨格を有するものであって、
N末端側にフェニルアラニン骨格を有する本発明の化合
物がそのような作用を示すことは開示されておらず、ま
た骨吸収を阻害することについては一切記載がない。な
お、本発明に係る一部の化合物がWO92/14696
公報に記載されているが、抗ウイルス作用が開示されて
いるのみであり、チオールプロテアーゼ阻害作用につい
ては記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、可逆的でか
つ強い阻害作用を示すチオールプロテアーゼ阻害剤およ
び優れた阻害作用を有する骨吸収阻害剤、ならびにこの
ような作用を有する新規ペプチド誘導体を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、特定のペプチド誘導体が強いチオールプロテア
ーゼ阻害作用および骨吸収阻害作用を有することを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は下記一般式(1)
【0006】
【化5】
【0007】[式中、R1は置換基を有してもよいC3
6のシクロアルキル基で置換されたC1〜C6のアルキ
ル基または置換基を有してもよいC7〜C14のアラルキ
ル基を表わし、R2は水素原子、C1〜C6のアルキル
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6のアルコ
キシ基またはC7〜C14のアラルキルオキシ基を表わ
し、R3はC1〜C6のアルキル基または置換基を有して
もよいC7〜C14のアラルキル基を表わし、Xは酸素原
子、R4ONまたはR4(R5)NN(R4およびR5は独
立に水素原子、C1〜C6のアルキル基、C7〜C14のア
ラルキル基、C2〜C6のアルコキシカルボニル基または
1〜C4のアシル基を表わす。)を表わし、Yは水素原
子またはC1〜C6のアルキル基を表わす。]で表わされ
るペプチド誘導体を有効成分とする、チオールプロテア
ーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤に関する。
【0008】また本発明は、下記一般式(2)
【0009】
【化6】
【0010】[式中、R1は置換基を有してもよいC3
6のシクロアルキル基で置換されたC1〜C6のアルキ
ル基または置換基を有してもよいC7〜C14のアラルキ
ル基を表わし、R2およびR6は独立に水素原子、C1
6のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1
〜C6のアルコキシ基またはC7〜C14のアラルキルオキ
シ基を表わし、Yは水素原子またはC1〜C6のアルキル
基を表わす。ただし、Yが水素原子のときは、R6はC1
〜C6のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、
1〜C6のアルコキシ基またはC7〜C14のアラルキル
オキシ基を表わす。]で表わされるペプチド誘導体に関
する。
【0011】さらに本発明は、下記一般式(3)
【0012】
【化7】
【0013】[式中、R1は置換基を有してもよいC3
6のシクロアルキル基で置換されたC1〜C6のアルキ
ル基または置換基を有してもよいC7〜C14のアラルキ
ル基を表わし、R2は水素原子、C1〜C6のアルキル
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6のアルコ
キシ基またはC7〜C14のアラルキルオキシ基を表わ
し、R3はC1〜C6のアルキル基または置換基を有して
もよいC7〜C14のアラルキル基を表わし、X'はR4
NまたはR4(R5)NN(R4およびR5は独立に水素原
子、C1〜C6のアルキル基、C7〜C14のアラルキル
基、C2〜C6のアルコキシカルボニル基またはC1〜C4
のアシル基を表わす。)を表わし、Yは水素原子または
1〜C6のアルキル基を表わす。]で表わされるペプチ
ド誘導体にも関する。
【0014】上記一般式(1)、(2)、(3)におい
て、C1〜C6のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペ
ンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。C3〜C6のシク
ロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。C7〜C14のアラルキル基としてはベンジル基、1
−フェネチル基、2−フェネチル基、1−フェニルプロ
ピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピ
ル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル
基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1
−(1−ナフチル)エチル基、1−(2−ナフチル)エ
チル基、2−(2−ナフチル)エチル基、ビフェニルメ
チル基、ビフェニルエチル基等が挙げられる。C1〜C6
のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソ
ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
2〜C6のアルコキシカルボニル基としてはメトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボ
ニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボ
ニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキ
シカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基が挙げら
れる。C1〜C4のアシル基としてはホルミル基、アセチ
ル基、ピロピオニル基、ブチリル基が挙げられる。ハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が
挙げられる。
【0015】さらに上記の定義中、シクロアルキル基上
の置換基またはアラルキル基のアリール環上の置換基と
しては、水素原子以外の上記R2で定義される置換基を
挙げることができる。
【0016】本発明において、チオールプロテアーゼ阻
害剤および骨吸収阻害剤としては、上記一般式(1)で
表わされる化合物のうち、Xが酸素原子を表わし、Yが
水素原子を表わすものが、阻害活性が高い点で好まし
い。
【0017】本発明の一般式(1)で表わされるペプチ
ド誘導体のうち、薬学的に許容される塩を形成するもの
についてはそれらの塩も本発明に包含される。酸性基が
存在する場合には、リチウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩、カルシウム塩等の金属塩、またはアンモニウム
塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、
トリメチルアンモニウム塩等のアンモニウム塩を形成す
ることができ、塩基性基が存在する場合には塩酸塩、硫
酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、あるいはベンゼンスルホン
酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩を形成すること
ができる。
【0018】本発明の一般式(1)で表わされるペプチ
ド誘導体の置換基にC=N二重結合が存在する場合、そ
の立体化学については(E)体、(Z)体、あるいは
(E,Z)体のいずれもが含まれる。また、不斉炭素の
立体化学については、それぞれ独立して(R)体、
(S)体、あるいは(R,S)体をとることができる。
【0019】本発明に係る化合物の例示として、下記の
ペプチド誘導体が挙げられる。
【0020】
【表1】 表1. ペプチド誘導体 ─────────────────────────────────── R123 X Y ───────────────────────────────────ヘ゛ンシ゛ル H ヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H 4-メチルヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H 2-クロロヘ゛ンシ゛ル O Et 4-メチルヘ゛ンシ゛ル H 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H 4-フ゛トキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル H メチル O Buヘ゛ンシ゛ル H フ゜ロヒ゜ル O Hヘ゛ンシ゛ル H イソフ゛チル O Hヘ゛ンシ゛ル H ヘキシル O Hヘ゛ンシ゛ル 3-Me ヘ゛ンシ゛ル O H 4-メチルヘ゛ンシ゛ル 4-OH ヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル 2-F ヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル 3-Me 4-メチルヘ゛ンシ゛ル O Prヘ゛ンシ゛ル 4-OH 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル O H 3-クロロヘ゛ンシ゛ル 3-F 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル 4-Me 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル 3-OH 3-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル O Hヘ゛ンシ゛ル 4-Cl フ゜ロヒ゜ル O Me 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル 3-Me イソフ゛チル O H ───────────────────────────────────
