JPH0891280A - 電動自転車およびその動力制御方法 - Google Patents

電動自転車およびその動力制御方法

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JPH0891280A
JPH0891280A JP25874694A JP25874694A JPH0891280A JP H0891280 A JPH0891280 A JP H0891280A JP 25874694 A JP25874694 A JP 25874694A JP 25874694 A JP25874694 A JP 25874694A JP H0891280 A JPH0891280 A JP H0891280A
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JP
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motor
pedal
drive shaft
shaft
auxiliary drive
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JP25874694A
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Inventor
Tadashi Matsuura
忠史 松浦
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動自転車の運転時において、ペダルの急激
な負荷感をなくすと共に異常振動をなくす。また、部品
の耐久性を向上させ、かつ、トルクが零のとき、モータ
の逆回転を防止する。 【構成】 電動自転車の後輪の軸部に設けた差動歯車機
構部3の軸芯部一側にペダルからの踏力を伝達する踏力
伝達手段を備えた右側補助駆動軸11を設け、軸芯部他側
にモータ5の出力軸5aの回転を減速する動力減速手段を
備えた左側補助駆動軸18を設ける。この補助駆動軸18の
端部に駆動軸18の逆転を防止するワンウエイクラッチ31
を取付ける。そして両補助駆動軸11,18の回転数を検出
するための回転センサ15,20をコントローラに接続して
モータ5の出力を制御する。さらに車速が設定速度以上
のときに、モータ5のトルクが零となるように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車速が設定速度以上の
ときにトルクが零になるように構成した電動自転車およ
びその動力制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電動自転車の基本原理について簡
単に述べる。電動自転車は、差動歯車機構(デイファレ
ンシャルギヤ)を利用し、回転数制御により補助動力と
ペダル踏力の配分を可変にしたものである。
【0003】自動車の差動歯車機構はエンジンの回転力
をプロペラシャフトを介して受け、この回転力を1:1
の比率で左右の車輪に振り分けている。電動自転車はこ
の原理を利用したもので、車輪の両側よりペダルからの
踏力とモータからの動力(補助動力)を入れ、シャフト
(差動歯車機構部のケース)側より車輪に力を伝えるよ
うにしている。たとえば、両側すなわちペダルとモータ
の回転数が同じであれば、踏力:補助動力:車輪の回転
数は、1:1:2となる。
【0004】図14は上記電動自転車1の外観を示したも
ので、後輪軸を動力伝達機構2としており、これには差
動歯車機構部3(図15参照)、ペダル4およびモータ5
等が組合わされている。この場合、モータ5は後輪軸に
略直交に取付けられている。
【0005】図15は動力伝達機構2の詳細を示すもので
あり、ペダル4からの踏力およびモータ5からの動力の
二つの力が差動歯車機構部3を介して合力され後輪6を
駆動している。図中、ペダル4の装着側が自転車1の前
側である。
【0006】上記動力伝達機構4について説明する。ま
ず、ペダル4の踏力に関する部分を説明する。運転者が
ペダル4を踏むことにより、クランク軸7が回転し、ク
ランク軸7に固定されたチェーンリング8と、チェーン
9と、フリーホイール10とからなる踏力伝達手段が駆動
する。これにより右側補助駆動軸11が回転する(踏力伝
達手段はチェーン9等の代わりにドライブシャフトにし
てもよい)。右側補助駆動軸11の外側の右端部はプレー
ト12に取付けたベアリング13によって保持されている。
