JPH0890264A - レーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接方法

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JPH0890264A
JPH0890264A JP6222911A JP22291194A JPH0890264A JP H0890264 A JPH0890264 A JP H0890264A JP 6222911 A JP6222911 A JP 6222911A JP 22291194 A JP22291194 A JP 22291194A JP H0890264 A JPH0890264 A JP H0890264A
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JP
Japan
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laser
welding
pressure roller
welded
laser beam
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JP6222911A
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Inventor
Kiyokazu Mori
清和 森
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
    • B23K26/04Automatically aligning, aiming or focusing the laser beam, e.g. using the back-scattered light
    • B23K26/042Automatically aligning the laser beam
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
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    • B23K26/037Aligning the laser beam by pressing on the workpiece, e.g. pressing roller foot

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被溶接物の形状ばらつきに伴うレーザビーム
の焦点位置の変動をなくして、溶接品質を高める。 【構成】 エアシリンダ18にて一定の加圧力が付与さ
れる加圧ローラ10にて被溶接物8,9の溶接部を加圧
拘束する。被溶接物8,9の形状ばらつきに応じた加圧
ローラ10の上下方向の変位を位置センサ20で検出
し、そのセンサ出力をロボット制御系側にフィードバッ
クして、レーザ加工ヘッド14と被溶接物8,9との間
の相対位置を補正する。これにより、被溶接物8,9の
形状ばらつきにかかわらず、レーザビーム2の焦点位置
Aが常に溶接部の表面上で結ばれるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車体パネルの
接合等に用いられるレーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体パネルの接合に際してレー
ザ溶接を採用した場合には、片側からの溶接で済むとと
もに、ビード幅が狭いために従来工法である抵抗スポッ
ト溶接やアーク溶接に比べて接合部の設計自由度が大き
く、溶接継手としての幅を狭くすることが可能となる利
点がある。
【0003】図11は一般的な重ね継手でのレーザ溶接
の概念図で、1はレーザ発振機、2はレーザビーム(レ
ーザ光)、3はレーザビーム2をワーク表面に集光する
レンズ等の集光光学系、4は被溶接物(ワーク)であ
る。
【0004】一方、レーザ溶接では溶接光エネルギーの
集光性がよいという特徴の裏返しとして、被溶接物4の
重ね合わせ品質を厳格に管理する必要がある。重ね継手
では、図11に示す上下の被溶接物4の間の隙間Cの許
容量は上部側被溶接物4の板厚の30%程度であり、こ
れを越えると重ね継手としての強度のばらつきが増大す
る。図12は、車体パネル用の材料として一般的な厚さ
