JPH0886704A - 既設コンクリート構造物に作用する応力の推定法 - Google Patents

既設コンクリート構造物に作用する応力の推定法

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JPH0886704A
JPH0886704A JP22305194A JP22305194A JPH0886704A JP H0886704 A JPH0886704 A JP H0886704A JP 22305194 A JP22305194 A JP 22305194A JP 22305194 A JP22305194 A JP 22305194A JP H0886704 A JPH0886704 A JP H0886704A
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JP
Japan
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strain gauge
concrete
concrete structure
stress
strain
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JP22305194A
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English (en)
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Toru Kanda
亨 神田
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Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既設のコンクリート構造物に作用する応力の
値を簡便に、しかも精度よく推定でき、信頼性の高い構
造物の健全度診断を可能ならしめる既設コンクリート構
造物に作用する応力の推定法を提供する。 【構成】 既設のコンクリート構造物aの表面に歪ゲー
ジbを貼付し、同歪ゲージ周囲のコンクリートの切欠き
深さDと測定幅Lとの比D/Lが約3/8となるように
コンクリートを切欠いて、前記構造物aに作用していた
応力が解放される際の歪の変化から前記構造物の内部応
力を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は既設のコンクリート構造
物の健全度を診断する上で必要となる、コンクリート内
部に作用している応力の値を推定する方法に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】使用状態のコンクリート構造物には、設
計時に想定した値の応力が作用しているとは限らない。
施工時の温度応力や乾燥収縮応力、また不同沈下等によ
る予期せぬ応力が生じている可能性が高い。従って構造
物の健全度を診断する際には、コンクリート内部に実際
に作用している応力を推定する必要がある。
【0003】従来は予め構造物内部にセンサーを埋設し
ておく以外には、供用状態にある構造物のコンクリート
内部に作用している応力を推定する方法は存在しなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実際に構造物のコンク
リートに作用している応力が、同コンクリートの強度よ
り十分に小さいものでなければ前記構造物は安全である
とはいえない。しかしながら現状ではコンクリートの強
度を測定する方法は各種提案されているが、応力の推定
方法がないため、コンクリート構造物の健全度の判断も
信頼性のないものとなっている。
【0005】本発明はこのような実情に鑑みて提案され
たもので、その目的とするところは、既設のコンクリー
ト構造物に作用する応力の値を簡便に、しかも精度よく
推定でき、信頼性の高い構造物の健全度診断を可能なら
しめる既設コンクリート構造物に作用する応力の推定法
を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る既設コンクリート構造物に作用する応
力の推定法によれば、既設のコンクリート構造物の表面
に歪ゲージを貼付し、同歪ゲージ周囲のコンクリートを
切欠き、同歪ゲージを貼付する部分の幅をLとし、切欠
