JPH0889733A - 耐熱フィルタの再生方法 - Google Patents
耐熱フィルタの再生方法Info
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- JPH0889733A JPH0889733A JP22828594A JP22828594A JPH0889733A JP H0889733 A JPH0889733 A JP H0889733A JP 22828594 A JP22828594 A JP 22828594A JP 22828594 A JP22828594 A JP 22828594A JP H0889733 A JPH0889733 A JP H0889733A
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- Japan
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- resistant filter
- heat
- heating
- temperature
- regenerating
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- Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 再生コストが低廉にし、炭素の析出が起ら
ず、確実に再生し得る耐熱フィルタの再生方法を提供す
る。 【構成】 油脂類等の付着した使用済の耐熱フィルタ装
置1を加熱して再生する耐熱フィルタ装置1の再生方法
であって、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、か
つ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉3内に上記耐
熱フィルタ装置1を装填し、この耐熱フィルタ装置1
を、予め設定された設定温度になるまで25℃/min
以上の昇温速度で加熱し、上記設定温度に到達してから
さらに予め設定された所定時間の間上記設定温度を維持
するようにしている。
ず、確実に再生し得る耐熱フィルタの再生方法を提供す
る。 【構成】 油脂類等の付着した使用済の耐熱フィルタ装
置1を加熱して再生する耐熱フィルタ装置1の再生方法
であって、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、か
つ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉3内に上記耐
熱フィルタ装置1を装填し、この耐熱フィルタ装置1
を、予め設定された設定温度になるまで25℃/min
以上の昇温速度で加熱し、上記設定温度に到達してから
さらに予め設定された所定時間の間上記設定温度を維持
するようにしている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厨房等で使用される耐
熱フィルタの再生方法に関するものである。
熱フィルタの再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図8に示すような、耐熱フィルタ
が用いられた厨房等の排気装置が知られている。この排
気装置100は、調理台300の上方であってガスコン
ロ等の加熱治具200に開口部を対向させたフード10
1と、このフード101と壁面Wに穿設された排気口W
1との間に配設されたダクト102と、上記排気口W1
内に設けられた電動ファン400とから構成されてい
る。
が用いられた厨房等の排気装置が知られている。この排
気装置100は、調理台300の上方であってガスコン
ロ等の加熱治具200に開口部を対向させたフード10
1と、このフード101と壁面Wに穿設された排気口W
1との間に配設されたダクト102と、上記排気口W1
内に設けられた電動ファン400とから構成されてい
る。
【0003】そして、上記ダクト102内に耐熱フィル
タ500が内装されており、この耐熱フィルタ500に
よって、ガスコンロ200により加熱された調理容器2
01から発生する高温の油煙や、水蒸気に同伴して立ち
昇る微細な粉塵が捕捉されるようになっている。
タ500が内装されており、この耐熱フィルタ500に
よって、ガスコンロ200により加熱された調理容器2
01から発生する高温の油煙や、水蒸気に同伴して立ち
昇る微細な粉塵が捕捉されるようになっている。
【0004】上記耐熱フィルタ500は、通常グラスウ
ール等の耐熱材料が通気性の損なわれない状態で積層さ
れ、この積層物が金属枠の枠内に保形された状態でダク
ト102内に装着されている。そして、この耐熱フィル
タ500を長期間に亘って使用すると、油煙等の堆積に
よって内部のグラスウール等に目詰りが生じ、その結果
圧力損失が増大するため、電動ファン400によって充
分に油煙等を吸引することができなくなる。
ール等の耐熱材料が通気性の損なわれない状態で積層さ
れ、この積層物が金属枠の枠内に保形された状態でダク
ト102内に装着されている。そして、この耐熱フィル
タ500を長期間に亘って使用すると、油煙等の堆積に
よって内部のグラスウール等に目詰りが生じ、その結果
圧力損失が増大するため、電動ファン400によって充
分に油煙等を吸引することができなくなる。
【0005】そこで、耐熱フィルタ500が油煙等の付
着によって汚れてくると、それをダクト102内から取
り外し、油煙等を取り除く、いわゆる再生処理が施され
る。
着によって汚れてくると、それをダクト102内から取
り外し、油煙等を取り除く、いわゆる再生処理が施され
る。
【0006】従来、上記再生処理としては、金属枠から
取り外した耐熱フィルタ500を、80℃〜90℃に加
熱された水酸化ナトリウム溶液(濃度約3%)等のアル
カリ系の洗浄剤中に浸漬して洗浄する方法や、耐熱フィ
ルタ500を加熱して油煙等を燃焼除去する方法等が採
用されていた。
取り外した耐熱フィルタ500を、80℃〜90℃に加
熱された水酸化ナトリウム溶液(濃度約3%)等のアル
カリ系の洗浄剤中に浸漬して洗浄する方法や、耐熱フィ
ルタ500を加熱して油煙等を燃焼除去する方法等が採
用されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記アルカ
リ系洗浄液で耐熱フィルタを洗浄する方法にあっては、
まず、耐熱フィルタに捕捉された油煙等は調理時の高温
によって酸化固着状態になっており、たとえ高温のアル
カリ系洗浄液が用いられたとしても、油煙等の油脂分を
完全に洗浄液に溶解させることは困難であり、良好な洗
浄効果が得られないという問題点を有している。
リ系洗浄液で耐熱フィルタを洗浄する方法にあっては、
まず、耐熱フィルタに捕捉された油煙等は調理時の高温
によって酸化固着状態になっており、たとえ高温のアル
カリ系洗浄液が用いられたとしても、油煙等の油脂分を
完全に洗浄液に溶解させることは困難であり、良好な洗
浄効果が得られないという問題点を有している。
【0008】また、高温のアルカリ系洗浄剤が使用され
るため、洗浄操作時にこのアルカリ系洗浄液が飛散する
ことがあり、その結果作業環境が悪くなるという問題点
を有している。また、洗浄を行った後に残留する洗浄残
液を処理しなければならず、そのために別途処理コスト
がかかるという問題点を有している。
るため、洗浄操作時にこのアルカリ系洗浄液が飛散する
ことがあり、その結果作業環境が悪くなるという問題点
を有している。また、洗浄を行った後に残留する洗浄残
液を処理しなければならず、そのために別途処理コスト
がかかるという問題点を有している。
【0009】さらに、洗浄処理を施すためには、耐熱フ
ィルタを金属枠から取り外し、洗浄処理が終わってから
再度金属枠に装着しなければならず、このような操作は
非常に煩雑であり、多くの時間と人手を要するため、洗
浄処理のコストアップの要因になるという問題点を有し
ている。
ィルタを金属枠から取り外し、洗浄処理が終わってから
再度金属枠に装着しなければならず、このような操作は
非常に煩雑であり、多くの時間と人手を要するため、洗
浄処理のコストアップの要因になるという問題点を有し
ている。
【0010】これに対して、上記耐熱フィルタを加熱し
て油煙等を燃焼除去する方法にあっては、耐熱フィルタ
を金属枠に装着した状態で処理することが可能であり、
また、耐熱フィルタに捕捉された油煙等は調理時の高温
によってたとえ酸化状態になっていたとしても、問題な