0.8mmの冷間圧延鋼板(SPC)同士を重ね合わせ
た継手の20mm分のテストピースについて、その引っ
張り強度と板間の隙間との関係を示したもので、0.3
mm以下の隙間しか許容されないことがわかる。なお、
溶接時の条件は、レーザ出力4kW、溶接速度3m/
分、アルゴンガス供給量25リットル/分である。
【0005】さらに、別の溶接条件としてレーザビーム
2の焦点位置を被溶接物4の表面に正確に設定する必要
があり、一般的な数kWレベルの炭酸ガス(CO2)レ
ーザ加工機では、焦点位置の許容量は±1mm程度であ
る。これは、図13に示す焦点位置と溶け込み深さとの
関係から明らかである。なお、溶接時の条件は、レーザ
出力3kW、溶接速度3m/分とした。
【0006】以上のような条件を満たすために、重ね継
手の上側もしくは上下両側から被溶接物4に加圧力を加
えて重ね継手の隙間Cの寸法を矯正しつつレーザ溶接を
施すようにした方法が一部において知られている。
【0007】図14,15はその一例を示す図で、溶接
部となる上下の被溶接物4の端部を上下各一対の加圧ロ
ーラ5,6で挾み、エシリンダ7により加圧力を加えな
がらレーザビーム2と被溶接物4とを溶接線方向に相対
移動させながら溶接を行うようにしたものである(類似
構造が例えば特開昭59−179284号公報および特
開平4−258391号公報に記載されている)。
【0008】一方、図16,17に示すように、自動車
の車体パネルであるルーフサイドレール8とルーフパネ
ル9との接合の際には、ルーフサイドレール8が閉断面
構造であるために被溶接物の下側からは加圧力を付与す
ることができない。このような場合には、同図に示すよ
うに、被溶接物であるルーフパネル9の上側からのみ加
圧ローラ10を押し当てて、エアシリンダ11によって
得られる加圧力を付与することになる。なお、12はエ
アシリンダ11の可動部であるスライダで、このスライ
ダ12にアーム13を介して加圧ローラ10が取り付け
られている。
【0009】ここで、図11に示す重ね継手の板間の隙
間Cと、その隙間Cの矯正に必要な加圧力との関係を図
18に示し、実線は剛体(本実験では定盤を用いた)の
上で加圧力を増加させた場合の変化を、破線は図16,
17に示すルーフサイドレール8の如き中空状態(本実
験では溶接部を長さ20mmの片持ちばり状態として実
験した)で加圧力を増加させた場合の変化をそれぞれ示
している。なお、図18に示すデータは、厚さ0.8m
mの冷間圧延鋼板(SPC)を、レーザ出力3kW、溶
接速度3m/分の条件で図16,17に示す加圧ローラ
10で矯正しながら溶接したときのものである。
【0010】図18から明らかなように、剛体の上で被
溶接物の加圧力を増加させた場合には、その加圧力の増
加に伴って板間の隙間Cが減少しているのに対して、中
空状態ではある値以上に加圧力が大きくなると継手全体
の変形が大きくなり、加圧ローラ10を用いたことによ
って逆に隙間Cが大きくなる。
【0011】この加圧力の下限および上限の値は該当す
る断面がもつ剛性によって決定され、例えば被溶接物の
板厚を0.8mmから1.2mmに増加させて剛性を高
めると、図19に示すように中空状態で加圧力を増加さ
せた場合の隙間Cの増加傾向が鈍くなる。
【0012】このように、板間の隙間Cを矯正するため
にはその加圧力を一定の範囲内に調整する必要があり、
そのために従来からエアシリンダに代表されるような力
一定制御が可能なアクチュエータを用いて加圧力を得る
ようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の方法では、加圧ローラ10が被溶接物に及
ぼす加圧力が一定となるような制御を行ったとしても、
車体組立ラインの停止精度誤差や車体組立精度誤差によ
って起こる形状ばらつきに加えて、前記加圧力の付与に
伴う溶接部の撓みのために、溶接部とレーザ加工ヘッド
とのレーザ光軸方向での相対位置関係が変わりその焦点
位置が変化してしまうことになる。その結果、溶接部の
表面でレーザビームの焦点が結ばれるのが理想であるに
もかかわらず、その焦点位置が上記の形状ばらつき等の
ためにレーザ光軸方向のいずれかの方向にずれて、溶接
不良の発生を招くことになって好ましくない。
【0014】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、加圧ローラの加圧方向での位置と、溶接部