なお、プレート12はフレーム14に固定されている。
【0007】また、プレート12にはペダル側回転センサ
15が取付けられ、右側補助駆動軸11の回転数を検出して
いる。また、右側補助駆動軸11の左端は傘歯車16となっ
ており、差動歯車機構部3の一部になっている。
【0008】次に、モータ5の動力に関する部分を説明
する。モータ5の回転は、モータ5の駆動軸5aの先端に
取付けたウォームギヤ17を介して左側補助駆動軸18に伝
達される。すなわち、左側補助駆動軸18は、モータ5の
回転をウォームギヤ17とウォームホイールギヤ19とから
なる動力減速手段により減速されて回転される。左側補
助駆動軸18の左端はプレート12に取付けたベアリング13
によって保持されている。
【0009】また、プレート12にはモータ側回転センサ
20が取付けられ、左側補助駆動軸18の回転数を検出して
いる。また、左側補助駆動軸18の右端は傘歯車21となっ
ており、差動歯車機構部3の一部になっている。
【0010】そして、差動歯車機構部3は、ケース22内
に設けたケース軸22a に回転自在に取付けた二つの傘歯
車23,24と、これに噛合する右側補助駆動軸11の傘歯車
16および左側補助駆動軸18の傘歯車21を持つ機構であ
る。
【0011】ここで、この右側補助駆動軸11の傘歯車16
および左側補助駆動軸18の傘歯車21が同一方向に同じ回
転数で回転すると、ケース22の軸22a に設けた傘歯車2
3,24は回転しないで、ケース22が回転することにな
る。このときは、左右側補助駆動軸11,18からは同じ比
率の力が伝達されていることになる。
【0012】そして、後輪6のスポーク25は差動歯車機
構部3のケース22に直接あるいはプレートを介して取付
けられているので、ケース22の回転により後輪6が駆動
することになる。なお、図15において、符号26で示すも
のはサドルである。
【0013】図16は上記動力伝達機構2、すなわち、差
動歯車機構部3のシステム図を示したものである。ペダ
ル側回転センサ15およびモータ側回転センサ20が接続す
るコントローラ27は、図に示すように、ペダル4側の回
転数とモータ5側の回転数を入力し、一定の力配分にな
るようにモータ5の回転数を制御している。
【0014】このような電動自転車1においては、スピ
ードが出過ぎることがある。このため電動自転車1があ
る設定速度(電動自転車1には交通法規上の規定はない
が製作者が適宜認定する速度)を越えた場合には、電源
を切って、モータを停止させる必要がある。
【0015】これを図17に示すタイミングチャートによ
って説明する。電動自転車1はペダル4を下に踏み込ん
だときに最も大きな踏力を伝えることができる。この踏
力に比例して、車速は図17(a) に示すように変化するこ
とになる。しかし、図に示すように、車速が設定速度に
近い場合には、車速が設定速度を越えてしまうことが何
度か繰り返えされる。そこで、従来は設定速度以上にな
った場合、図17(b) に示すように、モータ5の電源を切
ってその回転を停止させ、動力が出力しないようにして
いた。そして、速度が設定以下になった場合、再び電源
が入って、モータ5より駆動するようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来技術
においては、車速が設定速度を越えたとき、電源を切っ
てモータを停止させていたので、車速が設定速度を越え
たところで、図17(b) に示すように、モータの動力が急
になくなることになり、ペダルが急激に重くなる問題が
あった。
【0017】また、このように、モータのオン・オフが
常時、繰返されると、異常振動が発生し、運転者に違和
感を与えるばかりか、部品全体の耐久性が低下する問題
があった。
【0018】なお、特開平5−24575号公報に開示
されている自動自転車は、設定速度以下のとき補助動力
手段を動作させるものであるので、本発明の課題を解決
しているものではない。
【0019】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、モータの特性である、回転数とトル
クとが反比例することを利用し、車速が設定速度以上に
なった場合でも、ペダルの急激な負荷感をなくし、ま
た、異常振動を回避させて搭乗者に違和感を与えないよ
うにすると共に、部品の耐久性を保持させ、かつ、トル
クが零の状態のときモータが逆回転しないようにした電
動自転車およびその動力制御方法を提供することを目的
とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ペダルからの踏力と、モータからの動力とを合力し
て車輪に伝達し、該車輪を駆動する電動自転車におい
て、前記車輪の軸部に設けた差動歯車機構部の軸芯部一
側にペダルからの踏力を伝達する踏力伝達手段を備えた
一側補助駆動軸を設け、該一側補助駆動軸の回転数を検
出する一側検出手段を設けると共に、軸芯部他側にモー
タの出力軸の回転を減速する動力減速手段を備えた他側
補助駆動軸を設け、該他側補助駆動軸に該軸の逆回転を
防止するワンウエイクラッチを取付け、該他側補助駆動
軸の回転数を検出する他側検出手段を設け、該他側検出
手段と前記一側検出手段とを前記モータの出力を制御す
る制御手段に接続し、かつ、車速が設定速度以上となる
前記モータの回転時にモータのトルクが零になるように
設定したことを特徴とするものである。
【0021】請求項2に記載の発明は、トルクがゼロの
とき、回転数N=印加電圧V/コイルの巻数n×磁束密
度B×コイルの長さLb の関係にあるモータを備えたも
のである。
【0022】請求項3に記載の発明は、電動自転車に設
けた制御手段からの制御信号に基づいてモータの出力を
制御し、該モータの出力による動力と、ペダルによる踏
力とを合力して車輪に伝達し、該車輪を駆動するように
した電動自転車の動力制御方法において、車速に応じて
モータに印加する電圧を算出し、この後、ペダルの回転
数とモータの回転数よりモータの出力電圧を算出し、し
かる後、該算出した出力電圧と前記モータに印加する電
圧とに基づいて、モータを駆動する電圧を出力すること
を特徴とするものである。
【0023】
【作用】請求項1に記載の発明においては、運転者が自
転車のペダルを踏んで発生する踏力を踏力伝達手段を介
して一側補助駆動軸に伝達してこれを回転させる。この
時の一側補助駆動軸の回転数が一側検出手段によって検
出されて、制御手段に入力される。この制御手段への入
力信号によってモータの出力軸の回転が制御され、この
回転が動力減速手段を介して他側補助駆動軸に伝達して
これを一側補助駆動軸と同じ回転数で回転させる。
【0024】さらに、他側補助駆動軸の回転が他側検出
手段によって検出され、これを前記制御手段に入力させ
て、他側補助駆動軸の回転が確認される。これによって
差動歯車機構部に一側補助駆動軸と他側補助駆動軸と同
じ比率の力が伝達されるので、差動歯車機構部はケース
の部分が回転することになり、車輪がペダルによる踏力
とモータによる動力との合力により回転することにな
る。
【0025】しかし、車速が設定速度以上になったとき
には、モータのトルクが零になるように設定してあるの
で、モータの出力軸は回転を続けてもトルクは出力され
ないようになる。すなわち、車速が設定速度以上でも電
源が切れず、モータの出力軸は回転を続け、しかもトル
クが出力されないので、ペダルに急激に負荷がかかるよ
うな感じが回避される。
【0026】また、請求項2に記載の発明では、トルク
が零のときの回転数Nを電圧V、コイル巻数n、磁束密
度(磁石の磁力)B、コイルの長さLb により決定す
る。すなわち、モータは回転数がコイル巻数n,磁束密
度B、コイルの長さLb により設定回転数Nmax となる
ような構造とする。この場合、モータの回転数が設定速
度Nmax 以上とならないようにモータの特性を合わせ
る。
【0027】請求項3に記載の発明では、車速に対応し
てモータに印加する電圧を可変にして、モータの特性を
変えるようにする。すなわち、低速領域では大トルクが
必要になるため、印加する電圧が上げられ、高速領域で
は車速が上がらないように一定速以下にするため、印加
する電圧が下げられる。しかし、車速が設定速度以上に
なり、トルクが零になって、モータがペダルを補助して
いないときにも、それにあった電圧が供給されてモータ
が回転する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1にもとづき図
14ないし図17と同一の部材には同一の符号を付して説明
する。図1は本発明の電動自転車1(図14参照)の要部
を示したもので、後輪6の軸部の動力伝達機構2を拡大
して示したものである。なお、矢印X方向が電動自転車
1(図2参照)の前側になる。
【0029】上記動力伝達機構2について簡単に説明す
る。動力伝達機構2は差動歯車機構部3と、ペダル4か
らの踏力を伝達する踏力伝達手段28(図16参照)と、該
踏力伝達手段28と接続する右側補助駆動軸11と、さら
