JPH0887427A - トレース診断装置 - Google Patents
トレース診断装置Info
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- JPH0887427A JPH0887427A JP6221869A JP22186994A JPH0887427A JP H0887427 A JPH0887427 A JP H0887427A JP 6221869 A JP6221869 A JP 6221869A JP 22186994 A JP22186994 A JP 22186994A JP H0887427 A JPH0887427 A JP H0887427A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 診断対象のシステムにおける構成部が遅延機
能を有する場合であっても、異常な出力値に対応する入
力値を明確に特定できるトレース診断装置を提供する。 【構成】 観測値6、機能モデル7、構造モデル8の格
納手段を設ける。機能モデル8および構造モデル8の格
納手段を機能トレース手段11および構造トレース手段
12を介して推論制御手段24を接続する。推論制御手
段24に、検証手段10、トレース記録変換手段17、
仮説記録手段19、仮説検証手段20、分解手段21、
探索手段22、トレース結果算出手段23を接続する。
トレース記録変換手段17、仮説記録手段19、仮説検
証手段20、分解手段21、探索手段22に、トレース
記録16、探索候補20、仮説18の格納手段を接続す
る。
能を有する場合であっても、異常な出力値に対応する入
力値を明確に特定できるトレース診断装置を提供する。 【構成】 観測値6、機能モデル7、構造モデル8の格
納手段を設ける。機能モデル8および構造モデル8の格
納手段を機能トレース手段11および構造トレース手段
12を介して推論制御手段24を接続する。推論制御手
段24に、検証手段10、トレース記録変換手段17、
仮説記録手段19、仮説検証手段20、分解手段21、
探索手段22、トレース結果算出手段23を接続する。
トレース記録変換手段17、仮説記録手段19、仮説検
証手段20、分解手段21、探索手段22に、トレース
記録16、探索候補20、仮説18の格納手段を接続す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シーケンス制御に用い
るプログラムや順序回路等において異常な出力があった
場合に、異常な出力の原因となる入力を推論するトレー
ス診断装置に関する。
るプログラムや順序回路等において異常な出力があった
場合に、異常な出力の原因となる入力を推論するトレー
ス診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の鉄鋼プラント等に使用される様々
な駆動源は、必ず制御用の装置に接続されることによっ
て制御されている。この制御には、電動機の始動、停止
のような定性的な命令によって行われる制御と、電動機
の回転速度を調節するといった定量的な命令によって行
われる制御とがある。そして、現在では、これらの制御
はほとんど人手を用いずに行われる自動制御である。
な駆動源は、必ず制御用の装置に接続されることによっ
て制御されている。この制御には、電動機の始動、停止
のような定性的な命令によって行われる制御と、電動機
の回転速度を調節するといった定量的な命令によって行
われる制御とがある。そして、現在では、これらの制御
はほとんど人手を用いずに行われる自動制御である。
【0003】このような制御を行う装置には様々なもの
があるが、中でも定性的な制御とそれに必要な命令処理
を自動的に行う自動制御装置をシーケンス制御装置と呼
ぶ。シーケンス制御装置は、複数の接点を有する電気回
路であり、この電気回路は一般的に組合わせ回路や順序
回路等の論理回路の構成をとっている。組合わせ回路と
は、出力が現在の入力の状態だけから決まる回路であ
り、順序回路とは、出力は現在の入力の状態と過去の入
力の履歴とから決まる回路である。
があるが、中でも定性的な制御とそれに必要な命令処理
を自動的に行う自動制御装置をシーケンス制御装置と呼
ぶ。シーケンス制御装置は、複数の接点を有する電気回
路であり、この電気回路は一般的に組合わせ回路や順序
回路等の論理回路の構成をとっている。組合わせ回路と
は、出力が現在の入力の状態だけから決まる回路であ
り、順序回路とは、出力は現在の入力の状態と過去の入
力の履歴とから決まる回路である。
【0004】このようなシーケンス制御装置の制御対象
である鉄鋼プラント等は、非常に規模の大きいものなの
で、論理回路に異常が発生して誤動作が発生した場合、
多大な被害を招く可能性がある。そこで、制御用の論理
回路には、回路に発生した異常を解析するための診断装
置が接続されている。
である鉄鋼プラント等は、非常に規模の大きいものなの
で、論理回路に異常が発生して誤動作が発生した場合、
多大な被害を招く可能性がある。そこで、制御用の論理
回路には、回路に発生した異常を解析するための診断装
置が接続されている。
【0005】このような診断装置として、特開昭63−
223808公報に記載の「故障診断装置」が提案され
ている。この診断装置は、診断対象である論理回路の出
力値に異常があった場合に、タイムチャートを用いて過
去の入力の履歴を調べ、その異常発生と同じタイミング
で変化した入力値を見つけることにより、異常の原因を
特定している。しかし、このような診断装置では、異常
な入力値を特定することは可能であったが、論理回路内
において異常の原因となった信号の伝搬経路を明確に知
ることが困難であった。
223808公報に記載の「故障診断装置」が提案され
ている。この診断装置は、診断対象である論理回路の出
力値に異常があった場合に、タイムチャートを用いて過
去の入力の履歴を調べ、その異常発生と同じタイミング
で変化した入力値を見つけることにより、異常の原因を
特定している。しかし、このような診断装置では、異常
な入力値を特定することは可能であったが、論理回路内
において異常の原因となった信号の伝搬経路を明確に知
ることが困難であった。
【0006】これに対処するため、モデルベースによっ
て推論を行うという手法が提唱されている。このモデル
ベース推論という手法は、診断の対象である論理回路に
おける各構成部の接続関係と各構成部の機能(入力値お
よびこれに対応する出力値)をモデルの形式で保持し、
このモデルと実際の論理回路および各構成部から検出さ
れた入力値または出力値(以下、観測値と言う)とを比
較して診断を行う装置である。たとえば、実際の論理回
路から検出された出力値が、正常な値と異なっていた場
合に、モデルのすべての接続経路を出力側から入力側へ
とたどる(トレースする)ことにより、各構成部におけ
る出力値の原因となる可能性のある入力値の組合わせを
求める。そして、その入力値の組み合わせと前記観測値
とを比較することにより異常な又は正常な信号の伝搬経
路を推論することができる(参考文献 ″Hardware Var
ification ″ F.Maruyama and M.Fujita,IEEE COMPUTE
R1985Feb.)。
て推論を行うという手法が提唱されている。このモデル
ベース推論という手法は、診断の対象である論理回路に
おける各構成部の接続関係と各構成部の機能(入力値お
よびこれに対応する出力値)をモデルの形式で保持し、
このモデルと実際の論理回路および各構成部から検出さ
れた入力値または出力値(以下、観測値と言う)とを比
較して診断を行う装置である。たとえば、実際の論理回
路から検出された出力値が、正常な値と異なっていた場
合に、モデルのすべての接続経路を出力側から入力側へ
とたどる(トレースする)ことにより、各構成部におけ
る出力値の原因となる可能性のある入力値の組合わせを
求める。そして、その入力値の組み合わせと前記観測値
とを比較することにより異常な又は正常な信号の伝搬経
路を推論することができる(参考文献 ″Hardware Var
ification ″ F.Maruyama and M.Fujita,IEEE COMPUTE
R1985Feb.)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の診断装置では、診断対象の論理回路内のあ
る構成部が、入力から出力までの間に時差をもつという
遅延機能を有している場合に、この時差を具体的にどの
ように考慮にいれるかが明確でなかった。たとえば、入
力と同時に出力がある構成部であって、その出力値が異
常である場合(以下、状態異常と呼ぶ)には、その原因
となる入力値を推論することは容易であった。しかし、
入力されてから一定の時間が経過した後に出力が行われ
る構成部であって、その出力が異常である場合(以下、
変化異常と呼ぶ)には、原因となる入力値を推論するこ
とは困難であった。
ような従来の診断装置では、診断対象の論理回路内のあ
る構成部が、入力から出力までの間に時差をもつという
遅延機能を有している場合に、この時差を具体的にどの
ように考慮にいれるかが明確でなかった。たとえば、入
力と同時に出力がある構成部であって、その出力値が異
常である場合(以下、状態異常と呼ぶ)には、その原因
となる入力値を推論することは容易であった。しかし、
入力されてから一定の時間が経過した後に出力が行われ
る構成部であって、その出力が異常である場合(以下、
変化異常と呼ぶ)には、原因となる入力値を推論するこ
とは困難であった。
【0008】また、推論過程でモデルにおける各構成部
の接続関係をすべてトレースすることは、すべての接続
経路をたどることになる。このため、異常であるか否か
にかかわらず、可能性のある入力値の組合せはすべて推
論されることになるので、診断速度が低下する。特に、
順序回路における出力は、現在の入力の状態と過去の入
力の履歴とから決定されるので、推論される入力の組合
せが累乗されることにより、いわゆる「組合せ爆発」が
発生するという問題があった。
の接続関係をすべてトレースすることは、すべての接続
経路をたどることになる。このため、異常であるか否か
にかかわらず、可能性のある入力値の組合せはすべて推
論されることになるので、診断速度が低下する。特に、
順序回路における出力は、現在の入力の状態と過去の入
力の履歴とから決定されるので、推論される入力の組合
せが累乗されることにより、いわゆる「組合せ爆発」が
発生するという問題があった。
【0009】そして、実際の論理回路におけるある構成
部からの観測値が得られない場合には、モデルとの比較
を行うことができず、それ以上の推論ができなかった。
よって、このような場合には、当該構成部が正常か異常
かの判断ができず、異常の原因を特定することができな
かった。また、推論結果も観測値の得られるものについ
てのみ作成されることになる。したがって、かかる推論
結果によっては、トレース経路を全体的に表現すること
ができず、異常な信号の伝搬経路および正常な信号の伝
搬経路を統一的に把握することができなかった。
部からの観測値が得られない場合には、モデルとの比較
を行うことができず、それ以上の推論ができなかった。
よって、このような場合には、当該構成部が正常か異常
かの判断ができず、異常の原因を特定することができな
かった。また、推論結果も観測値の得られるものについ
てのみ作成されることになる。したがって、かかる推論
結果によっては、トレース経路を全体的に表現すること
ができず、異常な信号の伝搬経路および正常な信号の伝
搬経路を統一的に把握することができなかった。
【0010】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その第1の目
的は、診断対象のシステムにおける構成部が遅延機能を
有する場合であっても、異常な出力値に対応する入力値
を明確に特定できるトレース診断装置を提供することで
ある。
を解決するために提案されたものであり、その第1の目
的は、診断対象のシステムにおける構成部が遅延機能を
有する場合であっても、異常な出力値に対応する入力値
を明確に特定できるトレース診断装置を提供することで
ある。
【0011】本発明の第2の目的は、トレース経路の数
を必要最小限に節約することにより、診断速度が速く、
組合せ爆発等を回避することができるトレース診断装置
を提供することである。
を必要最小限に節約することにより、診断速度が速く、
組合せ爆発等を回避することができるトレース診断装置
を提供することである。
【0012】本発明の第3の目的は、診断対象のある構
成部からの観測値が得られない場合であっても、他の構
成部における観測値を利用することによって、観測値が
得られない構成部の入力値、出力値が正常であるか異常
であるかを検証、判断できるトレース診断装置を提供す
ることである。
成部からの観測値が得られない場合であっても、他の構
成部における観測値を利用することによって、観測値が
得られない構成部の入力値、出力値が正常であるか異常
であるかを検証、判断できるトレース診断装置を提供す
ることである。
【0013】本発明の第4の目的は、観測値の得られな
い構成部から観測値の得られる構成部までの推論を、効
率よく行うことができるトレース診断装置を提供するこ
とである。