とレーザビームの焦点位置との間のレーザ光軸方向での
相対位置との間に相関関係があることに着目し、加圧ロ
ーラの位置を検出してこれをフィードバックすることに
より被溶接物と焦点位置との相対位置が常に一定になる
ように制御するようにした方法を提供することを目的と
している。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、金属薄板にて形成された被溶接物の溶接部近傍を、
直動型の流体圧アクチュエータによって加圧力が付与さ
れる加圧ローラで加圧拘束する一方、レーザ加工ヘッド
から照射されたレーザ光を溶接部に照射して前記被溶接
物とレーザ光とを溶接線方向に相対移動させながら溶接
を行う方法であって、前記加圧ローラの加圧軸線方向で
の位置を連続的に検出し、前記レーザ光の焦点が常に被
溶接物の表面上に位置するように、前記加圧ローラの位
置変化量に基づいて被溶接物とレーザ加工ヘッドのレー
ザ光軸方向での相対位置を補正しながら溶接することを
特徴としている。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
発明の要件に加えて、前記流体圧アクチュエータによっ
て付与される加圧ローラの加圧力が、被溶接物の板厚1
mm当たり5kgf〜10kgfの範囲に設定されてい
ることを特徴としている。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の発明の要件に加えて、前記レーザ加工ヘッドと
加圧ローラが産業用ロボットのアームに支持されている
ことを特徴としている。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明の要件に加えて、前記レーザ光軸
と加圧ローラとが溶接線方向に相互にオフセットしてい
て、且つ前記被溶接物に対する加圧ローラの接触位置と
前記レーザ光の焦点位置との間のレーザ光軸方向でのず
れ量を補正しながら溶接を行うことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに
記載の発明の要件に加えて、前記加圧ローラと共通の支
持体に光センサを取り付けて、前記レーザ光に誘起され
て溶接部位から発生するプラズマを前記光センサで監視
し、そのレーザ誘起プラズマの強度に基づいて溶接品質
を管理することを特徴としている。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明によると、流体圧アクチュ
エータにより付与される一定の加圧力で加圧ローラが被
溶接物を加圧している場合に、被溶接物に形状ばらつき
等があればそれに応じて加圧ローラが加圧軸線方向にス
ライド変位し、その変位量をセンサで検出する。
【0020】そして、前記流体圧アクチュエータとレー
ザ加工ヘッドとが産業用ロボット等の共通の支持体に固
定支持されていれば、上記の加圧ローラの変化量は、レ
ーザ加圧ヘッドと被溶接物との間のレーザ光軸方向での
変化量、すなわち被溶接物の表面に対するレーザ光の焦
点位置の変化量にほかならない。
【0021】そこで、上記の加圧ローラの変化量をレー
ザ加工ヘッドの制御系にフィードバックして位置補正を
かけることにより、被溶接物の位置あるいは形状ばらつ
きにかかわらずレーザビームは常に被溶接物の表面上で
焦点を結ぶようになる。
【0022】ここで、被溶接物自体の剛性により、溶接
部での隙間の矯正に必要な最低限の加圧力、および被溶
接物が歪まない範囲での最大限の加圧力が決定されるこ
とから、請求項2に記載の発明のように、その加圧力の
大きさとして被溶接物の板厚1mm当たり5kgf〜1
0kgfの範囲内に設定することにより、被溶接物に歪
みを発生させることなく且つ溶接部の隙間矯正に必要な
加圧力で溶接部を効果的に加圧拘束することができる。
【0023】請求項3に記載の発明によると、レーザ加
工ヘッドと加圧ローラとが産業用ロボットのアームに支
持されていることにより、汎用性のある産業用ロボット
を中心とした設備構成とすることができることから、簡
易な設備構成でレーザ溶接を実現できる。
【0024】前記レーザ光と加圧ローラとが溶接線方向
に相互にオフセットしていて、溶接対象となる溶接部が
凹面もしくは凸面形状となっている場合には、その加圧
ローラの接触位置と焦点位置との間にずれが生じること
になる。そこで、請求項4に記載の発明のように、例え
