JPH08820B2 - 新規のベンゾピラン化合物、その製造法、およびそれらを含む製薬組成物 - Google Patents

新規のベンゾピラン化合物、その製造法、およびそれらを含む製薬組成物

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JPH08820B2
JPH08820B2 JP5223047A JP22304793A JPH08820B2 JP H08820 B2 JPH08820 B2 JP H08820B2 JP 5223047 A JP5223047 A JP 5223047A JP 22304793 A JP22304793 A JP 22304793A JP H08820 B2 JPH08820 B2 JP H08820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なベンゾピラン化
合物、その製造法およびそれらを含有する製薬組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、国際公開WO 88/08424
号明細書に、2−クロマンカルボン酸化合物、更に一般
的には(2−クロマニル)アルキルカルボン酸が記載さ
れた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その後、脂質過酸化が
疾患に関係する重要な因子であるということが立証され
た。脂質過酸化の過程およびそれにより生成する産物
が、細胞の生存にとって有害なことがあることは、極め
て明瞭である。脂質過酸化の作用は、アテローム性動脈
硬化症、溶血性貧血および虚血/再潅流による傷害のよ
うな多くの病理学的状態に関与してきた。(酸化的傷害
および修復、化学的、生物学的および医学的側面、19
91年、Pergamon Press、22頁)。こ
の脂質の過酸化現象を制御することができる分子を得る
ことができれば、そのような現象に関与する疾患を予防
および治療する上で臨床医にとって非常に有用であろ
う。
【0004】アラキドン酸の代謝により生じるエイコサ
ノイド(プロスタグランジンおよびロイコトリエン)が
炎症機序の基礎であることも知られている。したがっ
て、リポキシゲナーゼおよび/またはシクロオキシゲナ
ーゼの酵素活性を阻害する化合物は、例えば慢性関節リ
ウマチの予防および治療、喘息、およびアレルギーにお
いて有用であろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本出願人は、最も緊密な
先行技術を構成する化合物よりも著しく良好な酸化防止
活性を有する新規なベンゾピランチオカルボキシアミド
化合物を見いだした。本出願人は、これらの新規な化合
物によって、エイコサノイドの合成を抑制すると共にア
シドーシスが生じたときの細胞内pHを保持することが
できることも見いだした。したがって、本発明の化合物
は細胞保護剤として極めて有利な作用を有する。
【0006】更に具体的には、本発明は、一般式(I)
【化14】 (式中、nは、0または1の整数であり、R1 、R2
3 、R4 、R6 、およびR7 は、同一であるかまたは
異なるものであり、それぞれ互いに独立に水素原子また
は低級アルキル基Ra −を表し、R a は1〜8個の炭素
原子を有する線形または分枝したアルキル基であり、R
5 は、 − 水素原子、 − 低級アルキル基Ra −、 − 低級アシル基Ra −CO−、 − Ra −O−Rb −の形態のアルコキシアルキル基、 − Ra −O−CO−の形態のアルコキシカルボニル
基、 − Ra −O−CO−Rb −の形態のアルコキシカルボ
ニルアルキル基、 − HOOC−Ra −の形態のカルボキシアルキル基、 [但し、Ra およびRb は、同一であるかまたは異なる
ものであり、それぞれ互いに独立に1〜8個の炭素原子
を有する線形または分枝したアルキル基]であり、R8
およびR9 は、 − それらが結合している窒素原子と一緒になって、 ・ピペラジン、 ・置換ピペラジン、 ・ピペリジン、 ・置換ピペリジン、 ・ピロリジン、 ・置換ピロリジン、 ・モルホリン、 ・1個以上のアルキル基で置換されたモルホリン、 ・テトラヒドロピリジン、 ・チオモルホリン、 ・5〜12個の構成員を有するアザスピラン、 ・1個以上のアルキル基またはオキソ基で置換された、
5〜12個の構成員を有するアザスピラン、 ・7〜12個の構成員を有し、所望により酸素、硫黄お
よび窒素から選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を
その骨格に含む単環式または二環式のアザシクロアルキ
ル、 ・7〜12個の構成員を有し、1個以上のアルキル基ま
たはオキソ基で置換され、所望により酸素、硫黄および
窒素から選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を含む
単環式または二環式のアザシクロアルキル、 ・基―NH−(CH2 k −NH2 (但し、kは2、3
または4の整数)、および ・置換された―NH−(CH2 k −NH2 (但し、k
は前記に定義された通りである)、から選択される基を
形成し、前記のピペラジン、ピペリジン、ピロリジンお
よび−NH−(CH2 k −NH 2 のような基に関する
「置換された」という用語は、これらの基が1個以上の
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、R10
基または基
【化15】 [式中、R10は、 ・アルキル、 ・アルコキシ、 ・アルケニル、 ・−(CH2 )n−R11または
【化16】 (式中、nは0または1〜5の整数であり、R11はフェ
ニル、ベンズヒドリル、1,1−ジフェニルメチルイン
デニル、チエニル、ピロリル、ピロリジニル、フリル、
ピリミジニル、ピリジル、ベンゾジオキソリル、ベンゾ
ジオキサニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、シ
クロアルキルおよびジシクロアルキルメチルから選択さ
れる基であり、「シクロアルキル」という用語は3〜1
2個の構成員を有する単環または二環性基を表す)から
選択され、基R10は、ハロゲン、トリフルオロメチル、
オキソ、カルボキシル、ヒドロキシル、アルキル、アル
コキシ、ハロアルコキシ、アセチルおよびピロリジニル
から選択される1個以上の基で、それ自身を置換するこ
とができる]によって置換できることを意味するものと
理解され、または − R8 およびR9 は、同一であるかまたは異なるもの
であり、それぞれ互いに独立に、 ・水素原子、 ・低級アルキル基Ra −または置換された低級アルキル
基Ra −、 ・低級アルケニル基または置換された低級アルケニル基
(アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する線形また
は分枝した不飽和炭化水素である)、 ・基A−(CH2 m −または置換された基A−(CH
2 m −(但し、mは0、1または2の整数であり、A
はp個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、p
は3〜7の整数である)、 ・Ra −O−Rb −の形態のアルコキシアルキル基、ま
たは、Ra −O−R b −の形態の置換されたアルコキシ
アルキル基(但し、Ra およびRb は同一であるかまた
は異なるものであり、1〜8個の炭素原子を有する線形
または分枝した低級アルキル基である)、 ・Ra −O−CO−Rb −の形態のアルコキシカルボニ
ルアルキル基またはRa −O−CO−Rb −の形態の置
換されたアルコキシカルボニルアルキル基(Ra および
b は前記に定義したとおりである)、 ・基B−(CH2 q −または置換された基B−(CH
2 q −(但し、qは、0、1、2または3の整数であ
り、Bはナフタレン、1,3−ジオキサン、ピランまた
はベンゾピラン基である)、 ・基E−(CH2 q −または置換された基E−(CH
2 q −(但し、qは前記に定義したとおりであり、E
は前記に定義したとおりの置換または未置換のアザスピ
ランまたはアザシクロアルキル基である)、 ・フェニル−(CH2 q −基または置換されたフェニ
ル−(CH2 q −基(但し、qは前記に定義したとお
りである)、 ・ヘテロアリール−(CH2 q −基または置換された
ヘテロアリール−(CH2 q −基(但し、qは前記に
定義したとおりであり、ヘテロアリールは、フラン、キ
ノリン、イソキノリン、ピリジン、チオフェン、チアゾ
ール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾー
ル、ナフチリジン、ベンゾフラン、β−カルボリンまた
はγ−カルボリンから選択される)、 ・未置換の、または1〜6個の炭素原子を有する線形ま
たは分枝したアルキル基の1個以上によって置換され
た、グアニジノまたはアミジノ基、または ・下記の基D1 〜D4
【化17】 の1個、を表し、この一般式(I)の記載の際に、前記
に定義した、低級アルキルRa −、低級アルケニル、A
−(CH2 m −、アルコキシアルキルRa −O−Rb
−、アルコキシカルボニルアルキルRa −O−CO−R
b −、B−(CH2 q −、フェニル−(CH2
q −、ヘテロアリール−(CH2 q −の基に関する
「置換された」という用語は、特に断らない限り、これ
らの基が1個以上の、同一または異なる基によって置換
することができ、それぞれ互いに独立に、低級アルキル
基Rc −、低級アルコキシRc −O−、低級アシルRc
−CO−、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロ
キシル、オキソ、グアニジノ、アミジノ、またはハロゲ
ン原子、(但し、Rc は1〜6個の炭素原子を有する線
形または分枝したアルキル基)を表すことを意味するも
のと理解される)に対応する新規なベンゾピラン化合
物、純粋な形態または混合物の形態でのその光学異性
体、並びに、適宜製薬上許容可能な酸または塩基とのそ
の付加塩に関する。
【0007】本発明の化合物を塩形成するのに用いるこ
とのできる製薬上許容可能な酸または塩基には、例え
ば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リンゴ
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン
酸、ショウノウ酸またはショウノウスルホン酸、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジエ
チルアミン、エタノールアミン、アルギニン、リジンお
よびジエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0008】本発明は、式(I)を有する化合物を得る
方法であって、出発物質として、式(II)の化合物
【化18】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 およびn
は、一般式(I)と同じ意味を有する)を用いて、これ
を無水塩基性媒質中で、化合物R5 ″−HalまたはR
5 ″−O−R5 ″(式中、Halはハロゲン原子であ
り、R5 ″は低級アシル基Ra −CO−であり、Ra
請求項1に定義したとおりである)でエステル化して、
式(III)
【化19】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、nおよ
びR5 ″は前記に定義した通りである)を有する化合物
を生成させ、これをハロゲン化剤と反応させることによ
ってそのハロゲン化物に転換した後、好適な溶剤中で、
アルカリ性化合物の存在下にて、式(IV)
【化20】 (式中、R8 およびR9 は一般式(I)と同じ意味であ
る)を有するアミンで処理し、式(Ia)
【化21】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
9 、nおよびR5 ″は前記に定義したとおりである)
を有する化合物を生成させた後、これを、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属水酸化物と反応させてケン化し
て、式(Ib)
【化22】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
9 およびnは前記に定義したとおりである)の化合物
とし、次いで、適宜、式R5 ″´−O−R5 ″´または
5 ″´−Hal´の誘導体(式中、Hal´はハロゲ
ン原子であり、R5 ″´は低級アルキル基Ra 、低級ア
シル基Ra −CO−、Ra −O−Rb −の形態のアルコ
キシアルキル基、Ra −O−CO−の形態のアルコキシ
カルボニル基、Ra −O−CO−Rb −の形態のアルコ
キシカルボニルアルキル基、または、HOOC−Ra
の形態のカルボキシアルキル基であり、Ra およびRb
は式(I)に定義したとおりである)と反応させること
によってエーテル化して、式(Ic)
【化23】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
9 、nおよびR5 ″´は前記に定義したとおりであ
る)を有する化合物を生成させ、次に、式(Ia)、
(Ib)および(Ic)の化合物を、ローウェッソン試
薬と反応させ、対応する式(I)の化合物を生成させる
ことを特徴とし、所望であれば、式(I)のこれらの化
合物を、 − 精製し、 − 純粋な形態または混合物の形態のそれらの光学異性
体に分離し、または − 製薬上許容可能な塩基または酸でそれらの付加塩へ
転換する、式(I)を有する化合物を製造する方法であ
る。
【0009】本発明は、R5 が水素原子である、式
(I)を有する化合物の具体的な場合である、式
(I′)
【化24】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
9 およびnは式(I)に定義したとおりである)を有
する化合物、およびR5 が基R5 ″′である、式(I)
を有する化合物の具体的な場合である、式(I′a)
【化25】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
9 およびnは式(I)に定義したとおりであり、
5 ″′は前記に定義したとおりである)を有する化合
物を得る方法であって、R5 が基R5 ″である、式
(I)を有する化合物の具体的な場合である、式
(I″)
【化26】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
9 およびnは前記に定義した通りであり、R5 ″は低
級アシル基Ra −CO−であって、Ra は式(I)に定
義したとおりである)を有する化合物を、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属水酸化物と反応させることによ