い構成部から観測値の得られる構成部までの推論を、効
率よく行うことができるトレース診断装置を提供するこ
とである。
【0014】本発明の第5の目的は、観測値の無いデー
タがあっても、トレース経路を全体的に表現することが
でき、異常な信号の伝搬経路および正常な信号の伝搬経
路を統一的に把握することができるトレース診断装置を
提供することである。
タがあっても、トレース経路を全体的に表現することが
でき、異常な信号の伝搬経路および正常な信号の伝搬経
路を統一的に把握することができるトレース診断装置を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上のような従来技術の
問題点を解決するために、請求項1記載のトレース診断
装置は、所定の値を持つ入力信号が入力されるとそれに
応じた値を持つ出力信号を出力する複数の構成部を有す
るシステムであって、当該システムへ入力された入力信
号が複数の構成部を伝搬して出力信号を出力するシステ
ムを診断対象とし、前記システムへの現実の入力信号の
値である入力値と、前記システムからの現実の出力信号
の値である出力値と、前記複数の構成部のうちの一部の
構成部への現実の入力信号の値である入力値とを検出す
る検出手段と、前記検出手段によって検出された値を、
観測値として格納する観測値格納手段と、各構成部ごと
に入力される値を想定した入力値モデルおよび各構成部
ごとに出力される値を想定した出力値モデルを、状態遷
移表の形式で表現した機能モデルを格納した機能モデル
格納手段と、前記システム内における各構成部間の接続
関係に関する知識である構造モデルを格納した構造モデ
ル格納手段と、前記機能モデルに基づいて、各構成部ご
との出力値から、当該出力値の原因となった可能性のあ
る各構成部ごとの入力値の組み合わせを推論する機能ト
レース手段と、前記機能トレース手段により推論された
個々の構成部ごとの入力値を、前記構造モデルに基づい
て、当該構成部に接続された他の構成部からの出力値に
対応させる構造トレース手段と、前記システムからの出
力値が異常である場合に、前記状態トレース手段又は前
記変化トレース手段による推論、および前記構造トレー
ス手段による対応づけを繰り返し行わせることにより、
前記システムへの入力値を推論する推論制御手段と、前
記推論制御手段による推論の過程で、各構成部ごとに得
られる機能モデル上の入力値の組み合わせを関連付ける
ことにより、正常な信号および異常な信号の伝搬経路を
特定するトレース結果算出手段とを有することを特徴と
する。
問題点を解決するために、請求項1記載のトレース診断
装置は、所定の値を持つ入力信号が入力されるとそれに
応じた値を持つ出力信号を出力する複数の構成部を有す
るシステムであって、当該システムへ入力された入力信
号が複数の構成部を伝搬して出力信号を出力するシステ
ムを診断対象とし、前記システムへの現実の入力信号の
値である入力値と、前記システムからの現実の出力信号
の値である出力値と、前記複数の構成部のうちの一部の
構成部への現実の入力信号の値である入力値とを検出す
る検出手段と、前記検出手段によって検出された値を、
観測値として格納する観測値格納手段と、各構成部ごと
に入力される値を想定した入力値モデルおよび各構成部
ごとに出力される値を想定した出力値モデルを、状態遷
移表の形式で表現した機能モデルを格納した機能モデル
格納手段と、前記システム内における各構成部間の接続
関係に関する知識である構造モデルを格納した構造モデ
ル格納手段と、前記機能モデルに基づいて、各構成部ご
との出力値から、当該出力値の原因となった可能性のあ
る各構成部ごとの入力値の組み合わせを推論する機能ト
レース手段と、前記機能トレース手段により推論された
個々の構成部ごとの入力値を、前記構造モデルに基づい
て、当該構成部に接続された他の構成部からの出力値に
対応させる構造トレース手段と、前記システムからの出
力値が異常である場合に、前記状態トレース手段又は前
記変化トレース手段による推論、および前記構造トレー
ス手段による対応づけを繰り返し行わせることにより、
前記システムへの入力値を推論する推論制御手段と、前
記推論制御手段による推論の過程で、各構成部ごとに得
られる機能モデル上の入力値の組み合わせを関連付ける
ことにより、正常な信号および異常な信号の伝搬経路を
特定するトレース結果算出手段とを有することを特徴と
する。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載のト
レース診断装置において、前記推論制御手段による推論
の過程で各構成部ごとに得られる機能モデル上の入力値
の組み合わせのうち、対応する観測値と一致する入力値
を異常とみなし、対応する観測値と一致しない入力値を
正常とみなす検証手段を有することを特徴とする。
レース診断装置において、前記推論制御手段による推論
の過程で各構成部ごとに得られる機能モデル上の入力値
の組み合わせのうち、対応する観測値と一致する入力値
を異常とみなし、対応する観測値と一致しない入力値を
正常とみなす検証手段を有することを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載のト
レース診断装置において、前記推論制御手段による推論
の過程で、各構成部ごとに得られる機能モデル上の入力
値の組み合わせのうち、対応する観測値が存在せずに正
常か異常かを判断できない入力値を、一時的に判断を留
保するデータである仮説として記録する仮説記録手段
と、前記仮説に基づいてさらに進められた推論の過程
で、対応する観測値が存在するために正常か異常かを判
断できる入力値が得られた場合に、ここで得られた正常
な入力値に関連する仮説は正常とみなし、異常な入力値
に関連する仮説は異常とみなす仮説検証手段とを有する
ことを特徴とする。
レース診断装置において、前記推論制御手段による推論
の過程で、各構成部ごとに得られる機能モデル上の入力
値の組み合わせのうち、対応する観測値が存在せずに正
常か異常かを判断できない入力値を、一時的に判断を留
保するデータである仮説として記録する仮説記録手段
と、前記仮説に基づいてさらに進められた推論の過程
で、対応する観測値が存在するために正常か異常かを判
断できる入力値が得られた場合に、ここで得られた正常
な入力値に関連する仮説は正常とみなし、異常な入力値
に関連する仮説は異常とみなす仮説検証手段とを有する
ことを特徴とする。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3記載のト
レース診断装置において、前記仮説としての入力値の組
み合わせを個々の入力値に分解する分解手段と、前記個
々の入力値を、構造トレース手段による対応づけの対象
である探索候補として呼び出し順に格納する探索候補格
納手段と、前記探索候補格納手段に格納された探索候補
の中から、対応づけを実行する入力値を呼び出して構造
トレース手段に送り出す探索手段とを有することを特徴
とする。
レース診断装置において、前記仮説としての入力値の組
み合わせを個々の入力値に分解する分解手段と、前記個
々の入力値を、構造トレース手段による対応づけの対象
である探索候補として呼び出し順に格納する探索候補格
納手段と、前記探索候補格納手段に格納された探索候補
の中から、対応づけを実行する入力値を呼び出して構造
トレース手段に送り出す探索手段とを有することを特徴
とする。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項4記載のト
レース診断装置において、前記推論制御手段による推論
の結果を、推論の過程で得られる機能モデル上の入力値
および出力値のすべてをノードとした木構造として作成
するトレース記録変換手段を有することを特徴とする。
レース診断装置において、前記推論制御手段による推論
の結果を、推論の過程で得られる機能モデル上の入力値
および出力値のすべてをノードとした木構造として作成
するトレース記録変換手段を有することを特徴とする。
【0020】
【作用】以上のような構成を有する本発明の作用は、以
下の通りである。すなわち、請求項1記載の発明では、
検出手段により検出されたシステムからの実際の出力値
が異常である場合に、システムの出力側に最も近い構成
部の出力信号から推論を開始する。機能トレース手段
は、機能モデルに基づいて、当該構成部の出力値から当
該出力値の原因となった可能性のある入力値の組み合わ
せを推論する。構造トレース手段は、構造モデルに基づ
いて、機能トレース手段により推論された当該構成部へ
の入力値を、当該構成部に接続された他の構成部のうち
信号の伝搬経路とは逆方向に接続された構成部の出力値
に変換する。推論制御手段はこのように変換された出力
値に基づいて、機能トレース手段による推論を行わせ、
更に推論された入力値に基づいて構造トレース手段によ
る変換を行わせる。以上のように、信号の伝搬経路を逆
方向に辿っていくことによって、出力された信号の原因
となった入力信号を推論していく。
下の通りである。すなわち、請求項1記載の発明では、
検出手段により検出されたシステムからの実際の出力値
が異常である場合に、システムの出力側に最も近い構成
部の出力信号から推論を開始する。機能トレース手段
は、機能モデルに基づいて、当該構成部の出力値から当
該出力値の原因となった可能性のある入力値の組み合わ
せを推論する。構造トレース手段は、構造モデルに基づ
いて、機能トレース手段により推論された当該構成部へ
の入力値を、当該構成部に接続された他の構成部のうち
信号の伝搬経路とは逆方向に接続された構成部の出力値
に変換する。推論制御手段はこのように変換された出力
値に基づいて、機能トレース手段による推論を行わせ、
更に推論された入力値に基づいて構造トレース手段によ
る変換を行わせる。以上のように、信号の伝搬経路を逆
方向に辿っていくことによって、出力された信号の原因
となった入力信号を推論していく。
【0021】この推論の過程で、構成部が信号の入力タ
イミングと出力タイミングとに時差のあるものの場合に
は、機能トレース手段は、機能モデルの状態遷移表を参
照することにより、出力信号の出力時よりも当該時差の
分だけ前に入力された信号を推論する。したがって、構
成部が遅延機能を有する場合でも、異常な出力信号の値
に対応する入力信号の値を求めることができる。
イミングと出力タイミングとに時差のあるものの場合に
は、機能トレース手段は、機能モデルの状態遷移表を参
照することにより、出力信号の出力時よりも当該時差の
分だけ前に入力された信号を推論する。したがって、構
成部が遅延機能を有する場合でも、異常な出力信号の値
に対応する入力信号の値を求めることができる。
【0022】トレース結果算出手段は、前記機能トレー
ス手段による推論結果および前記構造モデルによる推論
結果に基づいて、正常か異常かが判断されたすべての入
力値を関連付ける。よって、正常な信号および異常な信
号の伝搬経路が特定される。
ス手段による推論結果および前記構造モデルによる推論
結果に基づいて、正常か異常かが判断されたすべての入
力値を関連付ける。よって、正常な信号および異常な信
号の伝搬経路が特定される。
【0023】請求項2記載の発明では、前記のように推
論を行っていく過程で、対応する観測値が存在する入力
値については、観測値と一致するか否かによって正常か
異常かが判断できるので、かかる判断が行われた入力値
については、さらに推論を行う必要がなくなる。したが
って、推論しなければならない対象が必要最小限に節約
される。
論を行っていく過程で、対応する観測値が存在する入力
値については、観測値と一致するか否かによって正常か
異常かが判断できるので、かかる判断が行われた入力値
については、さらに推論を行う必要がなくなる。したが
って、推論しなければならない対象が必要最小限に節約
される。
【0024】請求項3記載の発明では、前記のように推
論を行っていく過程で、対応する観測値が存在しない入
力値の組み合わせに基づいて、仮説記録手段により仮説
が記録されていく。そして、さらに推論を行って、対応
する観測値が存在する入力値が得られた場合に、仮説検
証手段によって仮説を検証する。このとき、仮説検証手
段は、機能モデルを参照することにより各信号値の関連
を考慮し、正常な入力値に関連する仮説は正常とみなさ
れ、異常な入力値に関連する仮説は異常とみなされる。
論を行っていく過程で、対応する観測値が存在しない入
力値の組み合わせに基づいて、仮説記録手段により仮説
が記録されていく。そして、さらに推論を行って、対応
する観測値が存在する入力値が得られた場合に、仮説検
証手段によって仮説を検証する。このとき、仮説検証手
段は、機能モデルを参照することにより各信号値の関連
を考慮し、正常な入力値に関連する仮説は正常とみなさ
れ、異常な入力値に関連する仮説は異常とみなされる。
【0025】請求項4記載の発明では、仮説における入
力値の組み合わせを、分解手段によって個々の入力値に
分解する。分解した入力値は探索候補として探索候補格
納手段に呼び出し順に格納される。この探索候補である
入力値を、探索手段により呼び出し順に呼び出し、構造
トレース手段に送り出す。これらの入力値に基づいて、
構造トレース手段による出力値への対応づけが行われ
る。対応づけられた出力値を基に、さらに機能トレース
