JPH0891033A - 車両用エアサスペンション装置 - Google Patents

車両用エアサスペンション装置

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JPH0891033A
JPH0891033A JP6233583A JP23358394A JPH0891033A JP H0891033 A JPH0891033 A JP H0891033A JP 6233583 A JP6233583 A JP 6233583A JP 23358394 A JP23358394 A JP 23358394A JP H0891033 A JPH0891033 A JP H0891033A
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    • B60G17/04Spring characteristics, e.g. mechanical springs and mechanical adjusting means fluid spring characteristics
    • B60G17/0416Spring characteristics, e.g. mechanical springs and mechanical adjusting means fluid spring characteristics regulated by varying the resiliency of hydropneumatic suspensions
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両が急激な挙動変化をした時においても、エ
アスプリングのばね定数を連続的に変更可能とすること
により、発生する動的変位を効果的に制振して、もって
トータル的な角度変位を減少させ、車両の操縦性を向上
させること。 【構成】横加速度GY 、前後加速度GX を求め、ローリ
ングやピッチング等が発生した場合に、エアスプリング
22に付加する所要圧力制御値ΔPをGY 、GX に基づ
いて演算し、該圧力になるように、エアスプリング22
に連通するサブタンクユニット31の容積を可変とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用エアサスペンショ
ン装置に関し、特に車両挙動変化時の車体振動を制振す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バスや大型トラック等に装備され
るサスペンションの一つとして、例えば、実開昭64−
52920号公報及び実開平2−141510号公報等
に開示されるような空気弾性を利用して車体を支える車
両用エアサスペンション装置が知られている。
【0003】即ち、図8に示すように、車両のフロント
側のばね上とばね下間の両側、即ち、車体と左・右の前
側車軸との間には、夫々エアスプリング3A,3Bが設
置されている。又、車両のリヤ側のばね上とばね下間の
左・右、即ち、車体と左・右の後側車軸との間には、夫
々エアスプリング3C,3D,3E,3Fが設置されて
いる。尚、説明を簡単にするため、以下の説明はエアス
プリング3と記して行う。
【0004】次に、かかる車両用エアサスペンション装
置に係わる空気系統について説明する。即ち、エアコン
プレッサ11により加圧されたエアは、エアドライヤ1
2により空気中に含まれる水分を除去された後、エアリ
ザーバタンク13に貯留される。尚、エアリザーバタン
ク13内の圧力はガバナ14により所定圧力に調圧され
る。そして、エアリザーバタンク13に貯留された圧縮
エアは、前記エアスプリング3のレベリングバルブ4を
介してエアスプリング3に送られるようになっている。
【0005】そして、荷重の増減に応じて前記各エアス
プリング3の圧縮エアの充填の度合いをレベリングバル
ブ4が調節し、車高が低下するとレベリングバルブ4が
エアリザーバタンク13と各エアスプリング3とを連通
して車高を上昇させ、逆に車高が上昇すると、レベリン
グバルブ4が排気側に開いて、各エアスプリング3内の
空気を排気して車高を低下させ、所定の車高に調整され
る。
【0006】上述の如き車両用エアサスペンション装置