ってケン化して、式(I′)の対応する化合物を生成さ
せ、これを、適宜、式R5 ″′−O−R5 ″′またはR
5 ″′−Hal″(式中、Halはハロゲン原子であ
り、R5 ″′は前記に定義したとおりである)を有する
化合物と反応させることによりエーテル化またはエステ
ル化し、式(I′a)の化合物を有する対応する化合物
を生成させることを特徴とし、式(I′)および(I′
a)を有する化合物を、所望であれば、 − 精製し、 − 純粋な形態または混合物の形態でのそれらの光学異
性体に分離し、または − 製薬上許容可能な塩基または酸でそれらの付加塩へ
変換することができる、方法にも適合する。
【0010】先行技術の化合物と比較すると、本発明の
化合物は意外にも、非常に顕著な酸化防止特性を有して
いる。薬理試験により、これらの化合物が細胞脂質およ
び低比重リポ蛋白(LDL)の過酸化過程において注目
に値する保護作用を有することが特に示された。これら
の作用は、本発明の化合物のいくつかにおいては、先行
技術の最も類似した化合物、すなわち国際公開WO 8
8/08424号明細書の例102の100倍である
(本出願明細書の薬理例BおよびC)。更に、本発明の
ある種の化合物は、強力なフリーラジカル発生剤である
過酸化化合物から生じるエイコサノイドの生合成に対
し、強力な阻害作用を示すという顕著な特徴を有し、こ
れは先行技術の最も類似した化合物が持たない阻害作用
である。
【0011】また、本出願人は、組織虚血の主因の1つ
である細胞内の酸性化が起きた場合、本発明の化合物が
細胞内pHの優れた保護剤となることを見いだした。実
際に、本発明の化合物は、重炭酸塩担体、特に培養した
心臓細胞(カルジオサイト)のナトリウム非依存性Cl
- /HCO3-交換体の強力な阻害剤であることが示され
ている(本出願明細書の薬理例D)。したがって、細胞
外への重炭酸塩の流出は停止し、細胞の酸性化が中和さ
れ、酸性化に伴うイオン性および代謝性の損傷の抑制が
可能となる。
【0012】したがって、本発明の化合物は、中枢性ま
たは末梢性の虚血性障害、炎症性疾患、慢性関節リウマ
チ、代謝障害、アテローム、動脈硬化、呼吸器系疾患、
喘息、気腫、免疫系に由来する疾患、全身性エリテマト
ーデス、アレルギー反応、大脳または皮膚の老化の治療
または予防、並びに器官再潅流のような外科的損傷によ
る障害の予防および治療に用いることができる。
【0013】本発明のもう一つの目的は、式(I)の化
合物またはその製薬上許容可能な酸または塩基による付
加塩の1つを、1種類以上の薬理学的に許容可能な賦形
剤と組み合わせて含有する製薬組成物である。
【0014】本発明による製薬組成物の中でも、更に詳
細には経口、経皮、皮膚、非経口、経鼻、経直腸、経
舌、経眼または経肺投与、特に注射用または飲用の製
剤、エアゾール、点眼剤または点鼻剤、単純錠剤、フィ
ルムコートした錠剤または糖衣錠、硬質ゼラチンカプセ
ルのようなカプセル、クリーム、軟膏、皮膚用ゲル、丸
薬、パケット、サッシェ、顆粒および座薬に適当なもの
を挙げることができる。
【0015】用量は、患者の年齢、体重および性別、投
与経路、疾患の性質および重症度により、また行われる
可能性のある付随した治療により変動する。用量は、
0.5mgから1g/日、特に0.5mgから100m
g/日、例えば10mgから100mg/日の範囲であ
る。
【0016】
【実施例】下記の例は本発明を例示するものであるが、
それをいかなる点でも制限するものではない。出発物質
は、文献において記載されているか、または当業者には
容易に入手できるものである。赤外線スペクトルは、分
析する生成物を約1%含有する臭化カリウムディスクで
得た。
【0017】例1:N−フェニル−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 段階A:6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
カルボン酸 6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−[1])
カルボン酸(または、(6−ヒドロキシ−3,4−ジヒ
ドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H[1]ベン
ゾピラン−2−イル)カルボン酸)50g(0.2モ
ル)を、無水ピリジン150cm3 に溶解する。酢酸
9.4cm3 (0.1モル)を、窒素気流中で滴下して
加える。混合物を、30℃の温度で2時間撹拌する。冷
却後、混合物を氷に投入し、目的の生成物をエチルエー
テルで抽出し、有機相を0.2N塩酸溶液で洗浄した
後、水で洗浄して中和する。溶媒を蒸発させた後、油状
マスを集め、ジイソプロピルエーテル中で粉砕後、結晶
化する。
【0018】段階B:N−フェニル−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−カルボキシアミド 前段階において得られた化合物3.25g(11.1モ
ル)と無水ベンゼン40cm3 を丸底フラスコに入れ
る。溶解後、塩化チオニル1.2cm3 を加える。混合
物を3時間還流加熱し、放冷する。溶媒を真空下にて留
去する。残渣を無水ベンゼン30cm3 に溶解し、溶媒
を再度蒸発させて過剰の塩化チオニルを除去する。この
ようにして得られる酸塩化物を、ジクロロエタン20c
3 に溶解する。更に、アニリン1.04g(11.1
ミリモル)およびトリエチルアミン4.7cm3 を、ジ
クロロエタン20cm3 に溶解する。酸塩化物溶液を、
この混合物に滴下して加える。混合物を、常温で2時間
撹拌する。溶媒を真空下で除去する。残基を水30cm
3 に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和する。
生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を除
去した後、シリカゲルカラムを通過させ、イソプロピル
エーテルで溶出することにより、生成物を精製する。得
られる生成物の質量:3.3g 収率:80.9% − 融点:104〜105℃ − 赤外線スペクトルの特性 ν C=O :1750cm-1 ν C=O(アミド):1685cm-1 ν C=C :1595cm-1 ν SNH :1520cm-1
【0019】段階C:N−フェニル−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 前段階において得られたN−フェニル−6−アセトキシ
−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−
2H−1−ベンゾピラン−2−カルボキシアミド5.5
4g(17ミリモル)を、無水トルエン125cm3
溶解する。ローウェッソン試薬4.15g(10.2ミ
リモル)を添加した後、混合物を6時間還流加熱する。
溶媒を蒸発し、表題の化合物をシリカゲルカラムでジク
ロロメタンと共に溶出させて精製する。ジイソプロピル
エーテルから結晶化させた、黄色の結晶粉末が得られ
る。 収率:90%
【0020】例2:N−フェニル−6−ヒドロキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 2口の丸底フラスコ中で、例1の段階Bにおいて得られ
た化合物2.75g(7.48ミリモル)を、80%エ
タノール60cm3 に溶解する。窒素気流下に、2.5
N水酸化ナトリウム18cm3 を添加する。混合物を、
常温で2時間撹拌する。この混合物を水で希釈し、酢酸
で酸性化した後、生成物をジクロロメタンで抽出する。
有機相を水で洗浄した後、乾燥する。混合物を、シリカ
ゲルカラムを通過させ、イソプロピルエーテルで溶出す
ることにより精製し、N−フェニル−6−ヒドロキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−カルボキシアミドを得た後
(収率:86%、融点:107〜109℃)、N−フェ
ニル−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
カルボキシアミドをN−フェニル−6−ヒドロキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−カルボキシアミドに置き換
えて、例1の段階Cと同様に反応を実施する。 収率:34% − 融点:150〜152℃(ジイソプロピルエーテ
ル) − 赤外線スペクトルの特性: ν OH :3500cm-1 ν NH :3320cm-1 ν C=S : 720cm-1
【0021】第2工程 例1の化合物5.74ミリモルを60%エタノール80
cm3 に溶解し、窒素下に、2.5N水酸化ナトリウム
14cm3 を添加する。混合物を3時間撹拌した後、水
で希釈し、酢酸で酸性化する。生成物をジクロロ−メタ
ンで抽出し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
上で乾燥した後、溶媒を蒸発させる。得られたオイルを
イソプロピルエーテル15cm3 に溶解し、生成物を従
来のクロマトグラフィーまたはクリスタログラフィー分
離技術を用いることによって単離する。 表題の生成物が得られる: 収率:89% − 融点:150〜152℃ − 溶媒:ジイソプロピルエーテル
【0022】例3:N−(2,4,5−トリメチルフェ
ニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを、2,4,
5−トリメチルアニリンに置き換えることによって得ら
れる。
【0023】例4:N−(2,4,5−トリメチルフェ
ニル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド N−(2,4,5−トリメチルフェニル)−6−アセト
キシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチ
ル−2H−1−ベンゾピラン−2−カルボキシアミド
(融点:160〜162℃)を用い、例2と同様に反応
を実施することによって、表題化合物が得られる。 − 融点:124〜125℃(ジイソプロピルエーテ
ル) − 赤外線スペクトルの特性: ν NH :3320cm-1 ν OH :3450cm-1 ν C=S :1165cm-1
【0024】例5:N−(4,6−ジメチルピリド−2
−イル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−1―ベンゾピラン−
2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを、2−アミ
ノ−4,6−ジメチルピリジンに置き換えることによっ
て得られる。 例6:N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−6
−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボ
キシアミド 例1の化合物を例5の化合物に置き換えて、例2(第2
工程)と同様に反応を実施することにより、表題の化合
物が得られる。 − 収率:60% − 融点:180〜190℃(ジイソプロピルエーテ
ル) − 赤外線スペクトルの特性: ν(OH) :3420cm-1 ν(NH) :3310cm-1 ν(C=C、N=C):1620、1570cm-1
【0025】例7:N−(3,4,5−トリメトキシフ
ェニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−
2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを3,4,5
−トリメトキシアニリンに置き換えることによって得ら
れる。 例8:N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−6
−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボ
キシアミド 例1の化合物を例7の化合物に置き換えて、例2(第2
工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生成
物が得られる。 − 収率:82% − 融点:147〜148℃(ジイソプロピルエーテ
ル) − 赤外線スペクトルの特性: ν OH :3460cm-1 ν NH :3320cm-1
【0026】例9:N−ヘキシル−N−(4,6−ジメ
チルピリド−2−イル)−6−アセトキシ−3,4−ジ
ヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階BのアニリンをN−(4,
6−ジメチルピリド−2−イル)ヘキシルアミンに置き
換えることによって得られる。 例10:N−ヘキシル−N−(4,6−ジメチルピリド
−2−イル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例9の化合物に置き換えて、例2(第2
工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生成
物が得られる。
【0027】例11:N−フェニル−N−(ブテン−3
−イル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−
2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階BのアニリンをN−(ブテ
ン−3−イル)−アニリンに置き換えることによって得
られる。 例12:N−フェニル−N−(ブテン−3−イル)−6
−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボ
キシアミド 例1の化合物を例11の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。
【0028】例13:N−フルフリル−6−アセトキシ
−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−
2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンをフルフリル
アミンに置き換えることによって得られる。 例14:N−フルフリル−6−ヒドロキシ−3,4−ジ
ヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例13の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例15:N−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェ
ニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾ−ピラン−2
