JPH0892146A - アルデヒド類の回収方法 - Google Patents

アルデヒド類の回収方法

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JPH0892146A
JPH0892146A JP6228354A JP22835494A JPH0892146A JP H0892146 A JPH0892146 A JP H0892146A JP 6228354 A JP6228354 A JP 6228354A JP 22835494 A JP22835494 A JP 22835494A JP H0892146 A JPH0892146 A JP H0892146A
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章夫 植田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィンをヒドロホルミル化反応させ、反
応生成液の分離操作によって得られるオフガスから、ア
ルデヒド類を選択的に、且つ、効果的に回収する方法を
提供する。 【構成】 炭素数2〜6のオレフィンを、3価有機燐化
合物を配位子とするロジウム錯体触媒の存在下、一酸化
炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させ、反応生成液
の分離操作によって得られる0kg/cm2 G〜6kg
/cm2 Gの圧力を有するオフガスを圧縮することによ
り、液状アルデヒドを回収することを特徴とするアルデ
ヒド類の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィンをロジウム
錯体触媒の存在下、ヒドロホルミル化反応させ、反応生
成液の分離操作によって得られるオフガスから、有効成
分であるアルデヒドを回収する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、トリフェニルホスフィン等の
3価有機燐化合物を配位子とするロジウム触媒の存在下
で、オレフィンのヒドロホルミル化反応を行う方法は知
られており、世界的に商業化されている。製造プロセス
に関しては、例えばケミカルエンジニアリング1977
年12月号110頁以下に記されており、ロジウム触媒
とトリフェニルホスフィンの存在下、ブチルアルデヒド
と高沸点アルデヒド縮合物からなる均一溶液にプロピレ
ンと合成ガスを供給して反応を行なわせ、ガス循環流と
ともに生成物を留去した後、再凝縮により生成物流を
得、この生成物流からストリッピングにより未反応プロ
ピレンを回収し、引続きブチルアルデヒドのノルマル体
とイソ体を精留分離する方法が開示されている。これは
一般にガス再循環プロセスと呼ばれている。
【0003】また、特開昭57−179131号公報で
は、ロジウム触媒によるヒドロホルミル化反応の際に得
られるガス状排出物を、冷却及び放圧することなく蒸留
塔に送入し、この塔頂留分を冷却器中で含有されるアル
デヒドの大部分が凝縮するまで冷却し、凝縮物を分離器
において気相と液相に分別し、この気相の廃ガスを圧縮
機により再び合成圧力まで圧縮した後、循環ガスとして
反応器に返送し、液相を蒸留塔に返送し、この塔からア
ルデヒドを液状の塔底排出物及び/又は蒸気状の側方排
出物として取り出す方法が開示されている。
【0004】特開昭59−137437号公報では、反
応器から液相及び気相から成るヒドロホルミル化混合物
を取り出し、脱ガス塔中で高温及び/又は低圧に短時間
さらし、同時に混合物の気相及び液相への分離を行な
い、気相を生成物分離器中で生成物と循環ガスとに分離
し、循環ガスならびに脱ガス塔の液相を反応器に再供給
する方法が開示されている。
【0005】特願平5−138630号公報では、ヒド
ロホルミル化反応領域より取り出される未反応オレフィ
ン、アルデヒド生成物及び触媒を含む反応液を、一酸化
炭素及び水素と接触させて、ロジウム触媒を実質的に失
活させないで未反応オレフィンを該反応液から分離回収
し、回収された未反応オレフィンを一酸化炭素及び水素
と共にヒドロホルミル化領域に供給し、未反応オレフィ
ンを回収した後のアルデヒドを含んだ触媒液は蒸留等の
方法でアルデヒド生成物を分離し、溶媒や触媒を含む液
をヒドロホルミル化領域へ再循環する方法が開示されて
いる。
【0006】特開昭60−112733号公報では、触
媒として水および水溶性ロジウム−ホスフィン錯化合物
の存在下でヒドロホルミル化反応を行なわせ、反応生成
物を液相とガス相とに、また、液相を水性成分と有機成
分とにそれぞれ予め冷却することなしに分離し、触媒を
含有する液相の水性成分は反応器に戻し、液相の有機成
分はストリップ塔で一酸化炭素および水素で冷却し、さ
らに供給オレフィンと熱交換することで冷却し、次いで
廃ガスの形成下に放圧し分離器中で有機相と水相とに分
離した後、有機相を蒸留することによりアルデヒドを