を装備したバスやトラック等にあっては、走行時は車体
が揺動するため、車体を水平に維持しようと上記レベリ
ングバルブ4が作動して各エアスプリング3内の圧縮エ
アの供給と排気が行われている。一方、近年では、車両
の乗り心地を低減させることなく、ロール制御性を高め
ようとするニーズがあり、このため、図9に示すよう
に、エアスプリング3内部と配管5を介して連通したサ
ブタンク6を設け、前記配管5に開閉手段としての電磁
弁7を介装し、車速や操舵角に応じて電磁弁7の開閉を
制御することにより、ばね定数を切り換えるエアサスペ
ンション装置が提案されている。
【0007】例えば、車速が所定値未満のとき或いは車
速が所定値以上でも操舵角が所定値未満のときには、電
磁弁7を開いてエアスプリング3内部とサブタンク6と
を一体とすることにより、エアスプリング3内部のエア
容積を大きする。この場合、エア容積が大きい程外力に
対して内部圧力が上昇しないので、該エアスプリング3
の反力が小さくなり、もってばね定数が小さくなり、乗
り心地を向上できる。
【0008】一方、車速が所定値以上で操舵角が所定値
以上のときには、電磁弁7を閉じてエアスプリング3内
部とサブタンク6とを遮断することにより、エアスプリ
ング3内部のエア容積を小さくする。この場合、エアス
プリング3の反力が大きくなり、もってばね定数が大き
くなり、ロールを低減できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の走行
状態により車体には、動的角度変位と静的角度変位が生
じる。ここで、動的角度変位とは、挙動変化が生じた後
の車体等が変位している際の角度変位であり、一方静的
角度変位とは、時間がある程度経過し収束した後の角度
変位である。
【0010】ここで、静的角度変位は、前記サブタンク
と空気ばねの連通を停止することにより抑制可能であ
り、例えば、本出願人は、ピッチ角度やロール角度を検
出し、空気ばねのばね定数を大きくする、所謂ハードに
切換えることにより、坂路や傾斜路において荷重移動
(重力によるモーメント)があっても、静的なピッチ角
やロール角度を、サスペンション特性がソフトの場合に
較べて小さくすることを可能としたものを先に出願した
(特願平6−60418号)。
【0011】しかしながら、動的角度変位はショックア
ブソーバと空気ばねをハードに切換えるだけでは充分に
抑制することができない。従って、従来の車両用エアサ
スペンション装置にあっては、急激な制動等の急激な車
両の挙動変化時の当初に、大きな角度変位(ロール角、
ピッチ角)が発生する可能性があり、該角度変位により
車体の下部と地面との距離が大幅に少なくなったり、運
転性が低下したりする惧れがあった。
【0012】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑みなされたもので、車両が急激な挙動変化をした
時においても、エアスプリングのばね定数を連続的に変
更可能とすることにより、発生する動的変位を効果的に
制振して、もってトータル的な角度変位を減少させ、車
両の操縦性を向上させることが可能な車両用エアサスペ
ンション装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、車両におけるばね上系と前後左右の各ばね下
系との間に少なくとも1個設けられ該ばね上系を支持す
るエアスプリングと、前記エアスプリング内部と連通さ
れるサブタンクと、を備えてなる車両用エアサスペンシ
ョン装置において、サブタンクの容量を可変とする容量
可変手段と、車両に生じる前後方向加速度を検出する前
後方向加速度検出手段と、車両に生じる横方向加速度を
検出する横方向加速度検出手段と、前記前後方向加速度
及び横方向加速度に基づいてサブタンクの容量を変化さ
せる容量制御手段と、を設ける構成とした。
【0014】また、請求項2記載の発明は、車両におけ
るばね上系と前後左右の各ばね下系との間に少なくとも
1個設けられ該ばね上系を支持するエアスプリングと、
前記エアスプリング内部と連通されるサブタンクと、前
記エアスプリングと当該エアスプリングにエアを供給す
るエア供給源とを接続するエア配管に介装されるレベリ
ングバルブと、を備えてなる車両用エアサスペンション
装置において、サブタンクの容量を可変とする容量可変