ば溶接進行方向に対して先行する加圧ローラの位置を逐
次記憶しておき、レーザ光が加圧ローラとの間のオフセ
ット量だけ進行してきた時に先に記憶した加圧ローラの
位置情報のもとにレーザ加工ヘッドと被溶接物とのレー
ザ光軸方向での相対位置を補正するか、あるいは溶接部
の凹面もしくは凸面形状の曲率に関するレーザ光軸方向
での補正値をレーザ加工ヘッドと被溶接物との相対位置
制御のティーチングデータとして予め与えておいて実際
の溶接時に補正することにより、前述した被溶接物に対
する加圧ローラの接触位置とレーザ光の焦点位置との間
のレーザ光軸方向でのずれ量が問題となることがなくな
る。
【0025】請求項5に記載の発明によると、溶接時の
レーザ光に誘起されて溶接部位から発生するプラズマを
光センサで監視し、そのレーザ誘起プラズマの強度に基
づいて溶接品質もしくは溶接状態の適否を判定するにあ
たり、前記光センサを加圧ローラと共通の支持体に取り
付けたことにより、例えば被溶接物の寸法ばらつき等の
ためにレーザ光の焦点位置が変動したとしてもその焦点
位置の変動に応じて光センサ自体も加圧ローラとともに
変位することから、光センサは常にプラズマ光強度の高
い焦点位置近傍を指向することができるようになる。
【0026】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す図で、自動車
の車体パネルであるルーフサイドレール8とルーフパネ
ル9とを溶接する場合の例を示している。なお、図1
6,17と共通する部分には同一符号を付してある。
【0027】図1に示すように、レーザビーム2の集光
光学系を含んでなるレーザ加工ヘッド14は産業用ロボ
ット15のアーム16先端に取り付けられていて、その
レーザ加工ヘッド14の胴部17には従来と同様に流体
圧アクチュエータであるロッドレスタイプのエアシリン
ダ18によって加圧力が付与される加圧ローラ10が装
着されている。
【0028】すなわち、レーザ加工ヘッド14の胴部1
7に固定された保持ブラケット19にはロッドレスタイ
プのエアシリンダ18が固定支持されており、このエア
シリンダ18の可動部であるスライダ12には、回転自
在な加圧ローラ10を支持しているアーム13が固定さ
れている。これにより、加圧ローラ10はエアシリンダ
18の伸縮作動に応じて上下方向に変位可能となってい
る。
【0029】そして、前記エアシリンダ18にはスライ
ダ12のスライド変位(ストローク)を検出するための
リニアスケールセンサ等の位置センサ20が装着されて
いて、この位置センサ20の検出出力は図2に示すよう
にセンサアンプ21で増幅された上でコンパレータ22
に取り込まれ、そのコンパレータ22の出力がロボット
制御装置23に入力されるようになっている。
【0030】より詳しくは、前記エアシリンダ18は、
加圧ローラ10が相手側のパネルに及ぼす加圧力が常に
一定の値となるように圧力一定制御が行われるのに加え
て、そのエアシリンダ18のスライダ12のストローク
すなわち加圧ローラ10のストロークが常に一定の値と
なるようにストローク一定制御が行われる。これは、図
2に示すように、スライダ12の基準位置(例えば全ス
トロークの中間位置)が予め決められていて、この基準
位置に相当する比較用基準電圧が可変設定器24によっ
て予め設定されていることから、スライダ12が基準位
置に対してずれを生ずるとそのずれ量に相当する差分信
号がコンパレータ22からロボット制御装置23に補正
信号として入力され、産業用ロボット15のアーム16
が上記のずれ量分だけレーザ加工ヘッド14の位置を修
正することにより、上記のストローク一定制御が行われ
る。なお、ルーフサイドレール8やルーフパネル9を含
む車体は図示外の治具に固定支持されている。
【0031】したがって、以上の実施例構造によれば、
図1に示すように、ロボットアーム16がレーザ加工ヘ
ッド14を予め定められた所定の軌跡に沿って動かすこ
とにより、加圧ローラ10はエアシリンダ18によって
付与される一定の加圧力のもとでルーフサイドレール8
とルーフパネル9との重合部を加圧拘束する一方、その
加圧拘束された位置の直近位置にレーザビーム2を照射
することで連続的にレーザ溶接が施される。この時、レ
ーザビーム2が溶接部の表面で焦点Aを結ぶように予め
被溶接物9とレーザ加工ヘッド14との間の相対距離が
調整されている。