手段による推論が行われる。
力値の組み合わせを、分解手段によって個々の入力値に
分解する。分解した入力値は探索候補として探索候補格
納手段に呼び出し順に格納される。この探索候補である
入力値を、探索手段により呼び出し順に呼び出し、構造
トレース手段に送り出す。これらの入力値に基づいて、
構造トレース手段による出力値への対応づけが行われ
る。対応づけられた出力値を基に、さらに機能トレース
手段による推論が行われる。
【0026】請求項5記載の発明では、トレース記録変
換手段によって、前記の推論の過程で得られる機能モデ
ル上の入力値および出力値のすべてをノードとした木構
造が作成されるので、観測値の有無にかかわらず、トレ
ース経路全体を明確に示すことができる。
換手段によって、前記の推論の過程で得られる機能モデ
ル上の入力値および出力値のすべてをノードとした木構
造が作成されるので、観測値の有無にかかわらず、トレ
ース経路全体を明確に示すことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明のトレース診断装置の一実施例
を、図面に従って具体的に説明する。本実施例はコンピ
ュータ上に実現されるものであり、本実施例の各機能
は、プログラムの形式で表現された所定の手順でコンピ
ュータを動作させることによって実現されている。以
下、本装置の各機能を有する仮想的回路ブロックを想定
して本装置を説明する。また、本実施例の診断の対象と
なるシステムはシーケンス制御回路である。
を、図面に従って具体的に説明する。本実施例はコンピ
ュータ上に実現されるものであり、本実施例の各機能
は、プログラムの形式で表現された所定の手順でコンピ
ュータを動作させることによって実現されている。以
下、本装置の各機能を有する仮想的回路ブロックを想定
して本装置を説明する。また、本実施例の診断の対象と
なるシステムはシーケンス制御回路である。
【0028】(1)実施例の構成 まず、本実施例の基本的な構成を、図1のブロック図を
用いて説明する。すなわち、本装置は入力手段であるキ
ーボード1および通信回線2と、出力手段である表示装
置3と、情報を処理するための処理部4とを有してい
る。また、処理部4で扱う情報は観測値6、機能モデル
7、構造モデル8、設計情報9があり、これらの情報は
キーボード1および通信回線2から入力され、所定の格
納手段に格納される構成となっている。ただし、図1に
おいては、前記情報の存在を表示するのみで前記情報の
格納手段の表示は省略する。
用いて説明する。すなわち、本装置は入力手段であるキ
ーボード1および通信回線2と、出力手段である表示装
置3と、情報を処理するための処理部4とを有してい
る。また、処理部4で扱う情報は観測値6、機能モデル
7、構造モデル8、設計情報9があり、これらの情報は
キーボード1および通信回線2から入力され、所定の格
納手段に格納される構成となっている。ただし、図1に
おいては、前記情報の存在を表示するのみで前記情報の
格納手段の表示は省略する。
【0029】これらの情報を格納した格納手段は、それ
ぞれ制御手段14に直接または間接に接続されている。
すなわち、観測値6を格納した格納手段は、制御手段1
4に接続されている。機能モデル7を格納した格納手段
は、機能トレース手段11を介して制御手段14に接続
されている。構造モデル8を格納した格納手段は、構造
トレース手段12を介して制御手段14に接続されてい
る。設計情報9を格納した格納手段は、モデル変換手段
13を介して構造モデル8の格納手段に接続されてい
る。
ぞれ制御手段14に直接または間接に接続されている。
すなわち、観測値6を格納した格納手段は、制御手段1
4に接続されている。機能モデル7を格納した格納手段
は、機能トレース手段11を介して制御手段14に接続
されている。構造モデル8を格納した格納手段は、構造
トレース手段12を介して制御手段14に接続されてい
る。設計情報9を格納した格納手段は、モデル変換手段
13を介して構造モデル8の格納手段に接続されてい
る。
【0030】以上のような本実施例における「診断の対
象となるシステムの構成」、「データの基本的な表現形
式」、その他各構成手段等の構成および機能を以下に説
明する。
象となるシステムの構成」、「データの基本的な表現形
式」、その他各構成手段等の構成および機能を以下に説
明する。
【0031】(a)診断の対象となるシステムの構成 本実施例の診断の対象となるシーケンス制御回路の構成
を、図2のラダー図によって説明する。この回路は離散
値制御用に用いるものであり、左母線201と右母線2
07との間に接続された複数の素子によって構成されて
いる。まず、左母線201には、二つのand素子20
2およびand素子203への入力線が接続されてい
る。and素子202およびand素子203からの出
力線はor素子204の入力側へ接続されている。or
素子204の出力線は、and素子205の入力側へ接
続されている。
を、図2のラダー図によって説明する。この回路は離散
値制御用に用いるものであり、左母線201と右母線2
07との間に接続された複数の素子によって構成されて
いる。まず、左母線201には、二つのand素子20
2およびand素子203への入力線が接続されてい
る。and素子202およびand素子203からの出
力線はor素子204の入力側へ接続されている。or
素子204の出力線は、and素子205の入力側へ接
続されている。
【0032】ここで、and素子202,203,20
4はAND演算を行う素子であり、or素子204はO
R演算を行う素子である。さらに、and素子205の
出力線はコイル素子206の入力側へ接続され、コイル
素子206の出力線は右母線207に接続されている。
各構成部(and素子202,203,205,or素
子204、コイル素子206)の間でやりとりされる信
号は所定のパラメータであり、左母線201側から右母
線208側へと流れる構成となっている。
4はAND演算を行う素子であり、or素子204はO
R演算を行う素子である。さらに、and素子205の
出力線はコイル素子206の入力側へ接続され、コイル
素子206の出力線は右母線207に接続されている。
各構成部(and素子202,203,205,or素
子204、コイル素子206)の間でやりとりされる信
号は所定のパラメータであり、左母線201側から右母
線208側へと流れる構成となっている。
【0033】各パラメータの値域は1と0の2値であ
り、各々電流のon,offを表現している。パラメー
タは、ある構成部に対する入力用の場合は入力パラメー
タ(文字列inで表す)と呼び、ある素子からの出力用
の場合は出力パラメータ(文字列outで表す)と呼
ぶ。また、母線201、コイル素子206の出力にはセ
ンサが接続されており、母線201に入力される入力パ
ラメータの値およびコイル素子206から出力される出
力パラメータの値は、通信回線2を介して処理部4にお
いて検出され、観測値6として利用される構成となって
いる。
り、各々電流のon,offを表現している。パラメー
タは、ある構成部に対する入力用の場合は入力パラメー
タ(文字列inで表す)と呼び、ある素子からの出力用
の場合は出力パラメータ(文字列outで表す)と呼
ぶ。また、母線201、コイル素子206の出力にはセ
ンサが接続されており、母線201に入力される入力パ
ラメータの値およびコイル素子206から出力される出
力パラメータの値は、通信回線2を介して処理部4にお
いて検出され、観測値6として利用される構成となって
いる。
【0034】そして、and素子202,203,20
5にもセンサが接続され、構成部間の入力パラメータと
は別の入力パラメータ(文字列stで表す)の値が、通
信回線2を介して処理部4において検出され、観測値6
として利用される構成となっている。この入力パラメー
タstは、各構成部のon,off状態に関連してい
る。母線201に対応する観測値6はLW201、an
d素子202に対応する観測値6はST202、and
素子203に対応する観測値6はST203、and素
子205に対応する観測値6はST205、コイル素子
206の出力に対応する観測値6はOUT206とす
る。
5にもセンサが接続され、構成部間の入力パラメータと
は別の入力パラメータ(文字列stで表す)の値が、通
信回線2を介して処理部4において検出され、観測値6
として利用される構成となっている。この入力パラメー
タstは、各構成部のon,off状態に関連してい
る。母線201に対応する観測値6はLW201、an
d素子202に対応する観測値6はST202、and
素子203に対応する観測値6はST203、and素
子205に対応する観測値6はST205、コイル素子
206の出力に対応する観測値6はOUT206とす
る。
【0035】and素子202,203,205は、二
つの入力パラメータ(in,st)の値がともに1の場
合にのみ出力パラメータの値として1を生じ、その他の
場合には出力パラメータの値として0を生じるという機
能(AND演算機能)を有する。また、コイル素子20
6は入力パラメータの値が1の場合に出力パラメータの
値として1を生じ、入力パラメータの値が0の場合に出
力パラメータの値として0を生じるという機能を有す
る。or素子204は、二つの入力パラメータ(図中i
nα,inβで示す)の値のいずれか一方が1の場合、
出力パラメータの値として1を生じ、その他の場合には
出力パラメータの値として0を生じるという機能(OR
演算機能)を有する。
つの入力パラメータ(in,st)の値がともに1の場
合にのみ出力パラメータの値として1を生じ、その他の
場合には出力パラメータの値として0を生じるという機
能(AND演算機能)を有する。また、コイル素子20
6は入力パラメータの値が1の場合に出力パラメータの
値として1を生じ、入力パラメータの値が0の場合に出
力パラメータの値として0を生じるという機能を有す
る。or素子204は、二つの入力パラメータ(図中i
nα,inβで示す)の値のいずれか一方が1の場合、
出力パラメータの値として1を生じ、その他の場合には
出力パラメータの値として0を生じるという機能(OR
演算機能)を有する。
【0036】なお、以下の説明において単に入力値、出
力値と呼ぶ場合は、入力パラメータ、出力パラメータの
値を示す。また、信号線で接続された部分は、その両端
は同じ値であると推論される。たとえば、二つの構成部
が互いに信号線によって接続されている場合に、その信
号線の間において、一方の構成部からの出力値は、他方
の構成部への入力値と同じ値になる。
力値と呼ぶ場合は、入力パラメータ、出力パラメータの
値を示す。また、信号線で接続された部分は、その両端
は同じ値であると推論される。たとえば、二つの構成部
が互いに信号線によって接続されている場合に、その信
号線の間において、一方の構成部からの出力値は、他方
の構成部への入力値と同じ値になる。
【0037】(b)データの基本的な表現形式 つぎに、本実施例が取り扱うデータの基本的な表現形式
を説明する。すなわち、本実施例で扱うデータは、(属
性、構成部名、パラメータ名、時間点、値の変化)のよ
うに記述されている。属性とは、異常の種類を示す。た
とえば、データ=(* event * , and202, in202, 4, (1
0))は、診断対象の構成部であるand素子202は、
変化異常( * event * で表す)という状態にあることを
意味し、具体的には時間点4において入力値が1から0
に変化する異常であることを示している。ここで、変化
異常とは、ある構成部で時間幅=2において正常な値の
変化と異なる変化が発生した場合や、正常な変化が発生
しない場合をいう。また、時間とは、診断対象である回
路の特性に応じて、あらかじめ処理速度の基準として設
定された単位をいい、一単位を1としている。したがっ
て、たとえば、時間点が3から4までの時間幅は2とな
る。
を説明する。すなわち、本実施例で扱うデータは、(属
性、構成部名、パラメータ名、時間点、値の変化)のよ
うに記述されている。属性とは、異常の種類を示す。た
とえば、データ=(* event * , and202, in202, 4, (1
0))は、診断対象の構成部であるand素子202は、
変化異常( * event * で表す)という状態にあることを
意味し、具体的には時間点4において入力値が1から0
に変化する異常であることを示している。ここで、変化
異常とは、ある構成部で時間幅=2において正常な値の
変化と異なる変化が発生した場合や、正常な変化が発生
しない場合をいう。また、時間とは、診断対象である回
路の特性に応じて、あらかじめ処理速度の基準として設
定された単位をいい、一単位を1としている。したがっ
て、たとえば、時間点が3から4までの時間幅は2とな
る。
【0038】また、データ=(* state * , and202, in20
2, 4, (1))は、構成部の一つであるand素子202が
状態異常(* state * で表す)であることを意味し、具
体的には時間点4において入力値が1であることが異常
であるということを示している。状態異常とは、ある時
間幅=1での値が正常な値と異なる場合をいう。
2, 4, (1))は、構成部の一つであるand素子202が
状態異常(* state * で表す)であることを意味し、具