手段と、車両に生じる前後方向加速度を検出する前後方
向加速度検出手段と、車両に生じる横方向加速度を検出
する横方向加速度検出手段と、前記前後方向加速度及び
横方向加速度に基づいてサブタンクの容量を変化させる
容量制御手段と、を設けると共に、容量制御手段がサブ
タンクの容量を変化させているときには、前記エアスプ
リングとレベリングバルブとを接続するエア配管に介装
されるレベリングバルブの作用を停止する車高調整停止
手段と、を設ける構成とした。
【0015】
【作用】例えば右側に操舵することによりばね上系は左
側にロールするが、この場合左側のエアスプリングの内
圧が増加し、右側のエアスプリングの内圧は減少する。
さらに、このとき、車両には横方向加速度が生じるが、
該車両に生じた横方向加速度は横方向加速度検出手段に
より検出される。
【0016】また、車両の減速等によりばね上系は前側
が下がるようにピッチングするが、この場合も前側のエ
アスプリングの内圧が増加し、後側のエアスプリングの
内圧は減少する。さらに、このとき、車両には前後方向
加速度検が生じるが、該車両に生じた前後方向加速度は
前後横方向加速度検出手段により検出される。ここで、
請求項1記載の発明に係る作用として、エアスプリング
内部はサブタンクと連通しており、さらにサブタンクの
容量を可変とする容量可変手段が設けられており、前記
前後方向加速度及び横方向加速度に基づいてサブタンク
の容量が容量制御手段により変化させられる。
【0017】従って、前記エアスプリングの内圧の増減
を強調するようにサブタンクの容量を変化させることに
より、疑似的にエアスプリングのばね定数が大きくな
り、疑似的にロール剛性、ピッチング剛性が上がること
となり、ばね上系に発生するロール或いはピッチング、
即ちばね上系に発生する車体振動を積極的に、また効果
的に制振することが可能となる。
【0018】また、エアスプリングと当該エアスプリン
グにエアを供給するエア供給源とを接続するエア配管に
レベリングバルブが介装される車両用エアサスペンショ
ン装置にあっては、例えば操舵によりばね上系の一方の
車高が変化した場合には、荷重の増減に応じて前記各エ
アスプリングの圧縮エアの充填の度合いをレベリングバ
ルブが調節し、車高の低下・上昇を行うが、請求項2記
載の発明に係る作用として、例えば右側に操舵すること
によりばね上系が左側にロールした場合には、エアスプ
リング内部はサブタンクと連通しており、さらにサブタ
ンクの容量を可変とする容量可変手段が設けられてお
り、前記前後方向加速度及び横方向加速度に基づいてサ
ブタンクの容量が容量制御手段により変化させられると
共に、該サブタンクの容量を変化させているときには、
前記レベリングバルブが作用しないように、車高調整停
止手段により前記エアスプリングとレベリングバルブと
を接続するエア配管に介装されるレベリングバルブの作
用が停止される。
【0019】これにより、前記エアスプリングの内圧の
増減を強調するようにサブタンクの容量を変化させた場
合、該容量変化の影響がレベリングバルブに作用するこ
とを防止でき、ロール剛性、ピッチング剛性の増大をよ
り効果的に行うことが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、添付された図面を参照して本発明を詳
述する。図1は車両の車輪1輪分のエアサスペンション
装置を示している。即ち、この図において、車両のばね
上としての車体20とばね下としてのタイヤ21との間
には、エアスプリング22と、減衰力切換機構を内蔵し
たショックアブソーバ23とが夫々設けられている。圧
縮空気が貯留される図示しないエアリザーバタンクと前
記エアスプリング22とは該エアスプリング22に対す
る圧縮空気の給気と排気を行わせるレベリングバルブ2
4を介装した給・排気通路25により連通される。
【0021】また、給・排気制御バルブ27が前記給・
排気通路25に介装されている。さらに、サブタンクユ
ニット31が前記給・排気通路25から分岐した分岐通
路26によりエアスプリング22内部と連通される。こ
こで、サブタンクユニット31は大径部32と小径部3
3とより構成され、大径部32の内部には、前記分岐通
路26側に開口部を有したベロフラム(弾性体)34が
挟持され、大径底部35とベロフラム34によりサブタ