【0032】一方、上記のような連続溶接中において、
被溶接物であるルーフサイドレール8やルーフパネル9
に上下方向での形状ばらつきがあると、その形状ばらつ
きに追従して加圧ローラ10が上下動するとともに、レ
ーザ加工ヘッド14と被溶接物9との間の相対距離を変
化し、エアシリンダ18のストローク一定制御を行わな
い場合にはレーザビーム2の焦点位置Aがずれて溶接部
の表面上で正しく焦点が結ばれないことになる。
【0033】そこで、エアシリンダ18のストローク一
定制御を採用している本実施例では、上記のようにルー
フサイドレール8もしくはルーフパネル9の形状ばらつ
きに応じて加圧ローラ10が上下動した場合には、図2
に示すようにその加圧ローラ10の基準位置からのずれ
量が位置センサ20で検出されて、ずれ量を補正するた
めの信号がロボット制御装置23に付与される。
【0034】一方、ロボット制御装置23は産業用ロボ
ット15に指令を与えて、先のずれ量に応じた量だけ産
業用ロボット15がレーザ加工ヘッド14を被溶接物9
に対して接近もしくは離間させる。これにより、加圧力
が一定となるように圧力制御されているエアシリンダ1
8が所定量だけ伸縮動作し、このエアシリンダ18によ
って加圧力が付与される加圧ローラ10は基準位置であ
るところのストローク一定位置に保持される。
【0035】そして、上記のようにレーザ加圧ヘッド1
4が動かされることによって被溶接物9とレーザ加工ヘ
ッド14との間の相対距離も変化し、レーザビーム2が
溶接部の表面上で正確に焦点Aを結ぶようになる。
【0036】このように本実施例によれば、加圧ローラ
10が被溶接物8,9に及ぼす加圧力を一定に保ちなが
ら、被溶接物8,9の形状ばらつきに応じて上下動変位
する加圧ローラ10の位置変位をフィードバックして、
被溶接物8,9とレーザ加工ヘッド14との相対距離を
補正するようにしたことにより、被溶接物8,9の形状
ばらつき等の影響を受けることなくレーザビーム2の焦
点位置Aを常に溶接部の表面上に一致させることができ
るようになる。
【0037】ここで、本実施例では、被溶接物8,9の
上面側からのみ加圧ローラ10を押し付ける場合の例を
示したが、例えば図14,15に示すように被溶接物の
上下両面から加圧ローラを押し付けるようにしたタイプ
のものにも同様に適用することができる。
【0038】また、加圧ローラ10が被溶接物8,9に
及ぼす加圧力は、図1に示すルーフサイドレール8とル
ーフパネル9との間の隙間を矯正することができる大き
さであって、且つ車体全体が撓まないような大きさであ
ることが重要であり、本実施例では被溶接物8,9の板
厚1mm当たり5kgf〜10kgf程度に設定してあ
る。
【0039】図3,4は本発明の第2の実施例を示す図
で、加圧ローラ25の接地点と焦点位置Aとが溶接線方
向で相互にオフセットしている場合の例を示している。
【0040】図3,4に示すように、前後一対の加圧ロ
ーラ25,26は共通する単一のエアシリンダ18によ
って加圧力が付与されるものであるが、図1に示すよう
に狭い溝の中を溶接する場合であってその溝幅に制限が
ある場合には、その溝幅方向に加圧ローラ25,26と
焦点位置Aとを並設することができず、図3に示すよう
に溶接線方向において焦点位置Aをはさんでその前後に
オフセットさせて加圧ローラ25,26を配置すること
がある。
【0041】この場合に、図4に示すように被溶接物9
の溶接部がレーザ光軸方向の曲率を有していると、第1
の実施例と同様にエアシリンダ18のストローク一定制
御を行ったとしても、図4にΔaで示すように加圧ロー
ラ25,26の接地位置と焦点位置Aとの間にレーザ光
軸方向の誤差が生ずることになる。
【0042】したがって、このような場合には、図5に
示すようにロボットの軌跡位置データの作成時(例えば
ティーチング時)に前記誤差Δaを該当する各点での補
正値として予め教示しておき、プレイバック時に、各点
の補正値を可変設定器24によって設定された比較用基
準電圧に加算する。このようにすることにより、図4に
示す誤差Δaを補正することができる。
【0043】また、他の方法として、図6,7に示すよ
うに、一対の加圧ローラ25,26のうち溶接進行方向
に対して先行する一方の加圧ローラ26の位置を前記位
置センサ20(第1,2図参照)の出力を用いて逐次記
憶しておく一方、レーザビーム2の焦点Aがその一方の
加圧ローラ26との間のオフセット量α分だけ進行して