に、モータ5の動力を減速する動力減速手段29(図16参
照)と、該動力減速手段29と接続する左側補助駆動軸18
とから概略構成されている。
【0030】また、上記踏力伝達手段28はチェーンリン
グ8(図15参照)と、チェーン9と、フリーホイール10
とから概略構成されている。
【0031】また、動力減速手段29は、モータ5の出力
軸5aが噛合するウォームギヤ17と、ウォームホイールギ
ヤ19とから概略構成されている。
【0032】差動歯車機構部3はケース22の内部のケー
ス軸30に回転自在に取付けた二つの傘歯車23,24に右側
補助駆動軸11の内側端部に設けた傘歯車16と、左側補助
駆動軸18の内側端部に設けた傘歯車21を相互に噛合させ
たのものである。この差動歯車機構部3は車輪すなわち
後輪(図15参照)6の軸部に取付けられている。
【0033】また、右側補助駆動軸11の外側端部近傍に
は該駆動軸11の回転数を検出する一側検出手段であるペ
ダル側回転センサ15が設けられている。さらに、右側補
助駆動軸11の外側端部はプレート12(図15参照)に取付
けたベアリング13(図15参照)によって保持されてい
る。
【0034】さらに、左側補助駆動軸18の外側端部近傍
には該駆動軸18の回転数を検出する他側検出手段である
モータ側回転センサ20が設けられている。また、左側補
助駆動軸18の外側端部にはワンウエイクラッチ31が設け
られている。ワンウエイクラッチ31の出力軸はフレーム
14に固定されている。ワンウエイクラッチ31については
後述する。なお、図1において、符号25で示すものは後
輪6のスポークである。
【0035】上記モータ側回転センサ20とペダル側回転
センサ15は共にコントローラ27に連結されている(図16
参照)。コントローラ27はペダル側回転センサ15および
モータ側回転センサ20の検出回転数に基づいてモータ5
の回転出力を制御する。
【0036】次に、動力伝達機構2の一部を構成するモ
ータ5について説明する。本発明に係る電動自転車1
は、モータ5の特性である、出力軸5aの回転数Nとトル
クTとが反比例することを利用したもので、モータ5
は、後輪6の車速が設定速度以上となっても、停止させ
ないで常時駆動するようにしてある。また、モータ5の
回転数NとトルクTとの関係は、後輪6の速度が設定速
度以上になるモータ5の回転数Nのときに、モータ5の
トルクTが零になるように構成してある。なお、モータ
5の特性については後述する。
【0037】モータ5は、図2に示すように、コイル32
を巻いたアーマチャ部33と永久磁石34とから概略構成さ
れるもので、回転数NとトルクTとの関係は下記のよう
になる。
【0038】モータのトルクTは、図3および図4に示
すように、導体の長さLa ,Lb 、磁束密度B、電流
i、コイル32の巻数nとすると、その力Fおよびトルク
TはF=nBiLb の関係より T=2FLa =2nBiLa Lb ‥‥‥‥(1) となる。
【0039】また、モータ5は、軸側よりアーマチャ部
33が回転すると、フレミングの右手の法則により磁界と
回転運動により起電力Eが発生する(図3参照)。この
起電力Eによりモータ5の電流iが制限され、回転も制
限される。
【0040】そして、コイル32の巻数n、回転数N、磁
束密度B、導体の長さLb 、起電力Eとすると、E=n
NBLb の関係となる。そして、図5に示すような回路
では、抵抗R、電流iとすれば電圧V=RI+Eにな
り、∴V=Ri+nNBLb となる。これにより回転数
N=(V−Ri)/nBLb となり、 電流i=(V−nNBLb )/R‥‥‥‥(2) となる。
【0041】上記 (1)と(2) の式によりトルクTと回転
数Nの関係は、 T=2nBLa Lb (V−nNBLb )/R‥‥‥‥
(3) の関係になり、トルクT=0のときの回転数は N=V/nBLb ‥‥‥‥(4) となる。
【0042】これにより、回転数Nは、コイル巻数n、
磁束密度B、コイルの長さLb 、電圧Vにより決定され
る。すなわち、モータ5は回転数がコイル巻数n、磁束
密度(磁石の磁力)B、コイルの長さLb より設定回転
数Nmax となるような構造とする。この場合、モータ5
が設定速度Nmax 以上とならないようにモータ5の特性
を合わせるようにする。
【0043】また、モータ5の回転数NとトルクTの特
性は図7(後述)に示すように反比例しているので、回
転数Nmax ではトルクTは0となる。そこで、車輪円周
C、モータ5の減速比Kとすると、設定速度Smax 以上
