JPH0886990A - 導波路型光制御素子 - Google Patents

導波路型光制御素子

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Publication number
JPH0886990A
JPH0886990A JP22054894A JP22054894A JPH0886990A JP H0886990 A JPH0886990 A JP H0886990A JP 22054894 A JP22054894 A JP 22054894A JP 22054894 A JP22054894 A JP 22054894A JP H0886990 A JPH0886990 A JP H0886990A
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JP
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waveguide
refractive index
substrate
optical
high refractive
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Application number
JP22054894A
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English (en)
Inventor
Katsumi Yasuda
克己 安田
Kenichi Inoue
憲一 井上
Yasuhiro Wasa
泰宏 和佐
Yuichiro Goto
有一郎 後藤
Satoshi Yamazaki
敏 山崎
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導波路の形状を高精度で制御できて特性が安
定していると共に、導波光を幅方向に強く閉じこめるこ
とができて小型化及び集積化に適し、更に低電圧で大き
な屈折率変化が得られる導波路型光制御素子を提供す
る。 【構成】 基板1上に形成され基板1より屈折率が高い
高屈折率層2と、この高屈折率層2に設けられ光導波路
3を画定する溝4とを有する。この溝に導電体を埋め込
んで電極を形成し、この電極に電圧を印加して導波光の
分岐・合流又は変調を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を使用した通信、計
測及び情報処理等に使用され、導波光の分岐、合流又は
変調等を行う導波路型光制御素子に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、導波路型光制御素子の一種であ
る導波路型光変調器の一例を示す模式図である(西原、
春名及び栖原著,光集積回路,オーム社)。また、図1
0(a)は図9のA−A線による断面図、図10(b)
は横軸にA−A線に沿った位置をとり、縦軸に電界強度
をとって、両者の関係を示すグラフ図である。なお、図
10(b)において、実線は基板表面、破線は基板表面
から0.2gの表層下の位置、細線破線は基板表面から
0.6gの表層下の位置における電界強度である。但
し、このgは図10(a)に示すように、電極間隔であ
る。
【0003】基板31は強誘電体であるニオブ酸リチウ
ム(LiNbO3 )結晶からなり、この基板31の表面
には光導波路32が例えば直線状に形成されている。ま
た、基板31の表面上には、光導波路32を挟む位置に
1対のプレーナ電極33,34が形成されている。
【0004】光導波路32は、例えばチタンの拡散によ
り形成される。即ち、フォトリソグラフィによりLiN
bO3 結晶基板31上にチタン薄膜を所定のパターンで
形成し、その後加熱することにより、チタンを基板31
の内部に拡散させて、基板31より高屈折率の光導波路
32を選択的に形成する。
【0005】このように構成された導波路形光変調器に
おいては、電極33,34間に電圧を印加すると、電気
光学効果による屈折率変化が光導波路32内に生じ、光
導波路32内を伝搬する導波光の位相が変化する。即
ち、電極33,34間に所定の信号電圧を印加すること
により、導波光を位相変調させることができる。
【0006】この変調器において、光導波路32の部分
の屈折率変化Δnは下記数式1で表される。
【0007】
【数1】Δn=Γ・(1/2)rn3(V/g) 但し、rは光導波路の電気光学定数、nは屈折率、Vは