−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを4−ヒドロ
キシ−2,3−ジ−メチルアニリンに置き換えることに
よって得られる。 例16:N−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェ
ニル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 例1の化合物を例15の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例17:N−(5,7−ジメチルナフチリジン−2−イ
ル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−アミノ
−5,7−ジメチルナフチリジンに置き換えることによ
って得られる。 例18:N−(5,7−ジメチルナフチリジン−2−イ
ル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 例1の化合物を例17の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。
【0029】例19:N−シクロプロピルメチル−N−
(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−6−アセトキ
シ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル
−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階BのアニリンをN−(4,
6−ジメチルピリド−2−イル)シクロプロピルメチル
アミンに置き換え、還流温度での加熱段階を3時間から
24時間に延長することによって得られる。 例20:N−シクロプロピルメチル−N−(4,6−ジ
メチルピリド−2−イル)−6−ヒドロキシ−3,4−
ジヒドロ−2,5,7、8−テトラメチル−2H−1−
ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例19の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例21:N−(4−メチルキノル−2−イル)−6−ア
セトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシ
アミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−アミノ
−4−メチルキノリンに置き換えることによって得られ
る。 例22:N−(4−メチルキノル−2−イル)−6−ヒ
ドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシ
アミド 例1の化合物を例21の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例23:N−イソブチル−N−(4,6−ジメチルピリ
ド−2−イル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階BのアニリンをN−(4,
6−ジメチルピリド−2−イル)イソブチルアミンに置
き換えることによって得られる。 例24:N−イソブチル−N−(4,6−ジメチルピリ
ド−2−イル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例23の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。
【0030】例25:N−(2,6−ジメチルフェニ
ル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2,6−ジ
メチルアニリンに置き換えることによって得られる。 例26:N−(2,6−ジメチルフェニル)−6−ヒド
ロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメ
チル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシア
ミド N−(2,6−ジメチルフェニル)−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−カルボキシアミドを用い
て、例2(第2工程)と同様に反応を実施することによ
り、表題の生成物が得られる。 − 融点:122〜123℃(ジイソプロピルエーテ
ル) − 赤外線のスペクトルの特性: ν OH :3400cm-1 ν NH :3320cm-1 ν C=S :1040cm-1 例27:N−(2−カルボキシ−4,5−ジメトキシフ
ェニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−
2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−カルボ
キシ−4,5−ジメトキシアニリンに置き換えることに
よって得られる。 例28:N−(2−カルボキシ−4,5−ジメトキシフ
ェニル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−
2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例27の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例29:N−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシアニリンに置き換えることによ
って得られる。
【0031】例30:N−(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例29の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例31:N−(2−カルボキシ−4,6−ジメチルフェ
ニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−カルボ
キシ−4,5−ジメチルアニリンに置き換えることによ
って得られる。 例32:N−(2−カルボキシ−4,6−ジメチルフェ
ニル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 例1の化合物を例31の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例33:N−(2,4,6−トリメチルフェニル)−6
−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボ
キシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2,4,6
−トリメチルアニリンに置き換えることによって得られ
る。 例34:N−(2,4,6−トリメチルフェニル)−6
−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボ
キシアミド 例1の化合物を例33の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例35:N−(2−メチルキノル−4−イル)−6−ア
セトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシ
アミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを4−アミノ
−2−メチルキノリンに置き換えることによって得られ
る。
【0032】例36:N−(2−メチルキノル−4−イ
ル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 例1の化合物を例35の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例37:1−オキサ−2−オキソ−3,8−ジアザ−8
−(6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオ
カルボニル)スピロ[4.5]デカン 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを1−オキサ
−2−オキソ−3,8−ジアザスピロ[4.5]デカン
に置き換えることによって得られる。 例38:1−オキサ−2−オキソ−3,8−ジアザ−8
−((6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
イル)チオカルボニル)スピロ[4.5]デカン 例1の化合物を例37の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例39:N−(4−クロロ−1−ナフチル)−6−アセ
トキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメ
チル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシア
ミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを1−アミノ
−4−クロロナフタレンに置き換えることによって得ら
れる。 例40:N−(4−クロロ−1−ナフチル)−6−ヒド
ロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメ
チル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシア
ミド 例1の化合物を例39の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例41:N−(2−ナフチル)−6−アセトキシ−3,
4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−アミノ
ナフタレンに置き換えることによって得られる。
【0033】例42:N−(2−ナフチル)−6−ヒド
ロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメ
チル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシア
ミド 例1の化合物を例41の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例43:N−(イソキノル−5−イル)−6−アセトキ
シ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル
−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを5−アミノ
イソキノリンに置き換えることによって得られる。 例44:N−(イソキノル−5−イル)−6−ヒドロキ
シ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル
−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例43の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例45:N−(チアゾル−2−イル)−6−アセトキシ
−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−
2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−アミノ
チアゾルに置き換えることによって得られる。 例46:N−(チアゾル−2−イル)−6−ヒドロキシ
−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−
2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例45の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例47:N−{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾ
リジニル)メチル]−フェニル}−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階BのアニリンをN−{4−
[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]
フェニル}アミンに置き換えることによって得られる。
【0034】例48:N−{4−[(2,4−ジオキソ
−5−チアゾリジニル)メチル]−フェニル)−6−ヒ
ドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシ
アミド 例1の化合物を例47の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例49:N−((チエン−2−イル)メチル)−6−ア
セトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシ
アミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−チオフ
ェンメチルアミンに置き換えることによって得られる。 例50:N−((チエン−2−イル)メチル)−6−ヒ
ドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシ
アミド 例1の化合物を例49の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例51:N−ブチル−N−フェニル−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階BのアニリンをN−ブチル
アニリンに置き換えることによって得られる。 例52:N−ブチル−N−フェニル−6−ヒドロキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例51の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。
【0035】例53〜62:下記の生成物は、例1およ
び2に従って、適切なアミンを用いて実施することによ
り同様に得られる。 例53:N−メトキシエチル−6−アセトキシ−3,4
−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例54:N−メトキシエチル−6−ヒドロキシ−3,4
−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例55:N−フェニル−N−エトキシカルボニルメチル