く燃焼処理することが可能であり、さらに、アルカリ系
の洗浄液を使用しないため作業環境が劣悪になるという
こともなく、総じて上記洗浄方法よりも優れている。
て油煙等を燃焼除去する方法にあっては、耐熱フィルタ
を金属枠に装着した状態で処理することが可能であり、
また、耐熱フィルタに捕捉された油煙等は調理時の高温
によってたとえ酸化状態になっていたとしても、問題な
く燃焼処理することが可能であり、さらに、アルカリ系
の洗浄液を使用しないため作業環境が劣悪になるという
こともなく、総じて上記洗浄方法よりも優れている。
【0011】しかしながら、この燃焼による再生方法に
あっては、耐熱フィルタに付着している油脂類等が不完
全燃焼すると、燃え残りの炭素が析出し、これがフィル
タを構成している繊維にこびり付いた状態になり、その
結果再生処理された耐熱フィルタに汚れが残り、かつ、
圧力損失を上昇させるという問題点を有している。さら
に、完全に油脂を除去するためには、高温での長時間の
処理が必要になる。
あっては、耐熱フィルタに付着している油脂類等が不完
全燃焼すると、燃え残りの炭素が析出し、これがフィル
タを構成している繊維にこびり付いた状態になり、その
結果再生処理された耐熱フィルタに汚れが残り、かつ、
圧力損失を上昇させるという問題点を有している。さら
に、完全に油脂を除去するためには、高温での長時間の
処理が必要になる。
【0012】そこでこのような問題点を解決するため
に、不活性雰囲気中や還元性雰囲気中で耐熱フィルタを
加熱することが考えられる。こうすることにより、フィ
ルタに捕捉された油脂類等は、燃焼することなく熱分解
によって除去されるため、短時間に再生することが可能
になる。
に、不活性雰囲気中や還元性雰囲気中で耐熱フィルタを
加熱することが考えられる。こうすることにより、フィ
ルタに捕捉された油脂類等は、燃焼することなく熱分解
によって除去されるため、短時間に再生することが可能
になる。
【0013】しかしながら、耐熱フィルタを不活性雰囲
気中や還元性雰囲気中で加熱しようとすれば、不活性ガ
スや還元性ガスを加熱再生炉内に供給するための設備を
設けなければならず、設備コストが嵩むとともに、不活
性ガスや還元性ガスの消費によって運転コストも増大す
るという問題点を有している。
気中や還元性雰囲気中で加熱しようとすれば、不活性ガ
スや還元性ガスを加熱再生炉内に供給するための設備を
設けなければならず、設備コストが嵩むとともに、不活
性ガスや還元性ガスの消費によって運転コストも増大す
るという問題点を有している。
【0014】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、捕捉された油脂類等を完全
燃焼することによって耐熱フィルタを再生処理すること
を前提とし、再生コストが低廉であり、かつ、析出した
炭素が残らず、確実に再生し得る耐熱フィルタの再生方
法を提供することを目的としている。
ためになされたものであり、捕捉された油脂類等を完全
燃焼することによって耐熱フィルタを再生処理すること
を前提とし、再生コストが低廉であり、かつ、析出した
炭素が残らず、確実に再生し得る耐熱フィルタの再生方
法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記請求項1記載の耐熱
フィルタの再生方法は、油脂類等の付着した使用済の耐
熱フィルタを加熱して再生する耐熱フィルタの再生方法
であって、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、か
つ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に上記耐熱
フィルタを装填し、上記加熱再生炉内を、予め設定され
た設定温度になるまで25℃/min以上の昇温速度で
加熱し、上記設定温度に到達してからさらに予め設定さ
れた所定時間の間上記設定温度を維持することを特徴と
するものである。
フィルタの再生方法は、油脂類等の付着した使用済の耐
熱フィルタを加熱して再生する耐熱フィルタの再生方法
であって、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、か
つ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に上記耐熱
フィルタを装填し、上記加熱再生炉内を、予め設定され
た設定温度になるまで25℃/min以上の昇温速度で
加熱し、上記設定温度に到達してからさらに予め設定さ
れた所定時間の間上記設定温度を維持することを特徴と
するものである。
【0016】上記請求項2記載の耐熱フィルタの再生方
法は、請求項1記載の耐熱フィルタの再生方法におい
て、上記設定温度は400℃〜800℃の範囲内の温度
であることを特徴とするものである。
法は、請求項1記載の耐熱フィルタの再生方法におい
て、上記設定温度は400℃〜800℃の範囲内の温度
であることを特徴とするものである。
【0017】上記請求項3記載の耐熱フィルタの再生方
法は、請求項1または2記載の耐熱フィルタの再生方法
において、上記加熱再生炉内は、同炉内に設けられた電
熱発熱体への通電によって加熱することを特徴とするも
のである。
法は、請求項1または2記載の耐熱フィルタの再生方法
において、上記加熱再生炉内は、同炉内に設けられた電
熱発熱体への通電によって加熱することを特徴とするも
のである。
【0018】上記請求項4記載の耐熱フィルタの再生方
法は、請求項1または2記載の耐熱フィルタの再生方法
において、上記加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供給す
ることによって加熱することを特徴とするものである。
法は、請求項1または2記載の耐熱フィルタの再生方法
において、上記加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供給す
ることによって加熱することを特徴とするものである。
【0019】上記請求項5記載の耐熱フィルタの再生方
法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の耐熱フィルタ
の再生方法において、上記加熱再生炉で生成した生成ガ
スを燃料ガスとして系外に導出することを特徴とするも
のである。
法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の耐熱フィルタ
の再生方法において、上記加熱再生炉で生成した生成ガ
スを燃料ガスとして系外に導出することを特徴とするも
のである。
【0020】
【作用】上記請求項1記載の耐熱フィルタの再生方法に
よれば、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、かつ、
雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に装填された耐
熱フィルタは、予め設定された設定温度になるまで25
℃/min以上の非常に速い昇温速度で加熱されて昇温
するため、耐熱フィルタに付着している油脂類には、燃
焼よりも反応速度の速い熱分解が優先して起こり、その
結果油脂類は雰囲気気流とともに速やかにフィルタから
除去される。
よれば、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、かつ、
雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に装填された耐
熱フィルタは、予め設定された設定温度になるまで25
℃/min以上の非常に速い昇温速度で加熱されて昇温
するため、耐熱フィルタに付着している油脂類には、燃
焼よりも反応速度の速い熱分解が優先して起こり、その
結果油脂類は雰囲気気流とともに速やかにフィルタから
除去される。
【0021】従って、油脂類の不完全燃焼に起因して生
じる炭素の析出が耐熱フィルタ内では起らず、あるいは
上記析出が生じたとしてもわずかであり、高温の酸化雰
囲気中で短時間に燃焼して消失する。その結果耐熱フィ
ルタ内に燃えかすが残留した状態にはならず、耐熱フィ
ルタは確実に再生処理が施される。
じる炭素の析出が耐熱フィルタ内では起らず、あるいは
上記析出が生じたとしてもわずかであり、高温の酸化雰
囲気中で短時間に燃焼して消失する。その結果耐熱フィ
ルタ内に燃えかすが残留した状態にはならず、耐熱フィ
ルタは確実に再生処理が施される。
【0022】上記請求項2記載の耐熱フィルタの再生方
