JPH0885302A

JPH0885302A - 固定キャスター

Info

Publication number: JPH0885302A
Application number: JP25148994A
Authority: JP
Inventors: Hitoshi Ishihara; 均石原
Original assignee: TOKAI KIYASUTAA KK
Current assignee: TOKAI KIYASUTAA KK
Priority date: 1994-09-20
Filing date: 1994-09-20
Publication date: 1996-04-02

Abstract

(57)【要約】【目的】旋回自在な旋回キャスターの基本構造を利用し
て構造の共通化を図り、金型の製造コストを低減させコ
ストダウンを図る。【構成】キャスター本体３４には、車軸３３を介して車
輪３２が回転可能に支持されるとともに、車軸３３の進
行方向前方側には縦孔３５が形成される。縦孔３５に
は、竪軸３６が挿通される。縦孔３５には、上下が開口
し、断面円形の円孔部４０と、非円形断面を有する係止
部４１とが形成される。竪軸３６は、鍔部３８と取付部
３９とを備え、鍔部３８の下側には、円孔部４０内に嵌
合し所定の径Ｄ１を有する丸棒状の軸部４２と、係止部
４１に嵌合する回り止め部４３とを備えている。竪軸３
６の下端は、キャスター本体３４から抜け止めされてい
る。キャスター本体３４に竪軸３６が取り付けられ、係
止部４１に回り止め部４３が嵌合すると、竪軸３６はキ
ャスター本体３４に対して回動が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は固定キャスターに係
り、特に、旋回可能なキャスターの基本構造を利用した
固定キャスターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、固定キャスターとして、図１３
に示すような固定キャスター２０が知られている。固定
キャスター２０は、キャスター本体１４の両側に設けら
れた車軸１３、１３に車輪１２、１２が回転自在に支持
される。この固定キャスター２０は、キャスター本体１
４に形成された縦孔１５の中心線を下方に延長した線が
車軸１３、１３の軸心と一致するように構成されたタイ
プであり、縦孔１５は、断面円形に形成される。この固
定キャスター２０は、キャスター本体１４と竪軸１６と
に貫通孔を穿設しこの貫通孔に図示しない固定ピンを挿
通して竪軸１６を固定するようにしている。また、固定
ピンを用いない場合は、キャスター本体１４の成型時に
竪軸１６を一体成型して固定するようにしている。ま
た、図１４に示すように、旋回可能な自在キャスター１
０を固定する際には、キャスター本体４の、車軸３より
進行方向前方側に形成された縦孔５に竪軸６を挿通し、
キャスター本体４と竪軸６とを貫通する貫通孔２１を穿
設し、この貫通孔２１に固定ピン２２を挿通して固定す
るようにしている。固定ピン２２を用いない場合、鍔部
８の下面部に傷をつけ、キャスター本体４側に無理にか
しめ付けて固定することもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の固定キャスター
は、一台ごと固定作業を行う手間がかかりコストアップ
を招くという問題があった。しかも、所定の方向にそろ
えるための精度が出しにくく、特に、かしめ付けによる
固定では使用している間に位置ずれが起こる恐れがあ
る。また、一般には、キャスタ本体が旋回可能な自在キ
ャスターとしての需要が多く、需要度の低い固定キャス
ター製造の要求があった際には、その度にキャスター本
体の金型が必要となり、安価な製品を提供することが困
難であるという問題がある。

【０００４】本発明は上記欠点を除くためになされたも
ので、旋回自在な旋回キャスターの基本構造を利用して
構造の共通化を図り、金型の製造コストを低減させコス
トダウンを図ることができるとともに、固定作業を容易
かつ簡素化し、しかも固定方向の精度を高めることがで
きる固定キャスターを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る固定キャス
ターは、車軸を介して車輪が回転可能に支持され縦孔が
形成されたキャスター本体と、上部に被取付体側に取り
付けられる取付部を、下部に上記縦孔に挿通される軸部
をそれぞれ有する竪軸とを備えたキャスターにおいて、
上記縦孔を上記車軸より進行方向前方側に形成し、上記
縦孔に非円形断面を有する係止部を形成するとともに、
上記竪軸の軸部に上記係止部に嵌合する回り止め部を形
成したものである。