−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8
−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカ
ルボキシアミド 例56:N−フェニル−N−エトキシカルボニルメチル
−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8
−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカ
ルボキシアミド 例57:N−グアニジノ−6−アセトキシ−3,4−ジ
ヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例58:N−グアニジノ−6−ヒドロキシ−3,4−ジ
ヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例59:1−((6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル)−3,3−ジメチルグ
アニジン 例60:1−((6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル)−3,3−ジメチルグ
アニジン 例61:N−{4−[(2−オキソ−1,2,3,5−
オキサチアジアゾル−4−イル)−メチル]フェニル}
−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8
−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカ
ルボキシアミド 例62:N−{4−[(2−オキソ−1,2,3,5−
オキサチアジアゾル−4−イル)−メチル]フェニル}
−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8
−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカ
ルボキシアミド
【0036】例63:N−(1,3−ジヒドロキシ−2
−メチル−2−プロピル)−6−アセトキシ−3,4−
ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−
ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例1の段階Bのアニリンを2−アミノ
−2−メチル−1,3−プロパンジオルに置き換えるこ
とによって得られる。
【0037】例64:N−(2,2,5−トリメチル−
1,3−ジオキサン−5−イル)−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例63の化合物3g(7.9ミリモル)を、2,2−ジ
メトキシプロパン45cm3 、無水ジメチルホルムアミ
ド15cm3 に溶解した後、パラ−トルエンスルホン酸
60mgを添加する。混合物を1時間還流加熱する。過
剰の2,2−ジメトキシプロパンを、真空下で蒸発させ
る。残渣の混合物を水で希釈する。生成物をジクロロメ
タンで抽出する。有機相を炭酸水素ナトリウム溶液で洗
浄後、水で洗浄する。表題化合物を、シリカゲルカラム
を通過させ、エチルエーテルで溶出することによって精
製する。表題の生成物が得られる。 例65:N−(2,2,5−トリメチル−1,3−ジオ
キサン−5−イル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例64の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題生成
物が得られる。
【0038】例66:N−(4,6−ジメチルピリド−
2−イル)−6−メトキシメトキシ−3,4−ジヒドロ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−チオカルボキシアミド 段階A:6−メトキシメトキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−カルボン酸 6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−カルボン
酸50g(0.2モル)を、無水ピリジン150cm3
に溶解する。ブロモメチルメチルエーテル16.34c
3 (0.2モル)を、滴下して加える。混合物を2時
間撹拌した後、溶液を氷に投入する。混合物を酢酸で酸
性にした後、塩化メチレンで抽出する。有機相を水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、表題生成物
を、シリカゲルのカラムを通過させ、塩化メチレンで溶
出することによって精製する。
【0039】段階B:N−(4,6−ジメチルピリド−
2−イル)−6−メトキシメトキシ−3,4−ジヒドロ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−カルボキシアミド 前段階の化合物5.4g(18.47ミリモル)を無水
ベンゼン30cm3 に溶解し、塩化チオニル2.2cm
3 (27.41ミリモル)を添加し、混合物を3時間還
流加熱し、過剰塩化チオニルを除去しながら溶剤を真空
下に除去する。このようにして得られた酸塩化物を、ジ
クロロエタン30cm3 に溶解する。2−アミノ−4,
6−ジメチルピリジン2.26g(18.5ミリモル)
を、別の容器中でジクロロエタン20cm3 に溶解し、
トリエチルアミン7.7cm 3 を添加し、前記の酸塩化
物溶液を滴下してこの混合物に注入する。8時間撹拌し
た後、溶剤を真空下に蒸発させ、残渣を水30cm3
溶解し、NaHCO3溶液で中和し、塩化メチレンで抽
出し、有機相を水で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾
燥する。溶剤の蒸発後、混合物をシリカゲル上でクロマ
トグラフィーを行い、塩化メチレンで溶出して精製す
る。
【0040】段階C:N−(4,6−ジメチルピリド−
2−イル)−6−メトキシメトキシ−3,4−ジヒドロ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−チオカルボキシアミド N−フェニル−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミドを前記の段階Bで得た化
合物に置き換えて、例1の段階Cと同様に反応を実施す
ることにより、表題の生成物が得られる。
【0041】例67:N−(4,6−ジメチルピリド−
2−イル)−6−エトキシカルボニル−メトキシ−3,
4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 段階Aのブロモメチルメチルエーテルをエチルブロモア
セテートに置き換えて、例66と同様に反応を実施する
ことにより、表題の生成物が得られる。 例68:N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−
6−カルボキシメトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 例67の化合物1.77g(4ミリモル)を、エタノー
ル40cm3 に溶解する。2N水酸化ナトリウム4cm
3 を、滴下して加える。混合物を2時間撹拌した後、反
応混合物を水60cm3 で希釈し、酢酸で酸性化する。
混合物をろ過し、水で洗浄した後乾燥して表題の生成物
を得る。 例69:N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−
6−エトキシエトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 段階Aのブロモメチルメチルエーテルをブロモエチルエ
ーテルに置き換えて、例66と同様に反応を実施するこ
とにより、表題の生成物が得られる。 例70:N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−
6−エオキシカルボニル−オキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミド 例66の段階Aのブロモメチルメチルエーテルをエチル
ブロモホルメートに置き換えて、例66と同様に反応を
実施することにより、表題の生成物が得られる。 例71:N−フェニル−2−(6−アセトキシ−3,4
−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)チオアセトアミド 例1の段階Aにおいて6−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−カルボン酸を(6−ヒドロキシ−3,4−
ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−
ベンゾピラン−2−イル)酢酸に置き換えて、例1と同
様に反応を実施することにより、表題の生成物が得られ
る。 例72:N−フェニル−6−アセトキシ−3,4−ジヒ
ドロ−5,7,8−トリメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミド 例1の段階Aにおいて6−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−カルボン酸を6−ヒドロキシ−3,4−ジ
ヒドロ−5,7,8−トリメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−カルボン酸に置き換えて、例1と同様に反応
を実施することにより、表題の生成物が得られる。
【0042】例73:N−フェニル−6−アセトキシ−
3,4−ジヒドロ−2−メチル−7−第三−ブチル−2
H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の段階Aにおいて6−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−カルボン酸を6−ヒドロキシ−3,4−ジ
ヒドロ−2−メチル−7−第三−ブチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−カルボン酸に置き換えて、例1と同様
に反応を実施することにより、表題の生成物が得られ
る。 例74:N−フェニル−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒ
ドロ−2−メチル−7−第三−ブチル−2H−1−ベン
ゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例1の化合物を例73の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例75:N−フェニル−6−ヒキサノイルオキシ−3,
4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 段階Aの無水酢酸をヘキサン酸の塩化物に置き換えて、
例1と同様に反応を実施することにより、表題の生成物
が得られる。 例76:N−フェニル−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒ
ドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベン
ゾピラン−2−チオカルボキシアミド −第3工程− 例1の化合物を例75の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 融点:150〜152℃ 例77:N−(2,6−ジメチルフェニル)−6−ヘキ
サノイルオキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカル
ボキシアミド 段階Aにおいて無水酢酸をヘキサン酸の塩化物に、段階
Bにおいてアニリンを2,6−ジメチルアニリンに置き
換えて、例1と同様に反応を実施することにより、表題
の生成物が得られる。
【0043】例78:N−(2,6−ジメチルフェニ
ル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド −第3工程− 例1の化合物を例77の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例79:N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−
6−ヘキサノイルオキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
チオカルボキシアミド 段階Aにおいて無水酢酸をヘキサン酸の塩化物に、段階
Bにおいてアニリンを2−アミノ−4,6−ジメチルピ
リジンに置き換えて、例1と同様に反応を実施すること
により、表題の生成物が得られる。 例80:N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル)−
6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカル
ボキシアミド −第3工程− 例1の化合物を例79の化合物に置き換えて、例2(第
2工程)と同様に反応を実施することにより、表題の生
成物が得られる。 例81:N−(3,5−ジ(第三−ブチル)−4−ヒド
ロキシフェニル)−6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−チオカルボキシアミド 段階Bにおいてアニリンを3,5−ジ(第三−ブチル)
−4−ヒドロキシアニリンに置き換えて、例1と同様に
反応を実施することにより、表題の生成物が得られる。 例82:N−(3,5−ジ(第三−ブチル)−4−ヒド
ロキシフェニル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−チオカルボキシアミド 例81の化合物から出発して、例2(第2工程)と同様
に反応を実施することにより、表題の生成物が得られ
る。 融点:172〜174℃
【0044】例83:1−[(3,4−ジヒドロ−6−
アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]―4−フ
ェニルピペラジン 段階A:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)カルボニル]―4−フェニルピペラジン 6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−カルボン
酸(段階A、例1)3gを、無水ベンゼン30cm3
溶解する。塩化チオニル3等量(eq)を添加する。混
合物を6時間還流加熱する。混合物を蒸発させ、残渣を
ベンゼンで2回処理し、蒸発させる。残渣をジクロロエ
タン20cm3 に溶解する。フェニルピペラジン(1.