法によれば、25℃/min以上の昇温速度で加熱され
て到達する温度が400℃〜800℃の範囲内の温度に
設定されているため、400℃以下であれば油脂類等の
熱分解が起り難く、800℃以上であれば耐熱フィルタ
および金属枠に熱劣化あるいは熱破壊が生じるという不
都合が生ぜず、耐熱フィルタの確実な再生処理を行い得
る。
法によれば、25℃/min以上の昇温速度で加熱され
て到達する温度が400℃〜800℃の範囲内の温度に
設定されているため、400℃以下であれば油脂類等の
熱分解が起り難く、800℃以上であれば耐熱フィルタ
および金属枠に熱劣化あるいは熱破壊が生じるという不
都合が生ぜず、耐熱フィルタの確実な再生処理を行い得
る。
【0023】上記請求項3記載の耐熱フィルタの再生方
法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に設けられた電熱
発熱体によって加熱されるようになっているため、電熱
発熱体への通電量を調節することにより加熱再生炉内の
温度管理が容易に行い得る。
法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に設けられた電熱
発熱体によって加熱されるようになっているため、電熱
発熱体への通電量を調節することにより加熱再生炉内の
温度管理が容易に行い得る。
【0024】上記請求項4記載の耐熱フィルタの再生方
法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供給する
ことによって加熱されるようになっているため、工場内
の各所で発生する高温排ガス等を熱風として利用するこ
とにより省エネルギーを図ることが可能になる。
法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供給する
ことによって加熱されるようになっているため、工場内
の各所で発生する高温排ガス等を熱風として利用するこ
とにより省エネルギーを図ることが可能になる。
【0025】上記請求項5記載の耐熱フィルタの再生方
法によれば、加熱再生炉で生成した生成ガスは燃料ガス
として系外に導出されるため、この燃料ガスを適宜燃料
として使用することによって省エネルギーを図ることが
可能になる。
法によれば、加熱再生炉で生成した生成ガスは燃料ガス
として系外に導出されるため、この燃料ガスを適宜燃料
として使用することによって省エネルギーを図ることが
可能になる。
【0026】
【実施例】まず、本発明方法が適用される耐熱フィルタ
に付いて説明する。図1は、上記耐熱フィルタの一例を
示す一部切欠き斜視図である。この図に示すように、フ
ィルタ装置1は、金属製のC型部材を、その溝11aの
開口部が内側に位置するようにして矩形状に形成された
金属枠11と、この金属枠11の溝11a内に嵌め込ま
れた矩形状の支持枠12と、同様に金属枠11の溝11
a内に嵌め込まれた矩形状の金網14と、この金網14
と上記金属枠11との間に挟持された耐熱フィルタ13
とから構成されている。
に付いて説明する。図1は、上記耐熱フィルタの一例を
示す一部切欠き斜視図である。この図に示すように、フ
ィルタ装置1は、金属製のC型部材を、その溝11aの
開口部が内側に位置するようにして矩形状に形成された
金属枠11と、この金属枠11の溝11a内に嵌め込ま
れた矩形状の支持枠12と、同様に金属枠11の溝11
a内に嵌め込まれた矩形状の金網14と、この金網14
と上記金属枠11との間に挟持された耐熱フィルタ13
とから構成されている。
【0027】このようなフィルタ装置1が、油脂類等の
含まれた排気を吸引するためのダクト102内等に、金
網14を上流側に向けた状態で装着され、白抜き矢印で
示す方向から供給される排気流を受け、その中に含まれ
ている油脂類等は耐熱フィルタ13で捕捉される。
含まれた排気を吸引するためのダクト102内等に、金
網14を上流側に向けた状態で装着され、白抜き矢印で
示す方向から供給される排気流を受け、その中に含まれ
ている油脂類等は耐熱フィルタ13で捕捉される。
【0028】上記金属枠11は耐熱フィルタ13のダク
ト等への装着を容易にするための一種の保形材であり、
本実施例においては、防錆機能に優れたステンレス鋼製
のものが用いられている。ただし、本発明に係るフィル
タ装置1の金属枠11はステンレス鋼製のものに限定さ
れるものではなく、鉄製、アルミニウム合金製、真鍮製
等のものであってもよい。
ト等への装着を容易にするための一種の保形材であり、
本実施例においては、防錆機能に優れたステンレス鋼製
のものが用いられている。ただし、本発明に係るフィル
タ装置1の金属枠11はステンレス鋼製のものに限定さ
れるものではなく、鉄製、アルミニウム合金製、真鍮製
等のものであってもよい。
【0029】上記支持枠12および金網14は、耐熱フ
ィルタ13を金属枠11内に確実に保持させるための部
材であって、特に下流側の支持枠12は排気流によって
押されて耐熱フィルタ13が金属枠11から抜け出る方
向の力が加わるため、それを阻止すべく頑丈な枠体で形
成されている。
ィルタ13を金属枠11内に確実に保持させるための部
材であって、特に下流側の支持枠12は排気流によって
押されて耐熱フィルタ13が金属枠11から抜け出る方
向の力が加わるため、それを阻止すべく頑丈な枠体で形
成されている。
【0030】上記金属枠11、支持枠12および金網1
4の表面に、アルミナの溶射を行ったり、窒化チタン、
窒化アルミニウムあるいは窒化クロム等のイオンプレー
ティングを施したり、または耐熱アルミニウムペイント
を塗布する等の表面処理を施すことによって、フィルタ
装置1の加熱再生時に生じる表面の変色を有効に防止す
ることができる。
4の表面に、アルミナの溶射を行ったり、窒化チタン、
窒化アルミニウムあるいは窒化クロム等のイオンプレー
ティングを施したり、または耐熱アルミニウムペイント
を塗布する等の表面処理を施すことによって、フィルタ
装置1の加熱再生時に生じる表面の変色を有効に防止す
ることができる。
【0031】また、本実施例の場合、上記耐熱フィルタ
13は、多くの連続長尺のガラス繊維をそれぞれ独立に
ランダムに折り曲げ、かつ、繊維同士の当接部分をアル
カリ金属ケイ酸塩系無機接着剤等の無機質バインダによ
って接合した、いわゆるランダム構造のものであって、
目付け量が600g/m2のものが適用されているが、
本発明に係る耐熱フィルタ13は、上記ランダム構造に
係るものに限定されるものではなく、耐熱性を有する繊
維の織製品を積層したものでもよく、さらに、耐熱性お
よび通気性を有する不織布を用いてもよい。
13は、多くの連続長尺のガラス繊維をそれぞれ独立に
ランダムに折り曲げ、かつ、繊維同士の当接部分をアル
カリ金属ケイ酸塩系無機接着剤等の無機質バインダによ
って接合した、いわゆるランダム構造のものであって、
目付け量が600g/m2のものが適用されているが、
本発明に係る耐熱フィルタ13は、上記ランダム構造に
係るものに限定されるものではなく、耐熱性を有する繊
維の織製品を積層したものでもよく、さらに、耐熱性お
よび通気性を有する不織布を用いてもよい。
【0032】また、フィルタの材質としては、ガラス繊
維に限定されるものではなく、シリカ繊維、アルミナ繊
維、アルミノシリケート繊維、ジルコニア繊維、炭化ケ
イ素繊維、あるいは炭素繊維等であってもよい。さら
に、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮等の金属材
料そのものを繊維状に切削、伸線した金属繊維であって
もよい。但し、金属繊維の場合は、その表面にアルミナ
の溶射を行ったり、窒化チタン、窒化アルミニウムある
いは窒化クロム等のイオンプレーティングを施したり、
または耐熱アルミニウムペイントを塗布する等の表面処
理を施すことが好ましい。そうすることによって、耐熱
フィルタ13の加熱再生時に起ることのある表面の変色
を有効に防止することができる。
維に限定されるものではなく、シリカ繊維、アルミナ繊
維、アルミノシリケート繊維、ジルコニア繊維、炭化ケ
イ素繊維、あるいは炭素繊維等であってもよい。さら
に、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮等の金属材
料そのものを繊維状に切削、伸線した金属繊維であって
もよい。但し、金属繊維の場合は、その表面にアルミナ
の溶射を行ったり、窒化チタン、窒化アルミニウムある
いは窒化クロム等のイオンプレーティングを施したり、
または耐熱アルミニウムペイントを塗布する等の表面処
