JPH0886994A - 反射型カラープロジェクタ - Google Patents

反射型カラープロジェクタ

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JPH0886994A
JPH0886994A JP6223764A JP22376494A JPH0886994A JP H0886994 A JPH0886994 A JP H0886994A JP 6223764 A JP6223764 A JP 6223764A JP 22376494 A JP22376494 A JP 22376494A JP H0886994 A JPH0886994 A JP H0886994A
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JP
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color
image
component
separated
slm
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JP6223764A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Mitsuoka
靖幸 光岡
Tadao Iwaki
岩城  忠雄
Yukiya Funenami
雪弥 船浪
Nobuyuki Kasama
宣行 笠間
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射型カラープロジェクタの光源光束利用効
率を改善する。 【構成】 R用LC−SLM1には赤色分解画像が書込
まれ、C用LC−SLM2にはシアン色分解画像が書込
まれ、B用LC−SLM3には青色分解画像が書込ま
れ、Y用LC−SLM4にはイエロー色分解画像が書込
まれる。発光源9は白色の光源光束を放射する。偏光ビ
ームスプリッタ10は光源光束を互いに直交するS偏光
とP偏光に分割する。R反射ミラー11はS偏光を赤色
成分及びシアン色成分に分離し、各々対応するR用LC
−SLM1及びC用LC−SLM2に照射して書込まれ
た画像の読み出しを行なう。B反射ミラー12はP偏光
を青色成分及びイエロー色成分に分離し各々対応するB
用LC−SLM3及びY用LC−SLM4に照射して書
込まれた画像の読み出しを行なう。投影光学系14は読
み出された4種の色分解画像を合成して拡大投影しカラ
ー画像16を写し出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反射型カラープロジェク
タに関する。より詳しくは、反射型の液晶空間変調器を
複数枚用いて各色分解画像を表示すると共に、これらを
光学的に合成してカラー画像を拡大投影する反射型カラ
ープロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の反射型カラープロジェクタは基本
的な構成として、複数の反射型空間変調器と、その一面
側から書込光を照射して各反射型空間変調器に割り当て
られた色分解画像を光学的に転写する書込手段と、各反
射型空間変調器の他面側から対応する色成分の偏光照明
光束を照射し転写された色分解画像を反射的に読み出す
偏光照明光学系と、読み出された複数の色分解画像を合
成して拡大投影しカラー画像を写し出す投影光学系とを
備えている。図10を参照して、従来の反射型カラープ
ロジェクタの構成例を簡潔に説明する。この反射型カラ
ープロジェクタは複数の反射型空間変調器として、3個
の液晶空間光変調器(LC−SLM)を利用している。
即ち、赤、緑、青三原色のうち赤色分解画像が割り当て
られた液晶空間光変調器(以下R用LC−SLM)10
1と、緑色分解画像が割り当てられた液晶空間光変調器
(以下G用LC−SLM)102と、青色分解画像が割
り当てられた液晶空間光変調器(以下B用LC−SL
M)103とを備えている。この反射型カラープロジェ
クタは書込手段(図示せず)を備えており、R用LC−
SLM101の一面側からR用書込光を照射して対応す
る赤色分解画像を光学的に転写する。同様に、G用LC
−SLM102の一面側からG用書込光を照射して対応
する緑色分解画像を光学的に転写する。又、B用LC−