得、廃ガスは冷水で洗浄し、洗浄水はストリップ塔塔底
に戻す方法が開示されている。
【0007】更に、特開昭61−218546号公報で
は反応器からの液体流出物の流れをフラッシュ蒸発器に
取り出し、そこで軽質気体ヒドロホルミル化成分を蒸発
させた後圧縮機にて圧縮して反応器に再循環させ、次い
で、蒸発器/分離器から成る生成物取出帯域において、
残りの液体流出部からアルデヒド生成物を蒸発させ、同
時に留去する若干のオレフィン、合成ガス及びその他の
ガスの1部をアルデヒドと共に凝縮させ、次いで、この
粗アルデヒド生成物の精留中に、前記ガスを回収して反
応器へ再循環するいわゆる液循環法が開示されている。
【0008】上述したように、ロジウムの燐化合物錯体
を触媒とするオレフィンのヒドロホルミル化反応プロセ
スとしては、液体循環プロセスやガス循環プロセス等多
数の方法が提案されてきた。これら従来の公知文献には
明確には記されていないが、当該技術に明るい技術者で
あれば、これら全ての方法に共通の問題点があることを
容易に認識し得るであろう。それは、すなわち原料オレ
フィン中に必ず含まれ、また反応中に生成するプロパン
等のパラフィン類や、合成ガス中に不純物として含まれ
るメタンや炭酸ガス等のイナートガスは、反応プロセス
内に蓄積するのを防ぐために、必ずプロセスの何れかの
流れから、系外にパージされなければならず、また、パ
ージに伴って、幾分かの有効成分としてのオレフィンと
アルデヒドのガスを同伴してしまう。そして、通常これ
らのパージされたガス(オフガス)は、フレアスタッフ
で放燃したり、燃料ガスとして使用され、有効成分が経
済的に著しく評価の低い方法で費やされることになる。
そして、このようなオフガス中の有効成分を効果的に回
収する方法については種々の改良が試みられている。
【0009】ドイツ特許DE3412336A1では、
プロピレンのヒドロホルミル化工程において廃ガスに含
まれるプロピレンを部分凝縮させ、精留を行なってプロ
ピレン留分を反応系へリサイクルする方法が開示されて
いる。しかしながら、この方法では装置及びランニング
コストが多大なものとなるため経済的な面で問題があ
る。また、特開平3−101633号公報では、ガス状
流にリサイクル触媒溶液を接触させて有効成分を吸収さ
せ、吸収した触媒成分を反応器へリサイクルする方法が
開示されている。この方法は、単位操作としては、前述
した特開昭60−112733号公報に記述されている
方法、つまり、廃ガスを反応溶媒である水により洗浄
し、洗浄水を系に戻す方法と本質的に同等である。
【0010】しかしながら、この方法はロスの多いガス
状流からロスを減ずる方法としては有効であるが、特開
平3−101633号公報において発明者らが述べてい
るように、プロパンをも回収してしまう。これはプロピ
レンとプロパンの沸点が非常に接近しており、プロパン
がわずかに重質サイドであるために、本来パージしたい
プロパンがプロピレン以上の効率で吸収されてしまうこ
とは容易に想像できることである。このように、吸収操
作のみでは、イナート成分のパージに伴うロス削減の目
的に対して、本質的な対策とはなっていない。
【0011】イナートパージに伴う有効成分のロスを効
果的に減らす一つの解決策が特開平3−204831号
公報に提案されている。すなわち、未反応オレフィンを
含むガス状流を、次工程のピストンフロー型流動特性を
示す第2反応器へ供給して反応させることにより、未反
応オレフィンのロスを著しく改善している。しかしなが
ら、オフガス中のもう1つの有効成分であるアルデヒド
の効果的な回収方法については、特開平3−20483
1号公報には開示されていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、オフ
ガス中の有効成分を回収する方法については、種々の改
良が試みられているが、特に、有効成分の1つであるア
ルデヒド類をオレフィン類を同伴せずに選択的に回収す
る方法についてはこれまで開示されておらず、特に、低
圧のオフガス中に含まれるアルデヒドを効率的に回収す
るには、冷却操作のみでは、アルデヒドの多くの損失が
生じていた。本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、オレフィンをヒドロホルミル化反応
させ、反応生成液の分離操作によって得られるオフガス
から、アルデヒド類をオレフィン類を同伴せずに選択的
に回収する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、ヒドロホルミル化反応系から
のオフガスで、0kg/cm2 G〜6kg/cm2 Gの
圧力を有するオフガスを圧縮することにより、液状アル
デヒドを効果的に回収する方法を確立し、本発明を完成
した。本発明の要旨は、炭素数2〜6のオレフィンを、
3価有機燐化合物を配位子とするロジウム錯体触媒の存