理を施すことが好ましい。そうすることによって、耐熱
フィルタ13の加熱再生時に起ることのある表面の変色
を有効に防止することができる。
【0033】また、フィルタ装置1は、必ずしも図1に
示すような、金属枠11、支持枠12、耐熱フィルタ1
3および金網14から構成されるものに限定されるもの
ではなく、使用の態様によっては、支持枠12および金
網14のいずれかが省略されることがある。
示すような、金属枠11、支持枠12、耐熱フィルタ1
3および金網14から構成されるものに限定されるもの
ではなく、使用の態様によっては、支持枠12および金
網14のいずれかが省略されることがある。
【0034】このようなフィルタ装置1が長期間に亘っ
て使用されると、耐熱フィルタ13の内部には油脂類等
が捕捉され、目詰りが生じるとともに、金属製品である
金属枠11、支持枠12および金網14の表面にも油脂
類等が付着し、非常に汚染された状態になる。そして、
本発明の耐熱フィルタの再生方法は、このような油脂類
等で汚染されたフィルタ装置1を加熱処理することによ
って再生するものである。
て使用されると、耐熱フィルタ13の内部には油脂類等
が捕捉され、目詰りが生じるとともに、金属製品である
金属枠11、支持枠12および金網14の表面にも油脂
類等が付着し、非常に汚染された状態になる。そして、
本発明の耐熱フィルタの再生方法は、このような油脂類
等で汚染されたフィルタ装置1を加熱処理することによ
って再生するものである。
【0035】図2は、本発明方法が適用される金属枠付
き耐熱フィルタの再生装置の第1実施例を示す説明図で
ある。この図に示すように、再生装置2は、内部に加熱
室3aを有する箱型の加熱再生炉3と、加熱室3a内で
発生した分解ガスを吸引除去する分解ガス吸引手段4と
から基本構成されている。
き耐熱フィルタの再生装置の第1実施例を示す説明図で
ある。この図に示すように、再生装置2は、内部に加熱
室3aを有する箱型の加熱再生炉3と、加熱室3a内で
発生した分解ガスを吸引除去する分解ガス吸引手段4と
から基本構成されている。
【0036】上記加熱再生炉3の加熱室3aには、適所
に通電発熱体31が配設され、この発熱体31に通電す
ることによって加熱室3a内を所定の温度に加熱するよ
うになっている。加熱再生炉3の一側部には開閉蓋32
が設けられているとともに、加熱室3aには複数段のメ
ッシュ部材で形成された載置棚33が設けられている。
従って、開閉蓋32を開放して載置棚33上にフィルタ
装置1を載置し、その後開閉蓋32を閉止することによ
って加熱室3a内にフィルタ装置1が装填された状態に
なる。開閉蓋32には加熱室3a内に空気を導入する空
気孔32aが穿設されている。
に通電発熱体31が配設され、この発熱体31に通電す
ることによって加熱室3a内を所定の温度に加熱するよ
うになっている。加熱再生炉3の一側部には開閉蓋32
が設けられているとともに、加熱室3aには複数段のメ
ッシュ部材で形成された載置棚33が設けられている。
従って、開閉蓋32を開放して載置棚33上にフィルタ
装置1を載置し、その後開閉蓋32を閉止することによ
って加熱室3a内にフィルタ装置1が装填された状態に
なる。開閉蓋32には加熱室3a内に空気を導入する空
気孔32aが穿設されている。
【0037】上記分解ガス吸引手段4は、加熱室3a内
のフィルタ装置1から発生する分解ガス等の生成物を吸
引する吸引ブロワ41と、この吸引ブロワ41と加熱室
3a内とを結ぶガス排出管42とから構成されている。
吸引ブロワ41を稼働させることによって、加熱室3a
内へ油脂の燃焼に必要な空気が供給されるとともに、分
解ガスおよび燃焼ガスはガス排出管42を介して吸引さ
れ、系外に導出されるようになっている。
のフィルタ装置1から発生する分解ガス等の生成物を吸
引する吸引ブロワ41と、この吸引ブロワ41と加熱室
3a内とを結ぶガス排出管42とから構成されている。
吸引ブロワ41を稼働させることによって、加熱室3a
内へ油脂の燃焼に必要な空気が供給されるとともに、分
解ガスおよび燃焼ガスはガス排出管42を介して吸引さ
れ、系外に導出されるようになっている。
【0038】なお、加熱再生炉3には、温度計34およ
び圧力計35が付設されており、これらによって加熱室
3a内の温度および圧力が検出されるとともに、これら
の検出結果は図略の制御装置に入力されるようになって
いる。そして、制御装置においては、上記検出値が予め
入力された設定値と比較演算され、この比較演算の結果
検出値が設定値と異なるときは、発熱体31、または発
熱体31および吸引ブロワ41に制御信号が出力され、
発熱体31への電力供給量および吸引ブロワ41の分解
ガス吸引量が制御されるようになっている。
び圧力計35が付設されており、これらによって加熱室
3a内の温度および圧力が検出されるとともに、これら
の検出結果は図略の制御装置に入力されるようになって
いる。そして、制御装置においては、上記検出値が予め
入力された設定値と比較演算され、この比較演算の結果
検出値が設定値と異なるときは、発熱体31、または発
熱体31および吸引ブロワ41に制御信号が出力され、
発熱体31への電力供給量および吸引ブロワ41の分解
ガス吸引量が制御されるようになっている。
【0039】従って、フィルタ装置1を加熱再生炉3の
加熱室3a内に装填し、発熱体31に通電して加熱室3
a内を加熱するとともに、分解ガス吸引手段4を稼働す
れば、フィルタ装置1は加熱され、その中に捕捉されて
いる油脂類等は燃焼を伴った熱分解を行い、フィルタ装
置1の再生処理が施されるとともに、生成した分解ガス
はガス排出管42および吸引ブロワ41を介して系外に
排出される。
加熱室3a内に装填し、発熱体31に通電して加熱室3
a内を加熱するとともに、分解ガス吸引手段4を稼働す
れば、フィルタ装置1は加熱され、その中に捕捉されて
いる油脂類等は燃焼を伴った熱分解を行い、フィルタ装
置1の再生処理が施されるとともに、生成した分解ガス
はガス排出管42および吸引ブロワ41を介して系外に
排出される。
【0040】そして、本発明においては、加熱室3a内
の昇温速度は通常採用される昇温速度(10℃/mi
n)よりも速く設定されている。具体的には25℃/m
in以上の昇温速度が採用されている。そして、この速
い昇温速度で予め設定された設定温度に到達すると、加
熱室3a内の昇温は停止され、この設定温度が所定時間
維持されることによってフィルタ装置1の再生処理が施
される。
の昇温速度は通常採用される昇温速度(10℃/mi
n)よりも速く設定されている。具体的には25℃/m
in以上の昇温速度が採用されている。そして、この速
い昇温速度で予め設定された設定温度に到達すると、加
熱室3a内の昇温は停止され、この設定温度が所定時間
維持されることによってフィルタ装置1の再生処理が施
される。
【0041】このような速い昇温速度が採用されるのは
以下の理由による。すなわち、昇温速度が遅い場合は、
フィルタ装置1の耐熱フィルタ13によって捕捉された
油脂類は迅速に熱分解せず、熱分解と燃焼とが略拮抗し
た状態で起るため、昇温途中に油脂類が耐熱フィルタ1
3内に未だ捕捉されたままの状態で比較的長い時間に亘
って油脂類が燃焼する。しかし耐熱フィルタ13内には
必ずしも均一に酸素が充分に供給された状態にはなって
いないため、耐熱フィルタ13内の油脂類は不完全燃焼
し、その結果耐熱フィルタ13内に炭素が析出するので
ある。
以下の理由による。すなわち、昇温速度が遅い場合は、
フィルタ装置1の耐熱フィルタ13によって捕捉された
油脂類は迅速に熱分解せず、熱分解と燃焼とが略拮抗し
た状態で起るため、昇温途中に油脂類が耐熱フィルタ1
3内に未だ捕捉されたままの状態で比較的長い時間に亘
って油脂類が燃焼する。しかし耐熱フィルタ13内には
必ずしも均一に酸素が充分に供給された状態にはなって
いないため、耐熱フィルタ13内の油脂類は不完全燃焼
し、その結果耐熱フィルタ13内に炭素が析出するので
ある。
【0042】これに対して、上記のように昇温速度が速
い場合には、耐熱フィルタ13内の油脂類は速やかに熱
分解に適した温度に到達する。従って、燃焼速度よりも
熱分解速度の方が反応速度が約350倍速いという事実
とも相俟って、昇温途中で燃焼に優先して油脂類の熱分
解が起り、油脂類は耐熱フィルタ13内から速やかに揮
散してしまうため、耐熱フィルタ13内で不完全燃焼に
起因した炭素の析出は生じないのである。また、未分解
の油脂および未燃分が残ってもわずかであるため、酸化
雰囲気下で完全燃焼される。従って、速い昇温速度で加