SLM103の一面側からB用書込光を照射して対応す
る青色分解画像を光学的に転写する。一方、偏光照明光
学系として偏光ビームスプリッタ104とR反射ミラー
105とB反射ミラー106とを備えている。偏光ビー
ムスプリッタ104は光源光束を互いに直交する偏光照
明光束に分割する。偏光ビームスプリッタ104により
反射された一方の偏光照明光束は例えばS偏光であり、
偏光ビームスプリッタ104を透過した他方の偏光照明
光束はP偏光となる。S偏光に含まれる赤色成分のみが
R反射ミラー105により選択的に反射され、R用LC
−SLM101を照射して赤色分解画像を反射的に読み
出す。R反射ミラー105を透過した残りの成分はB反
射ミラー106により緑色成分と青色成分に分離され
る。B反射ミラー106を透過した緑色成分はG用LC
−SLM102の他面側を照射し緑色分解画像を反射的
に読み出す。一方B反射ミラー106により反射された
青色成分はB用LC−SLM103の他面側を照射し青
色分解画像を反射的に読み出す。この様にして読み出さ
れた3種の赤色分解画像、緑色分解画像及び青色分解画
像は再び偏光ビームスプリッタ104により合成され投
影光学系107を介して前方に拡大投影される。この結
果スクリーン108の表面にカラー画像109が写し出
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図10に示した従来の
反射型カラープロジェクタでは、偏光ビームスプリッタ
104を用いて光源光束をS偏光とP偏光に分離し、S
偏光のみを取り出して偏光照明光束にしている。他方の
P偏光は何等照明光束として利用されていない。従っ
て、従来の構造では光源光束の利用効率が高々50%で
あり、カラー画像109の輝度が低いという課題があっ
た。なお、反射型空間変調器としてLC−SLMを用い
た場合、原理的に照明光束は直線偏光にする必要があ
る。又、従来の構造では偏光ビームスプリッタ104と
最遠位置の反射型空間変調器(即ちB用LC−SLM1
03、G用LC−SLM102)との間に、少なくとも
2枚の色分離フィルタ(即ちR反射ミラー105、B反
射ミラー106)が必要となる。換言すると、投影光学
系107からG用LC−SLM102及びB用LC−S
LM103までの光学距離が長くなる為、これに応じて
投影レンズのバックフォーカスを長く設定しなければな
らない。従って投影レンズとしてはFナンバーの小さな
ものが必要になる。一方、輝度の高いカラー画像109
を拡大投影する為には明るく且つ高倍率の投影レンズが
必要になる。この様に、互いに相反する要求特性を満た
す投影レンズの設計及び作成は極めて困難であるという
課題がある。さらに、従来の構造では、偏光ビームスプ
リッタ104に対して、R用LC−SLM101とG用
LC−SLM102及びB用LC−SLM103とでは
互いに非対称配置となっている為、光学的な構成や調整
が複雑になるという課題がある。
【0004】なお、S偏光のみならずP偏光も照明光束
として有効利用する為、例えばもう一組のR用LC−S
LM、G用LC−SLM及びB用LC−SLMを偏光ビ
ームスプリッタの透過側に設ける構造も考えられる。し
かしながら、かかる構成ではLC−SLMが合計6枚必
要となり反射型カラープロジェクタのコストアップを招
いてしまう。又、投影レンズのバックフォーカスが長く
なるという欠点や3枚のLC−SLMの非対称性という
欠点については解決できない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為以下の手段を講じた。即ち、本発明にか
かる反射型カラープロジェクタは基本的な構成として、
複数の反射型空間変調器と、その一面側から書込光を照
射して各反射型空間変調器に割り当てられた色分解画像
を光学的に転写する書込手段と、各反射型空間変調器の
他面側から対応する色成分の偏光照明光束を照射し転写
された色分解画像を反射的に読み出す偏光照明光学系
と、読み出された複数の色分解画像を合成して拡大投影
しカラー画像を写し出す投影光学系とを有している。特
徴事項として、複数の反射型空間変調器は、赤色分解画
像が割り当てられた第一の反射型空間変調器と、シアン
色分解画像が割り当てられた第二の反射型空間変調器
と、青色分解画像が割り当てられた第三の反射型空間変