でモータ5のトルクTが出力されないようにするには、
Smax =C×K×Nmax という関係から Nmax =Smax /C×K‥‥‥‥(5) となるように構成
する。すなわち、(4) と(5) よりN=Nmax となり、V
/nBLb =Smax /C×Kとなるものを構成する。
【0044】しかしながら、このように構成すると、車
速が設定速度以上(Smax )のときには、モータ5のト
ルクTが零となり、ペダル4からの踏力が後輪に伝達さ
れず、左側補助駆動軸18が図1の矢印Aのように逆方向
に回転し、モータ5の出力軸5aを矢印Bのように逆方向
に回転させるトルクが発生する。
【0045】これは差動歯車機構部3が入力した回転を
負荷の少ない軸から出力するように働くため、モータ5
のトルクTが零のときは後輪6よりモータ5の方が負荷
は小さいので、後輪6の回転がモータ5側に伝達される
からである。
【0046】すなわち、車速が設定速度Smax 以上のと
きは、前述した通りモータ5のトルクTが零となり、ペ
ダル4からの踏力が後輪に伝達されない状態で後輪6が
回転を続ける。このとき後輪6の回転と共に、後輪6に
スポーク25を介して固定した、差動歯車機構部3のケー
ス22およびケース軸30も後輪6と一体で回転する。
【0047】すると、ケース軸30に回転自在に設けられ
た傘歯車23,24と、左側補助駆動軸18の傘歯車21とが噛
合している関係から傘歯車21および左側補助駆動軸18が
逆方向(A方向)に回転する力を受け、また、モータ5
の回転軸5aも逆方向(B方向)に回転する力を受ける。
この場合、傘歯車23,24と噛合している傘歯車16および
右側補助駆動軸11は正常の回転を続ける。
【0048】そこで、左側補助駆動軸18が逆回転しない
ように左側補助駆動軸18の端部には、前述したように、
ワンウエイクラッチ31が取付けられている。ワンウエイ
クラッチ31は、左側補助駆動軸18の矢印C方向への回転
は可能にするが、矢印A方向に回転するトルクがかかる
と、左側補助駆動軸18とフレーム14とを連結し、左側補
助駆動軸18が逆回転しないようにしている。
【0049】このようにワンウエイクラッチ31を取付け
れば、車速が設定以上になってトルクが零となっても、
ペダル4による踏力はモータ5の出力軸5aを逆方向に連
れ回りさせず、踏力のすべてを後輪6の駆動に回すこと
ができるようになる。
【0050】なお、図6に示すように、車輪軸35と、モ
ータ36またはペダル(チェーン37)間を弾性体38(トー
ションバー)を介して直結した構造の電動自転車(本出
願人の出願である特願平6−85352号参照)の場合
は、モータ36のトルク伝達機構39中にワンウエイクラッ
チ31を取付ける。
【0051】また、モータ5の特性は、上記(3) 式によ
り図7に示すグラフのようになる。このグラフによれ
ば、回転数NとトルクTは反比例し、回転数Nが上がれ
ば、トルクTが減少し、設定回転数Nmax ではトルクT
は零になっている。
【0052】このモータ5の回転数NとトルクTは、図
8に示すように、モータ5に印加される電圧Vにより可
変することが可能になる。
【0053】電動自転車1では車速の低速領域において
は、大トルクが必要であり、図8に示す、印加電圧Vの
大きいモータ5の特性が必要であるが、車速の高速領域
においては、スピードが出過ぎない、一定速以下のモー
タ5の特性(印加電圧が小さいVmax )で十分である。
【0054】この場合のモータ5の制御回路は、図9に
示すように、モータ5の印加電圧Vを制御する電圧回路
40と、モータ5の電流を制御するモータ駆動回路41とを
モータ5に直列に接続させたものである。
【0055】このような制御回路によりモータ5を駆動
させ、電圧回路40の電圧V(モータ5の印加電圧)を、
図10に示すように、車速に対応させて可変し、省電力化
を図るようにしている。すなわち、車速が上がるにつれ
て印加電圧Vを少なくし、設定速度Smax で、印加電圧
Vmax (この印加電圧Vmax のとき、モータ5の回転数
がNmax でトルクTは零である。図8参照)にすれば、
モータ5が補助していないときには(トルクTが零のた
め)、電池の消耗を少なくすることができる。図12はこ
のモータ印加電圧制御のフローチャートである。
【0056】なお、図11に示すように、複数のバッテリ
42,43を使用するシステムにおいては、モータ5に接続
するバッテリ42,43の数をリレー44で切り換え、バッテ
リ42,43の印加電圧Vを変えるようにしてもよい。