熱再生された耐熱フィルタ13は、付着油脂類が完全に
除去された状態で再生することができるので、再生不良
に起因した圧力損失の増大が生じない。
い場合には、耐熱フィルタ13内の油脂類は速やかに熱
分解に適した温度に到達する。従って、燃焼速度よりも
熱分解速度の方が反応速度が約350倍速いという事実
とも相俟って、昇温途中で燃焼に優先して油脂類の熱分
解が起り、油脂類は耐熱フィルタ13内から速やかに揮
散してしまうため、耐熱フィルタ13内で不完全燃焼に
起因した炭素の析出は生じないのである。また、未分解
の油脂および未燃分が残ってもわずかであるため、酸化
雰囲気下で完全燃焼される。従って、速い昇温速度で加
熱再生された耐熱フィルタ13は、付着油脂類が完全に
除去された状態で再生することができるので、再生不良
に起因した圧力損失の増大が生じない。
【0043】図3は、所定量の油脂類サンプルとし、標
準物質としてアルミナを用い、それを熱天秤に装入して
昇温速度は50℃/minで加熱した場合の熱分析結果
を示し、炉内温度(℃)(実線で表示)、油脂類の重量
変化(%)(一点鎖線で表示)および標準物質との温度
差を示す示差熱(μV)(点線で表示)の経時変化を示
すグラフである。昇温到達温度は500℃に設定されて
いる。
準物質としてアルミナを用い、それを熱天秤に装入して
昇温速度は50℃/minで加熱した場合の熱分析結果
を示し、炉内温度(℃)(実線で表示)、油脂類の重量
変化(%)(一点鎖線で表示)および標準物質との温度
差を示す示差熱(μV)(点線で表示)の経時変化を示
すグラフである。昇温到達温度は500℃に設定されて
いる。
【0044】なお、加熱中の油脂に吸熱や発熱が生じる
と、標準物質との間に温度差が生じるので、これにより
熱電対回路に流れる微小電流を測定し、示差熱曲線とし
て表示することにより、油脂の加熱による状態変化が判
る。すなわち上向きのピークが発熱反応を、下向きのピ
ークが吸熱反応を示す。
と、標準物質との間に温度差が生じるので、これにより
熱電対回路に流れる微小電流を測定し、示差熱曲線とし
て表示することにより、油脂の加熱による状態変化が判
る。すなわち上向きのピークが発熱反応を、下向きのピ
ークが吸熱反応を示す。
【0045】図3の熱分析結果のグラフから判るよう
に、油脂中の低沸点物質の蒸発・燃焼による発熱ピーク
に引き続き、大きな吸熱ピークが認められ、未燃焼油脂
成分の熱分解が生じていることを示している。この温度
域での重量変化曲線から判るように、大幅な重量減少の
生じていることが明らかである。また、500℃の保持
時間中に発熱ピークが認められるが、熱分解で生じた炭
化水素あるいは未燃カーボンの酸化雰囲気下での完全燃
焼を示しており、非常に短時間に油脂の除去が可能であ
ることが重量変化曲線から判る。本実施例では、略14
分で油脂が完全に除去された。
に、油脂中の低沸点物質の蒸発・燃焼による発熱ピーク
に引き続き、大きな吸熱ピークが認められ、未燃焼油脂
成分の熱分解が生じていることを示している。この温度
域での重量変化曲線から判るように、大幅な重量減少の
生じていることが明らかである。また、500℃の保持
時間中に発熱ピークが認められるが、熱分解で生じた炭
化水素あるいは未燃カーボンの酸化雰囲気下での完全燃
焼を示しており、非常に短時間に油脂の除去が可能であ
ることが重量変化曲線から判る。本実施例では、略14
分で油脂が完全に除去された。
【0046】これに対して、図4は、昇温速度が10℃
/minの場合の上記と同様の経時変化を示すグラフで
あるが、このグラフによれば、昇温到達温度の500℃
に到達するまでの間に、三つの発熱ピークが認められ
る。最初と最後の発熱ピークは、図3の場合と同じであ
り、中間の発熱ピークは油脂の燃焼によるものである。
最後のピークの温度域、特に500℃に到達後は徐々に
重量が減少しており、図3に比較して多量の未燃成分お
よびカーボンが析出していることが判る。そのため、油
脂を完全に除去するのに、図3に示す昇温速度が50℃
/minの場合の約5倍である約70分を要した。
/minの場合の上記と同様の経時変化を示すグラフで
あるが、このグラフによれば、昇温到達温度の500℃
に到達するまでの間に、三つの発熱ピークが認められ
る。最初と最後の発熱ピークは、図3の場合と同じであ
り、中間の発熱ピークは油脂の燃焼によるものである。
最後のピークの温度域、特に500℃に到達後は徐々に
重量が減少しており、図3に比較して多量の未燃成分お
よびカーボンが析出していることが判る。そのため、油
脂を完全に除去するのに、図3に示す昇温速度が50℃
/minの場合の約5倍である約70分を要した。
【0047】以上のように、図3および図4によって、
加熱再生炉の昇温速度を速くすると、耐熱フィルタ13
内で炭素の析出を抑制した状態で耐熱フィルタ13の再
生処理が行われることが判る。但し、昇温速度は100
℃/min以上にするのは好ましくない。あまり昇温速
度が速や過ぎると、特に耐熱フィルタ13を支持してい
る金属枠11や支持枠12等に大きな熱衝撃が加わり、
それらが変形するおそれが存在するからである。
加熱再生炉の昇温速度を速くすると、耐熱フィルタ13
内で炭素の析出を抑制した状態で耐熱フィルタ13の再
生処理が行われることが判る。但し、昇温速度は100
℃/min以上にするのは好ましくない。あまり昇温速
度が速や過ぎると、特に耐熱フィルタ13を支持してい
る金属枠11や支持枠12等に大きな熱衝撃が加わり、
それらが変形するおそれが存在するからである。
【0048】そして、本発明においては、昇温の結果到
達する昇温到達温度(設定温度、上記本実施例において
は500℃に設定されている)は400℃〜800℃の
範囲内の温度に設定される。その理由は、400℃未満
であると、油脂類の熱分解が起こらず、また800℃を
超えると耐熱フィルタ13や金属枠11等を熱損傷して
しまうおそれが存在からである。
達する昇温到達温度(設定温度、上記本実施例において
は500℃に設定されている)は400℃〜800℃の
範囲内の温度に設定される。その理由は、400℃未満
であると、油脂類の熱分解が起こらず、また800℃を
超えると耐熱フィルタ13や金属枠11等を熱損傷して
しまうおそれが存在からである。
【0049】図5は、本発明方法が適用される金属枠付
き耐熱フィルタの再生装置の第2実施例を示す説明図で
ある。この例の再生装置2aは、加熱再生炉30の加熱
室3a内の加熱に、発熱体31の代わりに熱風が用いら
れるようになっている。すなわち、再生装置2aは、内
部に発熱体31が内装されていない加熱再生炉30と、
上記と同様の分解ガス吸引手段4と、加熱室3a内に熱
風Hを供給する熱風供給手段5とから構成されている。
き耐熱フィルタの再生装置の第2実施例を示す説明図で
ある。この例の再生装置2aは、加熱再生炉30の加熱
室3a内の加熱に、発熱体31の代わりに熱風が用いら
れるようになっている。すなわち、再生装置2aは、内
部に発熱体31が内装されていない加熱再生炉30と、
上記と同様の分解ガス吸引手段4と、加熱室3a内に熱
風Hを供給する熱風供給手段5とから構成されている。
【0050】上記熱風供給手段5は、熱風炉51と、こ
の熱風炉51に燃焼空気Aを送り込む圧送ブロワ52
と、熱風炉51から加熱室3aに配管された熱風供給管
53と、熱風Hの温度を調節する熱風温度調節手段54
から構成されている。上記熱風炉51内には燃焼空気A
と同時に燃料Fが供給され、この燃料Fの燃焼によって
得られる燃焼排ガスを耐熱フィルタ再生用の熱風Hとし
て利用している。
の熱風炉51に燃焼空気Aを送り込む圧送ブロワ52
と、熱風炉51から加熱室3aに配管された熱風供給管
53と、熱風Hの温度を調節する熱風温度調節手段54
から構成されている。上記熱風炉51内には燃焼空気A
と同時に燃料Fが供給され、この燃料Fの燃焼によって
得られる燃焼排ガスを耐熱フィルタ再生用の熱風Hとし
て利用している。
【0051】上記熱風温度調節手段54は、上記熱風供
給管53に接続される温度調節用空気供給管54aと、
この空気供給管54aに設けられた制御弁54bと、同
空気供給管54aに温度調節用の空気を供給する温度調
節用ブロワ54cと、加熱室3a内の温度を検出する温
度計34とから構成されている。この温度計34の温度
検出信号は上記制御弁54bに向けて逐一出力されるよ
うになっている。そして、この検出温度が予め設定され
た加熱室3a内の温度よりも高いときは制御弁54bの
弁開度が大きくなり、同低いときは弁開度が小さくなる
