JPH0883828A - 半導体ウェーハの内部欠陥の測定方法およびこれを用いた熱酸化炉の管理方法 - Google Patents

半導体ウェーハの内部欠陥の測定方法およびこれを用いた熱酸化炉の管理方法

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JPH0883828A
JPH0883828A JP6242168A JP24216894A JPH0883828A JP H0883828 A JPH0883828 A JP H0883828A JP 6242168 A JP6242168 A JP 6242168A JP 24216894 A JP24216894 A JP 24216894A JP H0883828 A JPH0883828 A JP H0883828A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非破壊、非接触、非汚染で、ウェーハ全面の
安定した正確なライフタイム測定が可能な方法を提供す
る。熱酸化炉の汚染度等を判定可能な方法を提供する。 【構成】 SC1液で洗浄したシリコンウェーハ表面に
酸化膜を形成し、紫外線を照射して表面に負電荷を付加
する。この膜中にAl化合物を存在させ、負電荷を長時
間保持する。50℃〜200℃での熱処理を施すと、被
膜上の吸着水が脱離し、電荷保持力が高められる。ウェ
ーハ表面にレーザ光を照射してキャリアを励起し、キャ
リアがピーク濃度の状態からその1/eの濃度になるま
での時間を測定する。また、ウェーハ表面に熱酸化膜を
形成せずライフタイムを測定した後、熱酸化炉にて熱酸
化膜を被着してライフタイム測定を行う。2回の測定値
によりその熱酸化炉の汚染度等を判定する。測定値の差
が大きい程、汚染度が大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体ウェーハのラ
イフタイム評価方法およびこのライフタイム測定を用い
た熱酸化炉の管理方法に関する。特に、紫外線照射によ
りキャリアの表面再結合を防止したライフタイム測定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体材料として大量に生産され、各種
デバイスに使用されるシリコンウェーハの品質管理にあ
っては、そのライフタイム測定が行われている。ライフ
タイムとは、シリコンウェーハに光、電気等のエネルギ
を加えることにより、発生した自由電子(少数キャリ
ア)が再結合するまでの時間を意味する。
【0003】すなわち、シリコンウェーハの表面の一部
にArレーザを照射すると、そのレーザ光のエネルギに
よって、シリコンの価電子帯から伝導帯に電子が励起さ
れ正孔−電子対が生成される。この電子は10-6秒程度
の時間を経て価電子帯の正孔と再結合して消滅する。こ
の正孔−電子対のうちウェーハの導電型と逆の導電型の
少数キャリアの濃度がピーク濃度からその1/eに減少
するまでの時間が再結合ライフタイム(τR)である。
この場合、シリコンウェーハにて正常の格子形状を有し
ている部分よりも、歪や欠陥を有する格子の部分の方
が、バンドギャップが狭くなるという理由、ギャップ中
に準位を形成するという理由等により、少数キャリアの
再結合が容易である。この結果、欠陥、歪等を有する場
合は励起された少数キャリアの寿命が短く、したがって
そのライフタイムも短い。欠陥、歪等を有しないウェー
ハと結晶性歪を有するウェーハとの間でのこのライフタ
イムの差を求めると、歪や欠陥が多くなるほどτRが小
さくなる。よって、このデータにより欠陥、歪の有無を
判定することができる。
【0004】この少数キャリアのライフタイムはシリコ
ンウェーハの品質を評価するための重要な因子の一つで
ある。特に、非破壊、非接触、非汚染によるライフタイ
ム測定が求められている。
【0005】ところで、少数キャリアの再結合には、シ
リコンウェーハ表面での再結合と、ウェーハ内部での再
結合とがある。すなわち、シリコンウェーハの内部欠陥
の評価には少数キャリアの表面再結合の影響を排除する
ことが好ましい。この表面再結合を抑制する方法として
は、例えばウェーハ表面に熱酸化膜を付加して測定する
方法、正・負電荷膜処理をウェーハ表面に施して計測す
る方法、紫外線をウェーハ表面に照射する方法等が知ら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱酸化膜の方法は、破
壊測定につながり好ましくない。また、熱酸化膜形成時
にウェーハに汚染が生じたり、熱酸化膜形成に長時間を