【0057】以下、図12にもとづいてモータ印加電圧制
御のフローチャートを説明する。ステップS1ではコント
ローラ27に車速値が入力される。ステップS2では、この
入力した車速値と図10とにより、車速Smax に応じたモ
ータ5の印加電圧Vmax (基準電圧)を算出する。
【0058】ステップS3ではペダル4の回転数Np とモ
ータ5の回転数Nm をコントローラに入力する。ステッ
プS4ではペダル4とモータ5の回転差Np −Nm よりモ
ータ5への出力電圧Vm を算出する。このときVm =V
m-1 +(Np −Nm )×kである。なお、Vm-1 :前回
のモータ5への出力電圧、k:増幅率である。
【0059】ステップS5では計算したVm がVmax を越
えているか否かが判別される。Vm がVmax を越えてい
れば、すなわち、Vm >Vmax でありYESであるな
ら、ステップS6に進み、出力するVmax をVm として出
力し、S7に進んでVmaxでモータ5が駆動される。モー
タ5が駆動されたら、S1に戻る。
【0060】また、Vm がVmax を越えていなければ、
すなわち、Vm ≦Vmax でありNOであるなら、Vm が
出力され、ステップS7に進んでモータ5が駆動される。
モータ5が駆動されたら、S1に戻る。
【0061】本実施例は、以上説明したように構成した
ので、運転者が電動自転車1のペダル4を踏むと、チェ
ーン9とフリーホイール10等からなる踏力伝達手段28よ
り右側補助駆動軸11が回転する。このときの右側補助駆
動軸11の回転数をペダル側回転センサ15によって検出
し、コントローラ27に入力する。
【0062】このコントローラ27への入力信号によって
モータ5の出力軸5aの回転が制御され、ウォームギヤー
17およびウォームホイールギヤー19からなる動力減速手
段29を介して左側補助駆動軸18が右側補助駆動軸11と同
じ方向に同じ回転数で回転する。
【0063】これによって、右側補助駆動軸11の傘歯車
16と、左側補助駆動軸18の傘歯車21からは差動歯車機構
部3の傘歯車23,24に同じ比率の力が伝達されるので、
ケース軸30の傘歯車23,24は回転しないで、差動歯車機
構部3のケース22が回転することになり、このケース22
とスポーク25を介して連結する後輪6がペダル4による
踏力とモータ5による動力との合力により回転する。す
なわち、車速の遅いときは、ペダル4の踏力と略同じト
ルクがモータ5より出力されるので、後輪6はペダル4
の踏力とモータ5の動力の合力により回転されることに
なる。
【0064】しかし、車速が設定速度Smax を越えたと
き、すなわち、後輪6が設定速度Smax を越えるモータ
5の回転数のときに、モータ5のトルクTが零となるよ
うに設定されているので、モータ5の出力軸5aは回転を
続けてもトルクTが出力されないことになる。
【0065】換言すれば、車速が設定速度Smax を越え
ても電源が切れず、モータ5の出力軸5aは回転を続け、
しかも、トルクTが出力されないので、ペダル4に急激
に負荷がかかるような感じはなくなる。
【0066】これを図13によって説明する。車速が図13
(a) に示すように時間と共に変化するとき、踏力も図13
(b) に示すように略同様の変化をするが、モータ5のト
ルクTは、図13(c) に示すように、車速が遅い領域では
踏力と略同じようにトルクTが出力されるが、高速にな
るに従いモータ5のトルクTは少なくなり、車速の設定
速度Smax 以上のところではほとんどトルクTの出力は
なくなることになる。
【0067】しかし、車速が設定速度Smax 以上のとき
は、モータ5のトルクTが零になり、また、ペダル4か
らの踏力も後輪に伝達されなくなるので、左側補助駆動
軸18には該駆動軸18を逆方向に回転させるトルクTが発
生する。このため左側補助駆動軸18にはワンウエイクラ
ッチ31が設けてあり、これによってモータ5の逆回転は
阻止されることになる。
【0068】また、このように車速に対応してモータ5
に印加する電圧Vを可変にしたので、これによりモータ
5の特性を変化させることができる。したがって、低速
領域では大トルクが必要なので、印加電圧Vが上げら
れ、高速領域ではモータ5の回転数が上って、スピード
が出過ぎないように、スピードを一定速以下に抑えるた
めに、印加電圧Vが下げられる。しかし、車速が設定速
度Smax 以上になり、トルクTが零になって、モータ5
がペダル4を補助していないときには、それにあった電