【0021】
【表2】 表2. ペプチド誘導体(つづき) ─────────────────────────────────── R123 X Y ───────────────────────────────────シクロヘキシルメチル H ヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル H 4-メチルヘ゛ンシ゛ル O Meシクロヘキシルメチル H 2-クロロヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘ゜ンチルメチル H 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル H 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル H 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル O Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル H 3-フ゛トキシヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル H 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル O Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル H メチル O Hシクロヘキシルメチル H フ゜ロヒ゜ル O Prシクロヘ゜ンチルメチル H イソフ゛チル O Hシクロヘキシルメチル H ヘキシル O Hシクロヘキシルメチル 3-Me ヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘ゜ンチルメチル 4-OH ヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル 2-F ヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル 3-Me 4-メチルヘ゛ンシ゛ル O Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル 3-OH 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル 3-F 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル O ヘキシルシクロフ゜ロヒ゜ルメチル 4-Me 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘキシルメチル 4-OH 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル O Hシクロヘ゜ンチルメチル 4-Cl フ゜ロヒ゜ル O Hシクロヘキシルメチル 3-Me イソフ゛チル O H ───────────────────────────────────
【0022】
【表3】 表3. ペプチド誘導体(つづき) ─────────────────────────────────── R123 X Y ───────────────────────────────────ヘ゛ンシ゛ル H ヘ゛ンシ゛ル NOH Hヘ゛ンシ゛ル H ヘ゛ンシ゛ル NOAc Hヘ゛ンシ゛ル H ヘ゛ンシ゛ル NOMe H 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル H 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル NOH Meヘ゛ンシ゛ル H 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル NOH Hシクロヘキシルメチル H 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル NOBu Hヘ゛ンシ゛ル H 3-フ゛トキシヘ゛ンシ゛ル NOH Hシクロヘ゜ンチルメチル H 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル NOAc Etヘ゛ンシ゛ル H メチル NOH Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル H フ゜ロヒ゜ル NOAc Hヘ゛ンシ゛ル H イソフ゛チル NOMe Bu 3-フルオロヘ゛ンシ゛ル H ヘキシル NOH Hヘ゛ンシ゛ル 3-Me ヘ゛ンシ゛ル NOH Hヘ゛ンシ゛ル 4-OH ヘ゛ンシ゛ル NOBu Hシクロヘキシルメチル 2-Cl ヘ゛ンシ゛ル NOH Prヘ゛ンシ゛ル 3-Me 4-メチルヘ゛ンシ゛ル NOAc Hヘ゛ンシ゛ル 4-OH 2-クロロヘ゛ンシ゛ル NOH Hヘ゛ンシ゛ル 3-F 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル NOAc Hシクロヘ゜ンチルメチル 4-Me 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル NOMe Hヘ゛ンシ゛ル 3-OH 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル NOH Hヘ゛ンシ゛ル 4-Cl フ゜ロヒ゜ル NOH Hシクロヘキシルメチル 3-Me イソフ゛チル NOBu Me ───────────────────────────────────
【0023】
【表4】 表4. ペプチド誘導体(つづき) ─────────────────────────────────── R123 X Y ───────────────────────────────────ヘ゛ンシ゛ル H ヘ゛ンシ゛ル NNHCOOEt Hシクロヘキシルメチル H ヘ゛ンシ゛ル NNHCOOMe H 4-メチルヘ゛ンシ゛ル H 2-クロロヘ゛ンシ゛ル NNHCOOPr Hシクロヘ゜ンチルメチル H 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル NNHCOOBu Hシクロヘキシルメチル H 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル NNMeCOOEt Hシクロヘキシルメチル H 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル NNHCOOEt Hヘ゛ンシ゛ル H 3-フ゛トキシヘ゛ンシ゛ル NNHCOOMe Meシクロヘキシルメチル H 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル NNHCOOPr Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル H メチル NNHCOOBu Buシクロヘキシルメチル H フ゜ロヒ゜ル NNMeCOOEt Hシクロヘ゜ンチルメチル H イソフ゛チル NNHCOOEt Hヘ゛ンシ゛ル H ヘキシル NNHCOOMe Hシクロヘキシルメチル 3-Me ヘ゛ンシ゛ル NNHCOOPr i-Pr 3-フルオロヘ゛ンシ゛ル 4-OH ヘ゛ンシ゛ル NNHCOOBu Hシクロヘキシルメチル 2-F ヘ゛ンシ゛ル NNMeCOOEt Hシクロヘキシルメチル 3-Me 4-メチルヘ゛ンシ゛ル NNHCOOEt Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル 3-OH 4-フルオロヘ゛ンシ゛ル NNHCOOMe Etヘ゛ンシ゛ル 3-F 4-ヒト゛ロキシヘ゛ンシ゛ル NNHCOOPr Hシクロフ゜ロヒ゜ルメチル 4-Me 4-メトキシヘ゛ンシ゛ル NNHCOOBu Hヘ゛ンシ゛ル 4-OH 4-ヘ゛ンシ゛ルオキシヘ゛ンシ゛ル NNMeCOOEt Hシクロヘ゜ンチルメチル 4-Cl フ゜ロヒ゜ル NNHCOOMe Hシクロヘキシルメチル 3-Me イソフ゛チル NNHCOOPr H ───────────────────────────────────
【0024】本発明化合物の製造法を以下に説明する。
上記のペプチド誘導体は、例えば次の様な方法で製造で
きる。
【0025】〔A法〕
【0026】
【化8】
【0027】(本反応式において、R1、R2、R3およ
びYは前述と同じ意味を表わす。)
【0028】縮合剤の存在下、アミノ酸誘導体(a)と
アミノアルコール化合物(b)から得た(c)の化合物
に酸化剤を作用させることにより、一般式(1)で表わ
される本発明の化合物を製造することができる。
【0029】〔B法〕
【0030】
【化9】
【0031】(本反応式において、R1、R2、R3およ
びYは前述と同じ意味を表わす。)
【0032】アミノアルコール化合物(b)を酸化して
得たカルボニル化合物(d)に縮合剤の存在下、アミノ
酸誘導体(a)を反応させることにより一般式(1)の
化合物が製造できる。