電極間に印加する電圧、gは図10(a)に示す電極間
隔である。また、Γは電圧印加により生じた電界と導波
光との重なりの大きさを表わす係数であり、下記数式2
で表される。
【0008】
【数2】Γ=∫f(Z,X)e(Z,X)dzdx/
{∫e2(Z,X)dzdx} 但し、f(Z,X)は電圧印加による電界強度分布をE
0 =V/gで規格化した値であり、e(Z,X)は導波
光の電界成分の強度分布である。
【0009】このように基板上に光導波路を形成した光
制御素子においては、小型化及び駆動電圧の低減が実用
化のための大きな課題となっている。つまり、小型化に
より一つの基板上に多数の素子を集積した光集積回路の
集積度を向上させることができ、また駆動電圧の低減に
より動作の高速化及び駆動回路の簡素化等のメリットが
得られる。
【0010】駆動電圧の低減のためには、可及的に低い
電圧で大きな屈折率変化を得ることが重要になる。即
ち、導波光の位相変化Δφは、光導波路の長手方向にお
ける電極の長さLと屈折率の変化Δnとの積に比例する
ため、低電圧で屈折率を大きく変化させることができれ
ば、素子の駆動電圧を低減することができる。また、こ
の場合は、電極の長さLを短くして素子サイズを小さく
することもできるので、素子設計の自由度が大きくな
る。
【0011】低電圧で大きな屈折率変化△nを得るため
には、数式1からわかるように、Γを大きくすればよ
い。また、数式2からわかるように、Γを大きくするた
めには、導波光の強度が大きな場所に強い印加電界が生
じるようにすればよい。
【0012】一方、従来の光制御素子として、マッハ・
ツエンダー干渉系型の光強度変調器も公知である(特開
平4−204815号)。図11(a)はこの光強度変
調器を示す斜視図、図11(b)はその断面図である。
LiNbO3 結晶基板35の表面にはチタン拡散導波路
がパターン形成されている。この導波路は、一端側から
入射した光を分岐角θで2方向に分配する入力用Y分岐
導波路36と、2方向からの光を合流して他端側から出
力する出力用Y分岐導波路39と、この両者の間を連結
する2本の直線状導波路38とにより構成されている。
【0013】基板35の裏面側には、これらのチタン拡
散導波路に沿ってエッチングすることにより形成された
凹溝40が設けられており、この凹溝40の底面で導波
路の深さ方向の光の閉じこめを行うようになっている。
導波路38の上面と凹溝40の底面には、光導波路38
を上下から挟むようにして平行平板電極41,42が形
成されている。この直線状導波路38と電極41,42
とにより位相変調器(光変調部)37が構成されてい
る。
【0014】このように構成された光強度変調器におい
ては、導波光が入力用Y分岐導波路36の一端に入射さ
れると、導波光はこの導波路を伝搬し、2方向に分岐す
る。この分岐した導波光は導波路38を伝達して夫々位
相変調器37に入射する。そして、位相変調器37の平
行平板電極41,42に電圧を印加すると、導波路の屈
折率が変化し、導波光の位相が変化する。この位相変調
器37で変調された導波光は出力用Y分岐導波路39で
合流してその一端から出力される。
【0015】この光強度変調器においては、位相変調器
37の導波路上面と凹溝40の底面とに光導波路38を
挟むような平行平板電極41,42を形成しているた
め、数式2で表されるΓは1となり、駆動電圧を低減で
きる可能性がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光制御素子にはいずれも以下に示す問題点があ
る。即ち、図9,10に示す光制御素子においては、光
導波路の特性を制御するためには、光導波路の断面形状
をサブミクロンオーダーで制御する必要がある。しか
し、従来の光制御素子においては、チタン薄膜の線幅及
び拡散条件のばらつきにより、光導波路の断面形状のば
らつきが発生しやすい。特に、拡散工程においては、基
板表面に垂直の方向(以下、深さ方向という)と、基板
表面に平行の光導波路の幅方向(以下、幅方向という)
とにチタンの拡散が起きるため、光導波路の断面形状の
制御が難しい。
【0017】また、電極の問題点として、図10(b)
から明らかなように、導波路32部分に生じる電界は基
板31の表面でより強く、基板31の内部になるに従い
弱くなっている。一方、導波光の強度は表面付近では殆
ど0であり、基板31の表面からの深さが数μmの位置
で最大となるため、Γが小さく、通常、0.35以下程
度である。即ち、この従来の光制御素子は、電圧印加の
