JPH088600Y2 - 花卉の選別機における下葉落し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、花卉を重量・長さ等に
より等級別に選別する花卉の選別機に組込んで、選別機
に供給する花卉の茎の基端側の下葉を掻き落すようにす
る下葉落し装置についての改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】花卉の選別は、図１および図２に示して
いる如く、機枠ａに装架した供給される花卉の等級を検
知する等級検知装置１と多連に並列する移送分別体２…
等で適宜構成される選別機Ａに対し、下搬送ベルト３と
上搬送ベルト４等で適宜構成される供給装置Ｂにより、
選別すべき花卉Ｐを、一本づつ順次供給することで行な
う。そして、このとき、供給装置Ｂで供給する花卉Ｐの
茎の基端側から、下葉を、下葉落し装置Ｃにより掻き落
すようにする。

【０００３】この下葉落し装置Ｃは、図３および図４に
示している如く、通常、下搬送ベルト３とそれの上面側
に対向する上搬送ベルト４等により、個々の花卉Ｐ…を
上下から挟持して搬送していく供給装置Ｂの左右の一側
で、搬送する花卉Ｐの茎４０の基端側に位置する側に、
モーターＭにより回転する回転軸５０の周面にゴム材な
どの柔軟な資材で同長の棒状に形成した多数の歯杆５１
…を放射状に設けた回転体５を、供給装置Ｂにより搬送
される花卉Ｐの茎４０の移動軌跡を上下から挟むよう上
下に一対に対向させて配位し、かつ、各回転体５の弾性
資材よりなる歯杆５１…の回動方向が、花卉Ｐの茎４０
の軸方向と平行する状態として機枠ａに装架し、これに
より、供給装置Ｂで搬送されてくる花卉Ｐの茎４０の基
端側が、この上下の回転体５・５の歯杆５１…と接触す
る位置にきたところで、回転する歯杆５１…により下葉
４１…を茎４０から掻き落していくようにしてある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上述の下葉落し装置Ｃ
により下葉４１…を落した花卉Ｐは、それの茎４０に、
柔軟な資材よりなる歯杆５１…が当ることに起因する傷
が生じ、この傷が花卉Ｐの等級を低下させる問題があ
る。

【０００５】本考案は、この問題を解消せしめるために
なされたものであって、回転軸５０中心に回転するゴム
材等の柔軟な資材よりなる棒状の歯杆５１…を、供給装
置Ｂで搬送される花卉Ｐの茎４０に対しその茎４０の軸
方向に沿い回動して接触する形態に下葉落し装置Ｃを構
成しながら、下葉４１を落した花卉Ｐの茎４０に傷が生
じないようにする手段を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】しかして、本考案は、上
述の目的を達成するために種々の研究を重ねて得られた
知見に基づいて完成したものである。即ち、ゴム材等の
柔軟な弾性資材よりなる棒状の歯杆５１…を、回転軸５
０中心に、花卉Ｐの茎４０の軸方向に沿い回動するよう
にしておいて、これに花卉Ｐの茎４０の基端側を接触さ
せて、下葉４１…を掻き落す際に生じてくる傷は、茎４
０の、回動する歯杆５１…と接触するようになる範囲の
全面に、生じてくるものではなく、図５において、鎖線
の円で囲む部位ｗ・ｗに局限して現われてくること、そ
して、この部位ｗ・ｗが、花卉Ｐの搬送方向から見たと
きの、回動する歯杆５１…の先端部の回動軌跡ｚ・ｚと
茎４０との交点となる部位となっていることから、回動
する歯杆５１…の回転軸５０の軸方向に花卉Ｐの茎４０
が順次移動して、回転軸５０の周面にその回転軸５０の
軸方向に並列している多数の歯杆５１…に順次接触して
いくときに、その軸方向に並列している多数の歯杆５１
…が順次同じ個所に当ることによるものであることが判
ってきた。そして、このことから、モーターＭにより回
転する回転軸５０の周面に、放射方向に突出するゴム材
等からなる多数の棒状の歯杆５１…を、軸方向に並列さ
せて装設することで下葉落し用の回転体５を構成する際
に、回転軸５０の周面に設ける棒状の歯杆５１…を、少
なくとも、回転軸５０の軸方向に並列する棒状の歯杆５
１…同士の関係において、それぞれ突出長さを変えたも
のとなるように形成して、この軸方向に並ぶ歯杆５１…
が、供給装置Ｂの搬送作動により順次移動していく花卉
Ｐの茎４０に対してそれぞれ異なる部位に接触していく
ようにしたところ、この回転する歯杆５１…による下葉
落しの行程を終えた花卉Ｐの茎４０に生じていた局部的
な傷が見られなくなってきた、という結果を得たことに
基づくものである。