【0033】〔C法〕
【0034】
【化10】
【0035】(本反応式において、R1、R2およびR3
は前述と同じ意味を表わし、Y’はC1〜C6のアルキル
基を表わし、Mはリチウム、臭化マグネシウム等の金属
または金属塩を表わす。)
【0036】ホルミル基を有する化合物(d')にY’
Mを反応させて得たアルコール化合物(b’)を酸化す
ることによりカルボニル化合物(d'')が得られる。縮
合剤の存在下、カルボニル化合物(d'')にアミノ酸誘
導体(a)を反応させることにより、ペプチド誘導体
(1−B)が製造できる。
【0037】〔D法〕
【0038】
【化11】
【0039】(本反応式において、R1、R2、R3
Y’およびMは前述と同じ意味を表わす。)
【0040】縮合剤の存在下、アミノ酸誘導体(a)に
ホルミル化合物(d')を反応させて得た(1−A)に
Y’M(Y’およびMは前述と同じ意味を表わす。)を
反応させ、アルコール化合物(c')とした後、これを
酸化することにより、ペプチド誘導体(1−B)が製造
できる。
【0041】〔E法〕
【0042】
【化12】
【0043】(本反応式において、R1、R2、R3
4、R5およびYは前述と同じ意味を表わし、X’はR
4ONまたはR4(R5)NNを表わす。)
【0044】一般式(1)で表わされる化合物にH2
OR4またはH2NN(R4)R5(R4またはR5は前述と
同じ意味を表わす。)で表わされるアミン化合物を反応
させることにより、ペプチド誘導体(1−C)が製造で
きる。
【0045】〔F法〕
【0046】
【化13】
【0047】(本反応式において、R1、R2、R3
4、R5、X’およびYは前述と同じ意味を表わす。)
【0048】カルボニル化合物(d)にH2NOR4また
はH2NN(R4)R5(R4またはR 5は前述と同じ意味
を表わす。)で表わされるアミン化合物を反応させるこ
とにより(d')とした後、縮合剤の存在下、アミノ酸
誘導体(a)を反応させることにより、ペプチド誘導体
(1−C)の化合物が製造できる。
【0049】上記の製造法における縮合剤としては、
N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−カ
ルボニルイミダゾール、あるいは、トリエチルアミン、
ピリジン等のアミンの存在下でのクロロギ酸イソブチ
ル、ジフェニルホスホリルアジド等が好適な試薬として
挙げることができる。また、酸化剤としては水酸基をカ
ルボニル基に酸化することができる既知の試薬を用いる
ことができ、ピリジンサルファートリオキシド、ピリジ
ニウムクロロクロメート、ピリジニウムジクロメート、
DMSO−塩化オキザリル、あるいはDMSO−無水酢
酸等がより好ましい。本発明の化合物を製造する際には
溶媒を用いるのが好ましく、メタノール、エタノール等
のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトン等の
ケトン類、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド等の非プロトン性極性溶媒類等のほか、反応
に関与しないあらゆる溶媒が使用できる。反応温度は約
−78〜200℃が好ましい。
【0050】本発明に係る化合物は、経口または非経口
的に投与することができる。その投与剤形としては、例
えば、散剤、顆粒剤、カプセル剤錠剤、丸剤、シロップ
剤、懸濁剤、注射剤などを例示することができる。これ
らは、患者の症状、年齢、および治療の目的に応じて常
用の賦形剤(例えばデンプン、乳糖、結晶セルロース、
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、マン
ニトール等)、結合剤(例えばヒドロキシプロピルセル
ロース、ポリビニルピロリドン等)、滑沢剤(例えばス
テアリン酸マグネシウム、タルク等)、崩壊剤(例えば
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム等)コーテング剤(例えばヒドロキシエ
チルセルロース)、矯味剤、溶解剤、ないし溶解補助剤
(例えば注射用蒸留水、生理食塩水プロピレングリコー
ル等)、懸濁剤(例えばポリソルベート80等の界面活
性剤)、pH調整剤(例えば有機酸またはその金属塩
等)、水性ないし油性の溶解補助剤(例えばアルコー
ル、脂肪酸エステル類等)、粘着剤(例えばカルボキシ
ビニルポリマー、多糖類等)乳化剤(例えば界面活性剤
等)、安定化剤等を用い、通常の製造法(例えば第12
改正日本薬局方に規定する方法)を用いて製造すること
ができる。さらに、公知の技術により持続性製剤とする
ことも可能である。
【0051】本発明に係る化合物の投与量は、成人を治
療する場合で1〜1000mgであり、これを1日2〜3
回に分けて投与することが好ましい。この投与量は、患
者の年齢、体重および症状によって増減することができ
る。
【0052】以下、本発明を参考例、合成例、試験例に
よりさらに詳しく説明する。ただし、本発明はそれらに
限定されるものではない。
【0053】
【実施例】
参考例1.(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−
3−フェニル−1−プロパノール
【0054】
【化14】
【0055】アルゴン雰囲気下、(S)−2−アミノ−
3−フェニル−1−プロパノール(0.106g,0.7
0mmol)と(L)−N−ベンジルオキシカルボニル
フェニルアラニン(0.210g,0.70mmol)の
テトラヒドロフラン(2ml)溶液に、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(0.198g,1.0mmol)のテ
トラヒドロフラン(1ml)溶液を滴下した。室温で1
8時間攪拌し、溶媒を留去した後、酢酸エチルに溶かし
て不溶物を濾過し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)で単離精製し、(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−フェニル−1−プロパノール(0.1
04g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 1.93(brs, 1H), 2.69(dd, J
=7.2, 13.7Hz, 1H), 2.75(dd, J=7.7, 13.7Hz, 1H), 2.
96(dd, J=8.1, 13.6Hz , 1H), 3.04-3.14(brm, 1H), 3.
34-3.46(m, 2H), 4.06(m, 1H), 4.31(m, 1H), 5.08(s,
2H), 5.30(brs, 1H), 5.80(brd, 1H), 7.06-7.40(m, 15
H).
【0056】参考例2.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ)フェニル−1−プ
ロパノール
【0057】
【化15】
【0058】(S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキ
シ)フェニル−1−プロパノール(0.222g,1.3
mmol)、(L)−N−ベンジルオキシカルボニルフ
ェニルアラニン(0.397g,1.3mmol)、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(0.375g,1.8mm
ol)を用いて参考例1と同様の条件下で反応を行い、
(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3−(4−
ヒドロキシ)フェニル−1−プロパノール(0.196
g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 2.65-2.90(m, 2H), 2.95-3
4.15(m, 2H),3.42(m, 2H), 4.06-3.90(m, 1H),4.30-4.4
6(m, 1H),5.00(s, 1H), 5.98-6.12(m, 1H), 6.76(d, J=
8.4Hz, 2H), 6.88(m, 1H), 7.00(d, J=8.4Hz, 2H), 7.1
5-7.50(m, 10H), 8.57(s, 1H).
【0059】参考例3.(2S)−2−((S)−シク
ロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプ
ロピオニルアミノ)−3−フェニル−1−プロパノール
【0060】
【化16】
【0061】(S)−2−アミノ−3−フェニル−1−
プロパノール(1.000g,6.6mmol)、(L)
−N-シクロヘキシルメトキシカルボニルフェニルアラ
ニン(2.013g,6.6mmol)およびジシクロヘ
キシルカルボジイミド(1.869g,9.1mmol)
を用いて参考例1と同様の条件下で反応を行い、(2
S)−2−((S)−シクロヘキシルメトキシカルボニ
ルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3−フ
ェニル−1−プロパノール(1.015g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 0.80-0.84(m, 11H), 2.15
(m, 1H), 2.76(m, 2H), 2.87-3.15(m, 2H), 3.30-3.55
(m, 2H), 3.86(d, J=6.3Hz, 2H), 3.98-4.18(m, 1H),
4.30(m, 1H), 5.20(m, 1H), 5.95(s, 1H), 7.00-7.40
(m, 10H).