体的には時間点4において入力値が1であることが異常
であるということを示している。状態異常とは、ある時
間幅=1での値が正常な値と異なる場合をいう。
【0039】(c)機能モデルの構成および機能トレー
ス手段の機能 つぎに、図1に示した本実施例の処理部4における機能
モデル7の構成および機能トレース手段11の機能を以
下に詳説する。
ス手段の機能 つぎに、図1に示した本実施例の処理部4における機能
モデル7の構成および機能トレース手段11の機能を以
下に詳説する。
【0040】[1]機能モデルの構成 まず、機能モデル7の構成について説明する。機能モデ
ル7とは、上述のシーケンス制御回路200における個
々の構成部の作動パターンに関する知識であり、状態遷
移表の形式で表現されたものである。この状態遷移表
は、各構成部が、入力値に応じてどのような出力値を出
力し、その入出力の時差はどのようなものかを、時系列
にしたがった形式で記述してものである。具体的には、
(現在の入力値,現在の状態,次の状態,現在の出力
値)というように分けて記述されている。なお、ここで
状態とは、構成部の内部データとして隠蔽された例えば
s0のようなシンボル(記号)であり、トレース計算の
直接の結果として出力されるものではない。
ル7とは、上述のシーケンス制御回路200における個
々の構成部の作動パターンに関する知識であり、状態遷
移表の形式で表現されたものである。この状態遷移表
は、各構成部が、入力値に応じてどのような出力値を出
力し、その入出力の時差はどのようなものかを、時系列
にしたがった形式で記述してものである。具体的には、
(現在の入力値,現在の状態,次の状態,現在の出力
値)というように分けて記述されている。なお、ここで
状態とは、構成部の内部データとして隠蔽された例えば
s0のようなシンボル(記号)であり、トレース計算の
直接の結果として出力されるものではない。
【0041】以下に、構成部の機能モデル7をLISP
的な形式で記述した例を示す。まず、構成部である素子
が、論理和演算を行うor素子204である場合には、
以下のように記述される。
的な形式で記述した例を示す。まず、構成部である素子
が、論理和演算を行うor素子204である場合には、
以下のように記述される。
【数1】 (def-class 'or '((para-tbl(in204 in204)(out)) (relation ((0 1) s0 s0 1)((1 1) s0 s0 1) ((1 1) s0 s0 1)((0 0) s0 s0 0)))) ここで、属性para-tbl(in204,in204) は、or素子20
4の入力側の二つの信号線を表しており、属性relation
は信号線間の関係を状態遷移表の形式で記述したもので
ある。たとえば、状態遷移表の一部((0 1) s0 s0 1)
は、現在の時間点における入力値が0および1、現在の
時間点における状態がs0、次の時間点における状態が
s0、現在の時間点における出力値が1であることを意
味している。
4の入力側の二つの信号線を表しており、属性relation
は信号線間の関係を状態遷移表の形式で記述したもので
ある。たとえば、状態遷移表の一部((0 1) s0 s0 1)
は、現在の時間点における入力値が0および1、現在の
時間点における状態がs0、次の時間点における状態が
s0、現在の時間点における出力値が1であることを意
味している。
【0042】また、図2のシーケンス制御回路200に
は示していないが、通常のシーケンス制御回路に多く組
み込まれている構成部に、正方向変化検出素子がある。
この正方向変化検出素子とは、入力値が0から1に変化
したときのみ、時間幅=1の間、出力値として1を生じ
るという機能を有する素子である。このような正方向変
化検出素子(文字列tpで表す)の機能モデルの一例を以
下に示す。
は示していないが、通常のシーケンス制御回路に多く組
み込まれている構成部に、正方向変化検出素子がある。
この正方向変化検出素子とは、入力値が0から1に変化
したときのみ、時間幅=1の間、出力値として1を生じ
るという機能を有する素子である。このような正方向変
化検出素子(文字列tpで表す)の機能モデルの一例を以
下に示す。
【数2】 この状態遷移表は、たとえば、その一部((1) d0 h0 1)
は、現在の時間点における入力値が0から1に変化した
とき、現在の時間点における状態がd0、次の時間点に
おける状態がh0、現在の時間点における出力値が1で
あることを意味している。
は、現在の時間点における入力値が0から1に変化した
とき、現在の時間点における状態がd0、次の時間点に
おける状態がh0、現在の時間点における出力値が1で
あることを意味している。
【0043】[2]機能トレース手段の機能 機能トレース手段11は、以上のような機能モデル7に
基づいて、ある構成部の出力値に対応する入力値を算出
する機能を有する。すなわち、ある構成部から出力され
た出力値が、ある時系列にしたがっているとする。この
ようなときには、この構成部には、必ずある時系列にし
たがった入力値の入力がなされているはずであり、この
入力値の時系列の組合わせには、いくつかの可能性が想
定できる。機能トレース手段11は、このような出力が
行われる可能性のある入力値の時系列の組み合わせを、
全て計算して算出する機能を有する。
基づいて、ある構成部の出力値に対応する入力値を算出
する機能を有する。すなわち、ある構成部から出力され
た出力値が、ある時系列にしたがっているとする。この
ようなときには、この構成部には、必ずある時系列にし
たがった入力値の入力がなされているはずであり、この
入力値の時系列の組合わせには、いくつかの可能性が想
定できる。機能トレース手段11は、このような出力が
行われる可能性のある入力値の時系列の組み合わせを、
全て計算して算出する機能を有する。
【0044】なお、この入力値の時系列の組み合わせ
は、論理式で表現される。論理式は標準形としてAND
演算とOR演算により実現される。たとえば、機能トレ
ース手段11により算出されるトレース結果の標準形
を、LISP的な表現形式によって記述すると以下のよ
うになる。なお、* and * はAND演算を示し、* or*
はOR演算を示している。
は、論理式で表現される。論理式は標準形としてAND
演算とOR演算により実現される。たとえば、機能トレ
ース手段11により算出されるトレース結果の標準形
を、LISP的な表現形式によって記述すると以下のよ
うになる。なお、* and * はAND演算を示し、* or*
はOR演算を示している。
【数3】
【0045】以上のような基本的な機能を有する機能ト
レース手段11は、状態トレース手段11a、変化トレ
ース手段11b、および切替え手段11cを有してい
る。状態トレース手段11aは、診断対象が時間変化に
依存しない構成部である場合において、構成部からの出
力値が異常(状態異常)のとき、機能モデル7の状態遷
移表を参照し、出力値が出力された時間と同一の時間に
おける入力値の変化を推論する。具体的には、時間幅=
1における出力値の異常に対し、その原因となる時間幅
=1における入力値の異常を推論する機能を有する。
レース手段11は、状態トレース手段11a、変化トレ
ース手段11b、および切替え手段11cを有してい
る。状態トレース手段11aは、診断対象が時間変化に
依存しない構成部である場合において、構成部からの出
力値が異常(状態異常)のとき、機能モデル7の状態遷
移表を参照し、出力値が出力された時間と同一の時間に
おける入力値の変化を推論する。具体的には、時間幅=
1における出力値の異常に対し、その原因となる時間幅
=1における入力値の異常を推論する機能を有する。
【0046】以下に、診断対象の構成部における出力値
が時間点tにおいて1であるという状態異常の場合を、
out=(1) と表現し、これに対応する可能性のある入力値
を推論した結果の例を示す。当該構成部から、out=(1)
の出力値が出力される可能性のある入力値の組み合わせ
は以下のようになる。なお、inは入力を示す文字列で
あり、時間点の記述は省略する。
が時間点tにおいて1であるという状態異常の場合を、
out=(1) と表現し、これに対応する可能性のある入力値
を推論した結果の例を示す。当該構成部から、out=(1)
の出力値が出力される可能性のある入力値の組み合わせ
は以下のようになる。なお、inは入力を示す文字列で
あり、時間点の記述は省略する。
【数4】
【0047】診断対象となる構成部には、前述のor素
子のようにその入出力が時間変化に依存しないものと、
前述の正方向変化検出素子のように時間変化に依存する
ものがある。つまり、or素子等は、構成部への入力値
の入力時間とこれに対応する構成部からの出力値の出力
時間とが同一とみなしてよいが、正方向変化検出素子等
は、構成部への入力時間とこれに対応する構成部からの
出力時間との間に一定の時差がある。
子のようにその入出力が時間変化に依存しないものと、
前述の正方向変化検出素子のように時間変化に依存する
ものがある。つまり、or素子等は、構成部への入力値
の入力時間とこれに対応する構成部からの出力値の出力
時間とが同一とみなしてよいが、正方向変化検出素子等
は、構成部への入力時間とこれに対応する構成部からの
出力時間との間に一定の時差がある。
【0048】これに対処するために、変化トレース手段
11bは、診断対象が時間変化に依存する構成部の場合
であって、構成部からの出力値が異常(変化異常)であ
るとき、この異常の原因となり得る入力値の変化および
変化した時刻を推論する機能を有する。具体的には、時
間幅=2における出力値の異常に対して、その原因とな
る時間幅=2における入力値の変化を推論するものであ
る。
11bは、診断対象が時間変化に依存する構成部の場合
であって、構成部からの出力値が異常(変化異常)であ
るとき、この異常の原因となり得る入力値の変化および
変化した時刻を推論する機能を有する。具体的には、時
間幅=2における出力値の異常に対して、その原因とな
る時間幅=2における入力値の変化を推論するものであ
る。
【0049】以下に、診断対象の構成部(and素子)
における出力値が時間点tにおいて0であったものが、
時刻t+1において1に変化するという変化異常である
場合を、out=(0 1)と表現し、これに対応する可能性の
ある入力値を推論した結果の例を示す。当該構成部か
ら、out=(0 1) の出力値が出力される可能性のある入力
値の組み合わせは以下のようになる。
における出力値が時間点tにおいて0であったものが、
時刻t+1において1に変化するという変化異常である
場合を、out=(0 1)と表現し、これに対応する可能性の
ある入力値を推論した結果の例を示す。当該構成部か
ら、out=(0 1) の出力値が出力される可能性のある入力
値の組み合わせは以下のようになる。
【数5】
【0050】また、正方向変化検出素子による推論の例
を以下に示す。なお、構成部名は、timer で表わす。ti
mer からの出力値が、(1 0) つまり時間点4において
1、時間点5で0となるという変化異常の状態にある場
合は、以下のように記述される。
を以下に示す。なお、構成部名は、timer で表わす。ti
mer からの出力値が、(1 0) つまり時間点4において
1、時間点5で0となるという変化異常の状態にある場
合は、以下のように記述される。
【数6】( * event * , timer, out, 4, (1 0)) つぎに、このような変化異常の可能性のある入力値の変
化の組み合わせとして、時間点5の出力が0になるもの
を、機能モデルの状態遷移表(時間点5の入力、時間点
5の状態、時間点6の状態、時間点5の出力の順に記
述)より検索すると以下のようになる。
化の組み合わせとして、時間点5の出力が0になるもの
を、機能モデルの状態遷移表(時間点5の入力、時間点
5の状態、時間点6の状態、時間点5の出力の順に記
述)より検索すると以下のようになる。
【数7】 ((0) d0 d0 0) ((1) h1 d1 0) ((1) d1 d1 0) ((0) h1 d0 0) ((0) d1 d0 0) また時間点4で出力が1になるものを、機能モデルの状
態遷移表(時間点4の入力、時間点4の状態、時間点5
の状態、時間点4の出力の順に記述)より検索すると以
下のようになる。
態遷移表(時間点4の入力、時間点4の状態、時間点5
の状態、時間点4の出力の順に記述)より検索すると以
下のようになる。
【数8】((1) d0 h1 1) ここで、時間点4で検索した「時間点5の状態」と時間
点5で検索した「時間点5の状態」は同一でなくてはな
らないので、時間点5における正しい組み合わせは以下
のようになる。
点5で検索した「時間点5の状態」は同一でなくてはな
らないので、時間点5における正しい組み合わせは以下
のようになる。
【数9】 ((0) h1 d0 0) ((1) h1 d1 0)
【0051】以上のような検索結果に基づき入力値の時
間変化を取り出すと、以下のような記述となる。
間変化を取り出すと、以下のような記述となる。
【数10】 ( * event * , timer, in, 4, (1 1))…A ( * event * , timer, in, 4, (1 0))…B Aは、入力値の変化がないので「変化」の原因となる