要するという欠点がある。正・負電荷膜の方法は、危険
な薬液処理(重クロム酸ナトリウム)を伴うという欠点
があった。これらに対して、紫外線を照射してウェーハ
表面に電荷を発生させる方法では、発生させた電荷が短
時間、例えば数十秒で消失してしまい、ライフタイムを
正確、かつ、安定して測定することができなかった。特
に、ウェーハの全面についてのライフタイムのマップを
作製することはできなかった。
【0007】
【発明の目的】そこで、この発明は、非破壊、非接触、
非汚染で、かつ、ウェーハ全面についての安定した正確
なライフタイム測定が可能なライタタイム測定方法を提
供することを、その目的としている。また、この発明
は、熱酸化炉の汚染度等を判定可能な熱酸化炉の管理方
法を提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、半導体ウェーハの表面にAl化合物、Fe化合物を
含有したシリコン酸化物の薄膜を形成し、この半導体ウ
ェーハ表面に紫外線を照射し、この後、この半導体ウェ
ーハのライフタイム測定を行う半導体ウェーハの内部欠
陥の測定方法である。
【0009】請求項2に記載の発明は、半導体ウェーハ
の表面にAl化合物を含むシリコン酸化物の薄膜を被着
し、この半導体ウェーハを所定温度で熱処理し、この半
導体ウェーハ表面に紫外線を照射し、この後、この半導
体ウェーハのライフタイム測定を行う半導体ウェーハの
内部欠陥の測定方法である。
【0010】請求項3に記載した発明は、半導体ウェー
ハの表面にAl化合物、Fe化合物を含むシリコン酸化
物の薄膜を被着し、この半導体ウェーハを所定温度で熱
処理し、この半導体ウェーハ表面に紫外線を照射し、こ
の後、この半導体ウェーハのライフタイム測定を行う半
導体ウェーハの内部欠陥の測定方法である。
【0011】請求項4の発明は、上記熱処理の温度は、
50℃〜200℃である請求項2または請求項3に記載
の半導体ウェーハの内部欠陥の測定方法である。
【0012】請求項5の発明は、上記ライフタイムの測
定は、半導体ウェーハ表面にレーザ光を照射した後マイ
クロ波を照射して行う請求項1〜請求項4のいずれか1
項に記載の半導体ウェーハの内部欠陥の測定方法であ
る。
【0013】請求項6に記載の発明は、半導体ウェーハ
に紫外線を照射した後、そのライフタイムを測定し、こ
の後、この半導体ウェーハを熱酸化炉に装入してその表
面に熱酸化膜を被着し、次に、この半導体ウェーハのラ
イフタイムを測定し、これらのライフタイムの測定値に
基づいて上記熱酸化炉の状態を判定する熱酸化炉の管理
方法である。
【0014】請求項7に記載の発明は、半導体ウェーハ
表面にAl化合物を含むシリコン酸化物の被膜を形成
し、これに紫外線を照射した後、そのライフタイムを測
定し、この後、この半導体ウェーハを熱酸化炉に装入し
てその表面に熱酸化膜を被着し、次に、この半導体ウェ
ーハのライフタイムを測定し、これらのライフタイムの
測定値に基づいて上記熱酸化炉の状態を判定する熱酸化
炉の管理方法である。
【0015】請求項8に記載した発明は、請求項1〜請
求項5のいずれか1項に記載した方法により半導体ウェ
ーハのライフタイムを測定し、この後、この半導体ウェ
ーハを熱酸化炉に装入してその表面に熱酸化膜を被着
し、次に、この半導体ウェーハのライフタイムを測定
し、これらのライフタイムの測定値に基づいて上記熱酸
化炉の状態を判定する熱酸化炉の管理方法である。
【0016】請求項9に記載の発明は、半導体ウェーハ
の表面に正電荷または負電荷をコートし、そのライフタ
イムを測定し、この後、この半導体ウェーハを熱酸化炉
に装入してその表面に熱酸化膜を被着し、次に、この半
導体ウェーハのライフタイムを測定し、これらのライフ
タイムの測定値に基づいて上記熱酸化炉の状態を判定す
る熱酸化炉の管理方法である。
【0017】
【作用】この発明に係る半導体ウェーハの内部欠陥の測
定方法にあっては、半導体ウェーハ表面にシリコン酸化
物を含む被膜を形成し、その後、紫外線を照射してその
表面に負電荷を付加している。このSiO2を主成分と
する被膜は負電荷の減少を阻止する。また、被膜中にA
l(アルミニウム)化合物を存在させることにより、こ
の負電荷を長時間保持し続けることができる。また、被
膜中のFe(鉄)化合物は負電荷の保持を助長するとい
う役割を果たす。さらに、50℃〜200℃での熱処理
を施すと、上記被膜上の吸着水が脱離し、電荷保持力が
高められる。なお、被膜形成前に半導体ウェーハ表面は
例えばSC1液で洗浄しておく。SC1(Standa