【0062】参考例4.(2S)−2−((S)−シク
ロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプ
ロピオニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−プロパノール
【0063】
【化17】
【0064】(S)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−プロパノール(0.383g,2.3
mmol)、(L)−N−シクロヘキシルメトキシカル
ボニルフェニルアラニン(0.697g,2.30mmo
l)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.709
g,3.4mmol)を用いて参考例1と同様の条件下
で反応を行い、(2S)−2−((S)−シクロヘキシ
ルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プ
ロパノール(0.621g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 0.90-1.85(m, 11H), 2.65-
2.75(m, 2H), 2.86-3.15(m, 2H), 3.40(m, 2H), 3.82
(m, 2H), 3.90-4.10(m, 1H), 4.25-4.45(m, 1H), 5.80
(m, 1H), 6.73(d, J=8.3Hz, 2H), 6.92(m, 1H), 7.01
(d, J=8.3Hz, 2H), 7.13-7.35(m, 5H), 8.60(brs, 1H).
【0065】参考例5.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−メトキシフェニル)−1−プロ
パノール
【0066】
【化18】
【0067】参考例2の化合物(0.080g,018
mmol)のアセトン(1.0ml)溶液に炭酸カリウ
ム(0.025g0.18mmol)とヨウ化メチル
(0.013ml0.21mmol)を加え、60℃で2
7時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル(2:1))で単離精製し、(2S)−2−
((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェ
ニルプロピオニルアミノ)−3−(4−メトキシフェニ
ル)−1−プロパノール(0.030g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 2.74(d, J=7.6Hz, 2H), 3.0
2(m, 2H), 3.40(m, 2H),3.76(s, 3H), 3.90-4.10(m, 1
H), 4.30-4.50(m, 1H), 5.60(s, 2H), 5.73-5.90(m, 1
H), 6.65-6.86(m, 1H), 6.80(d, J=8.6Hz, 2H), 7.10
(d, J=8.6Hz, 2H), 7.15-7.42(m, 10H).
【0068】参考例6.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−ブトキシフェニル)−1−プロ
パノール
【0069】
【化19】
【0070】参考例2の化合物(0.080g,018
mmol)およびヨウ化ブチル(0.024ml,0.2
1mmol)を用いて参考例5と同様の条件下で反応を
行い、(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3−
(4−ブトキシフェニル)−1−プロパノール(0.0
49g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ0.96(t, J=7.3Hz, 3H), 1.48
(m, 2H), 1.75(m, 2H),2.65(m, 2H), 2.90-3.10(m, 2
H), 3.40(m, 2H), 3.89(t, J=6.5Hz, 2H), 3.95-4.10
(m, 1H), 4.25-4.45(m, 1H), 5.07(s, 2H), 5.38(m, 1
H), 5.90(m, 1H), 6.70(d, J=8.6Hz, 2H), 6.18(d, J=
8.6Hz, 2H), 7.10-7.40(m, 10H).
【0071】参考例7-1.(3S)−3−(N−
(1,1-ジメチルエトキシカルボニル)アミノ)−4
−フェニル−2−ブタノール
【0072】
【化20】
【0073】アルゴン雰囲気下、(S)−2−(N−
(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)アミノ)−3
−フェニル−1−プロパナール(0.175g,0.70
mmol)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液に、メ
チル臭化マグネシウム-エチルエーテル(3.0M)溶液
(0.7ml,2.1mmol)を−78℃で滴下した。
−78℃から室温で93時間攪拌し、酢酸エチルで抽出
し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去し、(3S)−3−(N−(1,1−ジ
メチルエトキシカルボニル)アミノ)−4−フェニル−
2−ブタノール(0.190g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 1.21(d, 3H), 1.40(s, 9H),
2.62-2.98(m, 2H), 3.53-4.00(m, 2H), 4.50-4.85(m,
1H), 7.05-7.40(m, 5H).
【0074】参考例7-2.(3S)−3−((S)−
ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピ
オニルアミノ)−4−フェニル−2−ブタノール
【0075】
【化21】
【0076】(3S)−3−(N−(1,1-ジメチル)
エトキシカルボニルアミノ)−4−フェニル−2−ブタ
ノール(0.144g,0.5mmol)の1,4−ジオ
キサン(1ml)溶液に、塩酸の1,4−ジオキサン
(8.0M)溶液(0.9ml)を加えた。室温で30分
攪拌し、溶媒を留去し、(3S)−3−アミノ−4−フ
ェニル−2−ブタノール塩酸塩(0.161g)を得
た。アルゴン雰囲気下にて、(3S)−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノール塩酸塩(0.161g,0.
7mmol)、(L)−N−ベンジルオキシカルボニル
フェニルアラニン(0.274g,0.9mmol)、ト
リエチルアミン(0.098ml,0.7mmol)のテ
トラヒドロフラン(1.5ml)の溶液に、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(0.198g,1.0mmol)
のテトラヒドロフラン(0.5ml)溶液を滴下した。
室温で37時間攪拌し、溶媒を留去した後、酢酸エチル
に溶かして不溶物を濾過し、溶媒を留去した。シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)で単離精製し、(3S)−3−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−4−フェニル−2−ブタノール(0.08
5g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 0.94(d, J=6.4Hz, 2H), 2.7
8(m, 2H), 3.00(d, J=7.0Hz, 2H), 3.70(m, 1H), 3.94
(m, 1H), 4.35(m, 1H), 5.08(s, 2H), 5.14(m, 1H), 6.
03(m, 1H), 7.0-7.4(m, 15H). MS (m/e): 447(M++1).
【0077】合成例1.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−フェニル−1−プロパナール
【0078】
【化22】
【0079】アルゴン雰囲気下、(2S)−2−
((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェ
ニルプロピオニルアミノ)−3−フェニル−1−プロパ
ノール(0.216g,0.5mmol)のジクロロメタ
ンとジメチルスルホキシド(1:1,0.8ml)の溶
液にトリエチルアミン(0.2ml,1.5mmol)を
加え、氷冷後、ピリジンスルホン酸錯体(0.239
g,1.5mmol)のジクロロメタンとジメチルスル
ホキシド(1:1,0.12ml)の溶液を加えた。反
応液を室温で40分間攪拌した後、氷水(16ml)を
加え、酢酸エチルで抽出し、クエン酸、水、重曹水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3−フ
ェニル−1−プロパナール(0.171g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 3.04(d, J=6.6Hz, 4H), 4.4
1(m, 1H), 4.58(m, 1H),5.07(m, 2H), 5.13-5.35(br m,
1H), 6.20-6.40(br d, 1H), 6.90-7.45(m, 15H), 9.45
(s, 1H). MS (m/e): 430(M+).