効率が悪い電極構造である。
【0018】図11に示す従来の光制御素子において
は、Y分岐導波路36では基板35の面内で導波光の進
行方向を曲げる必要がある。しかし、チタン拡散による
屈折率の変化は高々10-3オーダーと小さいので、曲げ
角度を大きくすると、導波路から導波光が漏洩してしま
う。従って、この光制御素子は分岐角θを大きくするこ
とができないため、素子長が長くなってしまうという欠
点がある。
【0019】また、導波路の深さ、即ち導波路表面と凹
溝40の底面との間隔は通常数μmから10数μmであ
るのに対し、基板の厚さは数100μm以上であるの
で、数100μm以上の深さのエッチングが必要にな
り、エッチング工程に長時間を要する。また、導波路の
深さ及び駆動電圧のばらつきを制御するためには、エッ
チングの深さをサブミクロンオーダーで制御する必要が
あるが、このような数100μmのエッチングをサブミ
クロンオーダーで制御することは極めて困難である。更
に、素子を実装するときに、凹溝部に機械的応力が集中
しやすい。このため、応力により屈折率変化が生じ、光
導波路の光学特性が不安定になるという問題点もある。
【0020】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、導波路の形状を高精度で制御できて特性が
安定していると共に、導波光を幅方向に強く閉じこめる
ことができて小型化及び集積化に適し、更に低電圧で大
きな屈折率変化が得られる導波路型光制御素子を提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明に係る導
波路型光制御素子は、基板上に形成され前記基板より屈
折率が高い高屈折率層と、この高屈折率層に設けられ光
導波路を画定する溝とを有することを特徴とする。
【0022】本願の第2発明に係る導波路型光制御素子
は、基板上に形成された電気光学効果を有する光導波路
を介して、導波光の分岐、合流及び変調を行う導波路型
光制御素子において、前記基板上に形成され前記基板よ
り屈折率が高い高屈折率層と、この高屈折率層に設けら
れ前記光導波路を画定する溝と、この溝に導電体を埋め
込んで形成された電極とを有し、この電極に電圧を印加
して導波光の分岐・合流又は変調を行うことを特徴とす
る。
【0023】本願の第3発明に係る導波路型光制御素子
は、電気光学効果を有する強誘電体基板と、この基板の
表面に選択的に不純物をドープして形成された光導波路
と、前記光導波路の両側に設けられた1対の溝と、この
溝に導電体を埋め込んで形成された電極とを有し、この
電極に電圧を印加して導波光の分岐、合流又は変調を行
うことを特徴とする。
【0024】
【作用】本願の第1発明(請求項1)に係る導波路型光
制御素子においては、基板上に形成した高屈折率層に溝
を設けることにより光導波路が形成されている。この光
導波路を伝搬する導波光は、光導波路の深さ方向につい
ては高屈折率層と基板との界面により光導波路内に閉じ
こめられる。また、光導波路の幅方向には、導波光は前
記溝により光導波路内に閉じこめられる。即ち、導波光
は、高屈折率層の表面、高屈折率層と基板との界面及び
溝の側壁面により反射しながら、光導波路内を伝搬す
る。
【0025】このように、本発明においては、深さ方向
と幅方向に光を閉じ込める作用を有する部分を別々の工
程で形成することができる。また、フォトリソグラフィ
及び不純物拡散条件等によらず光導波路の幅を高精度に
制御することができ、特性のばらつきが少ない光制御素
子を得ることができる。また、溝により導波光を幅方向
に強く閉じこめることができるので、光導波路の分岐及
び屈曲部における曲がり角度を大きくすることができの
で、小型で高集積化に適した光制御素子を得ることがで
きる。
【0026】本願の第2発明(請求項2)に係る導波路
型光制御素子においては、上述の光導波路が規定する溝
内に導電体を埋め込んで電極が形成されている。
【0027】従って、この電極は光導波路に垂直の平行
平板型の電極であるので、Г=1となり、電極間に発生
する電界が効率よく光導波路に印加される。即ち、電圧
印加の効率が高く、低電圧で駆動することが可能であ
る。また、基板の一方の面側に電極を形成するので、深
いエッチングが不要であり、製造が容易であると共に、
電極の位置及び間隔を精密に制御することができる。
【0028】本願の第3発明(請求項3)に係る導波路
型光制御素子においては、基板の表面に不純物を選択的