【０００７】そして、このことから、本考案において
は、上述の目的を達成するための手段として、供給装置
により搬送される花卉の茎の移動軌跡に臨む位置に、回
転軸の周面にその回転軸から放射方向に突出するゴム材
等の柔軟な弾性資材よりなる棒状の多数の歯杆が軸方向
に並列して設けられている回転体を、それの歯杆が前記
花卉の茎の軸方向に沿い回動するように配設してなる花
卉の選別機の下葉落し装置において、前記ゴム材の柔軟
な弾性資材よりなる多数の歯杆を、回転軸からの突出長
さがそれぞれ異なる複数種類に形成して、回転軸の周面
にその回転軸の軸方向に並列させて装設したことを特徴
とする花卉の選別機における下葉落し装置を提起するも
のである。

【０００８】

【実施例】次に実施例を図面に従い詳述する。なお、図
面符号は、従前手段のものと同効の構成部材については
同一の符号を用いるものとする。

【０００９】図６は、本考案を実施せる花卉の選別機の
要部の正面図、図７は同上の側面図で、同図において、
Ｂは花卉の選別機に組込んだ供給装置、Ｃは下葉落し装
置を示す。

【００１０】供給装置Ｂは、花卉Ｐを支承して搬送する
下搬送ベルト３の上面側に、搬送する花卉Ｐを上から押
圧する上搬送ベルト４を対向させて、花卉Ｐを上下に挟
持して搬送するように構成した前述の図３および図４に
示している形態のものであって、下搬送ベルト３および
上搬送ベルト４の支架手段は示していないが、花卉の選
別機Ａに対し前述の図１および図２にあるように組付け
支架されているものである。

【００１１】下葉落し装置Ｃは、モーターＭにより回転
する回転軸５０の周面に、ゴム材等の柔軟な弾性資材よ
りなる棒状の多数の歯杆５１…を、該回転軸５０の軸方
向に並列させて放射状に取付けることで構成される回転
体５を、供給装置Ｂからそれの側方に突出する状態とな
って該供給装置Ｂにより搬送されていく花卉Ｐの茎４０
の基端部に対して上面側と下面側から接触していくよう
に、その花卉Ｐの茎４０の移動軌跡ｙの途中を上下に挟
むように上下に一対に配位して、選別機Ａの機枠ａに支
架せしめ、かつ、その際に、ゴム材等の弾性資材よりな
る棒状の歯杆５１…が、回転軸５０の回転により、搬送
されてくる花卉Ｐの茎４０の軸方向と沿う方向に回動す
るようにしておいて、これにより、移動してくる花卉Ｐ
の茎４０の基端部の下葉４１…を歯杆５１…により掻き
落すようにする形態のものであり、これらの構成につい
ては従前のものと変わりがない。

【００１２】しかし、ゴム材等で柔軟な棒状に形成して
回転軸５０の周面に放射状に突出するよう設ける歯杆５
１…は、図７に示しているように、長さＬ１で突出する
短い長さの歯杆５１−１…と長さＬ２で突出する中間の
長さの歯杆５１−２…と長さＬ３で突出する長い長さの
歯杆５１−３…との、それぞれの突出長さを異にする三
種類に形成してあって、それら種類ごとに、回転軸５０
の軸方向に順次取付場所を変位させて軸方向に並列させ
てある。

【００１３】これら歯杆５１…は、図示する例において
は、図７にあるように、回転軸５０の軸方向に、短・中
・長の順に並列した後、再び短・中・長と繰り返して６
連に並ぶようにしているが、軸方向に並ぶ歯杆５１…の
それぞれの突出長さが全て異なるようにする場合があ
る。また、回転軸５０の軸方向において同じ部分から放
射状に突出する歯杆５１…を、図６にあるように同じ突
出長さのものとしているが、これらをそれぞれ異なる突
出長さのものとする場合がある。