【0080】合成例2.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プ
ロパナール
【0081】
【化23】
【0082】(2S)−2−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)
−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノール
(0.190g,0.42mmol)およびピリジンスル
ホン酸錯体(0.202g,1.3mmol)を用いて合
成例1と同様の条件下で反応を行い、(2S)−2−
((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェ
ニルプロピオニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシ)フ
ェニル−1−プロパナール(0.131g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 200MHz):δ 2.97(d, J=6.5Hz, 2H), 3.0
0-3.14(m, 2H), 4.42(m,1H), 4.55(dd, J=6.5Hz, J=13.
2Hz), 5.08(s, 2H), 5.25(m, 1H), 6.26(m, 1H), 6.68
(d, J=8.4Hz, 2H), 6.86(d, J=8.4Hz, 2H), 7.12-7.40
(m, 10H), 9.45(s,1H). MS (m/e): 446(M+).
【0083】合成例3.(2S)−2−((S)−シク
ロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプ
ロピオニルアミノ)−3−フェニル−1−プロパナール
【0084】
【化24】
【0085】(2S)−2−((S)−シクロヘキシル
メトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニル
アミノ)−3−フェニル−1−プロパノール(0.30
0g,0.68mmol)およびピリジンスルホン酸錯
体(0.327g,2.1mmol)を用いて合成例1と
同様の条件下で反応を行い、(2S)−2−((S)−
シクロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニ
ルプロピオニルアミノ)−3−フェニル−1−プロパナ
ール(0.311g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 0.92(m, 4H), 1.18(m, 6H),
1.57(m, 1H), 3.06(d,J=6.4Hz, 4H), 3.84(d, J=6.4H
z, 2H), 4.40(m, 1H), 4.59(m, 1H), 5.09(m, 1H), 6.3
0(m, 1H), 7.00-7.41(m, 10H), 9.46(s, 1H). MS (m/e): 436(M+).
【0086】合成例4.(2S)−2−((S)−シク
ロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプ
ロピオニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−プロパナール
【0087】
【化25】
【0088】(2S)−2−((S)−シクロヘキシル
メトキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニル
アミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロ
パノール( 0.051g,0.11mmol)およびピ
リジンスルホン酸錯体(0.179g,1.10mmo
l)を用いて合成例1と同様の条件下で反応を行い、
(2S)−2−((S)−シクロヘキシルメトキシカル
ボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパナール
(0.066g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 0.19(m, 4H), 1.11-1.30(m,
6H)1.57(m, 1H), 2.99(d, J=6.3Hz, 2H), 3.05(d, J=
6.5Hz, 2H), 3.85(m, 2H), 4.34-4.46(m, 1H), 4.52-4.
62(m, 1H), 5.14-5.28(m, 1H), 6.42(d, J=6.8Hz, 1H),
6.70(d, J=8.4Hz,2H), 6.87(d, J=8.4Hz, 2H), 7.19-
7.34(m, 5H), 9.45(s, 1H). MS (m/e): 452(M+).
【0089】合成例5.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(-4-メトキシフェニル)−1−プロ
パナール
【0090】
【化26】
【0091】(2S)−2−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)
−3−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノール
( 0.042g,0.09mmol)およびピリジンス
ルホン酸錯体(0.145g,0.27mmol)を用い
て合成例1と同様の条件下で反応を行い、(2S)−2
−((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フ
ェニルプロピオニルアミノ)−3−(4−メトキシ)フ
ェニル−1−プロパナール(0.045g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 2.98(m, 2H), 3.04(m, 2H),
3.75(s, 3H), 4.44(m,1H), 4.54(m, 1H), 5.06(s, 2
H), 5.36(m, 1H), 6.40(m, 1H), 6.77(d, J=8.6Hz, 2
H), 6.94(d, J=8.6Hz, 2H), 7.10-7.42(m, 10H), 9.44
(s, 1H). MS (m/e): 461(M++1).
【0092】合成例6.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−ブトキシフェニル)−1−プロ
パナール
【0093】
【化27】
【0094】(2S)−2−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)
−3−(4−ブトキシフェニル)−1−プロパノール
( 0.017g,0.033mmol)およびピリジン
スルホン酸錯体(0.107g,0.67mmol)を用
いて合成例1と同様の条件下で反応を行い、(2S)−
2−((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−
フェニルプロピオニルアミノ)−3−(4−ブトキシフ
ェニル)−1−プロパナール(0.023g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 1.37(t, J=7.3Hz, 3H), 1.4
7(m, 2H), 1.74(m, 2H),2.96-3.18(m, 4H), 3.89(t, J=
6.5Hz, 2H), 4.46(m, 1H), 4.53(m, 1H), 5.06(s, 2H),
5.54(br-d, 1H), 6.63(br-d, 1H), 6.76(d, J=8.6Hz,
2H), 6.94(d, J=8.6Hz, 2H), 7.09-7.38(m, 10H), 9.45
(s, 1H).
【0095】合成例7.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1
−プロパナール
【0096】
【化28】
【0097】(2S)−2−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ)−3−フェニルプロピオニルアミ
ノ)−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−プロ
パノール(0.041g,0.08mmol)、ピリジ
ンスルホン酸錯体(0.121g,0.76mmmo
l)を用いて、合成例1と同様の条件下で反応を行い、
(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3−(4−
ベンジルオキシフェニル)−1−プロパナール(0.0
36g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 3.06(m, 2H), 4.47(m, 2H),
5.01(s, 2H), 4.91-5.16(m, 1H), 6.19(m, 1H), 6.89
(d, J=8.6Hz, 2H), 7.03(d, J=8.6Hz, 2H), 7.14-7.50
(m, 10H), 9.48(s, 1H). MS (m/e): 536(M+).
【0098】合成例8.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−1−プロパナール
【0099】
【化29】
【0100】(2S)−2−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)
−1−プロパノール(1.0g,2.80mmol)、
ピリジンスルホン酸錯体(2.233g,14.0mm
mol)を用いて、合成例1と同様の条件下で反応を行
い、(2S)−((S)−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−1−プロパ
ナール(0.473g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 0.88(m, 3H), 3.04(dd, J=
7.32, J=13.73Hz, 1H), 3.16(m, 1H), 4.36(m, 1H), 4.
46(m, 1H), 5.09(s, 2H), 5.32(m, 1H), 6.31(m,1H),
7.16-7.40(m, 10H), 9.38(s, 1H). MS (m/e): 355(M++1).
【0101】合成例9.(2S)−2−((S)−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニ
ルアミノ)−4−メチル−1−ペンタナール
【0102】
【化30】
【0103】(2S)−2−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)
−4−メチル−1−ペンタノール(0.867mmo
l,2.20mmol)、ピリジンスルホン酸錯体
(1.787g,11.2mmmol)を用いて、合成
例2と同様の条件下で反応を行い、(2S)−2−
((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェ
ニルプロピオニルアミノ)−4−メチル−1−ペンタナ
ール(0.898g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 0.89(d, J=5.7Hz, 3H), 0.9
0(d, J=5.5Hz, 3H), 1.27-1.41(m, 2H), 1.54-1.65(m,
1H), 3.06(dd, J=7.3Hz, J=13.8Hz, 1H), 3.15(dd, J=
6.3Hz, J=13.8Hz, 1H), 4.38-4.52(m, 2H), 5.10(s, 2
H), 5.35(br-d, 1H), 6.22(br-d, 1H), 7.16-7.39(m, 1
0H), 9.39(s, 1H). MS (m/e): 397(M++1).