rd Cleaning 1)液は、例えばNH4
H:H22:H2O=1:1:5(容量比)の組成のも
のを使用する。
【0018】ここで、ライフタイムの測定は以下の方法
にて行う。すなわち、ウェーハ表面にレーザ光を照射し
てキャリアを励起し、このキャリアがピーク濃度の状態
からその1/eの濃度になるまでの時間を測定する。例
えば10GHzのマイクロ波を照射する反射マイクロ波
法、ウェーハと細い電線との間の容量の変化を利用する
容量プローブ法、アルミニウムと同軸線路の間の容量の
変化を利用する同軸ケーブル法、半導体ウェーハをスト
リップ線路の上に置くストリップ線路法、フェライトコ
アで作った渦電流を利用する相加渦電流法等がある。こ
こで、励起光は被測定ウェーハを構成する半導体のバン
ドギャップ以上の波長、例えばシリコンウェーハの場合
はエネルギが1.1eV以上のレーザ光を使用する。
【0019】また、この発明に係る熱酸化炉の管理方法
にあっては、半導体ウェーハ表面に熱酸化膜を形成する
ことなくライフタイム測定を行い、その後、熱酸化炉に
て熱酸化膜を被着してライフタイム測定を行う。この2
回の測定値の差に基づいてその熱酸化炉の汚染度等を判
定することができる。このライフタイム測定値の差が大
きい程、汚染度が大きいと考えられるからである。した
がって、汚染のない熱酸化炉を使用することにより、ラ
イフタイム測定にても熱酸化膜を表面に被着する方法を
高信頼性のもとに利用することができる。なお、半導体
ウェーハとしてはシリコンウェーハの他、化合物半導体
ウェーハをも含む。
【0020】
【実施例】以下、この発明に係る測定方法の実施例を詳
細に説明する。最初に、P型、面方位(100)、比抵
抗10Ω・cmのシリコンウェーハを、処理液中に10
分間浸漬する。この処理液は、液組成がNH4OH:H2
2:H2O=1:3:6(容量比)で、液の温度が室温
の溶液に、Al(NO33をAl換算量で10ppm、
Fe(NO32をFe換算量で10ppm含有させたも
のである。浸漬の結果、このシリコンウェーハ表面には
厚さ数オングストロームのAl化合物とFe化合物とを
含むシリコン酸化物の薄膜が形成される。
【0021】そして、この処理液中からシリコンウェー
ハをとりだした後、10分間超純水で水洗を行い、スピ
ンドライ乾燥を行った。さらに、このシリコンウェーハ
をオーブンに装入し、100℃の空気雰囲気中で10分
間加熱処理を行った。
【0022】そして、シリコンウェーハの温度を室温に
まで下げた後、紫外線照射用のステージにこのウェーハ
を移載した。このステージでは200Wの紫外線を5c
mの距離からウェーハの表面および裏面に10秒間照射
した。
【0023】その後、ウェーハをライフタイム測定用の
ステージに移載し、紫外線照射後10秒経過時、30秒
経過時、60秒経過時、120秒経過時、180秒経過
時で、それぞれ904nmのレーザを照射し、ウェーハ
内部にキャリアを励起、発生させ、さらに、9.6GH
zのマイクロ波を照射して、反射するマイクロ波の強度
を測定する。このようにしてライフタイムτR測定を行
った。
【0024】そして、従来との比較のため、液組成がN
4OH:H22:H2O=1:1:5(容量比)、温度
が80℃の溶液中にシリコンウェーハを10分間浸漬し
てその表面にシリコン酸化物の被膜を形成した。このウ
ェーハを上記実施例と同様の条件で水洗、乾燥後、紫外
線照射し、ライフタイム測定を行った。これらの結果を
表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】次に、熱酸化炉の管理方法についての実施
例を説明する。まず、P型、面方位(100)、比抵抗
10Ω・cmのシリコンウェーハを処理液中に10分間
浸漬する。この処理液は、液組成がNH4OH:H
22:H2O=1:3:6(容量比)、液の温度が80
℃の溶液に、Al(NO33をAl換算量で10ppm
含有させたものである。そして、この処理液からシリコ
ンウェーハを取り出した後、10分間超純水で水洗を行
い、スピンドライ乾燥を行った。さらに、このシリコン
ウェーハをオーブン(酸化炉)に装入し、100℃の空
気雰囲気中で10分間加熱処理を行った。そして、この
シリコンウェーハの温度を室温にまで下げた後、紫外線
照射用のステージにこのシリコンウェーハを移載した。
このステージでは200Wの紫外線を5cmの距離から
ウェーハの表面および裏面に10秒間照射した。その
後、ウェーハをライフタイム測定用のステージに移載
し、ライフタイム測定を行った。
【0027】さらに、上記と同一のシリコンウェーハを