ンクとしての空間36を形成している。また大径部32
と小径部33とは密閉空間を形成している。
【0022】また小径部33の内部には、先端部38が
前記ベロフラム34を押圧し、基端部39に後述する油
圧ユニット40より油圧が供給される油圧ピストン37
が移動可能に保持されている。また該油圧ピストン37
のストロークがストロークセンサ41により読み込まれ
る。また、油圧ユニット40はオイルタンク42よりオ
イルを吸込むオイルポンプ43と、油圧ピストン37に
一定の油圧を供給するための調圧バルブ44と、該油圧
ピストン37への油圧の供給を制御する給油バルブ45
と、該油圧ピストン37からの油圧の排出を制御する排
油バルブ46とにより構成されている。
【0023】また、マイクロコンピュータを内蔵したコ
ントロールユニット50には、車速センサ61からの車
速V信号、操舵角センサ62からの操舵角θ信号、横加
速度センサ63からの車体に発生する横加速度GYS
号、前後加速度センサ64からの車体に発生する前後加
速度GX 信号及びストロークセンサ41からのストロー
クS信号が入力される。
【0024】かかる構成において、前記給油バルブ4
5、排油バルブ46及び給・排気制御バルブ27は、マ
イクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット5
0から出力される制御信号により開閉制御され、もって
油圧ピストン37のストローク及び給・排気制御バルブ
27の開閉が制御され、サブタンクとしての空間36の
容量が可変制御される、即ち容量可変手段が奏されると
共に、レベリングバルブ24により行われる車高調整が
制御される。即ち、コントロールユニット50には、給
油バルブ45、排油バルブ46及び給・排気制御バルブ
27の駆動手段がソフトウェア的に装備され、もってコ
ントロールユニット50により、容量制御手段及び車高
調整停止手段がソフトウェア的に装備される。さらに該
コントロールユニット50には、ショックアブソーバ2
3の減衰力切換機構駆動手段もソフトウェア的に装備さ
れている。
【0025】図2は本発明に係る一実施例の詳細な制御
ブロック図を示しており、ストロークセンサ41から出
力されるストロークS信号はストローク信号入力手段5
1を介して、また車速センサ61により出力される車速
V信号は車速信号入力手段52を介して、また操舵角セ
ンサ62により出力される操舵角θ信号は操舵角信号入
力手段53を介して、また横方向加速度検出手段として
の横加速度センサ63により出力される横加速度GYS
号は横加速度信号入力手段54を介して、また前後方向
加速度検出手段としての前後加速度センサ64により出
力される前後加速度GX 信号は前後加速度信号入力手段
55を介して、制御手段56に入力される。
【0026】制御手段56から出力される制御信号は、
給・排気制御バルブ駆動手段57を介して給・排気制御
バルブ27に、給油バルブ駆動手段58を介して給油バ
ルブ45に、排油バルブ駆動手段59を介して排油バル
ブ46に、またシックアブソーバ切換機構駆動手段60
を介してしてショックアブソーバ23の減衰力切換機構
のアクチュエータに夫々入力される。
【0027】次に、本実施例に係る制御内容を、図3〜
図5に示すフローチャートを参照しつつ説明するが、当
該制御はモード切換スイッチの切換位置がオートモード
に切換えられている場合のみ実施される。ステップ1
(図ではS1と略記する。以下同様)では、操舵角セン
サ62から操舵角θ信号を読込む。
【0028】ステップ2では、車速センサ61から車速
V信号を読込む。ステップ3では、横加速度演算値GYC
を次式に従って演算する。 GYC=〔V2 ・θ〕/〔N・L×(1+K・V2 )〕 但し、Nはステアリングギア比、Lはホイールベース
(=Lr+Lf)である。またKは車両の基本的な運動
性能を表す数値であるスタビリティファクタであり、次
式のように定義される。
【0029】K=−〔M/2L2 〕・〔(Lf・Cf−
Lr・Cr)/(Cf・Cr)〕 但し、Mは車両重量、Cfは前輪コーナリングパワー、
Crは後輪コーナリングパワーである。ステップ4で
は、横加速度センサ63から横加速度GYSを読込む。ス
テップ5では、横加速度演算値GYCと横加速度GYSとの