【０００６】

【作用】本発明に係る固定キャスターでは、キャスター
本体の進行方向前方側に形成された縦孔に、竪軸を挿通
すると、回り止め部が係止部に嵌り込みこれら回り止め
部と係止部とが非円形断面に形成されているので、竪軸
はキャスター本体に対し回動が阻止される。

【０００７】

【実施例】以下、図面に示す実施例により本発明を説明
する。図１は本発明の第１の実施例に係るキャスターの
一部破断側面図、図２は図１のキャスターの縦孔と竪軸
との断面を示す説明図、図３は一般的によく用いられる
旋回キャスターの構造を示す一部破断側面図、図４は図
３のキャスターのIV-IV 線断面図である。本発明の第１
の実施例に係る固定キャスター３０の説明にあたり、ま
ず、汎用性の高い旋回キャスター１０の構造について図
３ないし図４に基づいて説明する。旋回キャスター１０
は、図３に示すように、走行する車輪２、２と、この車
輪２、２が車軸３を介して回転自在に支持されたキャス
ター本体４と、竪軸６とを備えている。キャスター本体
４には、車軸３から進行方向前方側（図３の左方側）に
垂直に設けられ断面円形状で所定の高さ寸法Ｈを有する
縦孔５が形成される。竪軸６は、縦孔５内に回転可能に
嵌合される軸部７と、縦孔５の上部開口を摺動する鍔部
８と、鍔部８から上方に延設されねじ切りされた取付部
９とから構成される。軸部７は所定の径Ｄ１を有し、縦
孔５の内周面を摺動するようになっている。取付部９は
家具等の被取付体（図示せず）の底部に固定される。竪
軸６の下端は縦孔５の下部開口から突出してかしめ付け
られ、キャスター本体４からの抜け止めがなされてい
る。旋回キャスタ１０は、キャスター本体４が竪軸６を
中心に自由に旋回して任意の方向に走行可能な自在車と
して使用される。

【０００８】ところで、本発明の第１の実施例に係る固
定キャスター３０は、図１に示すように、走行する車輪
３２、３２と、この車輪３２、３２が車軸３３を介して
回転自在に支持されたキャスター本体３４と、竪軸３６
とを備えている。キャスター本体３４には、車軸３３か
ら進行方向前方側（図１の左方側）に垂直に設けられた
縦孔３５が形成される。縦孔３５は、上下が開口して形
成され、下部には直径Ｄ２を有し所定の上下寸法Ｈ２を
有する円孔部４０が、この円孔部４０より上側には上記
円孔部４０より大径の直径Ｄ１を有する円（Ｄ１＞Ｄ
２）を平行に切り欠き所定の上下寸法Ｈ１を有する係止
部４１がそれぞれ形成される（図２参照）。係止部４１
の上下寸法Ｈ１は円孔部４０の上下寸法Ｈ２より大きく
設定される（Ｈ１＞Ｈ２、Ｈ１＋Ｈ２＝Ｈ、Ｈは縦孔３
５の上下寸法）。竪軸３６は、縦孔３５の上部開口を摺
動する鍔部３８と、鍔部３８から上方に延設されねじ切
りされた取付部３９とを備えるとともに、鍔部３８の下
側には、縦孔３５の円孔部４０内に嵌合し所定の径Ｄ１
を有する丸棒状の軸部４２と、縦孔３５の係止部４２に
嵌合する回り止め部４３とを備えている。回り止め部４
３は、軸部４２より大径の丸棒の両側を平行に切り欠い
て平坦部を形成している。取付部３９は、家具等の被取
付体（図示せず）の底部に固定されるようになってい
る。竪軸３６の下端は縦孔３５の下部開口から突出して
かしめ付けられ、キャスター本体３４からの抜け止めが
なされている。