「変化」が見つかるまで時間を溯って推論を行う。さら
に、一つ前の時間点を検索すると、今度は出力がないの
で「次の状態=時間点4の状態」がd0になるものを、機
能モデルの状態遷移表(時間点3の入力、時間点3の状
態、時間点4の状態、時間点3の出力の順に記述)より
検索すると以下のようになる。
「変化」が見つかるまで時間を溯って推論を行う。さら
に、一つ前の時間点を検索すると、今度は出力がないの
で「次の状態=時間点4の状態」がd0になるものを、機
能モデルの状態遷移表(時間点3の入力、時間点3の状
態、時間点4の状態、時間点3の出力の順に記述)より
検索すると以下のようになる。
【数11】 ((0) d0 d0 0) ((0) h1 d0 0) ((0) d1 d0 0) 再び入力値の時間変化を取り出すと、
【数12】 ( * event * , timer ,in , 3,(0 1 1)) ( * event * , timer ,in , 3,(0 1 0)) となり、値が変化している組み合わせを取り出すと、ど
ちらも、
ちらも、
【数13】( * event * , timer ,in , 3,(0 1)) という推論結果が得られる。なお、本例では、結果は一
つとなったが、複数得られた場合には論理和の関係を持
つ回答となる。
つとなったが、複数得られた場合には論理和の関係を持
つ回答となる。
【0052】さらに、以上のような状態トレース手段1
1aと変化トレース手段11bとの間に接続され、状態
トレース手段11aによる推論を行うか、変化トレース
手段11bによる推論を行うかを選択して切り替える機
能を有するのが、切替え手段11cである。つまり、切
替え手段11cは、診断対象が時間変化に依存しない構
成部である場合には状態トレース手段11aを選択し、
診断対象が時間変化に依存する構成部である場合には変
化トレース手段11bを選択し、それぞれの手段を実行
させる機能を有する。なお、以上のような状態トレース
手段11aまたは変化トレース手段11bによる推論
を、機能トレースと呼ぶ。
1aと変化トレース手段11bとの間に接続され、状態
トレース手段11aによる推論を行うか、変化トレース
手段11bによる推論を行うかを選択して切り替える機
能を有するのが、切替え手段11cである。つまり、切
替え手段11cは、診断対象が時間変化に依存しない構
成部である場合には状態トレース手段11aを選択し、
診断対象が時間変化に依存する構成部である場合には変
化トレース手段11bを選択し、それぞれの手段を実行
させる機能を有する。なお、以上のような状態トレース
手段11aまたは変化トレース手段11bによる推論
を、機能トレースと呼ぶ。
【0053】(d)観測値の構成 観測値6は、シーケンス制御回路200の各構成部(母
線201、and素子202、and素子203、母線
207)の時刻ごとのパラメータ値である。この観測値
6は、各構成部に接続されたセンサによって検出された
後、各通信回線2を介して処理部4に入力され、所定の
格納手段に格納される。
線201、and素子202、and素子203、母線
207)の時刻ごとのパラメータ値である。この観測値
6は、各構成部に接続されたセンサによって検出された
後、各通信回線2を介して処理部4に入力され、所定の
格納手段に格納される。
【0054】(e)構造モデル等の構成および構造トレ
ース手段等の機能 つぎに、処理部4における構造モデル8、構造トレース
手段12、設計情報9およびモデル変換手段13につい
て詳説する。
ース手段等の機能 つぎに、処理部4における構造モデル8、構造トレース
手段12、設計情報9およびモデル変換手段13につい
て詳説する。
【0055】[1]構造モデルの構成 構造モデル8とは、シーケンス制御回路202の各構成
部は、どのように接続されているかに関する知識であ
る。たとえば、以下に示すように、診断対象の属性と属
性値が1つのリストにまとめられ、列挙されている。
部は、どのように接続されているかに関する知識であ
る。たとえば、以下に示すように、診断対象の属性と属
性値が1つのリストにまとめられ、列挙されている。
【数14】 (def-net 'MS01 '((subpart and202 and203 and205 or204 coil206) (type and202 'and) (type and203 'and) (type and205 'and) (type or204 'or) (type coil206 'coil) (conn (and202 out)(or204 inα)) (conn (and203 out)(or204 inβ)) (conn (or204 out)(and205 in)) (conn (and205 out)(coil206 in)) (subconn (MS01 ST202)(and202 st)) (subconn (MS01 ST203)(and203 st)) (subconn (MS01 ST205)(and205 st)) (subconn (MS01 LW201)(and202 in)(and203 in)) (subconn (MS01 OUT206)(coil out)))) ここで、属性def-net は診断対象であるシーケンス制御
回路202の名前である「MS01」を示し、属性subp
art は診断対象を構成する構成部を示す。属性typeはa
nd素子、or素子、コイル素子といった構成部の種類
を表したものであり、属性connは各構成部間の信号線を
表したものである。属性subconn は構成部と診断対象で
あるシーケンス制御回路202との間の信号線を表した
ものである。
回路202の名前である「MS01」を示し、属性subp
art は診断対象を構成する構成部を示す。属性typeはa
nd素子、or素子、コイル素子といった構成部の種類
を表したものであり、属性connは各構成部間の信号線を
表したものである。属性subconn は構成部と診断対象で
あるシーケンス制御回路202との間の信号線を表した
ものである。
【0056】[2]構造トレース手段の機能 以上のような構造モデル8に基づいて、構造トレース手
段12は、ある構成部に対する入力値を当該構成部に接
続された他の構成部の出力値に対応させる機能を有す
る。つまり、ある構成部において出力値の異常があった
場合には、上記のように、機能トレース手段12によっ
て、出力値異常の原因となる入力値が推論される。そし
て、この入力値は当該構成部の手前(信号の伝搬方向と
は逆方向)に接続された他の構成部の出力値と同じであ
る。したがって、機能トレース手段12によって推論さ
れた異常な入力値を、他の構成部の異常な出力値として
変換し、この異常な出力値に基づいて、さらに機能トレ
ース手段12による他の構成部の入力値を推論すること
によって、関連する構成部をつぎつぎと診断していくこ
とが可能となる。なお、以上のような構造トレース手段
12による推論を、以下、構造トレースと呼ぶ。
段12は、ある構成部に対する入力値を当該構成部に接
続された他の構成部の出力値に対応させる機能を有す
る。つまり、ある構成部において出力値の異常があった
場合には、上記のように、機能トレース手段12によっ
て、出力値異常の原因となる入力値が推論される。そし
て、この入力値は当該構成部の手前(信号の伝搬方向と
は逆方向)に接続された他の構成部の出力値と同じであ
る。したがって、機能トレース手段12によって推論さ
れた異常な入力値を、他の構成部の異常な出力値として
変換し、この異常な出力値に基づいて、さらに機能トレ
ース手段12による他の構成部の入力値を推論すること
によって、関連する構成部をつぎつぎと診断していくこ
とが可能となる。なお、以上のような構造トレース手段
12による推論を、以下、構造トレースと呼ぶ。
【0057】[3]設計情報 設計情報とは、構造モデル7を作成するための情報であ
る。たとえば、診断の対象となるシーケンス制御回路
を、その内部における各構成部の接続関係が明確になる
ようにCAD図等によって表現したものである。
る。たとえば、診断の対象となるシーケンス制御回路
を、その内部における各構成部の接続関係が明確になる
ようにCAD図等によって表現したものである。
【0058】[4]モデル変換手段の機能 モデル変換手段は、設計情報に基づいて構造モデルを作
成する機能を有する。 (f)制御手段の構成および機能 つぎに、処理部4における制御手段14について説明す
る。制御手段14は、上記の機能トレース手段11によ
る機能トレースおよび構造トレース手段12による構造
トレースを交互に繰り返しおこなわせることによって、
異常な出力値の原因となった入力値を遡及的に求めてい
く機能を有する。このような制御手段14内で行われる
推論の過程で生成される情報には、トレース記録16、
仮説18、探索候補20があり、これらの情報も所定の
格納手段に格納される構成となっている。ただし、図1
においては、前記情報の存在を表示するのみで前記情報
の格納手段の表示は省略する。以下、制御手段14を構
成する情報および手段について詳説する。
成する機能を有する。 (f)制御手段の構成および機能 つぎに、処理部4における制御手段14について説明す
る。制御手段14は、上記の機能トレース手段11によ
る機能トレースおよび構造トレース手段12による構造
トレースを交互に繰り返しおこなわせることによって、
異常な出力値の原因となった入力値を遡及的に求めてい
く機能を有する。このような制御手段14内で行われる
推論の過程で生成される情報には、トレース記録16、
仮説18、探索候補20があり、これらの情報も所定の
格納手段に格納される構成となっている。ただし、図1
においては、前記情報の存在を表示するのみで前記情報
の格納手段の表示は省略する。以下、制御手段14を構
成する情報および手段について詳説する。
【0059】[1]検証手段の機能 検証手段10の機能を以下に説明する。すなわち、機能
トレース手段11がある構成部(機能モデル7内の)に
対して推論を行うと、その推論結果として入力値が得ら
れる。つまり、コイル素子206ならばinの値、or
素子204ならばinα,inβの値、and素子20
2,203,205ならばin,stの値が得られる。
一方、シーケンス制御回路200の実際のand素子2
02,203,205からは、stの値が観測値6とし
て得られる。検証手段10は、当該入力値および当該観
測値6の値を比較して、一致する場合には○印を付し、
一致しない場合には×印を付す機能を有する。そして、
他の入力値は、さらに機能トレースを継続するためのデ
ータ点として用いられる。つまり、シーケンス制御回路
200の実際のコイル素子206におけるinの値、o
r素子204におけるinα,inβの値、and素子
202,203,205におけるinの値に基づいて、
さらに機能トレースが行われる。この検証手段10によ
る検証の判断基準は、たとえば、図3に示すようなルー
ルとして整理されている。
トレース手段11がある構成部(機能モデル7内の)に
対して推論を行うと、その推論結果として入力値が得ら
れる。つまり、コイル素子206ならばinの値、or
素子204ならばinα,inβの値、and素子20
2,203,205ならばin,stの値が得られる。
一方、シーケンス制御回路200の実際のand素子2
02,203,205からは、stの値が観測値6とし
て得られる。検証手段10は、当該入力値および当該観
測値6の値を比較して、一致する場合には○印を付し、
一致しない場合には×印を付す機能を有する。そして、
他の入力値は、さらに機能トレースを継続するためのデ
ータ点として用いられる。つまり、シーケンス制御回路
200の実際のコイル素子206におけるinの値、o
r素子204におけるinα,inβの値、and素子
202,203,205におけるinの値に基づいて、
さらに機能トレースが行われる。この検証手段10によ
る検証の判断基準は、たとえば、図3に示すようなルー
ルとして整理されている。
【0060】[2]トレース記録の構成 次に、トレース記録16は、機能トレース手段11によ
る推論結果である論理式を、すべて木構造により表現し
たものである。すなわち、機能トレース手段11による
推論結果は、以下に示すように、ある論理式で記述され
ている。
る推論結果である論理式を、すべて木構造により表現し
たものである。すなわち、機能トレース手段11による
推論結果は、以下に示すように、ある論理式で記述され
ている。
【数15】a →( * or* ( * and d e)(c)) この論理式を、図4に示すように、木構造により表現し
たものがトレース記録16である。この木構造は、診断
対象である個々の構成部におけるパラメータ値をノード
(以下、データ点と呼ぶ)a〜eとし、各データ点の間
の論理演算による論理関係を、論理付きリンクによって
接続したものである。よって、診断対象に対する推論が
進行するに従って、トレース記録16の葉の部分(末端
のデータ点を意味する)が拡張されてゆくことになる。
たものがトレース記録16である。この木構造は、診断
対象である個々の構成部におけるパラメータ値をノード
(以下、データ点と呼ぶ)a〜eとし、各データ点の間
の論理演算による論理関係を、論理付きリンクによって