ように制御されるいわゆるフィードバック制御が採用さ
れている。
給管53に接続される温度調節用空気供給管54aと、
この空気供給管54aに設けられた制御弁54bと、同
空気供給管54aに温度調節用の空気を供給する温度調
節用ブロワ54cと、加熱室3a内の温度を検出する温
度計34とから構成されている。この温度計34の温度
検出信号は上記制御弁54bに向けて逐一出力されるよ
うになっている。そして、この検出温度が予め設定され
た加熱室3a内の温度よりも高いときは制御弁54bの
弁開度が大きくなり、同低いときは弁開度が小さくなる
ように制御されるいわゆるフィードバック制御が採用さ
れている。
【0052】従って、熱風炉51で発生し、熱風供給管
53に送り込まれた1000℃以上の燃焼排ガスは、温
度調節用空気供給間54aを介して熱風供給管53内に
混入される所定量の温度調節用空気によって冷却され、
所定温度の熱風Hとなって加熱室3a内に導入されるこ
とになる。そして、この熱風によって加熱室3a内に装
填されたフィルタ装置1は加熱再生され、フィルタ装置
1から発生した油脂類からの分解ガスは、分解ガス吸引
手段4の稼働によって系外に導出されるようになってい
る。
53に送り込まれた1000℃以上の燃焼排ガスは、温
度調節用空気供給間54aを介して熱風供給管53内に
混入される所定量の温度調節用空気によって冷却され、
所定温度の熱風Hとなって加熱室3a内に導入されるこ
とになる。そして、この熱風によって加熱室3a内に装
填されたフィルタ装置1は加熱再生され、フィルタ装置
1から発生した油脂類からの分解ガスは、分解ガス吸引
手段4の稼働によって系外に導出されるようになってい
る。
【0053】なお、この例では、熱風H供給手段5とし
て熱風H炉51を採用し、その燃焼排ガスを熱風にして
いるが、熱風は加熱空気であってもよいし、製鉄所の高
炉で発生する高温の高炉ガスや転炉から発生する転炉ガ
ス、さらには各種の工業炉から排出される燃焼排ガス等
を使用することができる。
て熱風H炉51を採用し、その燃焼排ガスを熱風にして
いるが、熱風は加熱空気であってもよいし、製鉄所の高
炉で発生する高温の高炉ガスや転炉から発生する転炉ガ
ス、さらには各種の工業炉から排出される燃焼排ガス等
を使用することができる。
【0054】そして、熱風として燃焼排ガスを利用した
場合は、その中にはほとんど酸素が含まれていないた
め、フィルタ装置1に付着している油脂類の燃焼はほと
んど進まず、従って、すべての油脂類は熱分解し、燃料
として使用可能な熱分解ガスになる。このような熱分解
ガスは燃料として系外に導出される。
場合は、その中にはほとんど酸素が含まれていないた
め、フィルタ装置1に付着している油脂類の燃焼はほと
んど進まず、従って、すべての油脂類は熱分解し、燃料
として使用可能な熱分解ガスになる。このような熱分解
ガスは燃料として系外に導出される。
【0055】以上の実施例においては再生装置2,2a
はバッチ式の加熱再生炉3,30によって構成されてい
るが、本発明の再生方法は、バッチ式の加熱再生炉が用
いられることに限定されるものではなく、図6に示すよ
うなトンネル式加熱再生炉6を採用し、再生しようとす
るフィルタ装置1を搬送ベルト61によってトンネル式
加熱再生炉6に連続的に導入するようにしてもよい。こ
の場合搬送ベルト61の上下に通電発熱体からなるヒー
タ62が配設される。また、加熱再生炉6内の温度は、
搬送ベルト61の進行方向に沿って複数個に分割した温
度域毎に設定されるようになっている。そして、搬送ベ
ルト61の移動速度と複数に分割された温度域の温度設
定を調整することによって、必要な昇温パターンを得る
ことができる。
はバッチ式の加熱再生炉3,30によって構成されてい
るが、本発明の再生方法は、バッチ式の加熱再生炉が用
いられることに限定されるものではなく、図6に示すよ
うなトンネル式加熱再生炉6を採用し、再生しようとす
るフィルタ装置1を搬送ベルト61によってトンネル式
加熱再生炉6に連続的に導入するようにしてもよい。こ
の場合搬送ベルト61の上下に通電発熱体からなるヒー
タ62が配設される。また、加熱再生炉6内の温度は、
搬送ベルト61の進行方向に沿って複数個に分割した温
度域毎に設定されるようになっている。そして、搬送ベ
ルト61の移動速度と複数に分割された温度域の温度設
定を調整することによって、必要な昇温パターンを得る
ことができる。
【0056】具体的には、図6のグラフに例示するよう
に、搬送ベルト61の速度を速くすると、加熱の時間遅
れによってフィルタ装置1はαのように略直線的に昇温
され、逆に搬送ベルト61の速度を遅くすると、βのよ
うに階段的な曲線を描いて昇温される。従って、トンネ
ル式加熱再生炉6を用いても略昇温速度を希望のものに
コントロールすることが可能である。バッチ式のものと
全く同様の昇温コントロールを行おうとすれば、理論的
にはヒータ62を非常に多くに分割すればよいが、実用
的には3〜4分割で十分である。
に、搬送ベルト61の速度を速くすると、加熱の時間遅
れによってフィルタ装置1はαのように略直線的に昇温
され、逆に搬送ベルト61の速度を遅くすると、βのよ
うに階段的な曲線を描いて昇温される。従って、トンネ
ル式加熱再生炉6を用いても略昇温速度を希望のものに
コントロールすることが可能である。バッチ式のものと
全く同様の昇温コントロールを行おうとすれば、理論的
にはヒータ62を非常に多くに分割すればよいが、実用
的には3〜4分割で十分である。
【0057】また上記実施例においては、耐熱フィルタ
13を再生するために、金属枠11ごと再生装置2,2
aに装填するようにしているが、本発明は再生装置2,
2a内に金属枠11ごと耐熱フィルタ13を装填するこ
とに限定されるものではなく、フィルタ装置1を分解し
て耐熱フィルタ13を金属枠11から取り外し、耐熱フ
ィルタ13だけを再生装置2,2aに装填するようにし
てもよい。
13を再生するために、金属枠11ごと再生装置2,2
aに装填するようにしているが、本発明は再生装置2,
2a内に金属枠11ごと耐熱フィルタ13を装填するこ
とに限定されるものではなく、フィルタ装置1を分解し
て耐熱フィルタ13を金属枠11から取り外し、耐熱フ
ィルタ13だけを再生装置2,2aに装填するようにし
てもよい。
【0058】(試験例)本発明の耐熱フィルタの再生方
法の効果を確認するために以下の効果確認試験を実施し
た。まず、実施例1として、耐熱フィルタにアルミナ繊
維製(Al2O3:80重量%、SiO2:20重量%)
のものを用い、それにサラダオイルを含浸させ、それを
酸化性雰囲気の電気炉内に装入して200℃で30分間
加熱し、サラダオイルを酸化させて実際のフィルタ装置
の耐熱フィルタに油煙が付着した状態を再現した。その
後、上記油煙の付着した耐熱フィルタをバッチ式の再生
炉に装填し、昇温速度を10℃/min(比較例1)、
25℃/min(実施例1,1)、50℃/min(実
施例1,2)、100℃/min(実施例1,3)のそ
れぞれに設定して再生処理を施した。
法の効果を確認するために以下の効果確認試験を実施し
た。まず、実施例1として、耐熱フィルタにアルミナ繊
維製(Al2O3:80重量%、SiO2:20重量%)
のものを用い、それにサラダオイルを含浸させ、それを
酸化性雰囲気の電気炉内に装入して200℃で30分間
加熱し、サラダオイルを酸化させて実際のフィルタ装置
の耐熱フィルタに油煙が付着した状態を再現した。その
後、上記油煙の付着した耐熱フィルタをバッチ式の再生
炉に装填し、昇温速度を10℃/min(比較例1)、
25℃/min(実施例1,1)、50℃/min(実
施例1,2)、100℃/min(実施例1,3)のそ
れぞれに設定して再生処理を施した。
【0059】つぎに、実施例2として、耐熱フィルタに
耐熱性ガラス繊維製のものを用い、上記と同様の前処理
を施した。これについても、昇温速度を10℃/min
(比較例2)、25℃/min(実施例2,1)、50
℃/min(実施例2,2)、100℃/min(実施
例2,3)のそれぞれに設定して再生処理を施した。
耐熱性ガラス繊維製のものを用い、上記と同様の前処理
を施した。これについても、昇温速度を10℃/min
(比較例2)、25℃/min(実施例2,1)、50
℃/min(実施例2,2)、100℃/min(実施
例2,3)のそれぞれに設定して再生処理を施した。
【0060】その他の共通の再生条件は以下の通りであ
る。 ・熱処理温度:500℃ ・保持時間(炉内温度が500℃に到達後さらに熱処理