【０００９】次に、上記第１の実施例にかかる固定キャ
スター３０の作用について説明する。固定キャスター３
０は、縦孔３５に竪軸３６が挿通されて回り止め部４３
が係止部４１と嵌り合い、竪軸３６の下端に抜け止めが
施されると、回り止め部４３が係止部４１とは、互いに
非円形断面に形成されているので、キャスター本体３４
に対して回動できなくなり、所定の方向で固定される。
このため、固定キャスター３０はキャスター本体３４に
竪軸３６を取り付けるだけで固定キャスターとして用い
ることができる。すなわち、旋回キャスタ１０の基本構
造に、わずかな改良を加えるだけで、固定キャスターと
して用いることができるので、金型の変更を最小限に抑
えることができ、コストダウンを図ることができる。ま
た、固定作業を簡素化することができるだけでなく、固
定方向を確実に決めることができる。

【００１０】次に本発明の第２の実施例にかかる固定キ
ャスター５０について、図５ないし図６を参照して説明
する。上記第１の実施例と同一または相当部分には同一
の符号を付してその説明を省略する。本実施例にかかる
固定キャスター５０は、キャスター本体５４に、縦孔５
５が車軸３３から進行方向前方側（図５の左方側）に垂
直にかつ上下が開口して形成され、この縦孔５５に竪軸
５８が取り付けられるようになっている。縦孔５５は、
直径Ｄ１を有する断面円形に形成された円孔部５６と、
この円孔部５６の上部に円孔部５６の円形断面より拡大
され断面四角形に形成された係止部５７とがそれぞれ形
成される（図６参照）。縦孔５５は、係止部５７と円孔
部５６の上下寸法をそれぞれ所定の寸法に設定している
（係止部５７の上下寸法Ｈ３、円孔部５６の上下寸法Ｈ
４とすると、Ｈ３＜Ｈ４、Ｈ３＋Ｈ４＝Ｈ、Ｈは縦孔５
５の上下寸法）。竪軸５８は、鍔部３８の下側に、縦孔
５５の円孔部５６内に嵌合する丸棒状の軸部５９と、縦
孔５５の係止部５７に嵌合する断面四角形の回り止め部
６０とを有している。竪軸５８の下端は上記第１の実施
例と同様に、キャスター本体５４からの抜け止めがなさ
れている。第２の実施例にかかる固定キャスター５０
は、上記第１の実施例と同様に、旋回キャスタ１０の基
本構造に、わずかな改良を加えるだけで、固定キャスタ
ーとして用いることができるので、金型の変更を最小限
に抑えることができ、コストダウンを図ることができ
る。さらに、回り止め部６０の上下寸法は、係止部５７
の上下寸法Ｈ３とほぼ同一に短寸にしているので、竪軸
５８の加工が容易になる。

【００１１】図７ないし図８は、本発明の第３の実施例
を示すもので、固定キャスター７０は、キャスター本体
７４に進行方向前方側（図７の左方側）に垂直にかつ上
下が開口した縦孔７５が形成され、この縦孔７５に竪軸
７８が取り付けられるようになっている。縦孔７５は、
直径Ｄ１を有する円孔部７６と、この円孔部７６の下側
に円孔部７６の円形断面より縮小され、断面四角形に形
成された係止部７７とがそれぞれ形成される（図８参
照）。縦孔７５は、係止部７７と円孔部７６の上下寸法
をそれぞれ所定の寸法に設定している（円孔部７６の上
下寸法Ｈ５、係止部７７の上下寸法Ｈ６、Ｈ５＞Ｈ６、
Ｈ５＋Ｈ６＝Ｈ、Ｈは縦孔７５の上下寸法）。竪軸７８
は、鍔部３８の下側に縦孔７５の円孔部７６内に嵌合す
る丸棒状軸部７９と、縦孔７５の係止部７７に嵌合する
断面四角形の回り止め部８０とを有している。竪軸７８
の下端は上記各実施例と同様に、キャスター本体７４か
らの抜け止めがなされている。第３の実施例にかかる固
定キャスター７０は、上記各実施例と同様に、金型の変
更を最小限に抑えることができ、コストダウンを図るこ
とができる。さらに、回り止め部８０が竪軸７８の下端
部に形成されているので、回り止め部８０の加工がしや
すい。