2eq、すなわち3.9cm3 )をジクロロエタン20
cm3 で希釈する。その後、酸塩化物を含有する溶液を
氷温で滴下して加える。混合物を室温に戻す。一晩撹拌
を継続する。混合物を濾過し、蒸発させ、シリカゲルカ
ラムを通し、ジクロロメタンで溶出して精製する。 − 収率:77% − 融点:112〜113℃
【0045】段階B:1−[(3,4−ジヒドロ−6−
アセトキシ−2,5,7,8−テトラ−メチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−
フェニルピペラジン 前段階において得られた化合物2.2g(5.03ミリ
モル)を、無水トルエン70cm3 に溶解する。ローウ
ェッソン試薬2gを添加する。混合物を8時間還流加熱
する。溶剤を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラム中
で、ジクロロメタンで溶出して精製すると、1.3gが
単離され、これは56%の収率であった。 − 融点:125〜126℃
【0046】例84:1−[(3,4−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−フ
ェニルピペラジン 前記で得られた化合物1.1gをエタノール50cm3
に溶解する。1N水酸化ナトリウム溶液約15cm
3 (7eq)を添加する。混合物を窒素気流下に、室温
で2時間撹拌する。混合物を水で希釈し、1/2に希釈
した酢酸で酸性化する。混合物を濾過する。残渣をジク
ロロメタンに溶解し、硫酸ナトリウム上で乾燥される。
溶液を濾過し、蒸発させる。 − 収率:90% − 融点:202〜203℃ − 赤外線スペクトルの特性: ν(OH) :3435cm-1 例85〜104:適当に置換されたアミンを用い、他に
指定しない限り例83および84と同様に反応を実施す
ることにより、下記の例の化合物を得る。 例85:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(2−ピリジ
ル)ピペラジン − 収率:47% − 融点:163〜164℃ 例86:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(2−ピリジ
ル)ピペラジン − 収率:91.6% − 融点:160〜161℃ − 赤外線のスペクトルの特性: ν(OH) :3480cm-1 例87:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4−フルオロ
フェニル)ピペラジン − 収率:74.1% − 融点:134℃ 例88:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4−フルオロ
フェニル)ピペラジン − 収率:43.7% − 融点:141〜142℃
【0047】例89:1−[(3,4−ジヒドロ−6−
アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]―4−
(4−クロロベンズヒドリル)ピペラジン
【化27】 (例89) − 収率:73% − 融点:155〜156℃ 例90:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−クロロベ
ンズヒドリル)ピペラジン − 収率:39% − 融点:166〜167℃ 例91:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4−クロロフ
ェニル)ピペラジン 例92:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−クロロフ
ェニル)ピペラジン) − 収率:39.6% − 融点:154〜155℃(ジイソプロピルエーテ
ル) − 赤外線スペクトルの特性: ν(OH) :3500cm-1 例93:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(2,3,4−
トリメトキシベンジル)ピペラジン 例94:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(2,3,4−
トリメトキシベンジル)ピペラジン − 収率:31.3% − 融点:124〜125℃(ジイソプロピルエーテ
ル)
【0048】例95:1−[(3,4−ジヒドロ−6−
アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]―4−
(3,4,5−トリメトキシベンジル)ピペラジン 例96:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(3,4,5−
トリメトキシベンジル)ピペラジン − 融点:82℃(イソプロピルエーテル) 例97:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(1−ヒドロキ
シ−1,1−ジフェニルメチル)ピペラジン 例98:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(1−ヒドロキ
シ−1,1−ジフェニルメチル)ピペラジン 例99:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4,4’−ジ
フルオロジフェニルメチル)ピペラジン
【0049】例100:1−[(3,4−ジヒドロ−6
−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]―4−
(4,4’−ジフルオロジフェニルメチル)ピペラジン アセトキシ基の加水分解:例99の化合物0.6g
(0.001モル)をメタノール400cm3 に溶解す
る。水酸化カリウム15cm3 を添加する。混合物を窒
素気流下に2時間撹拌し、5N塩酸で酸性化し、濾過す
る。黄色の粉末0.4gが得られる。 − 収率:36.2% − 融点:204〜205℃. 例101:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4−メトキ
シフェニル)ピペラジン 例102:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−l−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−メトキ
シフェニル)ピペラジン) − 融点:120〜121℃(イソプロピルエーテル) 元素分析 C H N 理論% 68.13 7.32 6.35 実測% 67.94 7.47 6.33 例103:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4,6−ジ
メチルピリド−2−イル)ピペラジン 例104:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]―4−(4,6−ジ
メチルピリド−2−イル)ピペラジン − 融点:134℃
【0050】例105:1−[(3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−6−トリメチルアセト
キシ−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボ
ニル]−4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン 段階A:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)カルボニル]−4−(4−メトキシフェ
ニル)ピペラジン 3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−カルボン酸5g(0.017モル)を、無
水テトラヒドロフラン(THF)150cm3に溶解す
る。カルボニルジイミダゾル(CDI)3g(1.1e
q、すなわち0.018モル)を添加する。混合物を室
温で1時間撹拌させる。次いで、1−(4−メトキシフ
ェニル)ピペラジン9.5g(0.034モル)を、T
HF20cm3 に溶解して添加する。混合物を一晩撹拌
し、蒸発させ、残渣をジクロロメタンに溶解する。有機
相を2N塩酸で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥
し、蒸発させる。イソプロピルエーテルから結晶化させ
た油状生成物を採取する。 − 収率:64.38% − 融点:149〜150℃(ジイソプロピルエーテ
ル)
【0051】段階B:1−[(3,4−ジヒドロ−2,
5,7,8−テトラメチル−6−トリメチルアセトキシ
−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)カルボニル]−
4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン 段階Aにおいて得られた化合物4.4g(0.01モ
ル)を、丸底フラスコ中で無水ピリジン75cm3 に溶
解する。塩化トリメチル酢酸4.99g(4eq、すな
わち0.04モル)を滴下して加える。混合物を80℃
とし、72時間撹拌を継続する。混合物を氷に投入し、
エーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、蒸発させる。ジイソプロピルエーテ
ルから結晶化させたオイルを採取する。 − 収率:70% − 融点:141〜142℃(ジイソプロピルエーテ
ル) 段階C:1[(3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
トラメチル−6−トリメチルアセトキシ−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−
メトキシフェニル)ピペラジン 例83の段階Bと同様に反応を実施し、目的の化合物を
生成する。 − 収率:64.7% − 融点:101〜102℃(ジイソプロピルエーテ
ル) 例106:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(1,1−ジ
フェニル−1−アセトキシメチル)ピペリジン 段階A:1−[(6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)カルボニル]−4−(1,1−ジフェニ
ル−1−ヒドロキシメチル)ピペリジン 3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−2H−1−ベンゾ
ピラン−2−カルボン酸2.7g(0.0094モル)
を、無水ベンゼン150cm3 に溶解する。塩化チオニ
ル4cm3 を滴下して加える。混合物を還流温で4時間
放置し、溶剤を蒸発させる。残渣をベンゼンに溶解した
後、再び蒸発させる。この操作を2回繰り返す。油状の
残渣を無水ジクロロエタン30cm3 で希釈する。この
酸塩化物溶液を、1,1−ジフェニル−1−(4−ピペ
リジル)メタノール6g(0.22モル)をジクロロエ
タン100cm3 に懸濁した懸濁液に一滴ずつ注入す
る。混合物を一晩撹拌し、濾過し、蒸発させる。シリカ
カラムにおいてジクロロメタンで溶出して精製し、オイ
ルを得る。ジイソプロピルエーテルから結晶化させたオ
イルを採取する。 − 収率:77.5% − 融点:188〜189℃(イソプロピルエーテル)
【0052】段階B:1−[(6−アセトキシ−3,4
−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)カルボニル]−4−(1,
1−ジフェニル−1−アセトキシメチル)ピペリジン 前段階において得られた化合物0.5g(0.002モ
ル)を、氷温で、塩化アセチル溶液30cm3 に投入す
る。混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発させる。油状の残
渣を無水ベンゼンに溶解し、蒸発させ、得られたオイル
を中性のシリカカラムを通し、ジクロロメタンで溶出し
て精製する。
【0053】段階C:1−[(6−アセトキシ−3,4
−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−
(1,1−ジフェニル−1−アセトキシメチル)ピペリ
ジン Lawessonの試薬0.3g(0.72ミリモル)
を、前段階において得られた化合物400mg(0.0
06モル)を無水トルエン100cm3 に溶解した溶液
に添加する。混合物を還流温度で12時間放置し、蒸発
させ、得られたオイルをシリカカラムにおいてジクロロ
メタンで溶出して精製する。黄色のオイルが得られる。 − 収率:67% 例107:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(1,1−ジ
フェニルメチリジニル)ピペリジン 1M NaOH5cm3 を、例106で得られた化合物
0.4g(0.7モル)のエタノール溶液30cm3
添加する。混合物を窒素気流下に2時間撹拌し、水50
cm3 を添加する。混合物を2M塩酸で酸性化し、濾過
する。 − 収率:83.3%
【0054】例108:N−フェニル−3,4−ジヒド
ロ−6−アセトキシ−3,5,7,8−テトラメチル−