を継続する時間):10分、20分、30分 ・油脂類の含浸量:耐熱フィルタの20重量% このような再生試験を行った後、耐熱フィルタの表面の
状態を目視観察した。観察結果は、表1に示す通りであ
る。なお、表中かける印は耐熱フィルタの全体に炭素が
残留した状態、三角印は耐熱フィルタに少量の炭素が残
留した状態、円印は耐熱フィルタ中に全く炭素が残留し
ていない状態を示している。
る。 ・熱処理温度:500℃ ・保持時間(炉内温度が500℃に到達後さらに熱処理
を継続する時間):10分、20分、30分 ・油脂類の含浸量:耐熱フィルタの20重量% このような再生試験を行った後、耐熱フィルタの表面の
状態を目視観察した。観察結果は、表1に示す通りであ
る。なお、表中かける印は耐熱フィルタの全体に炭素が
残留した状態、三角印は耐熱フィルタに少量の炭素が残
留した状態、円印は耐熱フィルタ中に全く炭素が残留し
ていない状態を示している。
【0061】
【表1】
【0062】表1から判る通り、昇温速度が25、5
0、および100℃/minの各実施例の場合には、炉
内の温度が500℃に到達してから、500℃を20分
間保持することによって、耐熱フィルタにはわずかに炭
素が残留した状態になっており、30分間保持すれば、
全く炭素の残留はなくなり、完全に再生処理の施された
ことが確認された。
0、および100℃/minの各実施例の場合には、炉
内の温度が500℃に到達してから、500℃を20分
間保持することによって、耐熱フィルタにはわずかに炭
素が残留した状態になっており、30分間保持すれば、
全く炭素の残留はなくなり、完全に再生処理の施された
ことが確認された。
【0063】これに対して、比較例の場合は、炉内の温
度が500℃に到達してから20分の経過では未だ全体
的に炭素が残留しており、30分が経過しても少量の炭
素が残留しており、全処理時間が80分も要しているに
も拘らず、再生処理を完了させることができなかった。
度が500℃に到達してから20分の経過では未だ全体
的に炭素が残留しており、30分が経過しても少量の炭
素が残留しており、全処理時間が80分も要しているに
も拘らず、再生処理を完了させることができなかった。
【0064】以上より、昇温速度を25℃/min以上
に設定することを特徴とする本発明が、いかに優れたも
のであるかが判る。
に設定することを特徴とする本発明が、いかに優れたも
のであるかが判る。
【0065】なお、図7は、新品の耐熱フィルタおよび
本発明方法によって再生された耐熱フィルタの圧力損失
を示すグラフである。このグラフでは、横軸に耐熱フィ
ルタを通過する吸引気体の風速が対数目盛で目盛られ、
縦軸に吸引気体が耐熱フィルタを通過するときの圧力損
失が対数目盛で目盛られている。そして、横軸には0.
3〜10m/secの範囲の風速値が設定され、縦軸に
は0.05〜10mmAqの範囲の圧力損失値が設定さ
れている。
本発明方法によって再生された耐熱フィルタの圧力損失
を示すグラフである。このグラフでは、横軸に耐熱フィ
ルタを通過する吸引気体の風速が対数目盛で目盛られ、
縦軸に吸引気体が耐熱フィルタを通過するときの圧力損
失が対数目盛で目盛られている。そして、横軸には0.
3〜10m/secの範囲の風速値が設定され、縦軸に
は0.05〜10mmAqの範囲の圧力損失値が設定さ
れている。
【0066】このグラフに新品の耐熱フィルタの所定の
風速毎の圧力損失値を実測してプロットしたところ、実
線で示すような関係が得られた。一方再生品の耐熱フィ
ルタについて所定の風速毎の圧力損失値を実測してプロ
ットしたところ、点線で示すような関係が得られた。こ
れらの実線と点線とはほとんど一致しており、耐熱フィ
ルタの圧力損失は、新品と再生品との間に差のないこと
が判る。
風速毎の圧力損失値を実測してプロットしたところ、実
線で示すような関係が得られた。一方再生品の耐熱フィ
ルタについて所定の風速毎の圧力損失値を実測してプロ
ットしたところ、点線で示すような関係が得られた。こ
れらの実線と点線とはほとんど一致しており、耐熱フィ
ルタの圧力損失は、新品と再生品との間に差のないこと
が判る。
【0067】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の耐熱フィルタの
再生方法は、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、か
つ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に上記耐熱
フィルタを装填し、上記加熱再生炉内を、予め設定され
た設定温度になるまで25℃/min以上の昇温速度で
加熱し、上記設定温度に到達してからさらに予め設定さ
れた所定時間の間上記設定温度を維持するように構成さ
れてなるものである。
再生方法は、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、か
つ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に上記耐熱
フィルタを装填し、上記加熱再生炉内を、予め設定され
た設定温度になるまで25℃/min以上の昇温速度で
加熱し、上記設定温度に到達してからさらに予め設定さ
れた所定時間の間上記設定温度を維持するように構成さ
れてなるものである。
【0068】従って、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定
され、かつ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に
装填された耐熱フィルタは、予め設定された設定温度に
なるまで25℃/min以上の非常に速い昇温速度で加
熱されて昇温するため、耐熱フィルタに付着している油
脂類は、燃焼よりも熱分解が優先して生じ、その分解生
成物は雰囲気気流とともにフィルタから除かれる。その
結果、短時間にフィルタに付着していた油脂類が除去さ
れる。また、完全に熱分解されずに残った油脂類も、予
め設定された設定温度で所定時間保持されるため、酸化
雰囲気下で完全燃焼し取り除かれる。
され、かつ、雰囲気気流が流通している加熱再生炉内に
装填された耐熱フィルタは、予め設定された設定温度に
なるまで25℃/min以上の非常に速い昇温速度で加
熱されて昇温するため、耐熱フィルタに付着している油
脂類は、燃焼よりも熱分解が優先して生じ、その分解生
成物は雰囲気気流とともにフィルタから除かれる。その
結果、短時間にフィルタに付着していた油脂類が除去さ
れる。また、完全に熱分解されずに残った油脂類も、予
め設定された設定温度で所定時間保持されるため、酸化
雰囲気下で完全燃焼し取り除かれる。
【0069】従って、油脂類の不完全燃焼に起因して生
じる炭素の析出が少なく、たとえ析出したとしても微量
であるため、酸化雰囲気と相俟って短時間に燃焼除去さ
れる。その結果耐熱フィルタ内に燃えかすが残留した状
態にはならず、耐熱フィルタは確実に再生処理が施され
た状態になる。
じる炭素の析出が少なく、たとえ析出したとしても微量
であるため、酸化雰囲気と相俟って短時間に燃焼除去さ
れる。その結果耐熱フィルタ内に燃えかすが残留した状
態にはならず、耐熱フィルタは確実に再生処理が施され
た状態になる。
【0070】このように、耐熱フィルタを25℃/mi
n以上の昇温速度で急速加熱することによって、たとえ
耐熱フィルタを酸化性雰囲気で加熱処理しても確実な再
生が実現し、従来行われていた不活性雰囲気や還元性雰
囲気での再生処理に比べて設備コストおよび運転コスト
を低減させることが可能になり経済的に極めて好都合で
ある。
n以上の昇温速度で急速加熱することによって、たとえ
耐熱フィルタを酸化性雰囲気で加熱処理しても確実な再
生が実現し、従来行われていた不活性雰囲気や還元性雰
囲気での再生処理に比べて設備コストおよび運転コスト
を低減させることが可能になり経済的に極めて好都合で
ある。
【0071】本発明の請求項2記載の耐熱フィルタの再
生方法によれば、25℃/min以上の昇温速度で加熱
されて到達する温度が400℃〜800℃の範囲内の温
度に設定されているため、400℃以下であれば油脂類
等の熱分解が起り難く、800℃以上であれば耐熱フィ
ルタおよび金属枠に熱劣化や熱破壊が生じるというよう
な不都合が起こらず、耐熱フィルタの確実な再生処理を
行うことができるようになる。
生方法によれば、25℃/min以上の昇温速度で加熱
されて到達する温度が400℃〜800℃の範囲内の温
度に設定されているため、400℃以下であれば油脂類