差が許容誤差α以内であるか否かを判断し、|GYC−G
YS|≦αであると判断された場合には、ステップ6に進
み、以後の演算における横加速度GY をGY =GYCとす
る。
【0030】一方、ステップ5において、|GYC−GYS
|>αであると判断された場合には、ステップ7に進
み、以後の演算における横加速度GY をGY =GYSとす
る。ここで、ステップ5〜ステップ7について説明する
と、車体に発生する横加速度は、実際には横加速度セン
サ63により測定される。しかしながら、該測定にあっ
てはシステムに係る応答遅れ等が存在するため、制御応
答性を確保するために、車体の挙動を予測し、該予測に
基づいて予測演算した横加速度演算値GYCを用いて制御
を行うことが望ましい。しかしながら、例えば滑り易い
等の路面状況により予測演算した横加速度演算値GYC
車体に発生した横加速度GYSとが大きく異なる惧れがあ
るので、大きく異なった場合のみ、実際に車体に発生し
た横加速度GYSを以後の演算における横加速度GY とし
ているものである。
【0031】ステップ8では、前後加速度センサ64か
ら前後加速度GX を読込む。尚、前後加速度GX につい
ては、操舵に係る横加速度GY ほど微妙ではないので、
前後加速度センサ64から読込んだ値のみを用いる。こ
こで、例えば車体が左側にロールすることにより、左側
のエアスプリングは圧縮されて内圧が増圧され、右側の
エアスプリングは膨張させられて内圧が減圧される。従
って、例えば車体が左側にロールするときに、左側のエ
アスプリングに圧力を付加することにより圧縮され難く
し、右側のエアスプリングから圧力を抜くことにより膨
張し難くすることにより、該車体の左側へのロールを抑
制することが可能となる。
【0032】もって、ステップ9では、ローリングやピ
ッチング等が発生した場合に、エアスプリング22に付
加したり、或いは減らしたする所要の圧力を所要圧力制
御値ΔPとして、次式のように演算する。ここで、添字
について説明すると、添字fは車体前側、添字rは車体
後側、添字Rは車体右側また添字Lは車体左側を示すも
のである。また所要圧力制御値ΔPは正負を有している
が、本実施例ではエアスプリング22に圧力を付加する
場合をプラス、エアスプリング22から圧力を減らす場
合をマイナスとしている。
【0033】ΔPfR=+α・〔Lr/(ASf・Tf
L)〕・m・h・GY+β・〔1/(2ASf・L)〕・
m・j・GX ΔPfL=−α・〔Lr/(ASf・Tf ・L)〕・m・h
・GY+β・〔1/(2ASf・L)〕・m・j・GX ΔPrR=+α・〔Lf/(ASr・Tr ・L)〕・m・h
・GY−β・〔1/(2ASr・L)〕・m・j・GX ΔPrL=−α・〔Lf/(ASr・Tr ・L)〕・m・h
・GY−β・〔1/(2ASr・L)〕・m・j・GX ここで、第1項は横加速度に対する付加圧力の演算項目
であり、横加速度より発生し得るロールのモーメントか
ら圧力を演算しており、第2項は前後加速度に対する付
加圧力の演算項目であり、前後加速度より発生し得るピ
ッチングのモーメントから圧力を演算しているものであ
る。なお、αはロール制御ゲイン、βはピッチ制御ゲイ
ン、Lrは前軸から車体重心までの距離、Lfは後軸か
ら車体重心までの距離、AS はエアスプリング22の断
面積、Tf は前側のエアスプリング22のスパン、Tr
は後側のエアスプリング22のスパン、mはばね上質
量、hはロール高さ、jはピッチ高さである。
【0034】ステップ10では、ステップ9で演算した
所要圧力制御値ΔPを用いて、ローリングやピッチング
等が発生した場合の、各油圧ピストン37の要求ストロ
ークSREQ (図1参照)を、次式のように演算する。な
お、添字については前述と同様である。 SREQfR =〔V0f/ATf〕・〔ΔPfR/(P0f+Δ
fR)〕 SREQfL =〔V0f/ATf〕・〔ΔPfL/(P0f+Δ
fL)〕 SREQrR =〔V0r/ATr〕・〔ΔPfR/(P0r+Δ
rR)〕 SREQrL =〔V0r/ATr〕・〔ΔPfL/(P0r+Δ
rL)〕 なお、V0 はエアスプリング22とサブタンクユニット
31との合計の標準容積、AT はサブタンクユニット3
1の大径部32の断面積、P0 は標準内圧である。
【0035】次に、ステップ10で演算したん要求スト