調器と、イエロー色分解画像が割り当てられた第四の反
射型空間変調器とからなる。一方、前記偏光照明光学系
は、光源光束を放射する発光源と、該光源光束を互いに
直交する偏光照明光束に分割する偏光ビームスプリッタ
と、一方の偏光照明光束を赤色成分及びシアン色成分に
分離し各々対応する第一及び第二の反射型空間変調器に
分配する一方の色分離フィルタと、他方の偏光照明光束
を青色成分及びイエロー色成分に分離し各々対応する第
三及び第四の反射型空間変調器に分配する他方の色分離
フィルタとからなる。又、前記書込手段は、各色分解画
像を対応する反射型空間変調器に転写してカラー画像を
合成する際、赤色分解画像と青色分解画像とイエロー色
分解画像とを組み合わせてカラー画像の赤色部を合成
し、シアン色分解画像とイエロー色分解画像とを組み合
わせてカラー画像の緑色部を合成し、赤色分解画像とシ
アン色分解画像と青色分解画像とを組み合わせてカラー
画像の青色部を合成し、赤色分解画像とシアン色分解画
像と青色分解画像とイエロー色分解画像とを組み合わせ
てカラー画像の白色部を合成する。
【0006】本発明はより上位の概念として以下の構成
を有する反射型カラープロジェクタを包含するものであ
る。即ち、複数の反射型空間変調器は、三原色の中から
選ばれた第一の単色分解画像が割り当てられた第一の反
射型空間変調器と、該第一の単色分解画像と補色関係に
ある第一の補色分解画像が割り当てられた第二の反射型
空間変調器と、三原色の中から別に選ばれた第二の単色
分解画像が割り当てられた第三の反射型空間変調器と、
該第二の単色分解画像と補色関係にある第二の補色分解
画像が割り当てられた第四の反射型空間変調器とからな
る。一方偏光照明光学系は、光源光束を放射する発光源
と、該光源光束を互いに直交する偏光照明光束に分解す
る偏光ビームスプリッタと、一方の偏光照明光束を第一
の単色成分及び補色関係にある第一の補色成分に分解し
各々対応する第一及び第二の反射型空間変調器に分配す
る一方の色分離フィルタと、他方の偏光照明光束を第二
の単色成分及び補色関係にある第二の補色成分に分離し
各々対応する第三及び第四の反射型空間変調器に分配す
る他方の色分離フィルタとからなる。この場合、前記書
込手段は三原色成分を含む入力色信号を演算処理して第
一の単色分解画像、第一の補色分解画像、第二の単色分
解画像及び第二の補色分解画像を生成する色信号変換手
段を含んでいる。
【0007】
【作用】本発明によれば、偏光ビームスプリッタにより
分割された一方の偏光照明光束(例えばS偏光)に対応
して、赤色分解画像が割り当てられた第一の反射型空間
変調器とシアン色分解画像が割り当てられた第二の反射
型空間変調器とを設けている。他方の偏光照明光束(例
えばP偏光)に対応して、青色分解画像が割り当てられ
た第三の反射型空間変調器とイエロー色分解画像が割り
当てられた第四の反射型空間変調器とを設けている。こ
れら赤色分解画像、シアン色分解画像、青色分解画像及
びイエロー色分解画像を光学的に合成する事によりフル
カラー画像を写し出す事が可能である。本発明ではS偏
光及びP偏光の両者を偏光照明光束として有効利用して
いるので、従来に比しカラー画像の輝度を2倍程度高く
する事ができる。図10に示した従来の構成に比べると
反射型空間変調器の個数は3個から4個に増えたのみで
ありコスト的な負担は少なくて済む。又、6枚の反射型
空間変調器を組み込んだ従来例と比較すると2枚分節約
になっている。S偏光は一方の色分離フィルタにより赤
色成分及び補色関係にあるシアン色成分に分離され各々
対応する第一及び第二の反射型空間変調器に分配され
る。同様に、P偏光は他方の色分離フィルタにより青色
成分及び補色関係にあるイエロー色成分に分離され各々
対応する第三及び第四の反射型空間変調器に分配され
る。この様に、偏光ビームスプリッタと各反射型空間変
調器との間には1枚の色分離フィルタのみが介在してい
る為、全ての反射型空間変調器が対称配置(共役配置)
可能となり構成が簡略化できる。又、照明光束の光路中
に色分離フィルタが1枚しか介在しない為、その分投影
光学系に対して各反射型空間変調器を近接配置でき、投
影レンズのバックフォーカスを大きくとる必要がなくそ
の分レンズ設計が容易になる。
【0008】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる反射型カラープ