接続したものである。よって、診断対象に対する推論が
進行するに従って、トレース記録16の葉の部分(末端
のデータ点を意味する)が拡張されてゆくことになる。
【0061】[3]トレース記録変換手段の機能 トレース記録変換手段17は、機能トレース手段11に
よる推論の結果である論理式を、上記のようなトレース
記録16に変換する手段である。トレース記録16は、
図4に示すように、検証手段10による検証が行われた
データ点に、○×が付された状態となる。
よる推論の結果である論理式を、上記のようなトレース
記録16に変換する手段である。トレース記録16は、
図4に示すように、検証手段10による検証が行われた
データ点に、○×が付された状態となる。
【0062】[4]仮説の構成 次に、仮説18を説明する。仮説18とは、トレース記
録16の木構造において、観測値6が得られなかったパ
ラメータ(st以外のパラメータ)に対応するデータ点
を有する部分木である。つまり、検証手段10によって
○印や×印を付すことができずに、一時的に判断を留保
するデータ点をノードとして有する部分木である。
録16の木構造において、観測値6が得られなかったパ
ラメータ(st以外のパラメータ)に対応するデータ点
を有する部分木である。つまり、検証手段10によって
○印や×印を付すことができずに、一時的に判断を留保
するデータ点をノードとして有する部分木である。
【0063】[5]仮説記録手段の機能 仮説記録手段19とは、トレース記録変換手段17によ
って作成される木構造のうち、仮説18の部分木を所定
の格納手段に格納していく機能を有する。したがって、
仮説18の部分木は、トレース記録変換手段17による
木構造が拡大していくにつれて、葉の方向に向かって拡
大していくことになる。
って作成される木構造のうち、仮説18の部分木を所定
の格納手段に格納していく機能を有する。したがって、
仮説18の部分木は、トレース記録変換手段17による
木構造が拡大していくにつれて、葉の方向に向かって拡
大していくことになる。
【0064】[6]仮説検証手段の機能 仮説検証手段20は、仮説記録手段19による仮説の格
納が進んで、あるデータ点に対応する観測値6が得られ
たときに、それ以前に生成された仮説記録18を検証す
る機能を有する。すなわち、観測値6の得られたデータ
点を葉のデータ点とし、これを開始点として、このデー
タ点に関連するデータ点を、部分木の根の方向に向かっ
て検証していく機能を有する。
納が進んで、あるデータ点に対応する観測値6が得られ
たときに、それ以前に生成された仮説記録18を検証す
る機能を有する。すなわち、観測値6の得られたデータ
点を葉のデータ点とし、これを開始点として、このデー
タ点に関連するデータ点を、部分木の根の方向に向かっ
て検証していく機能を有する。
【0065】仮説記録18の検証は、以下のように行わ
れる。すなわち、まず仮説記録18の部分木において、
観測値6が得られた葉のデータ点は、上記のように、排
除手段10によって、その観測値6と一致すれば○、一
致しなければ×が付される。そして、観測値6が得られ
なかった他のデータ点は、これらのデータ点が当該葉の
データ点とどのような論理関係で接続されているかによ
って○もしくは×が付される。このような仮説の検証の
ルールを表わす表を、図5に示す。この表において、た
とえば、構成部がOR演算を行うものの場合、二つの葉
のデータ点においてどちらか一方が○ならば、これらの
葉のデータ点に接続された上位の(根の方向の)データ
点は○となる。
れる。すなわち、まず仮説記録18の部分木において、
観測値6が得られた葉のデータ点は、上記のように、排
除手段10によって、その観測値6と一致すれば○、一
致しなければ×が付される。そして、観測値6が得られ
なかった他のデータ点は、これらのデータ点が当該葉の
データ点とどのような論理関係で接続されているかによ
って○もしくは×が付される。このような仮説の検証の
ルールを表わす表を、図5に示す。この表において、た
とえば、構成部がOR演算を行うものの場合、二つの葉
のデータ点においてどちらか一方が○ならば、これらの
葉のデータ点に接続された上位の(根の方向の)データ
点は○となる。
【0066】[7]探索候補の構成 探索候補20とは、仮説18の部分木のノードである個
々のデータ点のうち、○印も×印も付されていないもの
を、個々のデータ点に分解したものである。このような
探索候補20は、つぎに構造トレース12による推論を
行うデータ点を意味する。この探索候補20は、所定の
格納手段に格納されるが、この格納方法は重み付きの待
ち行列にしたがっているので、最初に格納された探索記
録が最初に読み出されるように設定されている。
々のデータ点のうち、○印も×印も付されていないもの
を、個々のデータ点に分解したものである。このような
探索候補20は、つぎに構造トレース12による推論を
行うデータ点を意味する。この探索候補20は、所定の
格納手段に格納されるが、この格納方法は重み付きの待
ち行列にしたがっているので、最初に格納された探索記
録が最初に読み出されるように設定されている。
【0067】[8]分解手段の機能 分解手段21は、仮説18の部分木から探索候補20と
なるデータ点を分解して、格納手段に格納する機能を有
する。
なるデータ点を分解して、格納手段に格納する機能を有
する。
【0068】[9]探索手段の機能 探索手段22は、探索候補20を参照して、つぎの構造
トレースを行うべきパラメータ値を構造トレース手段1
2に送出する機能を持つ。探索候補20は、上記のよう
に重み付きの待ち行列によって格納されているので、本
例の場合には、先に格納された探索候補20から読み出
されて、構造トレース手段12に送り出される。
トレースを行うべきパラメータ値を構造トレース手段1
2に送出する機能を持つ。探索候補20は、上記のよう
に重み付きの待ち行列によって格納されているので、本
例の場合には、先に格納された探索候補20から読み出
されて、構造トレース手段12に送り出される。
【0069】[10]トレース結果算出手段の機能 トレース結果算出手段23は、機能トレース手段12に
よる推論が終了し、格納手段に探索候補20が無くなっ
たときに、最終的な診断結果に基づいて、正常な信号お
よび異常な信号の伝搬経路を特定し、ユーザーが参照で
きるように表示装置3に出力する機能を有する。
よる推論が終了し、格納手段に探索候補20が無くなっ
たときに、最終的な診断結果に基づいて、正常な信号お
よび異常な信号の伝搬経路を特定し、ユーザーが参照で
きるように表示装置3に出力する機能を有する。
【0070】[11]推論制御手段の機能 推論制御手段15は、機能トレース手段11、構造トレ
ース手段12、排除手段10と制御手段14との間のデ
ータのやり取りを制御し、診断の終了を判定する機能を
有する。終了判定の規則には、たとえば、機能トレース
11による推論、構造トレース12による変換がすべて
終了した場合を終了とするように設定する。
ース手段12、排除手段10と制御手段14との間のデ
ータのやり取りを制御し、診断の終了を判定する機能を
有する。終了判定の規則には、たとえば、機能トレース
11による推論、構造トレース12による変換がすべて
終了した場合を終了とするように設定する。
【0071】(2)実施例の作用 以上のような構成を有する本実施例の作用を、図6の処
理手順を示すフローチャートを用いて説明する。まず、
診断対象であるシーケンス制御回路200(MS01)
において、各データ点の観測値6が、以下のように得ら
れたとする。
理手順を示すフローチャートを用いて説明する。まず、
診断対象であるシーケンス制御回路200(MS01)
において、各データ点の観測値6が、以下のように得ら
れたとする。
【数16】 MS01 ST202 1 MS01 ST203 0 MS01 ST205 1 MS01 LW201 1 MS01 OUT206 1 この観測値6をもとに、ユーザがキーボード1によりト
レース開始点を指定する(ステップ601)。たとえ
ば、シーケンス制御回路200の正常な出力値OUTが
0である場合、観測値6によれば、(out) は1という状
態異常である。そこで、ユーザは、out206=0 であるべ
きという意味で以下のような入力をする。
レース開始点を指定する(ステップ601)。たとえ
ば、シーケンス制御回路200の正常な出力値OUTが
0である場合、観測値6によれば、(out) は1という状
態異常である。そこで、ユーザは、out206=0 であるべ
きという意味で以下のような入力をする。
【数17】( * state * MS01 out206 (0))
【0072】上記の構造モデル8の属性subconn より、
シーケンス制御回路(MS01)の出力(MS01 out206)
は、コイル素子206の出力側(coil206 out) に接続さ
れているので、両者は0という同一の値を持つ。そし
て、コイル素子206は入力値を変化させて出力する機
能を持たず、0が入力されたら0を出力し、1が入力さ
れたら1を出力する。したがって、本例ではコイル素子
206の入力値は0と推論され、以下のように表現され
る。
シーケンス制御回路(MS01)の出力(MS01 out206)
は、コイル素子206の出力側(coil206 out) に接続さ
れているので、両者は0という同一の値を持つ。そし
て、コイル素子206は入力値を変化させて出力する機
能を持たず、0が入力されたら0を出力し、1が入力さ
れたら1を出力する。したがって、本例ではコイル素子
206の入力値は0と推論され、以下のように表現され
る。
【数18】( * state * , coil206, in, (0)) さらに、構造モデル8の属性connより、and素子20
5はコイル素子206の入力側に接続されているので、
両者は0という同一の値を持つ。したがって、and素
子205の出力値は以下のように表現される。
5はコイル素子206の入力側に接続されているので、
両者は0という同一の値を持つ。したがって、and素
子205の出力値は以下のように表現される。
【数19】( * state * , and205, out, (0)) このand素子205は、入力値を変化させて出力する
機能を持つので、異常の原因となった可能性がある。し
たがって、このand素子205の出力値をトレース開
始点とする つぎに、機能トレース手段11による機能トレースを実
行する(ステップ602)。すなわち、上記例では、機
能モデル7に基づいて、and素子205からの出力値
0が出力される可能性のあるand素子205への入力
値の全ての組み合わせを、トレース結果として以下のよ
うに算出する。
機能を持つので、異常の原因となった可能性がある。し
たがって、このand素子205の出力値をトレース開
始点とする つぎに、機能トレース手段11による機能トレースを実
行する(ステップ602)。すなわち、上記例では、機
能モデル7に基づいて、and素子205からの出力値
0が出力される可能性のあるand素子205への入力
値の全ての組み合わせを、トレース結果として以下のよ
うに算出する。
【数20】 なお、この機能トレースにおいては、診断対象の異常の
種類が状態異常なので、状態トレース手段11aにより
行われる。このような機能トレース結果のうち対応する
観測値のある入力値は、検証手段10によりその観測値
6と比較され、一致する場合には○印がつけられ、一致
しない場合には×印がつけられる(ステップ603)。
すなわち、上記例においては、機能モデル7より、an
d素子205の入力値stはシーケンス制御回路(MS
01)におけるIN205の観測値6に対応している。
IN205の観測値は1なので、and素子205の入
力値stが1のデータ点には、○印がつけられ、入力値
stが0のデータ点には×印がつけられる。
種類が状態異常なので、状態トレース手段11aにより
行われる。このような機能トレース結果のうち対応する
観測値のある入力値は、検証手段10によりその観測値
6と比較され、一致する場合には○印がつけられ、一致
しない場合には×印がつけられる(ステップ603)。
すなわち、上記例においては、機能モデル7より、an
d素子205の入力値stはシーケンス制御回路(MS
01)におけるIN205の観測値6に対応している。
IN205の観測値は1なので、and素子205の入
力値stが1のデータ点には、○印がつけられ、入力値
stが0のデータ点には×印がつけられる。
【0073】このような○印、×印を付すことによる検
証を終えた機能トレース結果は、トレース記録変換手段
17によりトレース記録16に変換され、所定の格納手
段に格納される(ステップ604)。たとえば、and
素子205に関する機能トレース結果は三組の入力値の
組み合わせによって構成されているが、トレース記録1
6は、図7に示すように、これらの入力値を一つのデー
タ点(ノード)とした木構造として記録したものであ
る。
証を終えた機能トレース結果は、トレース記録変換手段
17によりトレース記録16に変換され、所定の格納手
段に格納される(ステップ604)。たとえば、and
素子205に関する機能トレース結果は三組の入力値の
組み合わせによって構成されているが、トレース記録1
6は、図7に示すように、これらの入力値を一つのデー
タ点(ノード)とした木構造として記録したものであ
