JPH08815A - 硬貨投入型のパチンコ球等の計数装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で衝撃等に対しても高い信頼性を
得ることができ、かつ故障時等における投入硬貨の確認
を可能にし、しかも硬貨を連続投入した場合でも正しい
計数を行うことができるパチンコ球等の計数装置を得
る。 【構成】 パチンコ球Ｂを通過させる通路７に臨んでス
プロケット２１を配置し、その回転作用によってパチン
コ球の計数動作を行なう。このスプロケット２１にカム
歯車２７を噛合させ、かつこのカム歯車２７の回転を係
止させ、かつ硬貨Ｃが投入されたときにその係止を解除
させてスプロケット２１が所定数の計数を行う間だけカ
ム歯車２７を回転許可するストッパ２６を設ける。ま
た、スプロケット２１の計数動作中は投入された硬貨Ｃ
を保持し、計数が完了された時点でこの硬貨を硬貨収納
路１３に開放する硬貨保持ディスク２４を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は投入された硬貨を利用し
てパチンコ球やその他の球や円形コイン等を計数して送
出する計数装置に関し、特に硬貨の連続投入対策及び不
正硬貨対策を施したメカニカル構成の計数装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】例えば、パチンコ遊戯場のように球を扱
う場所では、硬貨を投入することによって自動的にパチ
ンコ球を貸し出すパチンコ球計数装置が配設される。従
来、この種の計数装置としては、実開昭６２−１３７０
８１号公報、特開平４−２５０３４号公報等に記載され
ているものがある。これらのものは、いずれもパチンコ
球を計数しながら回転されるスプロケットの回転量を規
制することでパチンコ球の計数を行っているが、このス
プロケットの回転量を規制するための機構として、投入
された硬貨が硬貨路内を自重で落下される際の力を利用
してレバーを所定量だけ回動させるようにし、この回動
量を利用してスプロケットの回転量を機械的な構造で規
制するような構成とされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のパチ
ンコ球計数装置では、硬貨によって回動させるレバーの
回動量によってスプロケットの回転量を規制するための
機構に複数のレバー機構が必要とされるため、各レバー
を相互に関係させるための構造が極めて複雑なものとな
る上に、各レバーに複雑な動作が要求されるため、故障
が生じ易い。特に、パチンコ球計数装置を外部から叩い
た時等の衝撃によって各レバーの係合状態が損なわれ易
く、信頼性に問題がある。

【０００４】また、投入された硬貨はレバーを回動させ
た後は所定の硬貨収納路に排出されてしまうため、計数
の故障が生じたときにパチンコ球計数装置の内部を観察
しても硬貨が残っておらず、果たして正しい硬貨が投入
されたものか否かを確認することができないという問題
がある。

【０００５】更に、一の投入硬貨によってレバーが回動
されている状態のときに第二の硬貨が投入されると、こ
の第二の硬貨によってレバーを所定量だけ回動させるこ
とができず、したがって第二の硬貨によるパチンコ球の
計数が少なくなり、計数誤差が生じる原因となる。

【０００６】

【発明の目的】本発明の目的は、レバー数を削減し、簡
単な構成で衝撃等に対しても高い信頼性を得ることがで
きる計数装置を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、故障時等における投入硬貨の確認を可能にし
た計数装置を提供する。更に、本発明の他の目的は、硬
貨を連続投入した場合でも正しい計数を行うことができ
る計数装置を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の計数装置は、パ
チンコ球等の被計数部材を通過させる通路に臨んで配置
され、その回転作用によって前記被計数部材の計数動作
を行うスプロケットと、前記スプロケットと同期して回
転駆動されるカム歯車と、このカム歯車に係合してその
回転を係止させ、硬貨が投入されたときに前記係止を解
除して前記スプロケットが計数動作を行う分だけカム歯
車を回転許可するストッパと、投入された硬貨を保持し
た状態で前記スプロケットに同期して回転駆動され、ス
プロケットが計数動作を完了した時点で前記硬貨の保持
を解除する硬貨保持ディスクとを備えることを特徴とす
る。