在下、一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応さ
せ、反応生成液の分離操作によって得られるオフガス中
に含まれるアルデヒド類を回収する方法において、0k
g/cm2 G〜6kg/cm2 Gの圧力を有するオフガ
スを2kg/cm2 G〜20kg/cm2 Gに圧縮する
ことにより、液状アルデヒドを回収することを特徴とす
るアルデヒド類の回収方法に存する。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0014】本発明において用いられるオレフィンとし
ては、炭素数2〜6を有するものであれば特に種類に限
定はなく、α−オレフィン又は内部オレフィンが用いら
れ、単品でも混合オレフィンとしても用いることができ
る。好適なオレフィンはプロピレンである。また、パラ
フィン類等の炭化水素を含むようなオレフィンの純度の
低い原料を使用することもできる。原料オレフィンは、
通常特別な前処理等を行うことなく用いられるが、触媒
毒として作用する硫黄分やハロゲン分又はジエン・トリ
エン類、過酸化物類等を従来公知の吸着、抽出、蒸留、
熱処理、膜分離等の方法により除去したものを用いても
よい。
【0015】ロジウムに配位する3価有機燐化合物及び
遊離の3価有機燐化合物としては、単座配位子又は多座
配位子としての能力を持つ有機燐化合物等が挙げられ
る。単座配位子を持つ有機燐化合物としては、トリブチ
ルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキ
ルホスフィン、トリフェニルホスフィン、フェニル基の
水素がスルホン基、ハロゲン等で置換されたトリアリー
ルホスフィン等のトリアリールホスフィン、トリシクロ
ヘキシルホスフィン、モノブチルジフェニルホスフィ
ン、ジプロピルフェニルホスフィン等のアルキルアリー
ルホスフィン、シクロアルキルアリールホスフィン、ア
ルキルシクロアルキルホスフィン等のホスフィン類等が
挙げられる。また、トリアルキルホスファイト、置換基
を有していてもよいトリフェニルホスファイト、トリナ
フチルホスファイト等のトリアリールホスファイト及び
アルキルアリールホスファイト等が用いられる。また、
多座配位子を持つ有機燐化合物としては、ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)プロパン、一般式
【0016】
【化1】
【0017】(R1 〜R4 はアルキル基、アリール基、
アルキルオキシ基又はアリールオキシ基、Yは2価の橋
かけ基であり、例えば酸素、硫黄、窒素等を含有してい
てもよい炭化水素基等である)等で示されるビスホスフ
ィン化合物及びビスホスファイト化合物等が挙げられる
が本発明は有機燐化合物の種類に限定されるものではな
い。これらの3価有機燐化合物は、2種以上を混合配位
子として用いることも可能であり、3価の有機燐化合物
とトリフェニルホスフィンオキシド等の5価の有機燐化
合物とを混合して用いることもできる。ロジウム錯体触
媒のロジウム源としては、ヒドリドカルボニルトリス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム、アセトキシビス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム錯体
の他に、ロジウムアセチルアセトナート、酢酸ロジウム
等の有機塩、硝酸ロジウム等の無機塩、酸化ロジウム等
の酸化物等も用いられる。
【0018】ロジウム源は直接ヒドロホルミル化反応器
に供給してもよいが、反応器外で一酸化炭素、水素及び
3価の有機燐化合物と共に、溶媒中で高められた温度・
圧力の条件下で反応させて、あらかじめロジウム錯体触
媒を調製しておくこともできる。触媒調製の際に使用す
る溶媒は、通常後述する反応溶媒の中から選ばれるが、
必ずしも反応溶媒と同一の溶媒でなくてもよい。調製条
件は、通常、ロジウム濃度が数ppm〜数重量%、3価
有機燐化合物とロジウムとの比率がP/Rh=10〜1
0000(モル比)、温度が60〜200℃、圧力が常
圧〜200kg/cm2 G、処理時間が数分〜10数時
間の範囲内で選択される。触媒調製の際の反応形式は回
分式でも連続式でもよい。
【0019】ヒドロホルミル化反応で使用する溶媒とし
ては、生成アルデヒドの縮合物やヘキサン、オクタン等
の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ブタノー
ル、オタクノール、ポリエチレングリコール等のアルコ
ール類、トリグライム等のエーテル類、ジオクチルフタ
レート等のエステル類、又は水等の触媒を溶解し反応に
悪影響を与えない溶媒を使用することができる。上記生
成アルデヒドの縮合物としては、具体的にはアルデヒド
の三量体や四量体等が挙げられる。また、原料オレフィ
ンと同炭素数を有するパラフィン類を用いてもよい。ヒ
ドロホルミル化反応条件としては、通常、水素分圧0.