【００１２】図９ないし図１０は、本発明の第４の実施
例を示すもので、固定キャスター９０は、キャスター本
体９４の進行方向前方側（図９の左方側）に垂直にかつ
上下が開口して形成された縦孔９５に竪軸９８が挿通さ
れる。縦孔９５は、直径Ｄ１を有する断面円形の円孔部
９６（円孔部９６の上下寸法Ｈ）が形成されるととも
に、この円孔部９６の上部に内周面の一部から外方に凹
陥した係止部９７が形成される（図１０参照）。竪軸９
８は、鍔部３８の下側に縦孔９５の円孔部９６内に嵌合
する丸棒状軸部９９と、丸棒状軸部９９の外周面上部の
一部から突出し、係止部９７に嵌合する回り止め部１０
０とを有している。竪軸９８の下端は上記各実施例と同
様に、キャスター本体９４からの抜け止めがなされてい
る。第４の実施例にかかる固定キャスター９０は、上記
各実施例と同様に、旋回キャスタ１０の基本構造に、わ
ずかな改良を加えるだけで、固定キャスターとして用い
ることができるので、金型の変更を最小限に抑えること
ができ、コストダウンを図ることができる。

【００１３】図１１ないし図１２は、それぞれキャスタ
ー本体と竪軸との抜け止め部の変形例を示すもので、上
記第１ないし第４実施例の抜け止めが竪軸３６、５５、
７９、９８の下端を、縦孔３５、５５、７５、９５の下
部開口から突出させてかしめ付け、下部開口の径より大
きくしているのに対し、図１１に示す抜け止め部１１０
は、キャスター本体１１１の下端が閉塞された縦孔１１
２に環状凸部１１３を形成するとともに、竪軸１１５の
下部に環状溝１１４を形成し、これら環状凸部１１３と
環状溝１１４とを嵌合させるようにしている。また、図
１２に示す抜け止め部１２０は、竪軸１２３の下端部に
溝１２４を形成し、この溝１２４をキャスター本体１２
１の縦孔１２２から下方に突出させ、溝１２４にＥリン
グ１２５を取り付けるようにしている。この場合、Ｅリ
ング１２５に代えてワイヤを用いてもよい。

【００１４】なお、上記各実施例では、係止部と回り止
め部を縦孔と軸部の一部にそれぞれ設けた構成について
述べたがこれに限られるものではなく、非円形断面の係
止部と回り止め部とを縦孔と軸部の上下全体に設けても
よいことはいうまでない。また、取付部を被取付体に固
定する際、当然のことながら、取付部は被取付体に対し
て固定方向が予め決定されている。また、上記各実施例
の取付部をねじではなく、取付座や差し込みタイプとし
た場合にも適用可能であることは言うまでもない。さら
に、上記各実施例では、キャスター本体に形成される縦
孔を、車軸から進行方向前方側に垂直に設けた構成につ
いて述べたが、これに限られるものではなく、縦孔の中
心線を下方に延長した線が車軸１３、１３の軸心と合致
させて形成されたタイプのキャスターにも適用可能であ
る。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、キャ
スター本体の進行方向前方側に形成された縦孔に、竪軸
を取り付けると、回り止め部が係止部に嵌り込み、固定
キャスターとして用いることができ、竪軸の固定作業を
容易かつ簡素化することができる。また、回り止め部と
係止部とが確実に嵌合されるので、固定方向の精度を高
めることができる。しかも、汎用性の高い旋回キャスタ
の基本構造に、わずかな改良を加えるだけで、固定キャ
スターとして用いることができるので、金型の変更を最
小限に抑えることができ、コストダウンを図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係る固定キャスターの
一部破断側面図である。