【０００８】ここで、硬貨保持ディスクに一体に設けた
歯車と、カム歯車に設けた歯車と、スプロケットに設け
た歯車とを順序的に噛合させて歯車列を構成し、かつ硬
貨保持ディスクが硬貨を保持している間の回転量と、カ
ム歯車がスプロケットを回転許可する間の回転量と、ス
プロケットが被計数部材を所定数だけ計数する間の回転
量とが一致するように前記歯車列の回転比を設定する。

【０００９】また、硬貨保持ディスクは、ケーシングに
設けた円形凹部内において硬貨供給路と硬貨収納路との
間に配置され、その円周の１以上の箇所に硬貨を収納保
持する硬貨の径寸法に等しい径寸法のＵ字状の硬貨保持
溝が形成され、その回転動作によって硬貨供給路の硬貨
を硬貨保持溝に収納し、かつ硬貨収納路にまで回転移動
させるように構成する。

【００１０】

【作用】投入された硬貨によりストッパがカム歯車の回
転を許可し、スプロケットの回転により計数を開始す
る。また、これと同時に硬貨保持ディスクは硬貨を保持
した状態で回転される。そして、スプロケットが所定数
の計数を完了する状態となるとストッパによりカム歯車
の回転が係止され、同時にスプロケットの回転が停止さ
れ、以後の計数が停止される。また、これと同時に硬貨
保持ディスクに保持されていた硬貨が収納される。

【００１１】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本発明の計数装置をパチンコ球貸出機に適
用した実施例の一部を透視的に示した斜視図であり、正
面から見て左右に狭く上下に長いパチンコ球貸出機１の
ケーシング２の正面上部には硬貨投入口３が設けられ、
この硬貨投入口３に投入された硬貨Ｃは、硬貨投入路４
を通して硬貨判別機５に投入され、ここで正しい硬貨の
みが判別されてパチンコ球計数装置１０の上部の硬貨供
給口１１に供給されるようになっている。なお、この例
では硬貨として１００硬貨を用いている。そして、前記
硬貨供給口１１に臨んで硬貨の径寸法及び厚さ寸法に見
合った幅及び深さに形成された硬貨供給路１２及び硬貨
収納路１３がケーシング２の略下方に向けて延設され、
硬貨供給口１１に供給された硬貨Ｃはこれら硬貨供給路
１２から硬貨収納路１３を通して装置の下部に配置した
硬貨収納口１４から排出され、図外の硬貨収納器に収納
されるようになっている。

【００１２】一方、前記ケーシング２の上部には図外の
パチンコ球溜まりが設けられており、このパチンコ球溜
まりに対して開口されるパチンコ球供給口６から下方に
向けて管状のパチンコ球通路７が延設され、ケーシング
２の下部に設けたパチンコ球排出口８にまで連通されて
いる。このパチンコ球通路７の途中には、詳細を後述す
るスプロケット２１が設けられており、パチンコ球溜ま
りのパチンコ球Ｂがパチンコ球通路７を自重で落下され
ながらこのスプロケット２１により計数され、計数され
た数のパチンコ球はパチンコ球排出口８から外部に排出
され、硬貨を投入した利用者がパチンコ球を手にするこ
とができるように構成される。なお、前記スプロケット
２１の上流から下流にわたるパチンコ球通路７には蛇行
部７ａが設けられ、パチンコ球の自重による落下速度を
抑制する構成とされている。

【００１３】図２に図１に示したパチンコ球計数装置１
０の主要部の部分分解斜視図を示し、図３にその組立状
態の側面図を示す。これらの図に示すように、前記スプ
ロケット２１は、その周面に１０個の円弧状の切欠部２
１ａが形成された円板として構成され、前記ケーシング
２に上下方向に回転可能に支持されている。前記切欠部
２１ａはパチンコ球Ｂを抱持可能な形状及び寸法に形成
されており、その円周一部を前記パチンコ球通路７内に
臨ませている。したがって、パチンコ球通路７をパチン
コ球Ｂが自重で落下されてくると、パチンコ球Ｂは１個
ずつスプロケット２１の切欠部２１ａに抱持され、かつ
スプロケット２１の回転によって下方へ移動され、切欠
部２１ａの抱持から開放されたときにパチンコ球排出口
８に向けて落下される。したがって、ここではスプロケ
ット２１が１回転すれば、１０個のパチンコ球Ｂがパチ
ンコ球通路７を通過することができ、結果としてスプロ
ケット２１の１回転で１０個のパチンコ球を計数するこ
とになる。