る。
【0074】そして、このような木構造のデータ点は、
対応する観測値6がなく○印または×印が付されていな
いデータ点か、対応する観測値6があり○印または×印
が付されているデータ点かどうかが判断される(ステッ
プ605)。○印または×印が付されていないデータ点
をノードとする部分木は、仮説記録手段19によって、
仮説18として所定の格納手段に格納される(ステップ
606)。このように、○印または×印が付されていな
いデータ点は、診断を継続して行うこととなる。たとえ
ば、and素子205の入力値(in)に関して診断を継
続して行うデータ点は以下のようになる。
対応する観測値6がなく○印または×印が付されていな
いデータ点か、対応する観測値6があり○印または×印
が付されているデータ点かどうかが判断される(ステッ
プ605)。○印または×印が付されていないデータ点
をノードとする部分木は、仮説記録手段19によって、
仮説18として所定の格納手段に格納される(ステップ
606)。このように、○印または×印が付されていな
いデータ点は、診断を継続して行うこととなる。たとえ
ば、and素子205の入力値(in)に関して診断を継
続して行うデータ点は以下のようになる。
【数21】 このようなデータ点は、分解手段21により個々のデー
タ点に分解され、つぎの探索候補20として所定の格納
手段に、重み付きの待ち行列に従って格納される(ステ
ップ607)。たとえば、分解されたデータ点は以下の
ようになる。
タ点に分解され、つぎの探索候補20として所定の格納
手段に、重み付きの待ち行列に従って格納される(ステ
ップ607)。たとえば、分解されたデータ点は以下の
ようになる。
【数22】 and in 0 and in 1
【0075】一方、ステップ605において○印または
×印が付されたデータ点は、推論対象から排除される。
ここでは、推論を停止するデータ点は、以下のようにな
る。
×印が付されたデータ点は、推論対象から排除される。
ここでは、推論を停止するデータ点は、以下のようにな
る。
【数23】 そして、このような○印および×印が付されたデータ点
に基づいて、それまでの推論で○印および×印が付され
ていなかったデータ点に仮説検証手段20によって○印
および×印を付していくことによって、仮説の検証を行
う(ステップ608)。○と×のどちらを付すべきか
は、まだ印の付されていないデータ点と、すでに○印お
よび×印が付されたデータ点とが、どのような論理関係
で接続されているかによって決定されていく。このよう
な仮説の検証のルールの一例は、図5に示す通りであ
る。仮説の検証によって○印または×印が付されたデー
タ点は、推論対象から排除されるので、探索候補20の
更新によって探索候補20内から削除される(ステップ
609)。
に基づいて、それまでの推論で○印および×印が付され
ていなかったデータ点に仮説検証手段20によって○印
および×印を付していくことによって、仮説の検証を行
う(ステップ608)。○と×のどちらを付すべきか
は、まだ印の付されていないデータ点と、すでに○印お
よび×印が付されたデータ点とが、どのような論理関係
で接続されているかによって決定されていく。このよう
な仮説の検証のルールの一例は、図5に示す通りであ
る。仮説の検証によって○印または×印が付されたデー
タ点は、推論対象から排除されるので、探索候補20の
更新によって探索候補20内から削除される(ステップ
609)。
【0076】次に、探索手段22により格納手段に探索
候補20があるか否かが判断され(ステップ610)、
ある場合にはその探索候補20を得る。上記例の場合に
は、探索候補22は重み付きの待ち行列によって格納さ
れているので、先に格納された探索候補20から読み出
される。読み出された探索候補22の各データ点に対し
ては、構造モデル8に基づいて構造トレースが実行され
る(ステップ611)。すなわち、探索候補20のパラ
メータ名が、and素子205への入力パラメータであ
る場合には、この入力パラメータが、構造モデル8を参
照してor素子204からの出力パラメータに書き換え
られる。
候補20があるか否かが判断され(ステップ610)、
ある場合にはその探索候補20を得る。上記例の場合に
は、探索候補22は重み付きの待ち行列によって格納さ
れているので、先に格納された探索候補20から読み出
される。読み出された探索候補22の各データ点に対し
ては、構造モデル8に基づいて構造トレースが実行され
る(ステップ611)。すなわち、探索候補20のパラ
メータ名が、and素子205への入力パラメータであ
る場合には、この入力パラメータが、構造モデル8を参
照してor素子204からの出力パラメータに書き換え
られる。
【0077】このような構造トレース結果に基づいて、
つぎの機能トレースの開始データ点が得られる(ステッ
プ612)。そして、この開始データ点を新たなトレー
ス開始点として、機能トレース手段11によって新たに
機能トレースが行われる(ステップ602)。
つぎの機能トレースの開始データ点が得られる(ステッ
プ612)。そして、この開始データ点を新たなトレー
ス開始点として、機能トレース手段11によって新たに
機能トレースが行われる(ステップ602)。
【0078】以上のように機能トレースおよび構造トレ
ースを繰り返していく過程で、図8に示すように、トレ
ース記録16の木構造が拡張されていくと同時に、仮説
18の部分木も拡張していく。そして、木構造が全ての
データ点にまで拡張し、最終的に観測値6の得られる末
端のデータ点に至ったとき、それらの末端のデータ点に
はすべて○印もしくは×印が付される。つまり、図9に
示すように、観測値6と一致する値を持つデータ点は○
印を付され、観測値6と一致しない値を持つデータ点は
×印を付される。たとえば、and素子202の状態値
stのデータ点は、ST202の観測値6と比較され
る。上記のように、ST202の観測値6は1なので、
and素子202の状態値stが1のデータ点には○印
が付される。
ースを繰り返していく過程で、図8に示すように、トレ
ース記録16の木構造が拡張されていくと同時に、仮説
18の部分木も拡張していく。そして、木構造が全ての
データ点にまで拡張し、最終的に観測値6の得られる末
端のデータ点に至ったとき、それらの末端のデータ点に
はすべて○印もしくは×印が付される。つまり、図9に
示すように、観測値6と一致する値を持つデータ点は○
印を付され、観測値6と一致しない値を持つデータ点は
×印を付される。たとえば、and素子202の状態値
stのデータ点は、ST202の観測値6と比較され
る。上記のように、ST202の観測値6は1なので、
and素子202の状態値stが1のデータ点には○印
が付される。
【0079】また、and素子202,203の入力値
inのデータ点(図中星印を付した箇所)は、シーケン
ス制御回路への入力値(LW201の観測値6)と比較
される。このシーケンス制御回路への入力値は、物理的
に必ず1となるので、and素子202の入力値inが
1のデータ点には○印が付される。そして、このような
観測値6に基づいた検証の後、図10に示すように、仮
説の検証ルール(図5)に基づいて、仮説検証手段20
によって仮説18の検証が行われる。
inのデータ点(図中星印を付した箇所)は、シーケン
ス制御回路への入力値(LW201の観測値6)と比較
される。このシーケンス制御回路への入力値は、物理的
に必ず1となるので、and素子202の入力値inが
1のデータ点には○印が付される。そして、このような
観測値6に基づいた検証の後、図10に示すように、仮
説の検証ルール(図5)に基づいて、仮説検証手段20
によって仮説18の検証が行われる。
【0080】このように木構造が全てのデータ点にまで
拡張した場合には、次の探索候補20が得られなくなる
ので(ステップ609)、トレース結果算出手段23に
よって解の収集が行われ、推論結果が表示装置に出力さ
れる(ステップ612)。すなわち、葉から根まで×印
が続いている部分(観測値と一致しないデータ点に関連
する経路)を選び出し、さらに物理的に変更できない箇
所(☆印の箇所)が×(不一致)になっているものを除
く。すると、図中、点線で描かれた経路が、正常な経路
であるという最終的なトレース結果として得られる。以
下は、このトレース結果を論理式で表したものである。
拡張した場合には、次の探索候補20が得られなくなる
ので(ステップ609)、トレース結果算出手段23に
よって解の収集が行われ、推論結果が表示装置に出力さ
れる(ステップ612)。すなわち、葉から根まで×印
が続いている部分(観測値と一致しないデータ点に関連
する経路)を選び出し、さらに物理的に変更できない箇
所(☆印の箇所)が×(不一致)になっているものを除
く。すると、図中、点線で描かれた経路が、正常な経路
であるという最終的なトレース結果として得られる。以
下は、このトレース結果を論理式で表したものである。
【数24】 この論理式は、構造モデルの属性subconn より、「MS
01のOUT206が0という正常値であるためには、
構成部の状態値(st)が以下の,,の条件のう
ち、いずれかの条件に適合していることが必要となる」
ということを意味している。その条件とは、以下のとお
りである。 MS01のST202(=and素子202のst)
が0であること。 MS01のST205(=and素子205のst)
が0であること。 MS01のST202(=and素子202のst)
が0であり、かつST205(=and素子205のs
t)が0であること。
01のOUT206が0という正常値であるためには、
構成部の状態値(st)が以下の,,の条件のう
ち、いずれかの条件に適合していることが必要となる」
ということを意味している。その条件とは、以下のとお
りである。 MS01のST202(=and素子202のst)
が0であること。 MS01のST205(=and素子205のst)
が0であること。 MS01のST202(=and素子202のst)
が0であり、かつST205(=and素子205のs
t)が0であること。
【0081】したがって、以上の条件のいずれか一つに
でも適合しない場合には、シーケンス制御回路200か
ら異常な出力パラメータが出力されることになる。
でも適合しない場合には、シーケンス制御回路200か
ら異常な出力パラメータが出力されることになる。
【0082】(3)実施例の効果 以上のような本実施例の効果は、以下のとおりである。
すなわち、診断対象であるシーケンス制御回路が時間変
化に依存する入出力を行う構成部を有していても、機能
モデル8において状態遷移モデルを採用し、機能トレー
ス手段11に状態トレース手段11bおよび変化トレー
ス手段11aを設けたので、時間変化を考慮にいれた推
論を行うことができる。また、推論の結果得られたデー
タ点をデータ木として関連付け、○印もしくは×印を付
していくことにより論理的な解析を行うことができる。
すなわち、診断対象であるシーケンス制御回路が時間変
化に依存する入出力を行う構成部を有していても、機能
モデル8において状態遷移モデルを採用し、機能トレー
ス手段11に状態トレース手段11bおよび変化トレー
ス手段11aを設けたので、時間変化を考慮にいれた推
論を行うことができる。また、推論の結果得られたデー
タ点をデータ木として関連付け、○印もしくは×印を付
していくことにより論理的な解析を行うことができる。
【0083】診断対象における構成部において、観測値
6を得ることができたデータ点は排除手段10によって
排除される。排除されたデータ点に基づいた推論は、そ
れ以上行うことはないので、トレースの経路を必要最小
限に節約することができ、診断速度が速くなるととも
に、組合せ爆発等を回避することができる。そして、推
論から排除されるデータ点であっても、検証手段10a
により○印、×印を付すことにより評価されるので、異
常か正常かの判断を行うことができる。
6を得ることができたデータ点は排除手段10によって
排除される。排除されたデータ点に基づいた推論は、そ
れ以上行うことはないので、トレースの経路を必要最小
限に節約することができ、診断速度が速くなるととも
に、組合せ爆発等を回避することができる。そして、推
論から排除されるデータ点であっても、検証手段10a
により○印、×印を付すことにより評価されるので、異
常か正常かの判断を行うことができる。
【0084】診断対象における構成部において、観測値
6を得ることができない場合(あるべき変化がなく、必
要な情報が得られない場合も同様)には、推論されたデ
ータ点に対する評価ができないことになる。しかし、本
実施例では、このような構成部のデータ点を仮説記録手
段19によって仮説18として記録することにより、判
断を留保する。そして、さらに推論をおこなった結果、
観測値6が得られるデータ点に到達したときに、仮説検
証手段20によって観測値6が得られたデータ点から遡
って仮説18の検証を行うことができる。したがって、
観測値6が得られないデータ点をであってもチェックす
ることができるので、異常の原因を特定することが可能
となる。
6を得ることができない場合(あるべき変化がなく、必
要な情報が得られない場合も同様)には、推論されたデ
ータ点に対する評価ができないことになる。しかし、本