【0104】合成例10.(2S)−2−((S)−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオ
ニルアミノ)−3−フェニルプロパナールオキシム
【0105】
【化31】
【0106】合成例1の化合物(0.040g,0.09
2mmol)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液に、
氷冷後、ヒドロキシアミン塩酸塩(0.096ml,0.
096mmol)と炭酸水素ナトリウム(0.040
g)を加えた。反応液を室温で6時間攪拌した後、水を
加えて、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、(2S)
−2−((S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3
−フェニルプロピオニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ナールオキシム(0.030g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 2.96(brd, 2H), 3.06(brd,
2H), 3.51(m, 1H), 4.40(m, 1H), 4.79(m, 1H), 4.98
(m, 1H), 5.04(s, 2H), 6.39(m, 1H), 7.12-7.37(m, 15
H), 10.34(s, 1H). MS (m/e): 445(M+).
【0107】合成例11.(2S)−2−((S)−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオ
ニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ナールオキシム
【0108】
【化32】
【0109】合成例2の化合物(0.040g,0.09
0mmol)を用いて合成例10と同様の条件下で反応
を行い、(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3
−(4−ヒドロキシフェニル)プロパナールオキシム
(0.012g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 2.78-3.13(m, 4H), 5.02(d,
J=12.5Hz, 1H), 5.07(d, J=12.5Hz, 1H), 6.11(brd, 1
H), 6.73(d, J=8.5Hz, 2H), 6.96(d, J=8.5Hz, 2H), 7.
09(brd, 1H), 7.12-7.40(m, 10H), 8.61(s, 1H), 10.29
(brs, 1H). MS (m/e): 462(M++1).
【0110】合成例12.(2S)−2−((S)−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオ
ニルアミノ)−3−フェニルプロパナールオキシム−O
−メチルエーテル
【0111】
【化33】
【0112】合成例1の化合物(0.020g,0.05
0mmol)およびメトキシアミン(0.0078m
l,0.048mmol)を用いて合成例10と同様の
条件下で反応を行い、(2S)−2−((S)−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニル
アミノ)−3−フェニルプロパナールオキシム−O−メ
チルエーテル(0.009g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 2.81-2.89(m, 2H), 2.96-3.
04(m, 2H), 3.75(s, 3H), 4.37(m, 1H), 4.73(m, 1H),
5.09(s, 2H), 5.21-5.32(brd, 1H), 6.13-6.22(brd, 1
H), 7.05-7.39(m, 15H). MS (m/e): 459(M+).
【0113】合成例13.(2S)−2−((S)−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオ
ニルアミノ)−3−フェニルプロパナールオキシム−O
−アセチル
【0114】
【化34】
【0115】合成例10の化合物(0.025g,0.0
56mmol)の塩化メチレン(1ml)溶液を氷冷し
た 後、ピリジン(0.0068ml,0.084mmo
l)と無水酢酸(0.0055ml,0.059mmo
l)を加えた。反応液を室温で22時間攪拌した後、酢
酸エチルで抽出し、重曹水、クエン酸水溶液、飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去し、(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3
−フェニルプロパナールオキシム−O−アセチル(0.
025g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 2.12(s, 3H), 2.96(m, 2
H), 3.02(m, 2H), 4.38(m, 1H), 4.87(m, 1H), 5.07(s,
2H), 5.19(m, 1H), 6.41(brd, 1H), 7.06-7.40(m, 15
H), 7.57(d, 1H). MS (m/e): 488(M++1).
【0116】合成例14.(2S)−2−((S)−ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオ
ニルアミノ)−3−フェニルプロパナールエトキシカル
ボニルヒドラゾン
【0117】
【化35】
【0118】合成例1の化合物(0.040g,0.09
3mmol)のメタノールと水(3:1,2ml)溶液
に、エトキシカルボニルヒドラジン(0.025g,0.
22mmol)を加え、室温で19時間攪拌した。さら
に、エトキシカルボニルヒドラジン(0.012g,0.
11mmol)とメタノール(0.5ml)を加え、6
時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出し、水、炭酸ナトリ
ウム、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄し、
(2S)−2−((S)−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)−3−フェニ
ルプロパナールエトキシカルボニルヒドラゾン(0.0
21g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 1.29(t, J=7.1Hz, 3H), 2.8
8-3.10(m, 4H), 4.22(q,J=7.1Hz, 2H), 4.34-4.49(m, 1
H), 4.74(m, 1H), 4.98-5.11(m, 1H), 5.06(s,2H), 5.6
8(brd, 1H), 7.08(brd, 1H), 7.12-7.38(m, 15H), 9.34
(brs, 1H). MS (m/e): 517(M++1).
【0119】合成例15.(2S)−2−((S)−シ
クロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−フェニル
プロピオニルアミノ)−3−フェニルプロパナールエト
キシカルボニルヒドラゾン
【0120】
【化36】
【0121】合成例3の化合物(0.040g,0.09
2mmol)を用いて合成例14と同様の条件下で反応
を行い、(2S)−2−((S)−シクロヘキシルメト
キシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミ
ノ)−3−フェニルプロパナールエトキシカルボニルヒ
ドラゾン(0.009g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 0.90(m, 3H), 1.19(m, 4H),
1.29(t, J=7.1Hz, 3H),1.68(m, 4H), 2.89(m, 2H), 3.
03(m, 2H), 3.77(m, 2H), 3.84(m, 1H), 4.21(q, J=7.1
Hz, 2H), 4.38(m, 1H), 4.74(m, 1H), 5.73(m, 1H), 7.
12-7.36(m, 10H), 9.98(brs, 1H). MS (m/e): 523(M++1).
【0122】合成例16. (3S)−3−((S)−
ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピ
オニルアミノ)−4−フェニル−2−オキソブタン
【0123】
【化37】
【0124】(3S)−3−((S)−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−フェニルプロピオニルアミノ)
−4−フェニル−2−ブタノール(0.020g,0.0
4mmol)のジメチルスルホキシド(0.2ml)溶
液に、無水酢酸(0.090ml)を加え、室温で25
時間攪拌し、エタノール(3ml)を加え、さらに室温
で1時間攪拌した後、溶媒を留去した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)で単離精製し、 (3S)−3−((S)−
ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロピ
オニルアミノ)−4−フェニル−2−オキソブタン
(0.009g)を得た。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):δ 2.03(s, 3H), 2.90-3.09(m,
4H), 4.35-4.46(m, 1H), 4.72(m, 1H), 5.07(s, 2H),
5.23(m, 1H), 6.41(m, 1H), 7.01(m, 2H), 7.10-7.40
(m, 13H). MS (m/e): 445(M++1).