きた時に、先に記憶した位置情報をもとにレーザビーム
2の焦点距離Aを補正するようにしてもよい。
【0044】ここで、溶接部の溶け込み深さ等の溶接状
態(溶接品質)を管理するために、図8に示すように、
被溶接物31の上方にその溶接部でのレーザビーム2の
焦点位置Aを指向するフォトトランジスタ等の光センサ
32を配置し、レーザビーム2に誘起されて溶接部で発
生するプラズマPの強度を光センサ32で監視するよう
にしたものがある。なお、33はレーザビーム2の集光
光学系、34は信号処理装置であって、前記光センサ3
2の検出出力が信号処理装置34で処理されて、予め設
定された基準値と比較されることにより溶接部の溶け込
み深さについて適否判定がなされる。
【0045】より詳しくは、レーザ溶接時に発生するプ
ラズマ光は母材の溶け込み状態を良く反映しており、プ
ラズマ光強度の変化を測定することで溶接品質がモニタ
リングできることは既に知られている。そして、このプ
ラズマ光Pは、図9に示すように溶接部の表面直上の1
mm以内の部分の光強度が最も強く、その周りは急速に
光強度が小さくなってゆく。図9の例では外側から内側
の領域になるにしたがってそれぞれ8倍程度ずつプラズ
マ光Pの光強度が高くなっている。
【0046】このように、プラズマ光Pは溶接部の表面
上の1mm以内の部分に集中して分布するため、車体パ
ネルのような三次元形状の溶接では光センサ32の狙い
位置すなわち指向方向が非常に重要な要素となる。
【0047】このようなプラズマ光Pによるモニタリン
グシステムを図1の構造に適用しようとする場合に、光
センサ32をレーザ加工ヘッド14に直接固定支持させ
ると、たとえレーザビーム2の焦点距離位置が一定とな
るようにレーザ加工ヘッド14と被溶接物9との間の相
対距離がフィードバック制御されたとしても、応答遅れ
等があるために光センサ32の指向方向を常にレーザビ
ーム2の焦点位置Aに向けることができず、プラズマ光
Pを正確にとらえられないことがある。
【0048】そこで、図10に示すように、補助ブラケ
ット34を介して光センサ32をエアシリンダ18のス
ライダ12に支持させることにより、光センサ32は被
溶接物8,9の形状に追従して加圧ローラ10とともに
上下方向に変位し、被溶接物8,9の形状ばらつき等の
影響を受けずにプラズマ光強度の高い焦点位置A近傍を
常に指向してそのプラズマ光を正確にとらえることがで
きるようになる。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、加圧ロ
ーラの位置変位をフィードバックして、レーザ光の焦点
が被溶接物の表面上に常に位置するようにレーザ加工ヘ
ッドと被溶接物とのレーザ光軸方向での相対位置を補正
するようにしたことにより、被溶接物の形状ばらつき等
があってもそれに応じてレーザ光の焦点位置が変動する
ことがなくなり、溶接品質が大幅に向上する。
【0050】請求項2に記載の発明によれば、前記加圧
ローラによる加圧力を被溶接物の板厚1mm当たり5k
gf〜10kgfの範囲内に設定したことにより、特に
自動車の車体パネルのように変形しやすい構造体であっ
ても、被溶接物に歪みを発生させることなく、且つ溶接
継手の隙間矯正に必要充分な加圧力で溶接部を効果的に
加圧することができる。
【0051】請求項3に記載の発明によれば、レーザ加
工ヘッドと加圧ローラが産業用ロボットのアームに支持
されていることにより、汎用性のある産業用ロボットと
被溶接物を固定するための治具とを組み合わせた設備構
成とすることができることから、レーザ溶接用の大がか
りな専用機的な設置が不要となって、簡易な設備構成の
もとで所期の目的であるレーザ溶接を実現できる。
【0052】請求項4に記載の発明によれば、レーザ光
と加圧ローラとが溶接線方向に相互にオフセットしてい
る場合に、加圧ローラの着地位置とレーザ光の焦点位置
との間のレーザ光軸方向のずれ量を補正するようにした
ことにより、溶接部の形状が凹面もしくは凸面形状とな
っている場合にも上記のずれ量が問題となることはな
く、特に車体パネルのように三次元形状をもつ車体パネ
ルでも無理なく溶接することができる。
【0053】請求項5に記載の発明によれば、溶接時に
レーザ光に誘起されて溶接部から発生するプラズマ光を
光センサで検出し、そのレーザ誘起プラズマ光の強度に
基づいて溶接品質もしくは溶接状態をモニタリングにあ