ロジェクタの基本的な構成を示すブロック図である。本
反射型カラープロジェクタはLC−SLMからなる4個
の反射型空間変調器を用いている。第一の反射型空間変
調器は赤色分解画像が割り当てられたR用LC−SLM
1である。第二の反射型空間変調器は赤色分解画像と補
色関係にあるシアン色分解画像が割り当てられたC用L
C−SLM2である。第三の反射型空間変調器は青色分
解画像が割り当てられたB用LC−SLM3である。第
四の反射型空間変調器は青色分解画像と補色関係にある
イエロー色分解画像が割り当てられたY用LC−SLM
4である。LC−SLMとしてはネマチック液晶を垂直
配向させたECB−SLM又は強誘電性液晶を用いたF
LC−SLMを組み込む事ができる。その構造は、一対
の透明基板、一対の透明電極、a−Si:H等の光導電
層、遮光層、誘電体ミラー、一対の配向膜、液晶層、ス
ペーサを含むシール材等からなる。
【0009】本反射型カラープロジェクタは書込手段を
備えており、各反射型空間変調器の一面側から書込光を
照射して割り当てられた色分解画像を光学的に転写す
る。本例では薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチン
グ素子として集積形成したアクティブマトリクス型の液
晶表示素子(TFT−LCD)をバックライトで照明し
たものを4個使用し書込手段としている。なお、書込手
段としてはTFT−LCDの他に、例えば自発光のCR
TやLEDアレイを用いる事もできる。4枚のTFT−
LCDのうち、R用TFT−LCD5はフレーム単位で
赤色分解画像が記録され、結像レンズを介して逐次赤色
分解画像をR用LC−SLM1の一面側(入力面側)に
転写する。同様に、C用TFT−LCDは記録されたシ
アン色分解画像をC用LC−SLM2に転写する。B用
TFT−LCD7は記録された青色分解画像をB用LC
−SLM3に転写する。Y用TFT−LCD8は記録さ
れたイエロー色分解画像を対応するY用LC−SLM4
に転写する。
【0010】ここで、本発明の理解を容易にする為TF
T−LCDの構成を簡潔に説明しておく。TFT−LC
Dはアクティブマトリクス方式の中でも最も高品質の画
像を得る事ができ、近年目覚しい進歩を遂げている。T
FT−LCDの長所は、ガラス等の透明基板を用いる為
に透過型の表示ができる点と、中間調を均一に表示でき
且つ大容量表示ができる点である。TFT−LCDは2
枚のガラス基板を対向させ、その間隙に液晶を封入した
構成となっている。下側のガラス基板上にはマトリクス
状に配置されたデータ線と走査線及びそれらの交点に配
置されたTFTと画素電極が集積形成されている。一方
上側のガラス基板上には共通電極が配置されている。こ
の様なTFT−LCDを2枚の偏光板で挟み、白色光等
のバックライトを入射させると透過型の表示素子とな
る。TFT−LCDを駆動する際には、走査線を介して
TFTのゲートにゲートパルスを印加し、データ線を介
してTFTのソースに信号電圧を印加する。例えばNチ
ャネル型のTFTではゲートパルスがハイレベルになる
期間で導通状態となり、データ線の信号電圧を画素電極
に書込み、ゲート信号がローレベルになる期間では非導
通状態になって画素電極に書込まれた信号電圧を保持す
る。
【0011】本反射型カラープロジェクタはさらに発光
源9、偏光ビームスプリッタ10、R反射ミラー11、
B反射ミラー12を備えており、偏光照明光学系を構成
している。この偏光照明光学系は各反射型空間変調器の
他面側(出力側)から対応する色成分の偏光照明光束を
照射し、転写された各色分解画像を反射的に読み出す。
発光源9はランプとこれを収納するミラーとの組み合わ
せからなり、白色の光源光束を放射する。なおこの光源
光束はコリメータレンズ13を介して平行ビームとな
る。ランプとしてはキセノンランプやメタルハライドラ
ンプを用いる事ができる。又、ミラーとしては楕円ミラ
ーあるいはこれと球面ミラーとを組み合わせたものを用
いる事ができる。偏光ビームスプリッタ10は、発光源
9から放射された光源光束を互いに直交する偏光照明光
束に分割する。偏光ビームスプリッタ10により反射さ
れた一方の偏光照明光束は例えばS偏光となり、偏光ビ
ームスプリッタ10を透過した他方の直線偏光照明光束
はP偏光となる。本発明ではS偏光及びP偏光の両者を