【００１４】前記スプロケット２１の一側面には小径の
歯車２２が一体に形成されており、この歯車２２は後述
するカム歯車２７の大径歯車３０に噛合される。また、
スプロケット２１に隣接するケーシング位置にはＬ字型
のレバー構成のバランサ２３が揺動可能に支持されてお
り、このバランサ２３の一端部には錘部２３ａが一体に
設けられ、他端部２３ｂは円弧状に形成されて前記スプ
ロケット２１の切欠部２１ａに係合される。このバラン
サ２３は錘部２３ａの自重によって円弧状の他端部２３
ｂがスプロケット２１の切欠部２１ａに対して中心方向
への押圧力を加えるため、この押圧力によってスプロケ
ット２１の回転が制動される。これにより、パチンコ球
Ｂがパチンコ球通路７を落下される際の加速度によって
スプロケット２１が惰性回転されることが防止され、ス
プロケット２１の回転量とパチンコ球Ｂの計数値との対
応を正確に確保することが可能となる。

【００１５】一方、前記硬貨供給路１２と硬貨収納路１
３の間の前記ケーシング２に設けられた円形の浅い凹部
２ａ内には円板状をした硬貨保持ディスク２４が配設さ
れ、上下方向に回転可能に支持される。この硬貨保持デ
ィスク２４は、直径方向に対向する円周２箇所には、供
給された硬貨を収容保持する円弧状の硬貨保持溝２４ａ
が形成される。この硬貨保持溝２４ａには硬貨供給路１
２を自重で落下されてくる硬貨Ｃが硬貨保持溝２４ａ内
に進入され、かつ硬貨保持ディスク２４の回転に伴って
前記凹部２ａ内で円周方向に移動されるようになってい
る。また、この硬貨保持溝２４ａ内に硬貨Ｃが保持され
た状態では、硬貨の円周位置が硬貨保持ディスク２４の
円周と略一致するような形状および寸法に形成されてい
る。また、前記硬貨保持ディスク２４の一方の側面には
所要径寸法の歯車２５が一体に形成されている。

【００１６】また、前記硬貨保持ディスク２４の直上位
置には硬貨供給路１２に臨んでＬ字型のレバー状をした
ストッパ２６が上下方向に揺動可能にケーシング２に支
持されている。このストッパ２６は、フック型に形成し
た他端部２６ａを一端部２６ｂよりも重くなるように設
計した重量バランスによって、通常では一端部２６ｂが
硬貨供給路１２内に突出され、他端部２６ａは後述する
カム歯車２７の渦巻カム２９のカム周面に当接されるよ
うになっている。そして、硬貨供給路１２に硬貨が供給
されたときに、その一端部２６ｂが硬貨によって下方に
回動され、これにより他端部２６ａが渦巻カム２９のカ
ム周面から離反されるように構成される。

【００１７】前記硬貨保持ディスク２４に隣接する位置
の前記ケーシングには、カム歯車２７が上下方向に回動
可能に支持される。このカム歯車２７には小径歯車２
８、渦巻カム２９，大径歯車３０が軸方向に並んで一体
形成されており、小径歯車２８は前記硬貨保持ディスク
２４の歯車２５に噛合される。また、大径歯車３０は前
記スプロケット２１の小径歯車２２に噛合される。更
に、渦巻カム２９は、カム歯車２７の１回転によってそ
の径寸法が変化される渦巻形状として形成されている。
そして、この渦巻カム２９のカム周面には前記ストッパ
２６の他端部２６ａが自重によって当接されている。な
お、この渦巻カム２９の円周一部はカム径の差による段
部２９ａが設けられており、この段部２９ａにストッパ
２６の他端部２６ａが当接した状態では、カム歯車２７
はストッパ２６によってカム径が漸減される方向（図の
反時計方向）への回転が係止されるようになっている。