【0125】
【試験例1】 チオールプロテアーゼ阻害活性の測定 カテプシンL及びB(カルビオケム社)の阻害活性は文
献(Biochemical Journal, 1982, 201, 189.)に記録さ
れた方法に準じて測定した。 m−カルパイン(カルビ
オケム社)の阻害活性は文献(Journal of Biological
Chemistry, 1984, 256, 12489.)に記録された方法に準
じて測定した。その結果を表1に示す。
【0126】
【表5】 表5. チオールプロテアーゼ阻害活性 ─────────────────────────────── ペプチド 50%酵素阻害濃度(IC50)(μg/mL) 誘導体 m−カルパイン カテプシンL カテプシンB ─────────────────────────────── 合成例1 0.045 0.00032 0.030 合成例2 0.120 0.00056 0.055 合成例3 0.100 0.00132 0.030 合成例4 0.046 0.00051 0.017 合成例5 0.078 0.00220 0.072 合成例6 0.060 0.00520 0.630 合成例7 --- 0.045 1.030 合成例8 --- 0.007 0.021 合成例9 0.045 0.00044 0.010 合成例10 4.50 0.0213 2.63 合成例11 1.90 0.310 >10 合成例12 >100 0.490 >10 合成例13 1.80 0.028 2.56 合成例14 2.40 0.015 1.27 合成例15 6.40 0.021 1.22 合成例16 --- 0.180 >10 ───────────────────────────────
【0127】
【試験例2】 骨吸収抑制作用 16日鶏胚から頭蓋骨を無菌的に取り出し、PBS(-)で洗
浄して完全合成培地、BGJb、1mLを含むプレート(24
well)で一日培養した後、45Ca(0.5mCi/mL)を含む培
地(1mL)の中で2時間放射能標識した。その後、さら
45Caを含まない培地中で一日培養した。骨を取り出
し、PTH(シグマ社、ヒトPTH1-13)単独あるいは、PT
H及び試験化合物を含む培地で3日間培養した後、培溶
液100μlを取り、骨から放出された45Caを液体シ
ンチレーションカウンターで測定した。骨はPBS(-)で2
回洗浄し、1M塩酸(1mL)の中に12時間放置した
後、骨の中の残存45Ca(100μl)を液体シンチレ
ーションカウンターで測定した。各試験化合物はDMSOに
溶解させ、その5μlを、PTHはPBS(-)にとかし、その
10μlをそれぞれの培養液に加えた。一個体の両側の
頭蓋骨の内、片方をコントロール、残りを試験群として
用いた。一群に用いられた頭蓋骨は4ー5個である。培
養は空気95%、二酸化炭素5%の雰囲気中37℃で行
った。45Caの放出率とその抑制%は下記式より算出し
た。
【0128】
【数1】 骨吸収抑制(%)= [1−(Cp - Ct)/(Cp -
Co)] X 100 Cp:PTH添加群の45Ca放出率(%) Ct:PTH+試験化合物45Ca放出率(%) Co:コントロールの45Ca放出率(%)
【0129】その結果を表2に示す。
【0130】
【表6】表6. 骨吸収阻害活性 ─────────────────────── ペプチド誘導体 化合物 濃度(μg/mL) 抑制率(%) ─────────────────────── 合成例1* 10 42±9 合成例2* 10 51±16 合成例2* 50 99±16 合成例4** 10 51±35 合成例7** 10 88±14 合成例9** 10 89±33 合成例10* 10 37±1 合成例14* 10 39±8 ─────────────────────── * PTHの使用量=20ng/mL ** PTHの使用量=100ng/mL
【0131】試験例3. 骨吸収抑制試験 ddYマウス(4週齢、雌)をA、B、Cの3群(1群
5匹)に分け、A群およびC群には卵巣摘出手術を、B
群には卵巣摘出擬手術を施した。手術後4週間にわた
り、C群には10mg/kg/日の実施例2,10で得
られたペプチド誘導体を1日1回腹腔内投与した。手術
の4週間後に体重を測定した後、大腿骨を取り出し、筋
肉や靱帯を除去し、60℃で12時間乾燥させた後、重
量を測定した。大腿骨量は、下式に示すように体重に対
する大腿骨重量の比で表わした。
【0132】
【数2】大腿骨量 = 左右の大腿骨重量の平均値(m
g)/体重(g)
【0133】
【表7】 表7. 大腿骨吸収抑制試験結果 ────────────────────────────────── 大腿骨量(mg/g) 試験群 合成例2の生成物 合成例10の生成物 ────────────────────────────────── A群:卵巣摘出群 1.43±0.09 1.37±0.11 B群:擬手術群 1.56±0.07** 1.72±0.09** C群:摘出+化合物投与群 1.52±0.06** 1.48±0.03** ────────────────────────────────── **P<0.05
【0134】以上のように、合成例2で得られたペプチ
ド誘導体は卵巣摘出による骨量減少を約70%抑制し、
合成例10で得られたペプチド誘導体は約30%抑制し
た。
【0135】
【発明の効果】本発明に係る置換ペプチド誘導体はチオ
ールプロテアーゼに強い阻害作用を有することから、各
種のチオールプロテアーゼの異常な活性化による様々な
疾患、例えば筋ジストロフィー、筋萎縮症、虚血性疾患
(心筋梗塞、脳梗塞)、アルツハイマー病、白内障、種
々の炎症性疾患、アレルギー性疾患、劇症肝炎、骨粗鬆
症、高カルシウム血症などに対する治療薬として有用で
ある。また、骨吸収を阻害し、骨粗鬆症の予防薬及び治
療薬としてとくに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/27 ACS ADD AED 9455−4C (72)発明者 辻 智子 神奈川県横浜市金沢区能見台6丁目12−2 (72)発明者 近藤 聖 神奈川県大和市中央林間5−16−4

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は置換基を有してもよいC3〜C6のシクロ
    アルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基または置
    換基を有してもよいC7〜C14のアラルキル基を表わ
    し、R2は水素原子、C1〜C6のアルキル基、ハロゲン
    原子、ヒドロキシル基、C1〜C6のアルコキシ基または
    7〜C14のアラルキルオキシ基を表わし、R3はC1
    6のアルキル基または置換基を有してもよいC7〜C14
    のアラルキル基を表わし、Xは酸素原子、R4ONまた
    はR4(R5)NN(R4およびR5は独立に水素原子、C
    1〜C6のアルキル基、C7〜C14のアラルキル基、C2
    6のアルコキシカルボニル基またはC1〜C4のアシル
    基を表わす。)を表わし、Yは水素原子またはC1〜C6
    のアルキル基を表わす。]で表わされるペプチド誘導体
    を有効成分とする、チオールプロテアーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 Xが酸素原子を表わし、Yが水素原子を
    表わす、請求項1記載のチオールプロテアーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) 【化2】 [式中、R1は置換基を有してもよいC3〜C6のシクロ
    アルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基または置
    換基を有してもよいC7〜C14のアラルキル基を表わ
    し、R2は水素原子、C1〜C6のアルキル基、ハロゲン
    原子、ヒドロキシル基、C1〜C6のアルコキシ基または
    7〜C14のアラルキルオキシ基を表わし、R3はC1
    6のアルキル基または置換基を有してもよいC7〜C14
    のアラルキル基を表わし、Xは酸素原子、R4ONまた
    はR4(R5)NN(R4およびR5は独立に水素原子、C
    1〜C6のアルキル基、C7〜C14のアラルキル基、C2
    6のアルコキシカルボニル基またはC1〜C4のアシル
    基を表わす。)を表わし、Yは水素原子またはC1〜C6
    のアルキル基を表わす。]で表わされるペプチド誘導体
    を有効成分とする、骨吸収阻害剤。
  4. 【請求項4】 Xが酸素原子を表わし、Yが水素原子を
    表わす、請求項3記載の骨吸収阻害剤。
  5. 【請求項5】 下記一般式(2) 【化3】 [式中、R1は置換基を有してもよいC3〜C6のシクロ
    アルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基または置
    換基を有してもよいC7〜C14のアラルキル基を表わ