照明光束として利用する為、両者を略完全に分離可能な
消光比の大きな偏光ビームスプリッタ10を用いる事が
好ましい。R反射ミラー11は一方のS偏光を赤色成分
及びシアン色成分に分離し、各々対応するR用LC−S
LM1及びC用LC−SLM2に分配する。B反射ミラ
ー12は他方のP偏光を青色成分及びイエロー色成分に
分離し、各々対応するB用LC−SLM3及びY用LC
−SLM4に分配する。
【0012】本反射型カラープロジェクタはさらに投影
光学系14を備えており、各LC−SLMから読み出さ
れた赤色分解画像、シアン色分解画像、青色分解画像、
イエロー色分解画像を合成して拡大投影し、スクリーン
15上にカラー画像16を写し出す。即ち、偏光ビーム
スプリッタ10から反射したS偏光のうち赤色成分がR
反射ミラー(赤色分離フィルタ)11により選択的に反
射され、R用LC−SLM1に転写された赤色分解画像
を反射的に読み出す。この反射光はR用LC−SLM1
の旋光作用によりP偏光に変換され、偏光ビームスプリ
ッタ10をそのまま直進し投影光学系14に入射する。
又R反射ミラー11を透過したシアン色成分はC用LC
−SLM2に転写されたシアン色分解画像を反射的に読
み出す。この反射光も同様にP偏光に変換され、偏光ビ
ームスプリッタ10をそのまま通過し投影光学系14に
入射する。これに対し、偏光ビームスプリッタ10を透
過したP偏光はB反射ミラー12により青色成分とイエ
ロー色成分に分離される。青色成分はB反射ミラー12
から反射した後B用LC−SLM3に転写された青色分
解画像を反射的に読み出す。この反射光はLC−SLM
の旋光作用によりS偏光に変換される。従って、逆進し
たS偏光は偏光ビームスプリッタ10により反射され投
影光学系14に入射する。又B反射ミラー12を透過し
たイエロー色成分はY用LC−SLM4に転写されたイ
エロー色分解画像を反射的に読み出す。この反射光もS
偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ10を介して投
影光学系14に入射する。以上の様に、各LC−SLM
から読み出された全ての色分解画像が偏光ビームスプリ
ッタ10により合成され、投影光学系14を介して拡大
投影されカラー画像16が写し出される事になる。
【0013】図2は、色分離フィルタにより生成される
照明光束の各色成分の関係を示す模式図である。従来構
造では、図11に示すように、S偏光に含まれる赤色成
分(R)、緑色成分(G)、青色成分(B)が互いに分
離され、対応する反射型空間変調器の読み出しに用いら
れていた。これに対し、本発明では、図2に示すよう
に、例えばS偏光が赤色成分R及び補色関係にあるシア
ン色成分(C)に分離され、各々対応する反射型空間変
調器の読み出しに用いられる。図示する様にシアン色成
分Cは赤色成分Rを除いた青色成分B及び緑色成分Gを
含むものである。一方P偏光成分は青色成分B及びイエ
ロー色成分(Y)に分離され、各々対応する反射型空間
変調器の読み出しに用いられる。イエロー色成分Yは青
色成分Bを除く緑色成分G及び赤色成分Rを含むもので
ある。なお、本発明では緑色成分G及び補色関係にある
マゼンタ色成分Mは読み出しに用いられない。緑色成分
Gは直接読み出し光に含まれていないが、シアン色成分
C及びイエロー色成分Yに含まれている為、これらを巧
みに組み合わせる事により、赤、緑、青三原色の加法混
色により所望の色調のカラー画像を得る事ができる。
【0014】図3は、カラー画像の赤色表示を実現する
為に用いられる各色成分の組み合わせを示す模式図であ
る。この場合には、赤色成分Rと青色成分Bとイエロー
色成分Yを合成して赤色表示を得ている。即ち、合成さ
れた光はRを二単位分含む一方、Gを一単位とBを一単
位含んでおり、相対的にR成分が支配的となる為赤色表
示が得られる。
【0015】図4は緑色表示を得る為の各色成分の組み
合わせを示している。この場合にはCとYを合成して緑
色成分を得ている。即ち、合成された光はGを二単位分
含む一方、Bを一単位とRを一単位含んでおり、相対的
にGが支配的となり緑色表示が得られる。
【0016】図5は青色表示を得る為の組み合わせを示
しており、RとCとBを合成している。合成された光は
Bを二単位分含む一方、Gを一単位分とRを一単位分含
み相対的にBが支配的となる。