実施例では、このような構成部のデータ点を仮説記録手
段19によって仮説18として記録することにより、判
断を留保する。そして、さらに推論をおこなった結果、
観測値6が得られるデータ点に到達したときに、仮説検
証手段20によって観測値6が得られたデータ点から遡
って仮説18の検証を行うことができる。したがって、
観測値6が得られないデータ点をであってもチェックす
ることができるので、異常の原因を特定することが可能
となる。
【0085】機能トレースの結果得られた入力値の組み
合わせの中から、分解手段21により次に構造トレース
を行うべきデータ点を選び出し、探索候補20として呼
び出し順に格納しておくので、機能トレースから構造ト
レースへスムーズに移行することができる。したがっ
て、観測値の得られない構成部から観測値の得られる構
成部までのトレースを、効率よく行うことができる。
合わせの中から、分解手段21により次に構造トレース
を行うべきデータ点を選び出し、探索候補20として呼
び出し順に格納しておくので、機能トレースから構造ト
レースへスムーズに移行することができる。したがっ
て、観測値の得られない構成部から観測値の得られる構
成部までのトレースを、効率よく行うことができる。
【0086】さらに、トレース結果はすべて木構造のト
レース記録16として生成されるので、観測値の得られ
る構成部であっても、観測値の得られない構成部であっ
ても、全てのトレース経路を明確にでき、異常の原因お
よび正常な信号の伝搬経路を漏れなく把握することがで
きる。
レース記録16として生成されるので、観測値の得られ
る構成部であっても、観測値の得られない構成部であっ
ても、全てのトレース経路を明確にでき、異常の原因お
よび正常な信号の伝搬経路を漏れなく把握することがで
きる。
【0087】(4)他の実施例 本発明は、以上のような実施例に限定されるものではな
く、各構成部の設定、接続等は適宜変更可能である。た
とえば、観測値6は、通信回線2からではなく、キーボ
ード1から入力してもよい。構造モデル8も、キーボー
ド1から入力できるようにしてもよい。また、トレース
開始点は同時に複数指定できるようにしてもよい。
く、各構成部の設定、接続等は適宜変更可能である。た
とえば、観測値6は、通信回線2からではなく、キーボ
ード1から入力してもよい。構造モデル8も、キーボー
ド1から入力できるようにしてもよい。また、トレース
開始点は同時に複数指定できるようにしてもよい。
【0088】また、各パラメータの具体的数値は1又は
0には限定されず、データの表現形式も上記のような実
施例に限定されるものではなく自由である。さらに、制
御手段による終了を判定する規則には、全解探索判定規
則や、1つの解が得られたときを終了とみなす一解探索
規則がある。
0には限定されず、データの表現形式も上記のような実
施例に限定されるものではなく自由である。さらに、制
御手段による終了を判定する規則には、全解探索判定規
則や、1つの解が得られたときを終了とみなす一解探索
規則がある。
【0089】なお、上記実施例はコンピュータ上に実現
されているが、その機能の全部又は一部は専用の電子回
路上に実現してもよい。また、診断対象であるシステム
も、シーケンス制御回路に限定されるものではなく、あ
らゆる電子回路、電気回路を診断対象とすることが可能
である。
されているが、その機能の全部又は一部は専用の電子回
路上に実現してもよい。また、診断対象であるシステム
も、シーケンス制御回路に限定されるものではなく、あ
らゆる電子回路、電気回路を診断対象とすることが可能
である。
【0090】
【発明の効果】以上のように、本発明のトレース診断装
置によれば、機能モデルに状態遷移表を採用し、これに
よって推論を行う機能トレース手段を設け、構造モデル
によって推論を行う構造トレース手段を設けるという構
成によって、診断対象のシステムにおける構成部が遅延
機能を有する場合であっても、異常な出力値に対応する
入力値を明確に特定可能なトレース診断装置を提供する
ことができる。
置によれば、機能モデルに状態遷移表を採用し、これに
よって推論を行う機能トレース手段を設け、構造モデル
によって推論を行う構造トレース手段を設けるという構
成によって、診断対象のシステムにおける構成部が遅延
機能を有する場合であっても、異常な出力値に対応する
入力値を明確に特定可能なトレース診断装置を提供する
ことができる。
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図2】図1の実施例の診断対象となるシーケンス制御
回路の一例を示すラダー図である。
回路の一例を示すラダー図である。
【図3】図1の実施例における検証手段の検証ルールの
一例を示す表である。
一例を示す表である。
【図4】トレース記録の一例を示す木構造図である。
【図5】図1の実施例における仮説検証手段の検証ルー
ルの一例を示す表である。
ルの一例を示す表である。
【図6】図1の実施例における処理の手順を示すフロー
チャートである。
チャートである。
【図7】図1の実施例による初期のトレース記録の一例
を示す木構造図である。
を示す木構造図である。
【図8】図1の実施例によるトレース終了時のトレース
記録の一例を示す木構造図である。
記録の一例を示す木構造図である。
【図9】図8のトレース記録において、観測値の得られ
たデータ点をチェックした図である。
たデータ点をチェックした図である。
【図10】図8のトレース記録において、仮説記録を検
証した図である。
証した図である。
【図11】図8のトレース記録において、トレース結果
を算出した図である。
を算出した図である。
1…キーボード 2…通信回線 3…表示装置 4…処理部 5…I/O制御回路 6…観測値 7…機能モデル 8…構造モデル 9…設計情報 10…検証手段 11…機能トレース手段 11a…状態トレース手段 11b…変化トレース手段 11c…切替え手段 12…構造トレース手段 13…モデル変換手段 14…制御手段 15…推論制御手段 16…トレース記録 17…トレース記録変換手段 18…仮説 19…仮説記録手段 20…仮説検証手段 21…分解手段 22…探索手段 23…トレース結果算出手段 24…制御手段 201…左母線 202,203,205…and素子 204…or素子 206…コイル素子 207…右母線 601以降…手順の各ステップ
Claims (5)
- 【請求項1】 所定の値を持つ入力信号が入力されると
それに応じた値を持つ出力信号を出力する複数の構成部
を有するシステムであって、当該システムへ入力された
入力信号が複数の構成部を伝搬して出力信号を出力する
システムを診断対象とし、 前記システムへの現実の入力信号の値である入力値と、
前記システムからの現実の出力信号の値である出力値
と、前記複数の構成部のうちの一部の構成部への現実の
入力信号の値である入力値とを検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出された値を、観測値として格
納する観測値格納手段と、 各構成部ごとに入力される値を想定した入力値モデルお
よび各構成部ごとに出力される値を想定した出力値モデ
ルを、状態遷移表の形式で表現した機能モデルを格納し
た機能モデル格納手段と、 前記システム内における各構成部間の接続関係に関する
知識である構造モデルを格納した構造モデル格納手段
と、 前記機能モデルに基づいて、各構成部ごとの出力値か
ら、当該出力値の原因となった可能性のある各構成部ご
との入力値の組み合わせを推論する機能トレース手段
と、 前記機能トレース手段により推論された個々の構成部ご
との入力値を、前記構造モデルに基づいて、当該構成部
に接続された他の構成部からの出力値に対応させる構造
トレース手段と、 前記システムからの出力値が異常である場合に、前記状
態トレース手段又は前記変化トレース手段による推論、
および前記構造トレース手段による対応づけを繰り返し
行わせることにより、前記システムへの入力値を推論す
る推論制御手段と、 前記推論制御手段による推論の過程で、各構成部ごとに
得られる機能モデル上の入力値の組み合わせを関連付け
ることにより、正常な信号および異常な信号の伝搬経路
を特定するトレース結果算出手段とを有することを特徴
とするトレース診断装置。 - 【請求項2】 前記推論制御手段による推論の過程で各
構成部ごとに得られる機能モデル上の入力値の組み合わ
せのうち、対応する観測値と一致する入力値を異常とみ
なし、対応する観測値と一致しない入力値を正常とみな
す検証手段を有することを特徴とする請求項1記載のト
レース診断装置。 - 【請求項3】 前記推論制御手段による推論の過程で、
各構成部ごとに得られる機能モデル上の入力値の組み合
わせのうち、対応する観測値が存在せずに正常か異常か
を判断できない入力値を、一時的に判断を留保するデー
タである仮説として記録する仮説記録手段と、 前記仮説に基づいてさらに進められた推論の過程で、対
応する観測値が存在するために正常か異常かを判断でき
る入力値が得られた場合に、ここで得られた正常な入力
値に関連する仮説は正常とみなし、異常な入力値に関連
する仮説は異常とみなす仮説検証手段とを有することを
特徴とする請求項2記載のトレース診断装置。 - 【請求項4】 前記仮説としての入力値の組み合わせを
個々の入力値に分解する分解手段と、 前記個々の入力値を、構造トレース手段による対応づけ
の対象である探索候補として呼び出し順に格納する探索
候補格納手段と、 前記探索候補格納手段に格納された探索候補の中から、
対応づけを実行する入力値を呼び出して構造トレース手
段に送り出す探索手段とを有することを特徴とする請求
項3記載のトレース診断装置。 - 【請求項5】 前記推論制御手段による推論の結果を、
推論の過程で得られる機能モデル上の入力値および出力
値のすべてをノードとした木構造として作成するトレー
ス記録変換手段を有することを特徴とする請求項4記載
のトレース診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6221869A JPH0887427A (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | トレース診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6221869A JPH0887427A (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | トレース診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0887427A true JPH0887427A (ja) | 1996-04-02 |
Family
ID=16773459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6221869A Pending JPH0887427A (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | トレース診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0887427A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7765535B2 (en) | 2003-10-23 | 2010-07-27 | Fujitsu Limited | Software development tool program |
JP2017174471A (ja) * | 2017-07-06 | 2017-09-28 | 株式会社日立製作所 | システム解析装置、設計不良解析装置、故障モード解析装置、故障ツリー解析装置、自律動作装置及び自律動作制御システム |
JP7062250B1 (ja) * | 2021-10-14 | 2022-05-06 | 株式会社エイシング | 情報処理装置、方法、プログラム及びシステム |
-
1994
- 1994-09-16 JP JP6221869A patent/JPH0887427A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7765535B2 (en) | 2003-10-23 | 2010-07-27 | Fujitsu Limited | Software development tool program |
JP2017174471A (ja) * | 2017-07-06 | 2017-09-28 | 株式会社日立製作所 | システム解析装置、設計不良解析装置、故障モード解析装置、故障ツリー解析装置、自律動作装置及び自律動作制御システム |
JP7062250B1 (ja) * | 2021-10-14 | 2022-05-06 | 株式会社エイシング | 情報処理装置、方法、プログラム及びシステム |
WO2023062780A1 (ja) * | 2021-10-14 | 2023-04-20 | 株式会社エイシング | 情報処理装置、方法、プログラム及びシステム |
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