ロークSREQ に基づいて、給・排気制御バルブ27の開
閉制御、ショックアブソーバ23の減衰力切換機構のア
クチュエータの切換制御及び前述の各油圧ピストン37
の要求ストロークSREQ になるように給油バルブ45及
び排油バルブ46の開閉制御を行うが、各要求ストロー
クに基づいて該制御を行うと、制御が煩雑となるので、
ステップ11〜15では、まず給・排気制御バルブ27
の開閉制御、ショックアブソーバ23の減衰力切換機構
のアクチュエータの切換制御についてのみ、前輪右側に
係る要求ストロークSREQfR が0か否かにより、前箇所
について一括して制御する。
【0036】即ち、ステップ11において、前輪右側に
係る要求ストロークSREQfR =0であるか否かを判断
し、SREQfR ≠0と判断された場合には、SREQfL
0、SRE QrR =0またはSREQrL =0に拘らず、ステッ
プ12に進む。ステップ12では、給・排気制御バルブ
27を閉とする。該給・排気制御バルブ27を閉にする
ことにより、サブタンクユニットの容積を可変としたと
きの該容積の変化の影響がレベリングバルブ24に作用
することを防止し、該レベリングバルブ24により行わ
れる車高調整を一時的に中止させている。
【0037】次にステップ13に進み、安定性を増すた
めに、ショックアブソーバ23の減衰力切換機構のアク
チュエータをハードに切換制御し、ダンピングを硬くす
る。一方、ステップ11において、SREQfR =0である
と判断された場合には、S REQfL ≠0、SREQrR ≠0ま
たはSREQrL ≠0に拘らず、ステップ14に進む。ステ
ップ14では、給・排気制御バルブ27を開とする。該
給・排気制御バルブ27を開にすることにより、サブタ
ンクユニットの容積可変は実施せず、もって通常のレベ
リングバルブ24により車高調整可能とする。
【0038】次にステップ15に進み、ショックアブソ
ーバ23の減衰力切換機構のアクチュエータをソフトに
切換制御し、乗り心地を確保する。なお、本実施例にお
いては、ステップ11において前輪右側に係る要求スト
ロークSREQfR =0であるか否かを判断することによ
り、ステップ12〜ステップ15の実施を判断したが、
REQfL またはSREQrR またはSREQrL であってもよい
ことは勿論であり、全てを同時に実施してもよいことも
勿論である。
【0039】次にステップ16に進み、前記ステップ1
0で演算した要求ストロークSREQに基づいて、給油バ
ルブ45及び排油バルブ46の開閉制御を行うアクチュ
エータ制御サブルーチンを実施し、本ルーチンを終了す
る。次にアクチュエータ制御サブルーチンについて、図
6に示すフローチャートを参照しつつ説明するが、ここ
では、前輪右側に係る給油バルブ45と排油バルブ46
の開閉制御についてのみ説明を行い、他の箇所について
は同様であるので、説明を省略する。
【0040】ステップ21では、現在の油圧ピストン3
7の移動ストロークに係るストロークS信号をストロー
クセンサ41により読込む。ステップ22では、要求ス
トロークSREQfR と移動ストロークSfRとの差異を演算
する。SREQfR <SfRの場合には、ステップ23,24
に進み、給油バルブ45を閉とし、排油バルブ46を開
として、油圧ピストン37を後退させ、容量VT を大き
くし、エアスプリング22内部のエア容積を実質的に大
きして、ばね定数を小さくし、より乗り心地の向上を図
り、再度ステップ21に戻る。
【0041】またSREQfR >SfRの場合には、ステップ
25,26に進み、給油バルブ45を開とし、排油バル
ブ46を閉として、油圧ピストン37を前進させ、容量
Tを小さくし、エアスプリング22内部のエア容積を
実質的に小さくて、ばね定数を大きくし、よりロールの
低減を図り、再度ステップ21に戻る。また SREQfR
fRの場合には、ステップ27,28に進み、給油バル
ブ45及び排油バルブ46とも閉として、油圧ピストン
37の位置を現状の位置とし、エアスプリング22内部
のエア容積を保持して、ばね定数を現在値に保持する。
【0042】ここで、本実施例に係る作用を図7に示す
タイムチャートを参照しつつ、説明する。なお、実線は
従来における作用を示し、点線が本実施例に係る作用を
示す。図7(1)のように、運転者が所定時刻taより