【0017】図6は白色表示を得る為の組み合わせを示
しており、RとCとBとYを合成している。合成された
光はR,G,B共に二単位分含み全体として白色表示と
なる。三原色成分の各々が二単位分ずつ含まれる為、白
色表示の輝度レベルは従来に比し理論上2倍となり極め
て明るいカラー画像が得られる。なお、黒色表示を実現
する場合には、全ての色成分をゼロにすれば良く、略完
全な黒レベルが得られる。
【0018】図7は、図3〜図6を参照して説明した各
色成分の組み合わせをまとめて表わした論理テーブルで
ある。この論理テーブルはカラー画像の画素単位で適用
され、所望の表示色が得られる。出力側はカラー画像に
含まれる画素の典型的な色調を表わしており、入力側は
各LC−SLMの対応する画素に書込まれる信号のON
/OFFレベルを表わしている。例えば、赤色画素を表
示したい場合には、図3で説明した様に、R用LC−S
LMの対応する画素をONレベルとし、C用LC−SL
Mの画素をOFFレベルとし、B用LC−SLMの画素
をONレベルとし、Y用LC−SLMの画素をONレベ
ルとすれば良い。緑色画素を表示する為には、図4を参
照して説明した様に、R用LC−SLMをOFFとし、
C用LC−SLMをONとし、B用LC−SLMをOF
Fとし、Y用LC−SLMをONとすれば良い。青色画
素を表示する場合には、図5で説明した様にR用LC−
SLMをONとし、C用LC−SLMをONとし、B用
LC−SLMをONとし、Y用LC−SLMをOFFに
すれば良い。白色画素を表示する場合には、図6で説明
した様に全てのLC−SLMの対応する画素をONレベ
ルとすれば良い。又、黒色画素を表示する場合には、全
てのLC−SLMに含まれる対応画素をOFFレベルに
すれば良い。
【0019】反射型カラープロジェクタをテレビジョン
ディスプレイとして用いた場合、例えばNTSC規格の
アナログビデオ信号が入力される。このビデオ信号には
RGB三原色成分の色信号が含まれている。RGB色信
号を用いて直接4枚のTFT−LCDを駆動する事はで
きないので、図7に示した論理テーブルに従ってRGB
色信号の組み換えを行ない、RCBYの色信号に変換す
る。即ち、本発明にかかる反射型カラープロジェクタの
書込手段は、図8に示す様に色信号変換回路21を備え
ており、RGBの入力色信号を演算処理して赤色分解画
像、シアン色分解画像、青色分解画像及びイエロー色分
解画像を生成する様にしている。変換された色信号の赤
色成分はTFT駆動回路(DRV)22を介してR用T
FT−LCD5に印加され、シアン色成分は同じくDR
V23を介してC用TFT−LCD6に印加され、青色
成分は同じくDRV24を介してB用TFT−LCD7
に印加され、イエロー色成分は同じくDRV25を介し
てY用TFT−LCD8に印加される。なお、入力色信
号としてはRGBの他に、例えばY,Y−R,Y−G信
号であっても良い。
【0020】本実施例では互いに補色関係にある色成分
R,Cと同じく互いに補色関係にある色成分B,Yの組
み合わせでカラー画像を合成しているが、本発明はこれ
に限られるものではない。他の組み合わせも可能であ
り、R,C,G,Mの組や、G,M,B,Yの組を用い
る事ができる。即ち、本発明にかかる反射型カラープロ
ジェクタは上位概念として、三原色の中から選ばれた第
一の単色分解画像が割り当てられた第一の反射型空間変
調器と、第一の単色分解画像と補色関係にある第一の補
色分解画像が割り当てられた第二の反射型空間変調器
と、三原色の中から別に選ばれた第二の単色分解画像が
割り当てられた第三の反射型空間変調器と、第二の単色
分解画像と補色関係にある第二の補色分解画像が割り当
てられた第四の反射型空間変調器とを用いる。一方、偏
光照明光学系は、光源光束を放射する発光源と、該光源
光束を互いに直交する偏光照明光束に分割する偏光ビー
ムスプリッタと、一方の偏光照明光束を第一の単色成分
及び補色関係にある第一の補色成分に分離し各々対応す
る第一及び第二の反射型空間変調器に分配する一方の色
分離フィルタと、他方の偏光照明光束を第二の単色成分
及び補色関係にある第二の補色成分に分離し各々対応す
る第三及び第四の反射型空間変調器に分配する他方の色
分離フィルタとからなる。
【0021】最後に図9を参照してLC−SLMの具体
的な構成を説明する。図示する様に、液晶分子を挟持す