2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 段階Aにおいて6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−カルボン酸を、6−ヒドロキシ−3,4−ジヒ
ドロ−3,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベン
ゾピラン−2−カルボン酸に置き換えて、例1と同様に
反応を実施することにより、表題の生成物が得られる。 例109:N−フェニル−3,4−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−3,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 表題の生成物は、例108の化合物から出発して、例2
と同様に反応を実施することにより得られる。 − 収率:45% − 融点:175℃
【0055】例110:1−[(3,4−ジヒドロ−6
−アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−
(第三−ブトキシカルボニル)ピペラジン 段階A:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)カルボニル]ピペラジン 3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−カルボン
酸2.7g(0.009モル)を、無水ジクロロエタン
200cm3 に溶解する。カルボニルジイミダゾル1e
q(0.009モル)、すなわち1.5gを添加する。
混合物を1時間撹拌した後、ジクロロエタン200cm
3 に溶解したピペラジン7.5g(0.009モル)を
添加する。蒸発後に得られたオイルを、シリカカラムに
おいてCH2 Cl2 /エタノール/NH4 OH(88/
10/2)混合物で溶出して精製し、イソプロピルエー
テルから結晶化させる。 − 収率:51%
【0056】段階B:1−[(3,4−ジヒドロ−6−
アセトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
−ベンゾピラン−2−イル)カルボニル]4−(第三−
ブトキシカルボニル)ピペラジン ジ−第三−ブチルピロカーボネート1g(1.1eq、
すなわち0.004モル)を、前段階において得られた
化合物1.4g(0.03モル)とトリエチルアミン
0.75cm3 を水およびジオキサンの50%混合液中
に溶解した溶液に添加する。混合物を室温で2時間撹拌
する。蒸留したエチルアセテートと水を添加する。有機
相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、カラムに
おいて塩化メチレンで溶出し精製する。透明な油状生成
物が得られる。 − 収率:60% 段階C:1−[(3,4−ジヒドロ−6−アセトキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−イル)チオカルボニル]―4−(第三−ブトキ
シカルボニル)ピペラジン 目的の化合物は、例83の段階Bと同様に反応を実施す
ることによって得られる。
【0057】例111:1−[(6−アセトキシ−3,
4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]ピペラ
ジン 例110において得られた化合物1.1g(2.3×1
-3モル)を、トリフルオロ酢酸30cm3 に溶解す
る。混合物を2時間撹拌し、蒸発させ、残渣を塩化メチ
レンに溶解する。トリエチルアミン4cm3 を添加す
る。混合物を3時間撹拌する。有機相を水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、黄色の光沢の
ある物質が得られる。 − 収率:81% 例112:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−[2,6−ジ
(1−ピロジニリル)−4−
【化28】 例111において得られた化合物0.8g(1.8×1
-3モル)および4−クロロ−2,6−ジ(1−ピロジ
ニリル)ピリミジン1.5g(5.6×10-3モル)を
無水ピリジン50cm3 に溶解する。混合物を2時間還
流加熱し、蒸発させ、残渣をジクロロメタンに溶解す
る。有機相を1N塩酸で洗浄し、蒸発後に得られた油状
生成物をシリカカラムにおいてジクロロメタンで溶出し
て精製する。黄色の油状生成物が得られる。 − 収率:25% − 融点:168℃ − 赤外線スペクトルの特性: ν(OH) :3440cm-1
【0058】例113〜122:前記の方法を用いるこ
とによって、適当な出発物質から下記の例の化合物を得
ることも可能である。 例113:N−フェニル−6−アセトキシ−3,4−ジ
ヒドロ−3−エチル−5,7,8−トリメチル−2H−
1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例114:N−フェニル−6−ヒドロキシ−3,4−ジ
ヒドロ−3−エチル−5,7,8−トリメチル−2H−
l−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド 例115:1−[(6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ
−3−エチル−5,7,8−トリメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−
フルオロフェニル)ピペラジン 例116:1−[(6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ
−3−エチル−5,7,8−トリメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−
フルオロフェニル)ピペラジン 例117:1−[(6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ
−7−第三−ブチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イ
ル)チオカルボニル]−4−(4−フルオロフェニル)
ピペラジン 例118:1−[(6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ
−7−第三−ブチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イ
ル)チオカルボニル]−4−(4−フルオロフェニル)
ピペラジン 例119:1−[(6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ
−5,7,8−トリメチル−2H−1−ベンゾピラン−
2−イル)チオカルボニル]−4−(4−フルオロフェ
ニル)ピペラジン 例120:1−[(6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ
−5,7,8−トリメチル−2H−1−ベンゾピラン−
2−イル)チオカルボニル]−4−(4−フルオロフェ
ニル)ピペラジン 例121:1−[(6−アセトキシ−3,4−ジヒドロ
−3,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−フルオ
ロフェニル)ピペラジン 例122:1−[(6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ
−3,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−(4−フルオ
ロフェニル)ピペラジン 例123:N−(4−グアニジノ−1−ブチル)−3,
4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テト
ラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキ
シアミド 例124:エチル 1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒ
ドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−
ベンゾピラン−2−イル)チオカルボニル]−4−ヒド
ロキシピロリジン−2−カルボキシレート 例125:1−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−2−イル)チオカルボニル]−4−ヒドロキシピ
ロリジン−2−カルボン酸
【0059】本発明の化合物の薬理試験 (本化合物を、国際公開WO 88/08424号明細
書の例102に記載の先行技術の最も類似した化合物と
比較する) 例A:抗過酸化活性の試験 本発明の化合物の・OHラジカル補足することができる
作用を、ラット脳ホモジネートを用いて、一方では脂質
の自発性の過酸化について、他方ではFe2+/アスコル
ビン酸(10μm /250μm )系によって誘導される
過酸化について研究した。自発性の脂質過酸化の測定で
は、ラット脳ホモジネートを試験化合物の存在下または
非存在下に、37℃で60分間置いた。反応を0℃で停
止し、マロンジアルデヒドの定量分析を、Yagi,
K.、(1976)、Biochem.Med.、1
5、212〜216の方法によりチオバルビツル酸を用
いて行う。脂質過酸化は、マロンジアルデヒドのナノモ
ル数として表されるチオバルビツル酸と反応する物質に
よって定量する。誘導された脂質過酸化の測定の際に
は、ホモジネートにラジカル誘発系であるFe2+/アス
コルビン酸を添加すること以外は、前記と同じ方法をと
った。対照物質はプロブコールおよびビタミンEであ
る。基質の過酸化を50%阻害する試験化合物の濃度、
または10-5Mの濃度の本発明の化合物の酸化防止活性
を計算する。本発明のある種の化合物は、先行技術の最
も類似した化合物の100倍強い特別強力な過酸化防止
活性を有すると思われる。この非常に有利な結果は、過
酸化が自発的なものまたは化学系によって誘導されるも
のかに関わらず得られる。
【表1】
【0060】例B:酸化からLDLを保護する能力の検
討 本発明の化合物の、酸化LDLの割合を減少させる能力
を、下記の方法で測定した。正常なLDL、フリーラジ
カルを生成するCu2+系、および試験化合物を、一緒に
24時間インキュベーションする。高性能クロマトグラ
フィー法であるFPLC(迅速タンパク質液体クロマト
グラフィー)によって媒質の分析を行った後、結果を得
る。試験化合物の保護能力は、陽性対照物質であるプロ
ブコールで得られたクロマトグラムとの比較により検討
する。本発明の化合物が非常に顕著な保護作用を有し、
それは先行技術の最も類似した化合物のものよりも著し
く強力であることは明らかである。
【0061】例C:本発明によって用いられる式(I)
の化合物の、エイコサノイドの合成に対する阻害活性の
検討 1)シクロゲナーゼから生じるエイコサノイドの合成に
対する、阻害活性の検討この検討の目的は、カルシウム
イオノフォアA23187によって刺激されたヒト顆粒
球のシクロオキシゲナーゼにより産生される主要なエイ
コサノイドの1つであるプロスタグランジンE2 (PG
2 )の分泌に対する、本発明により用いられる分子の
阻害活性を測定することである。 方法: ヒト顆粒球の単離 2週間のあいだ医薬を服用していない血液提供者からの
ヒト静脈血を、血液10容量当たり抗凝固剤(2.73
%クエン酸、4.48%クエン酸ナトリウム、2%グル
コース)1容量が入っているポリプロピレンチューブ中
に採血する。採血後1時間以内に、6%デキストランを
血液に添加する(0.3cm3 /cm3 血液)。37℃
で30分間インキュベートした後、白血球を豊富に含む
血漿を100gの速度で5分間、4℃で遠心分離する。
沈殿を、0.83%NH4 Cl3cm3 で再懸濁し(混
入している赤血球を溶解するため)、100gの速度で
5分間、4℃で遠心分離する。単核および多核の白血球
を豊富に含む沈殿を、下記の組成(ミリモル)、137
NaCl、2.68KCl、8.1Na2 HPO4
1.47KH2 PO4 、0.9CaCl2 、0.5Mg
Cl2 を含有するリン酸塩緩衝液(pH7.4)5cm
3 中に回収し、Ficoll Type 400溶液3
cm3 で1.077の密度で沈殿させる。420gの速
度で30分間、4℃で遠心分離した後、顆粒球を豊富に
含む沈殿をリン酸塩緩衝液5cm3 で再懸濁し、100
gの速度で5分間、4℃で遠心分離する。最終的に、顆
粒球を計数してリン酸塩緩衝液で密度を3×106 細胞
/cm3 に合わせる。
【0062】カルシウムイオノフォアA23187によ
る顆粒球の刺激:細胞(3×106 細胞/cm3 )を、
試験生成物の非存在下または所望の濃度での存在下にお
いて、37℃で15分間プレインキュベーションする。
その後、細胞を、5×10-6MのA23187(原液は
DMSO中に10-2M)で、15分間、37℃で刺激す
る。基準値は、試験生成物もA23187も添加しない
細胞から測定する。反応を氷中で停止し、250gの速
度で5分間、4℃で遠心分離した後、上清を回収する。 PGE2 の定量分析:産生したPGE2 の量を、放射線
免疫試験(RIA)によって測定する。検量範囲は、通
常のPGE2 濃度と同じ条件下で作成する。 結果:本発明に記載の式(I)の化合物は、シクロオキ