1〜200kg/cm2 G、一酸化炭素分圧0.1〜2
00kg/cm2 G、全圧数kg/cm2 G〜300k
g/cm2 G、水素分圧/一酸化炭素分圧=0.1〜1
0、反応温度60〜200℃、Rh濃度は数重量ppm
〜数重量%、P(遊離有機燐配位子)/Rh=10〜1
0000(モル比)、反応時間数分〜10数時間の範囲
内で適宜選択される。
【0020】オレフィンのヒドロホルミル化反応は、通
常連続式の反応器に原料であるオレフィン、オキソガス
及び触媒液を連続的に供給し、上記ヒドロホルミル化反
応条件下にて実施されるが、回分式の反応器を使用する
こともできる。また、反応器の種類としては、撹拌槽
型、気泡塔型又はガスストリッピング型等を用いること
ができる。本発明においては、前述したヒドロホルミル
化反応により得られた反応生成液について分離操作を行
い、その際得られたオフガスを圧縮することにより、液
状アルデヒドを選択的に有効成分として回収する。分離
操作において発生するオフガスは、0kg/cm2 G〜
6kg/cm2 Gの圧力を有する低圧ガスであり、この
オフガスを2kg/cm2 G〜20kg/cm2 Gに圧
縮することにより、アルデヒドを回収する。
【0021】プロピレンのロスを最低限に押えたヒドロ
ホルミル化工程からのオフガスとしては以下の2つの性
質1)及び2)のものがある。 1)1つは前述した特開昭60−112733、特開平
4−273840及び特願平5−138630のよう
に、高圧下にてオレフィンを回収する(この時パラフィ
ンも回収される)プロセスの下流側、例えばアルデヒド
異性体分離帯域で得られる溶存ガスであって、イナート
成分が極めて少なく、合成ガスとアルデヒド蒸気を主成
分とするオフガスである。この場合、無視しえない量の
ブチルアルデヒドがオフガスに同伴される。 2)他の1つは特開平3−204831号公報に記載の
第2反応器に代表されるような、液循環プロセスの低圧
部で発生するオフガスであって、パラフィンの主要部分
とアルデヒド蒸気、合成ガス、オレフィン及びその他の
イナート成分を含むものであり、このオフガスにブチル
アルデヒドが同伴される。
【0022】前者のガス1)の場合、イナート成分が少
なく、有効成分としての合成ガスを主体とするため圧縮
設備を設けて回収することは十分に経済性が成り立ち、
従って、通常圧縮設備吐出ガスは反応器へ導かれる。こ
のように、反応系にガスを回収する場合は、圧縮後の吐
出ガスは冷却せずに気体のまま回収する方法をとると、
設備的に安価となる。後者の低圧部で発生するガス2)
は、反応系へ回収すると反応系にイナート成分が蓄積す
るため、圧縮設備は通常2kg/cm2 G以上まで圧縮
し、アルデヒドの大部分をアルデヒド精留工程へフィー
ドして回収し、ガス成分は燃料ガスとして使用する。こ
の程度の圧縮であればガス成分はフレアースタッフへ放
燃するとしても、アルデヒドの回収効果のみで十分経済
性が成り立つ。なお、前者のガス1の場合でも経済性評
価しだいで、後者2)と同様にガス成分を放熱してもか
まわない。したがって、経済性を考慮すると、本発明に
おいてオフガスの発生する分離操作としては、ヒドロホ
ルミル化反応生成液を、蒸留により生成アルデヒド混合
物と触媒液とに分離する操作を含むことが好ましい。ま
た、上記分離操作としては、生成アルデヒド混合物か
ら、蒸留により各異性体を分離する操作を含むことが好
ましい。
【0023】本発明における圧縮操作に関わる設備につ
いて以下に説明する。本発明において得られるオフガス
は、圧縮機に供給する前に圧縮機保護のための吸入セパ
レータを通してもよい。本発明で使用する圧縮機として
は、圧縮比が大きく流量の小さいものが使用され、形式
としてはレシプロ(往復動)圧縮機を使用するのが好ま
しい。また、アルデヒドへの機械油の混入を避けるた