る為のガラスやプラスチック等からなる透明基板31
a,31bは、表面に透明電極層32a,32bと配向
膜層33a,33bが設けられている。一対の透明基板
31aと31bは、その配向膜層33a,33b側を、
スペーサ39を介して間隙を制御しながら対向配置さ
れ、液晶層34を挟持する様になっている。又、光によ
る書込側の透明電極層32a上には光導電層35、遮光
層36、誘電体ミラー37が配向膜層33aとの間に積
層形成され、書込側の透明基板31aと読み出し側の透
明基板31bのセル外面には、無反射コーティング層3
8a,38bが形成されている。液晶層34としてはネ
マチック液晶や強誘電性液晶等が用いられている。特に
強誘電性液晶層を用いたFLC−SLMは、動作速度が
数百Hz以上と非常に高速である。強誘電性液晶を用いた
FLC−SLMは入力画像を閾値処理し二値化するデバ
イスとして知られているが駆動電圧の波形を制御する事
よりグレイスケール表示をする事も可能である。又、前
述した様にFLC−SLMに代えてECB−SLMを用
いる事もできる。ECB−SLMでは、液晶セルに電圧
を印加すると液晶の誘電異方性により液晶分子配列が変
化し、その結果セル中の複屈折率が変化する。液晶セル
を2枚の偏光板中に置くと、この複屈折率の変化が光透
過率の変化として現われこれをECB効果という。EC
B−SLMはこの効果を利用して色分解画像の転写表示
を行なっており、初期配向の違いによりDAP型、ホモ
ジニアス型、HAN型に分類される。DAP型は液晶デ
ィレクタが基板に対して垂直となっているホメオトロピ
ック配向セルを用いており、誘電異方性が負のネマチッ
ク液晶を用いる。DAP型セルは直交ニコルを用いた
時、電界無印加状態で完全に黒を表示する事ができ、コ
ントラストが高い事が特徴といえる。
【0022】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、偏
光ビームスプリッタで分離したS偏光及びP偏光の両者
を照明光束として利用できる為、原理的には従来の反射
型カラープロジェクタに比べ2倍の輝度を有するカラー
画像を写し出す事が可能になるという効果がある。これ
はLC−SLMが100%の変調を達成した場合である
が、実際には70〜90%である。又、各LC−SLM
につき1枚の色分離フィルタしか介在させない為、光学
距離を短縮でき投影レンズの設計作成が容易になり、安
価で倍率が高く明るいプロジェクタが実現できるという
効果がある。逆に従来と同一の明るさを達成する場合、
発光源の電源パワーを小さくする事ができる。さらに、
偏光ビームスプリッタに対して各LC−SLMの共役配
置が可能となる為プロジェクタの光学系の構成が従来に
比し簡略化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる反射型カラープロジェクタの基
本的な構成を示すブロック図である。
【図2】各色成分の関係を示す模式図である。
【図3】赤色表示の合成方法を示す模式図である。
【図4】緑色表示の合成方法を示す模式図である。
【図5】青色表示の合成方法を示す模式図である。
【図6】白色表示の合成方法を示す模式図である。
【図7】各色表示の合成方法を示す論理テーブル図であ
る。
【図8】本発明にかかる反射型カラープロジェクタの書
込手段に含まれる色信号変換回路を示すブロック図であ
る。
【図9】反射型空間変調器として用いられるLC−SL
Mの具体的な構成を示す断面図である。
【図10】従来の反射型カラープロジェクタを示すブロ
ック図である。
【図11】従来の各色成分の関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 R用LC−SLM 2 C用LC−SLM 3 B用LC−SLM 4 Y用LC−SLM 5 R用TFT−LCD 6 C用TFT−LCD 7 B用TFT−LCD 8 Y用TFT−LCD 9 発光源 10 偏光ビームスプリッタ 11 R反射ミラー 12 B反射ミラー 14 投影光学系 15 スクリーン 16 カラー画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 9/31 C (72)発明者 笠間 宣行 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の反射型空間変調器と、その一面側