【図２】図１の固定キャスターの縦孔と竪軸との横断面
を示す説明図である。

【図３】一般的に汎用性の高い旋回キャスターの構造を
示す一部破断側面図である。

【図４】図３のキャスターのIV-IV 線断面図である。

【図５】本発明の第２の実施例に係る固定キャスターの
一部破断側面図である。

【図６】図５の固定キャスターの縦孔と竪軸との横断面
を示す説明図である。

【図７】本発明の第３の実施例に係る固定キャスターの
一部破断側面図である。

【図８】図７の固定キャスターの縦孔と竪軸との横断面
を示す説明図である。

【図９】本発明の第４の実施例に係る固定キャスターの
一部破断側面図である。

【図１０】図９の固定キャスターの縦孔と竪軸との横断
面を示す説明図である。

【図１１】抜け止め部の変形例を示す要部の断面図であ
る。

【図１２】抜け止め部の変形例を示す一部破断断面図で
ある。

【図１３】従来の固定キャスターを示す側面図である。

【図１４】図１３の従来の固定キャスターを示す一部破
断正面図である。

【符号の説明】

３０、５０、７０、９０固定キャスター３２車輪３３車軸３４、５４、７４、９４キャスター本体３５、５５、７５、９５縦孔３６、５８、７８、９８竪軸３９取付部４１、５７、７７、９７係止部４２、５９、７９、９９軸部４３、６０、８０、１００回り止め部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車軸を介して車輪が回転可能に支持され
縦孔が形成されたキャスター本体と、上部に被取付体側
に取り付けられる取付部を、下部に上記縦孔に挿通され
る軸部をそれぞれ有する竪軸とを備えたキャスターにお
いて、上記縦孔を上記車軸より進行方向前方側に形成
し、上記縦孔に非円形断面を有する係止部を形成すると
ともに、上記竪軸の軸部に上記係止部に嵌合する回り止
め部を形成したことを特徴とする固定キャスター。
【請求項２】竪軸の下端部にはキャスター本体からの
脱落を阻止する抜け止め部が設けられることを特徴とす
る請求項１に記載の固定キャスター。
【請求項３】係止部は縦孔の上部に縦孔の径より拡大
して形成されることを特徴とする請求項１ないし２に記
載の固定キャスター。
【請求項４】係止部は縦孔の下部に縦孔の径より縮小
して形成されることを特徴とする請求項１ないし２に記
載の固定キャスター。
【請求項５】係止部の非円形断面が多角形状であるこ
とを特徴とする請求項３または４に記載の固定キャスタ
ー。
【請求項６】係止部の非円形断面が円の一部を切り欠
いた形状であることを特徴とする請求項３または４に記
載の固定キャスター。
【請求項７】係止部は縦孔上部の内周面の一部を外方
に凹陥させた凹部からなることを特徴とする請求項１な
いし２に記載の固定キャスター。
【請求項８】抜け止め部は、竪軸下端を縦孔から突出
させ、この突出端を縦孔の開口より拡大させて形成した
ことを特徴とする請求項２に記載の固定キャスター。
【請求項９】抜け止め部は、縦孔から突出させた竪軸
下端部に係合溝を形成し、この係合溝に抜け止め部材を
取り付けて構成されることを特徴とする請求項２に記載
の固定キャスター。
【請求項１０】抜け止め部は、縦孔内に環状突出部を
形成し、竪軸にこの環状突出部に嵌合する環状溝部を形
成してなることを特徴とする請求項２に記載の固定キャ
スター。