熱酸化した後、ライフタイム測定を行った。両者の比較
を図1に示す。3回目の管理時において、この実施例に
係るライフタイム測定値と熱酸化法によるライフタイム
測定値との間に大きな差が生じており、この熱酸化炉に
おいて汚染が生じていることがわかる。なお、4回目は
熱酸化炉を洗浄した後の測定値を示している。
【0028】
【発明の効果】この発明に係る内部欠陥測定方法によれ
ば、キャリアの表面再結合を長時間にわたって抑制する
ことができ、ウェーハ全面の正確なライフタイム測定値
のマップを得ることができる。内部欠陥の評価を安定し
て行うことができる。また、この発明に係る熱酸化炉の
管理方法によれば、その汚染度等を正確に管理すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る熱酸化炉の管理方法についての
実施例を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 龍田 次郎 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内 (72)発明者 新行内 隆之 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハの表面にAl化合物、F
    e化合物を含有したシリコン酸化物の薄膜を形成し、 この半導体ウェーハ表面に紫外線を照射し、 この後、この半導体ウェーハのライフタイム測定を行う
    ことを特徴とする半導体ウェーハの内部欠陥の測定方
    法。
  2. 【請求項2】 半導体ウェーハの表面にAl化合物を含
    むシリコン酸化物の薄膜を被着し、 この半導体ウェーハを所定温度で熱処理し、 この半導体ウェーハ表面に紫外線を照射し、 この後、この半導体ウェーハのライフタイム測定を行う
    ことを特徴とする半導体ウェーハの内部欠陥の測定方
    法。
  3. 【請求項3】 半導体ウェーハの表面にAl化合物、F
    e化合物を含むシリコン酸化物の薄膜を被着し、 この半導体ウェーハを所定温度で熱処理し、 この半導体ウェーハ表面に紫外線を照射し、 この後、この半導体ウェーハのライフタイム測定を行う
    ことを特徴とする半導体ウェーハの内部欠陥の測定方
    法。
  4. 【請求項4】 上記熱処理の温度は、50℃〜200℃
    である請求項2または請求項3に記載の半導体ウェーハ
    の内部欠陥の測定方法。
  5. 【請求項5】 上記ライフタイムの測定は、半導体ウェ
    ーハ表面にレーザ光を照射した後マイクロ波を照射して
    行う請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体
    ウェーハの内部欠陥の測定方法。
  6. 【請求項6】 半導体ウェーハに紫外線を照射した後、
    そのライフタイムを測定し、 この後、この半導体ウェーハを熱酸化炉に装入してその
    表面に熱酸化膜を被着し、 次に、この半導体ウェーハのライフタイムを測定し、 これらのライフタイムの測定値に基づいて上記熱酸化炉
    の状態を判定する熱酸化炉の管理方法。
  7. 【請求項7】 半導体ウェーハ表面にAl化合物を含む
    シリコン酸化物の被膜を形成し、これに紫外線を照射し
    た後、そのライフタイムを測定し、 この後、この半導体ウェーハを熱酸化炉に装入してその
    表面に熱酸化膜を被着し、 次に、この半導体ウェーハのライフタイムを測定し、 これらのライフタイムの測定値に基づいて上記熱酸化炉
    の状態を判定する熱酸化炉の管理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載した方法により半導体ウェーハのライフタイムを測定
    し、 この後、この半導体ウェーハを熱酸化炉に装入してその
    表面に熱酸化膜を被着し、 次に、この半導体ウェーハのライフタイムを測定し、 これらのライフタイムの測定値に基づいて上記熱酸化炉
    の状態を判定する熱酸化炉の管理方法。
  9. 【請求項9】 半導体ウェーハの表面に正電荷または負
    電荷をコートし、そのライフタイムを測定し、 この後、この半導体ウェーハを熱酸化炉に装入してその
    表面に熱酸化膜を被着し、 次に、この半導体ウェーハのライフタイムを測定し、 これらのライフタイムの測定値に基づいて上記熱酸化炉
    の状態を判定する熱酸化炉の管理方法。
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