にドープすることにより光導波路が形成されているが、
本発明も第2発明と同様に溝を設け、この溝を導電体で
埋め込んで電極が形成されている。従って、本発明も上
述の第2発明の場合と同様に、1対の電極が相互に対向
した状態となるので、電圧印加の効率が高く、低電圧で
駆動することが可能である。
【0029】なお、前記溝の側壁面と電極との間に前記
高屈折率層よりも屈折率が低い誘電体膜からなるバッフ
ァ層を設けておくことにより、電極形成材料による光の
吸収を確実に回避できる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係
る導波路型光制御素子を示す斜視図である。なお、本実
施例は、本発明を光強度変調器に応用した例である。
【0031】X板LiNbO3 基板1上には基板1の表
面にチタンを拡散して形成された高屈折率層2が形成さ
れている。なお、このX板とは、LiNbO3の結晶軸
(X,Y,Z)のうち、X軸が基板表面に垂直になるよ
うに切り出した基板鋸とである。また、この高屈折率層
2にはその上面から基板1に到達する溝4が設けられて
いる。この溝4は、2本が1対となり並行して延び、こ
の1対の溝4の間の高屈折率層2の部分により光導波路
3が構成されている。光導波路3は、入力用Y分岐導波
路5と、この入力用Y分岐導波路5の2つの出力部に夫
々接続され相互に平行に配置された光導波路7と、この
光導波路7からの光を合流して出力する出力用Y分岐導
波路6とにより構成されている。
【0032】一対の光導波路7においては、それらの両
側の溝4に導電材料を埋め込んで形成された電極12
(図6参照)が設けられている。この電極12には、パ
ッド電極13が接続されて光屈折率の層2上に形成され
ている。そして、光導波路7と電極12により位相変調
器が構成されている。
【0033】図2乃至図6は、本実施例に係る光制御素
子の製造方法を工程順に示す断面図である。先ず、図2
に示すように、LiNbO3 基板1の上にチタン膜(図
示せず)を蒸着し、その後、このチタン膜から基板1の
表面にチタンを熱拡散させて、高屈折率層2を形成す
る。この場合、チタン膜は基板の全面に蒸着するだけで
よく、線状のパターンを形成するためのフォトリソグラ
フィ工程等は必要でない。次いで、そして、この高屈折
率層2上に溝4の形成領域が開口したマスク膜9を形成
する。
【0034】次に、図3に示すように、このマスク9を
利用して集束イオンビーム10によるエッチングによ
り、光屈折率層2を通過して基板1に到達する溝4を形
成する。 次に、図4に示すように、全面に金属を蒸着
することにより、マスク膜9の上に金属膜11を形成す
ると共に、1対の溝4の中にも金属を埋め込み、金属電
極12を形成する。
【0035】次に、図5に示すように、不要なマスク膜
9及びマスク膜9上に金属膜11を除去する。このよう
にして、深さ方向には高屈折率層2の表面及び高屈折率
層2と基板1との境界面に挟まれ、幅方向には1対の溝
4の側壁により閉じ込められた光導波路3が形成され
る。次いで、図6に示すように、高屈折率層2上に電極
12に接続されたパッド電極13を形成する。金属電極
12は溝4内埋め込まれた平行平板電極となる。
【0036】次に、このように構成された導波路型光制
御素子の動作について説明する。入力用Y分岐導波路5
に導波光が入射すると、導波光は下方では高屈折率層2
より屈折率が低い基板1との境界面で反射され、上方で
は高屈折率層2の表面で反射される。また、幅方向にお
いては、溝4の壁面で屈折率が変化しているため、入射
した導波光は溝4の壁面で反射される。これにより、導
波光は深さ方向及び幅方向に光導波路内に閉じ込められ
る。このようにして、1対の溝及び高屈折率層2の上面
及び下面で囲まれた導波路5を導波光が伝搬する。そし
て、分岐導波路5の分岐部分で導波光は2方向に曲げら
れて分岐される。この場合に、導波路5において、導波
光は水平方向には溝4により強く閉じこめられているた
め、曲げる角度を大きくしても導波光の漏洩は生じな
い。即ち、従来のチタン拡散により形成する導波路とそ
の周りの領域との屈折率の変化は高々10-3オーダーと
小さいが、本実施例においてはその差が大きいので、導
波光の漏洩が生じにくい。
【0037】そして、導波光は夫々位相変調器8の導波
路7に伝搬する。この場合に、位相変調器8のパッド電
極13に電圧を印加すると、導波路7に電界が印加さ
れ、その屈折率が変化する。その結果、一対の位相変調