シゲナーゼによるエイコサノイドの合成に対し阻害活性
を示し、これはプロブコールのものよりも非常に強力で
ある。
【0063】2)リポキシゲナーゼから生成するエイコ
サノイドの合成に対する阻害活性の検討 エイコサノイドの合成に対する本発明に記載の式(I)
の化合物の阻害活性を、洗浄したヒト多核細胞におい
て、試験化合物の存在下または非存在下において、カル
シウム(カルシウムイオノフォアA23187)による
細胞活性化の後に測定する。ヒト多核細胞でリポキシゲ
ナーゼにより産生される主要なエイコサノイドであるロ
イコトリエンB4 (LTB4 )の産生を、放射性免疫試
験によって測定する。本発明に記載の式(I)の化合物
は、リポキシゲナーゼによるエイコサノイドの合成に対
する阻害活性を示し、これはプロブコールのものよりも
非常に強力である。
【表2】本発明の化合物の、リポキシゲナーゼによるエ
イコサノイドの合成に対する阻害活性
【0064】結論 例Cの試験1および2は、本発明に記載の化合物がエイ
コサノイドの合成に対し強い阻害活性を有することを示
している。 例D:本発明の化合物の細胞内pHに対する保護作用の
試験 本発明の化合物の細胞内pHに対する保護作用を、培養
カルジオサイトのCl- /HCO3-担体(細胞内pHレ
ギュレーター)において試験した。 方法:培養カルジオサイト(Eur.J.Pharma
col.,1991,205巻,29〜34頁) 細胞:ATCC(ロックビル、メリーランド、米国)に
よって市販されているラットの心臓の筋芽細胞(H9
2 )のラインを用いた。これらの細胞では、重炭酸塩の
一方向性の排出は殆どの場合ナトリウム非依存性Cl-
/HCO3-交換体によって行われ、重炭酸塩の一方向性
の流入は殆どの場合細胞外Na+ と結合した重炭酸塩担
体(ナトリウム依存性Cl- /HCO3-交換体)によっ
て行われる。同時に起こる細胞内pHの変動は、蛍光分
光測定により追跡することができる。細胞を75cm2
培養フラスコ中で培養した。各過程で、細胞をトリプシ
ン処理により剥離した。細胞を、特別な容量の新しい培
養培地に再び懸濁し、3.15cm2 の無菌カバーグラ
ス上に播種する。細胞は、1〜2日後に、コンフルエン
トの状態で使用する。 BCECF(2′,7′−ビス(カルボキシエチル)−
5(6)−カルボキシフルオレセイン)を用いた細胞内
pHの測定:フルオレセインから誘導した分子、BCE
CFを用いたが、この螢光はそのプロトン化の状態によ
って変化するのであり、この分子は508nmで励起さ
れた後、525nmで特有の特徴的な蛍光を発するが、
pHが小さいので総て小さい。BCECFの螢光を細胞
内pHについて、K+ 濃度が細胞内K+ 濃度と等しい培
地中で、ニゲリシン(K+ をH+ と交換し、細胞内外の
pHを等しくするイオノフォア)10μMの存在下に検
量する。既知量の1M MOPS酸(4−モルホリノプ
ロパンスルホン酸)を、量を増やしながら培地に添加
し、その結果生じるpHおよび螢光を測定する。
【0065】BCECF荷電:初期培養培地を取り除
き、リンゲル液で2回洗浄した後、エステル化体である
BCECF−AMを含有するリンゲル液1cm3 中で、
37℃でカバーグラスをインキュベートする。リンゲル
液は以下の組成(ミリモル)、NaCl 145、KC
l 5、MgCl2 1、CaCl2 1、MOPS−
TRIS 10(pH7.4)、グルコース5を含有す
る。その後培地をBCECF−AMを含まないリンゲル
液と交換し、細胞を37℃で10分間培養して、ラベル
の脱エステル化を良好に起こさせる。最終的に、細胞を
リンゲル液中、またはNa+ Cl-25mMをNa+
CO3-25mMで置換した同様の培地(重炭酸塩培地)
(pHは一定)中で、室温(25℃)で10分間培養す
る。この最終段階は、細胞を実験温度に適応させるため
のものである。適宜、それは重炭酸塩の機能として細胞
質pHの平衡化を可能とする。重炭酸塩の流入を測定す
る目的では、細胞を重炭酸塩の非存在化にプレインキュ
ベートした後、実験における測定は重炭酸塩の存在下で
実施する(重炭酸塩流入期=アルカリ性化)。逆に、重
炭酸塩の排出を測定する目的では、細胞を重炭酸塩の存
在下でプレインキュベートした後、実験における測定を
重炭酸塩の非存在化で実施する(重炭酸塩排出期=酸性
化)。重炭酸塩の排出に対する実験では、[Na
+ + ]交換体が活性化するとき発生するpH平衡を低
下させるため、アミロライド2mMの存在下で実施する
ことに留意すべきである。
【0066】螢光の測定 カバーグラスを、実験的培地(リンゲル液または重炭酸
塩培地)2cm3 を入れた蛍光計のタンクに置いた支持
台上に垂直に設置する。508nmで励起後、島津RF
5000蛍光分光計において525nmで螢光を測定す
る。励起および放射スリットは5nmである。測定は室
温(25℃)で2秒ごとに行う。標準的な実験(1枚の
カバーグラス)は、約15分継続する。適宜、実験終了
時に、K+ 培地にニゲリシンを添加し、引き続いて一定
量の酸(2cm3 の容量中に1M MOPS5μl)を
添加することにより検量を行う。これらの実験におい
て、細胞の自己螢光およびバックグラウンドノイズは無
視できるものである(総シグナルの1%未満、すなわち
シグナル/ノイズ比は100を上回る)。
【0067】結果:本試験の結果は、本発明の化合物
が、カルジオサイトからの重炭酸塩の排出の非常に強力
な阻害剤であることを示している。カルジオサイトから
の重炭酸塩の排出は、ナトリウム非依存性Cl- /HC
3-交換体によって行われ、ナトリウム依存性のものに
より行われるものではない。一方、本発明の化合物は、
ナトリウム依存性Cl- /HCO3-交換体によって実質
的に行われる重炭酸塩の流入に対しては、非常に弱い阻
害剤であると思われる。結論として、本発明の化合物
は、細胞で重炭酸塩の保持に関わる性質を持つナトリウ
ム非依存性Cl- /HCO3-交換体の、強力な阻害剤で
ある。これは、虚血組織においては、細胞の酸性化の中
和、およびこの酸性化に伴うイオン性および代謝性の傷
害に対して好ましいものである。
【0068】例E:急性毒性試験 急性毒性は、一群3匹のマウス(20±2g)に、式
(I)の化合物(0.1/0.25/0.50/0.7
5/1g/kg)を経口投与して評価した。投与後、最
初の日は一定間隔で、2週間のあいだ毎日、動物を観察
した。式(I)の化合物は完全に無毒性であると思われ
る。1g.kg-1の用量を投与後でも死亡は認められな
かった。この用量の投与後、障害は認められない。
【0069】例F:製薬組成物:錠剤 N−フェニル−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−2−チオカルボキシアミド10mg用量を含有する
錠剤 1000錠を調製する処方: N−フェニル−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメ チル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボキシアミド・・・・10g 小麦澱粉 ・・・・15g トウモロコシ澱粉 ・・・・15g 乳糖 ・・・・65g ステアリン酸マグネシウム ・・・・ 2g シリカ ・・・・ 1g ヒドロキシプロピルセルロース ・・・・ 2g
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/435 31/44 31/445 31/47 31/495 31/505 C07D 311/66 311/70 311/72 101 102 405/12 213 215 217 239 407/12 307 311 409/12 311 417/12 277 471/04 113 498/20 (72)発明者 ピエール ルナール フランス国ヴェルサイユ,アヴニュ ドゥ ヴィルニューブ レタング 50 (72)発明者 ダニエル − アンリ ケニャール フランス国パリ,リュ ブランシオン 69 ビ (72)発明者 ジャン − フランソワ ルノ ドゥ ラ ファヴリ フランス国ル シュスネ,ロックンクー ル,リュ デ エラブル 7 (72)発明者 ジェラール アダム フランス国ル メスニル ル ルワ,クロ デュ メスニル − ルト デュ ペク 9 (56)参考文献 特開 平2−215778(JP,A) 特表 平2−503198(JP,A) 欧州特許出願公開436936(EP,A)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、 nは、0または1の整数であり、 R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、およびR7 は、同一で
    あるかまたは異なり、それぞれ水素原子または低級アル
    キル基Ra −を表し、Ra は1〜8個の炭素原子を有す
    る線状または分枝したアルキル基であり、 R5 は、 − 水素原子、 − 低級アルキル基Ra −、 − 低級アシル基Ra −CO−、 − Ra −O−Rb −の形態のアルコキシアルキル基、 − Ra −O−CO−の形態のアルコキシカルボニル
    基、 − Ra −O−CO−Rb −の形態のアルコキシカルボ
    ニルアルキル基、 − HOOC−Ra −の形態のカルボキシアルキル基、 〔但し、Ra およびRb は、同一であるかまたは異な
    り、それぞれ1〜8個の炭素原子を有する線状または分
    枝したアルキル基である〕であり、 R8 およびR9 は、 − それらが結合している窒素原子と一緒になって、 ・ピペラジン、 ・置換ピペラジン、 ・ピペリジン、 ・置換ピペリジン、 ・ピロリジン、 ・置換ピロリジン、 ・モルホリン、 ・1個以上のアルキル基で置換されたモルホリン、 ・テトラヒドロピリジン、 ・チオモルホリン、 ・5〜12個の構成員を有するアザスピラン、 ・1個以上のアルキル基またはオキソ基で置換された、
    5〜12個の構成員を有するアザスピラン、 ・7〜12個の構成員を有し、所望により酸素、硫黄お
    よび窒素から選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を
    その骨格に含む単環式または二環式のアザシクロアルキ
    ル、 ・7〜12個の構成員を有し、1個以上のアルキル基ま
    たはオキソ基で置換され、所望により酸素、硫黄および
    窒素から選択される1〜2個の追加のヘテロ原子を含む
    単環式または二環式のアザシクロアルキル、 ・基−NH−(CH2k −NH2 (但し、kは2、3
    または4の整数)、 および ・置換された−NH−(CH2k −NH2 (但し、k
    は前記に定義された通りである)、 から選択される基を形成し、 前記のピペラジン、ピペリジン、ピロリジンおよび−N
    H−(CH2k −NH2 のような基に関する「置換さ
    れた」という用語は、これらの基が1個以上のハロゲン
    原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、R10基または
    基 【化2】 〔式中、R10は、 ・アルキル、 ・アルコキシ、 ・アルケニル、 ・−(CH2 )n−R11または 【化3】 (式中、nは0または1〜5の整数であり、R11はフェ
    ニル、ベンズヒドリル、1,1−ジフェニルメチルイン
    デニル、チエニル、ピロリル、ピロリジニル、フリル、
    ピリミジニル、ピリジル、ベンゾジオキソリル、ベンゾ
    ジオキサニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、シ
    クロアルキルおよびジシクロアルキルメチルから選択さ
    れる基であり、「シクロアルキル」という用語は3〜1
    2個の構成員を有する単環または二環性基を表す)から
    選択され、基R10は、ハロゲン、トリフルオロメチル、
    オキソ、カルボキシル、ヒドロキシル、アルキル、アル
    コキシ、ハロアルコキシ、アセチルおよびピロリジニル
    から選択される1個以上の基で、それ自身を置換するこ
    とができる〕によって置換されていることを意味し、 または − R8 およびR9 は、同一であるかまたは異なり、そ
    れぞれ ・水素原子、 ・低級アルキル基Ra −または置換された低級アルキル
    基Ra −、 ・低級アルケニル基または置換された低級アルケニル基
    (アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する線状また
    は分枝した不飽和炭化水素である)、 ・基A−(CH2m −または置換された基A−(CH
    2m −(但し、mは0、1または2の整数であり、A
    は3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基であ
    る)、 ・Ra −O−Rb −の形態のアルコキシアルキル基、ま
    たは、Ra −O−Rb −の形態の置換されたアルコキシ
    アルキル基(但し、Ra およびRb は同一であるかまた
    は異なり、1〜8個の炭素原子を有する線状または分枝
    した低級アルキル基である)、 ・Ra −O−CO−Rb −の形態のアルコキシカルボニ
    ルアルキル基またはRa −O−CO−Rb −の形態の置