    から書込光を照射して各反射型空間変調器に割り当てら
    れた色分解画像を光学的に転写する書込手段と、各反射
    型空間変調器の他面側から対応する色成分の偏光照明光
    束を照射し転写された色分解画像を反射的に読み出す偏
    光照明光学系と、読み出された複数の色分解画像を合成
    して拡大投影しカラー画像を写し出す投影光学系とを備
    えた反射型カラープロジェクタにおいて、 複数の反射型空間変調器は、赤色分解画像が割り当てら
    れた第一の反射型空間変調器と、シアン色分解画像が割
    り当てられた第二の反射型空間変調器と、青色分解画像
    が割り当てられた第三の反射型空間変調器と、イエロー
    色分解画像が割り当てられた第四の反射型空間変調器と
    からなり、 前記偏光照明光学系は、光源光束を放射する発光源と、
    該光源光束を互いに直交する偏光照明光束に分割する偏
    光ビームスプリッタと、一方の偏光照明光束を赤色成分
    及びシアン色成分に分離し各々対応する第一及び第二の
    反射型空間変調器に分配する一方の色分離フィルタと、
    他方の偏光照明光束を青色成分及びイエロー色成分に分
    離し各々対応する第三及び第四の反射型空間変調器に分
    配する他方の色分離フィルタとからなる事を特徴とする
    反射型カラープロジェクタ。
  2. 【請求項2】 前記書込手段は、各色分解画像を対応す
    る反射型空間変調器に転写してカラー画像を合成する
    際、赤色分解画像と青色分解画像とイエロー色分解画像
    とを組み合わせてカラー画像の赤色部を合成し、シアン
    色分解画像とイエロー色分解画像とを組み合わせてカラ
    ー画像の緑色部を合成し、赤色分解画像とシアン色分解
    画像と青色分解画像とを組み合わせてカラー画像の青色
    部を合成し、赤色分解画像とシアン色分解画像と青色分
    解画像とイエロー色分解画像とを組み合わせてカラー画
    像の白色部を合成する事を特徴とする請求項1記載の反
    射型カラープロジェクタ。
  3. 【請求項3】 複数の反射型空間変調器と、その一面側
    から書込光を照射して各反射型空間変調器に割り当てら
    れた色分解画像を光学的に転写する書込手段と、各反射
    型空間変調器の他面側から対応する色成分の偏光照明光
    束を照射し転写された色分解画像を反射的に読み出す偏
    光照明光学系と、読み出された複数の色分解画像を合成
    して拡大投影しカラー画像を写し出す投影光学系とを備
    えた反射型カラープロジェクタにおいて、 複数の反射型空間変調器は、三原色の中から選ばれた第
    一の単色分解画像が割り当てられた第一の反射型空間変
    調器と、該第一の単色分解画像と補色関係にある第一の
    補色分解画像が割り当てられた第二の反射型空間変調器
    と、三原色の中から別に選ばれた第二の単色分解画像が
    割り当てられた第三の反射型空間変調器と、該第二の単
    色分解画像と補色関係にある第二の補色分解画像が割り
    当てられた第四の反射型空間変調器とからなり、 前記偏光照明光学系は、光源光束を放射する発光源と、
    該光源光束を互いに直交する偏光照明光束に分割する偏
    光ビームスプリッタと、一方の偏光照明光束を第一の単
    色成分及び補色関係にある第一の補色成分に分離し各々
    対応する第一及び第二の反射型空間変調器に分配する一
    方の色分離フィルタと、他方の偏光照明光束を第二の単
    色成分及び補色関係にある第二の補色成分に分離し各々
    対応する第三及び第四の反射型空間変調器に分配する他
    方の色分離フィルタとからなる事を特徴とする反射型カ
    ラープロジェクタ。
  4. 【請求項4】 前記書込手段は、三原色成分を含む入力
    色信号を演算処理して第一の単色分解画像、第一の補色
    分解画像、第二の単色分解画像及び第二の補色分解画像
    を生成する色信号変換手段を含む事を特徴とする請求項
    3記載の反射型カラープロジェクタ。
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