器8を伝搬する導波光が夫々位相変調される。次いで、
位相変調器8により位相変調された導波光は、出力用Y
分岐導波路6において合流して出力される。この場合
に、本実施例においては、導波路7に対し平行平板電極
12により電界を印加するため、電圧印加効率が高い。
従って、低電圧で大きな屈折率変化が得られる。また、
この場合に、電極12の深さ方向の幅は溝4の深さで決
まり、電極12の深さ方向の幅が高屈折率層2の厚さよ
り大きければ、導波路7に印加される電界は一定である
ため、溝4の深さの形成許容誤差は比較的大きくとるこ
とができる。
【0038】図7は、本発明の第2の実施例に係る導波
路型光制御素子の断面図である。LiNbO3 基板15
上に高屈折率層16が形成されており、この高屈折率層
16には1対の溝17が設けられている。この溝17の
壁面及び底面には高屈折率層16より低屈折率のバッフ
ァ層18が形成されている。このバッファ層18として
はSiO2 等の誘電体膜が薄く蒸着されて形成されてい
る。また、このバッファ層18の内側に金属電極19が
形成されている。このようにして、高屈折率層16の上
面及び下面並びに1対のバッファ層18により囲まれた
領域が光導波路20になる。
【0039】第1の実施例においては、位相変調器8の
導波路は金属の電極12が側壁を兼ねていたため、導波
光のモードによっては金属による吸収が生じ光パワーの
減衰が問題となる場合がある。一方、本実施例において
は導波路20の側壁は、高屈折率層16と低屈折率のバ
ッファ層18との境界面であり、導波光が金属電極19
により吸収されて光パワーが減衰するということがな
い。また、電極材料としてITO等の透明導電体を使用
しても同様の効果を奏する。
【0040】図8は本発明の第3の実施例に係る導波路
型光制御素子を示す断面図である。LiNbO3 基板2
1の表面には、その所定領域に線状パターンにチタンを
拡散することにより形成された光導波路22が設けられ
ている。そして、位相変調器部分においては、光導波路
22の両側に溝が設けられ、この溝内に電極23が埋設
されている。
【0041】次に、このように構成された導波路型光制
御素子の動作について説明する。基板21表面に形成さ
れた導波路22を導波光が伝搬し、その導波路22の形
状に従って、導波光は分岐及び合流する。そして、位相
変調器の光導波路22の両側には平行平板電極23が形
成されており、この電極23に印加する電圧により導波
路22に電界が印加されその屈折率が変化する。その結
果、導波路22を伝搬する導波光の位相が変調される。
【0042】このように構成された導波路型光制御素子
においては、電極を形成する部分にのみ溝を形成すれば
良く、光集積回路等のように基板上に複雑な導波路パタ
ーンを形成する必要がある場合にも、全ての導波路22
の側面に溝を形成するという必要がないため、製造に要
する時間を短縮できる。また、光導波路22に対し、平
行平板電極23により電界を印加するので、従来の電極
構造よりも電圧印加効率が高く、低電圧で高い屈折率変
化が得られる。その結果、集積度の向上等に対しても十
分効果的である。
【0043】なお、LiNbO3 基板上への光導波路の
形成方法としては、チタン拡散法の他、プロトン交換法
等もよく使用されるが、これらについても本発明を適用
することができる。
【0044】また、光導波路の材料は、電気光学効果を
有する材料であれば、タンタル酸リチウム(LiTaO
3 )等の他の強誘電体結晶及び有機結晶を使用すること
ができる。
【0045】更に、光制御素子の例として光変調器につ
いて説明したが、光スイッチ、光フィルタ及びモード変
換器等の電気光学効果を使用する全ての素子に本発明を
適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1発明によ
れば、基板上に形成した高屈折率層と、この高屈折率層
に形成された溝とにより導波路が形成されているため、
導波路の断面形状を高精度に且つ容易に制御することが
でき、特性が安定していると共に、導波光を導波路幅方
向に強く閉じこめることができて、導波路の分岐及び曲
がりの角度を大きくとることができ、小型化及び集積化
が可能な導波路型光制御素子を得ることができる。
【0047】本願第2発明によれば、上記効果に加え、
更に、前記溝内に電極が形成されており、この電極に電
圧を印加して導波光の変調を行うので、電圧の印加効率
が高く、低電圧で高い屈折率変化が得られると共に、基
板の表側に電極を形成するので電極の位置及び間隔を精