圧が供給されて、モータ5だけが回転する。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように車輪が設
定速度以上のモータの回転数のときに、モータのトルク
が零となるように設定したので、車速が設定速度以上に
なってもモータは回転を続けるが、トルクは出力されな
くなる。これにより、ペダルが急激に重たくなるような
感じがなくなって軽快にペダルを踏むことができる。ま
た、モータをオン・オフしないので、異常振動の発生が
なくなり、違和感を回避することができると共に、部品
の耐久性を向上させることができる。
【0070】さらに、他側補助駆動軸にワンウエイクラ
ッチを装着したので、車速が設定速度以上になり、モー
タのトルクが零になっても、車輪からのトルクがモータ
側に入力することがない。
【0071】また、車速に応じて電圧制御を行うように
したので、車速が設定速度以上でモータがペダルを補助
していないときには、バッテリの消耗を減少させること
ができる。すなわち、無駄な消費電力を減少させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部を示す一部断面上面図である。
【図2】モータの構成を示す模式図である。
【図3】図2のものの上面図である。
【図4】図3に示すものの側面図である。
【図5】モータの接続を示す回路図である。
【図6】電動自転車の他の例の要部を示す一部断面上面
図である。
【図7】モータの回転数とトルクとの関係を示す特性図
である。
【図8】印加される電圧により変化するモータの特性図
である。
【図9】モータの電圧制御の回路図である。
【図10】車速に対するモータの印加電圧の特性図であ
る。
【図11】モータの電圧制御の他の回路図である。
【図12】モータの電圧制御のフローチャートである。
【図13】本発明の電動自転車の車速、踏力、モータト
ルクの特性図である。
【図14】電動自転車を説明するための側面図である。
【図15】電動自転車の動力伝達機構を説明するための
模式図である。
【図16】電動自転車の動力伝達機構のシステム図であ
る。
【図17】車速と補助動力とのタイミングチャートであ
る。
【符号の説明】
1 電動自転車 3 差動歯車機構部 4 ペダル 5 モータ 5a 出力軸 6 後輪 11 右側補助駆動軸 15 ペダル側回転センサ 18 左側補助駆動軸 20 モータ側回転センサ 27 コントローラ 28 踏力伝達手段 29 動力伝達手段 31 ワンウエイクラッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペダルからの踏力と、モータからの動力
    とを合力して車輪に伝達し、該車輪を駆動する電動自転
    車において、 前記車輪の軸部に設けた差動歯車機構部の軸芯部一側に
    ペダルからの踏力を伝達する踏力伝達手段を備えた一側
    補助駆動軸を設け、該一側補助駆動軸の回転数を検出す
    る一側検出手段を設けると共に、軸芯部他側にモータの
    出力軸の回転を減速する動力減速手段を備えた他側補助
    駆動軸を設け、該他側補助駆動軸に該軸の逆回転を防止
    するワンウエイクラッチを取付け、該他側補助駆動軸の
    回転数を検出する他側検出手段を設け、該他側検出手段
    と前記一側検出手段とを前記モータの出力を制御する制
    御手段に接続し、かつ、車速が設定速度以上となる前記
    モータの回転時にモータのトルクが零になるように設定
    したことを特徴とする電動自転車。
  2. 【請求項2】 トルクが零のとき、回転数N=印加電圧
    V/コイルの巻数n×磁束密度B×コイルの長さLb の
    関係にあるモータを備えた請求項1記載の電動自転車。
  3. 【請求項3】 電動自転車に設けた制御手段からの制御
    信号に基づいてモータの出力を制御し、該モータの出力
    による動力と、ペダルによる踏力とを合力して車輪に伝
    達し、該車輪を駆動するようにした電動自転車の動力制
    御方法において、車速に応じてモータに印加する電圧を
    算出し、この後、ペダルの回転数とモータの回転数より
    モータの出力電圧を算出し、しかる後、該算出した出力
    電圧と前記モータに印加する電圧とに基づいて、モータ
    を駆動する電圧を出力することを特徴とする電動自転車
    の動力制御方法。
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