【００１８】ここで、前記硬貨保持ディスク２４の歯車
２５と、カム歯車２７の小径歯車２８と大径歯車３０、
及びスプロケット２１の小径歯車２２とで変速歯車列を
構成しているが、この実施例のパチンコ球貸出機は１０
０円で２５個のパチンコ球を貸し出すように構成されて
いることから、硬貨保持ディスク２４が１／２回転する
のに対してスプロケット２１が２．５回転し、かつこれ
と共にカム歯車２７が１回転するように各歯車の歯数と
歯数比が設定されている。

【００１９】以上の構成のパチンコ球貸出機の動作を図
４を更に参照して説明する。なお、硬貨が投入される前
の状態では、特に硬貨保持ディスク２４は、図４（ａ）
に示すように、硬貨保持溝２４ａを硬貨供給路１２に臨
んだ回動位置に設定されている。投入された１００円硬
貨Ｃが硬貨判別機５を通して硬貨供給口１１にまで供給
され、硬貨供給路１２を落下されると、図４（ｂ）のよ
うに、その途中でストッパ２６の一端部２６ｂに衝接
し、この一端部２６ｂを硬貨供給路１２の外側に押し出
し、ストッパ２６を反時計方向に回動させ、その直後に
硬貨保持ディスク２４の硬貨保持溝２４ａ内に収納され
る。このストッパ２６の回動により、他端部２６ａはカ
ム歯車２７の渦巻カム２９を係止する状態から外れる。
したがって、カム歯車２７は回転が自由な状態となり、
このカム歯車２７の歯車２８，３０にそれぞれ噛合され
ている硬貨保持ディスク２４とスプロケット２１の回転
も自由な状態となる。これにより、パチンコ球通路７に
あるパチンコ球Ｂの自重によりスプロケット２１が時計
方向に回転され始め、パチンコ球の計数を開始する。

【００２０】このスプロケット２１の回転は歯車列（歯
車２２，３０，２８，２５）を介してカム歯車２７と硬
貨保持ディスク２４を回転する。そして、図４（ｃ）の
ように、硬貨保持ディスク２４が時計方向に回転されな
がらパチンコ球を計数して行き、結果として２５個計数
したとき、即ちスプロケット２１が２．５回転すると、
図４（ｄ）のように硬貨保持ディスク２４は１／２回転
されるため、硬貨保持溝２４ａ中の硬貨Ｃは硬貨収納路
１３に落下される。この状態では、硬貨保持ディスク２
４の反対側に設けた硬貨保持溝２４ａが上側の硬貨収納
路１２に位置され、次の硬貨を受け入れて保持し、前記
と同様なパチンコ球の計数を行うことになる。

【００２１】また、これと同時にカム歯車２７が１回転
されるため、ストッパ２６の他端部２６ａは渦巻カム２
９の周面を１周して再び段部２９ａに係合し、以後のカ
ム歯車の回転を係止する。これによりスプロケット２１
は２５個のパチンコ球を計数した２．５回転で回転が係
止され、図４（ａ）の状態となる。以下、前述と同様な
動作を繰り返すことにより、１個の硬貨が投入される毎
に２５個のパチンコ球を計数することが可能となる。計
数されたパチンコ球Ｂはパチンコ球通路７を通して排出
口８に排出されることは前記した通りである。

【００２２】したがって、この構成のパチンコ球計数装
置では、従来構成のようにレバーが互いに係合される構
成は全く存在していないため、パチンコ球貸出機に外部
から衝撃等が加えられた場合でも、レバーの係合状態が
外れる等の事故により誤ってパチンコ球を計数するよう
なこともない。なお、この構成ではストッパ２６をレバ
ー構成としているが、このストッパ２６は自重によるバ
ランスで常態が保持されているため、外部からの衝撃で
カム歯車に対する係止が外れることは殆ど生じない。こ
のことは本発明が種々の実験により確認していることで
ある。