密に制御することができ、深さ方向への電極の形成許容
誤差も大きい。
【0048】本願第3発明によれば、電気光学効果を有
する強誘電体基板の表面に不純物をドープして光導波路
を形成し、前記光導波路の両側に設けられた溝に導電体
を埋め込んで電極を形成しているので、電圧の印加効率
が高く、低電圧で高い屈折率変化が得られると共に、位
相変調を行う部分のみに溝を形成し電極を形成すればよ
いため製造が容易であり、電極の位置及び間隔を精密に
制御することができ、電極の幅は製造許容誤差が大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る導波路型光制御素
子を示す斜視図である。
【図2】同じくその導波路型光制御素子の一部の製造方
法における一工程を示す断面図である。
【図3】同じくその製造方法の他の工程を示す断面図で
ある。
【図4】同じくその製造方法の更に他の工程を示す断面
図である。
【図5】同じくその製造方法の更に他の工程を示す断面
図である。
【図6】同じくその製造方法の更に他の工程を示す断面
図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る導波路型光制御素
子を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係る導波路型光制御素
子を示す断面図である。
【図9】従来の導波路型光変調器を示す斜視図である。
【図10】同じくそのA−A線による断面図である。
【図11】同じくそのA−A線による位置と電界強度と
の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1,15,21;LiNbO3 基板 2,16;高屈折率層 3,20,22,32,38;光導波路 4,17;溝 5,36;入力用Y分岐導波路 6,39;出力用Y分岐導波路 7,8,37;位相変調器 9;マスク膜 10;集束イオンビーム 11;金属膜 12,19;金属電極 13;パッド電極 18;バッファ層 31;ニオブ酸リチウム結晶基板 33,34;プレーナ電極 35;LiNbO3 結晶基板 40;凹溝 41,42;平行平板電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 有一郎 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 山崎 敏 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成され前記基板より屈折率が
    高い高屈折率層と、この高屈折率層に設けられ光導波路
    を画定する溝とを有することを特徴とする導波路型光制
    御素子。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された電気光学効果を有す
    る光導波路を介して、導波光の分岐、合流及び変調を行
    う導波路型光制御素子において、前記基板上に形成され
    前記基板より屈折率が高い高屈折率層と、この高屈折率
    層に設けられ前記光導波路を画定する溝と、この溝に導
    電体を埋め込んで形成された電極とを有し、この電極に
    電圧を印加して導波光の分岐・合流又は変調を行うこと
    を特徴とする導波路型光制御素子。
  3. 【請求項3】 電気光学効果を有する強誘電体基板と、
    この基板の表面に選択的に不純物をドープして形成され
    た光導波路と、前記光導波路の両側に設けられた1対の
    溝と、この溝に導電体を埋め込んで形成された電極とを
    有し、この電極に電圧を印加して導波光の分岐、合流又
    は変調を行うことを特徴とする導波路型光制御素子。
  4. 【請求項4】 前記溝の壁面には前記高屈折率層より屈
    折率が低い誘電体膜からなるバッファ層が設けられてい
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の導波路型光
    制御素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10274758A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 導波路型光変調器
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