ハンドルを右に操作し、その後左に操舵する。従って、
操舵角θは所定時刻taより正に増大し、時刻tcにて
0となり負に減少し、時刻teにて0となる。
【0043】従って、横加速度も前記操舵角θと同様に
図7(2)のように変化し、車体は操舵角θと略等しい
位相にてロールし、図7(3)に示すようなロール角度
を生じる。即ち、時刻taより左側にロールし、時刻t
cより右側にロールする。このとき、左側のエアスプリ
ングは、図7(4)に示すように、時刻taより車体が
左側にロールすることにより、圧縮されて内圧が増圧さ
れ、時刻tcより右側にロールすることにより、膨張に
より減圧する。
【0044】このとき従来は、左側のエアスプリングに
連通するサブタンクの容量は変化しないので、前述の増
圧、減圧は大きなものとなり、もって車体が大きくロー
ルすることとなる。しかしながら、本実施例では、サブ
タンクユニット31を図7(5)に示すように制御する
(時刻taより減少させ、時刻tcより増大する)こと
により、時刻taより車体が左側にロールするときに
は、より内圧が増圧され、サスペンションが反発しよう
とするモーメントが増え、車体を押し上げることとな
り、ロール角が減る。また時刻tcより右側にロールす
るときには、より減圧されるようにエアスプリング22
の内容積を実質的に可変とし、(図7(4)参照)同様
にサスペンションが反発しようとするモーメントが増
え、車体を押し下げることとなり、ロール角が減る。
【0045】以上説明したように、本実施例によれば、
例えば車体が左側にロールすることにより、左側のエア
スプリングは圧縮されて内圧が増圧され、右側のエアス
プリングは膨張させられて内圧が減圧される。従って、
例えば車体が左側にロールするときに、左側のエアスプ
リングに圧力を付加することにより圧縮され難くし、右
側のエアスプリングから圧力を抜くことにより膨張し難
くすることにより、該車体の左側へのロールを抑制する
ことが可能となることに鑑み、エアスプリング22に付
加したり、或いは減らしたする所要圧力制御値ΔPを得
るために、油圧ピストン37が移動させられる。即ち、
連続的にエアスプリング22のばね定数が変更可能とな
る。
【0046】また本実施例では、大径部32の内部にベ
ロフラム34が挟持され、大径底部35とベロフラム3
4によりサブタンクとしての空間36が形成されている
ので、万一ベロフラム34に亀裂等が生じた場合にも、
大径部32と小径部33により密閉空間が形成されてい
るので、エアスプリング22の安全性が確保されてい
る。
【0047】また、本実施例では、油圧ピストン37の
先端部38が前記ベロフラム34を押圧しているので、
サブタンクとしての空間36に加わる圧力が変化して
も、サブタンクとして剛性を有した構造となっており、
エアスプリング22のばね定数が突発的に変化すること
を防止でき、性能向上も図られている。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、エアスプリング内部と連通するサブタンク
の容量を可変とする容量可変手段が設けられており、前
後方向加速度及び横方向加速度に基づいてサブタンクの
容量を変化させる構成としたので、疑似的にエアスプリ
ングのばね定数が大きくなり、疑似的にロール剛性、ピ
ッチング剛性を上げることが可能となり、ばね上系に発
生するロール或いはピッチング、即ちばね上系が急激な
挙動変化をした時においても、発生する動的角度変位が
効果的に制振され、もってトータル的な姿勢制御がなさ
れて、車両の操縦性が向上するという効果がある。
【0049】請求項2記載の発明によれば、エアスプリ
ングと当該エアスプリングにエアを供給するエア供給源
とを接続するエア配管にレベリングバルブが介装される
車両用エアサスペンション装置において、前述のように
サブタンクの容量を変化させているときには、前記レベ
リングバルブが作用しないように、エアスプリングとレ
ベリングバルブとを接続するエア配管に介装されるレベ
リングバルブの作用を停止したので、該容量変化の影響
がレベリングバルブに作用することを防止でき、ロール
剛性、ピッチング剛性の増大をより効果的に行うことが
可能となり、ばね上系が急激な挙動変化をした時におい
ても、発生する動的角度変位が効果的に制振され、もっ