    し、R2およびR6は独立に水素原子、C1〜C6のアルキ
    ル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6のアル
    コキシ基またはC7〜C14のアラルキルオキシ基を表わ
    し、Yは水素原子またはC1〜C6のアルキル基を表わ
    す。ただし、Yが水素原子のときは、R6はC1〜C6
    アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6
    のアルコキシ基またはC7〜C14のアラルキルオキシ基
    を表わす。]で表わされるペプチド誘導体。
  6. 【請求項6】 下記一般式(3) 【化4】 [式中、R1は置換基を有してもよいC3〜C6のシクロ
    アルキル基で置換されたC1〜C6のアルキル基または置
    換基を有してもよいC7〜C14のアラルキル基を表わ
    し、R2は水素原子、C1〜C6のアルキル基、ハロゲン
    原子、ヒドロキシル基、C1〜C6のアルコキシ基または
    7〜C14のアラルキルオキシ基を表わし、R3はC1
    6のアルキル基または置換基を有してもよいC7〜C14
    のアラルキル基を表わし、X'はR4ONまたはR
    4(R5)NN(R4およびR5は独立に水素原子、C1
    6のアルキル基、C7〜C14のアラルキル基、C2〜C6
    のアルコキシカルボニル基またはC1〜C4のアシル基を
    表わす。)を表わし、Yは水素原子またはC1〜C6のア
    ルキル基を表わす。]で表わされるペプチド誘導体。
JP22911894A 1994-09-26 1994-09-26 チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体 Pending JPH0892193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22911894A JPH0892193A (ja) 1994-09-26 1994-09-26 チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22911894A JPH0892193A (ja) 1994-09-26 1994-09-26 チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0892193A true JPH0892193A (ja) 1996-04-09

Family

ID=16887034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22911894A Pending JPH0892193A (ja) 1994-09-26 1994-09-26 チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0892193A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1616859A1 (en) 1998-11-12 2006-01-18 Seikagaku Corporation Substituted cyclohexyl carboxylic acid compounds
US7342027B2 (en) 2002-07-26 2008-03-11 Yuhan Corporation 1-phenylpiperidin-3-one derivatives and processes for the preparation thereof
US20110263486A1 (en) * 2006-08-10 2011-10-27 4Sc Ag Inhibitors of Cancer Cell, T-Cell and Keratinocyte Proliferation

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1616859A1 (en) 1998-11-12 2006-01-18 Seikagaku Corporation Substituted cyclohexyl carboxylic acid compounds
EP1619189A1 (en) 1998-11-12 2006-01-25 Seikagaku Corporation N-(3-acyl-2-hydroxyalkyl) cycloalkyl amide derivatives
US7342027B2 (en) 2002-07-26 2008-03-11 Yuhan Corporation 1-phenylpiperidin-3-one derivatives and processes for the preparation thereof
US20110263486A1 (en) * 2006-08-10 2011-10-27 4Sc Ag Inhibitors of Cancer Cell, T-Cell and Keratinocyte Proliferation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU200981B (en) Process for production of derivatives of gamma-delta-unsaturated carbon
EP0434365A2 (en) HIV protease inhibitors useful for the treatment of aids
JPH11511137A (ja) コラーゲンの過剰生産に関係した疾患を治療するためのc−プロテイナーゼ阻害剤
US20080015358A1 (en) Fluorination Process of Protected Aminothiazole
TWI656120B (zh) 組織蛋白酶半胱胺酸蛋白酶抑制劑
EP3334737B1 (en) Substituted 1,2-dihydro-3h-pyrrolo[1,2-c]imidazol-3-one antibacterial compounds
EP0950046B1 (en) 3,4-disubstituted azetidin-2-one derivatives useful as cysteine proteinase regulators
EP1525193B1 (fr) Derives d'acylaminothiazole et leur utilisation comme inhibiteurs de beta-amyloide
JP3156794B2 (ja) 高水溶性メタロプロテイナーゼ阻害剤
WO2003014095A1 (fr) Derives d'acylaminothiazole, leur preparation et leur utilisation en therapeutique
JPH02207070A (ja) アミノ酸イミド誘導体、それを含有する医薬及び該化合物の製造中間体
JPH04210966A (ja) 新規化合物、その製法及びそれを含む医薬組成物
EP1650186A1 (en) Novel dicarboxylic acid derivatives
JPH04235162A (ja) 新規コハク酸アミド誘導体およびそれを含有する医薬
JPH06192199A (ja) ケトン誘導体
JP3576193B2 (ja) ビフェニルメチル置換バレリルアミド誘導体
JPH0892193A (ja) チオールプロテアーゼ阻害剤および骨吸収阻害剤、ならびにペプチド誘導体
US7582797B2 (en) Derivatives of 4,4′-dithiobis-(3-aminobutane-1-sulfonates) and compositions comprising the same
EP1590337B1 (fr) Derives d' acylaminothiazole, leur preparation et leur utilisation en tant qu' inhibiteurs de la production du peptide beta-amyloide
JP4313678B2 (ja) ヒドロキサム酸誘導体およびそれを有効成分とするmmp阻害剤
JP3185700B2 (ja) ペプチジルアルデヒド誘導体およびその用途
JP2001139534A (ja) バリン誘導体およびその用途
EP0482797A1 (en) Inhibitors of HIV protease
JP2002371033A (ja) ω−アリール−α−置換脂肪酸誘導体
EP1246824B1 (fr) Derives de diazepine carboxamide, leur procede de preparation, leur application a titre de medicaments, compositions pharmaceutiques et leur utilisation