【００２３】また、硬貨が投入されたのにも関わらず正
規の数のパチンコ球が計数できない状態が生じた場合に
は、パチンコ球貸出機の内部を調べることになる。この
とき、正規の数のパチンコ球が計数できないときには、
スプロケット２１は２．５回転よりも少ない回転数の状
態で停止されており、したがって硬貨保持ディスク２４
は、図４（ｃ）に示したように、１／２回転よりも少な
い回転数の状態で停止されている。この状態では、硬貨
を保持している状態にある硬貨保持溝２４ａの回転位置
が硬貨収納路１３にまで達していない状態であり、した
がって硬貨Ｃは硬貨保持溝２４ａ内に保持された状態に
ある。したがって、この硬貨Ｃの保持状態を確認するこ
とで、正しい硬貨が投入されているか否かを判定するこ
とができ、特に偽造硬貨による不正使用に伴う誤動作を
防止する上で有効となる。

【００２４】また、硬貨が連続投入された場合には、図
４（ｃ）に鎖線で示すように、第１の硬貨Ｃが硬貨保持
ディスクの硬貨保持溝に保持されて前記したパチンコ球
の計数を行っている間、第２の硬貨Ｃ′は硬貨供給路１
２内の硬貨保持ディスク２４の円周上で待機されてい
る。このときにはストッパ２６によるカム歯車２７の係
止を解除している状態を保持している。そして、図４
（ｄ）のように、第１の硬貨Ｃによる計数が完了し、第
１の硬貨Ｃが硬貨収納路１３に落下されるのと同時に、
この第１の硬貨Ｃが保持されていた箇所と反対側の硬貨
保持溝２４ａが硬貨供給路１２に回転位置されるため、
第２の硬貨Ｃ′が硬貨保持溝２４ａ内に進入され、かつ
この第２の硬貨による計数が第１の硬貨と同様な動作に
よって開始される。したがって、連続投入された硬貨に
よってそれぞれ順序的に計数が実行されることになり、
誤計数を未然に防止することが可能となる。

【００２５】図５は本発明のパチンコ球計数装置を用い
て、異なる２種類の硬貨によりそれぞれパチンコ球を計
数するパチンコ球貸出機１Ａを構成した例を示す概念図
であり、前記実施例と等価な部分には同一符号を付して
ある。この実施例では、硬貨投入口３からは、例えば１
００円硬貨と、これよりも大径の５００円硬貨が投入で
きるように構成される。また、硬貨判別機５は１００円
硬貨と５００円硬貨を判別し、それぞれ異なる排出口か
ら硬貨を落下させるように構成される。

【００２６】そして、パチンコ球計数装置では、前記し
た基本構成の計数装置を２組設けており、一方を１００
円硬貨用の第１の計数装置１０、他方を５００円硬貨用
の第２の計数装置１０Ａとして構成している。１００円
硬貨用の第１の計数装置１０は、前記実施例と同じであ
り、硬貨判別機５から排出される１００円硬貨の硬貨供
給路１２と硬貨収納路１３の間に臨んで配設される。ま
た、５００円硬貨用の第２の計数装置１０Ａは、前記１
００円硬貨のものとは別に設けた５００円硬貨の硬貨供
給路１２Ａと硬貨収納路１３Ａの間に臨んで配設され
る。そして、第１及び第２の各計数装置１０，１０Ａに
それぞれ設けられるスプロケット２１，３１は、それぞ
れ独立して設けられた第１のパチンコ球通路７と第２の
パチンコ球通路７Ａとにそれぞれ臨んで配設される。な
お、これらのパチンコ球通路７，７Ａは、その上流位置
においてパチンコ球供給口６につながる通路が２分岐さ
れたものであり、したがってパチンコ球溜まりからのパ
チンコ球はそれぞれの通路７，７Ａを分岐した状態で通
過され、各計数装置１０，１０Ａのスプロケット２１，
３１により計数されながら通過され、またその下流位置
において両通路７，７Ａが合流されているために、各計
数装置で計数されたパチンコ球は共通してパチンコ球排
出口８に排出される。