き深さをDとするとき、D/Lがおよそ3/8になるよ
うに切欠き深さを設定するものである。
【0007】
【作用】本発明は前記したように、被測定物であるコン
クリート構造物aの表面に歪ゲージbを貼付し、同歪ゲ
ージの周囲を切欠くことで応力を開放し、それによって
生じた歪の変化量から作用していた応力の値を推定する
ものであって、図7はこの方法による測定原理を示すも
のである。
【0008】而して測定幅Lは歪ゲージの長さに若干の
余裕をみた長さで、コンクリート構造物aのコンクリー
ト応力を十分開放して測定精度を確保するには、歪ゲー
ジを貼付する部分の幅L(以下測定幅という)に対して
切欠き深さDの値をなるべく大きくとる必要がある。し
かしながら、前記被測定物であるコンクリートはセメン
トペーストd中に骨材eが分散された材料であり、局所
的には均質ではない。このため測定精度を確保するには
歪ゲージbの長さは粗骨材e′最寸法の2〜3倍の値が
要求される。
【0009】従って切欠き深さDも相当大きくとる必要
がある。しかしながらコンクリート構造物には鉄筋fが
埋設されているので、切欠き深さDを大きくとると鉄筋
fを損傷することになり、構造物の耐力に致命的なダメ
ージを与えることとなる。而して前記粗骨材e′の最大
寸法は20〜40mmのものが多く、最大寸法の大きい
もの程、かぶりtも大きくとられる。
【0010】いま代表的な例として粗骨材e′の最大寸
法20mm、かぶり50mmのコンクリート構造物を考
える。歪ゲージbの長さは粗骨材e′の最大寸法の2倍
以上望ましいので、長さ50mmのものを採用するとな
れば、切欠き深さDはその数倍の値が要求され、切欠き
は間違いなく鉄筋fにまで到達することとなるので、コ
ンクリート構造物には適用されない。
【0011】本発明は切欠き深さDを、後述の解析結果
より明らかなように測定幅Lとの比D/Lが約3/8と
なるように変化させて精度のよい測定を可能ならしめた
ものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例について説明す
る。図1に示す如き既設のコンクリート構造物aの表面
に歪ゲージbを貼付し、図2に示す如く歪ゲージbの周
囲のコンクリートに切欠きcを設け、作用していた応力
が解放される際の変化量から内部応力を推定する。
【0013】なお歪ゲージbは求めようとする応力の方
向に対応して1〜3枚貼付され、また切欠き作業は乾式
のダイヤモンドホィール等を用いる。図3に示すように
歪ゲージbを貼付する部分の幅をLとし、切欠き、深さ
をDとするとき、後述のようにD/Lが約3/8となる
ように切欠き深さDを設定する。本方法の特徴は前記切
欠き深さDを小さく抑えながら精度のよい測定を可能な
らしめた点にあり、D/Lの値を様々に変化させて応力
の開放される度合を、構造体を有限長さの要素(構造分
割要素)の集合体に置換し、離散的な各要素の力学特性
を求める数値解法の一種である有限要素法を用いて解析
を行った。
【0014】計算は2次元平面応力場と仮定し、ポアソ
ン比は0.2を用いた。図6に示すように歪ゲージbの
中心を通る軸X−Xに対して応力は左右対称であるか
ら、中心軸の片側だけ計算すればよい。、図7に有限要
素法の解析メッシュと境界条件を示す。初期状態のコン
クリートには一様な圧縮応力が働いているとして計算し
た。
【0015】而して図8に示すように、コンクリート構
造物aの歪ゲージbを貼付ける部分に着目し、構造物の
表面に沿って〜までの4区間に分け、各区間毎にD
/Lを変化させた場合の歪の変化を解析結果より求め、
図9に結果をプロットした。図9において横軸はD/L
で、縦軸の相対歪とは〜の各区間のあるD/Lにお
ける歪を、切欠きの存在しない場合の初期状態の歪で除
した値である。従ってD/Lが0のとき、即ち切欠きの
存在しないときには、縦軸の値は各区間とも1となる。
【0016】図9より明らかなようにD/Lが大きくな
るに伴って歪は徐々に減少していき、圧縮から引張へと
変化していく。そしてD/Lが3/8の付近で各区間と
も歪がほぼ0になることが分る。D/Lが更に大きくな
ると、歪は引張側に転じる。このようにD/Lが1以下
の範囲においても、特定のD/Lのときに歪ゲージを貼
付した部分の応力がほぼ完全に開放されたことが分る。
【0017】次に本発明のコンクリート構造物に対する
適用例を示す。骨材の最大寸法に応じて適当な長さの歪