    換されたアルコキシカルボニルアルキル基(Ra および
    b は前記に定義したとおりである)、 ・基B−(CH2q −または置換された基B−(CH
    2q −(但し、qは、0、1、2または3の整数であ
    り、Bはナフタレン、1,3−ジオキサン、ピランまた
    はベンゾピラン基である)、 ・基E−(CH2q −または置換された基E−(CH
    2q −(但し、qは前記に定義したとおりであり、E
    は前記に定義したとおりの置換または未置換のアザスピ
    ランまたはアザシクロアルキル基である)、 ・フェニル−(CH2q −基または置換されたフェニ
    ル−(CH2q −基(但し、qは前記に定義したとお
    りである)、 ・ヘテロアリール−(CH2q −基または置換された
    ヘテロアリール−(CH2q −基(但し、qは前記に
    定義したとおりであり、ヘテロアリールは、フラン、キ
    ノリン、イソキノリン、ピリジン、チオフェン、チアゾ
    ール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾー
    ル、ナフチリジン、ベンゾフラン、β−カルボリンおよ
    びγ−カルボリンから選択される)、 ・未置換の、または1〜6個の炭素原子を有する線状ま
    たは分枝した1個以上のアルキル基によって置換され
    た、グアニジノまたはアミジノ基、または ・下記の基D1 〜D4 【化4】 の1個を表し、 この一般式(I)の記載の際に、前記に定義した、低級
    アルキルRa −、低級アルケニル、A−(CH2m
    −、アルコキシアルキルRa −O−Rb −、アルコキシ
    カルボニルアルキルRa −O−CO−Rb −、B−(C
    2q −、フェニル−(CH2q −およびヘテロア
    リール−(CH2q −の基に関する「置換された」と
    いう用語は、特に断らない限り、これらの基が1個以上
    の、同一または異なる次の基によって置換されているこ
    とを意味する。 低級アルキルRc −、 低級アルコキシRc −O−、 低級アシルRc −CO−、 トリフルオロメチル、 カルボキシル、 ヒドロキシル、 オキソ、 グアニジノ、 アミジノ、または ハロゲン原子、 (但し、Rc は1〜6個の炭素原子を有する線状または
    分枝したアルキル基を表す) を有する化合物、純粋な形態または混合物の形態でのそ
    の光学異性体、並びに、適宜製薬上許容可能な酸または
    塩基とのその付加塩。
  2. 【請求項2】 nが0であり、R8 が水素原子であり、
    9 が未置換のフェニル基であるか、または低級アルキ
    ルRc −、低級アルコキシRc −O−、低級アシルRc
    −CO−、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロ
    キシルおよびハロゲンから選択される1個以上の基で置
    換されたフェニル基(但し、Rc は1〜6個の炭素原子
    を有する線状または分枝したアルキル基を表す)であ
    る、請求項1に記載の化合物、純粋な形態または混合物
    の形態でのその光学異性体、およびその製薬上許容可能
    な酸または塩基の付加塩。
  3. 【請求項3】 R5 が水素原子である、請求項1に記載
    の化合物、純粋な形態または混合物の形態でのその光学
    異性体およびその製薬上許容可能な酸または塩基の付加
    塩。
  4. 【請求項4】 R8 およびR9 が、それらと結合してい
    る窒素原子と一緒になって、置換されたまたは未置換ピ
    ペラジンを形成する、請求項1に記載の化合物、その光
    学異性体、およびその製薬上許容可能な酸または塩基の
    付加塩。
  5. 【請求項5】 N−フェニル−6−ヒドロキシ−3,4
    −ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1
    −ベンゾピラン−2−チオカルボキサミドである、請求
    項1に記載の化合物、その光学異性体およびその製薬上
    許容可能な酸または塩基の付加塩。
  6. 【請求項6】 N−(2,4,5−トリメチルフェニ
    ル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
    7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
    チオカルボキサミドである、請求項1に記載の化合物、
    その光学異性体およびその製薬上許容可能な酸または塩
    基の付加塩。
  7. 【請求項7】 N−(2,6−ジメチルフェニル)−6
    −ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テ
    トラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−チオカルボ
    キサミドである、請求項1に記載の化合物、その光学異
    性体およびその製薬上許容可能な酸または塩基の付加
    塩。
  8. 【請求項8】 N−(3,4,5−トリメトキシフェニ
    ル)−6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
    7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−
    チオカルボキサミドである、請求項1に記載の化合物、
    その光学異性体およびその製薬上許容可能な酸または塩
    基の付加塩。
  9. 【請求項9】 1−〔(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロ
    キシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベン
    ゾピラン−2−イル)チオカルボニル〕−4−(4−ク
    ロロベンズヒドリル)ピペラジンである、請求項1に記
    載の化合物、その光学異性体およびその製薬上許容可能
    な酸または塩基の付加塩。
  10. 【請求項10】 N−(3,5−ジ(第三−ブチル)−
    4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシ−3,4−
    ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−
    ベンゾピラン−2−チオカルボサミドである、請求項1
    に記載の化合物、その光学異性体およびその製薬上許容
    可能な酸または塩基の付加塩。
  11. 【請求項11】 1−〔(3,4−ジヒドロ−6−ヒド
    ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベ
    ンゾピラン−2−イル)チオカルボニル〕−4−(4−
    フルオロフェニル)ピペラジンである、請求項1に記載
    の化合物、その光学異性体およびその製薬上許容可能な
    酸または塩基の付加塩。
  12. 【請求項12】 N−フェニル−3,4−ジヒドロ−6
    −ヒドロキシ−3,5,7,8−テトラメチル−2H−
    1−ベンゾピラン−2−チオカルボキサミドである、請
    求項1に記載の化合物、その光学異性体およびその製薬
    上許容可能な酸または塩基の付加塩。
  13. 【請求項13】 出発物質として、式(II)の化合物 【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 およびn
    は、請求項1と同じ意味である)を用いて、これを無水
    塩基性媒質中で、化合物R5 ″−HalまたはR5 ″−
    O−R5 ″(式中、Halはハロゲン原子であり、R
    5 ″は低級アシル基Ra −CO−であり、Ra は請求項
    1に定義したとおりである)でエステル化して、式(II
    I) 【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、nおよ
    びR5 ″は前記に定義したとおりである)を有する化合
    物を生成させ、 これをハロゲン化剤と反応させることによってそのハロ
    ゲン化物に転換した後、好適な溶剤中で、アルカリ性化
    合物の存在下にて、式(IV) 【化7】 (式中、R8 およびR9 は請求項1に記載のものと同じ
    意味である)を有するアミンで処理し、式(Ia) 【化8】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
    9 、nおよびR5 ″は前記に定義したとおりである)
    を有する化合物を生成させた後、 これを、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物
    と反応させてケン化して、式(Ib) 【化9】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
    9 およびnは前記に定義したとおりである)の化合物
    とし、 次いで、適宜、式R5 ″´−O−R5 ″´またはR5
    ´−Hal´の誘導体(式中、Hal´はハロゲン原子
    であり、R5 ″´は低級アルキル基Ra 、低級アシル基
    a −CO−、Ra −O−Rb −の形態のアルコキシア
    ルキル基、Ra −O−CO−の形態のアルコキシカルボ
    ニル基、Ra −O−CO−Rb −の形態のアルコキシカ
    ルボニルアルキル基、または、HOOC−Ra −の形態
    のカルボキシアルキル基であり、Ra およびRb は請求
    項1に定義したとおりである)と反応させることによっ
    てエーテル化して、式(Ic) 【化10】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
    9 、nおよびR5 ″´は前記に定義したとおりであ
    る)を有する化合物を生成させ、 次に、式(Ia)、(Ib)および(Ic)の化合物
    を、ローウェッソン試薬と反応させ、対応する請求項1
    に記載の式(I)の化合物を生成させることを特徴と
    し、 所望であれば、式(I)のこれらの化合物を、 − 精製し、 − 純粋な形態または混合物の形態のそれらの光学異性
    体に分離し、または − 製薬上許容可能な塩基または酸でそれらの付加塩へ
    転換する、請求項1に記載の式(I)を有する化合物を
    製造する方法。
  14. 【請求項14】 R5 が水素原子である、請求項1に記
    載の式(I)を有する化合物の具体的な場合である、式
    (I´) 【化11】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
    9 およびnは請求項1に定義したとおりである)を有
    する化合物、および R5 が基R5 ″´である、請求項1に記載の式(I)を
    有する化合物の具体的な場合である、式(I´a) 【化12】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
    9 およびnは式(I)に定義したとおりであり、R
    5 ″´は請求項13に定義したとおりである)を有する
    化合物を得る方法であって、 R5 が基R5 ″である、式(I)を有する化合物の具体
    的な場合である、式(I″) 【化13】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R6 、R7 、R8
    9 およびnは前記に定義した通りであり、R5 ″は低
    級アシル基Ra −CO−であって、Ra は請求項1に定
    義したとおりである)を有する化合物を、アルカリ金属
    またはアルカリ土類金属水酸化物と反応させることによ
    ってケン化して、式(I´)の対応する化合物を生成さ
    せ、これを、適宜、式R5 ″´−O−R5 ″´またはR
    5 ″´−Hal″(式中、Halはハロゲン原子であ
    り、R5 ″´は前記に定義したとおりである)を有する
    化合物と反応させることによりエーテル化またはエステ
    ル化し、式(I´a)の化合物を有する対応する化合物
    を生成させることを特徴とし、所望であれば、式(I
    ´)および(I´a)を有する化合物を、 − 精製し、 − 純粋な形態または混合物の形態でのそれらの光学異
    性体に分離し、または− 製薬上許容可能な塩基または
    酸でそれらの付加塩へ変換する方法。
  15. 【請求項15】 R5 ″が6、7または8個の炭素原子
    を有する線状または分枝したアシル基である、請求項1
    3または14の方法。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の化合物、または製薬
    上許容可能な酸または塩基とのその付加塩を、1種類以
    上の製薬上許容可能な賦形剤と組み合わせて含有する抗
    酸化剤。
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