め、無給油又はセミ無給油タイプの圧縮機を用いるのが
良く、接ガス部にはステンレスを用いるかメッキを施す
のが腐食防止の点から好ましい。
【0024】圧縮は断熱的(ポリトロープ圧縮)に行わ
れるため、高温となった吐出ガスからアルデヒドを凝縮
するために、熱交換器等の吐出ガスクーラーを設けるこ
とが好ましい。吐出ガスの冷却温度としては45℃以下
がよく、30〜45℃とするのが更に好ましい。更に、
圧縮により、気液混合相となった吐出ガスからアルデヒ
ドを回収するためには、セパレータを設けることが必要
である。セパレータで分離した回収アルデヒド中には、
プロセスによっては多量の溶存ガスを含んでおり、その
後タンクに保存する場合には、この溶存ガスが発生し、
アルデヒドのロスになることがある。従って、回収アル
デヒドを吸入セパレータ等に戻し、フラッシュさせてか
らアルデヒドタンクに回収する方法や、回収アルデヒド
を蒸留塔に戻して脱ガスする方法をとってもよい。ま
た、回収アルデヒドは、反応系もしくはアルデヒド精留
工程へ回収してもよい。また、圧縮後の吐出ガスの圧力
が6kg/cm2 G〜20kg/cm2 Gの場合には、
吐出ガスは反応系に回収するとよく、4kg/cm2
〜6kg/cm 2 Gの場合には系外に放出するのがよ
い。
【0025】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。以下の実施例では、最も
一般的なプロピレンのヒドロホルミル化反応をロジウム
−トリフェニルホスフィン系錯体触媒を用いて行ない、
ノルマルブチルアルデヒドとイソブチルアルデヒドを生
成比率約10で得る場合を示す。各実験は、良く吟味さ
れた物性を用い、化学工学的単位操作を数式で表現し、
プロセスのマスバランスを正確に求めることのできるコ
ンピュータシミュレーションにて実施した。
【0026】実施例1 図1に示したフローでコンピュータシミュレーションを
行なった。以下に図1のプロセスフローを説明する。触
媒はトルエン溶媒に大過剰のトリフェニルホスフィン及
びロジウム触媒が均一に溶解した液状であり、ヒドロホ
ルミル化反応器3、ストリッパー4、蒸留塔10の間を
リサイクルする。管路1によりプロピレン6.5kg/
H(1mol%のプロパンを不純物として含む)が反応
器3へ仕込まれ、ブチルアルデヒドが生成する。反応は
100℃、全圧17kg/cm2 Gで行なわれ、プロパ
ン等のイナートガス成分の蓄積を防ぎ、反応器の一酸化
炭素分圧を制御し、ブチルアルデヒドのノルマル体/イ
ソ体比を約10とするよう管路7からパージを取る。反
応液は溶存ガスとともに管路5を経て、ストリッパー4
へ仕込まれる。スリッパー4はほぼ反応器と同圧に維持
し、反応液は断熱的に合成ガス2と向流接触し、プロピ
レンを含む溶存ガスは、合成ガスと共に管路6にて反応
器へ回収される。合成ガス2は水素及び一酸化炭素合計
純度98.9mol%、水素/一酸化炭素比1.02で
二酸化炭素、メタン、水分、窒素を不純物として含み、
反応消費見合いで系の圧力を一定とするように供給され
る。
【0027】ほぼ合成ガスのみを溶存するストリッパー
塔底液は、管路8を経て常圧の蒸留塔10へ仕込まれ、
塔頂パージガス11、ブチルアルデヒド12と触媒液9
とに分離される。触媒液9は反応器3へリサイクルす
る。塔頂パージガス11は42℃で凝縮器を出たあと、
往復動圧縮機13にて20kg/cm2 Gまで昇圧さ
れ、冷却器14で40℃に冷却される。凝縮した液状ブ
チルアルデヒドは、セパレータ15で分離され管路17
を経て粗アルデヒドとして回収される。ガス成分は管路
16にて反応系へ回収される。シミュレーションの結果
を表−1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】比較例1 図1のプロセスフローから、本発明の圧縮回収システム