【００２７】ここで、前記５００円硬貨用の第２の計数
装置１０Ａは、図６に所要部の部分分解斜視図を、また
図７にその側面図をそれぞれ示すように、ケーシング２
の円形の凹部２ｂに内装された硬貨保持ディスク３４、
カム歯車３７、スプロケット３１、２個の減速歯車４
１，４２で構成される。前記硬貨保持ディスク３４，カ
ム歯車３７，スプロケット３１の構成は前記実施例と同
じであり、前記実施例の符号２１〜３０をそれぞれ３１
〜４０に対応させて示している。また、前記減速歯車４
１，４２はそれぞれ大小の歯車４３，４４と４５，４６
で構成され、前記カム歯車３７とスプロケット３１の間
に噛合されている。

【００２８】そして、この第２の計数装置１０Ａでは、
１個の５００円硬貨に対して１２５個のパチンコ球を計
数する必要がある。そのため、硬貨保持ディスク３４を
１／２回転させ、カム歯車３７を１回転させる間にスプ
ロケット３１を１２．５回転させる必要がある。したが
って、前記した減速歯車４１，４２によりカム歯車３７
対スプロケット３１の回転比を１：１２．５となるよう
に設定している。なお、硬貨保持ディスク３４に形成さ
れる硬貨保持溝３４ａの形状，寸法は５００円硬貨に対
応する形状，寸法に形成しているものであることは言う
までもない。

【００２９】この構成のパチンコ球貸出機１Ａでは、投
入された硬貨が１００円硬貨であるときには、硬貨判別
機５から硬貨供給路１２に１００円硬貨が供給されるた
め、前記実施例と同様に１００円硬貨用の第１の計数装
置１０が動作され、２５個のパチンコ球を計数してパチ
ンコ球排出口８に排出する。

【００３０】一方、投入された硬貨が５００円硬貨であ
るときには、硬貨判別機５から５００円硬貨が硬貨供給
路１２Ａが供給されるため、この５００円硬貨はストッ
パ３６を動作させてカム歯車３７を自由状態とし、減速
歯車４１，４２を介してスプロケット３１の回転を自由
状態とし、スプロケット３１によるパチンコ球の計数を
開始させる。また、これと同時に、５００円硬貨は硬貨
保持ディスク３４の硬貨保持溝３４ａに保持される。そ
して、カム歯車３７が１回転して再びカム歯車３７がス
トッパにより係止される状態となるまでの間、スプロケ
ット３１は１２．５回転し、１２５個のパチンコ球を計
数する。また、これと同時に硬貨保持ディスク３４は１
／２回転され、硬貨保持溝３４ａに保持されていた５０
０硬貨は硬貨収納路１３Ａに落下され、図外の硬貨収納
器に収納される。

【００３１】この５００円硬貨用の第２の計数装置１０
Ａにおいても、その基本構成は前記した第１の計数装置
１０同じであるため、パチンコ球貸出機が故障した際に
おける投入硬貨の確認が可能であること、また硬貨が連
続投入された場合でも正確なパチンコ球の計数が可能で
あることは言うまでもない。

【００３２】ここで、前記各実施例では、１個の硬貨に
対するパチンコ球の計数動作時に硬貨保持ディスク２
４，３４が１／２回転する例を示しているが、硬貨保持
溝２４ａ，３４ａを円周方向に等配して１／３回転、或
いは１／４回転させる構成であってもよい。これと同様
にカム歯車２７，３７も１回転以下の回転で１回の計数
を行わせるように構成してもよい。更に、スプロケット
２１，３１は１回転で１０個のパチンコ球の計数を行う
ように構成しているが、これ以外の数を計数するように
構成してもよい。いずれにしても、計数するパチンコ球
の数に応じて硬貨保持ディスク、カム歯車、スプロケッ
トの各回転数を任意に設計することは可能である。ま
た、前記各実施例ではストッパ２６，３６とバランサ２
３，３３は自重を利用して動作させるように構成してい
るが、スプリング等の弾性力を利用した構成としてもよ
い。