等の熱分解が起り難く、800℃以上であれば耐熱フィ
ルタおよび金属枠に熱劣化や熱破壊が生じるというよう
な不都合が起こらず、耐熱フィルタの確実な再生処理を
行うことができるようになる。
【0072】本発明の請求項3記載の耐熱フィルタの再
生方法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に設けられた
電熱発熱体によって加熱されるようになっているため、
電熱発熱体への通電量を調節することにより加熱再生炉
内の温度管理を容易に行うことができるようになる。
生方法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に設けられた
電熱発熱体によって加熱されるようになっているため、
電熱発熱体への通電量を調節することにより加熱再生炉
内の温度管理を容易に行うことができるようになる。
【0073】本発明の請求項4記載の耐熱フィルタの再
生方法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供給
することによって加熱されるようになっているため、工
場内の各所で発生する高温排ガス等を熱風として利用す
ることにより省エネルギーを図ることが可能になる。
生方法によれば、加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供給
することによって加熱されるようになっているため、工
場内の各所で発生する高温排ガス等を熱風として利用す
ることにより省エネルギーを図ることが可能になる。
【0074】本発明の請求項5記載の耐熱フィルタの再
生方法によれば、加熱再生炉で生成した生成ガスは燃料
ガスとして系外に導出されるため、この燃料ガスを適宜
燃料として使用することによって省エネルギーを図るこ
とが可能になる。
生方法によれば、加熱再生炉で生成した生成ガスは燃料
ガスとして系外に導出されるため、この燃料ガスを適宜
燃料として使用することによって省エネルギーを図るこ
とが可能になる。
【図1】本発明の再生方法の対象とされる耐熱フィルタ
の一例を示す一部切欠き斜視図である。
の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の再生装置を示す説明図で
ある。
ある。
【図3】耐熱フィルタのテストピースに所定量の油脂類
を吸着させ、それを試験炉に装入して昇温速度は50℃
/minで加熱した場合の、炉内温度(℃)(実線で表
示)、油脂類の重量変化曲線(%)(一点鎖線で表示)
および示差温度曲線(μV)(点線で表示)を示すグラ
フである。
を吸着させ、それを試験炉に装入して昇温速度は50℃
/minで加熱した場合の、炉内温度(℃)(実線で表
示)、油脂類の重量変化曲線(%)(一点鎖線で表示)
および示差温度曲線(μV)(点線で表示)を示すグラ
フである。
【図4】耐熱フィルタのテストピースに所定量の油脂類
を吸着させ、それを試験炉に装入して昇温速度は10℃
/minで加熱した場合の、炉内温度(℃)(実線で表
示)、油脂類の重量変化曲線(%)(一点鎖線で表示)
および示差温度曲線(μV)(点線で表示)を示すグラ
フである。
を吸着させ、それを試験炉に装入して昇温速度は10℃
/minで加熱した場合の、炉内温度(℃)(実線で表
示)、油脂類の重量変化曲線(%)(一点鎖線で表示)
および示差温度曲線(μV)(点線で表示)を示すグラ
フである。
【図5】本発明の第2実施例の再生方法を示す説明図で
ある。
ある。
【図6】トンネル式加熱再生炉を示す説明図である。
【図7】新品の耐熱フィルタおよび本発明方法によって
再生された耐熱フィルタの圧力損失を示すグラフであ
る。
再生された耐熱フィルタの圧力損失を示すグラフであ
る。
【図8】耐熱フィルタの使用状態を例示する説明図であ
る。
る。
1 フィルタ装置 11 金属枠 12 支持枠 13 耐熱フィルタ 14 金網 2,2a 再生装置 3,30 加熱再生炉 31 通電発熱体 32 開閉蓋 32a 空気孔 33 載置棚 34 温度計 35 圧力計 4 分解ガス吸引手段 41 吸引ブロワ 42 ガス排出管 5 熱風供給手段 51 熱風源 52 圧送ブロワ 53 熱風供給管 6 トンネル式加熱再生炉 61 搬送ベルト 62 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 智彦 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内
Claims (5)
- 【請求項1】 油脂類等の付着した使用済の耐熱フィル
タを加熱して再生する耐熱フィルタの再生方法であっ
て、内部が酸化性雰囲気に雰囲気設定され、かつ、雰囲
気気流が流通している加熱再生炉内に上記耐熱フィルタ
を装填し、上記加熱再生炉内を、予め設定された設定温
度になるまで25℃/min以上の昇温速度で加熱し、
上記設定温度に到達してからさらに予め設定された所定
時間の間上記設定温度を維持することを特徴とする耐熱
フィルタの再生方法。 - 【請求項2】 上記設定温度は400℃〜800℃の範
囲内の温度であることを特徴とする請求項1記載の耐熱
フィルタの再生方法。 - 【請求項3】 上記加熱再生炉内は、同炉内に設けられ
た電熱発熱体への通電によって加熱することを特徴とす
る請求項1または2記載の耐熱フィルタの再生方法。 - 【請求項4】 上記加熱再生炉内は、同炉内に熱風を供
給することによって加熱することを特徴とする請求項1
または2記載の耐熱フィルタの再生方法。 - 【請求項5】 上記加熱再生炉で生成した生成ガスを燃
料ガスとして系外に導出することを特徴とする請求項1
乃至4のいずれかに記載の耐熱フィルタの再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22828594A JPH0889733A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 耐熱フィルタの再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22828594A JPH0889733A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 耐熱フィルタの再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0889733A true JPH0889733A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16874082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22828594A Pending JPH0889733A (ja) | 1994-09-22 | 1994-09-22 | 耐熱フィルタの再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0889733A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998018540A1 (en) * | 1996-10-28 | 1998-05-07 | Airguard Industries, Inc. | Method and apparatus for rejuvenating contaminated filter elements |
KR20020043106A (ko) * | 2000-12-01 | 2002-06-08 | 이계안 | 다공질 재료의 오일제거장치 |
-
1994
- 1994-09-22 JP JP22828594A patent/JPH0889733A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998018540A1 (en) * | 1996-10-28 | 1998-05-07 | Airguard Industries, Inc. | Method and apparatus for rejuvenating contaminated filter elements |
KR20020043106A (ko) * | 2000-12-01 | 2002-06-08 | 이계안 | 다공질 재료의 오일제거장치 |
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