てトータル的な姿勢制御がなされて、車両の操縦性が向
上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のシステム図
【図2】 同上実施例に係る制御ブロック図
【図3】 同上実施例の制御内容を説明するフローチャ
ート
【図4】 同上実施例の制御内容を説明するフローチャ
ート
【図5】 同上実施例の制御内容を説明するフローチャ
ート
【図6】 同上実施例のアクチュエータ制御サブルーチ
ンの制御内容を説明するフローチャート
【図7】 同上実施例の作用を説明するタイムチャート
【図8】 従来の車両用エアサスペンション装置の一例
のシステム構成図
【図9】 従来の車両用エアサスペンション装置の他例
のシステム構成図
【符号の説明】
20 車体 21 タイヤ 22 エアスプリング 25 給・排気通路 27 給・排気制御バルブ 31 サブタンクユニット 32 大径部 37 油圧ピストン 41 ストロークセンサ 45 給油バルブ 46 排油バルブ 50 コントロールユニット 61 車速センサ 62 操舵角センサ 63 横加速度センサ 64 前後加速度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両におけるばね上系と前後左右の各ばね
    下系との間に少なくとも1個設けられ該ばね上系を支持
    するエアスプリングと、 前記エアスプリング内部と連通されるサブタンクと、 を備えてなる車両用エアサスペンション装置において、 サブタンクの容量を可変とする容量可変手段と、 車両に生じる前後方向加速度を検出する前後方向加速度
    検出手段と、 車両に生じる横方向加速度を検出する横方向加速度検出
    手段と、 前記前後方向加速度及び横方向加速度に基づいてサブタ
    ンクの容量を変化させる容量制御手段と、 を設けたことを特徴とする車両用エアサスペンション装
    置。
  2. 【請求項2】車両におけるばね上系と前後左右の各ばね
    下系との間に少なくとも1個設けられ該ばね上系を支持
    するエアスプリングと、 前記エアスプリング内部と連通されるサブタンクと、 前記エアスプリングと当該エアスプリングにエアを供給
    するエア供給源とを接続するエア配管に介装されるレベ
    リングバルブと、 を備えてなる車両用エアサスペンション装置において、 サブタンクの容量を可変とする容量可変手段と、 車両に生じる前後方向加速度を検出する前後方向加速度
    検出手段と、 車両に生じる横方向加速度を検出する横方向加速度検出
    手段と、 前記前後方向加速度及び横方向加速度に基づいてサブタ
    ンクの容量を変化させる容量制御手段と、 を設けると共に、容量制御手段がサブタンクの容量を変
    化させているときには、前記エアスプリングとレベリン
    グバルブとを接続するエア配管に介装されるレベリング
    バルブの作用を停止する車高調整停止手段と、 を設けたことを特徴とする車両用エアサスペンション装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023036733A1 (de) * 2021-09-09 2023-03-16 Hasse & Wrede Gmbh Federungsanordnung und verfahren zum steuern von federungsanordnungen

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023036733A1 (de) * 2021-09-09 2023-03-16 Hasse & Wrede Gmbh Federungsanordnung und verfahren zum steuern von federungsanordnungen
US12403743B2 (en) 2021-09-09 2025-09-02 Hasse & Wrede Gmbh Suspension arrangement and method for controlling suspension arrangements

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