を削除した図2のプロセスフローについて、圧縮回収シ
ステム以外は、実施例1と同様の条件下でシミュレーシ
ョンを行なった。結果を表−2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例2 図3に示したフローでコンピュータシミュレーションを
行った。以下に図3のプロセスフローを説明する。ヒド
ロホルミル化反応器3、ストリッパー4、蒸留塔10は
実施例1と同条件で操作される。パージガス7は、さら
にプロピレン効率を上げる為に、多段に仕切られた気泡
塔型ヒドロホルミル化反応器22へ仕込まれる。反応に
必要な合成ガスと触媒は各々管路19及び管路21にて
仕込まれる。反応器22は反応器3と同温、同圧で操作
される。反応液は冷却器23にて60℃迄冷却され気液
分離器26へ導かれる。気液分離器にて分離されたガス
は管路25にて系外へパージされ、液は管路27にて蒸
留塔10へ送り蒸留される。蒸留塔10で発生する塔頂
パージガス11は、圧縮機13にて4.5kg/cm2
Gまで昇圧される。昇圧されたガスは冷却器14にて4
2℃まで冷却され、セパレータ15にて気液分離され
る。回収された液状ブチルアルデヒドは管路17により
粗アルデヒドに回収される。分離ガス16は燃料ガスと
して回収される。シミュレーションの結果を表−3に示
す。
【0032】
【表3】
【0033】比較例2 図3のプロセスフローから本発明の圧縮回収システムを
削除した図4のプロセスフローについて、圧縮回収シス
テム以外は実施例2と同様の条件下でシミュレーション
を行なった。結果を表−4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明の方法でアルデヒド類を回収する
ことにより、オフガスに含まれる有効成分であるアルデ
ヒド類を選択的に、且つ、効果的に回収することがで
き、その結果として、ヒドロホルミル化工程全体のプロ
ピレン効率及び合成ガス効率が向上するため、特に連続
的な操業においては工業的な利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のプロセスフローシートを示
す。
【図2】本発明の比較例1のプロセスフローシートを示
す。
【図3】本発明の実施例2のプロセスフローシートを示
す。
【図4】本発明の比較例2のプロセスフローシートを示
す。
【符号の説明】
3 反応器 4 ストリッパー 10 蒸留塔 13 圧縮機 14 冷却器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜6のオレフィンを、3価有機
    燐化合物を配位子とするロジウム錯体触媒の存在下、一
    酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させ、反応生
    成液の分離操作によって得られるオフガス中に含まれる
    アルデヒド類を回収する方法において、0kg/cm2
    G〜6kg/cm2 Gの圧力を有するオフガスを2kg
    /cm2 G〜20kg/cm2 Gに圧縮することによ
    り、液状アルデヒドを回収することを特徴とするアルデ
    ヒド類の回収方法。
  2. 【請求項2】 反応生成液がアルデヒド混合物を含む請
    求項1に記載のアルデヒド類の回収方法。
  3. 【請求項3】 反応生成液が触媒液を含む請求項1又は
    2に記載のアルデヒド類の回収方法。
  4. 【請求項4】 オフガスを圧縮後、熱交換器により45
    ℃以下に冷却して液状アルデヒドを回収する請求項1〜
    3のいずれかに記載のアルデヒド類の回収方法。
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