ゲージbを選定し、コンクリート構造物aにおける測定
しようとする個所に測定幅Lの歪ゲージbを接着剤で貼
付する。応力の方向が既知の場合には図10のように1
枚の歪ゲージbを貼付し、応力の方向が未知の場合図1
1に示すように3枚の歪ゲージbを貼付する。
【0018】(イ)次いで歪ゲージbの値を歪測定器に
よって読取り初期値とする。 (ロ)次いで前記歪ゲージbの周囲をダイヤモンドホィ
ール等の乾式の切断機で切欠く。このとき同切欠きcの
深さDは3/8Lとする。 (ハ)かくして切欠き作業が終った後、再び歪ゲージb
の値を読取り、前述の(イ)ように歪測定器で読み取っ
た初期値との差を開放歪とする。
【0019】(ニ)更にコンクリートの圧縮強度を、例
えばシュミットハンマー法や超音波伝播速度等の既知の
測定法を用いて測定して、この測定値からコンクリート
の弾性係数が推定される。 (ホ)コンクリートに作用していた応力は(ハ)におけ
る切欠き作業終了後、再び歪ゲージの値を読み取ること
によって得た前記開放歪に前工程(ニ)で得られたコン
クリートの弾性係数を乗ずることによって求めることが
できる。
【0020】かくしてコンクリートに作用している応力
が前記(ニ)において求められたコンクリートの強度よ
り小さいと、そのコンクリート構造物は安全であると判
断できる。
【0021】
【発明の効果】このように、既設のコンクリート構造物
に歪ゲージを貼付し、同歪ゲージの周囲のコンクリート
を切欠き深さDと測定幅Lとの比D/Lが約3/8とな
るように設定したことによって精度のよい応力の推定が
可能となる。次に表1に一般的な最大寸法とかぶりの例
を挙げ、各例について推奨される測定幅Lと切欠き深さ
D=3/8×Lを示した。
【0022】
【表1】
【0023】これらの例から明らかなように切欠き深さ
Dはいずれの場合においてもかぶりより小さく、切欠き
によって鉄筋に損傷を与えることがない。このように本
発明によれば、既設のコンクリート構造物の表面に歪ゲ
ージを貼付し、同歪ゲージの周囲のコンクリートを切欠
き深さDと測定幅Lとの比D/Lが約3/8となるよう
に切欠いて、前記コンクリート構造物に作用している応
力が開放される際の歪の変化量から内部応力を推定する
ようにしたので、コンクリート構造物の鉄筋を毀傷する
ことなく、簡便にしかも精度よく既設のコンクリート構
造物に作用している応力を推定することが可能となる。
【0024】また既設の構造物に作用している応力を知
ることができるようになり、構造物の安定性をより的確
に判定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】既存のコンクリート構造物に歪ゲージを取付け
た状態を示す正面図。
【図2】前記構造物に切欠きを設けた状態を示す縦断面
図である。
【図3】前記構造物に設けた切欠きの深さを設定した状
態を示す縦断面図である。
【図4】コンクリート構造物における測定幅と切欠き深
さとの関係を示す縦断面図である。
【図5】コンクリート構造物の内部構造を示す部分拡大
縦断面図である。
【図6】本発明の供試体を示す縦断面図である。
【図7】前記供試体に対する有限要素法の解析メッシュ
と境界条件を示す図である。
【図8】切欠き深さDと歪ゲージの取付位置の関係を示
す説明図である。
【図9】図8における切欠き深さDと歪計測幅Lとの関
係を示す図表である。
【図10】歪ゲージの取付例を示す平面図である。
【図11】歪ケージの他の取付例を示す平面図である。
【符号の説明】
a コンクリート構造物 b 歪ゲージ c 切欠き d セメントペースト e 骨材 e′ 粗骨材 f 鉄筋

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設のコンクリート構造物の表面に歪ゲ
    ージを貼付し、同歪ゲージ周囲のコンクリートを切欠
    き、同歪ゲージを貼付する部分の幅をLとし、切欠き深
    さをDとするとき、D/Lがおよそ3/8になるように
    切欠き深さを設定することを特徴とする既設コンクリー
    ト構造物に作用する応力の推定法。
JP22305194A 1994-09-19 1994-09-19 既設コンクリート構造物に作用する応力の推定法 Pending JPH0886704A (ja)

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