【００３３】なお、本発明は硬貨を用いてパチンコ球の
計数を行う例を用いて説明しているが、コインやトーク
ンを利用してもよく、或いはパチンコ球以外の球、例え
ばゴルフボールやテニスボールの計数装置として構成す
ることができ、更には計数を行うスプロケットの構造を
工夫することで円板状をしたコインの貸出機の計数装置
として応用することも可能である。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、パチンコ
球等の被計数部材を通過させる通路にスプロケットを配
置し、このスプロケットと同期して回転されるカム歯車
をストッパにより係止させるようにし、かつこのストッ
バの係止を投入硬貨により解除させるようにし、しかも
硬貨保持ディスクによりパチンコ球球等の計数が完了さ
れるまで投入された硬貨を保持するように構成している
ので、複数のレバーを相互に係合させた構造が不要とな
り、外部からの衝撃によっても誤作動することがなく安
定なパチンコ球等の計数が実現できる。

【００３５】また、所定数の計数が完了されるまでは投
入硬貨は硬貨保持ディスクに保持されるため、計数動作
の故障が生じた場合でも、硬貨保持ディスクに保持され
ている硬貨を確認することで、正規の硬貨が投入された
か否かを確認することができ、計数装置の不正使用に対
処することができる。

【００３６】更に、硬貨保持ディスクを円板状に形成
し、保持される硬貨の円周と硬貨保持ディスクの円周と
を略一致させることで、連続投入された硬貨を次の位置
に待機させておくことができ、先の硬貨による計数動作
が完了された後に次の硬貨を利用して同様な計数動作を
行うことができるので、連続投入された硬貨により順序
的な計数を実行することができるため、硬貨の連続投入
に対しても正確な計数動作が確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明をパチンコ球貸出機に適用した実施例の
概略構成を透視的に示す斜視図である。

【図２】パチンコ球計数装置の主要部の部分分解斜視図
である。

【図３】図２の組立状態の側面図である。

【図４】パチンコ球計数装置の計数動作を説明するため
の側面図である。

【図５】本発明を他のパチンコ球貸出機に適用した実施
例の概略構成を透視的に示す斜視図である。

【図６】５００円硬貨によるパチンコ球計数装置の主要
部の部分分解斜視図である。

【図７】図６の組立状態の側面図である。

【符号の説明】

１，１Ａ パチンコ球貸出機 １０，１０Ａ パチンコ球計数装置 ２１，３１ スプロケット ２３，３３ バランサ ２４，３４ 硬貨保持ディスク ２６，３６ ストッパ ２７，３７ カム歯車 Ｃ，Ｃ′ 硬貨 Ｂ パチンコ球

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パチンコ球等の被計数部材を通過させる
   通路に臨んで配置され、その回転作用によって前記被計
   数部材の計数動作を行うスプロケットと、前記スプロケ
   ットと同期して回転駆動されるカム歯車と、このカム歯
   車に係合してその回転を係止させ、硬貨が投入されたと
   きにその係止を解除して前記スプロケットが計数動作を
   行う分だけカム歯車を回転許可するストッパと、投入さ
   れた硬貨を保持した状態で前記スプロケットと同期して
   回転駆動され、スプロケットが計数動作を完了した時点
   で前記硬貨の保持を解除する硬貨保持ディスクとを備え
   ることを特徴とする硬貨投入型のパチンコ球等の計数装
   置。
2. 【請求項２】 硬貨保持ディスクに一体に設けた歯車
   と、カム歯車に設けた歯車と、スプロケットに設けた歯
   車とを順序的に噛合させて歯車列を構成し、かつ硬貨保
   持ディスクが硬貨を保持している間の回転量と、カム歯
   車がスプロケットを回転許可する間の回転量と、スプロ
   ケットが被計数部材を所定数だけ計数する間の回転量と
   が一致するように前記歯車列の回転比を設定してなる請
   求項１の硬貨投入型のパチンコ球等の計数装置。
3. 【請求項３】 硬貨保持ディスクは、ケーシングに設け
   た円形凹部内において硬貨供給路と硬貨収納路との間に
   配置され、その円周の１以上の箇所に硬貨を収納保持す
   る硬貨の径寸法に等しい径寸法のＵ字状の硬貨保持溝が
   形成され、その回転動作によって硬貨供給路の硬貨を硬
   貨保持溝に収納し、かつ硬貨収納路にまで回転移動させ
   るように構成される請求項２の硬貨投入型のパチンコ球
   等の計数装置。