たり、その光センサを加圧ローラと共通の支持体に支持
させたことにより、被溶接物の形状ばらつき等があって
も、光センサをプラズマ光強度の高い焦点位置近傍に常
に指向させることができるようにそのプラズマ光を正確
にとらえることができ、モニタリング結果の信頼性が大
幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部の構成説明図。
【図2】図1の信号処理系のブロック回路図。
【図3】本発明の他の実施例を示す構成説明図。
【図4】図3の作動説明図。
【図5】図3,4の信号処理系のブロック回路図。
【図6】図3の作動説明図。
【図7】図3の作動説明図。
【図8】プラズマ光による溶接部の溶接品質モニタリン
グシステムの説明図。
【図9】図8の要部拡大図。
【図10】本発明のさらに他の実施例を示す要部の構成
説明図。
【図11】従来の一般的なレーザ溶接の概念図。
【図12】溶接重ね継手における板間の隙間と引っ張り
強度との関係を示す特性図。
【図13】レーザビームの焦点位置と溶け込み深さとの
関係を示す特性図。
【図14】加圧ローラを用いた従来のレーザ溶接工法の
概略説明図。
【図15】図14の垂直断面図。
【図16】加圧ローラを用いた従来のレーザ溶接工法の
他の例を示す概略説明図。
【図17】図16の垂直断面図。
【図18】ローラ加圧力と板間の隙間との関係を示す特
性図。
【図19】ローラ加圧力と板間の隙間との関係を示す特
性図。
【符号の説明】
2…レーザビーム(レーザ光) 8…ルーフサイドレール(被溶接物) 9…ルーフパネル(被溶接物) 10…加圧ローラ 12…スライダ(支持体) 14…レーザ加工ヘッド 15…産業用ロボット 16…アーム 18…エアシリンダ(流体圧アクチュエータ) 20…位置センサ 31…被溶接物 32…光センサ A…焦点位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 37/04 X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板にて形成された被溶接物の溶接
    部近傍を、直動型の流体圧アクチュエータによって加圧
    力が付与される加圧ローラで加圧拘束する一方、レーザ
    加工ヘッドから照射されたレーザ光を溶接部に照射して
    前記被溶接物とレーザ光とを溶接線方向に相対移動させ
    ながら溶接を行う方法であって、 前記加圧ローラの加圧軸線方向での位置を連続的に検出
    し、 前記レーザ光の焦点が常に被溶接物の表面上に位置する
    ように、前記加圧ローラの位置変化量に基づいて被溶接
    物とレーザ加工ヘッドのレーザ光軸方向での相対位置を
    補正しながら溶接することを特徴とするレーザ溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 前記流体圧アクチュエータによって付与
    される加圧ローラの加圧力が、被溶接物の板厚1mm当
    たり5kgf〜10kgfの範囲に設定されていること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ加工ヘッドと加圧ローラが産
    業用ロボットのアームに支持されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光軸と加圧ローラとが溶接線
    方向に相互にオフセットしていて、且つ前記被溶接物に
    対する加圧ローラの接触位置と前記レーザ光の焦点位置
    との間のレーザ光軸方向でのずれ量を補正しながら溶接
    を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のレーザ溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記加圧ローラと共通の支持体に光セン
    サを取り付けて、前記レーザ光に誘起されて溶接部位か
    ら発生するプラズマを前記光センサで監視し、そのレー
    ザ誘起プラズマの強度に基づいて溶接品質を管理するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ
    溶接方法。
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