【００１４】

【作用】このように構成せる実施例装置は次のように作
用する。

【００１５】下葉落し装置Ｃの回転体５を構成する回転
軸５０の周面に設けた歯杆５１…は、突出長さＬ１で突
出する短い歯杆５１−１および突出長さＬ２で突出する
中間の長さの歯杆５１−２ならびに突出長さＬ３の長い
歯杆５１−３は、それらの突出端が図６において鎖線に
示しているように、それぞれ異なる回動軌跡ｚ−１・ｚ
−２・ｚ−３をもって回動する。

【００１６】そして、供給装置Ｂで搬送されることで移
動していく花卉Ｐの茎４０は、回転している歯杆５１…
に順次接触しながら、上下の回転体５・５の間を通過し
ていくときに、接触している歯杆５１から抜ける際の強
い押圧を受ける部位となる歯杆５１の先端の回動軌跡と
の交叉部位の数が、従前手段の場合に比して三倍に増大
し、同じ部位が歯杆５１との接触で受ける押圧の回数に
ついては３分の１に減少し、同じ部位が歯杆５１…から
強い押圧を繰返し受けることにより生ずる茎４０の損傷
を著しく軽減するようになる。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように、本考案による花卉
の選別機における下葉落し装置は、ゴム材の柔軟な弾性
資材よりなる多数の歯杆５１…を、回転軸５０からの突
出長さがそれぞれ異なる複数種類に形成して、回転軸５
０の周面にその回転軸５０の軸方向に並列させて装設し
ているのだから、供給装置Ｂで搬送される花卉Ｐの茎４
０が、回転軸５０の軸方向に並列して回転している歯杆
５１…に順次接触しながら、それら歯杆５１…を通り抜
けていくときに、歯杆５１…との接触で最も強い押圧を
受けるようになる部位が、突出長さを異にする歯杆５１
−１・５１−２・５１−３ごとに、茎４０の軸方向に変
位してくることになり、同じ部位が繰り返して強い押圧
を受けることがなくなって、これにより、回転軸５０に
設けたゴム材等からなる棒状の歯杆５１…の回転作動
で、茎４０の基端側の下葉４１…を掻き落す際に、生じ
ていた茎４０の局部的な損傷を著しく軽減せしめ得るよ
うになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】花卉の選別機の全体の概要平面図である。

【図２】同上の概要側面図である。

【図３】同上選別機に組込まれた従前の下葉落し装置の
平面図である。

【図４】同上の側面図である。

【図５】同上の作用の説明図である。

【図６】本考案による下葉落し装置を実施した花卉の選
別機の要部の正面図である。

【図７】同上要部の側面図である。

【符号の説明】

Ａ…選別機、Ｂ…供給装置、Ｃ…下葉落し装置、Ｐ…花
卉、Ｍ…モーター、ａ…機枠、ｗ…部位、ｙ…移動軌
跡、ｚ…回動軌跡、１…等級検知装置、２…移送分別
体、３…下搬送ベルト、４…上搬送ベルト、４０…茎、
４１…下葉、５…回転体、５０…回転軸、５１…歯杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 供給装置Ｂにより搬送される花卉Ｐの茎
   ４０の移動軌跡に臨む位置に、回転軸５０の周面にその
   回転軸５０から放射方向に突出するゴム材等の柔軟な弾
   性資材よりなる棒状の多数の歯杆５１…が軸方向に並列
   して設けられている回転体５を、それの歯杆５１…が前
   記花卉Ｐの茎４０の軸方向に沿い回動するように配設し
   てなる花卉の選別機の下葉落し装置において、前記ゴム
   材の柔軟な弾性資材よりなる多数の歯杆５１…を、回転
   軸５０からの突出長さがそれぞれ異なる複数種類に形成
   して、回転軸５０の周面にその回転軸５０の軸方向に並
   列させて装設したことを特徴とする花卉の選別機におけ
   る下葉落し装置。